JP2004182419A - 紙の斜行量検出と処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】給紙時の紙の斜行量を検出して、リトライ処理、補正処理を行い、給紙精度を高める。
【解決手段】少なくとも二つの紙検出センサにより、複数のエラー「紙無しエラー」、「紙幅エラー」、「紙ジャムエラー」を検知し、さらに、一方のセンサの変化から、もう一方のセンサの変化までの時間を測定し、その時の紙搬送速度により、紙の斜行量を求めて、斜行量が基準値1より小さい時は給紙成功とし、基準値2より大きい時は給紙のリトライを行い、基準値1と基準値2の間にある時は、斜行量をドライバにフィードバックし、画像を補正して印刷する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はシリアル記録装置に関し、給紙機構により紙を搬送し、印刷するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリアル記録装置は、ひとつの紙検出センサを装備し、このセンサの状態変化により、紙の有り無しを判断し、印刷を行っていた。また、複数の紙検出センサがある記録装置で、斜行の検出を行っていても、その後のリカバリー処理、補正処理は行っていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、ひとつの紙検出センサの場合は、給紙時における紙の斜行を検知できなかった。また、複数の紙検出センサがある記録装置では、紙が斜めに給紙されても、それを検知できても、補正、リカバリーする手段がない、という問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、少なくとも二つの紙検出センサを装備し、複数のエラー「紙無しエラー」、「紙幅エラー」、「紙ジャムエラー」を検知し、さらに、一方のセンサの変化から、もう一方のセンサの変化までの時間を測定し、その時の紙搬送速度により、紙の斜行量を求めて、斜行量が基準値1より小さい時は給紙成功とし、基準値2より大きい時は給紙のリトライを行い、基準値1と基準値2の間にある時は、斜行量をドライバにフィードバックし、画像データを補正して印刷することにより、印刷精度の高いプリンタシステムを提供することを目的とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
図1において、プリンタにはプログラム可能なマイクロプロセッサなどの中央処理ユニット(CPU)1、が内蔵されている。ROM2はフォントデータ、プリンタシステムを制御するためのCPU1によって実行されるプログラム命令シーケンス、各種制御テーブルを格納する。RAM21はCPU1がROM2に格納されているプログラムを実行している間に、ブラック記録ヘッド11とカラー記録ヘッド12によるプリント出力のため、RAM21内のプリントバッファに、インタフェイス19を通してホスト20から送られてきた各種記録データを格納する。
【0006】
制御ロジックであるところのゲートアレイ8は記録ヘッド11、12内のノズル用の制御信号を出力するため、記録ヘッドドライバー10を制御する共に、インタフェイス19、CPU1、およびRAM21の間のデータ転送も制御し、さらに、モータドライバ13、16の制御ロジックを備えている。
【0007】
プリンタにはCPUバス7につながっているCPU1、および、プリンタとホストコンピュータ20とを仲介するインタフェイス19が内蔵されている。インタフェイス19は双方向送受信可能な信号経路を備え、ホストコンピュータ20から記録データとコマンドを送受信する。
【0008】
ラインフィード/キャリッジモータドライバ13は二つのモータ(ラインフィードモータ14、キャリッジモータ15)の制御を司る。ラインフィードモータ14は記録用紙の送りと給排紙を制御する。キャリッジモータ15は記録ヘッド11、12の走査行上の記録位置への移動を制御する。ASF/回復モータドライバ16も二つのモータ(ASFモータ17、回復モータ18)の制御を司る。ASFモータ17は記録用紙のピックアップを制御する。回復モータ18は記録ヘッド11、12のクリーニング、ワイプ、キャップなどの回復動作を制御する。
記録ヘッドドライバー10によって制御されるブラック記録ヘッド11とカラー記録ヘッド12は、キャリッジで移動させる取り外し可能な記録ヘッドであり、これらのヘッドには記録媒体上に記録画像を形成するためのインク吐出ノズル、ならびに取り外し可能な記録ヘッドの存在や特性に関する情報をフィードバックするヘッドダイオード9が含まれる。
【0009】
記録ヘッドドライバー10から送られる電気信号に基づいて、記録ヘッド11、12の電気熱変換素子を駆動し、インクに膜沸騰を生起させるための熱エネルギーを発生させる。記録ヘッド11、12の温度によってインクの吐出量が変化するので、プリンタ内の周辺温度を測定するサーミスタ3と記録ヘッド11、12のヘッドダイオード9からの温度出力が監視される。
【0010】
EEPROM22は記録ヘッド構成、記録ヘッドアライメントパラメータ、記録ヘッド駆動パラメータ、モータの駆動履歴、ヘッドの回復履歴、インク消費量履歴、エラー発生状況履歴、通紙履歴、ユーザ使用状況履歴、インクカートリッジ内のインク状況などプリント情報を格納するための不揮発性のメモリである。
【0011】
プリンタには各種のセンサ6が搭載されている。インク残検センサ6aは光学センサでキャリッジに搭載されたインクタンクが、キャリッジを移動させることによりセンサ上を通る時の光の透過率でインクタンク内のインクの有無を検出する。ペーパーエンドセンサ(PEセンサ)6bは通過する被記録媒体を検出する。パージセンサ(PGセンサ)6cはヘッドの回復ユニットのカムの位置を検出する。給紙センサ(ASFセンサ)6dは給紙ユニットのカムの回転位置を検出する。その他にカバーセンサ、キャリッジの位置情報を読み取るためのエンコーダ、LFの位置情報を読み取るためのエンコーダなどのセンサもここに含まれる。パワーSW、リジュ−ムSWなどのユーザ作動用のスイッチ4が装備されている。さらに、ユーザにプリンタの状態を知らせる表示用のLED5も装備されている。
【0012】
電源23はプリンタの駆動用電源を供給する。
【0013】
図2は正常な給紙時のPEセンサ検知位置を示した図である。紙1はASFモータを回すことにより、ASFユニットよりピックアップされ、LFモータを回すことにより、図中の通紙方向に搬送される。2及び3はPEセンサで、紙の通過によりオン/オフされる。図2ではPEセンサ2と3が同時に「紙あり」を検知したことを示している。
【0014】
図3は給紙時に紙が斜行した時、最初にPEセンサが紙を検知した位置を示した図である。紙1が斜めに給紙され、PEセンサ2が最初に「紙あり」を検知したことを示している。このときPEセンサ3はまだ「紙あり」を検知していない。
【0015】
図4は給紙時に紙が斜行した時、最初のPEセンサとは別のPEセンサが紙を検知した位置を示した図である。図3よりさらにLFモータを回して紙4を搬送すると、紙4は紙1の位置に搬送され、PEセンサ2に続き、PEセンサ3も「紙あり」を検知する。この時、PEセンサ2は引き続いて「紙あり」を検知し続けている。このPEセンサ2とPEセンサ3の「紙あり」になるタイミングのズレ時間とLFの搬送スピードにより、紙の斜行量が求められる。
【0016】
図5において、ROM2(図1)に格納されている、斜行量検出と処理方法を示す給紙のメインプログラムS1−1がスタートする。S1−2でASFモータの回転を開始して、ASFユニットから紙の分離、ピックアップ、すなわち、給紙を開始する。S1−3でLFモータも回転を始め、ASFユニットより送られてきた紙を給紙完了位置へと向かって搬送する。S1−4ではASFモータを一定量回し終わって、ASFユニットから紙がピックアップされた後にASFモータを止める。S1−5でLFモータは一定量回ったかどうか調べる。既に一定量回し終わっている時はS1−6に遷移し、LFモータを止めて、まだ一度もPEセンサで「紙あり」を検知していないので、S1−7で「紙無しエラー」を通知してS1−27で処理を終了する。S1−5に戻り、まだ、一定量回し終わっていない時は、S1−8でどちらか一方のPEセンサの変化を検知したか調べる。まだ、どちらのPEセンサも変化を検知していない時は、S1−5に戻る。どちらかのPEセンサで変化を検知した時は、S1−9で斜行タイマをスタートさせる。続いて、S1−10でLFモータは一定量回ったかどうか調べる。既に一定量回し終わっている時はS1−11に遷移し、LFモータを止めて、S1−12で斜行タイマをストップする。片一方のPEセンサで「紙あり」を検知して、もう一方では「紙あり」を検知していないので、S1−13で「紙幅エラー」を通知してS1−27で処理を終了する。S1−10に戻り、まだ、一定量回し終わっていない時は、S1−14でもう一方のPEセンサの変化を検知したか調べる。まだ、もう一方のPEセンサも変化を検知していない時は、S1−10に戻る。もう一方のPEセンサで変化を検知した時は、S1−15で斜行タイマをストップさせ、S1−16でLFモータを止める。S1−17ではS1−9でスタートさせ、S1−15でストップさせた斜行タイマの時間差とS1−3で回し始めたLFモータのPEセンサ検知時のスピードにより、給紙された紙の斜行量を計算する。S1−18で計算された紙の斜行量が予め決められた基準値1より大きいかどうか調べる。斜行量が小さい時はS1−19で「給紙成功」を通知して、S1−27で処理を終了する。S1−18で紙の斜行量が基準値1より大きい時は、S1−20でさらに斜行量が基準値1とは別の基準値2より大きいどうか調べる。斜行量が基準値2より小さい時、すなわち、基準値1と基準値2の間にいる時は、斜行量を補正できる範囲なので、S1−21で斜行量をホストのドライバに通知して、S1−22では「給紙成功」を通知し、画像補正要求を出し、S1−27で処理を終了する。S1−20戻り、斜行量が基準値2より大きい時は、S1−23で2回目のリトライかどうか調べる。2回目のリトライの時はS1−26で「紙ジャムエラー」を通知して、S1−27で処理を終了する。S1−23で始めてのリトライの時は、S1−24でLFモータを一定量逆転動作させて、紙を給紙トレイ方向に排紙して、S1−25で「給紙リトライ」を通知し、LFモータを正転方向に回して始めて、S1−5に戻り処理を続ける。
【0017】
図6において、斜行量検出後の補正処理を示すホストの印刷のプログラムS2−1がスタートする。S2−2で印刷する画像データをRAMに展開する。S2−3では色処理が実行され、S2−4では表示用のRGBデータから印刷用CMYKデータへ画像データが変換される。S2−5では給紙の準備を行い、給紙コマンドを送出する。S2−6で給紙が成功したかどうか調べる。成功していない時は、S2−14でエラー種類を獲得して、S2−15でエラー内容を表示し、S2−6へ戻る。S2−6で給紙が成功したなら、S2−7で画像補正要求があるかどうか調べる。画像補正要求がない時は、S2−12へ遷移する。画像補正要求があるときは、S2−8で斜行量を獲得して、S2−9で斜行量により画像データを転回し直して、S2−10で色処理が実行され、S2−11では表示用のRGBデータから印刷用CMYKデータへ画像データが変換される。S2−12では画像データが制御コマンドと共に送信され、画像が印刷さる。S2−13で排紙準備を行い、排紙コマンドが送信され、S2−16で処理を終了する。
【0018】
【発明の効果】
プリンタに複数の紙検出センサを装備し、複数のエラー「紙無しエラー」、「紙幅エラー」、「紙ジャムエラー」を検知でき、さらに、紙の斜行量を検出し、給紙のリトライ、及び、ドライバにフィードバックすることによる画像の補正を行うので、紙上の印刷精度を高めることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】プリンタのハードウェア構成を示す詳細ブロック図である。
【図2】正常な給紙時のPEセンサ検知位置を示した図である。
【図3】給紙時に紙が斜行した時、最初にPEセンサが紙を検知した位置を示した図である。
【図4】給紙時に紙が斜行した時、最初のPEセンサとは別のPEセンサが紙を検知した位置を示した図である。
【図5】斜行量検出の処理方法を示す給紙のメインプログラムのフローチャートである。
【図6】斜行量検出後の補正処理を示すホストの印刷のプログラム部品のフローチャートである。
【符号の説明】
1 CPU
2 ROM
3 サーミスタ
4 スイッチ
5 LED
6 センサ
6a インク残検センサ
6b PEセンサ
6c PGセンサ
6d ASFセンサ
7 CPUバス
8 ゲートアレイ
9 ヘッドダイオード
10 記録ヘッドドライバー
11 ブラック記録ヘッド
12 カラー記録ヘッド
13 ラインフィード/キャリッジモータドライバ
14 ラインフィードモータ
15 キャリッジモータドライバ
16 ASF/回復モータドライバ
17 ASFモータ
18 回復モータ
19 インタフェ−ス
20 ホスト
21 RAM
22 EEPROM
23 電源

Claims (2)

  1. 給紙時の少なくとも二つの紙検知手段と、前記紙検知手段で紙上を走査する手段と、前記走査中に前記紙検知手段より得られる少なくとも二つの信号と、前記少なくとも二つの信号の時間差と前記紙上を走査する手段の速度により得られる紙の斜行量と、前記紙の斜行量が許容範囲か判断する基準値と、前記基準値により許容範囲外と判断された時は再給紙を行う手段を備えることを特徴とする、記録装置。
  2. 給紙時の少なくとも二つの紙検知手段と、前記紙検知手段で紙上を走査する手段と、前記走査中に前記紙検知手段より得られる少なくとも二つの信号と、前記少なくとも二つの信号の時間差と前記紙上を走査する手段の速度により得られる紙の斜行量と、前記紙の斜行量が許容範囲か判断する第一の基準値と、前記紙の斜行量が許容範囲外を超えることを判断する第二の基準値と、前記許容範囲外と判断された時は再給紙を行う手段と、前記紙の斜行量が前記第一の基準値と前記第二の基準値の間にある時は、前記斜行量により画像データを補正する手段を備えることを特徴とする、記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010037025A (ja) * 2008-08-04 2010-02-18 Kyocera Mita Corp 画像形成装置
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