JP2004181423A - 破砕装置用電極および破砕装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】充分な破砕力を有する破砕装置用電極および破砕装置を提供する。
【解決手段】電極1は、中心電極12と絶縁体13と外周電極15とを備える。中心電極12は中心軸40に沿って延在し、外周面を有する。絶縁体13は中心電極12の外周面上に配置されている。外周電極15は絶縁体13を囲むように配置されている。外周電極15は複数の外周電極部分14a〜14dを含む。複数の外周電極部分14a〜14dは、中心軸40の延びる方向において互いに間隔を隔てて配置されている。中心軸40の延びる方向とほぼ垂直な方向における複数の外周電極部分14a〜14dの断面の外周形状は、中心軸40からの距離が互いに異なる部分を有する。
【選択図】 図2
【解決手段】電極1は、中心電極12と絶縁体13と外周電極15とを備える。中心電極12は中心軸40に沿って延在し、外周面を有する。絶縁体13は中心電極12の外周面上に配置されている。外周電極15は絶縁体13を囲むように配置されている。外周電極15は複数の外周電極部分14a〜14dを含む。複数の外周電極部分14a〜14dは、中心軸40の延びる方向において互いに間隔を隔てて配置されている。中心軸40の延びる方向とほぼ垂直な方向における複数の外周電極部分14a〜14dの断面の外周形状は、中心軸40からの距離が互いに異なる部分を有する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、破砕装置用電極および破砕装置に関し、より特定的には、岩石などを効率的に破砕可能な破砕装置用電極および破砕装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
岩石などを破壊するための従来の破砕方法としては、電極において放電を発生させて、その放電エネルギーを利用して破砕する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図26は、特許文献1に示された従来の破砕装置を示す模式図である。図27は、図26に示した破砕装置の基本的な構成を示す模式図である。図28は、図27に示した電極の先端部を示す部分拡大模式図である。図26〜28を参照して、特許文献1に開示された破砕方法を実施するための破砕装置の構造および動作について説明する。
【0004】
図26〜28を参照して、まず、従来の破砕装置の構造を簡単に説明する。パルスパワー源106は、コンデンサ108、スイッチ107などを含む回路からなっている。このパルスパワー源106には電源109が接続されている。パルスパワー源106の回路、この回路を含む筐体および破砕装置を搭載する車体は接地されている。
【0005】
岩石などを破壊するための破壊電極である同軸電極101は、パルスパワー源106と同軸ケーブル105によって接続されている。同軸電極101の先端には、中心電極112と、この中心電極112の外周側に絶縁体113を介して位置する外周電極115とが配置されている。中心電極112と外周電極115との一方は接地され、他方にはパルスパワー源106のスイッチ107が閉じられたときにコンデンサ108に蓄えられた電荷が導入される。
【0006】
次に従来の破砕方法を説明する。破壊対象となる岩石などに、ドリルなどを用いてあらかじめ下孔110を形成する。この下孔110の中に水111などの電解液を注入する。この下孔110に同軸電極101を挿入する。そして、電源109で電荷を発生させ、この電荷をコンデンサ108に蓄積する。なお、コンデンサ108の片側の極は接地されている。
【0007】
次に、コンデンサ108に十分に電荷が蓄積された後にスイッチ107を閉じることによって、同軸ケーブル105を介して同軸電極101に電荷が供給される。そして、同軸電極101の先端において、中心電極112と外周電極115との間に電位差が生じることにより放電が起こる。このとき、同軸電極101の先端付近の電解液が放電エネルギーによってプラズマ化することにより、圧力波が発生する。この圧力波により、同軸電極101の周囲の岩石などを破壊する。
【0008】
また、岩石を破砕する際、岩石に下孔を形成して、その下孔の壁面の全ての方向に均等に力を加えると割れ難いが、壁面に力を不均等に加えると容易に岩石を破砕できることが知られている(たとえば非特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開平4−222794号公報
【0010】
【非特許文献1】
光る企業/神島組,「神戸新聞」,平成14年5月28日
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
電極での放電に起因する圧力波により岩石などの破砕対象物を破砕する場合、下孔110の内壁の特定方向に圧力波を集中的に作用させることができれば、破砕対象物に力を不均等に加えることになるので、破砕対象物を効率的に破砕できる(つまり、充分な破砕力を実現できる)と考えられる。しかし、上述した従来の破砕装置では同軸電極101の先端付近で放電が起こるが、その放電の発生位置を正確に制御することは困難である。そのため、この放電により形成された圧力波を下孔110の側壁の特定方向に集中的に作用させることは困難であった。つまり、従来の破砕装置では、破砕対象物の内部から特定方向に集中的に力を作用させることは難しいため、エネルギーを破砕対象物の特定方向に集中させることにより破砕対象物を効率的に破砕すること(充分な破砕力を得ること)は困難であった。
【0012】
この発明は、上記のような課題を解決するために成されたものであり、この発明の目的は、充分な破砕力を有する破砕装置用電極および破砕装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明の1の局面に従った破砕装置用電極は、中心導電体と絶縁部材と外周導電体とを備える。中心導電体は中心軸に沿って延在し、外周面を有する。絶縁部材は中心導電体の外周面上に配置されている。外周導電体は絶縁部材を囲むように配置されている。外周導電体は複数の外周導電体部分を含む。複数の外周導電体部分は、中心軸の延びる方向において互いに間隔を隔てて配置されている。中心軸の延びる方向とほぼ垂直な方向における複数の外周導電体部分の断面の外周形状は、中心軸からの距離が互いに異なる部分を有する。
【0014】
このようにすれば、外周導電体部分の断面形状をいわゆる非円形状(たとえば楕円形状や多角形状など)にすることができる。そして、破砕装置用電極に電流を供給した際にこの破砕装置用電極に電流が流れる電流経路として、上記外周形状において中心軸からの距離が最も小さい部分近傍を電流が流れる場合(経路1)と、中心軸からの距離が最も大きい部分近傍を電流が流れる場合(経路2)とを考える。この場合、経路1により囲まれる部分の面積は経路2により囲まれる部分の面積より小さくなる(つまり、経路1の長さは経路2の長さより短くなる)。
【0015】
このため、経路1および経路2をそれぞれ電気回路として考えた場合、経路1のインピーダンスは経路2のインピーダンスより小さくなる。したがって、破砕装置用電極に電流を供給すると、電流は経路1を流れる。この結果、経路1上のギャップ(外周導電体部分の間の間隙)において放電が発生するので、上記外周形状において中心軸からの距離が最も小さい部分を特定の方向に配置すれば、その特定の方向に向いた側で放電を発生させることが可能になる。つまり、放電の発生位置を制御することができる。その結果、放電により発生する圧力波を破砕装置用電極の中心軸から見た特定方向に集中的に作用させることができるので、破砕対象物を効率的かつ確実に破砕できる。このようにして、十分な破砕能力を有する破砕装置用電極を実現できる。
【0016】
上記1の局面に従った破砕装置用電極では、複数の外周導電体部分のそれぞれについて、断面の外周形状における中心軸からの距離が最も小さい部分は、中心軸から見てほぼ同じ方向に揃うように配置されていてもよい。
【0017】
この場合、上述したように外周形状における中心軸からの距離が最も小さい部分において放電が発生するので、複数の外周導電体部分の間で発生する複数の放電の発生する位置を中心軸から見てほぼ同じ方向に揃えることができる。この結果、破砕装置用電極から見て同じ方向の側面において集中的に圧力波を発生させることができるので、破砕対象物に対して複数の放電に起因する圧力波を特定方向から集中的に作用させることができる。このため、破砕対象物を確実に破砕することができる。
【0018】
上記1の局面に従った破砕装置用電極において、複数の外周導電体部分の断面の外周形状は楕円形および多角形からなる群から選択される1つであってもよい。
【0019】
この場合、断面の外周形状が楕円形または多角形である外周導電体部分は比較的簡単な加工により形成することができるので、断面の外周形状において中心軸からの距離が互いに異なる部分を有する外周導電体部分を容易に実現できる。
【0020】
上記1の局面に従った破砕装置用電極において、複数の外周導電体部分の外周部には、中心軸から見てほぼ同じ方向に位置する領域に溝が形成されていてもよい。上記溝は中心軸の延びる方向とほぼ同じ方向に延在するように形成されていてもよい。
【0021】
この場合、外周導電体部分の外周部に溝を形成するという簡単な加工により、断面の外周形状において中心軸からの距離が互いに異なる部分を有する外周導電体部分を容易に実現できる。つまり、溝を形成することにより、溝の底部と溝が形成されていない外周部という、中心軸からの距離が異なる部分を形成できる。
【0022】
そして、溝の深さを充分深くしておけば、溝の底部を中心軸からの距離が最も小さい部分とすることができる。このため、複数の外周導電体部分の外周部に、中心軸から見てほぼ同じ方向に揃うように溝を形成することで、上記距離が最も小さい部分を破砕装置用電極の側面の特定方向(中心軸から見てほぼ同じ方向)に並べて配置できる。すでに述べたように上記距離が最も小さい部分はインピーダンスが最も小さい電流経路となるため、この溝に隣接した部分で放電を発生させることができる。この結果、放電による圧力波を破砕装置用電極の側面の特定方向から破砕対象物へ集中的に作用させることができる。
【0023】
この発明の他の局面に従った破砕装置用電極は、中心導電体と絶縁部材と外周導電体とを備える。中心導電体は中心軸に沿って延在し、外周面を有する。絶縁部材は中心導電体の外周面上に配置されている。外周導電体は絶縁部材を囲むように配置されている。外周導電体は、中心軸の延びる方向において互いに間隔を隔てて配置された複数の外周導電体部分を含む。複数の外周導電体部分は、中心軸から見てほぼ同じ方向に位置する領域において、中心軸の延びる方向とほぼ同じ方向に突出する凸部を有する。
【0024】
このようにすれば、凸部が形成された部分では複数の外周導電体部分の間の距離が他の部分より小さくなる。そのため、凸部が形成された部分の近傍において、複数の外周導電体部分の間の間隙で放電を発生させることができる。このため、破砕装置用電極の側面の特定方向(中心軸から見てほぼ同じ方向)から破砕対象物へ放電に起因する圧力波を作用させることができる。したがって、破砕対象物を効率的に破砕できるため、充分な破砕能力を備える破砕装置用電極を実現できる。
【0025】
上記1の局面または他の局面に従った破砕装置用電極は、複数の外周導電体部分を互いに固定する固定部材をさらに備えていてもよい。
【0026】
この場合、固定部材を配置することにより、外周導電体部分の間の距離や、外周導電体部分において中心軸からの距離が最も小さい部分の位置を容易に固定できる。
【0027】
この発明の別の局面に従った破砕装置用電極は、中心導電体と絶縁部材と外周導電体と絶縁被覆膜とを備える。中心導電体は中心軸に沿って延在し、外周面を有する。絶縁部材は中心導電体の外周面上に配置されている。外周導電体は絶縁部材を囲むように配置されている。外周導電体は、中心軸の延びる方向において互いに間隔を隔てて配置された複数の外周導電体部分を含む。絶縁被覆膜は外周導電体部分の表面を覆うように形成されている。絶縁被覆膜は、複数の外周導電体部分において中心軸から見てほぼ同じ方向に位置する表面領域を露出させる開口部を有する。
【0028】
このようにすれば、中心導電体、絶縁部材および外周導電体といういわゆる同軸構造の電極において、その基本構造を維持したまま、絶縁被覆膜を形成することにより放電の発生場所を任意の位置に決定できる。つまり、外周導電体部分を覆うように絶縁被覆膜が形成された部分では、外周導電体部分同士が絶縁被覆膜により互いに絶縁されるため、外周導電体部分の間において放電は発生しない。一方、複数の外周導電体部分において絶縁被覆膜の開口部が形成された部分の間では、上記外周導電体部分の露出した表面領域の間で放電が起きる。したがって、破砕装置用電極において放電を発生させたい領域に、絶縁被覆膜の開口部を配置することで、当該領域において放電を発生させることができる。この結果、破砕対象物に形成した下孔に破砕装置用電極を挿入して放電を発生させる際、放電により発生する圧力波を下孔の側壁面の特定部に集中的に作用させることができる(圧力波により下孔の側壁面に加えられる圧力分布を不均一な状態とすることができる)このため、破砕対象物を効率的に破砕できる。
【0029】
上記別の局面に従った破砕装置用電極において、絶縁被覆膜は、外周導電体部分上に塗布された絶縁性塗料膜、樹脂膜および酸化膜からなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
【0030】
この場合、外周導電体部分の表面に絶縁性塗料を塗布する、または外周導電体部分の表面に樹脂を塗布あるいは接着する、または外周導電体部分の表面に酸化処理を施すといった比較的簡単な加工により、本発明による破砕装置用電極を得ることができる。
【0031】
上記別の局面に従った破砕装置用電極において、絶縁被覆膜は外周導電体部分と着脱可能であってもよい。絶縁被覆膜は中心軸の延びる方向とほぼ同じ方向に延びる筒状体であってもよい。筒状体は絶縁性材料により構成されていてもよい。筒状体の側壁面には、中心軸の延びる方向に沿って開口部となるべき切欠部が形成されていてもよい。また、筒状体は可撓性を有する樹脂により構成されていてもよい。
【0032】
この場合、中心導電体、絶縁部材および外周導電体からなる同軸電極に、絶縁被覆膜としての筒状体を装着することにより、容易に本発明による破砕装置用電極を実現できる。また、可撓性を有する樹脂により筒状体を形成すれば、破砕の際の圧力波による応力が筒状体に作用しても、筒状体が弾性変形することにより、その応力を筒状体が吸収することができる。したがって、上記応力により筒状体が破損する危険性を小さくできる。
【0033】
また、外周導電体部分のうち筒状体の切欠部(絶縁被覆膜の開口部)から露出した表面が破砕作業に伴って磨耗したような場合、中心軸を中心として筒状体を回転させることで、上記切欠部から露出する外周導電体部分の表面の位置を変えることができる。このため、外周導電体部分の表面全体を破砕に利用できる。
【0034】
この発明のその他の局面に従った破砕装置は、上記1の局面または他の局面または別の局面に従った破砕装置用電極を備える。
【0035】
このようにすれば、充分な破砕能力を備える破砕装置を容易に得ることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
発明者は、破砕に利用されるエネルギーを大きくすることができる(高い破砕能力を有する)破砕装置として、図22に示すような破砕装置を発明した。図22は、本発明に関連する破砕装置を示す模式図である。図23は、図22に示した破砕装置を構成する電極の先端部を示す部分側面模式図である。図24は、図23に示した電極の断面模式図である。図25は、図23の線分XXV−XXVにおける断面模式図である。図22〜図25を参照して、本発明に関連する破砕装置を説明する。
【0037】
図22〜図25を参照して、本発明に関連する破砕装置は、電極1とパルスパワー供給部4とを備える。パルスパワー供給部4はコンデンサ8、スイッチ7、コンデンサ8に電荷を供給するための電源9などを含む回路からなる。パルスパワー供給部4の回路は接地されている。破砕装置用電極である電極1はパルスパワー供給部4と同軸ケーブル5により接続されている。同軸ケーブル5は電極1の後端に設置されたコネクタ部16に接続されている。
【0038】
電極1は、中心軸にそって延在する中心電極12と、この中心電極12の外周面上に配置された絶縁体13と、この絶縁体13の外周面上に配置された外周電極15とを備える同軸電極である。外周電極15は、互いに間隔を隔てて配置された複数の外周電極部分14a〜14dからなる。
【0039】
次に、図22〜図25に示した破砕装置の動作を簡単に説明する。図22に示すように、電極1は、岩石などの破砕対象物2に形成された下孔10の内部に挿入される。下孔10の内部には電解液としての水11が配置される。そして、この状態でパルスパワー供給部4のスイッチ7を閉じると、予めコンデンサ8に蓄積されていた電荷が同軸ケーブル5を介して電極1に供給される。この結果、中心電極12の先端部と外周電極部分14aとの間、さらに外周電極部分14a〜14dの間においてそれぞれ放電が発生し、アークが形成される。この結果、下孔10の内部の水が放電エネルギーによりプラズマ化することにより圧力波が発生する。この圧力波により破砕対象物2を破砕できる。そして、図22に示した破砕装置では、複数のアークを形成することにより、破砕に利用されるエネルギーを大きくすることができる。
【0040】
しかし、図22〜図25に示した破砕装置では、外周電極部分14a〜14dの間の距離を電極1の円周方向においてほぼ一定としているため、外周電極部分14a〜14dのそれぞれの間で、電極1の円周方向においてランダムな位置にアークが形成される。その結果、アークに起因する圧力波による応力は、下孔10の壁面全体にほぼ均等に加えられることになる。つまり、図22〜図25に示した破砕装置では、下孔10の壁面の一部に集中的に応力を加えることは難しく、アークの形成位置により破砕力にばらつきが発生していた。
【0041】
発明者は、図22〜図25に示したような破砕装置の電極1の構造についてさらに研究した結果、電極1においてインピーダンスの小さな電流経路を作ることによってアークの発生位置を制御できることを見出し、本発明を完成した。以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
【0042】
(実施の形態1)
図1は、本発明による破砕装置用電極およびその破砕装置用電極を用いた破砕装置の実施の形態1の構成を説明するための模式図である。図2は、図1に示した破砕装置用電極の先端部を示す斜視模式図である。図3は図2の線分III−IIIにおける断面模式図である。図4は図2の線分IV−IVにおける断面模式図である。図1〜図4を参照して、本発明による破砕装置用電極および破砕装置の実施の形態1を説明する。
【0043】
図1〜図4を参照して、本発明による破砕装置は、破砕装置用電極である電極1と、この電極1にパルスパワーを供給するためのパルスパワー供給部4とからなる。電極1は、その後端部にコネクタ部16が形成される。電極1は、コネクタ部16に接続された同軸ケーブル5を介してパルスパワー供給部4に接続されている。パルスパワー供給部4は、コンデンサ8、このコンデンサ8に電荷を供給する電源9、さらに電極1への電荷の投入を制御するためのスイッチ7などを含む。パルスパワー供給部4は図示していないが接地されている。
【0044】
電極1は、中心軸40(図2参照)に沿って延在し、外周面を有する中心導電体としての中心電極12と、この中心電極12の外周面上に配置された絶縁部材としての絶縁体13と、絶縁体13の外周面上に配置された外周導電体としての外周電極15とからなる。外周電極15は、絶縁体13の外周面上において、電極1の中心軸40(図2参照)の延びる方向において互いに間隔を隔てて配置された外周導電体部分としての外周電極部分14a〜14dからなる。中心電極12および外周電極部分14a〜14dを構成する材料としては、導電体であれば金属などどのような材料を用いてもよい。また、絶縁体13の材料としては、FRP(Fiber reinforced plastics)やその他の絶縁性の材料を用いてもよい。
【0045】
図4からもわかるように、中心軸の延びる方向とほぼ垂直な方向における中心電極12の断面形状はほぼ円形状であり、絶縁体13の断面の外周形状もほぼ円形状である。そして、中心軸40(図2参照)の延びる方向に対してほぼ垂直な方向における外周電極部分14a〜14dの断面の外周形状は、図2および図4からもわかるように楕円形状となっている。このような断面が楕円形状の外周電極部分14a〜14dは比較的簡単な加工により形成できる。また、図2からも分かるように、電極1では外周電極部分14a〜14dにおいて矢印17bで示した部分に隣接する領域(中心軸40からの距離が最も小さい領域)が、中心軸40から見てほぼ同じ側に揃うように配置されている。
【0046】
ここで、電極1に電流を流した場合の電流経路のインピーダンスを考える。電極1に電流を供給して矢印17a(図2参照)で示す位置において放電が発生した場合の、電極1における電流経路(経路1)のインピーダンスの値をZ1とする。また、矢印17b(図2参照)で示す位置において放電が発生した場合の電極1における電流経路(経路2)のインピーダンスの値をZ2とする。矢印17aで示す位置より矢印17bで示す位置の方が電極1の中心軸40(図2参照)に近い。また、外周電極部分14a〜14dの図4に示した断面の外周形状において、矢印17bで示した部分に隣接する領域は、矢印17aで示した部分に隣接する領域より中心軸40からの距離が小さくなっている。
【0047】
そのため、経路2の方が経路1よりも経路長は短くなる(つまり、経路1により囲まれる領域の面積より経路2により囲まれる領域の面積が小さくなる)。このため、経路2のインピーダンスの値Z2は経路1のインピーダンスの値Z1より小さくなる。したがって、電極1に電流を供給した場合、電流は経路2を流れるので、外周電極部分14a〜14dの厚みが最も薄くなっている部分、すなわち図4に示した放電位置18において放電が発生する。
【0048】
このように、外周電極部分14a〜14dの形状を変更してインピーダンスが小さくなる部分(厚みが薄くなる部分)を形成することにより、この厚みが薄くなった部分において優先的に放電を発生させることができる。つまり、厚みが薄くなった部分の位置を適宜変更することで、放電の発生する位置(アークの形成される位置)を任意に変更できる。
【0049】
また、図1〜図4に示した電極1では、外周電極部分14a〜14dにおける厚みの薄くなった部分が、中心軸40から見てほぼ同じ方向に揃うように配置されている。この結果、放電により発生する圧力波を、電極1の中心軸40(図2参照)から見て厚みが薄くなった部分が位置する方向に集中的に作用させることができる。したがって、破砕対象物2の下孔10の壁面に不均一な応力を加えることができるので、破砕対象物2を効率的に破砕できる。
【0050】
次に、図1〜図4に示した破砕装置を用いた破砕方法を簡単に説明する。図1に示すように、岩石などの破砕対象物2の所定部分に電極1を挿入することが可能な大きさの下孔10を形成する。そして、下孔10の内部に電極1の先端部を挿入するとともに、下孔10の内部に電解液としての水11を配置する。一方、パルスパワー供給部4においては、電源9からコンデンサ8に所定量の電荷を蓄積する。
【0051】
そして、コンデンサ8に必要な量の電荷を蓄積した状態で、パルスパワー供給部4のスイッチ7を閉じる。このようにすれば、パルスパワー供給部4のコンデンサ8に蓄えられた電荷が、パルスパワー供給部4から同軸ケーブル5およびコネクタ部16を介して電極1に導入される。この結果、電極1の先端部における中心電極12と外周電極部分14aとの間のギャップにおいて放電が発生し、アークが形成される。また、同様に外周電極部分14a〜14dの間のギャップにおいてそれぞれ放電が発生し、アークが形成される。
【0052】
このとき、上述のように外周電極部分14a〜14dの厚みが最も薄くなった部分に隣接する領域(放電位置18)においてアークが形成される。このため、下孔10の内部の水11が放電エネルギーによってプラズマ化することにより圧力波が発生する。この圧力波により、電極1の周囲の破砕対象物2を破壊できる。
【0053】
また、上述のように電極1においてアークが形成される部分は、電極1の中心軸40(図2参照)から見て外周電極部分14a〜14dの厚みが最も薄くなった部分が位置する領域にほぼ限定される。つまり、電極1の円周方向の特定の位置においてアークを形成することができるので、アークの発生した領域に対向する下孔10の側壁面の領域に、アークに伴って発生する圧力波を集中的に作用させることができる。このため、破砕対象物2を効率的に破壊することができる。
【0054】
図5は、図1〜図4に示した破砕用電極の実施の形態1の変形例を示す断面模式図である。図5は図4に対応する。図5に示した破砕装置用電極としての電極1は、基本的には図1〜図4に示した破砕装置用電極としての電極1と同様の構造を備えるが、中心電極12および絶縁体13の断面形状が異なる。図1〜図4に示した電極1における中心電極12の断面形状および絶縁体13の断面の外周形状はほぼ円形状であったが、図5に示した電極1においては、中心電極12の断面形状は楕円形状となっている。また、絶縁体13の断面の外周形状も楕円形状となっている。この場合も、図1〜図8に示した電極1と同様に、放電位置18において集中的にアークを形成できる。
【0055】
(実施の形態2)
図6は、本発明による破砕装置用電極の実施の形態2を示す斜視模式図である。図7は図6の線分VII−VIIにおける断面模式図である。図6および図7を参照して、本発明による破砕装置用電極の実施の形態2を説明する。
【0056】
図6および図7に示すように、破砕装置用電極である電極1は基本的には図1〜図4に示した電極1と同様の構造を備えるが、外周電極15の形状が異なっている。図6および図7に示した電極1の外周電極15は、電極1の中心軸40(図6参照)の延びる方向とほぼ垂直な方向における断面の外周形状が四角形状の外周電極部分20a〜20dおよび円筒状の外周電極部分20eからなる。このような外周電極部分20a〜20dは比較的簡単な加工により作成することができる。
【0057】
そして、図6および図7に示したような電極1によっても、図1〜図4に示した電極1と同様の効果を得ることができる。すなわち、図6および図7に示した電極1においては、電極1に電流を供給した場合に、17aにおいてアークが形成された場合の電流経路のインピーダンスよりも、矢印17bにおいてアークが発生した場合の電流経路のインピーダンスが小さくなる。そのため、矢印17bにより示した位置、すなわち外周電極部分20a〜20dの厚みが最も薄くなった部分に隣接する位置においてアークが形成される。このため、電極1においてアークが形成される位置(電極1の中心軸から見た場合の円周方向における位置)を外周電極部分20a〜20dの間のギャップごとにほぼ揃えることができる。この結果、上述のように本発明の実施の形態1における電極1と同様に破砕対象物を効率的に破壊することができる。
【0058】
図8は、図6および図7に示した破砕装置用電極の変形例を示す斜視模式図である。図9は図8の線分IX−IXにおける断面模式図である。図8および図9を参照して、本発明による破砕装置用電極の実施の形態2の変形例を説明する。
【0059】
図8および図9に示すように、電極1は基本的には図6および図7に示した電極1と同様の構造を備えるが、外周電極部分20a〜20dにおいて、電極1の中心軸に沿った方向に延びる貫通孔である固定用穴21a〜21dが形成されている。そして、固定用穴21a〜21dには固定用のひも22が挿入されている。ひも22の一方端部は外周電極部分20aと固定部23において固定されている。また、ひも22の上述した一方端部と反対側に位置する他方端部は、図示していないが外周電極部分20dと固定部(図示せず)において固定されている。
【0060】
また、図9に示すように、外周電極部分20aは、電極1の先端部において中心電極12の外周面と直接接触した状態で、この中心電極12に接続固定されている。また、外周電極部分20dは、外周電極部分20dよりもコネクタ部16(図1参照)側において絶縁体13の外周面を覆うように配置された外周電極部分20eの外周面上に直接接続固定されている。この結果、中心電極12に直接固定された外周電極部分20aと外周電極部分20eに直接固定された外周電極部分20dとの間において、外周電極部分20a、20dにひも22(図8参照)を介して外周電極部分20b、20cを連結した状態で固定できる。したがって、外周電極部分20b、20cが絶縁体13の周囲を回転してその位置がずれることを抑制できる。
【0061】
また、固定部材としてのひも22は破砕の際の圧力波によって応力を受けるが、このひも22自体は柔軟に変形可能な材料からなる。そのため、ひも22が圧力波によって切断される危険性は少ない。したがって、電極1において放電を複数回発生させて破砕を行なうような場合に、ひも22が圧力波によって切れてしまうといった事故の発生確率を低くできる。
【0062】
また、ひも22と外周電極部分20a〜20dとをそれぞれ固定するとともに、ひも22に対して張力をかけておけば、電極1の中心軸40(図8参照)に沿った方向における外周電極部分20a〜20dの位置をひも22によって固定することもできる。
【0063】
なお、図8および図9に示した電極1においては1本のひも22を用いているが、外周電極部分20a〜20dのそれぞれにおいて他の固定用穴24aを形成するとともに、この他の固定用穴に他のひもを通して外周電極部分20a〜20dの位置を固定してもよい。この場合、ひも22と上記他のひもとを用いることにより、確実に外周電極部分20a〜20dの位置を固定することができる。
【0064】
また、本発明による電極1の外周電極部分20a〜20dの中心軸40(図6参照)にほぼ垂直な方向における断面の外周形状は、図6〜図9に示したような四角形状以外の任意の多角形状であってよいし、その他の任意の形状、たとえば星形などであってもよい。
【0065】
(実施の形態3)
図10は、本発明による破砕装置用電極の実施の形態3を示す斜視模式図である。図11は図10の線分XI−XIにおける断面模式図である。図10および図11を参照して、本発明による破砕装置用電極の実施の形態3を説明する。
【0066】
図10および図11に示すように、破砕装置用電極である電極1は基本的には図1〜図4に示した電極1と同様の構造を備えるが、外周電極15の構造が異なっている。すなわち、図10および図11に示した電極1において、外周電極15は、電極1の中心軸40にほぼ垂直な方向における断面の外周形状が円形状の外周電極部分25a〜25dにより構成されている。また、外周導電体部分としての外周電極部分25a〜25cの外周面には、電極1の中心軸40から見てほぼ同じ方向に揃った位置に溝としての切欠部26a〜26cが形成されている。
【0067】
このような切欠部26a〜26cを形成することにより、電極1に電流を供給した場合にアークの発生する位置をこの切欠部26a〜26cが形成された部分に集中させることができる。具体的には、電極1に電流を供給した場合、外周電極部分25a〜25cの切欠部26a〜26cの上端(切欠部26a〜26cと外周電極部分25a〜25cの外周側面との接続部)に位置するエッジ部には電界が集中しやすい。そのため、外周電極部分25a〜25cの間の空間であって、このエッジ部に挟まれた部分において放電が発生する。すなわち、このエッジ部が放電の起点となる。
【0068】
そして、この放電の起点となったエッジ部同士の間で放電が発生して電流が流れ始めた後、電極1においてインピーダンスが最小となるのは切欠部26a〜26cの底部(中心軸40に最も近い部分)同士の間でアークが発生して電流が流れている状態である。そのため、この切欠部26a〜26cの底部同士の間にアークが形成された状態で、安定してアークが形成される。
【0069】
この場合に、形成されるアークは、中心軸40の延びる方向において切欠部26a〜26cと並んだような位置に形成される。そのため、中心軸40から見てほぼ同じ方向に、複数のアークを揃えて形成できる。この結果、本発明の実施の形態1における電極1と同様の効果を得ることができる。
【0070】
また、図10および図11に示した電極1は、同軸構造の電極1において外周電極部分25a〜25cの外周側面に溝状の切欠部26a〜26cを形成するという比較的簡単な加工を行なうことにより形成できる。
【0071】
図12は、図10および図11に示した本発明による破砕装置用電極の実施の形態3の変形例を示す斜視模式図である。図13は図12に示した破砕装置用電極の側面模式図である。図12および図13を参照して、本発明による破砕装置用電極の実施の形態3の変形例を説明する。
【0072】
図12および図13に示した破砕装置用電極としての電極1は、基本的には図10および図11に示した電極1と同様の構造を備えるが、外周電極15の構造が異なる。すなわち、図12および図13に示した電極1においては、外周電極15を構成する外周導電体部分としての外周電極部分25a〜25cにおいて切欠部26a〜26c(図10参照)は形成されず、代わりに突起部27a〜27cが形成されている。この突起部27a〜27cは、電極1の中心軸から40見てほぼ同じ方向(同じ側)に位置するように形成されている。突起部27a〜27cは、中心軸40の延びる方向とほぼ同じ方向に突出するように形成されている。
【0073】
突起部27a〜27cが形成された位置では、外周電極部分25a〜25dの間の距離が最も小さくなっている。そのため、電極1に電流を供給すると、この突起部27a〜27cが形成された部分において外周電極部分25a〜25d間に放電が発生し、アークが形成される。このため、電極1の中心軸から見てほぼ同じ方向に複数のアークを揃えて形成することができる。この結果、図10および図11に示した電極1と同様の効果を得ることができる。
【0074】
(実施の形態4)
図14は、本発明による破砕装置用電極の実施の形態4を説明するための斜視模式図である。図15は図14の線分XV−XVにおける断面模式図である。図16は図14の線分XVI−XVIにおける断面模式図である。図14〜図16を参照して、本発明による破砕装置用電極の実施の形態4を説明する。
【0075】
図14〜図16に示した破砕装置用電極としての電極1は、いわゆる同軸電極の表面の一部分が露出するようにマスキングを行なったものである。具体的には、図14〜図16を参照して、電極1は円柱状の中心導電体としての中心電極12と、この中心電極12の外周面上に、中心電極12を囲むように形成された絶縁体13と、この絶縁部材としての絶縁体13の外周面上に配置された外周導電体としての外周電極15とを備える。外周電極15は、電極1の中心軸40に沿った方向において互いに間隔を隔てて配置された外周電極部分28a〜28dからなる。また、電極1は、外周導電体部分としての外周電極部分28a〜28dの間に位置するとともに、絶縁体13の外周面上に配置された絶縁体32を備える。電極1はさらに、外周電極部分28a〜28cの外周面上に形成され、外周電極部分28a〜28cの外周面の一部のみを露出させる開口部としての溝状部30を有する絶縁被覆膜としての絶縁層29a〜29cを備える。絶縁層29a〜29cにおいては、溝状部30がそれぞれ中心軸40から見てほぼ同じ方向(同じ側)に位置する領域に形成されている。
【0076】
このように、外周電極部分28a〜28cの表面の一部のみを露出させる溝状部30を有する絶縁層29a〜29cが形成されているので、電極1に電流を供給した場合に、アークはこの溝状部30において露出した外周電極部分28a〜28cの表面と隣接する部分に発生することになる。すなわち、電極1の中心軸40(図14参照)から見て、複数のアークをほぼ同じ方向に揃えた状態で形成することができる。この結果、本発明の実施の形態1に示した電極1と同様の効果を得ることができる。
【0077】
また、図14および図15に示した電極1は、中心電極12、絶縁体13および外周電極15を備える同軸構造の電極の基本的な構造は維持したまま、絶縁層29a〜29cを形成するという比較的簡単な加工により作成できるので、電極1の製造コストが増大することを抑制できる。
【0078】
なお、この絶縁層29a〜29cとしては、外周電極部分28a〜28cの外周面上に塗布したペンキ層などの絶縁性塗料膜、接着剤層などの樹脂膜、あるいは酸化膜を用いることができる。絶縁性塗料膜は、外周電極部分28a〜28cの表面に絶縁性塗料を塗布した後硬化処理することにより形成できる。また、樹脂膜は外周電極部分28a〜28cの表面に液状の樹脂を塗布した後硬化処理する、あるいはシート状の樹脂膜を接着するといった工程により形成できる。また、酸化膜は外周電極部分28a〜28cの外周表面を酸化処理することにより形成できる。また、絶縁層29a〜29cの材料としては、電極表面31(図15参照)を部分的に露出させるような溝状部30を形成するとともに外周電極部分28a〜28cの表面との密着性が良好な絶縁体であれば他のどのような絶縁体を用いてもよい。
【0079】
(実施の形態5)
図17は、本発明による破砕装置用電極の実施の形態5を説明するための斜視模式図である。図18は、図17に示した破砕装置用電極の構造を説明するための模式図である。図17および図18を参照して、本発明による破砕装置用電極の実施の形態5を説明する。
【0080】
図17および図18に示した破砕装置用電極としてのスリーブ付電極33は、基本的には本発明の実施の形態4に示した電極1と同様の構造を備えるが、外周電極部分28a〜28cの表面の一部のみを露出させるためのマスキング方法が異なっている。すなわち、スリーブ付電極33は、同軸電極である電極1(図18参照)と、この電極1の最外周面上に着脱可能に被せる絶縁性材料としての絶縁性樹脂からなるスリーブ34とから構成される。筒状体としてのスリーブ34には、中心軸40(図17参照)の延びる方向に沿った切欠部としての溝状切欠部35が形成されている。
【0081】
電極1は、中心軸40(図17参照)に沿って延びる円柱状の中心電極12と、この中心電極12の外周面上に配置された絶縁体13と、この絶縁体13の外周面上に配置された外周電極部分28a〜28dからなる外周電極15と、外周電極部分28a〜28dの間に位置するとともに絶縁体13の外周面上に位置する絶縁体32とからなる。スリーブ付電極33は、この電極1の外周面上に樹脂製のスリーブ34を被せることにより構成されている。樹脂製のスリーブ34を電極1に被せることにより、図17に示すように、外周電極部分28a〜28cの外周面の一部のみが溝状切欠部35において露出した状態となる。このようにすれば本発明の実施の形態4における電極1と同様の効果を得ることができる。
【0082】
ここで、樹脂製のスリーブ34を構成する樹脂として比較的弾力性のある材料あるいは可撓性を有する材料を用いれば、スリーブ付電極33において複数回放電を発生させても、その放電に伴って発生する圧力波によりスリーブ34が損傷を受ける危険性を低減できる。また、このように電極1にスリーブ34を被せるといった方法を用いれば、電極1の特定部分(溝状切欠部35から露出した部分)が磨耗した場合に、スリーブ34を回転させて電極1に対する溝状切欠部35の相対的な位置を変えることができる。このようにすれば、電極1において放電が発生する部分(溝状切欠部35から露出した部分)を上述した磨耗した部分とは異なる部分とすることができる。つまり、スリーブ34を適宜回転させることにより、電極1の外周電極部分28a〜28dの外周面の全周を均等に利用することが可能となる。
【0083】
図19は、図17および図18に示したスリーブ付電極33の変形例を示す斜視模式図である。図20は図19の線分XX−XXにおける断面模式図である。図21は、図19および図20に示したスリーブ付電極を破砕対象物に形成した下孔に挿入した場合を説明するための透視模式図である。図19〜図21を参照して、本発明による破砕装置用電極の実施の形態5の変形例を説明する。
【0084】
図19〜図21を参照して、破砕装置用電極としてのスリーブ付電極33は、基本的には図17および図18に示したスリーブ付電極と同様の構造を備えるが、電極1(図18参照)に被せるスリーブ36の形状が異なる。すなわち、図19〜図21に示したスリーブ付電極33を構成するスリーブ36は、中心軸40(図19参照)の延びる方向に対してほぼ垂直な方向における断面の外周形状が楕円形状であり、その楕円形状のスリーブ36の表面の一部を除去することにより溝状切欠部35が形成されている。溝状切欠部35においては、電極1(図20参照)の外周電極部分28a〜28dの外周側面の一部が露出した状態となっている。このようなスリーブ付電極33によっても、図17および図18に示したスリーブ付電極と同様の効果を得ることができる。
【0085】
また、図21に示すように、スリーブ36の幅を、このスリーブ付電極33(図19参照)を挿入する下孔10の幅Wと等しくすることが好ましい。このようにすれば、樹脂製のスリーブ36が接触している下孔10の側壁部分には、スリーブ付電極33に電流を投入した際の放電に伴って発生する圧力波がスリーブ36を構成する樹脂を介して伝えられる。一方、下孔10の壁面のうち溝状切欠部35と対向する部分には、従来と同様に下孔10の内部に充填された水などの電解液を介して上述した圧力波が伝わる。このように、圧力波を伝達する物質が異なるため、下孔10の壁面のうち溝状切欠部35と対向する部分と、スリーブ36が接触した部分とでは圧力波の伝達条件が異なる。したがって、スリーブ付電極33に電流を投入した際に発生する圧力波を、下孔10の壁面に対して不均一に伝えることができる(下孔10の壁面のうち溝状切欠部35と対向する部分に集中的に伝えることができる)。したがって、より効率的に下孔10が形成された破砕対象物を破壊することができる。
【0086】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0087】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、複数のアークを発生させることにより破砕を行なう破砕装置用電極において、発生する複数のアークを破砕装置用電極の中心軸から見て特定方向に位置する領域に発生させることができる。このため、破砕対象物に形成した下孔の内部に破砕装置用電極を挿入して破砕を行なう場合、下孔の壁面の特定領域に集中的にアークに伴う圧力波を作用させることができる。この結果、破砕対象物を効率的に破砕できるので、充分な破砕力を有する破砕装置用電極および破砕装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による破砕装置用電極およびその破砕装置用電極を用いた破砕装置の実施の形態1の構成を説明するための模式図である。
【図2】図1に示した破砕装置用電極の先端部を示す斜視模式図である。
【図3】図2の線分III−IIIにおける断面模式図である。
【図4】図2の線分IV−IVにおける断面模式図である。
【図5】図1〜図4に示した破砕用電極の実施の形態1の変形例を示す断面模式図である。
【図6】本発明による破砕装置用電極の実施の形態2を示す斜視模式図である。
【図7】図6の線分VII−VIIにおける断面模式図である。
【図8】図6および図7に示した破砕装置用電極の変形例を示す斜視模式図である。
【図9】図8の線分IX−IXにおける断面模式図である。
【図10】本発明による破砕装置用電極の実施の形態3を示す斜視模式図である。
【図11】図10の線分XI−XIにおける断面模式図である。
【図12】図10および図11に示した本発明による破砕装置用電極の実施の形態3の変形例を示す斜視模式図である。
【図13】図12に示した破砕装置用電極の側面模式図である。
【図14】本発明による破砕装置用電極の実施の形態4を説明するための斜視模式図である。
【図15】図14の線分XV−XVにおける断面模式図である。
【図16】図14の線分XVI−XVIにおける断面模式図である。
【図17】本発明による破砕装置用電極の実施の形態5を説明するための斜視模式図である。
【図18】図17に示した破砕装置用電極の構造を説明するための模式図である。
【図19】図17および図18に示したスリーブ付電極の変形例を示す斜視模式図である。
【図20】図19の線分XX−XXにおける断面模式図である。
【図21】図19および図20に示したスリーブ付電極を破砕対象物に形成した下孔に挿入した場合を説明するための透視模式図である。
【図22】本発明に関連する破砕装置を示す模式図である。
【図23】図22に示した破砕装置を構成する電極の先端部を示す部分側面模式図である。
【図24】図23に示した電極の断面模式図である。
【図25】図23の線分XXV−XXVにおける断面模式図である。
【図26】従来の破砕装置を示す模式図である。
【図27】図26に示した破砕装置の基本的な構成を示す模式図である。
【図28】図27に示した電極の先端部を示す部分拡大模式図である。
【符号の説明】
1 電極、2 破砕対象物、4 パルスパワー供給部、5 同軸ケーブル、7スイッチ、8 コンデンサ、9 電源、10 下孔、11 水、12 中心電極、13,32 絶縁体、14a〜14d,20a〜20e,25a〜25d,28a〜28d 外周電極部分、15 外周電極、16 コネクタ部、17a,17b 矢印、18 放電位置、21a〜21d,24a 固定用穴、22 ひも、23 固定部、26a〜26c 切欠部、27a〜27c 突起部、29a〜29c 絶縁層、30 溝状部、31 電極表面、33 スリーブ付電極、34,36 スリーブ、35 溝状切欠部、40 中心軸。
【発明の属する技術分野】
この発明は、破砕装置用電極および破砕装置に関し、より特定的には、岩石などを効率的に破砕可能な破砕装置用電極および破砕装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
岩石などを破壊するための従来の破砕方法としては、電極において放電を発生させて、その放電エネルギーを利用して破砕する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図26は、特許文献1に示された従来の破砕装置を示す模式図である。図27は、図26に示した破砕装置の基本的な構成を示す模式図である。図28は、図27に示した電極の先端部を示す部分拡大模式図である。図26〜28を参照して、特許文献1に開示された破砕方法を実施するための破砕装置の構造および動作について説明する。
【0004】
図26〜28を参照して、まず、従来の破砕装置の構造を簡単に説明する。パルスパワー源106は、コンデンサ108、スイッチ107などを含む回路からなっている。このパルスパワー源106には電源109が接続されている。パルスパワー源106の回路、この回路を含む筐体および破砕装置を搭載する車体は接地されている。
【0005】
岩石などを破壊するための破壊電極である同軸電極101は、パルスパワー源106と同軸ケーブル105によって接続されている。同軸電極101の先端には、中心電極112と、この中心電極112の外周側に絶縁体113を介して位置する外周電極115とが配置されている。中心電極112と外周電極115との一方は接地され、他方にはパルスパワー源106のスイッチ107が閉じられたときにコンデンサ108に蓄えられた電荷が導入される。
【0006】
次に従来の破砕方法を説明する。破壊対象となる岩石などに、ドリルなどを用いてあらかじめ下孔110を形成する。この下孔110の中に水111などの電解液を注入する。この下孔110に同軸電極101を挿入する。そして、電源109で電荷を発生させ、この電荷をコンデンサ108に蓄積する。なお、コンデンサ108の片側の極は接地されている。
【0007】
次に、コンデンサ108に十分に電荷が蓄積された後にスイッチ107を閉じることによって、同軸ケーブル105を介して同軸電極101に電荷が供給される。そして、同軸電極101の先端において、中心電極112と外周電極115との間に電位差が生じることにより放電が起こる。このとき、同軸電極101の先端付近の電解液が放電エネルギーによってプラズマ化することにより、圧力波が発生する。この圧力波により、同軸電極101の周囲の岩石などを破壊する。
【0008】
また、岩石を破砕する際、岩石に下孔を形成して、その下孔の壁面の全ての方向に均等に力を加えると割れ難いが、壁面に力を不均等に加えると容易に岩石を破砕できることが知られている(たとえば非特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開平4−222794号公報
【0010】
【非特許文献1】
光る企業/神島組,「神戸新聞」,平成14年5月28日
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
電極での放電に起因する圧力波により岩石などの破砕対象物を破砕する場合、下孔110の内壁の特定方向に圧力波を集中的に作用させることができれば、破砕対象物に力を不均等に加えることになるので、破砕対象物を効率的に破砕できる(つまり、充分な破砕力を実現できる)と考えられる。しかし、上述した従来の破砕装置では同軸電極101の先端付近で放電が起こるが、その放電の発生位置を正確に制御することは困難である。そのため、この放電により形成された圧力波を下孔110の側壁の特定方向に集中的に作用させることは困難であった。つまり、従来の破砕装置では、破砕対象物の内部から特定方向に集中的に力を作用させることは難しいため、エネルギーを破砕対象物の特定方向に集中させることにより破砕対象物を効率的に破砕すること(充分な破砕力を得ること)は困難であった。
【0012】
この発明は、上記のような課題を解決するために成されたものであり、この発明の目的は、充分な破砕力を有する破砕装置用電極および破砕装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明の1の局面に従った破砕装置用電極は、中心導電体と絶縁部材と外周導電体とを備える。中心導電体は中心軸に沿って延在し、外周面を有する。絶縁部材は中心導電体の外周面上に配置されている。外周導電体は絶縁部材を囲むように配置されている。外周導電体は複数の外周導電体部分を含む。複数の外周導電体部分は、中心軸の延びる方向において互いに間隔を隔てて配置されている。中心軸の延びる方向とほぼ垂直な方向における複数の外周導電体部分の断面の外周形状は、中心軸からの距離が互いに異なる部分を有する。
【0014】
このようにすれば、外周導電体部分の断面形状をいわゆる非円形状(たとえば楕円形状や多角形状など)にすることができる。そして、破砕装置用電極に電流を供給した際にこの破砕装置用電極に電流が流れる電流経路として、上記外周形状において中心軸からの距離が最も小さい部分近傍を電流が流れる場合(経路1)と、中心軸からの距離が最も大きい部分近傍を電流が流れる場合(経路2)とを考える。この場合、経路1により囲まれる部分の面積は経路2により囲まれる部分の面積より小さくなる(つまり、経路1の長さは経路2の長さより短くなる)。
【0015】
このため、経路1および経路2をそれぞれ電気回路として考えた場合、経路1のインピーダンスは経路2のインピーダンスより小さくなる。したがって、破砕装置用電極に電流を供給すると、電流は経路1を流れる。この結果、経路1上のギャップ(外周導電体部分の間の間隙)において放電が発生するので、上記外周形状において中心軸からの距離が最も小さい部分を特定の方向に配置すれば、その特定の方向に向いた側で放電を発生させることが可能になる。つまり、放電の発生位置を制御することができる。その結果、放電により発生する圧力波を破砕装置用電極の中心軸から見た特定方向に集中的に作用させることができるので、破砕対象物を効率的かつ確実に破砕できる。このようにして、十分な破砕能力を有する破砕装置用電極を実現できる。
【0016】
上記1の局面に従った破砕装置用電極では、複数の外周導電体部分のそれぞれについて、断面の外周形状における中心軸からの距離が最も小さい部分は、中心軸から見てほぼ同じ方向に揃うように配置されていてもよい。
【0017】
この場合、上述したように外周形状における中心軸からの距離が最も小さい部分において放電が発生するので、複数の外周導電体部分の間で発生する複数の放電の発生する位置を中心軸から見てほぼ同じ方向に揃えることができる。この結果、破砕装置用電極から見て同じ方向の側面において集中的に圧力波を発生させることができるので、破砕対象物に対して複数の放電に起因する圧力波を特定方向から集中的に作用させることができる。このため、破砕対象物を確実に破砕することができる。
【0018】
上記1の局面に従った破砕装置用電極において、複数の外周導電体部分の断面の外周形状は楕円形および多角形からなる群から選択される1つであってもよい。
【0019】
この場合、断面の外周形状が楕円形または多角形である外周導電体部分は比較的簡単な加工により形成することができるので、断面の外周形状において中心軸からの距離が互いに異なる部分を有する外周導電体部分を容易に実現できる。
【0020】
上記1の局面に従った破砕装置用電極において、複数の外周導電体部分の外周部には、中心軸から見てほぼ同じ方向に位置する領域に溝が形成されていてもよい。上記溝は中心軸の延びる方向とほぼ同じ方向に延在するように形成されていてもよい。
【0021】
この場合、外周導電体部分の外周部に溝を形成するという簡単な加工により、断面の外周形状において中心軸からの距離が互いに異なる部分を有する外周導電体部分を容易に実現できる。つまり、溝を形成することにより、溝の底部と溝が形成されていない外周部という、中心軸からの距離が異なる部分を形成できる。
【0022】
そして、溝の深さを充分深くしておけば、溝の底部を中心軸からの距離が最も小さい部分とすることができる。このため、複数の外周導電体部分の外周部に、中心軸から見てほぼ同じ方向に揃うように溝を形成することで、上記距離が最も小さい部分を破砕装置用電極の側面の特定方向(中心軸から見てほぼ同じ方向)に並べて配置できる。すでに述べたように上記距離が最も小さい部分はインピーダンスが最も小さい電流経路となるため、この溝に隣接した部分で放電を発生させることができる。この結果、放電による圧力波を破砕装置用電極の側面の特定方向から破砕対象物へ集中的に作用させることができる。
【0023】
この発明の他の局面に従った破砕装置用電極は、中心導電体と絶縁部材と外周導電体とを備える。中心導電体は中心軸に沿って延在し、外周面を有する。絶縁部材は中心導電体の外周面上に配置されている。外周導電体は絶縁部材を囲むように配置されている。外周導電体は、中心軸の延びる方向において互いに間隔を隔てて配置された複数の外周導電体部分を含む。複数の外周導電体部分は、中心軸から見てほぼ同じ方向に位置する領域において、中心軸の延びる方向とほぼ同じ方向に突出する凸部を有する。
【0024】
このようにすれば、凸部が形成された部分では複数の外周導電体部分の間の距離が他の部分より小さくなる。そのため、凸部が形成された部分の近傍において、複数の外周導電体部分の間の間隙で放電を発生させることができる。このため、破砕装置用電極の側面の特定方向(中心軸から見てほぼ同じ方向)から破砕対象物へ放電に起因する圧力波を作用させることができる。したがって、破砕対象物を効率的に破砕できるため、充分な破砕能力を備える破砕装置用電極を実現できる。
【0025】
上記1の局面または他の局面に従った破砕装置用電極は、複数の外周導電体部分を互いに固定する固定部材をさらに備えていてもよい。
【0026】
この場合、固定部材を配置することにより、外周導電体部分の間の距離や、外周導電体部分において中心軸からの距離が最も小さい部分の位置を容易に固定できる。
【0027】
この発明の別の局面に従った破砕装置用電極は、中心導電体と絶縁部材と外周導電体と絶縁被覆膜とを備える。中心導電体は中心軸に沿って延在し、外周面を有する。絶縁部材は中心導電体の外周面上に配置されている。外周導電体は絶縁部材を囲むように配置されている。外周導電体は、中心軸の延びる方向において互いに間隔を隔てて配置された複数の外周導電体部分を含む。絶縁被覆膜は外周導電体部分の表面を覆うように形成されている。絶縁被覆膜は、複数の外周導電体部分において中心軸から見てほぼ同じ方向に位置する表面領域を露出させる開口部を有する。
【0028】
このようにすれば、中心導電体、絶縁部材および外周導電体といういわゆる同軸構造の電極において、その基本構造を維持したまま、絶縁被覆膜を形成することにより放電の発生場所を任意の位置に決定できる。つまり、外周導電体部分を覆うように絶縁被覆膜が形成された部分では、外周導電体部分同士が絶縁被覆膜により互いに絶縁されるため、外周導電体部分の間において放電は発生しない。一方、複数の外周導電体部分において絶縁被覆膜の開口部が形成された部分の間では、上記外周導電体部分の露出した表面領域の間で放電が起きる。したがって、破砕装置用電極において放電を発生させたい領域に、絶縁被覆膜の開口部を配置することで、当該領域において放電を発生させることができる。この結果、破砕対象物に形成した下孔に破砕装置用電極を挿入して放電を発生させる際、放電により発生する圧力波を下孔の側壁面の特定部に集中的に作用させることができる(圧力波により下孔の側壁面に加えられる圧力分布を不均一な状態とすることができる)このため、破砕対象物を効率的に破砕できる。
【0029】
上記別の局面に従った破砕装置用電極において、絶縁被覆膜は、外周導電体部分上に塗布された絶縁性塗料膜、樹脂膜および酸化膜からなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
【0030】
この場合、外周導電体部分の表面に絶縁性塗料を塗布する、または外周導電体部分の表面に樹脂を塗布あるいは接着する、または外周導電体部分の表面に酸化処理を施すといった比較的簡単な加工により、本発明による破砕装置用電極を得ることができる。
【0031】
上記別の局面に従った破砕装置用電極において、絶縁被覆膜は外周導電体部分と着脱可能であってもよい。絶縁被覆膜は中心軸の延びる方向とほぼ同じ方向に延びる筒状体であってもよい。筒状体は絶縁性材料により構成されていてもよい。筒状体の側壁面には、中心軸の延びる方向に沿って開口部となるべき切欠部が形成されていてもよい。また、筒状体は可撓性を有する樹脂により構成されていてもよい。
【0032】
この場合、中心導電体、絶縁部材および外周導電体からなる同軸電極に、絶縁被覆膜としての筒状体を装着することにより、容易に本発明による破砕装置用電極を実現できる。また、可撓性を有する樹脂により筒状体を形成すれば、破砕の際の圧力波による応力が筒状体に作用しても、筒状体が弾性変形することにより、その応力を筒状体が吸収することができる。したがって、上記応力により筒状体が破損する危険性を小さくできる。
【0033】
また、外周導電体部分のうち筒状体の切欠部(絶縁被覆膜の開口部)から露出した表面が破砕作業に伴って磨耗したような場合、中心軸を中心として筒状体を回転させることで、上記切欠部から露出する外周導電体部分の表面の位置を変えることができる。このため、外周導電体部分の表面全体を破砕に利用できる。
【0034】
この発明のその他の局面に従った破砕装置は、上記1の局面または他の局面または別の局面に従った破砕装置用電極を備える。
【0035】
このようにすれば、充分な破砕能力を備える破砕装置を容易に得ることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
発明者は、破砕に利用されるエネルギーを大きくすることができる(高い破砕能力を有する)破砕装置として、図22に示すような破砕装置を発明した。図22は、本発明に関連する破砕装置を示す模式図である。図23は、図22に示した破砕装置を構成する電極の先端部を示す部分側面模式図である。図24は、図23に示した電極の断面模式図である。図25は、図23の線分XXV−XXVにおける断面模式図である。図22〜図25を参照して、本発明に関連する破砕装置を説明する。
【0037】
図22〜図25を参照して、本発明に関連する破砕装置は、電極1とパルスパワー供給部4とを備える。パルスパワー供給部4はコンデンサ8、スイッチ7、コンデンサ8に電荷を供給するための電源9などを含む回路からなる。パルスパワー供給部4の回路は接地されている。破砕装置用電極である電極1はパルスパワー供給部4と同軸ケーブル5により接続されている。同軸ケーブル5は電極1の後端に設置されたコネクタ部16に接続されている。
【0038】
電極1は、中心軸にそって延在する中心電極12と、この中心電極12の外周面上に配置された絶縁体13と、この絶縁体13の外周面上に配置された外周電極15とを備える同軸電極である。外周電極15は、互いに間隔を隔てて配置された複数の外周電極部分14a〜14dからなる。
【0039】
次に、図22〜図25に示した破砕装置の動作を簡単に説明する。図22に示すように、電極1は、岩石などの破砕対象物2に形成された下孔10の内部に挿入される。下孔10の内部には電解液としての水11が配置される。そして、この状態でパルスパワー供給部4のスイッチ7を閉じると、予めコンデンサ8に蓄積されていた電荷が同軸ケーブル5を介して電極1に供給される。この結果、中心電極12の先端部と外周電極部分14aとの間、さらに外周電極部分14a〜14dの間においてそれぞれ放電が発生し、アークが形成される。この結果、下孔10の内部の水が放電エネルギーによりプラズマ化することにより圧力波が発生する。この圧力波により破砕対象物2を破砕できる。そして、図22に示した破砕装置では、複数のアークを形成することにより、破砕に利用されるエネルギーを大きくすることができる。
【0040】
しかし、図22〜図25に示した破砕装置では、外周電極部分14a〜14dの間の距離を電極1の円周方向においてほぼ一定としているため、外周電極部分14a〜14dのそれぞれの間で、電極1の円周方向においてランダムな位置にアークが形成される。その結果、アークに起因する圧力波による応力は、下孔10の壁面全体にほぼ均等に加えられることになる。つまり、図22〜図25に示した破砕装置では、下孔10の壁面の一部に集中的に応力を加えることは難しく、アークの形成位置により破砕力にばらつきが発生していた。
【0041】
発明者は、図22〜図25に示したような破砕装置の電極1の構造についてさらに研究した結果、電極1においてインピーダンスの小さな電流経路を作ることによってアークの発生位置を制御できることを見出し、本発明を完成した。以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
【0042】
(実施の形態1)
図1は、本発明による破砕装置用電極およびその破砕装置用電極を用いた破砕装置の実施の形態1の構成を説明するための模式図である。図2は、図1に示した破砕装置用電極の先端部を示す斜視模式図である。図3は図2の線分III−IIIにおける断面模式図である。図4は図2の線分IV−IVにおける断面模式図である。図1〜図4を参照して、本発明による破砕装置用電極および破砕装置の実施の形態1を説明する。
【0043】
図1〜図4を参照して、本発明による破砕装置は、破砕装置用電極である電極1と、この電極1にパルスパワーを供給するためのパルスパワー供給部4とからなる。電極1は、その後端部にコネクタ部16が形成される。電極1は、コネクタ部16に接続された同軸ケーブル5を介してパルスパワー供給部4に接続されている。パルスパワー供給部4は、コンデンサ8、このコンデンサ8に電荷を供給する電源9、さらに電極1への電荷の投入を制御するためのスイッチ7などを含む。パルスパワー供給部4は図示していないが接地されている。
【0044】
電極1は、中心軸40(図2参照)に沿って延在し、外周面を有する中心導電体としての中心電極12と、この中心電極12の外周面上に配置された絶縁部材としての絶縁体13と、絶縁体13の外周面上に配置された外周導電体としての外周電極15とからなる。外周電極15は、絶縁体13の外周面上において、電極1の中心軸40(図2参照)の延びる方向において互いに間隔を隔てて配置された外周導電体部分としての外周電極部分14a〜14dからなる。中心電極12および外周電極部分14a〜14dを構成する材料としては、導電体であれば金属などどのような材料を用いてもよい。また、絶縁体13の材料としては、FRP(Fiber reinforced plastics)やその他の絶縁性の材料を用いてもよい。
【0045】
図4からもわかるように、中心軸の延びる方向とほぼ垂直な方向における中心電極12の断面形状はほぼ円形状であり、絶縁体13の断面の外周形状もほぼ円形状である。そして、中心軸40(図2参照)の延びる方向に対してほぼ垂直な方向における外周電極部分14a〜14dの断面の外周形状は、図2および図4からもわかるように楕円形状となっている。このような断面が楕円形状の外周電極部分14a〜14dは比較的簡単な加工により形成できる。また、図2からも分かるように、電極1では外周電極部分14a〜14dにおいて矢印17bで示した部分に隣接する領域(中心軸40からの距離が最も小さい領域)が、中心軸40から見てほぼ同じ側に揃うように配置されている。
【0046】
ここで、電極1に電流を流した場合の電流経路のインピーダンスを考える。電極1に電流を供給して矢印17a(図2参照)で示す位置において放電が発生した場合の、電極1における電流経路(経路1)のインピーダンスの値をZ1とする。また、矢印17b(図2参照)で示す位置において放電が発生した場合の電極1における電流経路(経路2)のインピーダンスの値をZ2とする。矢印17aで示す位置より矢印17bで示す位置の方が電極1の中心軸40(図2参照)に近い。また、外周電極部分14a〜14dの図4に示した断面の外周形状において、矢印17bで示した部分に隣接する領域は、矢印17aで示した部分に隣接する領域より中心軸40からの距離が小さくなっている。
【0047】
そのため、経路2の方が経路1よりも経路長は短くなる(つまり、経路1により囲まれる領域の面積より経路2により囲まれる領域の面積が小さくなる)。このため、経路2のインピーダンスの値Z2は経路1のインピーダンスの値Z1より小さくなる。したがって、電極1に電流を供給した場合、電流は経路2を流れるので、外周電極部分14a〜14dの厚みが最も薄くなっている部分、すなわち図4に示した放電位置18において放電が発生する。
【0048】
このように、外周電極部分14a〜14dの形状を変更してインピーダンスが小さくなる部分(厚みが薄くなる部分)を形成することにより、この厚みが薄くなった部分において優先的に放電を発生させることができる。つまり、厚みが薄くなった部分の位置を適宜変更することで、放電の発生する位置(アークの形成される位置)を任意に変更できる。
【0049】
また、図1〜図4に示した電極1では、外周電極部分14a〜14dにおける厚みの薄くなった部分が、中心軸40から見てほぼ同じ方向に揃うように配置されている。この結果、放電により発生する圧力波を、電極1の中心軸40(図2参照)から見て厚みが薄くなった部分が位置する方向に集中的に作用させることができる。したがって、破砕対象物2の下孔10の壁面に不均一な応力を加えることができるので、破砕対象物2を効率的に破砕できる。
【0050】
次に、図1〜図4に示した破砕装置を用いた破砕方法を簡単に説明する。図1に示すように、岩石などの破砕対象物2の所定部分に電極1を挿入することが可能な大きさの下孔10を形成する。そして、下孔10の内部に電極1の先端部を挿入するとともに、下孔10の内部に電解液としての水11を配置する。一方、パルスパワー供給部4においては、電源9からコンデンサ8に所定量の電荷を蓄積する。
【0051】
そして、コンデンサ8に必要な量の電荷を蓄積した状態で、パルスパワー供給部4のスイッチ7を閉じる。このようにすれば、パルスパワー供給部4のコンデンサ8に蓄えられた電荷が、パルスパワー供給部4から同軸ケーブル5およびコネクタ部16を介して電極1に導入される。この結果、電極1の先端部における中心電極12と外周電極部分14aとの間のギャップにおいて放電が発生し、アークが形成される。また、同様に外周電極部分14a〜14dの間のギャップにおいてそれぞれ放電が発生し、アークが形成される。
【0052】
このとき、上述のように外周電極部分14a〜14dの厚みが最も薄くなった部分に隣接する領域(放電位置18)においてアークが形成される。このため、下孔10の内部の水11が放電エネルギーによってプラズマ化することにより圧力波が発生する。この圧力波により、電極1の周囲の破砕対象物2を破壊できる。
【0053】
また、上述のように電極1においてアークが形成される部分は、電極1の中心軸40(図2参照)から見て外周電極部分14a〜14dの厚みが最も薄くなった部分が位置する領域にほぼ限定される。つまり、電極1の円周方向の特定の位置においてアークを形成することができるので、アークの発生した領域に対向する下孔10の側壁面の領域に、アークに伴って発生する圧力波を集中的に作用させることができる。このため、破砕対象物2を効率的に破壊することができる。
【0054】
図5は、図1〜図4に示した破砕用電極の実施の形態1の変形例を示す断面模式図である。図5は図4に対応する。図5に示した破砕装置用電極としての電極1は、基本的には図1〜図4に示した破砕装置用電極としての電極1と同様の構造を備えるが、中心電極12および絶縁体13の断面形状が異なる。図1〜図4に示した電極1における中心電極12の断面形状および絶縁体13の断面の外周形状はほぼ円形状であったが、図5に示した電極1においては、中心電極12の断面形状は楕円形状となっている。また、絶縁体13の断面の外周形状も楕円形状となっている。この場合も、図1〜図8に示した電極1と同様に、放電位置18において集中的にアークを形成できる。
【0055】
(実施の形態2)
図6は、本発明による破砕装置用電極の実施の形態2を示す斜視模式図である。図7は図6の線分VII−VIIにおける断面模式図である。図6および図7を参照して、本発明による破砕装置用電極の実施の形態2を説明する。
【0056】
図6および図7に示すように、破砕装置用電極である電極1は基本的には図1〜図4に示した電極1と同様の構造を備えるが、外周電極15の形状が異なっている。図6および図7に示した電極1の外周電極15は、電極1の中心軸40(図6参照)の延びる方向とほぼ垂直な方向における断面の外周形状が四角形状の外周電極部分20a〜20dおよび円筒状の外周電極部分20eからなる。このような外周電極部分20a〜20dは比較的簡単な加工により作成することができる。
【0057】
そして、図6および図7に示したような電極1によっても、図1〜図4に示した電極1と同様の効果を得ることができる。すなわち、図6および図7に示した電極1においては、電極1に電流を供給した場合に、17aにおいてアークが形成された場合の電流経路のインピーダンスよりも、矢印17bにおいてアークが発生した場合の電流経路のインピーダンスが小さくなる。そのため、矢印17bにより示した位置、すなわち外周電極部分20a〜20dの厚みが最も薄くなった部分に隣接する位置においてアークが形成される。このため、電極1においてアークが形成される位置(電極1の中心軸から見た場合の円周方向における位置)を外周電極部分20a〜20dの間のギャップごとにほぼ揃えることができる。この結果、上述のように本発明の実施の形態1における電極1と同様に破砕対象物を効率的に破壊することができる。
【0058】
図8は、図6および図7に示した破砕装置用電極の変形例を示す斜視模式図である。図9は図8の線分IX−IXにおける断面模式図である。図8および図9を参照して、本発明による破砕装置用電極の実施の形態2の変形例を説明する。
【0059】
図8および図9に示すように、電極1は基本的には図6および図7に示した電極1と同様の構造を備えるが、外周電極部分20a〜20dにおいて、電極1の中心軸に沿った方向に延びる貫通孔である固定用穴21a〜21dが形成されている。そして、固定用穴21a〜21dには固定用のひも22が挿入されている。ひも22の一方端部は外周電極部分20aと固定部23において固定されている。また、ひも22の上述した一方端部と反対側に位置する他方端部は、図示していないが外周電極部分20dと固定部(図示せず)において固定されている。
【0060】
また、図9に示すように、外周電極部分20aは、電極1の先端部において中心電極12の外周面と直接接触した状態で、この中心電極12に接続固定されている。また、外周電極部分20dは、外周電極部分20dよりもコネクタ部16(図1参照)側において絶縁体13の外周面を覆うように配置された外周電極部分20eの外周面上に直接接続固定されている。この結果、中心電極12に直接固定された外周電極部分20aと外周電極部分20eに直接固定された外周電極部分20dとの間において、外周電極部分20a、20dにひも22(図8参照)を介して外周電極部分20b、20cを連結した状態で固定できる。したがって、外周電極部分20b、20cが絶縁体13の周囲を回転してその位置がずれることを抑制できる。
【0061】
また、固定部材としてのひも22は破砕の際の圧力波によって応力を受けるが、このひも22自体は柔軟に変形可能な材料からなる。そのため、ひも22が圧力波によって切断される危険性は少ない。したがって、電極1において放電を複数回発生させて破砕を行なうような場合に、ひも22が圧力波によって切れてしまうといった事故の発生確率を低くできる。
【0062】
また、ひも22と外周電極部分20a〜20dとをそれぞれ固定するとともに、ひも22に対して張力をかけておけば、電極1の中心軸40(図8参照)に沿った方向における外周電極部分20a〜20dの位置をひも22によって固定することもできる。
【0063】
なお、図8および図9に示した電極1においては1本のひも22を用いているが、外周電極部分20a〜20dのそれぞれにおいて他の固定用穴24aを形成するとともに、この他の固定用穴に他のひもを通して外周電極部分20a〜20dの位置を固定してもよい。この場合、ひも22と上記他のひもとを用いることにより、確実に外周電極部分20a〜20dの位置を固定することができる。
【0064】
また、本発明による電極1の外周電極部分20a〜20dの中心軸40(図6参照)にほぼ垂直な方向における断面の外周形状は、図6〜図9に示したような四角形状以外の任意の多角形状であってよいし、その他の任意の形状、たとえば星形などであってもよい。
【0065】
(実施の形態3)
図10は、本発明による破砕装置用電極の実施の形態3を示す斜視模式図である。図11は図10の線分XI−XIにおける断面模式図である。図10および図11を参照して、本発明による破砕装置用電極の実施の形態3を説明する。
【0066】
図10および図11に示すように、破砕装置用電極である電極1は基本的には図1〜図4に示した電極1と同様の構造を備えるが、外周電極15の構造が異なっている。すなわち、図10および図11に示した電極1において、外周電極15は、電極1の中心軸40にほぼ垂直な方向における断面の外周形状が円形状の外周電極部分25a〜25dにより構成されている。また、外周導電体部分としての外周電極部分25a〜25cの外周面には、電極1の中心軸40から見てほぼ同じ方向に揃った位置に溝としての切欠部26a〜26cが形成されている。
【0067】
このような切欠部26a〜26cを形成することにより、電極1に電流を供給した場合にアークの発生する位置をこの切欠部26a〜26cが形成された部分に集中させることができる。具体的には、電極1に電流を供給した場合、外周電極部分25a〜25cの切欠部26a〜26cの上端(切欠部26a〜26cと外周電極部分25a〜25cの外周側面との接続部)に位置するエッジ部には電界が集中しやすい。そのため、外周電極部分25a〜25cの間の空間であって、このエッジ部に挟まれた部分において放電が発生する。すなわち、このエッジ部が放電の起点となる。
【0068】
そして、この放電の起点となったエッジ部同士の間で放電が発生して電流が流れ始めた後、電極1においてインピーダンスが最小となるのは切欠部26a〜26cの底部(中心軸40に最も近い部分)同士の間でアークが発生して電流が流れている状態である。そのため、この切欠部26a〜26cの底部同士の間にアークが形成された状態で、安定してアークが形成される。
【0069】
この場合に、形成されるアークは、中心軸40の延びる方向において切欠部26a〜26cと並んだような位置に形成される。そのため、中心軸40から見てほぼ同じ方向に、複数のアークを揃えて形成できる。この結果、本発明の実施の形態1における電極1と同様の効果を得ることができる。
【0070】
また、図10および図11に示した電極1は、同軸構造の電極1において外周電極部分25a〜25cの外周側面に溝状の切欠部26a〜26cを形成するという比較的簡単な加工を行なうことにより形成できる。
【0071】
図12は、図10および図11に示した本発明による破砕装置用電極の実施の形態3の変形例を示す斜視模式図である。図13は図12に示した破砕装置用電極の側面模式図である。図12および図13を参照して、本発明による破砕装置用電極の実施の形態3の変形例を説明する。
【0072】
図12および図13に示した破砕装置用電極としての電極1は、基本的には図10および図11に示した電極1と同様の構造を備えるが、外周電極15の構造が異なる。すなわち、図12および図13に示した電極1においては、外周電極15を構成する外周導電体部分としての外周電極部分25a〜25cにおいて切欠部26a〜26c(図10参照)は形成されず、代わりに突起部27a〜27cが形成されている。この突起部27a〜27cは、電極1の中心軸から40見てほぼ同じ方向(同じ側)に位置するように形成されている。突起部27a〜27cは、中心軸40の延びる方向とほぼ同じ方向に突出するように形成されている。
【0073】
突起部27a〜27cが形成された位置では、外周電極部分25a〜25dの間の距離が最も小さくなっている。そのため、電極1に電流を供給すると、この突起部27a〜27cが形成された部分において外周電極部分25a〜25d間に放電が発生し、アークが形成される。このため、電極1の中心軸から見てほぼ同じ方向に複数のアークを揃えて形成することができる。この結果、図10および図11に示した電極1と同様の効果を得ることができる。
【0074】
(実施の形態4)
図14は、本発明による破砕装置用電極の実施の形態4を説明するための斜視模式図である。図15は図14の線分XV−XVにおける断面模式図である。図16は図14の線分XVI−XVIにおける断面模式図である。図14〜図16を参照して、本発明による破砕装置用電極の実施の形態4を説明する。
【0075】
図14〜図16に示した破砕装置用電極としての電極1は、いわゆる同軸電極の表面の一部分が露出するようにマスキングを行なったものである。具体的には、図14〜図16を参照して、電極1は円柱状の中心導電体としての中心電極12と、この中心電極12の外周面上に、中心電極12を囲むように形成された絶縁体13と、この絶縁部材としての絶縁体13の外周面上に配置された外周導電体としての外周電極15とを備える。外周電極15は、電極1の中心軸40に沿った方向において互いに間隔を隔てて配置された外周電極部分28a〜28dからなる。また、電極1は、外周導電体部分としての外周電極部分28a〜28dの間に位置するとともに、絶縁体13の外周面上に配置された絶縁体32を備える。電極1はさらに、外周電極部分28a〜28cの外周面上に形成され、外周電極部分28a〜28cの外周面の一部のみを露出させる開口部としての溝状部30を有する絶縁被覆膜としての絶縁層29a〜29cを備える。絶縁層29a〜29cにおいては、溝状部30がそれぞれ中心軸40から見てほぼ同じ方向(同じ側)に位置する領域に形成されている。
【0076】
このように、外周電極部分28a〜28cの表面の一部のみを露出させる溝状部30を有する絶縁層29a〜29cが形成されているので、電極1に電流を供給した場合に、アークはこの溝状部30において露出した外周電極部分28a〜28cの表面と隣接する部分に発生することになる。すなわち、電極1の中心軸40(図14参照)から見て、複数のアークをほぼ同じ方向に揃えた状態で形成することができる。この結果、本発明の実施の形態1に示した電極1と同様の効果を得ることができる。
【0077】
また、図14および図15に示した電極1は、中心電極12、絶縁体13および外周電極15を備える同軸構造の電極の基本的な構造は維持したまま、絶縁層29a〜29cを形成するという比較的簡単な加工により作成できるので、電極1の製造コストが増大することを抑制できる。
【0078】
なお、この絶縁層29a〜29cとしては、外周電極部分28a〜28cの外周面上に塗布したペンキ層などの絶縁性塗料膜、接着剤層などの樹脂膜、あるいは酸化膜を用いることができる。絶縁性塗料膜は、外周電極部分28a〜28cの表面に絶縁性塗料を塗布した後硬化処理することにより形成できる。また、樹脂膜は外周電極部分28a〜28cの表面に液状の樹脂を塗布した後硬化処理する、あるいはシート状の樹脂膜を接着するといった工程により形成できる。また、酸化膜は外周電極部分28a〜28cの外周表面を酸化処理することにより形成できる。また、絶縁層29a〜29cの材料としては、電極表面31(図15参照)を部分的に露出させるような溝状部30を形成するとともに外周電極部分28a〜28cの表面との密着性が良好な絶縁体であれば他のどのような絶縁体を用いてもよい。
【0079】
(実施の形態5)
図17は、本発明による破砕装置用電極の実施の形態5を説明するための斜視模式図である。図18は、図17に示した破砕装置用電極の構造を説明するための模式図である。図17および図18を参照して、本発明による破砕装置用電極の実施の形態5を説明する。
【0080】
図17および図18に示した破砕装置用電極としてのスリーブ付電極33は、基本的には本発明の実施の形態4に示した電極1と同様の構造を備えるが、外周電極部分28a〜28cの表面の一部のみを露出させるためのマスキング方法が異なっている。すなわち、スリーブ付電極33は、同軸電極である電極1(図18参照)と、この電極1の最外周面上に着脱可能に被せる絶縁性材料としての絶縁性樹脂からなるスリーブ34とから構成される。筒状体としてのスリーブ34には、中心軸40(図17参照)の延びる方向に沿った切欠部としての溝状切欠部35が形成されている。
【0081】
電極1は、中心軸40(図17参照)に沿って延びる円柱状の中心電極12と、この中心電極12の外周面上に配置された絶縁体13と、この絶縁体13の外周面上に配置された外周電極部分28a〜28dからなる外周電極15と、外周電極部分28a〜28dの間に位置するとともに絶縁体13の外周面上に位置する絶縁体32とからなる。スリーブ付電極33は、この電極1の外周面上に樹脂製のスリーブ34を被せることにより構成されている。樹脂製のスリーブ34を電極1に被せることにより、図17に示すように、外周電極部分28a〜28cの外周面の一部のみが溝状切欠部35において露出した状態となる。このようにすれば本発明の実施の形態4における電極1と同様の効果を得ることができる。
【0082】
ここで、樹脂製のスリーブ34を構成する樹脂として比較的弾力性のある材料あるいは可撓性を有する材料を用いれば、スリーブ付電極33において複数回放電を発生させても、その放電に伴って発生する圧力波によりスリーブ34が損傷を受ける危険性を低減できる。また、このように電極1にスリーブ34を被せるといった方法を用いれば、電極1の特定部分(溝状切欠部35から露出した部分)が磨耗した場合に、スリーブ34を回転させて電極1に対する溝状切欠部35の相対的な位置を変えることができる。このようにすれば、電極1において放電が発生する部分(溝状切欠部35から露出した部分)を上述した磨耗した部分とは異なる部分とすることができる。つまり、スリーブ34を適宜回転させることにより、電極1の外周電極部分28a〜28dの外周面の全周を均等に利用することが可能となる。
【0083】
図19は、図17および図18に示したスリーブ付電極33の変形例を示す斜視模式図である。図20は図19の線分XX−XXにおける断面模式図である。図21は、図19および図20に示したスリーブ付電極を破砕対象物に形成した下孔に挿入した場合を説明するための透視模式図である。図19〜図21を参照して、本発明による破砕装置用電極の実施の形態5の変形例を説明する。
【0084】
図19〜図21を参照して、破砕装置用電極としてのスリーブ付電極33は、基本的には図17および図18に示したスリーブ付電極と同様の構造を備えるが、電極1(図18参照)に被せるスリーブ36の形状が異なる。すなわち、図19〜図21に示したスリーブ付電極33を構成するスリーブ36は、中心軸40(図19参照)の延びる方向に対してほぼ垂直な方向における断面の外周形状が楕円形状であり、その楕円形状のスリーブ36の表面の一部を除去することにより溝状切欠部35が形成されている。溝状切欠部35においては、電極1(図20参照)の外周電極部分28a〜28dの外周側面の一部が露出した状態となっている。このようなスリーブ付電極33によっても、図17および図18に示したスリーブ付電極と同様の効果を得ることができる。
【0085】
また、図21に示すように、スリーブ36の幅を、このスリーブ付電極33(図19参照)を挿入する下孔10の幅Wと等しくすることが好ましい。このようにすれば、樹脂製のスリーブ36が接触している下孔10の側壁部分には、スリーブ付電極33に電流を投入した際の放電に伴って発生する圧力波がスリーブ36を構成する樹脂を介して伝えられる。一方、下孔10の壁面のうち溝状切欠部35と対向する部分には、従来と同様に下孔10の内部に充填された水などの電解液を介して上述した圧力波が伝わる。このように、圧力波を伝達する物質が異なるため、下孔10の壁面のうち溝状切欠部35と対向する部分と、スリーブ36が接触した部分とでは圧力波の伝達条件が異なる。したがって、スリーブ付電極33に電流を投入した際に発生する圧力波を、下孔10の壁面に対して不均一に伝えることができる(下孔10の壁面のうち溝状切欠部35と対向する部分に集中的に伝えることができる)。したがって、より効率的に下孔10が形成された破砕対象物を破壊することができる。
【0086】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0087】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、複数のアークを発生させることにより破砕を行なう破砕装置用電極において、発生する複数のアークを破砕装置用電極の中心軸から見て特定方向に位置する領域に発生させることができる。このため、破砕対象物に形成した下孔の内部に破砕装置用電極を挿入して破砕を行なう場合、下孔の壁面の特定領域に集中的にアークに伴う圧力波を作用させることができる。この結果、破砕対象物を効率的に破砕できるので、充分な破砕力を有する破砕装置用電極および破砕装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による破砕装置用電極およびその破砕装置用電極を用いた破砕装置の実施の形態1の構成を説明するための模式図である。
【図2】図1に示した破砕装置用電極の先端部を示す斜視模式図である。
【図3】図2の線分III−IIIにおける断面模式図である。
【図4】図2の線分IV−IVにおける断面模式図である。
【図5】図1〜図4に示した破砕用電極の実施の形態1の変形例を示す断面模式図である。
【図6】本発明による破砕装置用電極の実施の形態2を示す斜視模式図である。
【図7】図6の線分VII−VIIにおける断面模式図である。
【図8】図6および図7に示した破砕装置用電極の変形例を示す斜視模式図である。
【図9】図8の線分IX−IXにおける断面模式図である。
【図10】本発明による破砕装置用電極の実施の形態3を示す斜視模式図である。
【図11】図10の線分XI−XIにおける断面模式図である。
【図12】図10および図11に示した本発明による破砕装置用電極の実施の形態3の変形例を示す斜視模式図である。
【図13】図12に示した破砕装置用電極の側面模式図である。
【図14】本発明による破砕装置用電極の実施の形態4を説明するための斜視模式図である。
【図15】図14の線分XV−XVにおける断面模式図である。
【図16】図14の線分XVI−XVIにおける断面模式図である。
【図17】本発明による破砕装置用電極の実施の形態5を説明するための斜視模式図である。
【図18】図17に示した破砕装置用電極の構造を説明するための模式図である。
【図19】図17および図18に示したスリーブ付電極の変形例を示す斜視模式図である。
【図20】図19の線分XX−XXにおける断面模式図である。
【図21】図19および図20に示したスリーブ付電極を破砕対象物に形成した下孔に挿入した場合を説明するための透視模式図である。
【図22】本発明に関連する破砕装置を示す模式図である。
【図23】図22に示した破砕装置を構成する電極の先端部を示す部分側面模式図である。
【図24】図23に示した電極の断面模式図である。
【図25】図23の線分XXV−XXVにおける断面模式図である。
【図26】従来の破砕装置を示す模式図である。
【図27】図26に示した破砕装置の基本的な構成を示す模式図である。
【図28】図27に示した電極の先端部を示す部分拡大模式図である。
【符号の説明】
1 電極、2 破砕対象物、4 パルスパワー供給部、5 同軸ケーブル、7スイッチ、8 コンデンサ、9 電源、10 下孔、11 水、12 中心電極、13,32 絶縁体、14a〜14d,20a〜20e,25a〜25d,28a〜28d 外周電極部分、15 外周電極、16 コネクタ部、17a,17b 矢印、18 放電位置、21a〜21d,24a 固定用穴、22 ひも、23 固定部、26a〜26c 切欠部、27a〜27c 突起部、29a〜29c 絶縁層、30 溝状部、31 電極表面、33 スリーブ付電極、34,36 スリーブ、35 溝状切欠部、40 中心軸。
Claims (10)
- 中心軸に沿って延在し、外周面を有する中心導電体と、
前記中心導電体の外周面上に配置された絶縁部材と、
前記絶縁部材を囲むように配置された外周導電体とを備え、
前記外周導電体は、前記中心軸の延びる方向において互いに間隔を隔てて配置された複数の外周導電体部分を含み、
前記中心軸の延びる方向とほぼ垂直な方向における前記複数の外周導電体部分の断面の外周形状は、前記中心軸からの距離が互いに異なる部分を有する、破砕装置用電極。 - 前記複数の外周導電体部分のそれぞれについて、前記断面の外周形状における前記中心軸からの距離が最も小さい部分は、前記中心軸から見てほぼ同じ方向に揃うように配置されている、請求項1に記載の破砕装置用電極。
- 前記複数の外周導電体部分の断面の外周形状は楕円形および多角形からなる群から選択される1つである、請求項1または2に記載の破砕装置用電極。
- 前記複数の外周導電体部分の外周部には、前記中心軸から見てほぼ同じ方向に位置する領域に溝が形成されている、請求項1に記載の破砕装置用電極。
- 中心軸に沿って延在し、外周面を有する中心導電体と、
前記中心導電体の外周面上に配置された絶縁部材と、
前記絶縁部材を囲むように配置された外周導電体とを備え、
前記外周導電体は、前記中心軸の延びる方向において互いに間隔を隔てて配置された複数の外周導電体部分を含み、
前記複数の外周導電体部分は、前記中心軸から見てほぼ同じ方向に位置する領域において、前記中心軸の延びる方向とほぼ同じ方向に突出する凸部を有する、破砕装置用電極。 - 前記複数の外周導電体部分を互いに固定する固定部材をさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の破砕装置用電極。
- 中心軸に沿って延在し、外周面を有する中心導電体と、
前記中心導電体の外周面上に配置された絶縁部材と、
前記絶縁部材を囲むように配置された外周導電体とを備え、
前記外周導電体は、前記中心軸の延びる方向において互いに間隔を隔てて配置された複数の外周導電体部分を含み、さらに、
前記外周導電体部分を覆うように形成され、前記複数の外周導電体部分において前記中心軸から見てほぼ同じ方向に位置する表面領域を露出させる開口部を有する絶縁被覆膜を備える、破砕装置用電極。 - 前記絶縁被覆膜は、前記外周導電体部分上に塗布された絶縁性塗料膜、樹脂膜および酸化膜からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項7に記載の破砕装置用電極。
- 前記絶縁被覆膜は、前記外周導電体部分と着脱可能であって、前記中心軸の延びる方向とほぼ同じ方向に延び、絶縁性材料からなる筒状体であり、
前記筒状体の側壁面には、前記中心軸の延びる方向に沿って前記開口部となるべき切欠部が形成されている、請求項7に記載の破砕装置用電極。 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載の破砕装置用電極を備える破砕装置。
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