JP2004182349A - 高所作業車の点検装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】旋回角度センサ41と、起伏角度センサ42と、伸長量センサ43と、軸力センサ44と、張出位置センサ45と、これらセンサ類41〜45及びコントローラ30の始業前点検を行うための始業前点検スイッチ25と、アウトリガジャッキ18が所定張出位置まで張り出され車体2を支持し且つブーム4が所定起仰位置に起仰しているとき、始業前点検スイッチ25が入れられると、各センサ類41〜45の各検出値が、コントローラ30のメモリ33に予め記憶されている許容検出範囲に収まっているか否かを判断する作動判断部32とを備えて構成されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行可能な車体上に起伏、伸縮、旋回等の作動が自在に設けられたブームと、車体の側方に設けられた複数の車体支持用のジャッキと、ブーム及びジャッキの作動を制御するコントローラと、操作に応じてコントローラの作動を制御する信号を出力して前記ブーム及び前記ジャッキを作動させる操作装置とを有して構成される高所作業車の点検装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような高所作業車において、ブームの起伏、伸縮、旋回等の作動を行うと、車体を転倒させる方向に作用するモーメント(以下、「転倒モーメント」と称する)が変化する。この転倒モーメントが許容値を超えると、車体の安定支持性が低下するおそれがあるため、転倒モーメントが許容値以内の状態で、ブームの作動を可能とする作動範囲を予め設定し、コントローラはブームがこの作動範囲を超えて作動することを規制するように構成されているものが知られている。
【0003】
コントローラは、ブームの起伏角度を起伏センサ、ブームの伸縮量を伸縮センサ、ブームの旋回角度を旋回センサ等により検出された値に基づいてブーム先端部の位置を算出し、このブームの先端部の位置が作動範囲外へ移動するようなブームの作動を規制する。このコントローラを正しく作動させるためには、上記のセンサが正常に作動している必要がある。そこで、一般的には作業開始前(すなわち始業前)に、各センサ類の点検をして異常がないことを確認してから作業を開始するようになっている。このため、高所作業車には各センサ類の点検作業を行うための始業点検スイッチが設けられ、作業開始時ににこの始業点検スイッチを入れて、所定の点検を行うような構成が採用されていることが多い。
【0004】
このような点検に際して、作業者が予め設定された一連の操作手順に基づき、始業点検スイッチを入れた状態でブームの旋回作動、起伏作動、伸縮作動等を行わせるとき、ブームの作動速度を通常時よりも低速に設定し、ブーム先端の作業台及びブームを予め設定された点検位置に移動させ、作業台及びブームが点検位置に移動したときの各センサの検出値が許容範囲内であるか否かを判断して、点検作動を行うように構成されているものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
また、作業開始前や作業終了後等にブームが格納された状態であることが検出されているとき、各センサの検出値が許容範囲内であるか否かを判断し、異常があれば警報装置の警報作動により作業者に報知するように点検作動を行うように構成されているものが知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−180897号公報
【特許文献2】
特開平10−72193号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1に指示されている予め設定されている点検時の一連の操作手順とは、例えば、始業点検スイッチを入れた状態でジャッキを所定の張出位置まで張り出して車体を支持させた後、ブームを起伏角度センサのチェックのための点検位置まで起仰させ、ブームを伸長量センサのチェックのための点検位置まで伸長させ、ブームを作業規制のチェックのための点検位置まで倒伏させ、さらに旋回台を旋回角度センサ及び旋回規制のチェックのための点検位置まで左右に旋回させる等の複雑ものであり、作業者は点検作業毎にこの煩雑なブームの作動操作を行わねばならず、負担が大きかった。
【0008】
また、ブームが上記のような所定の点検位置まで移動したか否かの確認は、例えば、この点検位置に対応するブームの起伏角、伸長量、旋回角を示すマークを高所作業車に設けておき、作業者が操作装置を操作してブームの起伏、伸長、旋回作動等を行わせ、ブームがマークの設けられた位置まで移動したか否かを目視で確認していた。しかしながら、この点検位置まで移動させるときのブームの各位置合わせにおいて操作装置の微妙な操作が要求される等、ブームの作動操作には熟練を要するため、点検作動に多くの時間がかかり実際の作業に取りかかるのが遅れて作業効率が低下するという問題があった。
【0009】
このような点検作業を簡略化するため、特許文献2の装置では、ブーム格納時に自動で各センサ類の点検を行うものがある。しかし、ブームは格納状態のままで各センサのチェックが行われるため、ブームの起伏シリンダの伸縮軸方向に作用する軸力を検出する(すなわち、ブーム側から車体側に作用する全負荷モーメントを検出する)軸力センサのチェックができないという問題があった。
【0010】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、ブームを所定起仰位置に起仰させる簡単な操作のみで、各センサ類及びコントローラの点検作動を効率良く行うことができる高所作業車の点検装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、車体上に、それぞれの油圧アクチュエータによって起伏、伸縮、旋回等の作動が自在に設けられたブームと、車体の側方に設けられた複数の車体支持用のジャッキ(例えば、本実施例におけるアウトリガジャッキ18)と、ブーム及びジャッキの作動を制御するコントローラと、操作に応じてコントローラの作動を制御する信号を出力してブームを作動させるブーム操作装置及びジャッキを作動させるジャッキ操作装置とを有し、コントローラはジャッキ操作装置の操作が行われずジャッキにより車体が支持されていないときにはブームの作動を規制するように構成されている高所作業車の点検装置であって、ブームの起伏角度を検出する起伏角度検出手段(例えば、本実施例における起伏角度センサ42)と、ブームの伸長量を検出する伸長量検出手段(例えば、本実施例における伸長量センサ43)と、ブームの旋回角度を検出する旋回角度検出手段(例えば、本実施例における旋回角度センサ41)と、ブームを倒伏させる方向に作用する負荷を検出する負荷検出手段(例えば、本実施例における軸力センサ44)と、ジャッキの各々の張出位置を検出する張出位置検出手段(例えば、本実施例における張出位置センサ45)と、起伏角度検出手段と伸長量検出手段と旋回角度検出手段と負荷検出手段と張出位置検出手段及びコントローラの始業前点検を行うための始業前点検スイッチと、始業前点検スイッチが入れられると、起伏角度検出手段と伸長量検出手段と旋回角度検出手段と負荷検出手段及び張出位置検出手段の各検出値が、コントローラに予め記憶されている所定範囲(例えば、本実施例における許容検出範囲)に収まっているか否かを判断する作動判断手段(例えば、本実施例における作動判断部32)とを備えて構成されている。
【0012】
このように構成された高所作業車の点検装置によれば、ブームを所定起仰位置に起仰させる簡単な操作のみで、各センサ類及びコントローラの点検作動を行うことができるため、作業者の負担が減り、作業効率を向上させることができる。このような構成により、点検時における車体の安定性を確保できるので、始業点検をより安全に行うことができる。
【0013】
なお、コントローラは、ブームが格納位置に格納されている状態で始業前点検スイッチを入れられてブーム操作装置の操作が行われると、ブームを格納位置から所定起仰位置まで自動的に起仰作動させるように構成してもよい。このような構成により、ブームは自動的に点検位置に移動させることができるため、難しかったブームの微妙な位置合わせの操作が必要なくなり、さらに効率良く点検作業を行うことができる。
【0014】
また、始業前点検スイッチが入れられた状態にあるときは、始業前点検作業中であることを作業者に報知する警報装置を備えているように構成してもよい。このような構成により、作業者は始業点検中であることを容易に認識することができる。
【0015】
さらに、作動判断手段により起伏角度検出手段と伸長量検出手段と旋回角度検出手段と負荷検出手段及び張出位置検出手段の各検出値のうち少なくとも一つがコントローラに予め記憶されている所定範囲に収まっていないと判断された場合、警報装置は、警報作動を行うように構成することが望ましい。このような構成により、各センサ類及びコントローラの少なくともいずれかに異常ある場合、作業者に報知されるため、より安全性を高めることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明に係る点検装置を有した高所作業車の一例を図2に示している。この高所作業車1は、運転キャビン2aを有して走行可能な車両の車体2に旋回モータ11(油圧モータ、図2には不図示)の駆動により車体2に対して水平旋回自在に配設された旋回台3を備え、この旋回台3には起伏シリンダ12により起伏動自在にブーム4が枢着されている。ブーム4は、基端ブーム4a、中間ブーム4b及び先端ブーム4cを入れ子式に組み合わせて、内蔵の伸縮シリンダ13により伸縮動自在に構成されている。
【0017】
ブーム4は、ブーム受け5に載置されて格納されるように構成され、作業を行わない場合(例えば、作業開始前や作業終了後)には、ブーム4を全縮状態にした上で車体2の前方に延ばしてほぼ水平に倒伏させ、車体2に設けられたブーム受け5の上に載置して格納する。
【0018】
先端ブーム4cの先端には図示しないレベリングシリンダにより常時垂直に保持される垂直ポスト6が枢結されており、この垂直ポスト6に首振りアーム7を介して作業台8が水平旋回自在に取り付けられている。先端ブーム4cの上端には吊り上げ装置9が設けられており、重量物の吊り上げを行うことができる。
【0019】
また、車体2の前後左右にはアウトリガジャッキ18が設けられ、ジャッキシリンダ14(図1参照)により高所作業時にはこのアウトリガジャッキ18を所定位置まで張り出して、車体2を持ち上げて安定支持する。
【0020】
作業台8には、上部操作装置20が設けられ、車体2の後部には下部操作装置21が設けられている。このため、作業台8に搭乗した作業者が上部操作装置20を操作して旋回台3の旋回作動、ブーム4の起伏及び伸縮作動操作を行うことができ、さらに、地上の作業者が下部操作装置21を操作して同様の作動操作を行うことができる。車体2の後部にはジャッキ操作装置22も設けられ、これによりアウトリガジャッキ18の作動操作を行う。
【0021】
このような構成の高所作業車1に、本発明の点検装置は備えられている。この点検装置は、作業者によるブーム4の起伏操作のみで、効率良く各センサ類(例えば、旋回角度センサ41と、起伏角度センサ42と、伸長量センサ43と、軸力センサ44と、張出位置センサ45等)及びコントローラの点検を行うものである。
【0022】
点検装置は、図1に示すように、上部操作装置20と、下部操作装置21と、ジャッキ操作装置22と、始業前点検スイッチ25と、コントローラ30と、旋回角度センサ41と、起伏角度センサ42と、伸長量センサ43と、軸力センサ44と、張出位置センサ45と、旋回モータ11と、起伏シリンダ12と、伸縮シリンダ13と、ジャッキシリンダ14と、警報装置50を有して構成されている。
【0023】
なお、上部操作装置20と、下部操作装置21と、ジャッキ操作装置22、旋回モータ11と、起伏シリンダ12と、伸縮シリンダ13と、ジャッキシリンダ14については、前述したのでその説明を省略する。
【0024】
始業前点検スイッチ25は、車体2の後部にある下部操作装置21に隣接して(もしくは下部操作装置21と一緒に)設けられており、この始業前点検スイッチ25を押して点検を行うようになっている。なお、この点検とは作業開始前(始業前)に各センサ類41〜45及びコントローラ30が正常に作動しているか否かを調べるものである。始業前点検スイッチ25を入れるとコントローラ30にON信号が送信される。
【0025】
旋回角度センサ41は、旋回台3の旋回角度を検出するためのものである。起伏角度センサ42は、車体2に対するブーム4の起伏角度を検出するためのものである。伸長量センサ43は、ブーム4の伸長量を検出するためのものである。軸力センサ44は、起伏シリンダ12の伸縮軸方向に作用する軸力を検出するものであり、ブーム4側からブームの枢着軸周りに旋回台3側に作用するモーメント、すなわち作業台8を含むブーム4側から車体2側に作用する全負荷モーメントを検出するものである。張出位置センサ45は、各アウトリガジャッキ18における車体2の張出位置を検出するものである。なお、各センサ類41〜45の検出値は、コントローラ30の作動判断部32に送信される。
【0026】
コントローラ30は、作動制御部31と、作動判断部32と、メモリ33とを備えて構成されている。作動制御部31は、上部操作装置20と下部操作装置21及びジャッキ操作装置22からの操作信号を受けると、この操作信号に応じて油圧制御バルブに信号を送信する。この信号に基づいて油圧制御バルブは、各油圧アクチュエータ(例えば、旋回モータ11、起伏シリンダ12、伸縮シリンダ13、シリンダジャッキ14等)への作動油の給排制御を行い、上部、下部及びジャッキの各操作装置の操作に応じて旋回台3、ブーム4及びアウトリガジャッキ18の作動を制御する。なお、作動制御部31は、アウトリガジャッキ18を張り出されて車体2が支持されていないときには、旋回台3及びブーム4の作動を規制するようになっている(いわゆる、ジャッキインターロック)。
【0027】
作動判断部32は、始動点検前スイッチ25からのON信号を受けると、アウトリガジャッキ18が所定の張出位置まで張り出して車体2を支持して且つブーム4が点検位置にあるとき、各センサ類41〜45から送信された検出値と、メモリ33に予め記憶されている各センサ類41〜45の検出値における許容検出範囲とを比較する。このとき、作動判断部32は、実際の検出値が許容検出範囲に収まっているときは故障なしと判断し、正常信号を警報装置50に送信する。また、作動判断部32は、実際の検出値が許容検出範囲に収まっていないときは、該当するセンサの故障やそのセンサ自体は正常であるが該センサからの入力異常や許容検出範囲を記憶しているメモリ33の異常などコントローラ30の故障が想定されるため、作動判断部32は故障ありと判断し、異常信号を警報装置50に送信する。
【0028】
警報装置50は、作動判断部32からの正常信号を受け取り且つ始業前点検スイッチ25が入れられた状態にあるときは、例えば、約1秒間警報ブザーを鳴らして警報ランプを点灯し、始業前点検作業中であることを作業者に報知する。また、作動判断部32から異常信号を受け取ると、例えば、警報ブザーを鳴らし続けて、各センサ類41〜45及びコントローラ30に異常(故障)があることを作業者に報知する。なお、警報装置50は、上記実施例のように、警報ブザーを鳴らす等の音声警報や、警報ランプを点灯する等の表示警報等に限定されるものではなく、作業者に故障か否かを報知できるものであればよい。
【0029】
なお、各センサ類41〜45及びコントローラ30の点検のために、図3に示すように、基端ブーム4aに点検位置を示すマークMが設けられており、作業者は下部操作装置21を操作してブーム4を起仰作動させ、マークMが旋回台3の上縁ライン3aと重なる位置すなわち点検位置まで移動させる。このときの各センサ類41〜45の検出値がコントローラ30に入力され、この検出値が許容検出範囲に収まるか否かを判断して点検が行われている。また、上記例に限らず、基端ブーム4cに起伏角度計を設けてこれを目視することにより、ブーム4が点検位置にあることを確認してもよい。
【0030】
この点検装置を用いて各センサ類41〜45及びコントローラ30の点検作動を行うときは、まず、作業者はジャッキ操作装置22の操作を行い、点検位置である所定の張出位置までアウトリガジャッキ18を張出作動させる。次に、下部操作装置21の操作を行い、ブーム4を格納位置から所定の起仰位置(点検位置)まで起仰作動させる。なお、本発明で用いている高所作業車1にはジャッキインターロックが設けられており、アウトリガジャッキ18を張り出して車体2の支持をしなければ、ブーム4の操作ができないようになっている。このとき、作業者は点検位置を示すマークMと上縁ライン3aを一致させるようにブーム4の作動操作を行う。そして、作業者はブーム4が点検位置に達したか否かの判断は目視確認により行い、この目視確認によりブーム4が点検位置に達したと判断したとき、始業前点検スイッチ25を入れる。
【0031】
すると、コントローラ30は、ブーム4が所定の点検位置にあるときに始業前点検スイッチ25が入れられたことを受け、旋回角度センサ41、起伏角度センサ42、伸長量センサ43、軸力センサ44及び張出位置センサ45が、(メモリ33に記憶されている)各センサ類41〜45に応じて設定された許容検出範囲に収まっているか否かの判断を行う。ここで、コントローラ30はセンサ41〜45の実際の検出値が各々の許容検出範囲に収まっていると判断したとき、警報装置50は警報ブザーを鳴らして点灯していた警報ランプを消灯し、各センサ類41〜45及びコントローラ30に異常はなく始業前点検作業が終了したことを作業者に報知する。また、コントローラ30は実際の検出値が一つでも許容検出範囲に収まらなかったと判断したとき、警報装置50の警報ブザーを鳴らし続けて点灯していた警報ランプを点滅させて、各センサ類41〜45及びコントローラ30の少なくとも一つに故障があることを作業者に報知する。作業者は、再び下部操作装置21を操作して、ブーム4を格納位置に移動させる。
【0032】
このような構成の点検装置によれば、ブームを所定の起仰位置(点検位置)に起仰させる簡単な操作のみで、各センサ類41〜45及びコントローラ30の点検作業を行うことができる。このため、作業者は(点検作業毎に)従来のような煩雑なブーム操作を行う必要がないので、点検作業時の作業者の負担を減らして作業効率を向上させることができる。
【0033】
なお、本発明の点検装置は、上記例に限定されるものではなく、適宜改良可能である。例えば、上記のようにブーム4の点検位置を示すマークMを上縁ライン3aと正確に重なるようにブーム4の起伏作動を行わせなければならないが、マークMと上縁ライン3aと重なるように位置合わせをする(下部)操作装置の操作には微妙な操作が要求されるため、位置合わせが難しい。このため、上記のように手動操作によってブーム4を点検位置まで移動させるのではなく、ブーム4が格納位置に格納されている状態で始業前点検スイッチ25が入れられて(ブーム4を起伏作動させるように)下部操作装置21が操作されると、コントローラ30はブーム4を格納位置から所定の点検位置まで自動的に移動させるように構成してもよい。
【0034】
また、上記例では、負荷検出手段として軸力センサ44を用いて作業台8を含むブーム4側から車体2側に作用する全負荷モーメントを検出していたが、負荷検出手段として作業台8からブーム4の先端部に作用する荷重を検出する作業台荷重センサを用いて作業台8を含むブーム4側から車体2側に作用する全負荷モーメントを検出してもよい。
【0035】
このような構成の点検装置を用いて、各センサ類41〜45及びコントローラ30の点検作業を行うときについて、以下に概説する。まず、作業者は、ジャッキ操作装置22の操作を行い、点検位置である張出位置まで張り出して車体2を支持するようにアウトリガジャッキ18を作動させる。そして、ブーム4が格納位置に格納されている状態で、作業者は始業前点検スイッチ25が入れ且つブーム4が起仰作動するように下部操作装置21を操作する。すると、コントローラ30は(警報装置50の)警報ブザーを鳴らして警報ランプを点灯させ、作業者に始業前点検作業が実施されていることを報知する。同時に、コントローラ30は、ブーム4を格納位置より起仰させ自動的に所定の起仰位置(すなわち点検位置)に達するとその起仰作動を停止させるように制御する。
【0036】
このように制御されてブーム3が停止したとき、作業者はマークMと上縁ライン3aが重なったことを目視により確認する。また、コントローラ30は、旋回角度センサ41、起伏角度センサ42、伸長量センサ43、軸力センサ44及び張出位置センサ45の各検出値が所定の許容検出範囲に収まっているか否かを判断し、許容検出範囲に収まっていると判断したときには、警報ブザーを再び鳴らして点灯していた警報ランプを消灯し、各センサ類41〜45及びコントローラ30に異常はなく点検作業が終了したことを作業者に報知する。また、コントローラ30は、各センサ類41〜45の検出値が一つでも許容検出範囲に収まっていないと判断したときには、警報ブザーを連続して鳴らして点灯していた警報ランプを点滅させ、各センサ類41〜45及びコントローラ30のいずれかもしくは両方に故障があることを作業者に報知する。そして、作業者は下部操作装置21を操作して、ブーム4を格納位置に移動させる。
【0037】
この点検装置を用いて点検作業を行うと、例えば、起伏角度センサ42が故障して、ブーム4が点検位置から外れて自動停止した場合、作業者はマークMと上縁ライン3aのずれを目視確認することにより、起伏角度センサ42の異常を察知することができる。また、仮にマークMと上縁ライン3aのずれから起伏角度センサ42の異常を作業者が見落としてしまった場合でも、軸力センサ44により検出された値はコントローラ30に予め記憶されている許容検出範囲内に収まらないため、コントローラ30は起伏角度センサ42及びコントローラ30の少なくともどちらかが異常であると判断できる。その結果、コントローラ30により警報装置50の警報ブザー等を用いて警報作動が行われるので、作業者は各センサ類41〜45及びコントローラ30の少なくともいずれかが故障していることを認識できる。
【0038】
このような構成の点検装置によれば、ブーム4を所定の起仰位置(点検位置)まで起仰作動させる際に位置合わせを行う必要がないため、作業者の負担が減るとともに作業時間を短縮することができ、効率良く各センサ類41〜45及びコントローラ30の点検作業を行うことが可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、本発明の高所作業車の点検装置によれば、ブームの起伏角度を検出する起伏角度検出手段と、ブームの伸長量を検出する伸長量検出手段と、ブームの旋回角度を検出する旋回角度検出手段と、ブームを倒伏させる方向に作用する負荷を検出する負荷検出手段と、ジャッキの各々の張出位置を検出する張出位置検出手段と、起伏角度検出手段と伸長量検出手段と旋回角度検出手段と負荷検出手段と張出位置検出手段及びコントローラの始業前点検を行うための始業前点検スイッチと、始業前点検スイッチが入れられると、起伏角度検出手段と伸長量検出手段と旋回角度検出手段と負荷検出手段及び張出位置検出手段の各検出値が、コントローラに予め記憶されている所定範囲に収まっているか否かを判断する作動判断手段とを備えて構成されている。
【0040】
このように構成された高所作業車の点検装置によれば、ブームを所定起仰位置に起仰させる簡単な操作のみで、各センサ類及びコントローラの点検作動を行うことができる。その結果、従来のように煩雑なブーム作動操作を行うことがないため作業者の負担が減り、作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における高所作業車の点検装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明における高所作業車の点検装置を備えた高所作業車の側面図である。
【図3】本発明に係る点検装置による点検を行うときのブームの点検位置合わせのためのマークを説明する説明図である。
【符号の説明】
1 高所作業車
2 車体
3 旋回台
4 ブーム
8 作業台
11 旋回モータ
12 起伏シリンダ
13 伸縮シリンダ
14 ジャッキシリンダ
18 アウトリガジャッキ
20 上部操作装置(ブーム操作装置)
21 下部操作装置(ブーム操作装置)
22 ジャッキ操作装置
25 始業前点検スイッチ
30 コントローラ
32 作動判断部
41 旋回角度センサ
42 起伏角度センサ
43 伸長量センサ
44 軸力センサ(負荷検出手段)
45 張出位置センサ
50 警報装置
Claims (4)
- 車体上に、それぞれの油圧アクチュエータによって起伏、伸縮、旋回等の作動が自在に設けられたブームと、前記車体の側方に設けられた複数の車体支持用のジャッキと、前記ブーム及び前記ジャッキの作動を制御するコントローラと、操作に応じて前記コントローラの作動を制御する信号を出力して前記ブームを作動させるブーム操作装置及び前記ジャッキを作動させるジャッキ操作装置とを有し、前記コントローラは前記ジャッキ操作装置の操作が行われず前記ジャッキにより前記車体が支持されていないときには前記ブームの作動を規制するように構成されている高所作業車の点検装置であって、
前記ブームの起伏角度を検出する起伏角度検出手段と、
前記ブームの伸長量を検出する伸長量検出手段と、
前記ブームの旋回角度を検出する旋回角度検出手段と、
前記ブームを倒伏させる方向に作用する負荷を検出する負荷検出手段と、
前記ジャッキの各々の張出位置を検出する張出位置検出手段と、
前記起伏角度検出手段と前記伸長量検出手段と前記旋回角度検出手段と前記負荷検出手段と前記張出位置検出手段及び前記コントローラの始業前点検を行うための始業前点検スイッチと、
前記始業前点検スイッチが入れられると、前記起伏角度検出手段と前記伸長量検出手段と前記旋回角度検出手段と前記負荷検出手段及び前記張出位置検出手段の各検出値が、前記コントローラに予め記憶されている所定範囲に収まっているか否かを判断する作動判断手段とを備えることを特徴とすることを特徴とする高所作業車の点検装置。 - 前記コントローラは、前記ブームが格納位置に格納されている状態で前記始業前点検スイッチを入れられて前記ブーム操作装置の操作が行われると、前記ブームを前記格納位置から所定起仰位置まで自動的に起仰作動させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の高所作業車の点検装置。
- 前記始業前点検スイッチが入れられた状態にあるときは、前記始業前点検作業中であることを作業者に報知する警報装置を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高所作業車の点検装置。
- 前記作動判断手段により前記起伏角度検出手段と前記伸長量検出手段と前記旋回角度検出手段と前記負荷検出手段及び前記張出位置検出手段の各検出値のうち少なくとも一つが前記コントローラに予め記憶されている所定範囲に収まっていないと判断された場合、
前記警報装置は、警報作動を行うことを特徴とする請求項3に記載の高所作業車の点検装置。
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