JP2004182054A - 自動二輪車 - Google Patents

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Abstract

【課題】乗り降りし易い自動二輪車を提供する。
【解決手段】前後輪4,6とは別に必要に応じて路面に接する2つの補助輪8,9が車体の両側に振り分けられて別々に配設され、車体の右側に配設された補助輪8が車体に対して少なくとも上下方向に変位可能に支持されるとともに補助輪8を車体に対して変位させる油圧シリンダが設けられ、車体の左側に配設された補助輪9が車体に対して少なくとも上下方向に変位可能に支持されるとともに補助輪9を車体に対して変位させる油圧シリンダが設けられている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動二輪車に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、バリアフリーの思想が広く一般に浸透してきており、障害者でも積極的に屋外に飛び出して様々なスポーツやレクリエーションを楽しむようになっている。モータースポーツもその例外ではない。従来から、下肢に傷害のある障害者があくまで移動の手段として四輪自動車を運転することはあったが、近年では、移動の手段としてではなく純粋にスポーツとして四輪自動車を運転する人も増えている。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−317882号公報(段落[0012]から[0014]、および図3参照)
本文献には、コーナリング走行時や左右傾斜路走行時等に主車輪の接地力の低減を防止して駆動力を確保し、かつ車体の自立性を向上させるために、補助輪が主車輪に対して逆方向に変位するようにした構造が記載されている。なお、2つの補助輪はリンク機構を介して同調して作動する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにスポーツとして運転をする対象は、四輪自動車に留まらず自動二輪車にも広がりを見せているが、四輪自動車とは異なり、自動二輪車は停止した状態では直立状態を何らかの手段により維持しなければならない。そのため、下肢に傷害のある障害者には運転どころか自動二輪車に跨ることすらままならない。また、たとえ自動二輪車に跨ることができたとしても、加速を開始してから自立速度に達するまでの操作に技能を要する。これは、低速走行時や、減速して停止させるまでの操作についても同様である。
【0005】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、乗員がたとえ下肢に傷害のある障害者であっても乗り降りし易く、かつ安全に運転できる自動二輪車を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための手段として、次のような構成の自動二輪車を採用する。すなわち本発明に係る請求項1記載の自動二輪車は、前後2つの車輪とは別に必要に応じて路面に接する複数の補助輪が車体の両側に振り分けられて配設され、
前記車体の右側に配設された一方の補助輪が前記車体に対して上下方向に変位可能に支持されるとともに該一方の補助輪を前記車体に対して変位させる第1のアクチュエータ(例えば、下記の実施形態における油圧シリンダ14)が設けられ、
前記車体の左側に配設された他方の補助輪が前記車体に対して上下方向に変位可能に支持されるとともに該他方の補助輪を前記車体に対して変位させる第2のアクチュエータ(例えば、下記の実施形態における油圧シリンダ16)が設けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明においては、前後の2つの車輪だけでは車体を自立させるのが困難な停止時、停止状態から加速する間、低速走行時、および減速して停止状態に移行する間、これらの期間では補助輪を路面に接地させることにより、車体が自立する。
また、速度を落として車体を傾けながら行うコーナリング時、やはり補助輪を路面に接地させることにより、車体が傾いていても自立する。
【0008】
請求項2記載の自動二輪車は、請求項1記載の自動二輪車において、前記第1、第2のアクチュエータを車速に応じて作動させる第1の制御部(例えば、下記の実施形態における制御装置29)を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明においては、第1、第2のアクチュエータを車速に応じて作動させることにより、特に操作を必要としないで自動的に補助輪の出し入れが行えるようになる。
【0010】
請求項3記載の自動二輪車は、請求項1または2記載の自動二輪車において、前記第1、第2のアクチュエータを作動させるための入力を行う手動式の第1の入力部(例えば、下記の実施形態におけるアウトリガ用スイッチ27)を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明においては、手動式の第1の入力部を操作して第1のアクチュエータを作動させることにより、手による操作だけで自由に補助輪の出し入れが行えるようになる。
【0012】
請求項4記載の自動二輪車は、請求項1から3のいずれか記載の自動二輪車において、前後の2つの車輪のうち少なくとも後輪を前記車体に対して上下方向に変位させる第3のアクチュエータ(例えば、下記の実施形態における油圧シリンダ22)を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明においては、少なくとも停止状態では、少なくとも後輪を車体に近づけて車高を下げ、シート位置が低くすることにより、車体を跨ぎ易くなって乗り降りが容易に行えるようになる。
【0014】
請求項5記載の自動二輪車は、請求項4記載の自動二輪車において、前記第3のアクチュエータを車速に応じて作動させる第2の制御部(例えば、下記の実施形態における制御装置29)を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明においては、第3のアクチュエータを車速に応じて作動させることにより、特に操作を必要としないで自動的に車高の上げ下げが行えるようになる。
【0016】
請求項6記載の自動二輪車は、請求項4または5記載の自動二輪車において、前記第3のアクチュエータを作動させるための入力を行う手動式の第2の入力部(例えば、下記の実施形態における車高切り換え用スイッチ28)を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明においては、第3のアクチュエータを車速に応じて作動させることにより、手による操作だけで自由に車高の上げ下げが行えるようになる。
【0018】
請求項7記載の自動二輪車は、前後2つの車輪とは別に必要に応じて路面に接する複数の補助輪が車体の両側に振り分けられて配設され、
前記複数の補助輪が前記車体に対して上下方向に変位可能に支持されるとともに該複数の補助輪を前記車体に対して変位させる第4のアクチュエータ(例えば、下記の実施形態における油圧シリンダ14,16。下記の実施形態は2つに分けて設けられているが、本発明ではその数は限定されない)が設けられ、
前記2つの車輪のうち少なくとも後輪を前記車体に対して上下方向に変位させる第5のアクチュエータ(例えば、下記の実施形態における油圧シリンダ22)が設けられ、
前記第4、第5のアクチュエータがそれぞれ独立して制御可能であることを特徴とする。
【0019】
本発明においては、車速に応じて第4、第5のアクチュエータを連係して作動するのではなく、それらを独立して制御する、例えば、それらがともに車速に応じて作動することとして、作動する車速を別個に設定することにより、車体が大きな挙動の変化を生じることがない。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明に係る実施形態を図1ないし図6に示して説明する。
図1には、下肢に傷害のある障害者でも運転することができる自動二輪車を示している。この自動二輪車は、通常の自動二輪車と同じく、フレーム1の内側にエンジン2を抱き、フレーム1の前部にはフロントフォーク3を介して前輪4が取り付けられ、フレーム1の後部にはリアアーム5を介して後輪6が取り付けられている。
【0021】
フロントフォーク3にはテレスコピック型のサスペンション機構(図示略)が内蔵されている。リアアーム5は基端をフレーム1に軸支されて揺動自在であり、さらにフレーム1とリアアーム5との間にはクッションユニット7が介装されることによってリンク型のサスペンション機構が構成されている。
【0022】
フレーム1下部のエンジン2後方には、図2に示すように、前後輪4,6とは別に必要に応じて路面に接する2つの補助輪8,9が、車体(ここでは、フレーム1と一体と見なせる部分をいう)の両側に振り分けられて別々に配設されている。フレーム1には、サブメンバー10が下方に突き出して一体的に取り付けられており、その下端にはサブメンバー10から両端を車体の側方に突き出すようにしてブラケット11が取り付けられている。
【0023】
ブラケット11の一方の端部には、補助輪8を支持するワイピングアーム12が、車体の長手方向に垂直な立面(図2の紙面に合致する)内で揺動自在に取り付けられている。また、ブラケット11の他方の端部には、補助輪9を支持するワイピングアーム13が、ワイピングアーム12と同じく車体の長手方向に垂直な立面内で揺動自在に取り付けられている(アーム(12,13)に補助輪(8,9)が取り付けられたものを以下ではアウトリガと呼ぶ)。
【0024】
ワイピングアーム12は、車体の右側に突き出す一端12aに、補助輪8を回動自在に取り付けられている。また、ブラケット10との軸支点12bを挟んで車体の中心に向かうワイピングアーム12の他端12cには、ワイピングアーム12を揺動させる油圧シリンダ(第1のアクチュエータ)14が、コネクティングロッド15を介して連結されている。油圧シリンダ14は、シリンダ14aをサブメンバー10に固定され、ピストンロッド14bの先端にコネクティングロッド15の一端を回動自在に取り付けられている。コネクティングロッド15の他端はワイピングアーム12の他端に回転自在に取り付けられている。
【0025】
車体の右側に設けられたアウトリガAは、油圧シリンダ14のピストンロッド14bをシリンダ14aから突出させることで上方に折り畳まれるように収納され、ピストンロッド14bをシリンダ14aに没入させることで下方に降ろされ、路面に対する車体の配置によっては路面に接することになる。
【0026】
ワイピングアーム13は、車体の左側に突き出す一端13aに、補助輪9を回動自在に取り付けられている。また、ブラケット10との軸支点13bを挟んで車体の中心に向かうワイピングアーム13の他端13cには、ワイピングアーム13を揺動させる油圧シリンダ(第2のアクチュエータ)16が、コネクティングロッド17を介して連結されている。油圧シリンダ16は、シリンダ16aをサブメンバー10に固定され、ピストンロッド16bの先端にコネクティングロッド17の一端を回動自在に取り付けられている。コネクティングロッド17の他端はワイピングアーム13の他端に回転自在に取り付けられている。
【0027】
車体の左側に設けられたアウトリガBは、油圧シリンダ16のピストンロッド16bをシリンダ14aから突出させることで上方に折り畳まれるように収納され、ピストンロッド16bをシリンダ16aに没入させることで下方に降ろされ、路面に対する車体の配置によっては路面に接することになる(車両が停止した状態ではアウトリガA,Bをともに降ろした状態が選択される)。
【0028】
続いて、リアのサスペンション機構を図3、図4に示す。同図に示すように、リアアーム5には、下方に張り出す「く」の字形のサブメンバー20が一体的に取り付けられており、サブメンバー20の最も路面に近くなる箇所、すなわち「く」の字の屈曲部にクッションユニット7下端のジョイント7aが回動自在に連結されている。
【0029】
クッションユニット7上端のジョイント7bは、フレーム1に回動自在に取り付けられたL形のロッキングアーム21の一端に、下端と同様に回動自在に連結されている。ロッキングアーム21の他端には、ロッキングアーム21を回動させる油圧シリンダ(第3のアクチュエータ)22が連結されている。油圧シリンダ22は、シリンダ22aをフレーム1に軸支点22bを中心として回動自在に取り付けられ、ピストンロッド22cの先端にロッキングアーム21の他端を回動自在に取り付けられている。シート23は、油圧シリンダ22に覆い被さるようにしてフレーム1に取り付けられている。
【0030】
油圧シリンダ22は、シリンダ22aからピストンロッド22cを突出させることで、クッションユニット7上端の支持点(ジョイント7a)を車体に対して下方に変位させる。クッションユニット7上端の支持点が低くなると、リアアーム5がクッションユニット7を介して押推されて下方に揺動し、後輪6を車体から離間させる(図3参照)。この操作を行うと、後輪6が路面に接地しているため、見かけ上は車高が高まってシート23の位置が高くなる(走行時にはこのポジションが選択される)。
【0031】
また、油圧シリンダ22は、シリンダ22aにピストンロッド22cを没入させることで、クッションユニット7上端の支持点(ジョイント7a)を車体に対して上方に変位させる。クッションユニット7上端の支持点が高くなると、リアアーム5がクッションユニット7を介して引き寄せられて上方に揺動し、後輪6を車体に接近させる(図4参照)。この操作を行うと、後輪6が路面に接地しているため、見かけ上は車高が低まってシート23の位置が低くなる。また、このときアウトリガA,Bをともに降ろしておけば、車輪8,9が路面に接地する。(停止時、停止状態から加速する間、低速走行時、および減速して停止状態に移行する間はこのポジションが選択される)。
【0032】
本実施形態の自動二輪車には、車体の両側にそれぞれ設けられたアウトリガA,Bを、車速やコーナリング時の車体の傾きに応じて個別に揺動させたり、車速に応じて路面に対するシート23の高さを変化させたりするシステムが搭載されている。当該のシステムは、図5に示すように、車速を検出する車速検出装置(スピードメータに速度を表示する機構と兼用してもよい)25と、車体の傾きを検出する斜度検出装置(ジャイロスコープ等の装置が有効である)26と、アウトリガA,Bを下方に降ろしたり収納したりするための入力を行うスイッチ(第1の入力部)27と、車高を高めてシート23の位置を高くするための入力を行うスイッチ(第2の入力部)28と、車速や車体の傾き、スイッチ27からの信号に応じて油圧シリンダ14,16を個別に独立して駆動させたり、車速やスイッチ28からの信号に応じて油圧シリンダ22を駆動させたりする制御装置(第1、第2の制御部)29とを備えている。アウトリガ用のスイッチ27、ならびに車高切り換え用のスイッチ28は、図示しないがハンドル30を握ったままで指で操作できる位置に設けられている。
【0033】
上記のように構成された自動二輪車について、乗員の乗降時、停止状態から加速する間、低速走行時、コーナリング時、および減速して停止状態に移行する間におけるアウトリガA,Bの稼働機構および車高切り換え機構の作動の仕方を、各期間ごとに図6を参照して説明する。
[乗員の乗降時]
駐車した状態(初期の状態)では、アウトリガA,Bがともに降ろされて路面に接地しており、シート23の位置も低められている(図6(a)参照)。乗員が下肢に傷害のある障害者である場合、その乗員は車椅子で車体横に近づき、手を使って車体に上り、シート23に着座する。乗員は、車椅子を折り畳み、図示しないキャリアに載せて固定する。
【0034】
[停止状態から加速する間]
乗員がエンジン2を始動し、ギアを入れ、クラッチをゆっくりと繋ぐと、自動二輪車は加速を開始する。初期の加速時には、前後輪4,6とともに補助輪8,9が路面に接地して走行するので、車体の自立が保たれる。車速がアウトリガA,Bを収納すべき設定速度(前後輪4,6だけでも車体が自立する速度。例えば7km/h)に達すると、制御装置29は、車速検出装置25の検出結果に基づいて車速がその設定速度に達したことを検知し、油圧シリンダ14,16を同時に駆動してピストンロッド14b,16bをシリンダ14a,16aから突出させる。これにより、アウトリガA,Bが同時に収納される(図6(b)参照)。さらに、制御装置29は、これらの操作に同調して油圧シリンダ22を駆動し、ピストンロッド22cをシリンダ22aから突出させる。これにより、車高が高められて通常の走行時に必要なリアサスペンションの可動範囲が確保される。
【0035】
[低速走行時]
停止はしないももの速度を落として走行しなければならない状況に陥り、車速がアウトリガA,Bを降ろすべき設定速度(前後輪4,6だけでは車体の自立が保ち難くなる上限の速度。例えば5km/h)になると、制御装置29は、車速検出装置25の検出結果に基づいて車速がその設定速度に達したことを検知し、油圧シリンダ14,16を同時に駆動してピストンロッド14b,16bをシリンダ14a,16aに没入させる。これにより、アウトリガA,Bが同時に降ろされる。
さらに、制御装置29は、これらの操作に同調して油圧シリンダ22を駆動し、ピストンロッド22cを没入させる。これにより、車高が低められて補助輪8,9が路面に接地して前後輪4,6とともに走行するので、低速走行時であっても車体の自立が保たれる。
【0036】
[コーナリング時]
アウトリガA,Bをともに収納した状態で、車体がコーナリングの姿勢になると、制御部29は、斜度検出装置26の検出結果に基づいて車体がある方向に傾いたことを検知し、傾いた側の油圧シリンダ(14,16のいずれか)を駆動してピストンロッドをシリンダに没入させる。ピストンロッドの没入長はフルストロークではなく、車体の傾斜角に応じて変化させ、路面に補助輪が接地して無理なく走行するように調整する。これにより、回転半径の内側のアウトリガが降ろされて前後輪4,6とともに一方の補助輪が路面に接地するので(図6(c)参照。同図では、アウトリガAを降ろして補助輪8を接地させている)、車体を倒し込んだ姿勢であっても、コーナリング中終始にわたって車体の自立が保たれる。
【0037】
[減速して停止状態に移行する間]
信号待ちの停止位置や目的地に近づき、車速がアウトリガA,Bを降ろすべき設定速度(同上、例えば5km/h)になると、制御装置29は、車速検出装置25の検出結果に基づいて車速がその設定速度に達したことを検知し、油圧シリンダ14,16を同時に駆動させてピストンロッド14b,16bをシリンダ14a,16aに没入させる。これにより、アウトリガA,Bが同時に降ろされる。
さらに、制御装置29は、これらの操作に同調して油圧シリンダ22を駆動し、ピストンロッド22cをシリンダ22aに没入させる。これにより、車高が低められて補助輪8,9が前後輪4,6とともに路面に接地するので、そのまま停止しても車体は倒れることなく自立する。このとき、停止位置が平坦ではなくても、アウトリガA,Bが独立して作動し、それぞれの補助輪を路面に対して適切な位置に配置するので、車体の自立が保たれる(図6(d)参照)。
自動二輪車が完全に停止したら、シート23の位置が低められた状態となっているので、乗員はキャリアから車椅子を降ろし、車体を跨ぐようにして乗り移る。
【0038】
上記の状況下にある場合以外でも、何らかの理由により車体の自立を保つ必要が生じた場合は、ハンドル30を握ったままでスイッチ27を操作すればよい。アウトリガA,Bを降ろすべくスイッチ27を操作すると、制御装置29は、スイッチ27からの信号に応じて油圧シリンダ14,16を駆動してピストンロッド14b,16bを没入させ、さらに油圧シリンダ22を駆動してピストンロッド22cを没入させる。これにより、アウトリガA,Bが降ろされるとともに車高が低められ、前後輪4,6とともに補助輪8,9が接地するので、車体が自立する。車体の自立を保つ必要がなくなった場合は、アウトリガA,Bを収納するべくスイッチ27を操作すればよい。
【0039】
同様に、何らかの理由によりシート23の位置を低くする必要が生じた場合は、ハンドル30を握ったままでスイッチ28を操作すればよい。シート高を低めるべくスイッチ28を操作すると、制御装置29は、スイッチ28からの信号に応じて油圧シリンダ22を駆動する。これにより、車高が低められてシート23の位置が低くなる。シート23の位置を高くする場合も同様にスイッチ28を操作すればよい。
【0040】
本実施形態の自動二輪車によれば、上記のような自動二輪車を運転する際に想定されるあらゆる場面でアウトリガA,Bの稼働機構と車高切り換え機構とを組み合わせて作動させることにより、たとえ下肢に傷害のある障害者であっても乗り降りがし易くなる。また、本実施形態の自動二輪車は健常者でも運転することが可能であり、例えば運転に自信のない初心者等に好適である。
【0041】
本実施形態においては、コーナリング時に回転半径の内側のアウトリガだけを降ろしてコーナリング中の車体の自立を確保するようにしたが、回転半径の外側のアウトリガも同時に降ろすようにして、コーナリング中に車体に作用する遠心力に対処するようにしてもよい。この場合は、アウトリガA,Bの可動範囲を本実施形態よりも大きく下方に展開するように設定する必要がある(油圧シリンダ14,16のストローク長を伸ばすのが適当である)。
【0042】
また、本実施形態においては、車体に対して後輪6のみを変位させることで車高の切り換えを行うようにしたが、フロントサスペンションにもアクチュエータを仕込み、車体に対して前後輪4,6を同時に変位させるようにしてもよい。
【0043】
本実施形態においては、第1から第3の各アクチュエータとして油圧シリンダ14,16,22を採用したが、これらアクチュエータには油圧で作動する機構に限らず、空圧で作動する機構、電動の機構等、あらゆる機構を採用してもよい。
【0044】
本実施形態においては、油圧シリンダ14,16を車速に応じて作動させる第1の制御部としての機能と、油圧シリンダ22を車速に応じて作動させる第2の制御部としての機能とを制御装置29に持たせて両方の機能を連係させた制御系を構築したが、これら第1、第2の制御部としての機能を別々の制御装置に分け、独立した制御系を構築し、それぞれが別個に設定された作動速度で作動するようにしてもよい。これにより、車高を高めることで得られる利点と、アウトリガA,Bを接地させておくことで得られる利点とを、例えば路面の状況に応じて適宜発揮させることができ、車体が大きな挙動の変化を生じることがない。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、乗り降りし易く自動二輪車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す図であって、自動二輪車の全体構造を示す側面図である。
【図2】2つのアウトリガの稼働機構を示す断面図(図1におけるII−II線矢視断面図)である。
【図3】車高切り換え機構を示す側面図であって、特に車高を高めた状態を示している。
【図4】同じく車高切り換え機構を示す側面図であって、特に車高を低めた状態を示している。
【図5】アウトリガA,Bを稼働させたり車高を切り換えたりするシステムの構成を示すブロック図である。
【図6】様々な状況での路面、車体、およびアウトリガの配置を示す状態説明図である。
【符号の説明】
1 フレーム
4 前輪
5 リアアーム
6 後輪
7 クッションユニット
8,9 補助輪
12,13 ワイピングアーム
14 油圧シリンダ(第1のアクチュエータ)
16 油圧シリンダ(第2のアクチュエータ)
22 油圧シリンダ(第3のアクチュエータ)
23 シート
27 スイッチ(第1の入力部)
28 スイッチ(第2の入力部)
29 制御装置(第1、第2の制御部)

Claims (7)

  1. 前後2つの車輪とは別に必要に応じて路面に接する複数の補助輪が車体の両側に振り分けられて配設され、
    前記車体の右側に配設された一方の補助輪が前記車体に対して上下方向に変位可能に支持されるとともに該一方の補助輪を前記車体に対して変位させる第1のアクチュエータが設けられ、
    前記車体の左側に配設された他方の補助輪が前記車体に対して上下方向に変位可能に支持されるとともに該他方の補助輪を前記車体に対して変位させる第2のアクチュエータが設けられていることを特徴とする自動二輪車。
  2. 前記第1、第2のアクチュエータを車速に応じて作動させる第1の制御部を備えることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車。
  3. 前記第1、第2のアクチュエータを作動させるための入力を行う手動式の第1の入力部を備えることを特徴とする請求項1または2記載の自動二輪車。
  4. 前後の2つの車輪のうち少なくとも後輪を前記車体に対して上下方向に変位させる第3のアクチュエータを備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか記載の自動二輪車。
  5. 前記第3のアクチュエータを車速に応じて作動させる第2の制御部を備えることを特徴とする請求項4記載の自動二輪車。
  6. 前記第3のアクチュエータを作動させるための入力を行う手動式の第2の入力部を備えることを特徴とする請求項4または5記載の自動二輪車。
  7. 前後2つの車輪とは別に必要に応じて路面に接する複数の補助輪が車体の両側に振り分けられて配設され、
    前記複数の補助輪が前記車体に対して上下方向に変位可能に支持されるとともに該複数の補助輪を前記車体に対して変位させる第4のアクチュエータが設けられ、
    前記2つの車輪のうち少なくとも後輪を前記車体に対して上下方向に変位させる第5のアクチュエータが設けられ、
    前記第4、第5のアクチュエータがそれぞれ独立して制御可能であることを特徴とする自動二輪車。
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