JP2004137803A - 破砕装置用電極、破砕装置、破砕装置用電極部品および破砕方法 - Google Patents
破砕装置用電極、破砕装置、破砕装置用電極部品および破砕方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】電極1は、中心導体12と絶縁体11と外周導体10とを備える。中心導体12は、中心軸に沿って延在し外周面を有する。絶縁体11は中心導体12の外周面上に配置されている。外周導体10は絶縁体11を囲むように配置されている。中心導体12は着脱可能に設けられている。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、破砕装置用電極、破砕装置、破砕装置用電極部品および破砕方法に関し、より特定的には、簡単な構造であってメンテナンスが容易な破砕装置用電極、破砕装置、破砕装置用電極部品およびこの破砕装置用電極を用いた破砕方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、岩石などを破砕する方法として、破砕対象物としての岩石などに下孔を形成した後、この下孔の内部に電解液とともに電極を挿入し、この電極に大電流を供給して放電を発生させることにより、下孔が形成された岩石などを破砕する方法が知られている。このような破砕方法において用いられる破砕装置用電極(以下、電極とも言う)としては、たとえば特表平11−500799号公報に開示された電極(プローブ装置)が知られている。
【0003】
上記特表平11−500799号公報に開示されたプローブ装置は、放電を発生させる電極部である同軸構造のプローブ(電極)と、放電を発生させた際にプローブが受ける衝撃を吸収・減衰するためのシリンダ、コイル、空気ピストンなどの緩衝装置とを備える。
【0004】
【特許文献1】
特表平11−500799号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特表平11−500799号公報に開示された電極には、破砕のための放電に伴う衝撃を吸収するため、プローブにシリンダやコイルなどの緩衝装置を接続している。この放電に伴う衝撃は、電極の損傷の原因となるため、電極の受ける衝撃を何らかの手段で和らげる必要があるためである。しかし、上述のように電極に緩衝装置を設置すると、電極の構造が複雑化する。この結果、電極の製造コストが上昇するとともに、そのメンテナンスにも手間と時間を要することになっていた。
【0006】
また、上記特表平11−500799号公報に開示されたプローブ装置では、プローブ(電極)が中心電極およびこの中心電極の周囲に絶縁体を介して配置・固定された外周電極を備える同軸構造を有している。そのため、電極の一部が破損したような場合、電極全体を交換しなければならず、この点からもメンテナンスコストが上昇することになっていた。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するために成されたものであり、この発明の目的は、簡単な構造であってメンテナンスコストを低減することが可能な破砕装置用電極、破砕装置、破砕装置用電極部品およびこのような破砕装置用電極を用いた破砕方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の1の局面に従った破砕装置用電極は、中心導電体と絶縁部材と外周導電体とを備える。中心導電体は、中心軸に沿って延在し、外周面を有する.絶縁部材は中心導電体の外周面上に配置されている。外周導電体は絶縁部材を囲むように配置されている。中心導電体は着脱可能に設けられている。
【0009】
このようにすれば、破砕装置用電極(電極)において放電を発生させて岩石などの破砕を行なった際、中心導体に損傷が発生したような場合に、電極全体ではなく損傷の発生した中心導体のみを交換できる。このため、電極全体を交換する場合より電極のメンテナンスに要する手間やコストを削減できる。
【0010】
上記1の局面に従った破砕装置用電極において、絶縁部材は中心導電体の外周面上に接続固定されていてもよい。この場合、中心導電体とともに絶縁部材も交換できる。
【0011】
上記1の局面に従った破砕装置用電極では、破砕装置用電極の先端側において、中心導電体の端部が外周導電体の端部の位置より突出するように配置されていてもよい。上記1の局面に従った破砕装置用電極は、中心導電体の端部において、中心導電体の外周面上に絶縁部材を介して配置されるとともに、外周導電体の端部との間に間隙を隔てて配置された先端導電体を備えていてもよい。
【0012】
この場合、電極の先端部において、中心導電体の先端部と先端導電体との間、および先端導電体と外周導電体との間に、それぞれギャップを形成できる。そして、電極の外周導電体と中心導電体とに電流を供給する場合、これらの2つのギャップにおいて放電を発生させることができる。このように、複数の個所(ギャップ)において放電を発生させることができるので、破砕装置用電極に供給される電流値を一定した場合において、従来より放電抵抗を増加させることができる。このため、放電により消費されるエネルギー(破砕に利用されるエネルギー)を従来より確実に大きくできる。したがって、破砕装置用電極を適用した破砕装置の能力を増大させることができる。
【0013】
また、交換可能な中心導電体に先端導電体を固定しているので、中心導電体とともに先端導電体を交換できる。ここで、先端導電体は破砕装置用電極において最も破損しやすい部分である。そのため、このように先端導電体を交換可能とすることで、電極のメンテナンスを容易に行なう事ができる。
【0014】
上記1の局面に従った破砕装置用電極では、破砕装置用電極の先端側において、中心導電体の端部が外周導電体の端部の位置より突出するように配置されていてもよい。上記1の局面に従った破砕装置用電極では、絶縁部材が先端側絶縁体と付加絶縁体とを含んでいてもよい。先端側絶縁体は、中心導電体の端部において中心導電体の外周面上に接続固定されていてもよい。付加絶縁体は、先端側絶縁体上から、外周導電体と対向する中心導電体の外周面上にまで延在していてもよい。上記1の局面に従った破砕装置用電極は、先端導電体を備えていてもよい。先端導電体は、中心導電体の端部において、中心導電体の外周面上に先端側絶縁体を介して配置されるとともに、外周導電体の端部との間に間隙を隔てて配置されていてもよい。
【0015】
この場合、長さの異なる複数種類の破砕装置用電極に対して、先端側絶縁体および先端導電体を備えた1種類の中心導電体を適用できる。具体的には、破砕装置用電極の長さに合わせて中心導電体の後端側(先端側絶縁体が配置された側と反対側の端部)を切断するとともに、中心導電体の外周面上において、先端側絶縁体上から中心導電体の後端側にまで延在するように付加絶縁体を配置する。このようにすれば、上述のように1つの中心導電体を異なる長さの破砕装置用電極に適用できるので、破砕装置用電極の製造コストを低減できる。
【0016】
また、電極の先端部において、中心導電体の先端部と先端導電体との間、および先端導電体と外周導電体との間に、絶縁体を挿入するギャップを形成できる。そして、電極の外周導電体と中心導電体とに電流を供給する場合、これらの2つのギャップにおいて放電を発生させることができる。このように、複数の個所(ギャップ)において放電を発生させることができるので、破砕に利用されるエネルギーを従来より確実に大きくできる。したがって、破砕装置用電極を適用した破砕装置の能力を増大させることができる。
【0017】
また、交換可能な中心導電体に先端側絶縁体を介して先端導電体を固定しているので、中心導電体とともに先端導電体を交換できる。
【0018】
上記1の局面に従った破砕装置用電極において、付加絶縁体は、チューブ状の絶縁体およびテープ状の絶縁体のいずれか一方を含んでいてもよい。チューブ状の絶縁体は、中心導電体の外周面を覆うことが可能となっていてもよい。テープ状の絶縁体は、中心導電体の外周面を覆うように中心導電体に巻き付けられていてもよい。
【0019】
この場合、破砕装置用電極の交換部品(中心導電体、先端側絶縁体、付加絶縁体および先端導電体からなる交換部品)を容易に形成できる。つまり、付加絶縁体としてチューブ状の絶縁体を用いる場合、中心導電体にこのチューブ状の絶縁体を被せるという簡単な加工により付加絶縁体を配置できる。さらに、チューブ状の絶縁体の材料として弾性を有するゴムなどを用い、また、チューブ状の絶縁体の内径を中心導電体の外径より若干小さくしておけば、ゴムなどの弾性を利用してチューブ状の絶縁体を中心導電体の外周面上に容易に固定できる。また、付加絶縁体としてテープ状の絶縁体を用いる場合、このテープ状の絶縁体を中心導電体の外周面上に巻きつけるという簡単な作業により、中心導電体の外周面上に付加絶縁体としてのテープ状の絶縁体を配置できる。
【0020】
上記1の局面に従った破砕装置用電極では、破砕装置用電極の先端側において、中心導電体の端部が外周導電体の端部の位置より突出するように配置されていてもよい。上記1の局面に従った破砕装置用電極では、絶縁部材が先端側絶縁体と付加絶縁体とを含んでいてもよい。先端側絶縁体は、中心導電体の端部において、中心導電体の外周面上に接続固定されていてもよい。付加絶縁体は、中心導電体と対向する外周導電体の内周面上に配置されていてもよい。付加絶縁体は、外周導電体の内周面を覆うように、内周面に接続固定されていてもよい。付加絶縁体は先端側絶縁体と接触するように配置されていてもよい。上記1の局面に従った破砕装置用電極は、先端導電体を備えていてもよい。先端導電体は、中心導電体の端部において、中心導電体の外周面上に先端側絶縁体を介して配置されるとともに、外周導電体の端部との間に間隙を隔てて配置されていてもよい。
【0021】
この場合、長さの異なる複数種類の破砕装置用電極に対して、先端側絶縁体および先端導電体を備えた1種類の中心導電体を適用できる。具体的には、ある程度の長さを有する中心導電体を準備した上で、破砕装置用電極の長さに合わせて中心導電体の後端側を切断する。このようにすれば、上述のように1つの中心導電体を異なる長さの破砕装置用電極に適用できるので、破砕装置用電極の製造コストを低減できる。
【0022】
また、電極の先端部において、中心導電体の先端部と先端導電体との間、および先端導電体と外周導電体との間に、それぞれギャップを形成できる。そして、電極の外周導電体と中心導電体とに電流を供給する場合、これらの2つのギャップにおいて放電を発生させることができる。このように、複数のギャップにおいて放電を発生させることができるので、破砕に利用されるエネルギーを従来より確実に大きくできる。なお、上記1の局面に従った破砕装置用電極では、先端導電体が、互いに間隔を隔てて配置された複数の先端導電体部分を含んでいてもよい。
【0023】
また、交換可能な中心導電体に先端導電体を固定しているので、中心導電体とともに先端導電体を交換できる。
【0024】
また、付加絶縁体は外周導電体の内周面上に配置されているので、中心導電体と外周導電体との間の絶縁を確実に行なうことができる。
【0025】
上記1の局面に従った破砕装置用電極では、先端側絶縁体において、中心導電体の端部とは反対側に位置する他方端部に面する部分の表面は、中心導電体の他方端部に近づくにつれて表面から中心導電体の外周面までの距離が小さくなるように形成されていてもよい。
【0026】
この場合、先端側絶縁体において、中心導電体の他方端部に面する部分(後端部分)がいわゆるテーパー状になっているので、このテーパー状の先端側絶縁体の後端部分上に付加絶縁体を配置する作業を容易に行なうことができる。
【0027】
上記1の局面に従った破砕装置用電極はベース部材をさらに備えていてもよい。ベース部材は、上記破砕装置用電極の先端側と反対側に位置し、中心導電体と外周導電体とに接続されていてもよい。上記1の局面に従った破砕装置用電極では、ベース部材において中心導電体が接続された部分と外周導電体が接続された部分とが電気的に絶縁されていてもよい。中心導電体はベース部材と着脱可能に接続されていてもよい。
【0028】
この場合、ベース部材に中心導電体を着脱可能に設置することで、本発明による破砕装置用電極を容易に実現できる。
【0029】
上記1の局面に従った破砕装置用電極において、外周導電体はベース部材と着脱可能に接続されていてもよい。
【0030】
この場合、外周導電体のみを独立して交換できる。したがって、外周導電体に損傷が発生した場合、この外周導電体のみを交換できることから、破砕装置用電極のメンテナンスコストを低減できる。また、ベース部材に絶縁部材を着脱可能に設置することで、絶縁部材のみを交換可能としてもよい。
【0031】
上記1の局面に従った破砕装置用電極において、ベース部材は、破砕装置用電極の先端側と反対側に位置する後端側に面するとともに、中心軸に対してほぼ垂直な方向に延びる表面を有していてもよい。
【0032】
この場合、破砕対象物に形成した下孔に、破砕装置用電極を鉛直下向きに挿入して破砕を行なう際、ベース部材の上記表面上に重りを載せた状態で電極先端部において放電を発生させることができる。このようにすれば、放電による圧力波から電極が受ける衝撃を重りにより打ち消す事ができる。したがって、油圧シリンダやバネなどの特別な衝撃吸収機構を用いることなく、破砕に伴う圧力波の衝撃により下孔内部から電極が飛び出すことを防止できる。
【0033】
この発明の他の局面に従った破砕装置用電極は、中心導電体と絶縁部材と外周導電体とを備える。中心導電体は、中心軸に沿って延在し、外周面を有する。絶縁部材は、中心導電体の外周面上に配置されている。外周導電体は絶縁部材を囲むように配置されている。上記1の局面に従った破砕装置用電極では、中心導電体と絶縁部材と外周導電体とからなる群から選択される少なくとも1つが着脱可能に設けられている。
【0034】
このようにすれば、破砕に伴って損傷が発生した部品(中心電極、絶縁部材および外周導電体のうちのいずれか)のみを交換することができる。したがって、破砕装置用電極を丸ごと交換する場合より、破砕装置用電極のメンテナンスコストを低減できる。
【0035】
この発明の別の局面に従った破砕装置は、上記1の局面または他の局面に従った破砕装置用電極を備える。
【0036】
このようにすれば、メンテナンスコストを低減することが可能な破砕装置を容易に実現できる。
【0037】
この発明のもう一つの局面に従った破砕装置用電極部品は、中心導電体と端部絶縁体と端部導電体とを備える。中心導電体はある方向に延在する。端部絶縁体は、中心導電体の端部において、中心導電体の外周面上に接続固定されている。端部導電体は端部絶縁体上に配置されている。
【0038】
このような破砕装置用電極部品は、本発明の1の局面に従った破砕装置用電極の中心導電体、端部絶縁体および端部導電体を一括して交換するための交換部品として利用できる。
【0039】
上記もう一つの局面に従った破砕装置用電極部品は、付加絶縁体を備えていてもよい。付加絶縁体は、端部絶縁体上から、中心導電体において端部と反対側に位置する他方端部にまで延在するように、中心導電体の外周面上に配置されていてもよい。
【0040】
この場合、破砕装置用電極部品を交換する事により、本発明の1の局面に従った破砕装置用電極の中心導電体、端部絶縁体と付加絶縁体とからなる絶縁部材、および端部導電体を一括して交換することができる。
【0041】
この発明のさらに他の局面に従った破砕方法は、上記1の局面に従った破砕装置用電極を用いた破砕方法であって、ベース部材の表面上に重りを載せる工程と、破砕装置用電極において放電を発生させる工程とを備える。放電を発生させる工程では、ベース部材の表面上に重りを載せた状態で、破砕対象物を破砕するために破砕装置用電極の外周導電体と中心導電体とに電流を供給することにより放電を発生させる。
【0042】
このようにすれば、破砕装置用電極において放電を発生させて破砕対象物を破砕する場合、放電に伴う圧力波により破砕装置用電極が受ける衝撃を、ベース部材の表面上に搭載した重りによって打ち消す事ができる。このため、破砕対象物に形成された下孔の内部に破砕装置用電極を挿入して放電を発生させる場合に、下孔の内部から上記圧力波の衝撃によって破砕装置用電極が飛び出す危険性を低減できる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
【0044】
(実施の形態1)
図1は、本発明による電極およびその電極を用いた破砕装置の実施の形態1を示す模式図である。図2は、図1に示した破砕装置を構成する電極の断面模式図である。図1および図2を参照して、本発明による電極および破砕装置の実施の形態1を説明する。
【0045】
図1および図2を参照して、本発明による破砕装置は、破砕装置用電極としての電極1と、パルスパワー源2と、このパルスパワー源2と電極1との間を電気的に接続するケーブル13、14とを備える。パルスパワー源2はコンデンサ16、スイッチなどを含む回路と、コンデンサ16に電荷を供給するための電源17とを含む。パルスパワー源2の回路は接地されている。そして、パルスパワー源2の回路と電極1とは、ケーブル13、14によって接続されている。
【0046】
電極1は、コネクタ部9と、外周電極である円筒形状の外周導体10と、絶縁体11と、円柱状である中心電極としての中心導体12とからなる。ベース部材としてのコネクタ部9は、導電体からなる反力受けベース部6と、この反力受けベース部6に固定された円筒形状の外周絶縁体7と、外周絶縁体7において、反力受けベース部6に接続された端部とは反対側の端部に接続固定されたリング状の把持部材8とからなる。把持部材8の内周側にはネジ溝19が形成されている。把持部材8は導電体からなる。
【0047】
そして、把持部材8のネジ溝19が形成された部分に、円筒形状の外周導体10の後端部20を嵌め込み固定する。外周導電体としての外周導体10の後端部20の外周面には、把持部材8のネジ溝19に対応するようにネジ溝が形成されている。外周導体10の後端部20を把持部材8のネジ溝19が形成された部分にねじ込むことにより、把持部材8へと外周導体10を着脱可能に接続することができる。このように、外周導体10と中心導体12とを着脱可能に設置できるコネクタ部9を用いることにより、本発明による電極1を容易に実現できる。なお、中心導体12が接続された反力受けベース部6と外周導体10が接続された把持部材8とは、外周絶縁体7により電気的に絶縁されている。
【0048】
また、反力受けベース部6の中央部には、凹部18が形成されている。この凹部18に中心導体12の後端部21を嵌め込むことにより、反力受けベース部6に中心導電体としての中心導体12を着脱可能に接続することができる。また、中心導体12の外周側面上には円筒形状(スリーブ状)の絶縁体11が配置されている。絶縁部材としての絶縁体11は、中心導体12の外周側面上に位置し、中心導体12を取り囲むように配置されている。絶縁体11は中心導体12の外周側面に着脱可能に設置されている。なお、絶縁体11を、中心導体12を囲むように配置するとともにコネクタ部9に着脱可能に接続することにより、絶縁体11の位置を決定してもよい。
【0049】
絶縁体11の材料としては、たとえばゴムあるいは他の樹脂などの弾性を有する材料を利用することができる。この場合、絶縁体11を構成するゴムなどの材料は弾性を有しているので、絶縁体11に応力が加わっていない場合の絶縁体11の内径を、中心導体12の直径よりもある程度小さくしておけば、ゴムなどの材料の弾性力を利用して中心導体12の外周面上に絶縁体11の位置を容易に決定することができる。
【0050】
そして、反力受けベース部6にはケーブル13が接続されている。また、導電体からなる把持部材8にはケーブル14が接続されている。このため、パルスパワー源2からケーブル13および反力受けベース部6を介して中心導体12に電荷を供給することができる。また、同様にパルスパワー源2からケーブル14および把持部材8を介して外周導体10に電荷を供給することができる。
【0051】
また、図2に示すように、把持部材8の後端から絶縁体11の後端までの距離L1(中心導体12の後端部において中心導体12の外周面が露出した部分と把持部材8との間の距離)は十分長くなるようにコネクタ部9および絶縁体11の寸法は決定されている。この結果、後述するように電極1にパルスパワー源2から電荷を供給した場合、外周導体10の後端部20あるいは把持部材8と中心導体12の後端部との間の絶縁を保つことができるので、電極1の先端部におけるギャップ25(図2参照)において放電を発生させることができる。
【0052】
上述のように、本発明による電極1では、外周導体10、絶縁体11および中心導体12が互いに着脱可能に配置されている。そのため、後述するように破砕を行なった際に電極1の一部が破損した場合、たとえば外周導体10のみ、あるいは絶縁体11のみ、もしくは中心導体12のみというように、必要最小限の部分だけ(破損した部分だけ)を容易に交換することができる。
【0053】
なお、外周導体10と絶縁体11との間は、図2に示すようにある程度隙間が形成されるようにそれぞれの寸法を決定しておくことが好ましい。このようにすれば、絶縁体11あるいは絶縁体11と中心導体12とを外周導体10の内周側から抜き出す、あるいは外周導体10の内周側へと中心導体12などを挿入する作業を容易に行なうことができる。ただし、上述のように絶縁体11をゴムのような弾性を有した材料により構成しておけば、絶縁体11が容易に弾性変形することから、外周導体10と絶縁体11との間の隙間の寸法を厳密に制御する必要はない。
【0054】
また、把持部材8と外周導体10との接続部は、図2に示すようなネジ構造以外の任意の接続構造を採用することができる。たとえば、把持部材8と外周導体10とを接続用ネジによって接続固定してもよい。具体的には、把持部材8の内径を外周導体10の外径より大きくしておくとともに、把持部材8の外周面から内周面にまで到達するネジ孔を形成しておく。そして、把持部材8の内周側に外周導体10の後端部20を配置した上で、上記ネジ孔に把持部材8の外周側から接続用ネジを挿入する。この接続用ネジの先端部により外周導体10の外周面を押圧することで、把持部材8と外周導体10とを固定する。なお、把持部材8にはネジ孔を複数個形成しておく事が好ましい。
【0055】
次に、図1および図2に示した破砕装置を用いた破砕方法を簡単に説明する。図1に示すように、岩石などの破砕対象物3の所定部分に電極1を挿入することが可能な大きさの下孔4を形成する。そして、下孔4の内部に電極1の先端部を挿入するとともに、下孔4の内部に電解液としての水5を配置する。一方、パルスパワー源2では、電源17からコンデンサ16へと所定量の電荷を蓄積する。また、反力受けベース部6における電極1の後端側の表面上に重り15を載せる工程を実施する。
【0056】
そして、コンデンサ16に必要な量の電荷を蓄積した状態で、パルスパワー源2のスイッチを閉じる。このようにすれば、パルスパワー源6のコンデンサ16に蓄えられた電荷が、パルスパワー源2からケーブル13、14を介して電極1に導入される。この結果、電極1の先端部の中心導体12と外周導体10との間のギャップ25(図2参照)において放電が発生し、アークが形成される(放電を発生させる工程が実施される)。このため、電極1の先端付近の水5が放電エネルギーによってプラズマ化することにより、圧力波が発生する。この圧力波により、電極1の周囲の破砕対象物3を破壊できる。
【0057】
このように電極1において放電を発生させることにより圧力波を発生させて、この圧力波を利用して破砕対象物3を破砕することができるが、このとき電極1も圧力波による反力を受ける。具体的には、電極1の先端部においてアークを発生させた際、圧力波が発生することによって、下孔4から飛び出す方向(図1における上向きの方向)の反力を電極1が受けることになる。このような反力を打ち消すため、本発明による破砕装置では、図1に示すように反力受けベース部6の表面上(電極1の先端側と反対側に位置する後端側に面するとともに、中心導体12の中心軸に対してほぼ垂直な方向に延びる表面上)に重り15を配置している。重り15としてはたとえば土のうなどを用いることができる。このようにすれば、重り15によって電極1が受ける反力を容易に打ち消すことができる。
【0058】
具体的には、図2からもわかるように、ギャップ25でアークが発生した際に電極1が受けた反力は、その一部が中心導体12を介して反力受けベース部6へと伝わる。また、同様に反力の一部は外周導体10から把持部材8、外周絶縁体7を介してやはり反力受けベース部6へと伝わる。この場合に、反力受けベース部6の表面上に重り15(図1参照)を配置することによって、上述のような反力を容易に打ち消すことができる。
【0059】
なお、従来の破砕装置用電極では、たとえば外周導体にフランジ部などを設け、そのフランジ部をパワーショベルあるいはマニピュレータなどによって把持することにより反力に耐えるような構造としていた。一方、本発明による破砕装置では、重り15を配置するという比較的簡単な構成によって電極1で放電を発生させた際の反力を打ち消すことができる。このような重り15を用いて反力を打ち消す方法は、図1に示すように下孔4を鉛直下向き、あるいは下向きであって垂直方向からある程度傾いた方向に延びるように形成した上で、この下孔4内部に電極1を鉛直下向き、あるいは斜めに挿入して放電破砕を行なう場合に特に効果的である。
【0060】
また、上述のように放電を発生させた際の圧力波に起因する反力は、電極1においてその先端部から後端部(反力受けベース部6が位置する後端部)側へ向かう方向に作用する。そのため、反力受けベース部6に中心導体12を固定する固定部の構造としては、このような反力に十分耐えることが可能な構造とすることが好ましい。具体的には、図2に示すように単純に反力受けベース部6の中央部に凹部18(有底開口部)を形成し、この凹部18に棒状の鋼などからなる中心導体12の後端部21を押し込んで固定するといった構造を利用することができる。このような簡単な構造によっても上述の反力に十分対抗することができる。
【0061】
なお、図1および図2に示した電極1では、中心導体12の外周面上に絶縁体11を接続固定しておいてもよい。このようにすれば、中心導体12とともに絶縁体11を同時に交換できる。
【0062】
(実施の形態2)
図3は、本発明による破砕装置を構成する電極の実施の形態2を示す模式図である。図4は図3に示した電極の断面模式図である。図3および図4を参照して、本発明による破砕装置を構成する電極の実施の形態2を説明する。
【0063】
図3および図4に示す電極1は、基本的には図1および図2に示した電極1と同様の構造を備えるが、中心導体12(図4参照)と反力受けベース部6との接続部の構造および電極1における先端部の構造が異なる。具体的には、図4に示すように反力受けベース部6の中央部に中心導体12を着脱可能に固定するための固定部材23が設置されている。固定部材23には中心導体12の後端部21を挿入固定するための挿入穴である凹部24が形成されている。なお、凹部24の内径の値は、中心導体12の後端部21を挿入した場合、後端部21の外周側面と凹部24の側壁とが接触して摩擦力により互いの位置を固定できるように決定されている。このようにすれば、中心導体12を固定部材23に接続した状態で容易に固定できる。
【0064】
また、中心導体12の側壁面上には絶縁体11が接触した状態で固定されている。電極1の先端部では、外周導体10の先端部(端部)の位置よりも中心導体12の端部が突出した状態となるように、中心導体12および絶縁体11が電極1の先端部側へ延在するように配置されている。そして、外周導体10の先端部よりも突出した中心導体12および絶縁体11の部分においては、絶縁体11の外周面上に浮遊電極としての浮遊導体22が接続固定されている。先端導電体としての浮遊導体22は円筒形状の外形を有している。中心導体12、絶縁体11および浮遊導体22は一体的に形成され、破砕装置用電極部品としての中心交換部材を構成している。
【0065】
このような電極1を破砕装置に適用しても、本発明による破砕装置の実施の形態1と同様の効果を得ることができる。さらに、図3および図4に示した電極1では、電極1の先端部において中心導体12の先端部と浮遊導体22との間、さらに浮遊導体22と外周導体10との間にそれぞれギャップ25が形成されている。このため、電極1にケーブル13、14を介してパルスパワー源2(図1参照)から電荷を供給した場合、この複数のギャップ25において複数の放電を発生させることによりアークを形成することができる。つまり、図1および2に示した電極においては電極1の先端部の1ヵ所においてのみ放電が発生していたのに対して、図3および図4に示した電極1では少なくとも2ヵ所において放電を発生させることができる。
【0066】
このように放電が起きる箇所(ギャップ25)の数を増加させることにより、電極1に供給される電流値を一定した場合において、従来より放電抵抗を増加させることができる。このため、放電により消費されるエネルギー(破砕に利用されるエネルギー)を従来より確実に大きくできる。したがって、破砕装置の能力を増大させることができる。なお、一般に回路全体の抵抗に比べて放電抵抗は小さく、複数箇所での放電抵抗の増加は回路全体の抵抗に比べて充分小さいため、電源の容量を変更することなく破砕能力を増大させることが可能である。
【0067】
また、電極1において最も破損、消耗しやすい部分の1つは、その両端部にギャップ25が形成されている浮遊導体22である。そのため、反力受けベース部6に着脱可能に接続された中心導体12に絶縁体11を介して浮遊導体22を接続固定することで、中心導体12とともに浮遊導体22を容易に交換できる。
【0068】
また、このように浮遊導体22を一体として備える中心交換部材を用いることにより、浮遊導体22を独立して交換可能とする場合より、電極1における交換部品の数を少なくすることができる。したがって、電極1のメンテナンス作業を容易に行なうことができる。
【0069】
図5は、図3および図4に示した電極の第1の変形例を示す断面模式図である。図5を参照して、本発明による電極の実施の形態2の第1の変形例を説明する。
【0070】
図5に示した電極1は、基本的には図3および図4に示した電極と同様の構造を備えるが、中心導体12と固定部材23との接続部の構造が異なる。すなわち、図5に示した電極1では、中心導体12の後端部21に、中心導体12の延在する方向(長手方向)に沿って切れ込み部26が形成されている。切れ込み部26は、中心導体12の後端の端面から中心導体12の延在方向に沿って切れ込みが入ったように形成されている。また、切れ込み部26は、中心導体12の外周側面(絶縁体11が配置された外周側面)の一方部分から、中心導体12の中心軸を挟んで反対側に位置する外周側面の他方部分にまで延在する細長い溝となっている。
【0071】
このような構造の電極1によっても、図3および図4に示した電極と同様の効果を得ることができる。さらに、図5に示したような切れ込み部26を形成することにより、中心導体12の後端部21は、切れ込み部26を構成する溝の側壁とほぼ垂直な方向において容易に弾性変形することができる。このため、中心導体12の後端部21を固定部材23の凹部24へと挿入する動作あるいは凹部24から中心導体12の後端部21を抜き出す動作を容易に行なうことができる。
【0072】
また、図5に示した電極1を用いて岩石などの破砕を行なった場合、破砕の後に下孔4(図1参照)が塞がってしまい、この下孔4から電極1が抜けなくなることがある。このような場合、固定部材23と中心導体12とがしっかりネジなどで固定されていると、固定部材23から中心導体12を分離して、コネクタ部9や外周導体10を下孔4(図1参照)から抜き出す(中心導体12のみを下孔4の内部に残して、他の電極1の部分を下孔4から取出す)作業がやり難くなる。しかし、図5のような切れ込み部26を形成することで、中心導体12の後端部21を固定部材23の凹部24へ固定しておけば、固定部材23から中心導体12を容易に分離できる。したがって、上述のような作業を容易に行なうことができる。
【0073】
図6は、図3および図4に示した電極の第2の変形例を示す断面模式図である。図6を参照して、本発明による電極の実施の形態2の第2の変形例を説明する。
【0074】
図6に示した電極1は、基本的には図3および図4に示した電極1と同様の構造を備えるが、中心導体12と固定部材23との接続部の構造が異なる。すなわち、中心導体12の後端部21の外周側面にはネジ溝28が形成されている。そして、固定部材23には、中心導体12の後端部21をねじ込むためのネジ穴27が形成されている。このため、固定部材23のネジ穴27に中心導体12の後端部21をねじ込むことにより、容易に固定部材23に中心導体12を着脱可能に固定することができる。
【0075】
このような電極1によっても、図3および図4に示した電極1と同様の効果を得ることができる。さらに、中心導体12をネジ構造により固定部材23に接続固定するので、固定部材23に中心導体12を確実に固定することができる。また、中心導体12を含む中心交換部材を回転させることで、固定部材23から中心導体12の後端部21を容易に取外すことができる(中心交換部材の交換作業を容易に行なうことができる)。
【0076】
図7は、図3および図4に示した本発明による電極の第3の変形例を示す断面模式図である。図7を参照して、本発明による電極の実施の形態2の第3の変形例を説明する。
【0077】
図7に示すように、電極1は基本的には図3および図4に示した電極と同様の構造を備えるが、反力受けベース部6と固定部材23との接続の方法が異なる。すなわち、図7に示した電極1では、反力受けベース部6に対して固定部材23がネジ構造によって着脱可能に接続されている。反力受けベース部6にはネジ穴29が形成されている。ネジ穴29の側壁にはネジ溝が形成されている。そして、固定部材23の側壁の端部にはネジ溝が形成されたネジ溝部30が配置されている。固定部材23のネジ溝部30を反力受けベース部6のネジ穴29にねじ込むことにより、固定部材23は反力受けベース部6へと接続固定されている。そして、固定部材23の凹部24には、中心導体12の後端部21が着脱可能に挿入固定されている。
【0078】
このような電極1によっても、図3および図4に示した電極と同様の効果を得ることができる。また、図7に示した電極では、中心導体12の後端部21表面と固定部材23の凹部24の側壁などとの間の接触圧力は比較的小さくなっている。そして、この固定部材23と中心導体12の後端部21との接触部は、ケーブル13および反力受けベース部6、固定部材23を介して中心導体12へと電流が供給される通電経路となっている。そのため、この中心導体12の後端部21と固定部材23との間においては大電流の通電に伴って放電が発生しやすい。そして、このような放電が発生すると固定部材23が損耗する場合がある。このような場合であっても、図7に示した電極1においては固定部材23を反力受けベース部6から容易に取外して交換できる。つまり、固定部材23に損傷が発生しても固定部材23のみを交換できるので電極1全体を交換する必要が無い。そのため、電極1を利用した破砕装置を用いた破砕方法のランニングコストを低減することができる。
【0079】
図8は、図3および図4に示した電極の第4の変形例を示す模式図である。図9は、図8に示した電極の断面模式図である。図8および図9を参照して、本発明による電極の実施の形態2の第4の変形例を説明する。
【0080】
図8および図9に示した電極1は、基本的には図3および図4に示した電極1と同様の構造を備えるが、電極1の先端部に配置された浮遊導体22a〜22cの数が異なる。すなわち、図8および図9に示した電極1では、その先端部において、絶縁体11の外周面上に円筒形状の3つの浮遊導体22a〜22cが間隔を隔てて配置されている。電極1においては、中心導体12の先端部と浮遊導体22cとの間、浮遊導体22a〜22cの間および浮遊導体22aと外周導体10との間にそれぞれギャップ25が形成されている。
【0081】
このような電極1によっても、図3および図4に示した電極1と同様の効果を得ることができる。さらに、図8および図9に示した電極1では、複数の先端導電体部材としての浮遊導体22a〜22cを配置することにより、より多くのギャップ25を形成している。そのため、電極1に電流を供給した場合に、これらのギャップ25において放電を発生させることにより、図3および図4に示した電極1より多くの場所で放電を発生させることができる。この結果、電極1において破砕に用いられるエネルギーをより大きくすることができる。
【0082】
また、図3〜図9に示したように、中心導体12、絶縁体11および浮遊導体22あるいは浮遊導体22a〜22cからなる中心交換部材は、金型内に中心導体12および浮遊導体22あるいは浮遊導体22a〜22cを配置した後、金型内にゴムなどの絶縁体となる樹脂を圧入するといった射出成形法によって容易かつ安価に製造することができる。また、このような射出成形法においては、中心導体12および浮遊導体22、22a〜22cの材料である導電体としての金属とゴムなどの樹脂との接着を極めて堅固に行なうことができるので、構造的に高い強度を有する中心交換部材を得ることができる。
【0083】
(実施の形態3)
図10は、本発明による電極の実施の形態3を示す断面模式図である。図10を参照して、本発明による電極の実施の形態3を説明する。なお、図10は図2に対応する。
【0084】
図10に示すように、電極1は基本的に図9に示した電極1と同様の構造を備えるが、絶縁体11の構造および外周導体10と把持部材8との接続部の構造が異なっている。すなわち、図10に示した電極1においては、絶縁体11が電極1の先端部側に位置する先端側絶縁体31と、先端側絶縁体31よりも電極1における後端側に配置された付加絶縁体としてのチューブ絶縁体32とからなる。先端側絶縁体31の外周面には、浮遊導体22a〜22cが埋込まれた状態で固定されている。浮遊導体22a〜22cは円筒形状の外形を有している。また、先端側絶縁体31の後端側には、その側面が中心導体12の外周面に対して傾斜しているテーパー部33が形成されている。
【0085】
そして、絶縁体11を構成するチューブ絶縁体32のうち、先端側絶縁体31側の端部は、部分的に先端側絶縁体31のテーパー部33の側壁面上に乗り上げて接触した状態となっている。このような構造は、たとえば図11に示したような方法によって実現できる。図11は、図10に示した電極1を構成する中心導体12、絶縁体11および浮遊導体22a〜22cからなる中心交換部材35の製造方法を説明するための模式図である。
【0086】
まず、金型内に中心導体12、浮遊導体22a〜22cを所定の配置となるように位置させた後、この金型内にゴムなどの絶縁体となる樹脂を圧入することにより、図11に示すような端部絶縁体としての先端側絶縁体31および端部導電体としての浮遊導体22a〜22cが配置された中心導体部材34を形成する。この中心導体部材34においては、その後端側において中心導体12の側壁面が露出した状態となっている。そのため、中心導体部材34が適用される電極1(図10参照)の中心軸に沿った方向での長さに合わせて中心導体部材34の後端側の中心導体12を所定の長さだけ切断して中心導体部材34の全体の長さを調整する。
【0087】
そして、矢印に示した方向にチューブ絶縁体32を移動させて、付加絶縁体としてのチューブ絶縁体32を中心導体部材34に被せる(中心導体部材34をチューブ絶縁体32に挿入する)。そして、チューブ状の絶縁体であるチューブ絶縁体32の一部が図10に示すように先端側絶縁体31のテーパー部33上に乗り上げるまでチューブ絶縁体32を移動させる。
【0088】
このように、先端側絶縁体31の後端部をテーパ−部33とすることで、チューブ絶縁体32を先端側絶縁体31と重なるように配置する作業を容易に行なうことができる。なお、この場合中心導体部材34を固定しておき、チューブ絶縁体32を図11に示した矢印の方向に移動させてもよいし、逆に、チューブ絶縁体32を固定して中心導体部材34をチューブ絶縁体32へ挿入してもよい。このようにして、中心交換部材35を得ることができる。電極1では、この中心交換部材35を交換することで、中心導体12、絶縁体11および浮遊導体22a〜22cを一括して交換することができる。
【0089】
また、図10に示すように、外周導体10と把持部材8との接続部においては、把持部材8の内周面の全体にネジ溝19が形成されている。そして、外周導体10の後端部の位置と把持部材8の後端部(反力受けベース部6に近い側の端部)との位置はほぼ一致している。なお、外周導体10と把持部材8との接続部の構造を、図1および図2に示した電極1における外周導体10と把持部材8との接続部の構造と同様としてもよい。
【0090】
このような電極1によっても、図9に示した本発明による電極1と同様の効果を得ることができる。さらに、図10および図11に示した電極1を構成する中心交換部材35(図11参照)は、中心導体部材34(図11参照)にチューブ絶縁体32を嵌め込むことにより形成できるので、異なる全長の電極1が必要である場合に、1種類の中心導体部材34(図11参照)を利用して異なる長さの中心交換部材35(図11参照)を得ることができる。つまり、まず適用する電極1の長さに合わせて中心導体部材34の後端側を所定の長さだけ切断する。そして、上述のようにチューブ絶縁体32を中心導体部材34に被せることで、異なる長さの電極1(図10参照)に適合した中心交換部材35(図11参照)を容易に得ることができる。
【0091】
このように、同じ金型によって中心導体部材34を形成した上で、後からその長さをさまざまに変化させた中心交換部材35を形成することができるので、電極1の製造コストを低減することができる。なお、このような中心交換部材35の長さは、電極1の延びる方向における外周導体10の長さおよび沿面絶縁距離L1(図10参照)によって決定される。
【0092】
ここで、電極1のサイズとしては、たとえば以下のような値を用いることができる。すなわち、中心導体12の直径を8mm、外周導体10の内径を16.1mm、外周導体10の外形を21.7mmとすることができる。また、電極1の中心軸の延びる方向における長さについては、外周導体10の上記中心軸に沿った方向における長さを230mm、中心導体12の上記中心軸に沿った方向の長さを500mmとすることができる。また、沿面絶縁距離L1(図10参照)としては、たとえば電極1に供給する電流の電圧として20kVという値を用い、電極1を泥水などに濡らした場合でも特に問題にならないような値として経験上10cm〜20cm程度とすることが好ましい。
【0093】
また、このように電極1が水に濡れるような場合には、チューブ絶縁体32として弾性を有するゴムなどを用いることにより、先端側絶縁体31のテーパー部33とチューブ絶縁体32の接触部においてこのチューブ絶縁体32の内周面とテーパー部33の表面とを密着させることが好ましい。このようにすれば、チューブ絶縁体32の内周面とテーパー部33の表面との間の間隙に水などが浸入することを防止できる。また、図10において、浮遊導体22aの後端と先端側絶縁体31の後端との間の距離L3は20mm以上とすることが好ましい。また、距離L3は40mmとすることがより好ましい。また、電極1の中心軸に沿った方向におけるテーパー部33の長さL2はたとえば10mm程度とすることができる。
【0094】
また、先端側絶縁体31の材料としては、EP(ethylene propylene)ゴムなどを用い、その厚さは4mmとすることができる。また、浮遊導体22a〜22cの内径は17mm、外径は19mm、電極1の中心軸に沿った方向における浮遊電極の長さは10〜60mm、浮遊導体22a〜22cの間の間隔は5mmとすることができる。また、チューブ絶縁体32としては、たとえば電極1に供給する電流の電圧を20kVとした場合には、1mm以上の厚みの樹脂製のチューブを用いることができる。また、チューブ絶縁体32の材料として用いる樹脂としてはシリコン系の樹脂を用いることが好ましい。
【0095】
また、図11に示した中心導体部材34の先端側絶縁体31の後端部はテーパー状の形状を有するテーパ−部33(図10参照)となっているが、先端側絶縁体31の後端部の形状は他の形状であってもよい。なお、このようなテーパー部33を設けることにより、チューブ絶縁体32と先端側絶縁体31との接続部の強度を向上させることができる。
【0096】
また、チューブ絶縁体32の材料として熱収縮性の樹脂、あるいは汎用の樹脂を用いてもよい。
【0097】
図12は、図10および図11に示した本発明による電極の第1の変形例を示す模式図である。図13は、図12に示した電極の断面模式図である。図12および図13を参照して、本発明による電極の実施の形態3の第1の変形例を説明する。
【0098】
図12および図13に示すように、電極1は基本的に図10および図11に示した電極と同様の構造を備えるが、中心交換部材35を構成する絶縁体11の構成が異なる。すなわち、図12および図13に示した電極1では、絶縁体11が、先端側絶縁体31と、この先端側絶縁体31の後端から中心導体12の外周側面上にまで延在するように巻付けられたテープ状の絶縁体であるテープ状絶縁体41とからなる。このような構成の電極1によっても、図10および図11に示した電極と同様の効果を得ることができる。
【0099】
また、図12および図13に示すように、チューブ絶縁体32(図10参照)に代えてテープ状絶縁体41を用いることで、中心導体12や先端側絶縁体31の形状に関係無く、中心導体12の外周面上を絶縁体で被覆する作業を容易に行なうことができる。
【0100】
図14は、図10および図11に示した本発明による電極の第2の変形例を示す断面模式図である。図14を参照して、本発明による電極の実施の形態3の第2の変形例を説明する。
【0101】
図14に示すように、電極1は基本的に図10および図11に示した電極と同様の構造を備えるが、中心導体12の外周側面上において先端側絶縁体31の後端側に隣接するように突起部38が形成されている。突起部38は、中心導体12の周方向全体に形成されている。なお、突起部38として、中心導体12の外周側面において、中心導体12の周方向において互いに間隔を隔てて配置された複数の突起部を形成してもよい。そして、この突起部38上を覆うようにチューブ絶縁体32が配置されることにより、チューブ絶縁体の凸形状部39が形成されている。
【0102】
このような電極1によっても、図10および図11に示した電極1と同様の効果を得ることができる。さらに、突起部38が形成されているので、中心導体12の側壁面上からチューブ絶縁体32が外れにくくなっている。すなわち、中心交換部材35の形状をより確実に維持することができる。
【0103】
図15は、図10および図11に示した本発明による電極の第3の変形例を説明するための断面模式図である。図15を参照して、本発明による電極の実施の形態3の第3の変形例を説明する。
【0104】
図15に示すように、電極1は基本的に図10および図11に示した電極1と同様の構造を備えるが、外周導体10と中心導体12との間に位置する絶縁体の構造が異なる。すなわち、図15に示した電極1では、図10のチューブ絶縁体32(図10参照)の代りに、外周導体10の内周面上に外周導体側絶縁体40が配置されている。外周導体側絶縁体40は、外周導体10の内周面に固定されていてもよいし、着脱可能に設置されていてもよい。外周導体側絶縁体40の先端側の端部(電極1の先端側に近い部分)は、先端側絶縁体31のテーパー部33の表面に接触した状態となっている。図15に示した電極1では、先端側絶縁体31と外周導体側絶縁体40とにより、中心導体12と外周導体10との間を絶縁している。
【0105】
このような電極1によっても、図10および図11に示した電極1と同様の効果を得ることができる。また、中心導体12、先端側絶縁体31および浮遊導体22a〜22cからなる中心導体部材34(図11参照)を電極1から取外して交換できるので、電極1を構成する交換部品の数を削減することができる。
【0106】
なお、図15に示したような電極1の構造を得るため、外周導体側絶縁体40の長さは、中心導体部材34を矢印37で示す方向に外周導体10の内周側へと挿入した際に、先端側絶縁体31のテーパー部33表面と外周導体側絶縁体40の端部が接触するように設定される。
【0107】
(実施の形態4)
図16は、本発明による電極の実施の形態4を示す断面模式図である。また、図17は、図16に示した電極における中心導体を反力受けベース部6に固定するための固定部材を示す斜視模式図である。図16および図17を参照して、本発明による電極の実施の形態4を説明する。なお、図16は図2に対応する。
【0108】
図16に示すように、電極1は基本的に図10に示した電極1と同様の構造を備えるが、絶縁体11の構造および反力受けベース部6と中心導体12とを固定する部分の構造が異なる。すなわち、絶縁体11は図9に示した電極1における絶縁体11と同様に、中心導体12の先端部から後端部付近まで、中心導体12の側壁面を覆うように延在している。中心導体12の先端部側では、絶縁体11に浮遊導体22a〜22cが埋め込まれた状態になっている。
【0109】
また、反力受けベース部6には開口部52が形成されている。開口部52の平面形状は円形状や多角形状など、どのような形状でもよい。なお、図16に示した開口部52の平面形状は円形状である。開口部52上には、図17に示すような固定部材42が反力受けベース部6に固定されている。具体的には、固定部材42を構成する一方の把持アーム43の下面が反力受けベース部6の上部表面と接続固定されている。
【0110】
図17に示すように、固定部材42は一方の把持アーム43と他方の把持アーム44とがジョイント部45において回転可能に接続されている。ジョイント部45にはバネなどの弾性体(図示せず)が配置されている。この弾性体によって、把持アーム44は把持アーム43に向かう方向(矢印46に示す方向)に押しつけられるような力を受けている。
【0111】
このような構造の電極1によっても、本発明の実施の形態1による電極1と同様の効果を得ることができる。さらに、図16に示すように、中心導体12の後端部を固定部材42の把持アーム43、44の間で挟むことにより、把持アーム43、44の側壁面と中心導体12の側壁面との間の摩擦力によって、反力受けベース部6に中心導体12を容易に固定できる。
【0112】
反力受けベース部6に形成された開口部52の幅D3は、中心導体12と絶縁体11と浮遊導体22a〜22cとからなる中心交換部材の幅D1より大きくなっている。また、把持アーム43の中心導体12と接触する側壁から、把持アーム43と対向する開口部52の側壁までの距離D2も、上記中心交換部材の幅D1より大きくなっている。
【0113】
そして、把持アーム44は矢印46の示す方向とは逆方向に向けて、ジョイント部45(図17参照)を中心として回転させることができる。このとき、把持アーム44において最も把持アーム43寄りの側壁は開口部52の側壁の位置より図16において右側(反力受けベース部6の上部表面上の領域)にまで到達可能となっている。つまり、ジョイント部45(図17参照)を中心として把持アーム44を開くことにより、幅D2の開口部を作ることができる。
【0114】
この幅D2の開口部を介して、中心導体12と絶縁体11と浮遊導体22a〜22cとからなる中心交換部材を反力受けベース部6側から外周導体10の内周部へ挿入することができる。このように、中心交換部材をいわゆる後込め方式で外周導体10の内部に挿入した後、開放していた把持アーム44をジョイント部45(図17参照)に設置されたバネなどの力で矢印46の方向に移動させる。この結果、把持アーム43、44により中心交換部材の中心導体12を挟むことによって、中心交換部材の中心導体12を簡単に固定できる。したがって、固定部材42により中心交換部材が電極1の先端側へ抜けて落ちることを防止できる。
【0115】
また、中心導体12の後端部上には、把持アーム44の一部(延在部)が延在するように配置されている(把持アーム44の断面形状は図16に示すようにいわゆるL字型になっている)。電極1に電力を供給して岩石などを破砕する場合、電極1の先端部側から反力受けベース部6に向けた方向に中心導体12は反力を受けるが、この反力を上記把持アーム44の延在部により受け止めることができる。把持アーム44の延在部に作用した反力は、ジョイント部45および把持アーム43を介して反力受けベース部6に伝わる。このため、ジョイント部45や把持アーム43と反力受けベース部6との接続部の強度を充分大きくしておけば、本発明の実施の形態1と同様に反力受けベース部6に重りなどを載せることで、上記反力を容易に打消すことができる。
【0116】
また、図16に示した電極1を用いて岩石などの破砕を行なった場合、破砕の後に下孔4(図1参照)が塞がってしまい、この下孔4から電極1が抜けなくなることがある。このような場合、反力受けベース部6と中心導体12とがしっかりネジなどで固定されていると、反力受けベース部6から中心導体12を含む中心交換部材を分離して、コネクタ部9や外周導体10のみを下孔4(図1参照)から抜き出す(中心導体12のみを下孔4の内部に残して、他の電極1の部分を下孔4から取出す)作業、あるいは中心交換部材のみを下孔から4(図1参照)から取出す作業がやり難くなる。しかし、図16のようなバネなどの弾性体の弾性力を利用した固定部材42を用いれば、固定部材42から中心導体12を容易に分離できる。したがって、上述のような作業を容易に行なうことができる。
【0117】
なお、中心導体12を反力受けベース部6に着脱可能に固定する部材としては、図17に示したようなバネなどの弾性体の弾性力を利用した固定部材42以外のどのような形式の固定部材を用いてもよい。
【0118】
図18は、図16に示した本発明による電極の変形例を示す断面模式図である。図18を参照して、本発明による電極の実施の形態4の変形例を説明する。
【0119】
図18に示すように、電極1は基本的に図16に示した電極1と同様の構造を備えるが、中心導体12を反力受けベース部6に固定するための構造が異なる。図18に示した電極1では、反力受けベース部6に形成された開口部52を挟むように、反力受けベース部6の上部表面上に固定部材47a、47bが接続固定されている。固定部材47a、47bは、互いに対向するように配置されている。固定部材47a、47bには、ネジ49を通すためのネジ穴48a、48bがそれぞれ形成されている。
【0120】
また、中心導体12の後端部には、ネジ49を通すためのネジ穴51が形成されている。そして、反力受けベース部6の開口部52を介して(後込め式で)外周導体10の内周部に、中心導体12と絶縁体11と浮遊導体22a〜22cとからなる中心交換部材を挿入配置する。この状態で、固定部材47aのネジ穴48bから中心交換部材を構成する中心導体12のネジ穴51を介して固定部材47bのネジ穴48を通すようにネジ49を配置する。そして、固定部材47a側からネジ49にナット50を嵌め込んで固定する。このようにして、反力受けベース部6に中心交換部材を固定できる。
【0121】
このような電極1によっても、本発明の実施の形態1による電極と同様の効果を得ることができる。また、図16に示した電極1より、反力受けベース部6に中心交換部材を強固に固定することができる。
【0122】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0123】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、破砕装置用電極において破損した部分のみを個別に交換できるので、破砕作業のランニングコストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電極およびその電極を用いた破砕装置の実施の形態1を示す模式図である。
【図2】図1に示した破砕装置を構成する電極の断面模式図である。
【図3】本発明による破砕装置を構成する電極の実施の形態2を示す模式図である。
【図4】図3に示した電極の断面模式図である。
【図5】図3および図4に示した電極の第1の変形例を示す断面模式図である。
【図6】図3および図4に示した電極の第2の変形例を示す断面模式図である。
【図7】図3および図4に示した本発明による電極の第3の変形例を示す断面模式図である。
【図8】図3および図4に示した電極の第4の変形例を示す模式図である。
【図9】図8に示した電極の断面模式図である。
【図10】本発明による電極の実施の形態3を示す断面模式図である。
【図11】図10に示した電極を構成する中心導体、絶縁体および浮遊導体からなる中心交換部材の製造方法を説明するための模式図である。
【図12】図10および図11に示した本発明による電極の第1の変形例を示す模式図である。
【図13】図12に示した電極の断面模式図である。
【図14】図10および図11に示した本発明による電極の第2の変形例を示す断面模式図である。
【図15】図10および図11に示した本発明による電極の第3の変形例を説明するための断面模式図である。
【図16】本発明による電極の実施の形態4を示す断面模式図である。
【図17】図16に示した電極における中心導体を反力受けベース部に固定するための固定部材を示す斜視模式図である。
【図18】図16に示した本発明による電極の変形例を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1 電極、2 パルスパワー源、3 破砕対象物、4 下孔、5 水、6 パルスパワー源、6 反力受けベース部、7 外周絶縁体、8 把持部材、9 コネクタ部、10 外周導体、11 絶縁体、12 中心導体、13,14 ケーブル、15 重り、16 コンデンサ、17 電源、18 凹部、19,28 ネジ溝、20,21 後端部、22,22a〜22c 浮遊導体、23,42,47a,47b 固定部材、24 凹部、25 ギャップ、26 切れ込み部、27,29,48a,48b,51 ネジ穴、30 ネジ溝部、31 先端側絶縁体、32 チューブ絶縁体、33 テーパー部、34 中心導体部材、35 中心交換部材、37 矢印、38 突起部、39 凸形状部、40 外周導体側絶縁体、41 テープ状絶縁体、43,44 把持アーム、45 ジョイント部、46 矢印、49 ネジ、50 ナット、52 開口部。
Claims (15)
- 中心軸に沿って延在し、外周面を有する中心導電体と、
前記中心導電体の外周面上に配置された絶縁部材と、
前記絶縁部材を囲むように配置された外周導電体とを備え、
前記中心導電体が着脱可能に設けられている、破砕装置用電極。 - 前記絶縁部材は前記中心導電体の外周面上に接続固定されている、請求項1に記載の破砕装置用電極。
- 前記破砕装置用電極の先端側において、前記中心導電体の端部は前記外周導電体の端部の位置より突出するように配置され、
前記中心導電体の前記端部において、前記中心導電体の外周面上に前記絶縁部材を介して配置されるとともに、前記外周導電体の端部との間に間隙を隔てて配置された先端導電体を備える、請求項1または2に記載の破砕装置用電極。 - 前記破砕装置用電極の先端側において、前記中心導電体の端部は前記外周導電体の端部の位置より突出するように配置され、
前記絶縁部材は、前記中心導電体の前記端部において前記中心導電体の外周面上に接続固定された先端側絶縁体と、前記先端側絶縁体上から、前記外周導電体と対向する前記中心導電体の外周面上にまで延在する付加絶縁体とを含み、
前記中心導電体の前記端部において、前記中心導電体の外周面上に前記先端側絶縁体を介して配置されるとともに、前記外周導電体の前記端部との間に間隙を隔てて配置された先端導電体を備える、請求項1に記載の破砕装置用電極。 - 前記付加絶縁体は、前記中心導電体の外周面を覆うことが可能なチューブ状の絶縁体および前記中心導電体の外周面を覆うように前記中心導電体に巻き付けられたテープ状の絶縁体のいずれか一方を含む、請求項4に記載の破砕装置用電極。
- 前記破砕装置用電極の先端側において、前記中心導電体の端部は前記外周導電体の端部の位置より突出するように配置され、
前記絶縁部材は、前記中心導電体の前記端部において、前記中心導電体の外周面上に接続固定された先端側絶縁体と、前記中心導電体と対向する前記外周導電体の内周面上に配置された付加絶縁体とを含み、
前記中心導電体の前記端部において、前記中心導電体の外周面上に前記先端側絶縁体を介して配置されるとともに、前記外周導電体の前記端部との間に間隙を隔てて配置された先端導電体を備える、請求項1に記載の破砕装置用電極。 - 前記先端側絶縁体において、前記中心導電体の前記端部とは反対側に位置する他方端部に面する部分の表面は、前記中心導電体の他方端部に近づくにつれて前記表面から前記中心導電体の外周面までの距離が小さくなるように形成されている、請求項4〜6のいずれか1項に記載の破砕装置用電極。
- 前記破砕装置用電極の先端側と反対側に位置し、前記中心導電体と前記外周導電体とに接続されたベース部材をさらに備え、
前記ベース部材において前記中心導電体が接続された部分と前記外周導電体が接続された部分とは電気的に絶縁され、
前記中心導電体は前記ベース部材と着脱可能に接続されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の破砕装置用電極。 - 前記外周導電体は前記ベース部材と着脱可能に接続されている、請求項8に記載の破砕装置用電極。
- 前記ベース部材は、前記破砕装置用電極の先端側と反対側に位置する後端側に面するとともに、前記中心軸に対してほぼ垂直な方向に延びる表面を有する、請求項8または9に記載の破砕装置用電極。
- 中心軸に沿って延在し、外周面を有する中心導電体と、
前記中心導電体の外周面上に配置された絶縁部材と、
前記絶縁部材を囲むように配置された外周導電体とを備え、
前記中心導電体と前記絶縁部材と前記外周導電体とからなる群から選択される少なくとも1つが着脱可能に設けられている、破砕装置用電極。 - 請求項1〜11のいずれか1項に記載の破砕装置用電極を備える破砕装置。
- ある方向に延在する中心導電体と、
前記中心導電体の端部において、前記中心導電体の外周面上に接続固定された端部絶縁体と、
前記端部絶縁体上に配置された端部導電体とを備える、破砕装置用電極部品。 - 前記端部絶縁体上から、前記中心導電体において前記端部と反対側に位置する他方端部にまで延在するように、前記中心導電体の外周面上に配置された付加絶縁体をさらに備える、請求項13に記載の破砕装置用電極部品。
- 請求項10に記載の破砕装置用電極を用いた破砕方法であって、
前記ベース部材の前記表面上に重りを載せる工程と、
前記表面上に重りを載せた状態で、破砕対象物を破砕するために前記破砕装置用電極の前記外周導電体と前記中心導電体とに電流を供給することにより放電を発生させる工程とを備える、破砕方法。
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