JP2002206581A

JP2002206581A - 防振ゴム装置

Info

Publication number: JP2002206581A
Application number: JP2001001802A
Authority: JP
Inventors: Michihiro Orikawa; 通洋折川
Original assignee: Bridgestone Corp
Current assignee: Bridgestone Corp
Priority date: 2001-01-09
Filing date: 2001-01-09
Publication date: 2002-07-26

Abstract

(57)【要約】【課題】防振ゴム装置の性能を従来以上に維持しつ
つ、耐久性を大幅に向上させた防振ゴム装置を提供す
る。【解決手段】内筒（１）を取り囲むマウントゴム
（２）を、ブラケットの外筒（３）の内部に空間を設け
つつ固定した防振ゴム装置であって、マウントゴム
（２）と空間を挟んで対向する部分の外筒（３）に、マ
ウントゴム（２）とは別にその変位を一定範囲内に規制
するストッパーゴム（４）を着脱不能に固定した防振ゴ
ム装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ストッパーゴムを
有するエンジンマウント等の防振ゴム装置に関するもの
であり、特に、耐久性を大幅に向上させた防振ゴム装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】防振ゴム装置の一種であるエンジンマウ
ントは、車両のエンジンとシャーシとの間に設置され、
マウントゴムによってエンジンからの振動が車体に伝わ
るのを防止するものである。即ち、従来のエンジンマウ
ント用防振ゴム装置は、図２に示すように、ブラケット
の外筒（３）の内部にマウントゴム（２）の左右を固定
して防振機能を付与し、更に、マウントゴム（２）の上
下又は斜めに大きな凸形状のストッパー部（２Ａ）を設
けることで、上下又は斜め方向の変位を外筒（３）に接
触して圧縮されるまでの一定以下に抑えている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、発進や
減速時のように大荷重が作用する場合には、ストッパー
部（２Ａ）と外筒（３）との衝突力が大きくなるため、
ストッパー部（２Ａ）が破壊することがあった。即ち、
ストッパー部（２Ａ）にかかる歪が大きく亀裂が生じ易
いのである。

【０００４】この場合、マウントゴム（２）の硬度を上
げればストッパー部（２Ａ）の耐久性は向上するが、硬
い分だけ振動吸収性が悪化するので、マウントゴム
（２）の左右の固定部を通じてエンジンの騒音と振動が
伝わり易くなり、防振ゴム装置の性能が悪化するという
問題がある。

【０００５】そこで本発明は、このような従来の防振ゴ
ム装置を改良したものであり、防振ゴム装置の性能を従
来以上に維持しつつ、耐久性を大幅に向上させた防振ゴ
ム装置を提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、以上の課題を
解決するためになされたものであって、その要旨は、マ
ウントゴムと空間を挟んで対向する部分の外筒に、マウ
ントゴムの変位を一定範囲内に規制するストッパーゴム
を着脱不能に固定した防振ゴム装置に係るものである。

【０００７】そして好ましくは、ブラケットの外筒に対
しマウントゴムを圧入して固定し、マウントゴムの硬度
と比較して、ストッパーゴムの硬度を同じであるか又は
それより硬くしたものであり、更に好ましくは、マウン
トゴムとストッパーゴムとが互いに対向する部分で、マ
ウントゴムとストッパーゴムの双方を凸形状とした防振
ゴム装置に係るものである。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明すると、図１に示す防振ゴム装置はエンジンマ
ウントであり、内筒（１）を取り囲むマウントゴム
（２）をブラケットの外筒（３）の内部に上下の空間を
設けつつ固定したものである。即ち、図示しないエンジ
ンを内筒（１）で支持し、内筒（１）と車体に取り付け
られたブラケットの外筒（３）との間に左右方向に介在
するマウントゴム（２）によって、防振機能を発揮する
ものである。

【０００９】そして、本発明の防振ゴム装置にあって
は、マウントゴム（２）と空間を挟んで対向する上下部
分の外筒（３）にそれぞれストッパーゴム（４）を固定
している。即ち、従来の防振ゴム装置のように、マウン
トゴム自体の上下に大きな凸形状のストッパー部を一体
的に設けるのではなく、マウントゴム（２）とは別にス
トッパーゴム（４）を設けたものである。

【００１０】従って、発進や減速時のように大荷重が作
用する場合、マウントゴム（２）の変位がストッパーゴ
ム（４）によって一定範囲内に規制される。しかも、別
体のストッパーゴム（４）が存在することにより、マウ
ントゴム（２）とストッパーゴム（４）とが衝突力を互
いに分担し合い、従来よりもマウントゴム（２）の歪み
が少なくなる。また、内筒（１）とマウントゴム（２）
との接着界面に生じる応力も小さくなるため、これらの
相乗効果によって、たとえマウントゴム（２）が比較的
軟らかいものであったとしても、耐久性が大幅に改善さ
れるのである。

【００１１】ここで、外筒（３）の内部にマウントゴム
（２）を固定するには圧入する方法が簡便である。ま
た、ストッパーゴム（４）には衝撃が加わるので、外筒
（３）との間にガタ等の不具合が生じないよう、ストッ
パーゴム（４）を確実に、着脱不能に固定する必要があ
る。従って、金具に加硫接着したストッパーゴム（４）
を外筒（３）にカシメて固定することが好ましい。

【００１２】また、図１に示す防振ゴム装置では、マウ
ントゴム（２）の硬度よりもストッパーゴム（４）の硬
度の方が硬くなっている。従って、比較的軟らかいマウ
ントゴム（２）によって十分な防振性能が発揮でき、か
つ、ストッパーゴム（４）の硬さを変えることで変位の
調整も容易になる。

【００１３】更に、図１に示す防振ゴム装置では、マウ
ントゴム（２）とストッパーゴム（４）の双方が凸形状
になっており、凸部で互いに対向している。従って、ス
トッパー機能が働くまでのマウントゴム（２）の変位を
従来のものと同じ程度にした場合、従来のマウントゴム
の凸形状（ストッパー部）を半分以下の高さにすること
ができるので、マウントゴム（２）にかかる歪を低減さ
せることができると共に、内筒（１）と、ストッパーゴ
ム（４）の固定金具との２箇所の接着界面で歪応力を受
けるので、接着面が従来の約２倍になり接着部での応力
を約半分に低減させることができ、接着界面での破損を
防止することができる。

【００１４】

【発明の効果】本発明の防振ゴム装置によれば、マウン
トゴムとは別にストッパーゴムを設けたので、マウント
ゴムの歪みが少なくなり、内筒とマウントゴムとの接着
界面に生じる応力も小さくなるため、耐久性が大幅に向
上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明における防振ゴム装置をエンジ
ンマウントに適用した例を示す正面図である。

【図２】図２は、従来のエンジンマウント用防振ゴム装
置を示す正面図である。

【符号の説明】

１‥内筒２‥マウントゴム２Ａ‥ストッパー部３‥外筒４‥ストッパーゴム

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】内筒（１）を取り囲むマウントゴム
（２）を、ブラケットの外筒（３）の内部に空間を設け
つつ固定した防振ゴム装置であって、マウントゴム
（２）と空間を挟んで対向する部分の外筒（３）に、マ
ウントゴム（２）の変位を一定範囲内に規制するストッ
パーゴム（４）を着脱不能に固定したことを特徴とする
防振ゴム装置。
【請求項２】ブラケットの外筒（３）に対し、マウン
トゴム（２）を圧入して固定したことを特徴とする請求
項１に記載の防振ゴム装置。
【請求項３】マウントゴム（２）の硬度と比較して、
ストッパーゴム（４）の硬度が同じであるか又はそれよ
り硬いことを特徴とする請求項１又は２に記載の防振ゴ
ム装置。
【請求項４】マウントゴム（２）とストッパーゴム
（４）とが互いに対向する部分で、マウントゴム（２）
とストッパーゴム（４）の双方が凸形状になっているこ
とを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載の防
振ゴム装置。