JP2004183840A - 無段変速機用ベルトのエレメント及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】V溝プーリに摺接して回る際の回動がスムーズで騒音を発せず、段差の設定を詳細に変えることができ、ベルトの組立てが容易となる無段変速機用ベルトのエレメント及びその製造方法を提供する。
【解決手段】V溝プーリの内側壁に対応する傾斜面23、24を両側に備えたサドル部25の上位置には無端ベルト45が装着可能なベルト保持部28、29と上板部27を備え、上板部27の表面には係合突起34が裏面には係合穴35がそれぞれ設けられ、サドル部25の下側は他の部分より薄くなっている無段変速機用ベルトのエレメント10を、帯状の薄板材39を打ち抜き形成したエレメント片11〜20を積層して作った。
【選択図】 図1
【解決手段】V溝プーリの内側壁に対応する傾斜面23、24を両側に備えたサドル部25の上位置には無端ベルト45が装着可能なベルト保持部28、29と上板部27を備え、上板部27の表面には係合突起34が裏面には係合穴35がそれぞれ設けられ、サドル部25の下側は他の部分より薄くなっている無段変速機用ベルトのエレメント10を、帯状の薄板材39を打ち抜き形成したエレメント片11〜20を積層して作った。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車やその他の産業機械で使用されている無段変速機用ベルトのエレメント及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
無段変速機は、変速機の変速比を連続的に変えることができるものであり、自動車等に用いた場合には、エンジンの特性を十分に発揮させて更に排気ガスや燃費を改善できるという利点がある。
このような無段変速機として、例えば、特許文献1や特許文献2に記載の無段変速機が知られ、図5(A)、(B)にこのような無段変速機の一例を示す。この無段変速機100は、入力側のV溝プーリ101及び出力側のV溝プーリ102と、これらに掛けられているベルト103とを有している。ベルト103は、V溝プーリ101、102の内側傾斜に沿った傾斜面104、105を有する多数枚のエレメント106と、ベルト保持部の一例であって各エレメント106の両側に形成された平行溝107、108にそれぞれ嵌入する金属板製の無端ベルト109、110とを有している。従って、V溝プーリ101からV溝プーリ102への荷重の伝達は、各エレメント106及びこれに装着された金属板製の無端ベルト109、110を介して伝達され、出力側のV溝プーリ102の回転速度を変える場合には、V溝プーリ101及びV溝プーリ102の内側壁の間隔を変えることによって行う。
【0003】
このようなエレメント106は、図6(A)に示すように、V溝プーリ101、102の内側壁に対応する傾斜面104、105を両側に備えたサドル部111を有し、サドル部111の上位置には連結部112を介して上板部113が設けられている。図6(B)に示すように、上板部113の表面には係合突起114が裏面には係合突起114が嵌入可能な大きさの係合穴115がそれぞれ設けられている。そして、サドル部111の下側は他の部分より薄くなった段差加工部(又は薄肉部)116が設けられ、このベルト103が湾曲してV溝プーリ101、102を円滑に接することができるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭55−107147号公報(第2図、第5図、第7図)
【特許文献2】
特開平11−117999号公報(図3、図2、図8)
【特許文献3】
特開2002−54691公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した段差加工部116の加工は、プレス加工によって行われていたので、段差加工を行う分だけ加工工程が増加し、更には、段差加工に伴う内部応力も生じ、このための対策を講じる必要があり、結果としてリードタイムも増加して製造原価が高くなるという問題があった。
そこで、図6(C)に示すように、エレメント122を上下方向に長短2枚の薄板材117、118によって構成し、この薄板材117、118をかしめ結合し、前記した薄肉部を構成するものが、特許文献3に提案されている。なお、119は片側の平行溝を、120は片側の傾斜面を示す。このようなエレメントの製造方法においては、薄肉部を形成する段差加工をしなくてもよいという利点があるが、以下に記載するような解決すべき問題がある。
【0006】
(1)板厚分の段差しか段差の設定ができず、大きさが多様な無段変速機用ベルトに、適切に対応できないことがある。
(2)溝幅可変のV溝プーリに摺接してエレメントが回り、放射状に上部が開く際、接触位置は常に同じ部位121となり、エレメントの局部的な損耗が大きく、また、騒音の原因となる。
(3)薄板材からなるエレメント片同士の位置決めが1箇所でなされ、エレメント片が回転しやすく、ベルトの組立てに熟練を要する。
(4)ファインブランキングで製作されるため、後工程で2枚のエレメント片の結合組立てが必要で、生産性が低い。
本発明は、V溝プーリに摺接して回る際の回動がスムーズで騒音を発せず、また、段差の設定を詳細に変えることができ、エレメント片同士が回動せずベルトの組立てが容易となる無段変速機用ベルトのエレメント及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントは、使用にあって装着されるV溝プーリの内側壁に対応する傾斜面を両側に備えたサドル部を有し、該サドル部の上位置には金属板製の無端ベルトが装着可能なベルト保持部と上板部を備え、該上板部の表面には係合突起が裏面には該係合突起が嵌入可能な大きさの係合穴がそれぞれ設けられ、前記サドル部の下側は他の部分より薄く構成された無段変速機用ベルトのエレメントであって、薄板材から前記サドル部の下側部分の長さを順次変えて形成した3以上のエレメント片を主体として積層した積層体からなり、しかも、前記係合突起は表面側の前記エレメント片に形成され、前記係合穴は裏面側の前記エレメント片に形成されている。これによって、サドル部の下側部分の厚みを変えることができ、例えば、薄肉部の勾配を自由に設定できる。
【0008】
また、第2の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントは、第1の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントにおいて、前記積層されたエレメント片は、各エレメント片に複数設けられたかしめ部によって連結されている。これによって、多数枚のエレメント片によってそれぞれのエレメント片が分離しない一つのエレメントを構成できる。
第3の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントは、第2の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントにおいて、積層第1層を除く前記エレメント片のかしめ部は、非円形かしめ突起が使用され、しかも少なくともそのうちの2個は、前記非円形かしめ突起の向きが異なっている。これによって、各エレメント片の位置を固定できると共に、使用中に各エレメント片が回転等によって分離しようとするのを極力防止できる。
【0009】
そして、第4の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法は、使用にあって装着されるV溝プーリの内側壁に対応する傾斜面を両側に備えたサドル部を有し、該サドル部の上位置には金属板製の無端ベルトが装着可能なベルト保持部と上板部を備え、該上板部の表面には係合突起が裏面には該係合突起が嵌入可能な大きさの係合穴がそれぞれ設けられ、前記サドル部の下側は他の部分より薄くなった薄肉部を有する無段変速機用ベルトのエレメントを、帯状の薄板材を打ち抜き形成したエレメント片を順次積層して製造する無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法であって、前記薄肉部は、前記サドル部の下側部分の長さを順次変えて形成した前記エレメント片を積層することによって形成されている。
【0010】
第5の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法は、第4の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、前記係合突起は表面側に配置される前記エレメント片にプレス加工によって突起を設けることによって形成され、前記係合穴は裏面側に配置される前記エレメント片にプレス加工によって貫通孔を設けることによって形成されている。
また、第6の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法は、第4及び第5の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、前記各エレメント片はそれぞれ2以上のかしめ部によって連結されている。
【0011】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1(A)、(B)は本発明の一実施の形態に係る無段変速機用ベルトのエレメントの正面図及びその側断面図、図2、図3は同無段変速機用ベルトのエレメントの製造工程を示す概略説明図、図4は同無段変速機用ベルトのエレメントの使用状態の説明図である。なお、図1(B)及び図4においては各エレメント片の厚みが拡大されて記載されている。
【0012】
図1(A)、(B)を参照しながら、まず、本発明の一実施の形態に係る無段変速機用ベルトのエレメント10について説明する。エレメント10はこの実施の形態において10枚のエレメント片11〜20がかしめ部21、22によって相互に連結された状態で一体化されて積層されて(積層体となって)いる。このエレメント10は、使用にあって装着されるV溝プーリの内側壁に対応する傾斜面23、24を両側に備えたサドル部25と、サドル部25の上に連結部26を介して接続される上板部27を備え、上板部27の下側面、連結部26の両側面及びサドル部25の上側面によって、ベルト保持部の一例である左右対となる平行溝28、29が形成されている。平行溝28、29の上下隅には切欠き部30〜33が形成され、金属板製の無端ベルト45(図4参照)が奥まで確実に嵌入可能となっている。
左右対称となった上板部27の表面側の中央位置には係合突起34が設けられ、その裏面側には、この係合突起34が嵌入可能な係合穴35が設けられている。この係合突起34は最表面のエレメント片20にのみ突起を設けて形成されているが、その下部のエレメント片19、18にも、係合突起34の内側に嵌入する突起部を設けて、係合突起34の全体的補強を図ることもできる。また、係合穴35も2枚のエレメント片11、12に設けられた貫通孔43によって構成されているが、更に多くのエレメント片の同一位置に形成された貫通孔によって構成することもできる。
【0013】
一方、サドル部25の下側には他の部分より徐々に薄くなって疑似傾斜面36を形成している。この薄肉部の表面を形成する疑似傾斜面36はこの実施の形態において、エレメント片14〜20を、上下方向に最長のエレメント片11〜13よりサドル部25の下側を段階的に徐々に短くして構成されている。左右対称となったサドル部25の下側には左右対称な切欠き37、38が設けられて、従来構造のエレメントと同様、全体的な重量の軽減を図っている。
前記したかしめ部21は、図1(A)に示すように、エレメント10の左右対称軸に対して直角に、かしめ部22は同軸上に設けられ、それぞれ非円形かしめ部の一例である断面V字状のかしめ部21、22が直交配置されている。これによって、積層結合された各エレメント片11〜20の回転を効率的に防止することができる。なお、この実施の形態においては、かしめ部21、22として、図1(B)にその断面を示すように、V字かしめを使用したが、平面視して円形又は非円形の半抜きかしめ又は切り起こし突起かしめ等を用いることもできる。
【0014】
続いて、図2、図3を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法について説明する。
図2に示すように、エレメント10の製造にあっては、ステーションA〜Hを有するプレス装置(金型装置)を用い、所定の材質の帯状の薄板材39を図示しない搬送手段によって各ステーションに間欠搬送している。各ステーションA〜Hには対向するパンチとダイがあり、間欠搬送された薄板材39をプレス加工して、各エレメント片11〜20を順次形成し、最終的にはステーションHでパンチで打ち抜き、フレーム部40から分離してダイ内で、各エレメント片11〜20をかしめ積層する。以下、各ステーションA〜Hのプレス動作について説明する。
【0015】
(ステーションA)
ステーションAは、間欠送りされた薄板材39の両側にパイロット孔41、42を形成する。このパイロット孔41、42は後のステーションB〜Hにおいて、所定寸法のエレメント片11〜20を形成する基準となるものである。
(ステーションB)
ステーションBは、エレメント片11、12に係合穴35となる貫通孔43を形成する工程と、エレメント片20に係合突起34を形成する工程とを行う。この実施の形態では、エレメント片11〜20の順番に作成してステーションHで積層するので、エレメント片11、12を形成する場合には、上金型に設けたパンチを、下金型にこれに対応して設けたダイに深く進退させて貫通孔43を打ち抜き形成する。エレメント片20を形成する場合には、上金型のパンチが下金型のダイへ進退する深さを浅くして係合突起34を形成する。前記パンチのダイへの進退深さの変更は、公知のカム・スライド手段によって、パンチがダイ内に入り込む深さを変更することによってなされる。なお、エレメント片13〜19を製造する場合には、ステーションBはアイドルステーションとなる。
【0016】
(ステーションC)
ステーションCは、斜線部で示すように、全てのエレメント片11〜20に対して平行溝28、29の打ち抜き加工を行う。
(ステーションD)
ステーションDは、斜線部で示すように、全てのエレメント片11〜20に対して上板部27の下端辺を除く外形加工を行う。なお、上板部27の頂部はフレーム部40に一部接合された結合部44を備えている。
(ステーションE)
ステーションEは、各エレメント片11〜20に対して、かしめ部21、22の形成を行うが、最下部(積層第1層)のエレメント片11に対して、その上の断面V字状のかしめ凸部(非円形のかしめ突起)が嵌入する矩形貫通孔を形成する。積層2枚目以降のエレメント片12〜20には、V字かしめ突起を形成する。前記矩形貫通孔とV字かしめ突起の形成変えは、上金型に設けたパンチが下金型のダイ内に入り込む深さを公知のカム・スライド手段によって変えることでなされる。
【0017】
(ステーションF)
ステーションFでは、斜線部で示すように、各エレメント片11〜20に対して、サドル部25の上端辺を除く外形加工を行う。この場合、エレメント片14〜20は、エレメント片11〜13と同一形状に形成しておく。これによって、サドル部25を同一形状としたエレメント片11〜20(以下、エレメント片eと称する場合もある)が形成できる。
【0018】
(ステーションG)
ステーションGでは、サドル部25の下側の長さを調整した実際のエレメント片14〜20の成形を行う。この様子を、図3に詳細に記載するが、(G−1)から(G−8)に示すように、サドル部25の下側の長さを変えた8種類のエレメント片を製造する。(G−1)はエレメント片11〜13に該当するが、実際には、ステーションFで加工されたエレメント片eに対してプレス加工を行うことなく、3枚通過させることによって、エレメント片11〜13を製造する。
(G−2)から(G−8)は、ステーションFで加工されたエレメント片eに対して、サドル部25の下端を段階的に切断することによって形成する。この場合の切断は、切断パンチとこれに対応するダイを予め決められた距離だけ順次移動することによって形成できる。図3で斜線で示す部分は、サドル部25から除去される部分を示す。従って、ステーションGでは、図3に示すエレメント片11〜20が順次製造されることになる。
【0019】
(ステーションH)
ステーションHでは、結合部44の部分で切断されて、各エレメント片11〜20が周囲のフレーム部40から抜き落とされ、下部のダイ内でかしめ積層される。これによって、図1(A)、(B)に示すような、エレメント10が製造される。このエレメント10の使用状態を、図4に示すが、多数のエレメント10が平行溝28、29内に装着された金属板製の無端ベルト(リング)45を嵌入し、相互に支持している。
【0020】
前記実施の形態において、ステーションFの他にステーションGを設け、予め同一形状のエレメント片eをステーションFで製造し、ステーションGで各エレメント片14〜20の形状に応じてサドル部25の下部を切断したが、ステーションFで、エレメント片11〜20に応じた金型を用意し、エレメント片14〜20を製造する場合には、順次金型を変えて又は順次ステーションを変えて、製造することもできる。
また、前記実施の形態においては、エレメント片の数を10枚としたが、仕様に応じて3枚以上の他の枚数とすることもできる。ここで、3枚以上とするのはサドル部の板厚段差を小まめに変えて、大きさが多様な無段変速機用ベルトに適応させること等からである。
更には、前記実施の形態においては、プレス加工によって先に上板部を製造し、次にサドル部を製造したが、各部分の製造順序は任意である。
そして、本発明は前記実施の形態に係るエレメントの形状、又は係合突起や係合穴の形状に限定されるものでもない。
本実施の形態において、結合部44とフレーム部40との分離はパンチを用いたが、レーザー加工によってエレメント片11〜20をフレーム部40から分離することもできる。
本発明は以上に述べた実施の形態の変形例を個々に組み合わせて実施する場合も、本発明の権利範囲に含まれる。
【0021】
【発明の効果】
請求項1〜3記載の無段変速機用ベルトのエレメント、及び請求項4〜6記載の方法によって製造された無段変速機用ベルトのエレメントは、薄板材からサドル部の下側部分の長さを順次変えて形成した3以上のエレメント片を主体として積層した積層体からなり、無段変速機用ベルトが曲がる際に必要なサドル部下部の薄肉部分を、大きさや形状も含めて自由に形成することができる。
そして、サドル部の下部の段差や薄肉部が、複数のエレメント片により順次円滑に形成できるので、各エレメントがV溝プーリの周囲を移動する際にも、エレメントがサドル部下部の同一部分で当接せず、局部的な損耗の発生が少なく、更には騒音も少ない。
【0022】
特に、請求項1〜3の無段変速機用ベルトのエレメント、及び請求項5記載の方法によって製造されたエレメントは、係合突起を表面側のエレメント片に、係合穴を裏面側のエレメント片に形成しているので、プレス加工の負担が減少し、しかもより精密な加工を行うことができる。
請求項2、3記載の無段変速機用ベルトのエレメント、及び請求項6記載の方法によって製造されたエレメントは、複数のかしめ部によって連結されているので、エレメント片同士が個々に回転するようなことがなく、ベルトの組立てが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)は本発明の一実施の形態に係る無段変速機用ベルトのエレメントの正面図及びその側断面図である。
【図2】同無段変速機用ベルトのエレメントの製造工程を示す概略説明図である。
【図3】同無段変速機用ベルトのエレメントの製造工程を示す概略説明図である。
【図4】同無段変速機用ベルトのエレメントの使用状態の説明図である。
【図5】(A)、(B)はそれぞれ従来例に係る無段変速機用ベルトのエレメントの説明図である。
【図6】(A)、(B)、(C)はそれぞれ従来例に係る無段変速機用ベルトのエレメントの説明図である。
【符号の説明】
10:エレメント、11〜20:エレメント片、21、22:かしめ部、23、24:傾斜面、25:サドル部、26:連結部、27:上板部、28、29:平行溝、30〜33:切欠き部、34:係合突起、35:係合穴、36:疑似傾斜面、37、38:切欠き、39:薄板材、40:フレーム部、41、42:パイロット孔、43:貫通孔、44:結合部、45:無端ベルト
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車やその他の産業機械で使用されている無段変速機用ベルトのエレメント及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
無段変速機は、変速機の変速比を連続的に変えることができるものであり、自動車等に用いた場合には、エンジンの特性を十分に発揮させて更に排気ガスや燃費を改善できるという利点がある。
このような無段変速機として、例えば、特許文献1や特許文献2に記載の無段変速機が知られ、図5(A)、(B)にこのような無段変速機の一例を示す。この無段変速機100は、入力側のV溝プーリ101及び出力側のV溝プーリ102と、これらに掛けられているベルト103とを有している。ベルト103は、V溝プーリ101、102の内側傾斜に沿った傾斜面104、105を有する多数枚のエレメント106と、ベルト保持部の一例であって各エレメント106の両側に形成された平行溝107、108にそれぞれ嵌入する金属板製の無端ベルト109、110とを有している。従って、V溝プーリ101からV溝プーリ102への荷重の伝達は、各エレメント106及びこれに装着された金属板製の無端ベルト109、110を介して伝達され、出力側のV溝プーリ102の回転速度を変える場合には、V溝プーリ101及びV溝プーリ102の内側壁の間隔を変えることによって行う。
【0003】
このようなエレメント106は、図6(A)に示すように、V溝プーリ101、102の内側壁に対応する傾斜面104、105を両側に備えたサドル部111を有し、サドル部111の上位置には連結部112を介して上板部113が設けられている。図6(B)に示すように、上板部113の表面には係合突起114が裏面には係合突起114が嵌入可能な大きさの係合穴115がそれぞれ設けられている。そして、サドル部111の下側は他の部分より薄くなった段差加工部(又は薄肉部)116が設けられ、このベルト103が湾曲してV溝プーリ101、102を円滑に接することができるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭55−107147号公報(第2図、第5図、第7図)
【特許文献2】
特開平11−117999号公報(図3、図2、図8)
【特許文献3】
特開2002−54691公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した段差加工部116の加工は、プレス加工によって行われていたので、段差加工を行う分だけ加工工程が増加し、更には、段差加工に伴う内部応力も生じ、このための対策を講じる必要があり、結果としてリードタイムも増加して製造原価が高くなるという問題があった。
そこで、図6(C)に示すように、エレメント122を上下方向に長短2枚の薄板材117、118によって構成し、この薄板材117、118をかしめ結合し、前記した薄肉部を構成するものが、特許文献3に提案されている。なお、119は片側の平行溝を、120は片側の傾斜面を示す。このようなエレメントの製造方法においては、薄肉部を形成する段差加工をしなくてもよいという利点があるが、以下に記載するような解決すべき問題がある。
【0006】
(1)板厚分の段差しか段差の設定ができず、大きさが多様な無段変速機用ベルトに、適切に対応できないことがある。
(2)溝幅可変のV溝プーリに摺接してエレメントが回り、放射状に上部が開く際、接触位置は常に同じ部位121となり、エレメントの局部的な損耗が大きく、また、騒音の原因となる。
(3)薄板材からなるエレメント片同士の位置決めが1箇所でなされ、エレメント片が回転しやすく、ベルトの組立てに熟練を要する。
(4)ファインブランキングで製作されるため、後工程で2枚のエレメント片の結合組立てが必要で、生産性が低い。
本発明は、V溝プーリに摺接して回る際の回動がスムーズで騒音を発せず、また、段差の設定を詳細に変えることができ、エレメント片同士が回動せずベルトの組立てが容易となる無段変速機用ベルトのエレメント及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントは、使用にあって装着されるV溝プーリの内側壁に対応する傾斜面を両側に備えたサドル部を有し、該サドル部の上位置には金属板製の無端ベルトが装着可能なベルト保持部と上板部を備え、該上板部の表面には係合突起が裏面には該係合突起が嵌入可能な大きさの係合穴がそれぞれ設けられ、前記サドル部の下側は他の部分より薄く構成された無段変速機用ベルトのエレメントであって、薄板材から前記サドル部の下側部分の長さを順次変えて形成した3以上のエレメント片を主体として積層した積層体からなり、しかも、前記係合突起は表面側の前記エレメント片に形成され、前記係合穴は裏面側の前記エレメント片に形成されている。これによって、サドル部の下側部分の厚みを変えることができ、例えば、薄肉部の勾配を自由に設定できる。
【0008】
また、第2の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントは、第1の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントにおいて、前記積層されたエレメント片は、各エレメント片に複数設けられたかしめ部によって連結されている。これによって、多数枚のエレメント片によってそれぞれのエレメント片が分離しない一つのエレメントを構成できる。
第3の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントは、第2の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントにおいて、積層第1層を除く前記エレメント片のかしめ部は、非円形かしめ突起が使用され、しかも少なくともそのうちの2個は、前記非円形かしめ突起の向きが異なっている。これによって、各エレメント片の位置を固定できると共に、使用中に各エレメント片が回転等によって分離しようとするのを極力防止できる。
【0009】
そして、第4の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法は、使用にあって装着されるV溝プーリの内側壁に対応する傾斜面を両側に備えたサドル部を有し、該サドル部の上位置には金属板製の無端ベルトが装着可能なベルト保持部と上板部を備え、該上板部の表面には係合突起が裏面には該係合突起が嵌入可能な大きさの係合穴がそれぞれ設けられ、前記サドル部の下側は他の部分より薄くなった薄肉部を有する無段変速機用ベルトのエレメントを、帯状の薄板材を打ち抜き形成したエレメント片を順次積層して製造する無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法であって、前記薄肉部は、前記サドル部の下側部分の長さを順次変えて形成した前記エレメント片を積層することによって形成されている。
【0010】
第5の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法は、第4の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、前記係合突起は表面側に配置される前記エレメント片にプレス加工によって突起を設けることによって形成され、前記係合穴は裏面側に配置される前記エレメント片にプレス加工によって貫通孔を設けることによって形成されている。
また、第6の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法は、第4及び第5の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、前記各エレメント片はそれぞれ2以上のかしめ部によって連結されている。
【0011】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1(A)、(B)は本発明の一実施の形態に係る無段変速機用ベルトのエレメントの正面図及びその側断面図、図2、図3は同無段変速機用ベルトのエレメントの製造工程を示す概略説明図、図4は同無段変速機用ベルトのエレメントの使用状態の説明図である。なお、図1(B)及び図4においては各エレメント片の厚みが拡大されて記載されている。
【0012】
図1(A)、(B)を参照しながら、まず、本発明の一実施の形態に係る無段変速機用ベルトのエレメント10について説明する。エレメント10はこの実施の形態において10枚のエレメント片11〜20がかしめ部21、22によって相互に連結された状態で一体化されて積層されて(積層体となって)いる。このエレメント10は、使用にあって装着されるV溝プーリの内側壁に対応する傾斜面23、24を両側に備えたサドル部25と、サドル部25の上に連結部26を介して接続される上板部27を備え、上板部27の下側面、連結部26の両側面及びサドル部25の上側面によって、ベルト保持部の一例である左右対となる平行溝28、29が形成されている。平行溝28、29の上下隅には切欠き部30〜33が形成され、金属板製の無端ベルト45(図4参照)が奥まで確実に嵌入可能となっている。
左右対称となった上板部27の表面側の中央位置には係合突起34が設けられ、その裏面側には、この係合突起34が嵌入可能な係合穴35が設けられている。この係合突起34は最表面のエレメント片20にのみ突起を設けて形成されているが、その下部のエレメント片19、18にも、係合突起34の内側に嵌入する突起部を設けて、係合突起34の全体的補強を図ることもできる。また、係合穴35も2枚のエレメント片11、12に設けられた貫通孔43によって構成されているが、更に多くのエレメント片の同一位置に形成された貫通孔によって構成することもできる。
【0013】
一方、サドル部25の下側には他の部分より徐々に薄くなって疑似傾斜面36を形成している。この薄肉部の表面を形成する疑似傾斜面36はこの実施の形態において、エレメント片14〜20を、上下方向に最長のエレメント片11〜13よりサドル部25の下側を段階的に徐々に短くして構成されている。左右対称となったサドル部25の下側には左右対称な切欠き37、38が設けられて、従来構造のエレメントと同様、全体的な重量の軽減を図っている。
前記したかしめ部21は、図1(A)に示すように、エレメント10の左右対称軸に対して直角に、かしめ部22は同軸上に設けられ、それぞれ非円形かしめ部の一例である断面V字状のかしめ部21、22が直交配置されている。これによって、積層結合された各エレメント片11〜20の回転を効率的に防止することができる。なお、この実施の形態においては、かしめ部21、22として、図1(B)にその断面を示すように、V字かしめを使用したが、平面視して円形又は非円形の半抜きかしめ又は切り起こし突起かしめ等を用いることもできる。
【0014】
続いて、図2、図3を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法について説明する。
図2に示すように、エレメント10の製造にあっては、ステーションA〜Hを有するプレス装置(金型装置)を用い、所定の材質の帯状の薄板材39を図示しない搬送手段によって各ステーションに間欠搬送している。各ステーションA〜Hには対向するパンチとダイがあり、間欠搬送された薄板材39をプレス加工して、各エレメント片11〜20を順次形成し、最終的にはステーションHでパンチで打ち抜き、フレーム部40から分離してダイ内で、各エレメント片11〜20をかしめ積層する。以下、各ステーションA〜Hのプレス動作について説明する。
【0015】
(ステーションA)
ステーションAは、間欠送りされた薄板材39の両側にパイロット孔41、42を形成する。このパイロット孔41、42は後のステーションB〜Hにおいて、所定寸法のエレメント片11〜20を形成する基準となるものである。
(ステーションB)
ステーションBは、エレメント片11、12に係合穴35となる貫通孔43を形成する工程と、エレメント片20に係合突起34を形成する工程とを行う。この実施の形態では、エレメント片11〜20の順番に作成してステーションHで積層するので、エレメント片11、12を形成する場合には、上金型に設けたパンチを、下金型にこれに対応して設けたダイに深く進退させて貫通孔43を打ち抜き形成する。エレメント片20を形成する場合には、上金型のパンチが下金型のダイへ進退する深さを浅くして係合突起34を形成する。前記パンチのダイへの進退深さの変更は、公知のカム・スライド手段によって、パンチがダイ内に入り込む深さを変更することによってなされる。なお、エレメント片13〜19を製造する場合には、ステーションBはアイドルステーションとなる。
【0016】
(ステーションC)
ステーションCは、斜線部で示すように、全てのエレメント片11〜20に対して平行溝28、29の打ち抜き加工を行う。
(ステーションD)
ステーションDは、斜線部で示すように、全てのエレメント片11〜20に対して上板部27の下端辺を除く外形加工を行う。なお、上板部27の頂部はフレーム部40に一部接合された結合部44を備えている。
(ステーションE)
ステーションEは、各エレメント片11〜20に対して、かしめ部21、22の形成を行うが、最下部(積層第1層)のエレメント片11に対して、その上の断面V字状のかしめ凸部(非円形のかしめ突起)が嵌入する矩形貫通孔を形成する。積層2枚目以降のエレメント片12〜20には、V字かしめ突起を形成する。前記矩形貫通孔とV字かしめ突起の形成変えは、上金型に設けたパンチが下金型のダイ内に入り込む深さを公知のカム・スライド手段によって変えることでなされる。
【0017】
(ステーションF)
ステーションFでは、斜線部で示すように、各エレメント片11〜20に対して、サドル部25の上端辺を除く外形加工を行う。この場合、エレメント片14〜20は、エレメント片11〜13と同一形状に形成しておく。これによって、サドル部25を同一形状としたエレメント片11〜20(以下、エレメント片eと称する場合もある)が形成できる。
【0018】
(ステーションG)
ステーションGでは、サドル部25の下側の長さを調整した実際のエレメント片14〜20の成形を行う。この様子を、図3に詳細に記載するが、(G−1)から(G−8)に示すように、サドル部25の下側の長さを変えた8種類のエレメント片を製造する。(G−1)はエレメント片11〜13に該当するが、実際には、ステーションFで加工されたエレメント片eに対してプレス加工を行うことなく、3枚通過させることによって、エレメント片11〜13を製造する。
(G−2)から(G−8)は、ステーションFで加工されたエレメント片eに対して、サドル部25の下端を段階的に切断することによって形成する。この場合の切断は、切断パンチとこれに対応するダイを予め決められた距離だけ順次移動することによって形成できる。図3で斜線で示す部分は、サドル部25から除去される部分を示す。従って、ステーションGでは、図3に示すエレメント片11〜20が順次製造されることになる。
【0019】
(ステーションH)
ステーションHでは、結合部44の部分で切断されて、各エレメント片11〜20が周囲のフレーム部40から抜き落とされ、下部のダイ内でかしめ積層される。これによって、図1(A)、(B)に示すような、エレメント10が製造される。このエレメント10の使用状態を、図4に示すが、多数のエレメント10が平行溝28、29内に装着された金属板製の無端ベルト(リング)45を嵌入し、相互に支持している。
【0020】
前記実施の形態において、ステーションFの他にステーションGを設け、予め同一形状のエレメント片eをステーションFで製造し、ステーションGで各エレメント片14〜20の形状に応じてサドル部25の下部を切断したが、ステーションFで、エレメント片11〜20に応じた金型を用意し、エレメント片14〜20を製造する場合には、順次金型を変えて又は順次ステーションを変えて、製造することもできる。
また、前記実施の形態においては、エレメント片の数を10枚としたが、仕様に応じて3枚以上の他の枚数とすることもできる。ここで、3枚以上とするのはサドル部の板厚段差を小まめに変えて、大きさが多様な無段変速機用ベルトに適応させること等からである。
更には、前記実施の形態においては、プレス加工によって先に上板部を製造し、次にサドル部を製造したが、各部分の製造順序は任意である。
そして、本発明は前記実施の形態に係るエレメントの形状、又は係合突起や係合穴の形状に限定されるものでもない。
本実施の形態において、結合部44とフレーム部40との分離はパンチを用いたが、レーザー加工によってエレメント片11〜20をフレーム部40から分離することもできる。
本発明は以上に述べた実施の形態の変形例を個々に組み合わせて実施する場合も、本発明の権利範囲に含まれる。
【0021】
【発明の効果】
請求項1〜3記載の無段変速機用ベルトのエレメント、及び請求項4〜6記載の方法によって製造された無段変速機用ベルトのエレメントは、薄板材からサドル部の下側部分の長さを順次変えて形成した3以上のエレメント片を主体として積層した積層体からなり、無段変速機用ベルトが曲がる際に必要なサドル部下部の薄肉部分を、大きさや形状も含めて自由に形成することができる。
そして、サドル部の下部の段差や薄肉部が、複数のエレメント片により順次円滑に形成できるので、各エレメントがV溝プーリの周囲を移動する際にも、エレメントがサドル部下部の同一部分で当接せず、局部的な損耗の発生が少なく、更には騒音も少ない。
【0022】
特に、請求項1〜3の無段変速機用ベルトのエレメント、及び請求項5記載の方法によって製造されたエレメントは、係合突起を表面側のエレメント片に、係合穴を裏面側のエレメント片に形成しているので、プレス加工の負担が減少し、しかもより精密な加工を行うことができる。
請求項2、3記載の無段変速機用ベルトのエレメント、及び請求項6記載の方法によって製造されたエレメントは、複数のかしめ部によって連結されているので、エレメント片同士が個々に回転するようなことがなく、ベルトの組立てが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)は本発明の一実施の形態に係る無段変速機用ベルトのエレメントの正面図及びその側断面図である。
【図2】同無段変速機用ベルトのエレメントの製造工程を示す概略説明図である。
【図3】同無段変速機用ベルトのエレメントの製造工程を示す概略説明図である。
【図4】同無段変速機用ベルトのエレメントの使用状態の説明図である。
【図5】(A)、(B)はそれぞれ従来例に係る無段変速機用ベルトのエレメントの説明図である。
【図6】(A)、(B)、(C)はそれぞれ従来例に係る無段変速機用ベルトのエレメントの説明図である。
【符号の説明】
10:エレメント、11〜20:エレメント片、21、22:かしめ部、23、24:傾斜面、25:サドル部、26:連結部、27:上板部、28、29:平行溝、30〜33:切欠き部、34:係合突起、35:係合穴、36:疑似傾斜面、37、38:切欠き、39:薄板材、40:フレーム部、41、42:パイロット孔、43:貫通孔、44:結合部、45:無端ベルト
Claims (6)
- 使用にあって装着されるV溝プーリの内側壁に対応する傾斜面を両側に備えたサドル部を有し、該サドル部の上位置には金属板製の無端ベルトが装着可能なベルト保持部と上板部を備え、該上板部の表面には係合突起が裏面には該係合突起が嵌入可能な大きさの係合穴がそれぞれ設けられ、前記サドル部の下側は他の部分より薄く構成された無段変速機用ベルトのエレメントであって、薄板材から前記サドル部の下側部分の長さを順次変えて形成した3以上のエレメント片を主体として積層した積層体からなり、
しかも、前記係合突起は表面側の前記エレメント片に形成され、前記係合穴は裏面側の前記エレメント片に形成されていることを特徴とする無段変速機用ベルトのエレメント。 - 請求項1記載の無段変速機用ベルトのエレメントにおいて、前記積層されたエレメント片は、各エレメント片に複数設けられたかしめ部によって連結されていることを特徴とする無段変速機用ベルトのエレメント。
- 請求項2記載の無段変速機用ベルトのエレメントにおいて、積層第1層を除く前記エレメント片のかしめ部は、非円形かしめ突起が使用され、しかも少なくともそのうちの2個は、前記非円形かしめ突起の向きが異なっていることを特徴とする無段変速機用ベルトのエレメント。
- 使用にあって装着されるV溝プーリの内側壁に対応する傾斜面を両側に備えたサドル部を有し、該サドル部の上位置には金属板製の無端ベルトが装着可能なベルト保持部と上板部を備え、該上板部の表面には係合突起が裏面には該係合突起が嵌入可能な大きさの係合穴がそれぞれ設けられ、前記サドル部の下側は他の部分より薄くなった薄肉部を有する無段変速機用ベルトのエレメントを、帯状の薄板材を打ち抜き形成したエレメント片を順次積層して製造する無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法であって、
前記薄肉部は、前記サドル部の下側部分の長さを順次変えて形成した前記エレメント片を積層することによって形成されていることを特徴とする無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法。 - 請求項4記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、前記係合突起は表面側に配置される前記エレメント片にプレス加工によって形成され、前記係合穴は裏面側に配置される前記エレメント片にプレス加工によって貫通孔を設けることによって形成されていることを特徴とする無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法。
- 請求項4及び5のいずれか1項に記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、前記各エレメント片はそれぞれ2以上のかしめ部によって連結されていることを特徴とする無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法。
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