JP2008114999A - シート供給装置 - Google Patents

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充宏 野崎
Shigeki Akiyama
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Abstract

【課題】ローラを回転自在に支持するアームの揺動角度を簡易且つ低コストで検出する手段を提供する。
【解決手段】インクジェットプリンタ3は、記録用紙5,6が積載される給紙トレイ30と、給紙トレイ30に対して接離する方向へ揺動可能なアーム35と、アーム35の揺動端に回転自在に支持された給紙ローラ36と、アーム35の基端に設けられてアーム35が揺動する角度に応じて光学的な反射率が異なる被検出領域を呈示する回転軸37と、回転軸37が呈示する被検出領域に対する反射率を検出するメディアセンサ47と、メディアセンサ47の検出値に基づいてアーム35が揺動する角度を判定する制御部60とを具備する。
【選択図】図8

Description

本発明は、シート積載部に積載されたシートを、シート積載部に対して接離する方向へ揺動可能なアームの揺動端に回転自在に支持されたローラにより供給するシート供給装置に関し、特に、アームが揺動する角度を検出可能なシート供給装置に関する。
シート供給装置は、例えば、プリンタにおいて記録用紙を供給する機構として実現される。また、シート供給装置は、スキャナにおいて自動原稿搬送機構として実現される。従来のシート供給装置において、揺動可能なアームの先端にローラを設け、このローラによりトレイ上のシートを供給する構成が採用されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。トレイ上に積載された複数枚のシートは、最も上側のシートがローラに接触する。そして、そのシートがローラの回転を受けて供給される。トレイ上において、最も上側のシートの高さは、トレイ上に積載されたシートの枚数により異なる。アームは、トレイに対して接離する方向へ揺動するので、アームの揺動により、ローラは常に最も上側のシートと接触する。
このような構成の従来のシート供給装置において、アームの角度を検出する機構が考案されている(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。例えば、特許文献4には、アームの近傍に初期位置センサを設けるとともに、アームの軸にロータリーエンコーダを設けて、アームの角度を検出する構成が開示されている。特許文献4では、検出されたアームの角度に基づいて、印字用紙の残量が演算される。
特開平10−72142号公報 特開2000−168980号公報 特開昭60−197540号公報 特開2000−281242号公報
しかし、プリンタやスキャナには小型化及び低価格化が要求されているので、アームの検出のためにのみセンサやエンコーダを設けることは、これらの要求に反するため望ましくない。一方、アームが揺動する角度が検出できれば、前述されたような用紙の残量の演算のみならず、プリンタやスキャナに関する多様な情報を演算することができる。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、ローラを回転自在に支持するアームの揺動角度を簡易且つ低コストで検出する手段を提供することを目的とする。
(1) 本発明に係るシート供給装置は、シートが積載されるシート積載部と、上記シート積載部に対して接離する方向へ揺動可能なアームと、上記アームの揺動端に回転自在に支持されたローラと、上記アームの基端に設けられ、上記アームが揺動する角度に応じて光学的な反射率が異なる被検出領域を呈示する被検出子と、上記被検出子が呈示する被検出領域に対する反射率を検出する反射型光センサと、上記反射型光センサの検出値に基づいて上記アームが揺動する角度を判定する制御部と、を具備する。
シート積載部には、供給すべき複数枚のシートが積載されて保持される。アームが揺動することにより、その揺動端がシート積載部に対して接離する。アームの揺動端にはローラが回転自在に支持されている。このローラは、駆動源から駆動伝達されて回転される。アームは、シート積載部に保持されたシートにローラを接触させる。この状態でローラが回転されると、シートが順次供給される。
アームの基端には被検出子が設けられている。被検出子は、光学的な反射率が異なる被検出領域を有する。被検出子は、アームが揺動する角度に応じて反射率が異なるように被検出領域を反射型センサに対して呈示する。反射型光センサは、被検出子が呈示する被検出領域を検出する。反射型光センサが検出した被検出領域の反射率は、アームが揺動する角度に対応している。したがって、制御部は、反射型光センサの検出値に基づいてアームが揺動する角度を判定する。
(2) 上記制御部は、上記アームが揺動する角度に基づいて、上記ローラの回転速度を制御するものであってもよい。
シート積載部に積載されたシートにローラが接触した状態において、アームが揺動する角度は、例えばシートの積載量に応じて変化する。アームが揺動する角度が異なると、ローラがシートに対して噛みつく強さが異なる。例えば、ローラの回転により、ローラをシートに圧接させる方向へアームが揺動する構成では、アームの長手方向とシートの面方向とがなす角度が90度に近づくほどローラがシートに対して噛みつき易くなり、0度に近づくほどローラがシートに対して滑りやすくなる。したがって、このようなローラとシートとの関係を考慮してローラの回転速度が制御されることにより、円滑なシートの供給が実現される。
(3) 上記制御部は、上記アームが揺動する角度に基づいて、上記シート積載部に積載されたシートの残量を判定するものであってもよい。
シート積載部に積載されたシートの残量が少なくなれば、ユーザにシートの補充を促すことが好ましい。例えば、シートの残量が少なくなれば、その旨の液晶表示を行ったり、ブザー音を発生させることにより、シートの補充が必要であることをユーザに認識させることができる。
(4) 上記シート積載部は、上記アームが接離する方向に対して距離が異なり且つ任意の1つが上記ローラと接触可能な位置に姿勢変化可能な複数のトレイを有し、上記制御部は、上記アームが揺動する角度に基づいて、上記トレイのうちのいずれのトレイに積載されるシートに上記ローラが接触しているかを判定するものであってもよい。
シート積載部は、例えば二段トレイのように、サイズや材質が異なる複数種のシートをそれぞれ保持可能な構造が採用されうる。このようは複数のトレイは、任意のいずれか1つをローラが接触可能な位置へ移動させるべく、姿勢変化が可能である。ローラと接触可能な位置へ移動された任意のトレイ上のシートが、ローラにより供給される。複数のトレイは、アームが接離する方向に対して距離が異なる。したがって、制御部は、アームが揺動する角度に基づいて、いずれのトレイ上のシートにローラが接触しているかを判定することができる。これにより、複数のトレイのうち、いずれのトレイからシートが供給されるかが判別できる。
(5) 上記シート積載部からプラテンへ供給されたシートに対して画像記録を行う記録ヘッドを備え、上記反射型光センサは、上記記録ヘッドに搭載されて上記プラテン上のシートを検出するメディアセンサであることが考えられる。
本発明に係るシート供給装置がプリンタとして実現される場合には、シート積載部からプラテンへシートが供給され、記録ヘッドがシートに画像記録を行う。シート積載部からプラテンへは、例えばUターンパスによりシートが案内される。このような場合、シート積載部の上側に、プラテン及び記録ヘッドが配置される。記録ヘッドには、プラテン上のシートを検出するメディアセンサが搭載されている。このメディアセンサを用いて被検出子の被検出領域を検出することにより、メディアセンサを併用してセンサの数を少なくすることができる。
(6) 上記アームは、上記プラテンに対して上記記録ヘッドと反対側に配置され、上記プラテンは、上記被検出子が呈示する被検出領域に対応する位置に、該被検出領域からの反射光を透過する窓を有するものが考えられる。
前述された配置では、アームに設けられた被検出子と記録ヘッドとは、プラテンを挟んで対向位置にある。プラテンに反射光を透過する窓が形成されることにより、記録ヘッドに搭載されたメディアセンサから、プラテンの反対側にある被検出領域を検出することができる。
(7) 上記記録ヘッドがインクジェット記録ヘッドである場合に、上記窓は、透過部材で封止されたものが好ましい。
記録ヘッドからインクが吐出されることにより、インクミストが発生する。プラテンの窓が透過部材で封止されることにより、インクミストが被検出子側へ拡散しない。これにより、被検出子の被検出領域や、シート積載部に保持されたシートがインクミストで汚されない。また、透過部材は被検出領域からの反射光を透過するので、反射型光センサが被検出領域を検出することを妨げない。
(8) 上記透過部材は、上記被検出子が呈示する被検出領域を上記プラテンにおける上記記録ヘッド側の面に結像させるレンズであることが好ましい。
反射型光センサは、所定範囲の焦点領域にある物からの反射光を精度よく検出する。透過部材であるレンズが、被検出領域をプラテンの面に結像させることにより、プラテン上のシートに対して焦点領域が調整されたメディアセンサにより、被検出領域を精度よく検出することができる。
(9) 上記被検出子の被検出領域は、上記アームの基端において該アームの回動軸からの径方向の距離が一定となる周面に設けられたものが好ましい。
アームの基端に設けられた被検出領域は、アームの揺動に応じて、所定の方向へ呈示する被検出領域を変化させる。これにより、アームの揺動する角度に応じて異なる反射率の被検出領域を所定の方向へ呈示される。被検出領域の全域において、反射型光センサからの距離が一定となるので、反射型光センサにより被検出領域の反射光が精度よく検出される。
本発明に係るシート供給装置によれば、アームに設けられた被検出子の被検出領域を反射型光センサにより光学的に検出して、アームが揺動する角度を判定することができる。これにより、簡易な構造でアームの角度検出を実現できる。特に、記録ヘッドに搭載されたメディアセンサを反射型光センサとすることにより、一層簡易な構造でアームの角度検出が実現される。
以下、適宜図面が参照されながら本発明の実施形態が説明される。
本実施形態では、本発明に係るシート供給装置が画像記録装置に適用されている。また、画像記録装置の具体例として、インクジェットプリンタが挙げられている。図1は、画像記録装置としてのインクジェットプリンタ3を備えた複合機1の外観構成を示す斜視図である。図2及び図3は、インクジェットプリンタ3の内部構造を示す模式図である。
複合機1は、スキャナ機能及びプリンタ機能を有する。フラットベッドスキャナ2は、複合機1の上側に一体的に構成されており、複合機1のスキャナ機能を実現する。複合機1の下側にはインクジェットプリンタ3が一体的に構成されている。インクジェットプリンタ3は、複合機1のプリンタ機能を実現する。スキャナ機能は本実施形態に係る画像記録装置において任意の機構である。したがって、画像記録装置は、例えば、プリンタ機能のみを有する単機能のものとして実現されてもよい。
複合機1の正面側には、操作パネル4が設けられている。操作パネル4には各種操作キーや液晶ディスプレイがレイアウトされている。操作パネル4の構成は一般的なものである。インクジェットプリンタ3は、操作パネル4に入力された指示によって動作する。インクジェットプリンタ3は、操作パネル4に入力された指示のほか、コンピュータに接続されて該コンピュータからプリンタドライバ等を介して送信される指示によっても動作する。インクジェットプリンタ3の動作は、後述される制御部60により制御される。
以下に、本発明に係るシート積載部が、インクジェットプリンタ3の給紙トレイ30として説明される。図2に示されるように、給紙トレイ30は、第1トレイ31及び第2トレイ32を有する。第1トレイ31及び第2トレイ32は、第2トレイ32を上側として上下二段に構成されている。これにより、第1トレイ31と第2トレイ32とは、後述されるアーム35の揺動方向に対して距離が異なる。換言すれば、アーム35の揺動端に支持された給紙ローラ36が第1トレイ31上の記録用紙5に接している状態(図2参照)と、給紙ローラ36が第2トレイ32上の記録用紙6に接している状態(図3参照)とでは、アーム35が揺動する角度が異なる。給紙トレイ30は、第1トレイ31及び第2トレイ32のうちの任意の一方が給紙ローラ36と接触するように姿勢変化される。なお、本実施形態では、本発明に係るシート積載部が2つのトレイを有する場合について説明されているが、シート積載部が有するトレイの数は2つに限定されないことは言うまでもない。
図1に示されるように、給紙トレイ30は、複合機1の正面側から装着される。また、給紙トレイ30は、複合機1から取り外すことができる。図2には詳細に現れていないが、第1トレイ31は、平面視が概ね皿形状である。第1トレイ31は、日本工業規格に規定されるA4サイズの複数枚の記録用紙5を、積載された状態で保持する。第1トレイ31には、シートガイドが設けられており、このシートガイドにより記録用紙5は、幅方向の中央を基準として、つまりセンターレジで位置合わせされている。なお、記録用紙5、6は、本発明に係るシートの一例である。
図2に示されるように、第1トレイ31の奥部側の壁33は、その上端側が外側に開かれるように傾斜されている。壁33の内面は、記録用紙5を搬送路42へ案内するガイド面となる。図2には現れていないが、壁33の内面には、複数の歯が搬送方向に沿って突出されている。第1トレイ31に保持された複数枚の記録用紙5は、壁33の傾斜に沿って最上位置の記録用紙5が搬送方向へ突き出されるように捌かれる。その状態で壁33歯が記録用紙5間に噛みつくことにより、給送の際に最上位置の記録用紙5のみが他の記録用紙5から確実に分離される。
図2に示されるように、第2トレイ32は、第1トレイ31の上側に配置されている。第2トレイ32は、第1トレイ31の周壁に支持されている。第2トレイ32は、全体が概ね平板形状である。第2トレイ32は、平面視において、その幅(記録用紙の搬送方向と直交する方向、図2の紙面垂直方向)が第1トレイ31の幅とぼぼ同等であり、その奥行き(記録用紙の搬送方向、図2の左右方向)が第1トレイ31の奥行きより短い。したがって、図2に示されるように、第1トレイ31は、その一部が第2トレイ32により覆われるが、残りの一部が露出される。第2トレイ32は、第1トレイ31の上側において、第1トレイ31と平行にスライド移動可能である。第2トレイ32のスライド位置は、第1トレイ31又は第2トレイ32のいずれを使用するかによって決定される。
図2に示される状態では、第1トレイ31の搬送方向下流側(図2の右側)が露出されている。このような第2トレイ32の状態が、給紙トレイ30において、第1トレイ31が使用される姿勢である(以下、「第1トレイ使用姿勢」と称される)。一方、図3に示されるでは、第1トレイ31の搬送方向下流側(図2の右側)が第2トレイ32により覆われている。このような第2トレイ32の状態が、給紙トレイ30において、第2トレイ32が使用される姿勢である(以下、「第2トレイ使用姿勢」と称される)。
図3に示されるように、第2トレイ32は、その中央付近に形成された凹部34に記録用紙6が保持される。第2トレイ32に収容される記録用紙6は、はがきやL版のように比較的小さいサイズのものである。したがって、第1トレイ31には、例えば使用頻度の高いA4サイズやリーガルサイズの複数枚の記録用紙5を保持させ、同時に、第2トレイ32には、第1トレイ31に保持された記録用紙5とはサイズ又は紙種の異なる記録用紙6を保持させることができる。図2,3には現れていないが、第2トレイ32にもシートガイドが設けられており、このシートガイドにより記録用紙6は、幅方向の中央を基準として、つまりセンターレジで位置合わせされている。
以下に、本発明に係るアーム及びローラが、アーム35及び給紙ローラ36として説明される。アーム35は、給紙トレイ30に接離する方向へ揺動可能に設けられている。給紙ローラ36は、アーム35の揺動端に回転自在に支持されている。したがって、アーム35の揺動により、給紙ローラ36が給紙トレイ30に対して接離される。
図2に示されるように、アーム35は、回転軸37が装置本体のフレーム(不図示)に回転自在に支持されている。アーム35は、その揺動端、すなわち回転軸37と反対側の端部が給紙トレイ30に接離可能に上下動される。アーム35は、自重により給紙トレイ30に接触するように下側に回動される。給紙トレイ30が装置本体に対して脱着される際には、アーム35がほぼ水平方向となるように上側へ退避される。
図2には現れていないが、回転軸37は、モータから駆動伝達される伝達ギヤを回転自在に支持する。アーム35において、回転軸37から揺動端へ向かって複数の伝達ギアが直列に噛合されて、駆動伝達機構が構成されている。この駆動伝達機構により、モータの駆動力が給紙ローラ36へ伝達される。
給紙ローラ36は、アーム35の揺動端に、記録用紙の搬送方向(図2における右方向)と直交する方向(図2における紙面垂直方向)を軸として回転自在に支持されている。給紙ローラ36の外周には合成ゴムからなるローラ面が形成されており、該ローラ面には、記録用紙との摩擦を高めるために平目ローレットが形成されている。
図2に示されるように、第1トレイ使用姿勢となるように、第2トレイ32が第1トレイ31に対してスライド移動されると、給紙ローラ36は、第1トレイ31上の記録用紙5と接触する。図3に示されるように、第2トレイ使用姿勢となるように、第2トレイ32が第1トレイ31に対してスライド移動されると、給紙ローラ36は、第2トレイ32上の記録用紙6と接触する。
給紙トレイ30が第1トレイ使用姿勢又は第2トレイ使用姿勢である場合において、給紙ローラ36がモータから駆動伝達を受けて回転されることにより、第1トレイ31上の記録用紙5又は第2トレイ32上の記録用紙6が搬送方向へ給送される。第1トレイ使用姿勢又は第2トレイ使用姿勢では、アーム35は、その揺動端側(給紙ローラ36側)が水平方向より下側へ揺動された状態にある。アーム35には、給紙ローラ36が回転して記録用紙5,6を搬送方向へ給送する反力として、下方向へ回動する力が作用する。これにより、給紙ローラ36が記録用紙5,6に噛みつくように圧接され、給紙ローラ36と記録用紙5,6との摩擦力が増して、記録用紙5,6が確実に搬送方向へ給送される。
以下に、本発明に係る検出子が、アーム35の回転軸37として説明される。回転軸37はアーム35の基端に設けられている。回転軸37はアーム35の揺動とともに回転する。したがって、回転軸37は、所定の方向に対して、アーム35が揺動する角度に応じて周面を移動させる。回転軸37は円柱形状であり、その周面は、回転軸37の軸からの距離が一定である。回転軸37の周面には、光学的な反射率が異なる被検出領域が形成されている。つまり、回転軸37は、アーム35が揺動する角度に応じて被検出領域を移動させる。被検出領域は、その移動方向、すなわち周面の周方向に光学的な反射率が異なる模様が付されている。
図4は、回転軸37の周面に付された被検出領域を示す図である。図4(a)には、給紙ローラ36が第1トレイ31の底面と接触するまでアーム35が揺動した状態が示されており、図4(b)には、給紙ローラ36が第2トレイ32に満載された記録用紙6の上面に接触するまでアーム35が揺動した状態が示されている。なお、図4は、アーム35及び給紙ローラ36を上側からみた平面図である。
図4に示されるように、回転軸37は、白色と黒色とに塗り分けられている。なお、図4では、黒色が網目のハッチングで示されている。なお、白色及び黒色は、光学的な反射率が異なる色の例示であり、本発明に係る被検出領域が白黒の塗り分けに限定されないことは言うまでもない。白色と黒色との境界39は、回転軸37の軸線38に対して傾いている。したがって、図4(a)に示される状態と、図4(b)に示される状態とでは、境界39と軸線38との交点が、軸線38方向に対して位置が異なる。図4(a)に示される状態から図4(b)に示される状態までの間において、この交点の位置が軸線38方向に対して連続的に異なる。したがって、この交点の位置を検出することにより、アーム35の揺動角度を判定しうる。
以下に本発明に係るプラテン及び記録ヘッドが、プラテン40及び記録ヘッドユニット41として説明される。給紙トレイ30の第1トレイ31又は第2トレイ32から給送された記録用紙5,6は、搬送路42を通じてプラテン40上へ搬送され、記録ヘッドユニット41により画像記録が行われる。
図2に示されるように、給紙トレイ30の奥部から上側へ向かって搬送路42が形成されている。搬送路42は、給紙トレイ30の奥部から装置背面に沿って上方へ向かった後、装置正面側へ曲がって、装置背面側から装置正面側へと延びて排紙トレイ43へ至る。つまり、給紙トレイ30から給送された記録用紙5,6は、搬送路42により下方から上方へUターンするように案内されてプラテン40へ到達し、記録ヘッドユニット41により画像記録が行われた後、排紙トレイ43へ排出される。
図2に示されるように、プラテン40は、アーム35の回転軸37の直上に配置されている。プラテン40は、記録用紙5,6の幅より十分に大きい。したがって、搬送路42を搬送される記録用紙5,6の両端は、常にプラテン40上を通過する。
図2に示されるように、プラテン40の上側には、記録ヘッドユニット41が設けられている。つまり、記録ヘッドユニット41は、プラテン40に対してアーム35と反対側に配置されている。記録ヘッドユニット41は、キャリッジ44及び記録ヘッド45を有する。キャリッジ44は、記録ヘッド45を搭載する。図2には現れていないが、キャリッジ44は、ガイドレールやガイドシャフトに案内されて、プラテン40の幅方向(図2における紙面垂直方向)にスライド移動自在である。また、キャリッジ44は、周知のベルト駆動機構により所定のタイミングでスライドされる。キャリッジ44に搭載された記録ヘッド45も、キャリッジ44とともにスライドされる。図2には現れていないが、キャリッジ44のスライド方向に、リニアエンコーダ72(図7参照)のエンコーダストリップが設けられている。キャリッジ44には、このエンコーダストリップを検出する光センサが設けられている。
図5は、記録ヘッドユニット41の底面図である。記録ヘッド45は、その下面側に複数のノズル46を備える。ノズル46は、シアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)・ブラック(Bk)の各色インク毎に、記録用紙5,6の搬送方向に並べられている。各図2には現れていないが、記録ヘッド45には、インクカートリッジからインクチューブを通じてC・M・Y・Bkの各色インクが供給される。供給された各色インクは、記録ヘッド45内に形成された流路を通じて各ノズル46に分配される。記録ヘッド45は、供給された各インクを微小なインク滴としてノズル46から選択的に吐出する。キャリッジ44が往復動される間に、記録ヘッド45からインク滴が選択的に吐出されることにより、プラテン40上を搬送される記録用紙5,6に画像記録が行われる。
以下に本発明に係る反射型光センサがメディアセンサ47として説明される。メディアセンサ47は、キャリッジ44に搭載されてプラテン40上のシートを検出する。図5に示されるように、キャリッジ44の搬送方向上流側の端部には、メディアセンサ47が搭載されている。メディアセンサ47は、キャリッジ44の下面側に設けられている。
図6は、メディアセンサ47の構成を示す拡大断面図である。メディアセンサ47は、発光ダイオードからなる発光部48と、光学式センサからなる受光部49とを具備する。メディアセンサ47の発光部48はプラテン40へ向かって光を照射し、その光の反射光を受光部49が受光する。
プラテン40の上面の色は、例えば黒色のように記録用紙5,6と反射率が異なる色である。なお、記録用紙5,6は白色である。記録用紙5,6が存在しない場合には、反射率の低いプラテン40からの反射光を受光部49が受光する。したがって、メディアセンサ47の検出値(AD値)は低い値となる。記録用紙5,6が存在する場合には、反射率の高い記録用紙5,6からの反射光を受光部49が受光する。したがって、メディアセンサ47の検出値(AD値)は高い値となる。メディアセンサ47が受光する反射光強度の差により、制御部60が記録用紙5,6の有無を判定する。
メディアセンサ47は、キャリッジ44とともにスライドされる。このスライドの過程において記録用紙5,6の有無を検知することにより、記録用紙5,6の両端位置が判定されうる。メディアセンサ47は、キャリッジ44の搬送方向上流側に配置されているので、記録ヘッド45が記録用紙5,6に画像記録を行う前に、メディアセンサ47により記録用紙5,6の両端位置を検出しうる。
図2に示されるように、プラテン40の上流側及び下流側には、ローラ対50,51が設けられている。ローラ対50,51は、モータにより駆動されるローラと、そのローラに圧接されて従動するピンチローラとからなる。ローラ対50は、搬送路42を搬送される記録用紙5,6をニップしてプラテン40上へ搬送する。ローラ対51は、記録済みの記録用紙5,6を狭持して排紙トレイ43へ搬送する。ローラ対50,51は、所定の回転量毎に間欠駆動される。これにより、プラテン40上の記録用紙5,6は、所定の搬送量毎に一時停止されながら搬送される。ローラ対50,51の回転が間欠する間、つまり記録用紙5,6の搬送が一時停止される間に、記録ヘッドユニット41が記録用紙5,6の幅方向にスライドされ、記録ヘッド45のノズル46から各色インクが選択的に吐出される。これにより、記録用紙5,6の先端側から後端側へ向かって画像記録が行われる。画像記録を終えた記録用紙5,6は、排紙トレイ43へ排出される。
以下に本発明に係る窓及び透過部材が、窓52及びレンズ53として説明される。プラテン40には、被検出子である回転軸37に対応する位置に窓52が形成されている。窓52を通じて、回転軸37の被検出領域がプラテン40上に呈示される。
図2に示されるように、プラテン40には窓52が形成されている。窓52は、プラテン40を厚み方向に貫通する孔である。窓52は、アーム35の回転軸37に対応する位置にある。したがって、プラテン40の直上から、窓52を通じて回転軸37の周面、すなわち被検出領域がみえる。つまり、被検出領域からの反射光は、窓52を通過してプラテン40の上側へ到達しうる。窓52の形状は特に限定されないが、回転軸37の周面に付された白黒の境界39のほぼ全体を確認しうる形状及び大きさのものである。
窓52には、レンズ53が嵌め込まれている。レンズ53は、窓53に対して隙間無く嵌め込まれている。つまり、レンズ53は、窓52を封止する。レンズ53は、回転軸37の周面(被検出領域)をプラテン40の上面に結像させるものである。レンズ53により、窓52を通過した回転軸37からの反射光が、プラテン40の上面に結像される。結像された回転軸37の周面は、メディアセンサ47により検出しうる。つまり、窓52及びレンズ53を通じて、回転軸37の周面が、メディアセンサ47に対して呈示される。
図2に示されるように、アーム35の回転軸37に隣接する位置であって、搬送方向下流側にクリーナー54が設けられている。クリーナー54は、例えばフェルトのように、インクを吸収する弾性体である。クリーナー54は、回転軸37の周面に常時圧接されている。クリーナー54が圧接された状態で、アーム35が揺動されることにより、回転軸37の周面がクリーナー54に対して相対的に移動される。これにより、回転軸37の周面に付着した塵埃やインクミストが除去される。クリーナー54の配置は特に限定されないが、黒白の塗り分けにおける白色側のように、回転軸37の周面において反射率が高い色が付された部分に接触させることが好ましい。
以下に本発明に係る制御部が、制御部60として説明される。制御部60は、メディアセンサ47の検出値に基づいて、アーム35が揺動する角度を判定する。また、制御部60は、判定したアーム35の揺動角度に基づいて、給紙ローラ36の回転速度を制御する。さらに、制御部60は、判定したアーム35の揺動角度に基づいて、給紙ローラ36が第1トレイ31上の記録用紙5又は第2トレイ32上の記録用紙6のいずれに接触しているかを判定し、また、記録用紙5,6の残量を判定する。
図7は、複合機1の制御部60の構成を示すブロック図である。制御部60は、インクジェットプリンタ3のみでなくフラットベッドスキャナ2も含む複合機1の全体動作を制御するものであるが、本実施形態においてはフラットベッドスキャナ2の詳細な構成の説明は省略される。制御部60は、図に示すように、CPU61、ROM62、RAM63、EEPROM64を主とするマイクロコンピュータとして構成されており、バス65を介してASIC(Application Specific Integrated Circuit)66に接続されている。
ROM62には、複合機1の各種動作を制御するためのプログラム等が格納されている。RAM63は、CPU61が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記録する記憶領域又は作業領域として使用される。
ASIC66は、CPU61からの指令に従い、LFモータ67に通電する相励磁信号等を生成して、該信号をLFモータ67の駆動回路68に付与する。駆動回路68を介して駆動信号がLFモータ67に通電されることにより、制御部60によるLFモータ67の回転制御が行われる。
駆動回路68は、給紙ローラ36、ローラ対50,51に接続されたLFモータ67を駆動させるものである。駆動回路68は、ASIC66からの出力信号を受けて、LFモータ67を回転するための電気信号を形成する。該電気信号を受けてLFモータ67が回転する。LFモータ67の回転力がギアや駆動軸等からなる周知の駆動機構を介して、給紙ローラ36、ローラ対50,51へ伝達される。
ASIC66は、CPU61からの指令に従い、CRモータ69に通電する相励磁信号等を生成して、該信号をCRモータ69の駆動回路70に付与する。駆動回路70を介して駆動信号をCRモータ69に通電されることにより、制御部60によるCRモータ69の回転制御が行われる。
駆動回路70は、キャリッジ44に接続されたCRモータ69を駆動させるものである。駆動回路70は、ASIC66からの出力信号を受けて、CRモータ69を回転するための電気信号を形成する。該電気信号を受けてCRモータ69が回転する。CRモータ69の回転力がベルト駆動機構を介してキャリッジ44へ伝達されことにより、キャリッジ44がスライドされる。
駆動回路71は、記録ヘッド45から所定のタイミングで各色インクを記録用紙5,6に対して選択的に吐出させるものである。CPU61から出力される駆動制御手順に基づいてASIC66が出力信号を生成する。駆動回路71は、この出力信号を受けて、記録ヘッド45を駆動制御する。
ASIC66には、メディアセンサ47が接続されている。メディアセンサ47の検知信号は、ASIC66、バス65を介してRAM63に記憶される。CPU61は、ROM62に格納されたプログラムに基づいて、該検知信号を解析して記録用紙の端部を判断する。また、CPU61は、ROM62に格納されたプログラムに基づいて、該検知信号を解析してアーム35の揺動角度を判定する。さらに、判定された揺動角度に基づいて、給紙ローラ36の回転速度の制御、給紙ローラ36が第1トレイ31上の記録用紙5又は第2トレイ32上の記録用紙6のいずれに接触しているかの判定し、記録用紙5,6の残量の判定を行う。
さらに、ASIC66には、キャリッジ44の位置を検出するリニアエンコーダ72が接続されている。CPU61は、リニアエンコーダ72の検知信号に基づいてキャリッジ44のスライド位置を判断する。また、ASIC66には、フラットベッドスキャナ2や、複合機1の操作指示を行うための操作パネル4が接続されている。
図2には現れていないが、制御部60は制御基板により構成されており、この制御基板と記録ヘッド45及びメディアセンサ47とは、フラットケーブルを通じて電気信号の送受信を行う。フラットケーブルは、電気信号を伝送する導体をポリエステルフィルム等の合成樹脂フィルムで覆って絶縁した薄帯状のものである。
以下に、インクジェットプリンタ3の動作が説明される。給紙トレイ30の第1トレイ31には、複数枚の記録用紙5が積載されて保持される。同様に、第2トレイ32には、複数枚の記録用紙6が積載されて保持される。給紙トレイ30を第1トレイ使用姿勢とするか第2トレイ使用姿勢とするかは、ユーザにより任意に変更されうる。図2に示されるように、第1トレイ使用姿勢では、アーム35は、給紙ローラ36が第1トレイ31上の記録用紙5に接触するまで下方へ揺動する。図3に示されるように、第2トレイ使用姿勢では、アーム35は、給紙ローラ36が第2トレイ32上の記録用紙6に接触するまで下方へ揺動する。
図10は、インクジェットプリンタ3の印刷動作を示すフローチャートである。操作パネル4において印刷開始が入力されることにより、或いはコンピュータ等からプリンタドライバを通じて印刷開始のコマンドを受信することにより、複合機1は、給紙トレイ30の第1トレイ31又は第2トレイ32から記録用紙5,6を給紙して(S4)、画像記録を行う(S5)。画像記録に先立って、制御部60はトレイの判定(S1)及び記録用紙の残量の判定(S3)を行う。
図11は、トレイ判定の動作を示すフローチャートである。トレイ判定においては、まず、アーム35の揺動角度θが検出される(S11)。図2及び図3に示されるように、アーム35の長手方向が水平方向となす角度が揺動角度θである。したがって、揺動角度θが0°であればアーム35は水平方向へ延びており、揺動角度θが大きくなるほどアーム35は下方へ揺動している。図8には、アーム35の回転軸37に対してキャリッジ44をスライドさせる動作が示されている。図8は、アーム35を示す平面図であり、プラテン40、キャリッジ44及び窓52が2点鎖線で示されている。また、窓52に嵌め込まれているレンズ53は省略されている。制御部60は、アーム35の揺動角度θを検出するために、プラテン40の窓52に対してキャリッジ44をスライドさせながら、メディアセンサ47による反射光の検出を行う。
アーム35の回転軸37の周面(被検出領域)は白黒に塗り分けられている。この白黒の境界39を挟んで、回転軸37の周面は、光学的な反射率が異なる。プラテン40の窓52には、レンズ53により回転軸37の周面が結像されている。具体的には、回転軸37の周面に付された白黒の塗り分けによる境界39が結像される。
キャリッジ44のスライドにより、メディアセンサ47は、図8に示される1点鎖線55上の反射光を検出する。プラテン40は黒色なので、弱い反射光が検出され検出値は低い。窓52においては、回転軸37の周面の白色が検出された後、境界39を通過すると黒色が検出される。したがって、メディアセンサ47の検出値は、強い反射光により高くなった後、境界39を通過すると低くなる。キャリッジ44のスライド位置はリニアエンコーダ72により検出される。
回転軸37はアーム35の揺動とともに回転し、図4に示されるように、アーム35の揺動角度θに応じて境界39の位置が異なるように、その周面を窓52に対して呈示する。制御部60は、メディアセンサ47の検出値とリニアエンコーダ72の検出値とに基づいて、キャリッジ44のスライド方向における境界39の位置を判定する。境界39の位置は、アーム35の揺動角度θに対応している。つまり、図4に示されるように、アーム35が下方へ揺動するほど、境界39の位置(1点鎖線38との交点)は図4の下側へ移動する。したがって、制御部60は、境界39の位置に基づいてアーム35の揺動角度θを判定する。
アーム35の揺動角度θは、給紙トレイ30が第1トレイ使用姿勢であるか第2トレイ使用姿勢であるかで異なる。したがって、制御部60は、アーム35の揺動角度θに基づいて、給紙ローラ36が第1トレイ31上の記録用紙5又は第2トレイ32上の記録用紙6のいずれと接触しているか、つまり給紙トレイ30が第1トレイ使用姿勢であるか第2トレイ使用姿勢であるかを判定する。
図9は、揺動角度θと、第1トレイ使用姿勢又は第2トレイ使用姿勢の判定、及び第1トレイ31及び第2トレイ32における残量の判定との関係を示すものである。給紙トレイ30が第1トレイ使用姿勢であれば、アーム35は、給紙ローラ36が第1トレイ31に満載された記録用紙5の上面と接触する状態から第1トレイ31の底面と接触する状態まで揺動される。給紙ローラ36が第1トレイ31に満載された記録用紙5の上面と接触する状態におけるアーム35の揺動角度をθ1、給紙ローラ36が第1トレイ31の底面と接触する状態におけるアーム35の揺動角度をθ2(θ1<θ2<90°)とする。
同様に、給紙トレイ30が第2トレイ使用姿勢であれば、アーム35は、給紙ローラ36が第2トレイ32に満載された記録用紙6の上面と接触する状態から第2トレイ32の底面と接触する状態まで揺動される。給紙ローラ36が第2トレイ32に満載された記録用紙6の上面と接触する状態におけるアーム35の揺動角度をθ3、給紙ローラ36が第2トレイ32の底面と接触する状態におけるアーム35の揺動角度をθ4(0°<θ3<θ4<θ1)とする。
図11に示されるように、判定されたアーム35の揺動角度θがθ1からθ2の間であれば(S11)、制御部60は給紙トレイ30が第1トレイ使用姿勢と判定する(S12)。図2及び図3に示されるように、給紙トレイ30が第1トレイ使用姿勢か第2トレイ使用姿勢かによって、アーム35の揺動角度θが異なる。アーム35の揺動角度θが異なると、給紙ローラ36が記録用紙5,6に対して噛みつく強さが異なる。アーム35の揺動角度θが90°に近づくほど給紙ローラ36が記録用紙5,6に対して噛みつき易くなり、揺動角度θが0°に近づくほど給紙ローラ36が記録用紙5,6に対して滑りやすくなる。したがって、制御部60は、第1トレイ使用姿勢か第2トレイ使用姿勢かによって、給紙ローラ36の回転制御を変更する。
具体的には、給紙トレイ30が第1トレイ使用姿勢では、アーム35の揺動角度θが大きく、給紙ローラ36が記録用紙5に噛みつきやすいので、給紙ローラ36の加速度αを通常の加速度であるα1とする(S13)。これにより、第1トレイ使用姿勢では高速な給紙が実現される。設定された給紙ローラ36の加速度αは、制御部60のRAM63に格納される。
判定されたアーム35の揺動角度θがθ1からθ2の間でなければ(S11)、つぎに、制御部60は、揺動角度θがθ3からθ4の間であるかを判定する(S14)。揺動角度θがθ3からθ4の間であれば、制御部60は給紙トレイ30が第2トレイ使用姿勢と判定する(S15)。給紙トレイ30が第2トレイ使用姿勢では、アーム35の揺動角度θが小さく、給紙ローラ36が記録用紙6に対して滑りやすいので、給紙ローラ36の加速度αを、通常の加速度α1より小さな加速度α2とする(α1>α2)。設定された給紙ローラ36の加速度αは、制御部60のRAM63に格納される。どの程度の給紙ローラ36の加速度が通常であり、その加速度をどの程度まで小さくするかは適宜設定される。これにより、第2トレイ使用姿勢では記録用紙6の給送不良が防止されて、円滑な記録用紙5,6の供給が実現される。
判定されたアーム35の揺動角度θがθ3からθ4の間でなければ(S14)、制御部60は、給紙トレイ30の装填不良と判定して、操作パネル4にエラー表示を行う(S17)。そして、制御部60は、給紙中止の処理を行う(S18)。図10に示されるように、制御部60は、トレイの判定(S1)を終えた後、給紙中止の処理が行われた否かを判定する(S2)。給紙中止の処理が行われていれば、制御部60は、記録用紙残量の判定(S3)以下の処理を行わずに、インクジェットプリンタ3の印刷動作を終了する。給紙中止の処理が行われていなけれれば、制御部60は、記録用紙残量の判定(S3)を行う。
図12は、記録用紙残量の判定の動作を示すフローチャートである。制御部60は、トレイ判定(S1)において説明された動作と同様にして、アーム35の揺動角度θを判定する。
第1トレイ31上の記録用紙5又は第2トレイ32上の記録用紙6が順次給送されて画像記録が行われることにより、第1トレイ31又は第2トレイ32に積載された記録用紙5,6の残量が少なくなる。記録用紙5,6が順次給送されると、第1トレイ31又は第2トレイ32における複数枚の記録用紙5,6の厚みが減っていく。これに伴い、アーム35は徐々に下方へ揺動される。つまり、揺動角度θが増加する。制御部60は、記録用紙5,6を第1トレイ31又は第2トレイ32からプラテン40へ給送する毎に、メディアセンサ47により、アーム35の回転軸37の被検出領域を検出する。これにより、インクジェットプリンタ3において複数枚の記録用紙5,6に対して連続して画像記録が行われる間においても、アーム35の揺動角度θを判定することができる。したがって、アーム35の揺動角度θに所定の閾値を設けることにより、制御部60は、第1トレイ31又は第2トレイ32において記録用紙5,6の残量が少なくなったことを判定できる。
具体的には、図9に示されるように、第1トレイ使用姿勢においては、給紙ローラ36が第1トレイ31の底面に接触する揺動角度θ2に近い角度θ5(θ5<θ2)を閾値とする。第2トレイ使用姿勢においては、給紙ローラ36が第2トレイ32の底面に接触する揺動角度θ4に近い角度θ6(θ6<θ4)を閾値とする。
図12に示されるように、制御部60は、判定されたアーム35の揺動角度θがθ5からθ2の間であれば(S21)、第1トレイ31において記録用紙5の残量が少なくなったと判断して、操作パネル4の液晶表示部に警告表示を行ったり、ブザー音を発生させる(S22)。これにより、第1トレイ31において記録用紙5の補充が必要であることをユーザに認識させることができる。
制御部60は、揺動角度θがθ5からθ2の間でなければ(S21)、つづいて、揺動角度θがθ6からθ4の間であるかを判定する(S23)。揺動角度θがθ6からθ4の間であれば、制御部60は、第2トレイ32において記録用紙6の残量が少なくなったと判断して、操作パネル4の液晶表示部に警告表示を行ったり、ブザー音を発生させる(S24)。これにより、第2トレイ32において記録用紙6の補充が必要であることをユーザに認識させることができる。揺動角度θがθ6からθ4の間でなければ(S23)、制御部60は、警告表示等を行わずに記録用紙残量の判定を終了する。
図10に示されるように、記録用紙残量の判定(S3)を終えた後、制御部60は、RAM63に格納された給紙ローラ36の加速度αに基づいて、LFモータ67を駆動して給紙ローラ36を回転することにより、第1トレイ31又は第2トレイ32から記録用紙5又は記録用紙6の給紙を行う(S4)。
給紙トレイ30から給送された記録用紙5,6は、搬送路42に案内されてプラテン40上へ搬送される。そして、プラテン40において、記録ヘッド45から吐出されたインクが記録用紙5,6に着弾して画像記録が行われる(S5)。記録用紙6のように小さなサイズに対しては、縁なし印刷が行われることがある。制御部60は、縁なし印刷を行う場合には、画像記録に先立ってプラテン40上においてメディアセンサ47による記録用紙6の両端検出を行う。そして、検出された記録用紙6の両端位置に基づいて印刷範囲を設定し、記録ヘッド45のインク吐出を制御する。1枚の記録用紙5,6に対して印刷を終了すると、制御部60は、次ページの印刷指示があるか否か判定し(S6)、次ページの印刷指示があれば、記録用紙残量の判定(S3)へ戻る。次ページの印刷指示が無ければ、印刷動作を終了する。
前述されたように、アーム35の回転軸37とキャリッジ44とは、プラテン40を挟んで対向位置にあるが、プラテン40に窓52が形成されることにより、キャリッジ44に搭載されたメディアセンサ47から、プラテン40の反対側にある回転軸37の被検出領域を検出することができる。このように、プラテン40上において記録用紙5,6の両端検出を行うメディアセンサ47を用いて、アーム35の回転軸37の被検出領域をも検出することにより、メディアセンサ47に複数の用途を持たすことができる。したがって、アーム35の揺動角度θの検出のために新たなセンサを設ける必要がない。
記録ヘッド45からインクが吐出されることによりインクミストが発生する。プラテン40の窓52はレンズ52により封止されているので、インクミストがアーム35の回転軸37側へ拡散しない。これにより、窓52を通じて回転軸37の被検出領域や、給紙トレイ30に保持された記録用紙5,6がインクミストで汚されることがない。また、レンズ53は回転軸37の被検出領域からの反射光を透過するので、メディアセンサ47が被検出領域を検出することを妨げない。また、レンズ53は、被検出領域をプラテン40の上面に結像させる。これにより、プラテン40上の記録用紙5,6の検出に対して焦点領域が調整されたメディアセンサ47により、回転軸37の被検出領域を精度よく検出することができる。被検出領域は、回転軸37の軸線38から一定距離の周面に形成されているので、境界39がレンズ53により精度よく結像される。これにより、メディアセンサ47による回転軸37の被検出領域の検出精度が一層向上される。
このように、アーム35の回転軸37の被検出領域をメディアセンサ47により光学的に検出して、アーム35の揺動角度θを判定することができる。これにより、簡易な構造でアーム35の角度検出が実現される。
なお、本実施形態では、アーム35の回転軸37の被検出領域を、白黒の塗り分けとして、その境界39の位置検出によりアーム35の揺動角度θを判定することとしたが、本発明に係る被検出領域は、アーム35の揺動角度θに応じて光学的な反射率が異なるものであればよいので、白黒の塗り分けに限定されない。したがって、例えば、白色から黒色へ無段階又は段階的に明度が変化するグラデーションを、回転軸37の周面の周方向に付して被検出領域としてもよい。
また、本実施形態では、記録用紙残量の判定(S3)が、記録用紙5,6が給紙される毎に行われることとしたが、一定枚数の記録用紙5,6を給送する毎に記録用紙残量の判定(S3)が行われることとしてもよい。これにより、記録用紙5,6が給紙される毎に、アーム35の揺動角度θを検出するためにキャリッジ44を走査する必要がないので、印刷動作が高速化される。
また、本実施形態では、記録用紙残量が少なくなった場合に、操作パネル4の液晶表示部に警告表示等を行うのみとしたが、さらに、制御部60は、記録用紙5,6の残量が少なくなったと判断した場合には、給紙ローラ36の回転制御を変更することとしてもよい。第1トレイ31及び第2トレイ32の底面には、給紙ローラ36が当接される位置に摩擦パッドが貼られている構成が考えられる。摩擦パッドは、例えばコルクやゴムのように記録用紙との摩擦係数が高い素材からなるパッド形状のものである。記録用紙5,6の残量が少なくなると、摩擦パッドの影響により給紙ローラ36の回転に必要なトルクが大きくなる。また、記録用紙5,6が完全に無くなると、摩擦パッドとの接触により給紙ローラ36が回転せずにLFモータ67に対してロック電流が流れる。したがって、制御部60は、記録用紙5,6の残量が少なくなると給紙ローラ36の加速度αを、第1トレイ31又は第2トレイ32からの給紙の際の加速度α1,α2よりさらに小さくする。これにより、ロック電流が発生するタイミングが遅れてロック電流が減少される。よって、複合機1に電気的な過剰な負荷が生じず、装置の保護性能が向上される。
また、本実施形態では、本発明に係るシート供給装置がインクジェットプリンタとして実現されることとしたが、本発明に係るシート供給装置が実現される画像記録装置の印字方式は、例えばレーザ方式やサーマル方式などに変更されてもよい。また、本発明に係るシート供給装置は、画像記録装置のみならず、画像読取装置における自動原稿搬送機構などにおいて実現されてもよい。
図1は、インクジェットプリンタ3を備えた複合機1の外観構成を示す斜視図である。 図2は、インクジェットプリンタ3の内部構造を示す模式図である。 図3は、インクジェットプリンタ3の内部構造を示す模式図である。 図4は、回転軸37の周面に付された被検出領域を示す図であり、図4(a)には、給紙ローラ36が第1トレイ31の底面と接触するまでアーム35が揺動した状態が示されており、図4(b)には、給紙ローラ36が第2トレイ32に満載された記録用紙6の上面に接触するまでアーム35が揺動した状態が示されている。 図5は、記録ヘッドユニット41の底面図である。 図6は、メディアセンサ47の構成を示す拡大断面図である。 図7は、複合機1の制御部60の構成を示すブロック図である。 図8は、アーム35の回転軸37に対してキャリッジ44をスライドさせる動作を示す模式図である。 図9は、揺動角度θと、第1トレイ使用姿勢又は第2トレイ使用姿勢の判定、及び第1トレイ31及び第2トレイ32における残量の判定との関係を示す図である。 図10は、インクジェットプリンタ3の印刷動作を示すフローチャートである。 図11は、トレイの判定動作を示すフローチャートである。 図12は、記録用紙残量の判定動作を示すフローチャートである。
符号の説明
3・・・インクジェットプリンタ(シート供給装置)
5,6・・・記録用紙(シート)
30・・・給紙トレイ(シート積載部)
31・・・第1トレイ(トレイ)
32・・・第2トレイ(トレイ)
35・・・アーム
36・・・給紙ローラ(ローラ)
37・・・回転軸(被検出子)
40・・・プラテン
41・・・記録ヘッドユニット(記録ヘッド)
47・・・メディアセンサ(反射型光センサ)
52・・・窓
53・・・レンズ(透過部材)
60・・・制御部

Claims (9)

  1. シートが積載されるシート積載部と、
    上記シート積載部に対して接離する方向へ揺動可能なアームと、
    上記アームの揺動端に回転自在に支持されたローラと、
    上記アームの基端に設けられ、上記アームが揺動する角度に応じて光学的な反射率が異なる被検出領域を呈示する被検出子と、
    上記被検出子が呈示する被検出領域に対する反射率を検出する反射型光センサと、
    上記反射型光センサの検出値に基づいて上記アームが揺動する角度を判定する制御部と、を具備するシート供給装置。
  2. 上記制御部は、上記アームが揺動する角度に基づいて、上記ローラの回転速度を制御する請求項1に記載のシート供給装置。
  3. 上記制御部は、上記アームが揺動する角度に基づいて、上記シート積載部に積載されたシートの残量を判定する請求項1に記載のシート供給装置。
  4. 上記シート積載部は、上記アームが接離する方向に対して距離が異なり且つ任意の1つが上記ローラと接触可能な位置に姿勢変化可能な複数のトレイを有し、
    上記制御部は、上記アームが揺動する角度に基づいて、上記トレイのうちのいずれのトレイに積載されるシートに上記ローラが接触しているかを判定する請求項1に記載のシート供給装置。
  5. 上記シート積載部からプラテンへ供給されたシートに対して画像記録を行う記録ヘッドを備え、
    上記反射型光センサは、上記記録ヘッドに搭載されて上記プラテン上のシートを検出するメディアセンサである請求項1から4のいずれかに記載のシート供給装置。
  6. 上記アームは、上記プラテンに対して上記記録ヘッドと反対側に配置され、
    上記プラテンは、上記被検出子が呈示する被検出領域に対応する位置に、該被検出領域からの反射光を透過する窓を有する請求項5に記載のシート供給装置。
  7. 上記記録ヘッドは、インクジェット記録ヘッドであり、
    上記窓が、透過部材で封止されたものである請求項6に記載のシート供給装置。
  8. 上記透過部材は、上記被検出子が呈示する被検出領域を上記プラテンにおける上記記録ヘッド側の面に結像させるレンズである請求項7に記載のシート供給装置。
  9. 上記被検出子の被検出領域は、上記アームの基端において該アームの回動軸からの径方向の距離が一定となる周面に設けられた請求項1から8のいずれかに記載のシート供給装置。
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