JP2005089786A - 耐塩性に優れた耐食性鋼材と表面処理剤 - Google Patents

耐塩性に優れた耐食性鋼材と表面処理剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 重金属を使用せずに高塩化物環境下でも使用可能で、早期にかつ外観を損なうことなく、鋼材表面に緻密なさび層からなる保護性酸化物層を形成させる表面処理鋼材とそのための表面処理剤を提供する。
【解決手段】 質量比で、固形分の15〜75%のSi含有鉄粉を含む表面処理剤の被覆を5〜50μmの膜厚で表面に備え、溶出したFeイオンおよびSiイオンを反応させて、Siを含む緻密なさび(Fe2SiO4)層を生成させる。

Description

本発明は、耐塩性に優れた表面被覆鋼材、特に、表面が保護性を有する緻密な酸化物層に覆われ、耐大気腐食性に優れた表面被覆鋼材と、そのための表面処理剤に関する。
一般に、鋼にCu、Cr、Ni、P等の合金元素を添加することにより大気中での腐食に対する抵抗性(耐候性) を向上させることができ、これらの元素を含有した鋼は“耐候性鋼" と呼ばれている。この耐候性鋼は、大気腐食の進行に伴ってその表面に大気腐食に対して保護作用を有する緻密なさび層(以下、「保護性酸化物層」という) が形成され、その後の腐食が著しく抑制されるので、塗装等の防食処理を施さずに使用することができ、構造物の維持管理(メンテナンス) の低減が可能である。
しかし、従来の耐候性鋼では、そのような保護性酸化物層が形成されるまでには数年あるいは10年以上かかり、その間、赤さび、流れさび等が発生するという景観上の問題がある。
さらに塩化物が飛来するような海浜あるいは海岸地帯、さらには塩化物を含む融雪塩、凍結防止剤を散布する山間部や寒冷地においては、塩化物により上記の保護性酸化物層が生成せず、鋼材が著しく腐食するといった問題がある。このような腐食に対する耐候性を特に耐塩性という。
特許文献1において、硫酸クロムまたは硫酸銅を1〜65質量%含む有機樹脂塗料を被覆して安定さびを早期に育成させる方法が開示されている。
また特許文献2には下層に乾燥膜厚で5〜50μmで、かつ硫酸クロムを0.1 〜15質量%含む有機樹脂塗膜を有し、上層に乾燥膜厚で5〜20μmで、かつ硫酸クロムを含まない樹脂で構成される有機樹脂塗膜を有する処理が開示されている。
これらいずれの処理も保護性酸化物層の生成を促進し、早期に高耐食性を示すため、耐候性は著しく改善できることが実証されている。
また塩化物が飛来する地域において耐候性を発揮する新鋼材として、例えば特許文献3に示されるようにNiを含む鋼材等が開示されている。
一方、近年の生態系への影響が懸念されるニッケル、クロム等の重金属を可能な限り使用しないという要請の中で、上記ニッケル、クロムを含有する鋼材もしくは表面処理も、極力無くそうとする動きがある。
特開平6−226198号公報 特開2001−81575 号公報 特開平11−172370号公報
本発明は、上記問題点を解決し、重金属を使用せずに高塩化物環境下でも使用可能で、早期にかつ外観を損なうことなく、鋼材表面に緻密なさび層からなる保護性酸化物層を形成させる表面処理鋼材とそのための表面処理剤を提供するものである。
本発明者らが上述の課題を解決すべく、各種軽金属を含む裸鋼材の長期暴露試験を実施した結果、以下の知見を得た。
(1)Si を添加することにより著しく耐候性が向上することを見出した。
耐食性を発現した保護性酸化物層を種々の手段で解析したところ、保護性を発現する物質が一般的なX線回折では明瞭なピークが検出されない程度の少量、もしくは一般的なX線回折では明瞭なピークを示さないX線的非晶質物質であるかのどちらかであるが、XPS (光電子分光)測定ではさびの内層側にFe2SiO4 と考えられる酸化物が存在し、この物質が保護性を発現すること。
(2) 一方、上記の耐食性向上のためには多量のSiを鋼材中に添加する必要があり、構造用鋼として溶接する場合において困難さがあること。
(3) 鋼材表面にSiを濃化することができれば、溶接可能な高耐食性構造用鋼材になるが、表面のみにSiを濃化させるには、イオン注入などの巨大設備が必要で経済的に不適である。そこで、保護性のさび中のSi含有量を増大させる方法として、鋼材表面にSi含有鉄粉を存在させ、その腐食によって鋼材表面にSiを多量に含有する酸化物層を形成させることにより耐食性が向上することを確認し、本発明を完成した。
ここに、本発明は、質量比で、固形分の15〜75%のSi含有鉄粉を含む表面処理剤の被覆を5〜50μmの膜厚で表面に備えることを特徴とする表面被覆鋼材である。
別の面からは、本発明は、質量比で、固形分の含有量の15〜75%のSi含有鉄粉を含むことを特徴とする鋼材の表面処理剤である。
本発明によれば、初期の構造物の美観を損なうことなく、高塩化物大気腐食環境中でも赤さびや流れさびを生じることなく、また景観低下を招くことなく、鋼材表面に特に耐塩性に優れた保護性酸化物層形成させることができる。
土木または建築構造物用鋼材に本発明を適用した場合、赤さびや黄さび等の浮きさびや流れさびを生じることなく、早期に保護性酸化物層を形成させることができるため、鋼材の防食に関するメンテナンスが不要になり、産業上大きく寄与することが期待される。
次に、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「%」表示は、特にことわりがない限り、「質量%」である。
本発明によれば、質量比で固形分の15〜75%のSi含有鉄粉を含む表面処理剤でもって5〜50μmの膜厚で鋼材表面を被覆する。
本発明において、塩分が飛来するような厳しい大気腐食環境中でもSi含有鉄粉の保護性さび生成効果を得るには、例えば有機樹脂塗料中の固形分に対して15〜75質量%のSi含有鉄粉を添加する。被覆中への15質量%以上のSi含有鉄粉の添加により、被覆の塗布、乾燥後の鋼材が大気腐食環境におかれたとき、保護性酸化物層を生成させることができる。Si含有鉄粉の含有量の上限を75質量%に限定したのは、塗料中のSi含有鉄粉量増大のため塗膜の崩壊が早まり、十分な保護性酸化物層が形成する前に腐食環境に曝されることにより、厳しい腐食環境において耐候性が保証できないからである。塗料中の好ましいSi含有鉄粉の含有量は、鉄粉中のSi含有量にもよるが、20〜70%である。
かかる被覆の厚さは、その膜厚を、乾燥固化状態で、5〜50μm、好ましくは10〜50μm とする。かかる範囲内の膜厚であれば、適切に保護性酸化物層が生成することとなる。
本発明において Si 含有鉄粉の存在によって保護性酸化物層が生成する機構は次のように考えられる。
さびの構造が緻密であれば物理的に大気腐食環境を遮断しやすいため、浮きさびや流れさびの根本的な原因である鉄イオンの溶出を軽減し、保護性酸化物層を形成する。しかしながら、さび中に割れや細孔があると水や酸素の供給経路となり、さびの保護性が低下する。このため緻密で連続した安定さび層を形成させる必要がある。
塗膜中に水分が浸透した際、塗膜/ 鋼界面に到達し鉄イオンを生成する。溶出したFeイオンが通常では空気により酸化されγ−FeOOH(流れさびと同様) となる。しかし、本発明によってSi含有鉄粉がそのような塗膜内あるいは界面に存在すると、Si含有鉄粉自体も水・酸素により腐食し、その際、Siも同時に溶出することになる。
したがって、母材である鋼材の腐食反応によるFeイオンと、Si含有鉄粉の腐食により溶出したFeおよびシリコンとが反応して、Siを含む緻密なさび(Fe2SiO4)が生成するものと考えられる。
ここで云う「Si含有鉄粉」とは、好ましくは、Siが、質量で、3%〜75%を含有する鉄を微細に粉砕したものを指し、具体的には、Fe3Si 、Fe3Si2、FeSi、FeSi2 、FeSi8 等のケイ化鉄、フェロシリコンが入手しやすく好適である。十分な量のSiイオンが溶出してFeとともに酸化されて緻密なさび(Fe2SiO4)が生成されれば特に制限はなく、多くの種類のSi含有鉄粉が使用可能である。
本発明における保護性酸化物層の形成の上述のような機構を考えると、さび中にSiを濃化させるためにはSi含有量が高い方が望ましいと思えるが、Siが高すぎると溶出反応が抑えられるため、ほとんど効果が期待できない。またSi含有量が少なすぎるとFe2SiO4 が層状に生成しない可能性がある。従って、適切な量のSiが溶出し且つさび中にSiを濃化させるために、Si含有鉄粉中に含まれるSiは質量で3%〜75%が好ましく、より好ましくは、5〜45%である。
かかるSi含有鉄粉中に別の元素、例えばC、Mn、O等が不純物として含有していてもよいが、不純物量は10質量%以下とすることが好ましい。
Si含有鉄粉の組成は、均一である必要はなく、Si含有量が保護性酸化物層の形成に十分な量であればよく、より好適には、上記範囲内であれば良い。上記Si含有鉄粉が各種形態で含まれている場合には、Si含有量が同一範囲内で分布していても、溶出速度が各形態で異なるため、長期にわたり効果が継続する利点がある。
上記Siの溶出速度は、添加するSi含有鉄粉の粒径にも依存する。細かければ細かいほど溶出速度は高くなるが、その反面、Siの溶出が早すぎると、継続的に保護性さびを生成することができなくなるため、最適な平均粒径は、0.2 〜20μmが好ましい。平均粒径は均一にする必要はなく、すなわち粒径を全てあわせる必要はなく、ある程度粗粒から細粒というように粒径が分布する方が溶出速度の変化がつくために、長期にわたり効果が継続するので好適である。
平均粒径が0.2 μmよりも小さい場合には塗料中で凝集することがあるため、そのときには逆に溶出速度が低下する。一方、平均粒径が20μmを越えると溶出速度が低下するだけでなく、後述するように、鋼材に塗布する際にスプレーガンのチップの消耗が早い等の弊害を生じることがある。
すでに述べたように、本発明においては、Si含有鉄粉を含有する表面処理剤を鋼材の表面に被覆するが、そのときの表面処理剤のバインダー成分として樹脂を含有してもよい。
本発明で用いるバインダーとしての樹脂は特に制限されない。エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アルキル樹脂、フタル酸樹脂、ブチラール樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等が使用できる。特に、ブチラール樹脂単独、またはブチラール樹脂とブチラール樹脂と相溶する樹脂(例えばメラミン樹脂やフェノール樹脂等)の混合物が好ましい。またエチルシリケート樹脂等の有機樹脂以外であっても本発明は同様に適用可能である。
バインダーとしての樹脂の量が、塗料の固形分に対して10%未満では、塗料として鋼材表面に塗布したときに均一な被膜が得られず、強度および付着力が小さい。一方、50%を超えると、被膜を通して浸透する水分量が少なくなり、保護性さび層の生成が遅延する。したがって、樹脂量は、10〜50%とするのが好ましい。
樹脂はSi含有鉄粉を被膜中に保持するバインダーとしての役割をはたすとともに、鋼材表面と樹脂被膜の界面における保護性酸化物層の生成に寄与する。すなわち、樹脂被膜は元来カチオン選択性(カチオンを選択的に透過させる性質)があるので、被膜が劣化するまでの間、特に、鋼材が腐食環境に曝された初期においてCl- の被膜を通してCl- の浸透を抑制する作用を有しているからである。
本発明にかかる表面処理剤は、上述の様にSi含有鉄粉にバインダーとしての樹脂を配合して構成されるが、使用時には塗布作業に適した粘度に有機溶剤で調整され、溶剤は塗布後自然乾燥により蒸散するようにしてもよい。
その他の成分として、リン酸を含有することも可能であり、初期の流れ錆流出防止には好適である。さらに、ベンガラ、二酸化チタン、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、α-FeOOH、酸化鉄等の着色顔料、タルク、シリカ、マイカ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の体質顔料を添加することができる。
また、本来の本発明の目的は重金属を含有せずとも長期の耐久性に優れる鋼材を供することであるが、公知の防錆顔料として酸化クロム、クロム酸亜鉛、クロム酸鉛、塩基性硫酸鉛等の防錆顔料、さらには、その他硫酸クロムなどのクロム化合物、硫酸ニッケル等のニッケル化合物を含有させることは可能である。しかしながら、環境の負荷を考えれば、その添加量は、樹脂固形分に対して20%以下とすることが望ましい。
その他、チキソ剤、分散剤、酸化防止剤等、慣用されている添加剤を加えてもよい。
さらに、このようにして得られた本発明にかかる被覆を下層として、公知のように上層に有機樹脂塗膜を乾燥膜厚で5〜30μm塗布することも可能であり、特に飛来塩分量が高い場合には好適である。
以上述べてきた塗料は、通常の塗布方法と同じく、エアスプレー、エアレススプレーあるいは刷毛塗り等の方法で塗布することができるため、場所を選ばず施工が可能である。 なお、本明細書において、塗膜の膜厚は平均膜厚を意味しており、電磁膜厚計、例えば(株) サンコウ電子研究所製CRT-2000II電磁式デジタル膜厚計を用いて、鋼材の表面における塗膜の膜厚を10点以上測定した平均値で測定することができる。
以上の説明は表面処理剤が有機樹脂塗料である場合を例にとったが、あくまでも例示であり、表面処理剤が例えばエチルシリケート樹脂などの有機樹脂塗料以外であっても本発明は同様に適用可能である。
本発明にかかる塗料を塗布する鋼材は、特に鋼種を限定されるものではなく、普通鋼であっても、耐候性鋼等の低合金鋼であっても、いわゆるさびを生成するものであれば構わない。
さらに、Siを添加した鋼材に適用した場合、相乗効果により長期的に腐食減量を抑えることが可能である。すなわち、母材からも溶出してくるSiがさらに保護性さびの生成を促進するためである。ただし、Siの添加範囲は強度、靱性さらには溶接性の観点から3.0 %以下とすることが好ましい。
さらに鋼材の形態としても、鋼板ばかりでなく、型鋼、棒鋼なども含まれ、またすでに施工してある鋼構造物、例えば橋梁、各種海洋鋼構造物であってもよい。
本発明の処理法と効果を実施例により説明する。
本例で用いた試験鋼の化学組成を表1に、表面処理剤の塗装前の鋼材の処理方法を表2に示す。
本例で用いたSi含有鉄粉は、平均粒径 1.1μm のSi含有量40〜45質量%のJIS G2302 フェロシリコン3号であった。
鋼材Xは新設橋梁の塗装を、鋼材Yは既設橋梁の補修時の塗装をシミュレートするために実施した。試験片の寸法は100 ×60×3mm厚とした。
表3に試験に用いた表面処理剤の組成、サンプルの作製条件及び試験結果を示す。なお、表3中の「その他添加剤」は、顔料や分散剤や酸化防止剤である。
上記組成の表面処理剤を鋼材表面に塗布してから乾燥後、後述する加速試験を行ったが、本発明例については、試験終了後、保護性酸化物層の存在を確認し、その内層側にFe2SiO4 が含まれることをXPS 分析によって確認した。しかし、比較例については保護性酸化物層の存在を確認できなかった。
Figure 2005089786
Figure 2005089786
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表3に示す樹脂、顔料、各種添加剤の配合組成に適宜量の溶剤を加えて粘度(B型粘度計測定)を200 〜1000CPS とした塗料を作製し、エアースプレーにより各試験片の表面に塗布した。このサンプル試験片を融雪塩飛来環境を模擬する加速試験としてSAE J2334 試験(スガ試験機製) を実施した。
本例の加速試験は、以下の3つの状態を1サイクルとする加速試験であり、融雪塩による鋼材の腐食を模擬できるものと考えられる。
状態1: 湿潤:50℃、100 %RH、6h
状態2: 塩分付着:15min * [ * 0.5 %NaCl、0.1 %CaC12 、0.075 %NaHCO3水溶液に浸漬] 。
状態3: 乾燥:60℃、50%RH、17.75h
塗装前の試験片の重量を測定し、試験後、クエン酸アンモニウムにて塗膜およびさびを除去後の重量を測定し、両測定値の差異から得られた腐食減量から片面平均板厚腐食減量厚みを求めた。
また暴露初期には、流れさびを、210 サイクル後の外観も観察した。
試験結果は、表3にまとめて示す。
表3の結果からは、発明例である試験番号1-7 に示すように、本発明によれば、非常に厳しい塩化物環境における耐候性を著しく改善できる。一方、比較例である試験番号8に見られるように、裸の鋼材の場合には著しく腐食し、生成したさびが層状に剥離する、いわゆる層状剥離さびを形成し、180 サイクル後においては鋼材自体が腐食により消失していた。このことから本環境が非常に厳しいことが伺える。言い換えれば、非常に塩化物量が多い厳しい腐食環境においても本発明は効果を発揮するといえる。
一方、比較例である試験番号9、10のようにSi含有鉄粉が15%よりも少ない場合には、暴露初期には塗膜としての性能によりある程度の期間腐食は抑えられるが、塗膜としての機能を失った場合には、生成したさびには保護機能がないため、急激な腐食が観察され、210 サイクル後には剥離さびが生成した。また比較例である試験番号11に示すように塗膜厚が薄い場合には、初期に流れさびが観察され、210 サイクル後には剥離さびが生成した。比較例である試験番号12のSi含有鉄粉が75%を越える場合、塗布直後から塗膜の密着力がなく、暴露初期に塗膜がはがれ落ちたため暴露試験を中止した。

Claims (8)

  1. 固形分の15〜75質量%のSi含有鉄粉を含む表面処理剤の被覆を5〜50μmの膜厚で表面に備えることを特徴とする表面被覆鋼材。
  2. 前記Si含有鉄粉のSi含有量が3〜75質量%である請求項1記載の鋼材。
  3. 前記Si含有鉄粉の平均粒径が0.2 〜20μm である請求項1または2記載の鋼材。
  4. 前記被覆がバインダー成分として樹脂を含有する請求項1ないし3のいずれかに記載の鋼材。
  5. 固形分の含有量の15〜75質量%のSi含有鉄粉を含むことを特徴とする鋼材の表面処理剤。
  6. 前記Si含有鉄粉のSi含有量が3〜75質量%である請求項5記載の表面処理剤。
  7. 前記Si含有鉄粉の平均粒径が0.2 〜20μm である請求項5または6記載の表面処理剤。
  8. 請求項1ないし4のいずれかに記載の鋼材を用いた耐塩性に優れた鋼構造物。
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