JP2004179980A - 携帯電話機 - Google Patents
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Abstract
【課題】通話中でも、携帯電話機を耳から離すことなく、簡単でかつ正確にボタン操作を行うことができる携帯電話機を提供することを目的とする。
【解決手段】受話用スピーカが設けられた面の反対側の面に備えられた複数の入力ボタンと、該入力ボタンへの接触を検出する入力検出手段と、該入力ボタンと識別音情報とを関連づけたデータテーブルと、該入力検出部が該入力ボタンへの接触を検出したときに、該入力ボタンに対応する識別音を識別音情報に基づいて発音する発音手段とにより、通話中でも正確にボタン操作を行うことができる携帯電話機を提供する。を有する携帯電話機。
【選択図】 図2
【解決手段】受話用スピーカが設けられた面の反対側の面に備えられた複数の入力ボタンと、該入力ボタンへの接触を検出する入力検出手段と、該入力ボタンと識別音情報とを関連づけたデータテーブルと、該入力検出部が該入力ボタンへの接触を検出したときに、該入力ボタンに対応する識別音を識別音情報に基づいて発音する発音手段とにより、通話中でも正確にボタン操作を行うことができる携帯電話機を提供する。を有する携帯電話機。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、携帯電話機は、文字情報や画像情報等を表示する表示部と数字や文字の入力を行う操作ボタンとが受話用スピーカや送話用マイクとを備えた面と同一の面に配設されているのが一般的である。これは、未使用時には本体を半分に折り畳むことにより携帯性を高めた、いわゆる、折り畳み式携帯電話機でも同様である。また、受話器裏側のケース面に携帯電話機の機能に関連する操作キー(例えば、メモ用スイッチや再生用スイッチ)のみを別途、配置したものが提案されている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−236378号公報(第2−4頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のように、入力ボタンを表示部や受話用スピーカおよび送話用マイクが配置されている面と同一の面に配置すると、通話時には、入力ボタンが顔に隠れてしまい(図1(b)参照)、ボタンの操作をすることができない。特に、音声ガイダンスによるサービスを利用する場合には、音声ガイダンスの指示に応じた数字を入力する際に、いちいち携帯電話機を耳から離し、目視で入力ボタンを確認しながら数字を入力するような操作を繰り返さなければならず煩雑であった。また、特許文献1には、受話器裏側のケース面に通話内容を録音するためのキー等を設けるという技術が記載されているが、受話器裏側のケース面に複数のキーがある場合には、通話中に、正確に、これを操作することが困難であるという問題もある。
【0005】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであって、通話中でも、携帯電話機を耳から離すことなく、簡単でかつ正確にボタン操作を行うことができる携帯電話機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、受話用スピーカが設けられた面の反対側の面に備えられた複数の入力ボタンと、該入力ボタンへの接触を検出する入力検出手段と、該入力ボタンと識別音情報とを関連づけたデータテーブルと、該入力検出部が該入力ボタンへの接触を検出したときに、該入力ボタンに対応する識別音を識別音情報に基づいて発音する発音手段とを有する携帯電話機を提案している。
【0007】
この発明によれば、入力ボタンが受話用スピーカのある面と反対の面に設けられているため、通話中でも入力ボタンを操作することができる。また、入力ボタンへの接触があると入力検出手段が作動して、入力ボタンを特定し、データテーブルにより、特定したボタンに対応した識別音が発音手段の作動により、発音されるため、この識別音を手がかりに操作している入力ボタンを特定することができる。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載された携帯電話機について、前記識別音情報が音声を構成する各要素の値を定めた音声パラメータを含み、該音声パラメータにより音声を合成する音声合成手段を有する携帯電話機を提案している。
この発明によれば、音声合成手段の作動により音声合成された音声が各入力ボタンに対応して発音されるため、効果音のような単音と異なり、より正確に入力ボタンを特定することができる。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載された携帯電話機について、前記入力ボタンにより入力モードを変更するモード変換手段を有する携帯電話機を提案している。
【0010】
この発明によれば、入力モードを変換するモード変換手段を備えることから、たとえば、入力モードをかな文字入力に変更した場合には、発音手段の作動により、入力ボタンと関連付けた音声情報に基づいて変換されたかな文字に対応する音声が発音される。したがって、使用者は入力しようとする情報が正しいのか否かを正確に把握できる。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載された携帯電話機において、前記入力ボタンに各ボタンを識別するための点字表示を設けた携帯電話機を提案している。
この発明によれば、各入力ボタンに対応して点字表示を設けたため、入力ボタンを触覚の作用によっても特定することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る携帯電話機について図1から図10を参照して詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る携帯電話機は、図1(a)に示すように、一方の面に受話用スピーカと、送話用マイクと、表示部とを備え、これと反対の面に入力ボタンを配置する構造となっている。したがって、従来のように、入力ボタンが顔に覆われて、通話中には、入力ボタンを操作できないということがなく、通話中であっても、入力ボタンを操作して情報を入力することができる。
【0013】
ここで、通話中の情報入力については、例えば、音声ガイダンスによるサービスを利用する際に、必要な電話番号やサービスの提供を受けるための情報入力として数字を入力する場合、通話中に携帯電話機のメモ機能を利用してメモしたい情報を入力し、これを記憶装置に記憶させる場合などがある。本実施形態においては、数字による入力のほかに、かな変換機能を備えているためメッセージ等を音声で確認しながら入力することができる。
【0014】
本実施形態にかかる携帯電話機は、図2に示すように、CPU(CPU:Central Processing Unit)1と、通信部2と、アンテナ3と、音声処理部4と、マイク5と、イヤースピーカ6と、着信音用スピーカ7と、着信音用音源8と、操作入力部9と、RAM(RAM:Random Access Memory)10と、ROM(ROM:Read Only Memory)11と、表示部12と、バイブレータ13とから構成されている。
【0015】
CPU1は、携帯電話機のシステムに関する各種の処理を実行することにより、携帯電話機の各部の動作を制御する。通信部2は、音声や文字、画像等で構成される通信情報を受信して、これらを電気信号に変換するとともに、音声や文字、画像等の電気信号を通信情報に変換して送信する。アンテナ3は、外部の携帯電話機から送信されてくる通信情報を受信し、これを通信部2に出力するとともに、通信部2から入力した通信情報を外部の携帯電話機に対して送信する。
【0016】
音声処理部4は、通信部2から入力した音声に関する電気信号をアナログ信号に変換して、イヤースピーカ6に供給するとともに、マイク5から入力されたアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換して通信部2に出力する。マイク5は、話者の発する音声等を入力する音声入力手段であり、イヤースピーカ6は、外部の携帯電話機等から送信されてきた音声を出力する音声出力手段である。
【0017】
着信音用スピーカ7は、外部からの通信情報を受信したときに、使用者が予め設定した着信音を着信音用音源8からの信号に応じて出力する。着信音用音源8は、選択された楽曲データを再生して着信音として着信音用スピーカ7を介して出力する。また、操作入力部9を用いて、入力ボタンを操作する場合に、操作する入力ボタンに対応した特有の確認音を出力したり、確認音に代えて人間の音声を合成音声として出力する。さらに、文字の入力の際には、入力候補文字を音声合成し、合成した音声をイヤースピーカ6から出力する。なお、音声合成に関する詳細については後述する。
【0018】
操作入力部9は、文字や数字等を入力するための入力手段である。RAM10は、ダウンロードされた楽曲データや受信した電子メール等の情報を一時的に格納する書き換え可能な記憶手段であり、本実施形態においては、通話中に入力された数字や文字も保存される。ROM11は、CPU1が実行する通信情報の送受信に関する制御プログラムや楽曲データの再生に関する制御プログラム、音声合成に関する制御プログラム等を格納するとともに、予め決められた着信音用の楽曲データや音声合成に関する各種パラメータ、入力ボタンと確認音または音声を関連付けたデータテーブル、入力ボタンとかな文字を関連付けたデータテーブル等を格納する書き換え不能の記憶装置である。
【0019】
表示部12は、操作入力部9より入力されたデータや着信情報、着信した文字情報や画像情報等を表示する出力手段である。バイブレータ13は、通話信号の着信や電子メールの着信を振動により使用者に知らせる。なお、これらの各構成要素は、データバスにより接続され、各要素間での信号の入出力を行っている。
【0020】
次に、着信音用音源8の詳細について説明する。本実施形態においては、着信音等を生成する着信音用音源8を利用して、各操作ボタンに対応した特定の音声や入力候補文字を音声で知らせるための音声合成を行っている。以下、図3を用いて、着信音用音源8の構成を説明する。
【0021】
図3に示すように、着信音用音源8は、入出力I/F(I/F:Interface)21と、FIFO(FIFO:Fast in Fast Out Memory)22と、シーケンサ23と、FM音源24と、WT音源25と、波形メモリ26と、加算器27とから構成されている。入出力I/F21は、データバスを介して、CPU1から着信音等を再生するための楽曲シーケンスデータやこれに関する命令および音声合成に関する各種パラメータを入力するとともに、後述するFIFO22の状態通知等をCPU1に対して出力するためのインターフェース回路である。
【0022】
FIFO22は、記憶装置を含む回路であり、与えられたシーケンスデータを一時保持し、保持したデータを順次シーケンサ23に供給する。シーケンサ23は、CPU1からの発音開始および発音終了等の命令により、発音を開始する場合には、FIFO22から受けた楽曲シーケンスデータを解釈するとともに、所定のタイミングで各種パラメータや制御信号を後述するFM音源24またはWT音源25に供給し、これらを駆動する。
【0023】
なお、WT音源25は、周知のように各種楽器音や音声等をデジタル録音して予め蓄えられている波形メモリ26の波形データを一通りまたは繰り返して読み出すことにより元の楽器音や音声等を忠実に再現するものである。FM音源24およびWT音源25の出力は加算器27にて加算され、その出力は図示しないデジタル/アナログ変換器においてアナログ信号に変換され、イヤースピーカ6に供給される。
【0024】
また、通常、音源デバイスでは、各音源がFIFO22およびシーケンサ23を介して駆動されるが、リアルタイムな応答を要求される効果音等の場合には、CPU1がFIFO22およびシーケンサ23を介さずに、直接、FM音源24およびWT音源25を駆動する。なお、波形メモリ26は、ROMにより構成されている。
【0025】
次に、FM音源24について説明する。
FM音源24は、図4に示すオペレータ30と加算器とを複数組み合わせて、図5に示すように構成されている。図4に示すように、1つのオペレータ30は、SIN波形テーブル31と、フェーズ・ジェネレータ(PG)32と、加算器33と、エンベロープ・ジェネレータ(EG)34と、乗算器35とから構成されている。
【0026】
SIN波形テーブル31は、SIN波形(正弦波)の各位相点と、この位相点における波形の振幅値とを関連づけて記憶するデータテーブルである。フェーズ・ジェネレータ(PG)32は、シーケンサ23またはCPU1から周波数パラメータを受け、この周波数パラメータに基づきSIN波形テーブル31から出力させるSIN波形データの周波数および位相を制御するための位相アドレス信号を生成する。
【0027】
加算器33は、オペレータ30の入力信号と上記位相アドレス信号を加算してSIN波形テーブル31に供給する。エンベロープ・ジェネレータ(EG)34は、シーケンサ23またはCPU1から振幅パラメータを受け、当該オペレータ30から出力する波形の振幅を制御するためのエンベロープ信号(振幅係数)を生成し乗算器35に出力する。乗算器35は、SIN波形テーブル31の出力とエンベロープ・ジェネレータ(EG)34の出力を乗算する。
【0028】
このように構成されるオペレータ30においては、SIN波形テーブル31に記憶されているSIN波形の振幅値が、加算器33を介して供給される位相アドレス信号を含む信号に従い順次読み出される。したがって、このオペレータ30では、SIN波形テーブル31に記憶された波形振幅値を読み出す速度を変化させることにより、すなわち、SIN波形テーブル31に供給する位相アドレス信号を適宜制御することにより、音高を変えることができる。
【0029】
例えば、読み出し速度を遅くすれば、低い音を生成することができ、逆に、読み出し速度を速くすれば高い音を生成することができる。なお、フェーズ・ジェネレータ(PG)32は、CPU1からリセット信号を受けると、SIN波形テーブル31から読み出すアドレスを初期値に戻すことにより、出力する位相アドレス信号をリセットする。
【0030】
FM音源24は、このようなオペレータ30を図5(a)に示すように、複数個カスケード接続したり、あるいは、同図(b)に示すように、さらに加算器を用いて、オペレータ30の出力を加算したりして、複数のオペレータ30と加算器とを様々に組み合わせることで、多様な音声を生成する。
【0031】
次に、本実施形態にかかるFM音源のハードウエアを利用してCSM(復号正弦波モデル)音声合成を実現する手法について説明するが、その前に、CSM音声合成の原理について説明する。
一般に、音声は短い時間の範囲では、ほぼ定常であると見なすことができる。このことから、CSM音声合成においては、短い時間の範囲において、音声のスペクトルが一定であると見なして音声合成を行う。具体的には、数msないし数十msの短時間の音声を定常であると見なし、音声を数個の正弦波の和で表現する。これを離散的時間表現により表すと、音声の時系列{Xt}は、
Xt=A1sinω1t +・・・・+Ansinω1t (1)
と表される。但し、ここでtは離散的な時刻を表す整数、nは正弦波成分の数(通常は4〜6)、ωiは第i正弦波成分の角周波数(0≦ωi≦π)、Aiは正弦波成分の振幅である。
【0032】
このCSM音声合成では、上記(1)式で表されるモデルに対して、パラメータ{ω1・・・ωn、A1・・・An}を与えて(1)式より、各時刻tについて合成音声の系列{Xt}を求める。このとき、有声音(母音や濁子音など)に対しては、有声音が周期性をもつことから、その周期(ピッチ周期)毎に(1)式における時刻tをゼロにリセットして位相を初期化し、一方、無声音に対しては、周期性がないことから、ランダムな周期を与えて、すなわちランダムな周期で時刻tをリセットしてランダムに位相を初期化する。このようにして、合成される音声信号の時系列は、人の音声に近いものとなる。
【0033】
次に、このCSM音声合成をFM音源24のハードウエアを用いて実現する手法について図6を参照して説明する。
(1)式で表される各正弦波の成分は、前述したオペレータ30を用いて生成することができる。すなわち、各オペレータ30の入力信号をゼロとし、SIN波形テーブル31から正弦波の波形を読み出すための周波数パラメータをフェーズ・ジェネレータ(PG)32に与えることにより、各正弦波の成分に対応するSIN波形テーブル31により、時系列に正弦波を出力させる。これに、次段の乗算器35により、エンベロープ・ジェネレータ(EG)34から与えられる振幅を持たせることによって、各オペレータ30から(1)式の各正弦波成分の信号の出力を得ることができる。
【0034】
そして、これらの出力を加算器50で加算することにより、合成音声信号の系列{Xt}を得ることができる。CSM音声合成では、有声音に対し、その周期毎に時刻tをゼロにリセットし位相を初期化するとともに、無声音に対し、ランダムな周期で時刻tをゼロにリセットし位相を初期化するが、この位相の初期化は、フェーズ・ジェネレータ(PG)32に対し、それぞれの周期でリセット信号を与え位相を初期化することにより行える。
【0035】
以上のように、FM音源24を用いたCSM音声合成では、フェーズ・ジェネレータ(PG)32に与える周波数パラメータまたはリセット信号と、エンベロープ・ジェネレータ(EG)34に与える振幅パラメータの3要素により合成されるフォルマント音を複数合成することにより音素を決定し音声合成することができる。例えば、「さくら」を音声合成する場合、数msから数十ms毎に複数組の上記3要素を設定することにより、/S/→/A/→/K/→/U/→/R/→/A/の6音素を合成して発音させる。
【0036】
各オペレータ30に与える上記の3要素は、各音素毎に予め定義され、ROM11内に登録されている。また、各文字を構成する音素に関する情報、例えば、「さ」の場合、この文字の音素/S/、/A/からなること等の情報も、同様にROM11内に登録されている。
【0037】
携帯電話機は、文字の入力時においては、従来と同様に、ボタン操作に対応する入力候補文字を表示部12に表示する。そして、さらにこの入力候補文字を表示する際には、ROM11に登録された入力候補文字を構成する音素に関する情報を参照し、得られた情報から当該入力候補文字を構成する音素に対応する上記3要素のパラメータをさらに参照して、数msから数十ms毎に、フェーズ・ジェネレータ(PG)32に周波数パラメータやリセット信号を与えるとともに、エンベロープ・ジェネレータ(EG)34に振幅パラメータを与えて、入力候補文字の発音を音声合成して出力する。
【0038】
本実施形態においては、FM音源24を用いてCSM音声合成を実行するものとしているが、WT音源25を用いた音声合成についても、もちろん可能である。例えば、「さくら」を音声合成する場合、「さ」、「く」、「ら」をデジタル録音してメモリに蓄えておき、これらを再生すればよい。しかし、FM音源24を用いてCSM音声合成を行うほうが、必要なパラメータがすくなくてすみ、より有利である。
【0039】
次に、使用者が操作ボタンを操作した時の放音の仕組みについて、図2から図4を用いて説明する。
まず、使用者が操作ボタンを操作した時に確認音を放音するシステムにおいては、使用者が操作入力部9の入力ボタンを押すことにより、入力ボタンを構成するスイッチの接点が閉じて電圧が、例えば、HiレベルからLowレベルに変化する。この電圧の変化は、データバスを介してCPU1に出力され、CPU1は、使用者がどの入力ボタンを操作したのかを検出する。
【0040】
ROM11には、予め、入力ボタンと確認音のパラメータを関連づけたデータテーブルが格納されており、CPU1は検出した入力ボタンに対応した確認音のパラメータを着信音用音源8に出力する。パラメータは確認音の音色や音高を指定するものであり、入力ボタンの数に応じて異なるパラメータがデータテーブルに格納されている。確認音のパラメータを入力した着信音用音源8は、入力したパラメータから音素を生成し、これを図示しないミキシング回路に供給することにより、通話音とミックスされてイヤースピーカ6から放音する。そして、使用者は確認音を聞くことにより、その音色や音高からどの入力ボタンなのかを判断することができる。
【0041】
なお、確認音の放音は、使用者が操作ボタンに触れた時または半押しした時あるいはさらに押し込んだ時のいずれかに行っても良い。また、半押しとさらに深く押し込んだ時の差異は、操作ボタンが押されている時間によって判断してもよいし、あるいは、スイッチの接点部と可動部との接触面積によって電気抵抗が変化するような素子を用いて、両者の差異を電圧値の違いとして検出しても良い。さらに、確認音に替えて、あるいは確認音とともに、入力ボタンの表面にそのボタンに対応する数字を示した点字を施すことにより、触覚により、あるいは、聴覚と触覚により、入力ボタンを特定できるようにすることができる。
【0042】
次に、使用者が入力ボタンを操作した時に音声を放音するシステムにおいては、
CPU1が電圧の変化により、使用者がどの入力ボタンを操作したのかを検出する。そして、ROM11内に予め記憶されている入力ボタンと音声に関する各種パラメータとを関連づけたデータテーブルから、操作された入力ボタンに対応するパラメータを読み出し、着信音用音源8の入力I/F21を介して、FM音源24内のオペレータ30に供給する。
【0043】
CPU1から供給された周波数パラメータは、フェーズ・ジェネレータ(PG)32に供給され、SIN波形テーブル31から出力させるSIN波形データの周波数および位相を制御するための位相アドレス信号を生成し、加算器33に出力される。このとき、入力信号はゼロであるため、加算器33は入力された位相アドレス信号をSIN波形テーブル31に出力する。
【0044】
一方、CPU1から供給された振幅パラメータは、エンベロープ・ジェネレータ(EG)34に供給され、この振幅パラメータに基づいてエンベロープ信号(振幅係数)を生成し、乗算器35に出力される。乗算器35は、SIN波形テーブル31からの入力信号にエンベロープ信号を乗じたものを出力信号として出力する。こうして得られたオペレータ30の出力は加算器50で加算され、音素が生成される。さらに、生成された音素を合成することにより、操作ボタンに対応した音声を出力する。
【0045】
また、本実施形態においては、入力ボタンを、通常ボタン機能、数字入力メモ機能、かな入力メモ機能というように、モードを変更して使用することができる。以下に、図7から図10を用いて、各モードの実施形態について説明する。
本実施形態にかかる携帯電話機は、図9に示すように、通常の入力ボタンに加えて、モード変換ボタン、カーソル送りボタンおよび保存ボタンを備えている。
【0046】
モード変換ボタンは、通常の入力ボタンのモードを変更するために用いられるボタンであり、本実施形態においては、このボタンを操作することにより、ボタンのモードが図7に示すように、通常ボタン機能から数字入力メモ機能、かな入力メモ機能へと変化する。また、カーソル送りボタンは、文字入力の際に用いられ、保存ボタンは、数字入力メモ機能およびかな入力メモ機能を使用する際に、入力した数字や文字をRAM10に保存するために用いられる。
【0047】
通常ボタン機能が設定されている場合に、通話中に入力ボタンが押されると、通常の携帯電話機において、通話中に入力ボタンが押されたときと同じ動作をするが、本実施形態においては、使用者がボタンに触れるまたはボタンを半押しすると、そのボタンに対応する数字を通話音声とミックスしてイヤースピーカ6より出力するため、例えば、音声ガイダンスに従って、数字を入力する場合に便利である。
【0048】
また、数字入力メモ機能の場合には、通常ボタン機能と同様に、使用者がボタンに接触等することにより、ボタンに対応する数字が発音され、ボタンを押し込むことで、その数字がRAMの所定アドレスに一時記憶される。さらに、保存ボタンを押すことにより、一時記憶されていた数字がRAMの別のアドレスに保存される。したがって、例えば、通話中に電話番号を入力し保存する場合などに便利である。
【0049】
次に、図8のフローチャートを用いて、通常ボタン機能、数字入力メモ機能の場合の処理手順を説明する。
まず、CPU1は、使用者がいづれかの入力ボタンに接触あるいは半押ししたかを入力ボタンに備えてあるスイッチの電圧変化をモニターして検出する(ステップ101)。CPU1が入力ボタンへの接触あるいは半押しを検出できないときは、待機状態に移行する。一方、CPU1が入力ボタンへの接触あるいは半押しを検出したときは、その入力ボタンに対応した数字に関する音声合成パラメータを着信音用音源8の入出力I/F21を介してFM音源に転送し、音声を合成してイヤースピーカ6から発声する(ステップ102)。例えば、「1」のボタンを検出した場合、「イチ」と発音する。
【0050】
CPU1は、入力ボタンがさらに深く押されたか否かを検出して、深く押されていないと判断したときは待機状態に移行する(ステップ103)。一方で、入力ボタンが深く押されたと判断したときは(ステップ103)、半押しを検出したときと同様の処理を行い入力ボタンに対応する数字の音声を発音する(ステップ104)。
【0051】
次に、CPU1は、現在の入力ボタンの操作モードが数字入力メモ機能であるかを確認し、現在のモードが通常ボタン機能であると判断した場合(ステップ105)には、深く押された操作ボタンに対応する数字を入力して通常の処理を行い(ステップ109)、その後、待機状態に移行する(ステップ110)。一方で、現在のモードが数字入力メモ機能であると判断したときは(ステップ105)、入力ボタンにより入力された数字をRAM10に一時記憶する(ステップ106)。
【0052】
CPU1は、続いて、保存ボタンが押されたか否かを確認し、所定期間内に押されたことを確認できない場合には、待機状態に移行する(ステップ107)。一方で、所定期間内に保存ボタンが押されたことを確認できたときは(ステップ107)、先に一時記憶した数字をRAMの所定のアドレスに保存する(ステップ108)。このように、入力ボタンを用いて通話中においても、音声出力により正確に数字の入力を行うことができる。
【0053】
次に、かな入力メモ機能について説明する。本実施形態においては、入力ボタンがそれぞれ50音の各行に対応づけられている。(図9参照)したがって、モード変換ボタンで入力モードをかな入力に変換した上で入力ボタンを操作して、通話中に会話の内容を文字として入力、保存することができる。
【0054】
図10のフローチャートを用いて、かな入力メモ機能の処理手順を説明する。まず、CPU1は、使用者が特定の入力ボタンに触れたか、あるいは入力ボタンを半押ししたかを確認する(ステップ201)。入力ボタンに触れたか、あるいは入力ボタンを半押ししたことが確認できないときは、待機状態に移行する。一方で、入力ボタンに触れたか、あるいは入力ボタンを半押ししたことが確認できたときは、ROM11内のデータテーブルから、そのボタンに対応した音声合成パラメータを着信音用音源8内のFM音源24に転送し、そのボタンを識別する音声を合成して、例えば、「あ行」と発音する(ステップ202)。
【0055】
次に、入力ボタンがさらに深く押された(本押しされた)か否かを検出する(ステップ203)。入力ボタンが本押しされたことを所定時間内に検出できないとき、CPU1は待機状態に移行する。一方で、入力ボタンが本押しされたことを所定時間内に検出したときは、最初の入力候補文字、例えば「あ」を上記と同様の手順により、音声合成で発音する(ステップ204)。
【0056】
次に、CPU1は、保存ボタンが押されたか否かを検出する(ステップ205)。保存ボタンが押されたことを検出した場合には、先に発音した文字が確定したと判断してこれをRAM10の所定のアドレスに保存する(ステップ206)。一方、所定時間内に保存ボタンが押されたことを検出できない場合には、さらに、続けて、同一のボタンを本押ししたか否かを検出する(ステップ207)。所定時間内に、同一のボタンをさらに本押ししたことを検出できない場合には、CPU1は待機状態に移行する(ステップ207)。
【0057】
一方で、同一のボタンをさらに本押ししたことを検出した場合には、次位の入力候補文字に対応する合成音声を発音する(ステップ208)。さらに、CPU1は、保存ボタンが押されたか否かを検出する(ステップ209)。保存ボタンが押されたことを検出した場合には、先に発音した文字が確定したと判断してこれをRAM10の所定のアドレスに保存する(ステップ206)。一方、所定時間内に保存ボタンが押されたことを検出できない場合には、さらに、続けて、同一のボタンを本押ししたか否かを検出する(ステップ207)。このようにして、入力ボタンを用いて通話中においても、音声出力により正確に文字の入力を行うことができる。なお、小さい「っ」、「ゃ」等や英文字の小文字などは音程を上げるなどして区別し、その他の記号についてもわかりやすい言い方を予め決めておき発音させるようにするとよい。
【0058】
以上、図面を参照して本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、本実施形態においては、数字およびかな文字の入力について説明したが、アルファベットを各入力ボタンに割り付けて、ローマ字や英語を入力するようにしてもよい。
【0059】
また、本実施形態においては、入力ボタンに点字を設けることにより、触覚により入力ボタンを認識できる場合について説明したが、これに限らず、入力ボタンのそれぞれに、形状上の特徴を与えることにより識別してもよい。
【0060】
また、本実施形態においては、受話用スピーカ等が配置される面とは反対の面に操作ボタンを配置することから、受話用スピーカと送話用マイク以外の部分を大きな表示部とする形態(図11(a))や、操作ボタンと表示部および受話スピーカをコンパクトにまとめ、未使用時には送話マイクを本体に収納し、使用時には、本体部から送話マイクを引き出すような形態(図11(b))のものとしてもよい。
【0061】
さらに、予め登録しておいた定型的な応答メッセージを入力ボタンのそれぞれに割り当て、例えば、電車内や映画館等のように、肉声を発することのできない場所において通話を受けたときは、対応する入力ボタンを押すことで、通話の相手方に対して音声で応答するようにしてもよい。
【0062】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、入力ボタンを受話スピーカや送話マイクとは反対の面に設けたことから、通話中においても、携帯電話機を耳から離すことなく、入力ボタンの操作を行うことができる。したがって、通話状態を維持しながら、数字の入力やメモをとることができるという効果がある。
【0063】
また、入力ボタンの操作においては、ボタンに対応した音声が合成音声として出力されるので、入力ボタンを見なくとも、ボタンの特定を容易に行うことができ入力のミスを軽減することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る携帯電話機の構造図である。
【図2】本実施形態に係る携帯電話機の構成図である。
【図3】本実施形態に係る着信音用音源の構造図である。
【図4】本実施形態に係るFM音源の構造図である。
【図5】本実施形態に係るFM音源におけるオペレータの組み合わせ例を示す図である。
【図6】本実施形態に係るCSM音声合成による音声合成を実行する場合のFM音源の構成図である。
【図7】本実施形態に係る操作ボタンのモード変換を示す図である。
【図8】本実施形態に係る数字入力メモ機能に関するフローチャートである。
【図9】本実施形態に係る携帯電話機の操作ボタンの配列図である。
【図10】本実施形態に係るかな入力メモ機能におけるフローチャートである。
【図11】本実施形態の応用例である携帯電話機の構造図である。
【符号の説明】
1・・・CPU、2・・・通信部、3・・・アンテナ、4・・・音声処理部、
5・・・マイク、6・・・イヤースピーカ、7・・・着信音用スピーカ、
8・・・着信音用音源、9・・・操作入力部、10・・・RAM、11・・・ROM、12・・・表示部、13・・・バイブレータ、21・・・入出力I/F、
22・・・FIFO、23・・・シーケンサ、24・・・FM音源、25・・・WT音源、26・・・波形メモリ、27、33、50・・・加算器、30・・・オペレータ、31・・・SIN波形テーブル、32・・・フェーズ・ジェネレータ、34・・・エンベロープ・ジェネレータ、35・・・乗算器、
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、携帯電話機は、文字情報や画像情報等を表示する表示部と数字や文字の入力を行う操作ボタンとが受話用スピーカや送話用マイクとを備えた面と同一の面に配設されているのが一般的である。これは、未使用時には本体を半分に折り畳むことにより携帯性を高めた、いわゆる、折り畳み式携帯電話機でも同様である。また、受話器裏側のケース面に携帯電話機の機能に関連する操作キー(例えば、メモ用スイッチや再生用スイッチ)のみを別途、配置したものが提案されている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−236378号公報(第2−4頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のように、入力ボタンを表示部や受話用スピーカおよび送話用マイクが配置されている面と同一の面に配置すると、通話時には、入力ボタンが顔に隠れてしまい(図1(b)参照)、ボタンの操作をすることができない。特に、音声ガイダンスによるサービスを利用する場合には、音声ガイダンスの指示に応じた数字を入力する際に、いちいち携帯電話機を耳から離し、目視で入力ボタンを確認しながら数字を入力するような操作を繰り返さなければならず煩雑であった。また、特許文献1には、受話器裏側のケース面に通話内容を録音するためのキー等を設けるという技術が記載されているが、受話器裏側のケース面に複数のキーがある場合には、通話中に、正確に、これを操作することが困難であるという問題もある。
【0005】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであって、通話中でも、携帯電話機を耳から離すことなく、簡単でかつ正確にボタン操作を行うことができる携帯電話機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、受話用スピーカが設けられた面の反対側の面に備えられた複数の入力ボタンと、該入力ボタンへの接触を検出する入力検出手段と、該入力ボタンと識別音情報とを関連づけたデータテーブルと、該入力検出部が該入力ボタンへの接触を検出したときに、該入力ボタンに対応する識別音を識別音情報に基づいて発音する発音手段とを有する携帯電話機を提案している。
【0007】
この発明によれば、入力ボタンが受話用スピーカのある面と反対の面に設けられているため、通話中でも入力ボタンを操作することができる。また、入力ボタンへの接触があると入力検出手段が作動して、入力ボタンを特定し、データテーブルにより、特定したボタンに対応した識別音が発音手段の作動により、発音されるため、この識別音を手がかりに操作している入力ボタンを特定することができる。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載された携帯電話機について、前記識別音情報が音声を構成する各要素の値を定めた音声パラメータを含み、該音声パラメータにより音声を合成する音声合成手段を有する携帯電話機を提案している。
この発明によれば、音声合成手段の作動により音声合成された音声が各入力ボタンに対応して発音されるため、効果音のような単音と異なり、より正確に入力ボタンを特定することができる。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載された携帯電話機について、前記入力ボタンにより入力モードを変更するモード変換手段を有する携帯電話機を提案している。
【0010】
この発明によれば、入力モードを変換するモード変換手段を備えることから、たとえば、入力モードをかな文字入力に変更した場合には、発音手段の作動により、入力ボタンと関連付けた音声情報に基づいて変換されたかな文字に対応する音声が発音される。したがって、使用者は入力しようとする情報が正しいのか否かを正確に把握できる。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載された携帯電話機において、前記入力ボタンに各ボタンを識別するための点字表示を設けた携帯電話機を提案している。
この発明によれば、各入力ボタンに対応して点字表示を設けたため、入力ボタンを触覚の作用によっても特定することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る携帯電話機について図1から図10を参照して詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る携帯電話機は、図1(a)に示すように、一方の面に受話用スピーカと、送話用マイクと、表示部とを備え、これと反対の面に入力ボタンを配置する構造となっている。したがって、従来のように、入力ボタンが顔に覆われて、通話中には、入力ボタンを操作できないということがなく、通話中であっても、入力ボタンを操作して情報を入力することができる。
【0013】
ここで、通話中の情報入力については、例えば、音声ガイダンスによるサービスを利用する際に、必要な電話番号やサービスの提供を受けるための情報入力として数字を入力する場合、通話中に携帯電話機のメモ機能を利用してメモしたい情報を入力し、これを記憶装置に記憶させる場合などがある。本実施形態においては、数字による入力のほかに、かな変換機能を備えているためメッセージ等を音声で確認しながら入力することができる。
【0014】
本実施形態にかかる携帯電話機は、図2に示すように、CPU(CPU:Central Processing Unit)1と、通信部2と、アンテナ3と、音声処理部4と、マイク5と、イヤースピーカ6と、着信音用スピーカ7と、着信音用音源8と、操作入力部9と、RAM(RAM:Random Access Memory)10と、ROM(ROM:Read Only Memory)11と、表示部12と、バイブレータ13とから構成されている。
【0015】
CPU1は、携帯電話機のシステムに関する各種の処理を実行することにより、携帯電話機の各部の動作を制御する。通信部2は、音声や文字、画像等で構成される通信情報を受信して、これらを電気信号に変換するとともに、音声や文字、画像等の電気信号を通信情報に変換して送信する。アンテナ3は、外部の携帯電話機から送信されてくる通信情報を受信し、これを通信部2に出力するとともに、通信部2から入力した通信情報を外部の携帯電話機に対して送信する。
【0016】
音声処理部4は、通信部2から入力した音声に関する電気信号をアナログ信号に変換して、イヤースピーカ6に供給するとともに、マイク5から入力されたアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換して通信部2に出力する。マイク5は、話者の発する音声等を入力する音声入力手段であり、イヤースピーカ6は、外部の携帯電話機等から送信されてきた音声を出力する音声出力手段である。
【0017】
着信音用スピーカ7は、外部からの通信情報を受信したときに、使用者が予め設定した着信音を着信音用音源8からの信号に応じて出力する。着信音用音源8は、選択された楽曲データを再生して着信音として着信音用スピーカ7を介して出力する。また、操作入力部9を用いて、入力ボタンを操作する場合に、操作する入力ボタンに対応した特有の確認音を出力したり、確認音に代えて人間の音声を合成音声として出力する。さらに、文字の入力の際には、入力候補文字を音声合成し、合成した音声をイヤースピーカ6から出力する。なお、音声合成に関する詳細については後述する。
【0018】
操作入力部9は、文字や数字等を入力するための入力手段である。RAM10は、ダウンロードされた楽曲データや受信した電子メール等の情報を一時的に格納する書き換え可能な記憶手段であり、本実施形態においては、通話中に入力された数字や文字も保存される。ROM11は、CPU1が実行する通信情報の送受信に関する制御プログラムや楽曲データの再生に関する制御プログラム、音声合成に関する制御プログラム等を格納するとともに、予め決められた着信音用の楽曲データや音声合成に関する各種パラメータ、入力ボタンと確認音または音声を関連付けたデータテーブル、入力ボタンとかな文字を関連付けたデータテーブル等を格納する書き換え不能の記憶装置である。
【0019】
表示部12は、操作入力部9より入力されたデータや着信情報、着信した文字情報や画像情報等を表示する出力手段である。バイブレータ13は、通話信号の着信や電子メールの着信を振動により使用者に知らせる。なお、これらの各構成要素は、データバスにより接続され、各要素間での信号の入出力を行っている。
【0020】
次に、着信音用音源8の詳細について説明する。本実施形態においては、着信音等を生成する着信音用音源8を利用して、各操作ボタンに対応した特定の音声や入力候補文字を音声で知らせるための音声合成を行っている。以下、図3を用いて、着信音用音源8の構成を説明する。
【0021】
図3に示すように、着信音用音源8は、入出力I/F(I/F:Interface)21と、FIFO(FIFO:Fast in Fast Out Memory)22と、シーケンサ23と、FM音源24と、WT音源25と、波形メモリ26と、加算器27とから構成されている。入出力I/F21は、データバスを介して、CPU1から着信音等を再生するための楽曲シーケンスデータやこれに関する命令および音声合成に関する各種パラメータを入力するとともに、後述するFIFO22の状態通知等をCPU1に対して出力するためのインターフェース回路である。
【0022】
FIFO22は、記憶装置を含む回路であり、与えられたシーケンスデータを一時保持し、保持したデータを順次シーケンサ23に供給する。シーケンサ23は、CPU1からの発音開始および発音終了等の命令により、発音を開始する場合には、FIFO22から受けた楽曲シーケンスデータを解釈するとともに、所定のタイミングで各種パラメータや制御信号を後述するFM音源24またはWT音源25に供給し、これらを駆動する。
【0023】
なお、WT音源25は、周知のように各種楽器音や音声等をデジタル録音して予め蓄えられている波形メモリ26の波形データを一通りまたは繰り返して読み出すことにより元の楽器音や音声等を忠実に再現するものである。FM音源24およびWT音源25の出力は加算器27にて加算され、その出力は図示しないデジタル/アナログ変換器においてアナログ信号に変換され、イヤースピーカ6に供給される。
【0024】
また、通常、音源デバイスでは、各音源がFIFO22およびシーケンサ23を介して駆動されるが、リアルタイムな応答を要求される効果音等の場合には、CPU1がFIFO22およびシーケンサ23を介さずに、直接、FM音源24およびWT音源25を駆動する。なお、波形メモリ26は、ROMにより構成されている。
【0025】
次に、FM音源24について説明する。
FM音源24は、図4に示すオペレータ30と加算器とを複数組み合わせて、図5に示すように構成されている。図4に示すように、1つのオペレータ30は、SIN波形テーブル31と、フェーズ・ジェネレータ(PG)32と、加算器33と、エンベロープ・ジェネレータ(EG)34と、乗算器35とから構成されている。
【0026】
SIN波形テーブル31は、SIN波形(正弦波)の各位相点と、この位相点における波形の振幅値とを関連づけて記憶するデータテーブルである。フェーズ・ジェネレータ(PG)32は、シーケンサ23またはCPU1から周波数パラメータを受け、この周波数パラメータに基づきSIN波形テーブル31から出力させるSIN波形データの周波数および位相を制御するための位相アドレス信号を生成する。
【0027】
加算器33は、オペレータ30の入力信号と上記位相アドレス信号を加算してSIN波形テーブル31に供給する。エンベロープ・ジェネレータ(EG)34は、シーケンサ23またはCPU1から振幅パラメータを受け、当該オペレータ30から出力する波形の振幅を制御するためのエンベロープ信号(振幅係数)を生成し乗算器35に出力する。乗算器35は、SIN波形テーブル31の出力とエンベロープ・ジェネレータ(EG)34の出力を乗算する。
【0028】
このように構成されるオペレータ30においては、SIN波形テーブル31に記憶されているSIN波形の振幅値が、加算器33を介して供給される位相アドレス信号を含む信号に従い順次読み出される。したがって、このオペレータ30では、SIN波形テーブル31に記憶された波形振幅値を読み出す速度を変化させることにより、すなわち、SIN波形テーブル31に供給する位相アドレス信号を適宜制御することにより、音高を変えることができる。
【0029】
例えば、読み出し速度を遅くすれば、低い音を生成することができ、逆に、読み出し速度を速くすれば高い音を生成することができる。なお、フェーズ・ジェネレータ(PG)32は、CPU1からリセット信号を受けると、SIN波形テーブル31から読み出すアドレスを初期値に戻すことにより、出力する位相アドレス信号をリセットする。
【0030】
FM音源24は、このようなオペレータ30を図5(a)に示すように、複数個カスケード接続したり、あるいは、同図(b)に示すように、さらに加算器を用いて、オペレータ30の出力を加算したりして、複数のオペレータ30と加算器とを様々に組み合わせることで、多様な音声を生成する。
【0031】
次に、本実施形態にかかるFM音源のハードウエアを利用してCSM(復号正弦波モデル)音声合成を実現する手法について説明するが、その前に、CSM音声合成の原理について説明する。
一般に、音声は短い時間の範囲では、ほぼ定常であると見なすことができる。このことから、CSM音声合成においては、短い時間の範囲において、音声のスペクトルが一定であると見なして音声合成を行う。具体的には、数msないし数十msの短時間の音声を定常であると見なし、音声を数個の正弦波の和で表現する。これを離散的時間表現により表すと、音声の時系列{Xt}は、
Xt=A1sinω1t +・・・・+Ansinω1t (1)
と表される。但し、ここでtは離散的な時刻を表す整数、nは正弦波成分の数(通常は4〜6)、ωiは第i正弦波成分の角周波数(0≦ωi≦π)、Aiは正弦波成分の振幅である。
【0032】
このCSM音声合成では、上記(1)式で表されるモデルに対して、パラメータ{ω1・・・ωn、A1・・・An}を与えて(1)式より、各時刻tについて合成音声の系列{Xt}を求める。このとき、有声音(母音や濁子音など)に対しては、有声音が周期性をもつことから、その周期(ピッチ周期)毎に(1)式における時刻tをゼロにリセットして位相を初期化し、一方、無声音に対しては、周期性がないことから、ランダムな周期を与えて、すなわちランダムな周期で時刻tをリセットしてランダムに位相を初期化する。このようにして、合成される音声信号の時系列は、人の音声に近いものとなる。
【0033】
次に、このCSM音声合成をFM音源24のハードウエアを用いて実現する手法について図6を参照して説明する。
(1)式で表される各正弦波の成分は、前述したオペレータ30を用いて生成することができる。すなわち、各オペレータ30の入力信号をゼロとし、SIN波形テーブル31から正弦波の波形を読み出すための周波数パラメータをフェーズ・ジェネレータ(PG)32に与えることにより、各正弦波の成分に対応するSIN波形テーブル31により、時系列に正弦波を出力させる。これに、次段の乗算器35により、エンベロープ・ジェネレータ(EG)34から与えられる振幅を持たせることによって、各オペレータ30から(1)式の各正弦波成分の信号の出力を得ることができる。
【0034】
そして、これらの出力を加算器50で加算することにより、合成音声信号の系列{Xt}を得ることができる。CSM音声合成では、有声音に対し、その周期毎に時刻tをゼロにリセットし位相を初期化するとともに、無声音に対し、ランダムな周期で時刻tをゼロにリセットし位相を初期化するが、この位相の初期化は、フェーズ・ジェネレータ(PG)32に対し、それぞれの周期でリセット信号を与え位相を初期化することにより行える。
【0035】
以上のように、FM音源24を用いたCSM音声合成では、フェーズ・ジェネレータ(PG)32に与える周波数パラメータまたはリセット信号と、エンベロープ・ジェネレータ(EG)34に与える振幅パラメータの3要素により合成されるフォルマント音を複数合成することにより音素を決定し音声合成することができる。例えば、「さくら」を音声合成する場合、数msから数十ms毎に複数組の上記3要素を設定することにより、/S/→/A/→/K/→/U/→/R/→/A/の6音素を合成して発音させる。
【0036】
各オペレータ30に与える上記の3要素は、各音素毎に予め定義され、ROM11内に登録されている。また、各文字を構成する音素に関する情報、例えば、「さ」の場合、この文字の音素/S/、/A/からなること等の情報も、同様にROM11内に登録されている。
【0037】
携帯電話機は、文字の入力時においては、従来と同様に、ボタン操作に対応する入力候補文字を表示部12に表示する。そして、さらにこの入力候補文字を表示する際には、ROM11に登録された入力候補文字を構成する音素に関する情報を参照し、得られた情報から当該入力候補文字を構成する音素に対応する上記3要素のパラメータをさらに参照して、数msから数十ms毎に、フェーズ・ジェネレータ(PG)32に周波数パラメータやリセット信号を与えるとともに、エンベロープ・ジェネレータ(EG)34に振幅パラメータを与えて、入力候補文字の発音を音声合成して出力する。
【0038】
本実施形態においては、FM音源24を用いてCSM音声合成を実行するものとしているが、WT音源25を用いた音声合成についても、もちろん可能である。例えば、「さくら」を音声合成する場合、「さ」、「く」、「ら」をデジタル録音してメモリに蓄えておき、これらを再生すればよい。しかし、FM音源24を用いてCSM音声合成を行うほうが、必要なパラメータがすくなくてすみ、より有利である。
【0039】
次に、使用者が操作ボタンを操作した時の放音の仕組みについて、図2から図4を用いて説明する。
まず、使用者が操作ボタンを操作した時に確認音を放音するシステムにおいては、使用者が操作入力部9の入力ボタンを押すことにより、入力ボタンを構成するスイッチの接点が閉じて電圧が、例えば、HiレベルからLowレベルに変化する。この電圧の変化は、データバスを介してCPU1に出力され、CPU1は、使用者がどの入力ボタンを操作したのかを検出する。
【0040】
ROM11には、予め、入力ボタンと確認音のパラメータを関連づけたデータテーブルが格納されており、CPU1は検出した入力ボタンに対応した確認音のパラメータを着信音用音源8に出力する。パラメータは確認音の音色や音高を指定するものであり、入力ボタンの数に応じて異なるパラメータがデータテーブルに格納されている。確認音のパラメータを入力した着信音用音源8は、入力したパラメータから音素を生成し、これを図示しないミキシング回路に供給することにより、通話音とミックスされてイヤースピーカ6から放音する。そして、使用者は確認音を聞くことにより、その音色や音高からどの入力ボタンなのかを判断することができる。
【0041】
なお、確認音の放音は、使用者が操作ボタンに触れた時または半押しした時あるいはさらに押し込んだ時のいずれかに行っても良い。また、半押しとさらに深く押し込んだ時の差異は、操作ボタンが押されている時間によって判断してもよいし、あるいは、スイッチの接点部と可動部との接触面積によって電気抵抗が変化するような素子を用いて、両者の差異を電圧値の違いとして検出しても良い。さらに、確認音に替えて、あるいは確認音とともに、入力ボタンの表面にそのボタンに対応する数字を示した点字を施すことにより、触覚により、あるいは、聴覚と触覚により、入力ボタンを特定できるようにすることができる。
【0042】
次に、使用者が入力ボタンを操作した時に音声を放音するシステムにおいては、
CPU1が電圧の変化により、使用者がどの入力ボタンを操作したのかを検出する。そして、ROM11内に予め記憶されている入力ボタンと音声に関する各種パラメータとを関連づけたデータテーブルから、操作された入力ボタンに対応するパラメータを読み出し、着信音用音源8の入力I/F21を介して、FM音源24内のオペレータ30に供給する。
【0043】
CPU1から供給された周波数パラメータは、フェーズ・ジェネレータ(PG)32に供給され、SIN波形テーブル31から出力させるSIN波形データの周波数および位相を制御するための位相アドレス信号を生成し、加算器33に出力される。このとき、入力信号はゼロであるため、加算器33は入力された位相アドレス信号をSIN波形テーブル31に出力する。
【0044】
一方、CPU1から供給された振幅パラメータは、エンベロープ・ジェネレータ(EG)34に供給され、この振幅パラメータに基づいてエンベロープ信号(振幅係数)を生成し、乗算器35に出力される。乗算器35は、SIN波形テーブル31からの入力信号にエンベロープ信号を乗じたものを出力信号として出力する。こうして得られたオペレータ30の出力は加算器50で加算され、音素が生成される。さらに、生成された音素を合成することにより、操作ボタンに対応した音声を出力する。
【0045】
また、本実施形態においては、入力ボタンを、通常ボタン機能、数字入力メモ機能、かな入力メモ機能というように、モードを変更して使用することができる。以下に、図7から図10を用いて、各モードの実施形態について説明する。
本実施形態にかかる携帯電話機は、図9に示すように、通常の入力ボタンに加えて、モード変換ボタン、カーソル送りボタンおよび保存ボタンを備えている。
【0046】
モード変換ボタンは、通常の入力ボタンのモードを変更するために用いられるボタンであり、本実施形態においては、このボタンを操作することにより、ボタンのモードが図7に示すように、通常ボタン機能から数字入力メモ機能、かな入力メモ機能へと変化する。また、カーソル送りボタンは、文字入力の際に用いられ、保存ボタンは、数字入力メモ機能およびかな入力メモ機能を使用する際に、入力した数字や文字をRAM10に保存するために用いられる。
【0047】
通常ボタン機能が設定されている場合に、通話中に入力ボタンが押されると、通常の携帯電話機において、通話中に入力ボタンが押されたときと同じ動作をするが、本実施形態においては、使用者がボタンに触れるまたはボタンを半押しすると、そのボタンに対応する数字を通話音声とミックスしてイヤースピーカ6より出力するため、例えば、音声ガイダンスに従って、数字を入力する場合に便利である。
【0048】
また、数字入力メモ機能の場合には、通常ボタン機能と同様に、使用者がボタンに接触等することにより、ボタンに対応する数字が発音され、ボタンを押し込むことで、その数字がRAMの所定アドレスに一時記憶される。さらに、保存ボタンを押すことにより、一時記憶されていた数字がRAMの別のアドレスに保存される。したがって、例えば、通話中に電話番号を入力し保存する場合などに便利である。
【0049】
次に、図8のフローチャートを用いて、通常ボタン機能、数字入力メモ機能の場合の処理手順を説明する。
まず、CPU1は、使用者がいづれかの入力ボタンに接触あるいは半押ししたかを入力ボタンに備えてあるスイッチの電圧変化をモニターして検出する(ステップ101)。CPU1が入力ボタンへの接触あるいは半押しを検出できないときは、待機状態に移行する。一方、CPU1が入力ボタンへの接触あるいは半押しを検出したときは、その入力ボタンに対応した数字に関する音声合成パラメータを着信音用音源8の入出力I/F21を介してFM音源に転送し、音声を合成してイヤースピーカ6から発声する(ステップ102)。例えば、「1」のボタンを検出した場合、「イチ」と発音する。
【0050】
CPU1は、入力ボタンがさらに深く押されたか否かを検出して、深く押されていないと判断したときは待機状態に移行する(ステップ103)。一方で、入力ボタンが深く押されたと判断したときは(ステップ103)、半押しを検出したときと同様の処理を行い入力ボタンに対応する数字の音声を発音する(ステップ104)。
【0051】
次に、CPU1は、現在の入力ボタンの操作モードが数字入力メモ機能であるかを確認し、現在のモードが通常ボタン機能であると判断した場合(ステップ105)には、深く押された操作ボタンに対応する数字を入力して通常の処理を行い(ステップ109)、その後、待機状態に移行する(ステップ110)。一方で、現在のモードが数字入力メモ機能であると判断したときは(ステップ105)、入力ボタンにより入力された数字をRAM10に一時記憶する(ステップ106)。
【0052】
CPU1は、続いて、保存ボタンが押されたか否かを確認し、所定期間内に押されたことを確認できない場合には、待機状態に移行する(ステップ107)。一方で、所定期間内に保存ボタンが押されたことを確認できたときは(ステップ107)、先に一時記憶した数字をRAMの所定のアドレスに保存する(ステップ108)。このように、入力ボタンを用いて通話中においても、音声出力により正確に数字の入力を行うことができる。
【0053】
次に、かな入力メモ機能について説明する。本実施形態においては、入力ボタンがそれぞれ50音の各行に対応づけられている。(図9参照)したがって、モード変換ボタンで入力モードをかな入力に変換した上で入力ボタンを操作して、通話中に会話の内容を文字として入力、保存することができる。
【0054】
図10のフローチャートを用いて、かな入力メモ機能の処理手順を説明する。まず、CPU1は、使用者が特定の入力ボタンに触れたか、あるいは入力ボタンを半押ししたかを確認する(ステップ201)。入力ボタンに触れたか、あるいは入力ボタンを半押ししたことが確認できないときは、待機状態に移行する。一方で、入力ボタンに触れたか、あるいは入力ボタンを半押ししたことが確認できたときは、ROM11内のデータテーブルから、そのボタンに対応した音声合成パラメータを着信音用音源8内のFM音源24に転送し、そのボタンを識別する音声を合成して、例えば、「あ行」と発音する(ステップ202)。
【0055】
次に、入力ボタンがさらに深く押された(本押しされた)か否かを検出する(ステップ203)。入力ボタンが本押しされたことを所定時間内に検出できないとき、CPU1は待機状態に移行する。一方で、入力ボタンが本押しされたことを所定時間内に検出したときは、最初の入力候補文字、例えば「あ」を上記と同様の手順により、音声合成で発音する(ステップ204)。
【0056】
次に、CPU1は、保存ボタンが押されたか否かを検出する(ステップ205)。保存ボタンが押されたことを検出した場合には、先に発音した文字が確定したと判断してこれをRAM10の所定のアドレスに保存する(ステップ206)。一方、所定時間内に保存ボタンが押されたことを検出できない場合には、さらに、続けて、同一のボタンを本押ししたか否かを検出する(ステップ207)。所定時間内に、同一のボタンをさらに本押ししたことを検出できない場合には、CPU1は待機状態に移行する(ステップ207)。
【0057】
一方で、同一のボタンをさらに本押ししたことを検出した場合には、次位の入力候補文字に対応する合成音声を発音する(ステップ208)。さらに、CPU1は、保存ボタンが押されたか否かを検出する(ステップ209)。保存ボタンが押されたことを検出した場合には、先に発音した文字が確定したと判断してこれをRAM10の所定のアドレスに保存する(ステップ206)。一方、所定時間内に保存ボタンが押されたことを検出できない場合には、さらに、続けて、同一のボタンを本押ししたか否かを検出する(ステップ207)。このようにして、入力ボタンを用いて通話中においても、音声出力により正確に文字の入力を行うことができる。なお、小さい「っ」、「ゃ」等や英文字の小文字などは音程を上げるなどして区別し、その他の記号についてもわかりやすい言い方を予め決めておき発音させるようにするとよい。
【0058】
以上、図面を参照して本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、本実施形態においては、数字およびかな文字の入力について説明したが、アルファベットを各入力ボタンに割り付けて、ローマ字や英語を入力するようにしてもよい。
【0059】
また、本実施形態においては、入力ボタンに点字を設けることにより、触覚により入力ボタンを認識できる場合について説明したが、これに限らず、入力ボタンのそれぞれに、形状上の特徴を与えることにより識別してもよい。
【0060】
また、本実施形態においては、受話用スピーカ等が配置される面とは反対の面に操作ボタンを配置することから、受話用スピーカと送話用マイク以外の部分を大きな表示部とする形態(図11(a))や、操作ボタンと表示部および受話スピーカをコンパクトにまとめ、未使用時には送話マイクを本体に収納し、使用時には、本体部から送話マイクを引き出すような形態(図11(b))のものとしてもよい。
【0061】
さらに、予め登録しておいた定型的な応答メッセージを入力ボタンのそれぞれに割り当て、例えば、電車内や映画館等のように、肉声を発することのできない場所において通話を受けたときは、対応する入力ボタンを押すことで、通話の相手方に対して音声で応答するようにしてもよい。
【0062】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、入力ボタンを受話スピーカや送話マイクとは反対の面に設けたことから、通話中においても、携帯電話機を耳から離すことなく、入力ボタンの操作を行うことができる。したがって、通話状態を維持しながら、数字の入力やメモをとることができるという効果がある。
【0063】
また、入力ボタンの操作においては、ボタンに対応した音声が合成音声として出力されるので、入力ボタンを見なくとも、ボタンの特定を容易に行うことができ入力のミスを軽減することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る携帯電話機の構造図である。
【図2】本実施形態に係る携帯電話機の構成図である。
【図3】本実施形態に係る着信音用音源の構造図である。
【図4】本実施形態に係るFM音源の構造図である。
【図5】本実施形態に係るFM音源におけるオペレータの組み合わせ例を示す図である。
【図6】本実施形態に係るCSM音声合成による音声合成を実行する場合のFM音源の構成図である。
【図7】本実施形態に係る操作ボタンのモード変換を示す図である。
【図8】本実施形態に係る数字入力メモ機能に関するフローチャートである。
【図9】本実施形態に係る携帯電話機の操作ボタンの配列図である。
【図10】本実施形態に係るかな入力メモ機能におけるフローチャートである。
【図11】本実施形態の応用例である携帯電話機の構造図である。
【符号の説明】
1・・・CPU、2・・・通信部、3・・・アンテナ、4・・・音声処理部、
5・・・マイク、6・・・イヤースピーカ、7・・・着信音用スピーカ、
8・・・着信音用音源、9・・・操作入力部、10・・・RAM、11・・・ROM、12・・・表示部、13・・・バイブレータ、21・・・入出力I/F、
22・・・FIFO、23・・・シーケンサ、24・・・FM音源、25・・・WT音源、26・・・波形メモリ、27、33、50・・・加算器、30・・・オペレータ、31・・・SIN波形テーブル、32・・・フェーズ・ジェネレータ、34・・・エンベロープ・ジェネレータ、35・・・乗算器、
Claims (4)
- 受話用スピーカが設けられた面の反対側の面に備えられた複数の入力ボタンと、該入力ボタンへの接触を検出する入力検出手段と、該入力ボタンと識別音情報とを関連づけたデータテーブルと、該入力検出部が該入力ボタンへの接触を検出したときに、該入力ボタンに対応する識別音を識別音情報に基づいて発音する発音手段とを有する携帯電話機。
- 前記識別音情報が音声を構成する各要素の値を定めた音声パラメータを含み、該音声パラメータにより音声を合成する音声合成手段を有する請求項1に記載された携帯電話機。
- 前記入力ボタンにより入力モードを変更するモード変換手段を有する請求項1または請求項2に記載された携帯電話機。
- 前記入力ボタンに各ボタンを識別するための点字表示を設けた請求項1から請求項3のいずれかに記載された携帯電話機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002344037A JP2004179980A (ja) | 2002-11-27 | 2002-11-27 | 携帯電話機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002344037A JP2004179980A (ja) | 2002-11-27 | 2002-11-27 | 携帯電話機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004179980A true JP2004179980A (ja) | 2004-06-24 |
Family
ID=32705667
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002344037A Pending JP2004179980A (ja) | 2002-11-27 | 2002-11-27 | 携帯電話機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004179980A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010541481A (ja) * | 2007-10-03 | 2010-12-24 | マイクロソフト コーポレーション | モバイル機器を介したアクティブな使用中の検索 |
-
2002
- 2002-11-27 JP JP2002344037A patent/JP2004179980A/ja active Pending
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