JP2004183028A - 耐候性に優れた鋼材および表面処理剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】表面が保護性を有する緻密な酸化物層により覆われ、大気腐食の抑制を図ることができる耐塩性に優れた耐食性鋼材を提供する。
【解決手段】表面に、塗料の固形分に対してFe2SiO4 を15〜50質量%含む有機樹脂塗料を塗布してなる、乾燥膜厚が10〜50μm の塗膜を備える鋼材である。この鋼材はSiを3.0 質量%以下含有する。
【解決手段】表面に、塗料の固形分に対してFe2SiO4 を15〜50質量%含む有機樹脂塗料を塗布してなる、乾燥膜厚が10〜50μm の塗膜を備える鋼材である。この鋼材はSiを3.0 質量%以下含有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼材および表面処理剤に関し、具体的には、保護性を有する緻密な保護性酸化物層を表面に備え、大気腐食の抑制を図ることができる耐候性に優れた鋼材および表面処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼にCu、Cr、Ni、P等の合金元素を少量添加して表面に緻密なさび層 (本明細書では、「保護性酸化物層」という) を形成することにより、大気中での腐食に対する抵抗性、すなわち耐候性を向上することができる。これらの元素を添加された鋼は、一般に、耐候性鋼といわれる。
【0003】
この耐候性鋼は、大気腐食の進行に伴ってその表面に大気腐食に対して保護作用を有する緻密な保護性酸化物層が形成され、その後の腐食の発生および進行が著しく抑制される。このため、塗装等の防食処理を施さなくとも使用することができ、構造物の維持管理すなわちメンテナンスに要するコストの低減が可能である。しかし、この耐候性鋼では、表面に保護性酸化物層が形成されるまでに数年間あるいは10年間以上の長期間を要するため、その間に、赤さびや流れさび等が発生し、設置場所の景観上の問題を生じる。
【0004】
また、塩化物が飛来するような海浜、海岸地帯や、塩化物を含む融雪塩や路面凍結防止剤を散布する山間部、寒冷地等において耐候性鋼を使用する場合、大気中に存在する塩化物により保護性酸化物層の充分な生成が阻害され、鋼材が著しく腐食してしまうこともある。
【0005】
耐候性鋼のこれらの問題を解決するために、特許文献1には、硫酸クロムまたは硫酸銅を1〜65質量%含む有機樹脂塗料を塗布することにより安定した保護性酸化物層を早期に発生させることができる、耐候性に優れる表面処理鋼材が開示されている。また、特許文献2には、硫酸クロムを0.1 〜15質量%含む有機樹脂塗膜を下層として乾燥膜厚で5〜50μm有するとともに、硫酸クロムを含まない樹脂で構成される有機樹脂塗膜を上層として乾燥膜厚で5〜20μm有する表面処理鋼材が開示されている。これらの表面処理鋼材によっても、保護性酸化物層の生成が促進されるため、早期に高耐食性を示し、耐候性が著しく改善される。
【0006】
また、塩化物が飛来する地域においても効果を発揮する新しい鋼材として、例えば特許文献3には、Niを含む鋼材等も開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−226198号公報
【特許文献2】
特開2001−81575 号公報
【特許文献3】
特開平11−172370号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
これらの従来の耐候性鋼では、NiやCr等の重金属を用いることが耐候性を確保するための前提である。しかしながら、近年では、環境保全による生態系の維持を図るため、生態系に悪影響を与えるおそれがあるこれら重金属の使用を可能な限り抑制することが求めれるようになってきた。このため、耐候性鋼においてもNiやCr等の重金属の使用量をできるだけ削減することが急務である。
【0009】
本発明の目的は、従来の技術のかかる課題に鑑みてなされたものであり、保護性を有する緻密な保護性酸化物層を表面に備え、大気腐食の抑制を図ることができる耐候性に優れた鋼材と、この鋼材を確実に提供するための表面処理剤とを提供することであり、より具体的には、重金属を使用せずに高塩化物環境下でも使用することができ、外観品質を損なうことなく、表面に保護性酸化物層を早期にかつ確実に形成することができる耐候性に優れた鋼材および表面処理剤を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、Fe2SiO4 を含む保護性酸化物層を表面に備えることを特徴とする鋼材である。また、本発明は、質量比で固形分の含有量の15〜50%の Fe2SiO4を含む表面処理剤の被膜を5〜50μmの膜厚で表面に備えることを特徴とする鋼材である。これらの本発明にかかる鋼材は、Siを3.0 質量%以下含有することが望ましい。
【0011】
別の観点からは、本発明は、質量比で固形分の含有量の15〜50%の Fe2SiO4を含むことを特徴とする表面処理剤である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる耐候性に優れた鋼材および表面処理剤について詳細に説明する。なお、実施の形態の説明では、表面処理剤が有機樹脂塗料である場合を例にとる。
【0013】
本実施の形態の鋼材は、Fe2SiO4 を含む保護性酸化物層を表面に備えることにより、優れた耐候性を有する鋼材であり、具体的には、質量比で固形分の含有量の15〜50%の Fe2SiO4を含む表面処理剤の被膜を、5〜50μmの膜厚で表面に備える鋼材である。
【0014】
まず、この本発明にかかる鋼材の原理について簡単に説明する。各種の軽金属を含有する裸鋼材の長期暴露試験の結果より、以下に列記する知見(a) 〜(f) が得られた。
【0015】
(a)鋼材にSiを適量添加することにより著しく耐候性が向上する。耐候性を発現した保護性酸化物層の種々の解析結果により、保護性を発現する物質が一般的なX線回折では明瞭なピークが検出されない程度の少量、もしくは一般的なX線回折では明瞭なピークを示さないX線的非晶質物質であるかのどちらかであるが、XPS(光電子分光)測定を行うことによって、保護性酸化物層の鋼材との界面側にFe2SiO4 が存在することが判明し、このFe2SiO4 が保護性を発現する。
【0016】
(b)しかし、(a) 項に示すように鋼材にSiを添加することにより耐候性を向上しようとすると、相当多量のSiを鋼材に添加する必要が生じ、これにより、構造用鋼として要求される溶接性が劣化する。
【0017】
(c)また、鋼材にSiを添加すれば耐候性は確かに向上するものの、耐候性が発現する前の初期には流れさびが生じ、設置場所の景観上の問題を生じる。
(d)これに対し、鋼材の表面に、Fe2SiO4 を含む表面処理剤の被膜を形成すれば、腐食により生成されるFeイオンが優先的にFe2SiO4 となり、鋼材の表面に保護性を有する緻密な保護性酸化物層を迅速に形成することができる。
【0018】
(e)生成するFeイオンによってFe2SiO4 が形成される際、母材である鋼材のSi含有量が少ないと、長期間暴露後に最終的にFe2SiO4 の存在量が不足し、耐候性が若干低下する。
【0019】
(f)これに対し、鋼材に溶接性に悪影響を与えない程度の少量のSiを添加すれば、Fe2SiO4 を継続的に生成することができ、長期間暴露後にもFe2SiO4 の存在量を充分に確保できる。
【0020】
一般的に、形成される保護性酸化物層の構造が緻密であればあるほど、物理的に大気腐食環境から鋼材を遮断し易いため、浮きさびや流れさびの根本的な原因である鋼材からのFeイオンの溶出を抑制できる。これに対し、保護性酸化物層に割れや細孔が存在すると、これらは水や酸素の供給経路となるため、保護性酸化物層の保護性が劣化する。このため、緻密で連続した安定した保護性酸化物層を鋼材の表面に形成することが重要である。
【0021】
保護性酸化物層に水分が浸透すると、この水分は鋼材の表面に到達してFeイオンを生成する。溶出したFeイオンは、通常は流れさびと同様のγ−FeOOH となる。これに対し、本実施の形態では、保護性酸化物層がFe2SiO4 を含むため、このFe2SiO4 が保護性酸化物の核として作用し、溶出したFeイオンから保護性酸化物である緻密な Fe2SiO4を優先的に生成することができる。このため、本実施の形態によれば、耐候性を向上することができる。
【0022】
なお、溶出したFeイオンが結合することにより新たに生成したFe2SiO4 は、一般的なX線回折パターンでは検出できない程度に微量であるが、鋼材と保護性酸化物層との界面の近傍におけるXPS(X線光電子分光)測定により、その存在を確認することができる。生成した保護性酸化物層の全体に占める Fe2SiO4は、質量比で3%程度以上存在すれば、保護性酸化物層として求められる耐食性を充分に確保できる。
【0023】
また、塩分が飛来するような厳しい大気腐食環境中でもこのような効果を確実に得るには、質量比で表面処理剤である有機樹脂塗料に含まれる固形分の含有量の15〜50%の Fe2SiO4を添加することが望ましい。Fe2SiO4 を質量比で固形分の含有量の15%以上添加することにより、塗布および乾燥後の鋼材が大気腐食環境に置かれた場合においても鋼材の表面に保護性酸化物層を確実に形成することができる。一方、Fe2SiO4 の添加量が質量比で固形分の含有量の50%を超えると、塗料中の可溶分が増加して塗膜の崩壊が早まり、十分な保護性酸化物層が形成される前に腐食因子に曝されてしまい、厳しい腐食環境における耐候性が不足するおそれがある。
【0024】
また、本実施の形態では、鋼材の表面に塗布される、表面処理剤としての有機樹脂塗料におけるバインダとしての樹脂は、特定種には限定されない。例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アルキル樹脂、フタル酸樹脂、ブチラール樹脂、メラミン樹脂さらにはフェノール樹脂等を用いることができる。特に、ブチラール樹脂単独、またはブチラール樹脂とブチラール樹脂と相溶する樹脂(例えばメラミン樹脂やフェノール樹脂等)との混合物が好ましい。
【0025】
バインダとしての樹脂の量が、質量比で塗料の固形分に対して10%未満では、塗料として鋼材の表面に塗布した際に均一な塗膜を得ることができず、強度および付着力が不足する。一方、樹脂の量が質量比で塗料の固形分に対して50%を超えると、塗膜を通して浸透する水分量が少なくなり、安定した保護性酸化物層の生成が遅延する。したがって、バインダとしての樹脂の量は、質量比で塗料の固形分に対して10%以上50%以下とすることが好ましい。
【0026】
表面処理剤としての有機樹脂塗料における樹脂は、上述したように、Fe2SiO4 を塗膜中に保持するためのバインダとしての役割を果たすとともに、鋼材の表面と塗膜との界面における保護性酸化物層の生成にも寄与する。すなわち、樹脂被膜は元来カチオン選択性(カチオンを選択的に透過させる性質)があるため、塗膜が劣化するまでの間、特に、鋼材が腐食環境に曝された初期の間では、塗膜を通してのCl− の浸透を抑制することにより保護性酸化物層の生成を助ける作用を有する。
【0027】
本実施の形態では、表面処理剤としての有機樹脂塗料は、塗布作業に適した粘度に有機溶剤により調整して塗布すればよい。溶剤は、塗布後自然乾燥により蒸散するものを用いればよい。また、有機樹脂塗料がリン酸を含有すれば、初期の流れ錆の流出防止に好適である。このとき、べんがら、二酸化チタン、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、α−FeOOH さらには酸化鉄等の着色顔料や、タルク、シリカ、マイカ、硫酸バリウムさらには炭酸カルシウム等の体質顔料を添加することができる。
【0028】
なお、本発明の目的は、鋼材の表面に塗布される有機樹脂塗料が重金属を含有しなくとも長期間にわたって耐久性に優れる鋼材を提供することであり、かかる観点からは、有機樹脂塗料にNiやCr等の重金属を添加する必要はない。しかしながら、公知の防錆顔料として、酸化クロム、クロム酸亜鉛、クロム酸鉛さらには塩基性硫酸鉛等の防錆顔料、さらには、その他硫酸クロムなどのクロム化合物、硫酸ニッケル等のニッケル化合物を含有するようにしてもよい。ただし、環境への負荷を勘案すれば、これらの重金属の添加量は質量比で固形分に対して20%以下とすることが望ましい。
【0029】
さらに、有機樹脂塗料には、その他チキソトロピ性調整剤、分散剤、酸化防止剤等、慣用されている各種の添加剤を適量添加してもよい。
また、本実施の形態では、鋼材の表面における有機樹脂塗料の塗膜の膜厚が、乾燥膜厚で5μm以上50μm以下であれば、充分な性能を有する保護性酸化物層を形成できる。
【0030】
さらに、このようにして形成した乾燥塗膜を下層として、公知のように、上層として、有機樹脂塗膜を乾燥膜厚で5μm以上30μm以下塗布すれば、特に飛来塩分量が高い環境下で使用される鋼材の耐候性をさらに高めることができ、好適である。
【0031】
本実施の形態では、有機樹脂塗料は、エアスプレー、エアレススプレーさらには刷毛塗り等の、通常の各種の塗布方法で塗布することができる。このため、本実施の形態は、塗装場所を選ばずに施工が可能である。
【0032】
なお、塗膜の膜厚は平均膜厚を意味しており、電磁微厚計、例えば (株) サンコウ電子研究所製CRT−2000II電磁式デジタル膜厚計を用いて、鋼材の表面における塗膜の膜厚を10点以上測定した平均値で測定することができる。
【0033】
なお、以上の説明では、上述したように、表面処理剤が有機樹脂塗料である場合を例にとったが、これはあくまでも例示であり、表面処理剤が例えばエチルシリケート樹脂等の有機樹脂塗料以外であっても、本発明は同様に適用可能である。
【0034】
本発明が対象とする母材の鋼材は、いわゆるさびを生成するものであればよく、特定種の鋼材に限定されるものではない。例えば、普通鋼であってもよく、あるいは耐候性鋼やNiを含有する低合金鋼であってもよく、長期の耐久性の観点から望ましい。
【0035】
さらに、母材の鋼材がSiを適量添加された鋼材であれば、相乗効果により長期間にわたって腐食減量を抑制することができる。添加したFe2SiO4 を核として、その後溶出してくるFeとSiとがさらにFe2SiO4 の生成を促進するからである。これにより、Si添加による靱性や溶接性の低下の懸念が解消され、Fe2SiO4 を鋼材表面に生成させることができるため、有利である。ただし、Siの添加範囲は強度、靭性さらには溶接性の観点から、3.0 %以下とすることが好ましい。
【0036】
このように、本実施の形態によれば、表面が保護性を有する緻密な保護性酸化物層により覆われ、大気腐食の抑制を図ることができる耐候性に優れた鋼材、より具体的には、重金属を使用せずに高塩化物環境下でも充分に使用することができ、外観品質を損なうことなく、表面に保護性酸化物層を確実かつ早期に形成できる耐候性に優れた鋼材を提供することができる。
【0037】
【実施例】
さらに、本発明を実施例を参照しながら詳細に説明する。
本実施例において用いた試験鋼の化学組成 (質量%) を表1に、鋼材の塗装前の処理方法の内訳を表2にそれぞれ示す。なお、表2における処理Xは新設橋梁に対する処理をシミュレートするものであり、処理Yは既設橋梁の補修をシミュレートするものである。
【0038】
試験片の寸法は長さ100mm 、幅60mm、厚さ3mmとした。また、表3には、試験に用いた塗装処理剤の組成、サンプルの作製条件及び試験結果をあわせて示す。なお、表3中におけるその他の添加剤は、顔料分散剤や酸化防止剤である。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
表3に示す樹脂、顔料、添加剤の配合組成に適切量の溶剤を加えて粘度(B型粘度計測定)を200 〜1000 CPSとした塗料を作製し、この塗料をエアースプレーにより塗布して乾燥したサンプル試験片を、屋外にて軒下水平(雨がかりがなく、塩分が蓄積する環境)に設置して、一週間に一度、6倍に希釈した人工海水を表面に注射器を用いて滞水させた。本環境の塩分蓄積量は、5mdd(5mgNaCl/dm2/day) に相当する。
【0043】
塗装前の鋼材重量を測定し、暴露後塗膜およびさびをクエン酸アンモニウムにより除去した後の重量を測定し、得られた腐食減量から平均板厚腐食減量厚みを求めた。また、暴露初期には流れさびを、36カ月後の外観も観察した。
【0044】
表3に示すように、本発明例1〜8によれば、塩化物環境における耐候性が著しく改善されたことがわかる。
一方、比較例9に示すように、裸の鋼材の場合には著しく腐食し、生成したさびが層状に剥離する、いわゆる層状剥離さびを生じ、板厚はほぼ初期の半分まで減少し、この試験の環境が非常に厳しいことがわかる。言い換えれば、非常に塩化物量が多い厳しい腐食環境においても、本発明例1〜8は優れた耐候性を発揮することがわかる。
【0045】
また、比較例10、11に示すように、Fe2SiO4 が固形分の含有量の15質量%よりも少ないと、暴露初期には塗膜としての性能によりある程度の期間だけ腐食を抑制することができるものの、塗膜としての機能を失った場合には、生成したさびには保護機能がないため、急激な腐食が観察され、36カ月後には剥離さびが生成した。
【0046】
また、比較例12に示すように、塗膜厚が本発明で規定する範囲よりも小さいと、初期に流れさびが観察され、さらに36カ月後には一部剥離さびも生成した。
さらに、比較例13に示すように、Fe2SiO4 が50質量%を越えると、塗布直後から塗膜の密着力が不足し、暴露初期に塗膜が剥がれ落ちたため、暴露試験を中止せざるを得なかった。
【0047】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、初期の美観を損なうことなく、高塩化物大気腐食環境中で生じる赤さびや流れさびに起因した景観の低下を招くことなく、鋼材の表面に保護性を有する保護性酸化物層を迅速かつ確実に形成することができる。
【0048】
土木または建築構造物用鋼材に本発明を適用すると、赤さびや黄さび等の浮きさびや流れさびを生じることなく、保護性酸化物層を迅速かつ確実に形成することができるため、鋼材の防食に関するメンテナンスが不要となる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼材および表面処理剤に関し、具体的には、保護性を有する緻密な保護性酸化物層を表面に備え、大気腐食の抑制を図ることができる耐候性に優れた鋼材および表面処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼にCu、Cr、Ni、P等の合金元素を少量添加して表面に緻密なさび層 (本明細書では、「保護性酸化物層」という) を形成することにより、大気中での腐食に対する抵抗性、すなわち耐候性を向上することができる。これらの元素を添加された鋼は、一般に、耐候性鋼といわれる。
【0003】
この耐候性鋼は、大気腐食の進行に伴ってその表面に大気腐食に対して保護作用を有する緻密な保護性酸化物層が形成され、その後の腐食の発生および進行が著しく抑制される。このため、塗装等の防食処理を施さなくとも使用することができ、構造物の維持管理すなわちメンテナンスに要するコストの低減が可能である。しかし、この耐候性鋼では、表面に保護性酸化物層が形成されるまでに数年間あるいは10年間以上の長期間を要するため、その間に、赤さびや流れさび等が発生し、設置場所の景観上の問題を生じる。
【0004】
また、塩化物が飛来するような海浜、海岸地帯や、塩化物を含む融雪塩や路面凍結防止剤を散布する山間部、寒冷地等において耐候性鋼を使用する場合、大気中に存在する塩化物により保護性酸化物層の充分な生成が阻害され、鋼材が著しく腐食してしまうこともある。
【0005】
耐候性鋼のこれらの問題を解決するために、特許文献1には、硫酸クロムまたは硫酸銅を1〜65質量%含む有機樹脂塗料を塗布することにより安定した保護性酸化物層を早期に発生させることができる、耐候性に優れる表面処理鋼材が開示されている。また、特許文献2には、硫酸クロムを0.1 〜15質量%含む有機樹脂塗膜を下層として乾燥膜厚で5〜50μm有するとともに、硫酸クロムを含まない樹脂で構成される有機樹脂塗膜を上層として乾燥膜厚で5〜20μm有する表面処理鋼材が開示されている。これらの表面処理鋼材によっても、保護性酸化物層の生成が促進されるため、早期に高耐食性を示し、耐候性が著しく改善される。
【0006】
また、塩化物が飛来する地域においても効果を発揮する新しい鋼材として、例えば特許文献3には、Niを含む鋼材等も開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−226198号公報
【特許文献2】
特開2001−81575 号公報
【特許文献3】
特開平11−172370号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
これらの従来の耐候性鋼では、NiやCr等の重金属を用いることが耐候性を確保するための前提である。しかしながら、近年では、環境保全による生態系の維持を図るため、生態系に悪影響を与えるおそれがあるこれら重金属の使用を可能な限り抑制することが求めれるようになってきた。このため、耐候性鋼においてもNiやCr等の重金属の使用量をできるだけ削減することが急務である。
【0009】
本発明の目的は、従来の技術のかかる課題に鑑みてなされたものであり、保護性を有する緻密な保護性酸化物層を表面に備え、大気腐食の抑制を図ることができる耐候性に優れた鋼材と、この鋼材を確実に提供するための表面処理剤とを提供することであり、より具体的には、重金属を使用せずに高塩化物環境下でも使用することができ、外観品質を損なうことなく、表面に保護性酸化物層を早期にかつ確実に形成することができる耐候性に優れた鋼材および表面処理剤を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、Fe2SiO4 を含む保護性酸化物層を表面に備えることを特徴とする鋼材である。また、本発明は、質量比で固形分の含有量の15〜50%の Fe2SiO4を含む表面処理剤の被膜を5〜50μmの膜厚で表面に備えることを特徴とする鋼材である。これらの本発明にかかる鋼材は、Siを3.0 質量%以下含有することが望ましい。
【0011】
別の観点からは、本発明は、質量比で固形分の含有量の15〜50%の Fe2SiO4を含むことを特徴とする表面処理剤である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる耐候性に優れた鋼材および表面処理剤について詳細に説明する。なお、実施の形態の説明では、表面処理剤が有機樹脂塗料である場合を例にとる。
【0013】
本実施の形態の鋼材は、Fe2SiO4 を含む保護性酸化物層を表面に備えることにより、優れた耐候性を有する鋼材であり、具体的には、質量比で固形分の含有量の15〜50%の Fe2SiO4を含む表面処理剤の被膜を、5〜50μmの膜厚で表面に備える鋼材である。
【0014】
まず、この本発明にかかる鋼材の原理について簡単に説明する。各種の軽金属を含有する裸鋼材の長期暴露試験の結果より、以下に列記する知見(a) 〜(f) が得られた。
【0015】
(a)鋼材にSiを適量添加することにより著しく耐候性が向上する。耐候性を発現した保護性酸化物層の種々の解析結果により、保護性を発現する物質が一般的なX線回折では明瞭なピークが検出されない程度の少量、もしくは一般的なX線回折では明瞭なピークを示さないX線的非晶質物質であるかのどちらかであるが、XPS(光電子分光)測定を行うことによって、保護性酸化物層の鋼材との界面側にFe2SiO4 が存在することが判明し、このFe2SiO4 が保護性を発現する。
【0016】
(b)しかし、(a) 項に示すように鋼材にSiを添加することにより耐候性を向上しようとすると、相当多量のSiを鋼材に添加する必要が生じ、これにより、構造用鋼として要求される溶接性が劣化する。
【0017】
(c)また、鋼材にSiを添加すれば耐候性は確かに向上するものの、耐候性が発現する前の初期には流れさびが生じ、設置場所の景観上の問題を生じる。
(d)これに対し、鋼材の表面に、Fe2SiO4 を含む表面処理剤の被膜を形成すれば、腐食により生成されるFeイオンが優先的にFe2SiO4 となり、鋼材の表面に保護性を有する緻密な保護性酸化物層を迅速に形成することができる。
【0018】
(e)生成するFeイオンによってFe2SiO4 が形成される際、母材である鋼材のSi含有量が少ないと、長期間暴露後に最終的にFe2SiO4 の存在量が不足し、耐候性が若干低下する。
【0019】
(f)これに対し、鋼材に溶接性に悪影響を与えない程度の少量のSiを添加すれば、Fe2SiO4 を継続的に生成することができ、長期間暴露後にもFe2SiO4 の存在量を充分に確保できる。
【0020】
一般的に、形成される保護性酸化物層の構造が緻密であればあるほど、物理的に大気腐食環境から鋼材を遮断し易いため、浮きさびや流れさびの根本的な原因である鋼材からのFeイオンの溶出を抑制できる。これに対し、保護性酸化物層に割れや細孔が存在すると、これらは水や酸素の供給経路となるため、保護性酸化物層の保護性が劣化する。このため、緻密で連続した安定した保護性酸化物層を鋼材の表面に形成することが重要である。
【0021】
保護性酸化物層に水分が浸透すると、この水分は鋼材の表面に到達してFeイオンを生成する。溶出したFeイオンは、通常は流れさびと同様のγ−FeOOH となる。これに対し、本実施の形態では、保護性酸化物層がFe2SiO4 を含むため、このFe2SiO4 が保護性酸化物の核として作用し、溶出したFeイオンから保護性酸化物である緻密な Fe2SiO4を優先的に生成することができる。このため、本実施の形態によれば、耐候性を向上することができる。
【0022】
なお、溶出したFeイオンが結合することにより新たに生成したFe2SiO4 は、一般的なX線回折パターンでは検出できない程度に微量であるが、鋼材と保護性酸化物層との界面の近傍におけるXPS(X線光電子分光)測定により、その存在を確認することができる。生成した保護性酸化物層の全体に占める Fe2SiO4は、質量比で3%程度以上存在すれば、保護性酸化物層として求められる耐食性を充分に確保できる。
【0023】
また、塩分が飛来するような厳しい大気腐食環境中でもこのような効果を確実に得るには、質量比で表面処理剤である有機樹脂塗料に含まれる固形分の含有量の15〜50%の Fe2SiO4を添加することが望ましい。Fe2SiO4 を質量比で固形分の含有量の15%以上添加することにより、塗布および乾燥後の鋼材が大気腐食環境に置かれた場合においても鋼材の表面に保護性酸化物層を確実に形成することができる。一方、Fe2SiO4 の添加量が質量比で固形分の含有量の50%を超えると、塗料中の可溶分が増加して塗膜の崩壊が早まり、十分な保護性酸化物層が形成される前に腐食因子に曝されてしまい、厳しい腐食環境における耐候性が不足するおそれがある。
【0024】
また、本実施の形態では、鋼材の表面に塗布される、表面処理剤としての有機樹脂塗料におけるバインダとしての樹脂は、特定種には限定されない。例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アルキル樹脂、フタル酸樹脂、ブチラール樹脂、メラミン樹脂さらにはフェノール樹脂等を用いることができる。特に、ブチラール樹脂単独、またはブチラール樹脂とブチラール樹脂と相溶する樹脂(例えばメラミン樹脂やフェノール樹脂等)との混合物が好ましい。
【0025】
バインダとしての樹脂の量が、質量比で塗料の固形分に対して10%未満では、塗料として鋼材の表面に塗布した際に均一な塗膜を得ることができず、強度および付着力が不足する。一方、樹脂の量が質量比で塗料の固形分に対して50%を超えると、塗膜を通して浸透する水分量が少なくなり、安定した保護性酸化物層の生成が遅延する。したがって、バインダとしての樹脂の量は、質量比で塗料の固形分に対して10%以上50%以下とすることが好ましい。
【0026】
表面処理剤としての有機樹脂塗料における樹脂は、上述したように、Fe2SiO4 を塗膜中に保持するためのバインダとしての役割を果たすとともに、鋼材の表面と塗膜との界面における保護性酸化物層の生成にも寄与する。すなわち、樹脂被膜は元来カチオン選択性(カチオンを選択的に透過させる性質)があるため、塗膜が劣化するまでの間、特に、鋼材が腐食環境に曝された初期の間では、塗膜を通してのCl− の浸透を抑制することにより保護性酸化物層の生成を助ける作用を有する。
【0027】
本実施の形態では、表面処理剤としての有機樹脂塗料は、塗布作業に適した粘度に有機溶剤により調整して塗布すればよい。溶剤は、塗布後自然乾燥により蒸散するものを用いればよい。また、有機樹脂塗料がリン酸を含有すれば、初期の流れ錆の流出防止に好適である。このとき、べんがら、二酸化チタン、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、α−FeOOH さらには酸化鉄等の着色顔料や、タルク、シリカ、マイカ、硫酸バリウムさらには炭酸カルシウム等の体質顔料を添加することができる。
【0028】
なお、本発明の目的は、鋼材の表面に塗布される有機樹脂塗料が重金属を含有しなくとも長期間にわたって耐久性に優れる鋼材を提供することであり、かかる観点からは、有機樹脂塗料にNiやCr等の重金属を添加する必要はない。しかしながら、公知の防錆顔料として、酸化クロム、クロム酸亜鉛、クロム酸鉛さらには塩基性硫酸鉛等の防錆顔料、さらには、その他硫酸クロムなどのクロム化合物、硫酸ニッケル等のニッケル化合物を含有するようにしてもよい。ただし、環境への負荷を勘案すれば、これらの重金属の添加量は質量比で固形分に対して20%以下とすることが望ましい。
【0029】
さらに、有機樹脂塗料には、その他チキソトロピ性調整剤、分散剤、酸化防止剤等、慣用されている各種の添加剤を適量添加してもよい。
また、本実施の形態では、鋼材の表面における有機樹脂塗料の塗膜の膜厚が、乾燥膜厚で5μm以上50μm以下であれば、充分な性能を有する保護性酸化物層を形成できる。
【0030】
さらに、このようにして形成した乾燥塗膜を下層として、公知のように、上層として、有機樹脂塗膜を乾燥膜厚で5μm以上30μm以下塗布すれば、特に飛来塩分量が高い環境下で使用される鋼材の耐候性をさらに高めることができ、好適である。
【0031】
本実施の形態では、有機樹脂塗料は、エアスプレー、エアレススプレーさらには刷毛塗り等の、通常の各種の塗布方法で塗布することができる。このため、本実施の形態は、塗装場所を選ばずに施工が可能である。
【0032】
なお、塗膜の膜厚は平均膜厚を意味しており、電磁微厚計、例えば (株) サンコウ電子研究所製CRT−2000II電磁式デジタル膜厚計を用いて、鋼材の表面における塗膜の膜厚を10点以上測定した平均値で測定することができる。
【0033】
なお、以上の説明では、上述したように、表面処理剤が有機樹脂塗料である場合を例にとったが、これはあくまでも例示であり、表面処理剤が例えばエチルシリケート樹脂等の有機樹脂塗料以外であっても、本発明は同様に適用可能である。
【0034】
本発明が対象とする母材の鋼材は、いわゆるさびを生成するものであればよく、特定種の鋼材に限定されるものではない。例えば、普通鋼であってもよく、あるいは耐候性鋼やNiを含有する低合金鋼であってもよく、長期の耐久性の観点から望ましい。
【0035】
さらに、母材の鋼材がSiを適量添加された鋼材であれば、相乗効果により長期間にわたって腐食減量を抑制することができる。添加したFe2SiO4 を核として、その後溶出してくるFeとSiとがさらにFe2SiO4 の生成を促進するからである。これにより、Si添加による靱性や溶接性の低下の懸念が解消され、Fe2SiO4 を鋼材表面に生成させることができるため、有利である。ただし、Siの添加範囲は強度、靭性さらには溶接性の観点から、3.0 %以下とすることが好ましい。
【0036】
このように、本実施の形態によれば、表面が保護性を有する緻密な保護性酸化物層により覆われ、大気腐食の抑制を図ることができる耐候性に優れた鋼材、より具体的には、重金属を使用せずに高塩化物環境下でも充分に使用することができ、外観品質を損なうことなく、表面に保護性酸化物層を確実かつ早期に形成できる耐候性に優れた鋼材を提供することができる。
【0037】
【実施例】
さらに、本発明を実施例を参照しながら詳細に説明する。
本実施例において用いた試験鋼の化学組成 (質量%) を表1に、鋼材の塗装前の処理方法の内訳を表2にそれぞれ示す。なお、表2における処理Xは新設橋梁に対する処理をシミュレートするものであり、処理Yは既設橋梁の補修をシミュレートするものである。
【0038】
試験片の寸法は長さ100mm 、幅60mm、厚さ3mmとした。また、表3には、試験に用いた塗装処理剤の組成、サンプルの作製条件及び試験結果をあわせて示す。なお、表3中におけるその他の添加剤は、顔料分散剤や酸化防止剤である。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
表3に示す樹脂、顔料、添加剤の配合組成に適切量の溶剤を加えて粘度(B型粘度計測定)を200 〜1000 CPSとした塗料を作製し、この塗料をエアースプレーにより塗布して乾燥したサンプル試験片を、屋外にて軒下水平(雨がかりがなく、塩分が蓄積する環境)に設置して、一週間に一度、6倍に希釈した人工海水を表面に注射器を用いて滞水させた。本環境の塩分蓄積量は、5mdd(5mgNaCl/dm2/day) に相当する。
【0043】
塗装前の鋼材重量を測定し、暴露後塗膜およびさびをクエン酸アンモニウムにより除去した後の重量を測定し、得られた腐食減量から平均板厚腐食減量厚みを求めた。また、暴露初期には流れさびを、36カ月後の外観も観察した。
【0044】
表3に示すように、本発明例1〜8によれば、塩化物環境における耐候性が著しく改善されたことがわかる。
一方、比較例9に示すように、裸の鋼材の場合には著しく腐食し、生成したさびが層状に剥離する、いわゆる層状剥離さびを生じ、板厚はほぼ初期の半分まで減少し、この試験の環境が非常に厳しいことがわかる。言い換えれば、非常に塩化物量が多い厳しい腐食環境においても、本発明例1〜8は優れた耐候性を発揮することがわかる。
【0045】
また、比較例10、11に示すように、Fe2SiO4 が固形分の含有量の15質量%よりも少ないと、暴露初期には塗膜としての性能によりある程度の期間だけ腐食を抑制することができるものの、塗膜としての機能を失った場合には、生成したさびには保護機能がないため、急激な腐食が観察され、36カ月後には剥離さびが生成した。
【0046】
また、比較例12に示すように、塗膜厚が本発明で規定する範囲よりも小さいと、初期に流れさびが観察され、さらに36カ月後には一部剥離さびも生成した。
さらに、比較例13に示すように、Fe2SiO4 が50質量%を越えると、塗布直後から塗膜の密着力が不足し、暴露初期に塗膜が剥がれ落ちたため、暴露試験を中止せざるを得なかった。
【0047】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、初期の美観を損なうことなく、高塩化物大気腐食環境中で生じる赤さびや流れさびに起因した景観の低下を招くことなく、鋼材の表面に保護性を有する保護性酸化物層を迅速かつ確実に形成することができる。
【0048】
土木または建築構造物用鋼材に本発明を適用すると、赤さびや黄さび等の浮きさびや流れさびを生じることなく、保護性酸化物層を迅速かつ確実に形成することができるため、鋼材の防食に関するメンテナンスが不要となる。
Claims (4)
- Fe2SiO4 を含む保護性酸化物層を表面に備えることを特徴とする鋼材。
- 質量比で固形分の含有量の15〜50%の Fe2SiO4を含む表面処理剤の被膜を5〜50μmの膜厚で表面に備えることを特徴とする鋼材。
- 前記鋼材は、Siを3.0 質量%以下含有する請求項1または請求項2に記載された鋼材。
- 質量比で固形分の含有量の15〜50%の Fe2SiO4を含むことを特徴とする表面処理剤。
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