JP2004183727A - 防振装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】振動発生部からの振動を一層効果的に吸収することができ、特に、大荷重負荷時における動特性を改善することができる防振装置を提供する。
【解決手段】振動受信部又は振動発生部の何れか一方に取り付けられる筒状金具1と、振動発生部又は振動受信部の他方に取り付けられる取付金具2と、筒状金具1と取付金具2との間に配置されたゴム弾性体4とからなり、筒状金具1の外部に、ゴム弾性体4と直列に金属弾性体6が設置されている防振装置。好ましくは、金属弾性体が、トルクロッドのシャフトに幅方向の切欠きを設けたものであるか、トーションバーである防振装置。
【選択図】 図1
【解決手段】振動受信部又は振動発生部の何れか一方に取り付けられる筒状金具1と、振動発生部又は振動受信部の他方に取り付けられる取付金具2と、筒状金具1と取付金具2との間に配置されたゴム弾性体4とからなり、筒状金具1の外部に、ゴム弾性体4と直列に金属弾性体6が設置されている防振装置。好ましくは、金属弾性体が、トルクロッドのシャフトに幅方向の切欠きを設けたものであるか、トーションバーである防振装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車、一般産業用機械等に適用して振動発生部からの振動を吸収する防振装置に関するものであり、特に、エンジンマウントやトルクロッドのブッシュに好適な防振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、車両の振動発生部となるエンジンと振動受信部となる車体との間には、エンジンマウントとしての防振装置が設置されており、エンジンで発生する振動をこの防振装置が吸収し、車体側に伝達されるのを阻止して乗り心地を向上させている。
【0003】
そして特に、前部にエンジンを配置し、前輪を駆動するFFタイプの自動車等にあっては、発進時等の大きなトルク反力を吸収するため、防振装置として、ゴムブッシュをブラケットに固定し、シャフトで連結したトルクロッドが使用されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
例えば、図3は、トルクロッドのゴムブッシュ等として使用されている従来の防振装置を示すものであり、筒状金具11と取付金具12とをゴム弾性体14で連結してゴムブッシュとし、そのゴムブッシュをブラケット21に圧入して固定した正面図を示すものである(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−114226号公報 (第2頁、図1−7)
【特許文献2】
特開平6−74275号公報 (第2−3頁、図1−3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図3に示す従来の防振装置では、たわみが大きくなり、空間部13におけるゴム弾性体14が筒状金具11と接触するストッパ当りが発生すると、たわみに対する荷重が急激に増加してしまう。
【0007】
このストッパ当りに対し、更なる乗り心地の向上を図るためには、第1に、ストッパの初期当りを軟らかくすること、第2に、ストッパ当り後の静特性を確保しつつ、動特性を改善することが求められる。
【0008】
そこで本発明は、振動発生部からの振動を一層効果的に吸収することができ、特に、大荷重負荷時における動特性を改善することができる防振装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上の課題を解決するためになされたものであって、その要旨は、振動受信部又は振動発生部の何れか一方に取り付けられる筒状金具と、振動発生部又は振動受信部の他方に取り付けられる取付金具と、筒状金具と取付金具との間に配置されたゴム弾性体とからなり、筒状金具の外部に、ゴム弾性体と直列に金属弾性体が設置されている防振装置に係るものである。
【0010】
そして好ましくは、金属弾性体が板バネであるか、トーションバーであり、板バネの場合には、金属板の幅方向に切欠きを設けて金属弾性体を形成し、特に、切欠きを設けた金属弾性体がトルクロッドのシャフトを構成するようにすることが好ましい。なお、ゴム弾性体は、筒状金具と取付金具との間に、空間部を有するように配置することが好ましく、更に、空間部を隔ててゴム弾性体と対峙するゴムストッパを設けることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の防振装置は、振動受信部又は振動発生部の何れか一方に取り付けられる筒状金具と、振動発生部又は振動受信部の他方に取り付けられる取付金具と、筒状金具と取付金具との間に配置されたゴム弾性体とからなっている。
【0012】
即ち、筒状金具と取付金具とを連結するゴム弾性体(特に、NRやSBR系ゴムの弾性体)の防振効果によって、振動の入力に対する減衰機能と絶縁機能を持ち、例えば、車両の振動発生部となるエンジンと振動受信部となる車体との間にあって、エンジンで発生する振動を吸収し、車体側に伝達されるのを阻止するものである。従って、本発明の防振装置は、一般的な荷重負荷時の振動の入力に対し、従来のものと同等の性能を発揮する。
【0013】
そして、本発明の防振装置は特徴的に、筒状金具の外部に、ゴム弾性体と直列に金属弾性体が設置されている。即ち、ゴム弾性体に加えて、金属弾性体を直列に配置することにより、ストッパの初期当りを軟らかくすると共に、ストッパ当り後の静特性を確保しつつ、動特性を改善している。
【0014】
この点について更に詳述すると、例えば、FFタイプの自動車は発進時に大きなトルク反力が発生し、エンジンの回転移動に伴う大荷重負荷時にゴム弾性体のたわみが急激に進行し、筒状金具と接触するストッパ当りに至る。
【0015】
この際、従来の防振装置のように金属弾性体がなければ、ゴム弾性体が突然に筒状金具と接触することになるが、本発明の防振装置ではゴム弾性体と共に金属弾性体がたわみ、ストッパ当りの前に金属弾性体が機能する分だけ初期当りが軟らかくなるのである。
【0016】
しかも、金属弾性体は、ゴム弾性体と違い、たわみ量に伴う動的バネ定数の変化がないので、ゴム弾性体よりも動的バネ定数kdが小さい緩衝体として有効なものである。従って、金属弾性体のたわみ変化を伴う動特性は、ゴム弾性体と金属弾性体とが共に作用し、金属弾性体が存在する分だけ特性が改善されるのである。
【0017】
特にエンジンマウントやトルクロッドのブッシュに適用するに際しては、ストッパ当り後のたわみの増加を抑制しつつ、ストッパ当り後の防振装置全体の動的バネ定数を小さくすることが有効である。
【0018】
即ち、たわみが抑制される結果、エンジンの移動量が増加せず、エンジンルーム内のスペースを悪化させることがない。しかも、動的バネ定数が大きくなると騒音の伝達も増えてしまうが、動的バネ定数を小さくできる結果、静かな室内を実現できることとなる。
【0019】
また、金属弾性体の存在によって、たわみ−荷重曲線の曲率の増加を滑らかにすることが可能となり、ストッパの初期当りが軟らかくなる結果、乗り心地が向上する。
【0020】
ところで、金属弾性体をゴム弾性体と直列に設置するに際し、ゴム弾性体に直接当ててしまうと、金属弾性体が接触部でゴム弾性体を傷つけてしまう。そのため、本発明では金属弾性体を筒状金具の外部に設置している。
【0021】
また、金属弾性体としては、単なるコイルバネ、板バネ、皿バネ等を採用することもできるが、金属板の幅方向に切欠きを設けて形成した板バネや、トーションバーとすることが好ましい。
【0022】
切欠きを設けた板バネの場合、トルクロッドのシャフトに直接切欠きを入れて金属弾性体とすることができるから、トルクロッドにおいて別に金属弾性体を設置する必要がなくなり、部品点数を削減できる。なお、切欠きの方向は、幅方向に真っ直ぐ入れるだけでなく、斜め方向に設けてもよい。また、切欠きの長さ、幅、数等は、所望のバネ定数に応じて決定すればよい。
【0023】
一方、トーションバーの場合、サージングが発生し難く、摺動部がないので摩耗の影響がないという利点がある。
【0024】
なお、ストッパ当り後のたわみ−荷重曲線を所望のものとするには、弾性体とは別に弾性ストッパを設け、弾性体と筒状金具とが直接当らないようにすることが効果的である。この場合、筒状金具と取付金具との間に、空間部を有するようにゴム弾性体を配置し、空間部を隔ててゴム弾性体と対峙するようにゴムストッパを固定すればよい。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の好ましい実施の形態の具体例を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の防振装置の第1実施例を示す正面図である。図1に示す第1実施例の防振装置は、自動車のエンジンと車体との間に設置されるトルクロッドであって、一対のブラケット21がシャフトで連結されている。
【0026】
そして、ブラケット21には、筒状金具1と、取付金具2と、筒状金具1と取付金具2とを連結するゴム弾性体4(NR系ゴムの弾性体)とからなるブッシュが圧入され、一方の取付金具2がエンジンに、他方の取付金具2が車体に接続される。
【0027】
ここで、一対のブラケット21を連結するシャフトには、幅方向に切欠き7が設けられている。従って、このシャフトは、ゴム弾性体4と直列の金属弾性体6を構成する。そして、ゴム弾性体4は、たわみの増加によって静的バネ定数ks及び動的バネ定数kdが大きくなってしまうが、金属弾性体6は、静的バネ定数ksにかかわらず動的バネ定数kdが変化しないので、防振装置全体としては、ストッパ当り時の動倍率(kd/ks)を見かけ上、下げることができる。
【0028】
図2は、本発明の防振装置の第2実施例を示す概念図である。図2に示す第2実施例の防振装置もトルクロッドであるが、金属弾性体6がトーションバーになっている。
【0029】
第2実施例では、トルクロッドのシャフト22が図2の左右方向に変位した場合、アーム23を介して金属弾性体6(トーションバー)にねじりが発生し、ねじりバネ定数×アーム長さの反力が発生する。従って、金属弾性体6(トーションバー)がなければ高い周波数でバネ定数が上がってしまい伝達が悪化するが、金属弾性体6(トーションバー)を入れることで、動倍率(kd/ks)を見かけ上、下げることができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明の防振装置は、振動受信部又は振動発生部の何れか一方に取り付けられる筒状金具と、振動発生部又は振動受信部の他方に取り付けられる取付金具と、筒状金具と取付金具との間に配置されたゴム弾性体とからなり、筒状金具の外部に、ゴム弾性体と直列に金属弾性体が設置されているので、振動発生部からの振動を一層効果的に吸収することができ、大荷重負荷時における動特性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の防振装置の第1実施例を示す正面図である。
【図2】図2は、本発明の防振装置の第2実施例を示す概念図である。
【図3】図3は、従来の防振装置を示す正面図である。
【符号の説明】
1‥筒状金具
2‥取付金具
3‥空間部
4‥ゴム弾性体
5‥弾性ストッパ
6‥金属弾性体
7‥切欠き
11‥筒状金具
12‥取付金具
13‥空間部
14‥弾性体
21‥ブラケット
22‥シャフト
23‥アーム
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車、一般産業用機械等に適用して振動発生部からの振動を吸収する防振装置に関するものであり、特に、エンジンマウントやトルクロッドのブッシュに好適な防振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、車両の振動発生部となるエンジンと振動受信部となる車体との間には、エンジンマウントとしての防振装置が設置されており、エンジンで発生する振動をこの防振装置が吸収し、車体側に伝達されるのを阻止して乗り心地を向上させている。
【0003】
そして特に、前部にエンジンを配置し、前輪を駆動するFFタイプの自動車等にあっては、発進時等の大きなトルク反力を吸収するため、防振装置として、ゴムブッシュをブラケットに固定し、シャフトで連結したトルクロッドが使用されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
例えば、図3は、トルクロッドのゴムブッシュ等として使用されている従来の防振装置を示すものであり、筒状金具11と取付金具12とをゴム弾性体14で連結してゴムブッシュとし、そのゴムブッシュをブラケット21に圧入して固定した正面図を示すものである(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−114226号公報 (第2頁、図1−7)
【特許文献2】
特開平6−74275号公報 (第2−3頁、図1−3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図3に示す従来の防振装置では、たわみが大きくなり、空間部13におけるゴム弾性体14が筒状金具11と接触するストッパ当りが発生すると、たわみに対する荷重が急激に増加してしまう。
【0007】
このストッパ当りに対し、更なる乗り心地の向上を図るためには、第1に、ストッパの初期当りを軟らかくすること、第2に、ストッパ当り後の静特性を確保しつつ、動特性を改善することが求められる。
【0008】
そこで本発明は、振動発生部からの振動を一層効果的に吸収することができ、特に、大荷重負荷時における動特性を改善することができる防振装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上の課題を解決するためになされたものであって、その要旨は、振動受信部又は振動発生部の何れか一方に取り付けられる筒状金具と、振動発生部又は振動受信部の他方に取り付けられる取付金具と、筒状金具と取付金具との間に配置されたゴム弾性体とからなり、筒状金具の外部に、ゴム弾性体と直列に金属弾性体が設置されている防振装置に係るものである。
【0010】
そして好ましくは、金属弾性体が板バネであるか、トーションバーであり、板バネの場合には、金属板の幅方向に切欠きを設けて金属弾性体を形成し、特に、切欠きを設けた金属弾性体がトルクロッドのシャフトを構成するようにすることが好ましい。なお、ゴム弾性体は、筒状金具と取付金具との間に、空間部を有するように配置することが好ましく、更に、空間部を隔ててゴム弾性体と対峙するゴムストッパを設けることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の防振装置は、振動受信部又は振動発生部の何れか一方に取り付けられる筒状金具と、振動発生部又は振動受信部の他方に取り付けられる取付金具と、筒状金具と取付金具との間に配置されたゴム弾性体とからなっている。
【0012】
即ち、筒状金具と取付金具とを連結するゴム弾性体(特に、NRやSBR系ゴムの弾性体)の防振効果によって、振動の入力に対する減衰機能と絶縁機能を持ち、例えば、車両の振動発生部となるエンジンと振動受信部となる車体との間にあって、エンジンで発生する振動を吸収し、車体側に伝達されるのを阻止するものである。従って、本発明の防振装置は、一般的な荷重負荷時の振動の入力に対し、従来のものと同等の性能を発揮する。
【0013】
そして、本発明の防振装置は特徴的に、筒状金具の外部に、ゴム弾性体と直列に金属弾性体が設置されている。即ち、ゴム弾性体に加えて、金属弾性体を直列に配置することにより、ストッパの初期当りを軟らかくすると共に、ストッパ当り後の静特性を確保しつつ、動特性を改善している。
【0014】
この点について更に詳述すると、例えば、FFタイプの自動車は発進時に大きなトルク反力が発生し、エンジンの回転移動に伴う大荷重負荷時にゴム弾性体のたわみが急激に進行し、筒状金具と接触するストッパ当りに至る。
【0015】
この際、従来の防振装置のように金属弾性体がなければ、ゴム弾性体が突然に筒状金具と接触することになるが、本発明の防振装置ではゴム弾性体と共に金属弾性体がたわみ、ストッパ当りの前に金属弾性体が機能する分だけ初期当りが軟らかくなるのである。
【0016】
しかも、金属弾性体は、ゴム弾性体と違い、たわみ量に伴う動的バネ定数の変化がないので、ゴム弾性体よりも動的バネ定数kdが小さい緩衝体として有効なものである。従って、金属弾性体のたわみ変化を伴う動特性は、ゴム弾性体と金属弾性体とが共に作用し、金属弾性体が存在する分だけ特性が改善されるのである。
【0017】
特にエンジンマウントやトルクロッドのブッシュに適用するに際しては、ストッパ当り後のたわみの増加を抑制しつつ、ストッパ当り後の防振装置全体の動的バネ定数を小さくすることが有効である。
【0018】
即ち、たわみが抑制される結果、エンジンの移動量が増加せず、エンジンルーム内のスペースを悪化させることがない。しかも、動的バネ定数が大きくなると騒音の伝達も増えてしまうが、動的バネ定数を小さくできる結果、静かな室内を実現できることとなる。
【0019】
また、金属弾性体の存在によって、たわみ−荷重曲線の曲率の増加を滑らかにすることが可能となり、ストッパの初期当りが軟らかくなる結果、乗り心地が向上する。
【0020】
ところで、金属弾性体をゴム弾性体と直列に設置するに際し、ゴム弾性体に直接当ててしまうと、金属弾性体が接触部でゴム弾性体を傷つけてしまう。そのため、本発明では金属弾性体を筒状金具の外部に設置している。
【0021】
また、金属弾性体としては、単なるコイルバネ、板バネ、皿バネ等を採用することもできるが、金属板の幅方向に切欠きを設けて形成した板バネや、トーションバーとすることが好ましい。
【0022】
切欠きを設けた板バネの場合、トルクロッドのシャフトに直接切欠きを入れて金属弾性体とすることができるから、トルクロッドにおいて別に金属弾性体を設置する必要がなくなり、部品点数を削減できる。なお、切欠きの方向は、幅方向に真っ直ぐ入れるだけでなく、斜め方向に設けてもよい。また、切欠きの長さ、幅、数等は、所望のバネ定数に応じて決定すればよい。
【0023】
一方、トーションバーの場合、サージングが発生し難く、摺動部がないので摩耗の影響がないという利点がある。
【0024】
なお、ストッパ当り後のたわみ−荷重曲線を所望のものとするには、弾性体とは別に弾性ストッパを設け、弾性体と筒状金具とが直接当らないようにすることが効果的である。この場合、筒状金具と取付金具との間に、空間部を有するようにゴム弾性体を配置し、空間部を隔ててゴム弾性体と対峙するようにゴムストッパを固定すればよい。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の好ましい実施の形態の具体例を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の防振装置の第1実施例を示す正面図である。図1に示す第1実施例の防振装置は、自動車のエンジンと車体との間に設置されるトルクロッドであって、一対のブラケット21がシャフトで連結されている。
【0026】
そして、ブラケット21には、筒状金具1と、取付金具2と、筒状金具1と取付金具2とを連結するゴム弾性体4(NR系ゴムの弾性体)とからなるブッシュが圧入され、一方の取付金具2がエンジンに、他方の取付金具2が車体に接続される。
【0027】
ここで、一対のブラケット21を連結するシャフトには、幅方向に切欠き7が設けられている。従って、このシャフトは、ゴム弾性体4と直列の金属弾性体6を構成する。そして、ゴム弾性体4は、たわみの増加によって静的バネ定数ks及び動的バネ定数kdが大きくなってしまうが、金属弾性体6は、静的バネ定数ksにかかわらず動的バネ定数kdが変化しないので、防振装置全体としては、ストッパ当り時の動倍率(kd/ks)を見かけ上、下げることができる。
【0028】
図2は、本発明の防振装置の第2実施例を示す概念図である。図2に示す第2実施例の防振装置もトルクロッドであるが、金属弾性体6がトーションバーになっている。
【0029】
第2実施例では、トルクロッドのシャフト22が図2の左右方向に変位した場合、アーム23を介して金属弾性体6(トーションバー)にねじりが発生し、ねじりバネ定数×アーム長さの反力が発生する。従って、金属弾性体6(トーションバー)がなければ高い周波数でバネ定数が上がってしまい伝達が悪化するが、金属弾性体6(トーションバー)を入れることで、動倍率(kd/ks)を見かけ上、下げることができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明の防振装置は、振動受信部又は振動発生部の何れか一方に取り付けられる筒状金具と、振動発生部又は振動受信部の他方に取り付けられる取付金具と、筒状金具と取付金具との間に配置されたゴム弾性体とからなり、筒状金具の外部に、ゴム弾性体と直列に金属弾性体が設置されているので、振動発生部からの振動を一層効果的に吸収することができ、大荷重負荷時における動特性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の防振装置の第1実施例を示す正面図である。
【図2】図2は、本発明の防振装置の第2実施例を示す概念図である。
【図3】図3は、従来の防振装置を示す正面図である。
【符号の説明】
1‥筒状金具
2‥取付金具
3‥空間部
4‥ゴム弾性体
5‥弾性ストッパ
6‥金属弾性体
7‥切欠き
11‥筒状金具
12‥取付金具
13‥空間部
14‥弾性体
21‥ブラケット
22‥シャフト
23‥アーム
Claims (6)
- 振動受信部又は振動発生部の何れか一方に取り付けられる筒状金具(1)と、振動発生部又は振動受信部の他方に取り付けられる取付金具(2)と、筒状金具(1)と取付金具(2)との間に配置されたゴム弾性体(4)とからなり、筒状金具(1)の外部に、ゴム弾性体(4)と直列に金属弾性体(6)が設置されていることを特徴とする防振装置。
- 金属弾性体(6)が、板バネであることを特徴とする請求項1に記載の防振装置。
- 金属弾性体(6)が、金属板の幅方向に切欠き(7)を設けて形成されたものであることを特徴とする請求項2に記載の防振装置。
- 切欠き(7)を設けた金属弾性体(6)が、トルクロッドのシャフトを構成することを特徴とする請求項3に記載の防振装置。
- 金属弾性体(6)が、トーションバーであることを特徴とする請求項1に記載の防振装置。
- ゴム弾性体(4)が、筒状金具(1)と取付金具(2)との間に、空間部(3)を有するように配置され、空間部(3)を隔ててゴム弾性体(4)と対峙するゴムストッパ(5)が固定されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の防振装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002349534A JP2004183727A (ja) | 2002-12-02 | 2002-12-02 | 防振装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002349534A JP2004183727A (ja) | 2002-12-02 | 2002-12-02 | 防振装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004183727A true JP2004183727A (ja) | 2004-07-02 |
Family
ID=32752039
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002349534A Pending JP2004183727A (ja) | 2002-12-02 | 2002-12-02 | 防振装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004183727A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007057070A (ja) * | 2005-08-26 | 2007-03-08 | Tokai Rubber Ind Ltd | 防振連結ロッド |
JP2014173807A (ja) * | 2013-03-12 | 2014-09-22 | Tgk Co Ltd | 膨張弁および防振ばね |
-
2002
- 2002-12-02 JP JP2002349534A patent/JP2004183727A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007057070A (ja) * | 2005-08-26 | 2007-03-08 | Tokai Rubber Ind Ltd | 防振連結ロッド |
JP4491790B2 (ja) * | 2005-08-26 | 2010-06-30 | 東海ゴム工業株式会社 | 防振連結ロッド |
JP2014173807A (ja) * | 2013-03-12 | 2014-09-22 | Tgk Co Ltd | 膨張弁および防振ばね |
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