JP2004181024A - 帯電防止塵埃除去装置 - Google Patents
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Abstract
【効果】回路基板等に本発明のローラー面を押しつけ回転させることで塵埃を除去する際に発生する強力な帯電圧をアースすることで静電気による電子部品や電子回路の破壊を防止することができる。また、回路基板側も帯電されないようにしたので、回路基板側に塵埃が再付着することが防止できる。さらに、作業者の作業動作中の動きにより衣服の衣擦れがあり、その際に生じる静電気の帯電圧も遮断することができる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クリーン度を要求されるハイテク機器等の製造工程において、各工程では、粘着ゴムローラーで塵埃を除去することが広く行われている。この粘着ゴムローラーで塵埃を除去する際に、剥離帯電による粘着ゴムローラー自体の帯電や、この剥離帯電によるワークの帯電が生じる。これらの帯電によって静電破壊や帯電によるチリ、ホコリの再付着が生じてしまうことを防止するための帯電防止塵埃除去装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来は、対象物上を転がることでその表面のゴミを付着して除去するメインローラーと、メインローラーと平行でかつメインローラーと接触した状態で回動するように支持され、メインローラーと接しながら回転することによりメインローラーに付着したゴミが転写されるサブローラーとを具備したことを特徴とするゴミ取りローラー(例えば、特許文献1参照)が存在している。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−112944号公報(特許請求の範囲の請求項1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来技術においては、確かに対象物上を転がることでその表面のゴミを付着して除去するメインローラーと、メインローラーと平行でかつメインローラーと接触した状態で回動するように支持され、メインローラーと接しながら回転することによりメインローラーに付着したゴミが転写されるサブローラーとを具備したことを特徴としているので、メインローラーの表面はサブローラーによって常に清掃されることから、対象物へのゴミの再付着を防止することができる。また、サブローラーを清掃すればよいことから、ゴミ取りローラーの予備は必要なく、サブローラーの予備だけを準備しておけばよいので、コストダウンが図れる。また、サブローラーを外して水洗いすればよいので、粘着シートが必要でなくなるものであるが、従来のゴミ取りローラーでは、ローラー面を回路基板等に当て、ゴミ取りを行うと、当然ローラー面を強く押し付け回転させることになり、この回転により強力な帯電圧が生じ、その結果静電気による電子部品や電子回路を破壊してしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑み、粘着ゴム自体に導電性を持たせ、さらにこの導電性ゴムを回転させるための機構を構成する全ての部品、例えばゴムを嵌め込む外筒、ベアリング、センター支柱にも導電性の材料にて導電性を持たせ、ただし、作業者がローラーを掴むグリップだけは故意に絶縁性樹脂製にし、この絶縁性グリップの内部にアース配線を施した構造にしている。その理由は、作業者自身の作業動作による衣服の衣擦れによって生じる作業者側から発生した静電気を粘着ゴムローラーに直接静電気が導かれないように工夫をし、しかも導電性粘着ゴムローラー表面で生じた静電気は、作業者からの影響を受けず、絶縁グリップの内部に設けられているアースリードを通じ、直接アースができる構造としている。このため、極微弱の静電気の発生にも完全にアースができ、しかも作業者からの静電気により回路基板など破壊されることを心配せずにゴミ取りが可能な帯電防止塵埃除去装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題の解決を図ったもので、次のような技術手段を採用した。請求項1記載の発明においては、導電性材料からなる導電性アームに回転自在に導電性粘着ゴムローラーを設け、前記導電性アームには絶縁性ハンドグリップを設け、この絶縁性ハンドグリップの内部に導電性粘着ゴムローラー、導電性アームに接触状態で連結されるように導電性アースリード線を設け、絶縁性ハンドグリップエンドにアース用接続ジャックを装備し、該アース用接続ジャックからアースを取るようにするという技術手段を採用した。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面で詳細に説明する。
図1は、本発明の帯電防止塵埃除去装置の全体を示した概略斜視図、図2は、本発明の導電性粘着ゴムローラー部分を断面にして示す平断面図である。
【0008】
図1、図2に基づいて本発明の帯電防止塵埃除去装置を詳細に説明する。
図1、図2から分かるように、ゴミ取りのローラーは、グリップ1の付いた略コ字型のアーム2に導電性粘着ゴムローラー3が設けられている。導電性粘着ゴムローラー3は、装着用アルミ製等の外筒4の外周に取り付けられていて、外筒4の両端にベアリング5を介してセンター支柱6を設け、このセンター支柱6を略コ字型のアーム2の両端部7に固定ビス8等で固定する。グリップ1を除く以上の各部材、アーム2、導電性粘着ゴムローラー3、外筒4、ベアリング5、センター支柱6、固定ビス8は全て導電性の材料を適宜選択して採用するもので、例えばステンレススチール等を採用する。
【0009】
また、グリップ1は絶縁性樹脂製で作製され、アーム2の中間部に固設されたボルト9にネジ込み取り付けるようにグリップ1の端内部にナット10を埋め込んであり、グリップ1の他端部にはアースガイド中間連結部材12を介してアースソケット11をネジ込み等の手段で取り付ける。さらにこのアースソケット11にアースプラグ13を挿入し、アース線の他端はグランドに連結する。
【0010】
以上のような構成を有しているので、導電性粘着ゴムローラー3を採用して、粘着剤を使用していないため糊移りがなく、クリーニングしながらリユースすることができ、経済的である。また、ゴムローラーに付着したゴミは、洗浄再生可能な専用の転写シートで簡単に取り除くことができ、導電性粘着ゴムのみの交換が可能なため、大幅なランニングコストの低減ができ、経済的である。
【0011】
以上の説明のように第一実施例は、直接アースタイプとして、導電性粘着ゴムローラー3は、ステンレススチール製アーム2に回転自在に取り付けられ、アーム2の中間部には絶縁性ハンドグリップ1を構成し、その絶縁性樹脂製グリップ1の内部にアースリードを走らせ、グリップ1のエンドにアース用接続ジャックを装備することにより、導電性粘着ゴムローラー3表面で生じた帯電圧は直接アースされるように設計されているため、万一作業者自身よりの帯電にも全く影響が及ばず、完全アースされる。なお、アース用接続ジャックからは必ずアースを取るようにする。
【0012】
次に、第二実施例として間接アースタイプとして導電性粘着ゴムローラー3をステンレススチール製アーム2に回転自在に設け、アーム2の中間部にステンレススチール製ハンドグリップを固設する。この導電性粘着ゴムローラー3を回転させて塵埃を除去することにより、帯電しても瞬時にステンレススチール製ハンドグリップによりアースされる。この際、作業者は素手、導電性手袋、あるいは導電性指サックを着用し、同時にリストバンドにてアースを必ずとるようにする。
【0013】
また、第一実施例のように絶縁性樹脂製ハンドグリップの内部にアースリードを走らせてグリップエンドにアース用接続ジャックを装備しているものに換えて、単純にアームにアース線のわに口係止部を利用して取り付けることでアースをとるようにすることもできる。
【0014】
【発明の効果】
本発明は、以上の構成を採用した結果、次のような効果を得ることができる。
(1)回路基板等に本発明の帯電防止塵埃除去装置のローラー面を押しつけ回転させることで塵埃を除去する際に発生する強力な帯電圧をアースすることで静電気による電子部品や電子回路の破壊を防止することができる。
(2)回路基板側も帯電されないようにしたので、回路基板側に塵埃が再付着することが防止できる。
(3)本発明の帯電防止塵埃除去装置を取り扱う、作業者の作業動作中の動きにより衣服の衣擦れがあり、その際に生じる静電気の帯電圧も遮断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の帯電防止塵埃除去装置の全体を示した概略斜視図である。
【図2】本発明の導電性粘着ゴムローラー部分を断面にして示す平断面図である。
【符号の説明】
1‥‥グリップ 2‥‥アーム
3・・・・導電性粘着ゴムローラー 4・・・・外筒
5・・・・ベアリング 6・・・・センター支柱
7・・・・両端部 8・・・・固定ビス
9・・・・ボルト 10・・・・ナット
11・・・・アースソケット 12・・・・アースガイド中間連結部材
13・・・・アースプラグ
Claims (1)
- 導電性材料からなる導電性アームに回転自在に導電性粘着ゴムローラーを設け、前記導電性アームには絶縁性ハンドグリップを設け、この絶縁性ハンドグリップの内部に導電性粘着ゴムローラー、導電性アームに接触状態で連結されるように導電性アースリード線を設け、絶縁性ハンドグリップエンドにアース用接続ジャックを装備し、該アース用接続ジャックからアースを取るようにしたことを特徴とする帯電防止塵埃除去装置。
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