JP2004179531A - 積層セラミック電子部品及びその製造方法 - Google Patents

積層セラミック電子部品及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】外部からの水分の侵入や剥がれの発生を防止することが可能で、しかも、耐熱衝撃性や耐機械衝撃性に優れた、信頼性の高い積層セラミック電子部品及びその製造方法を提供する。
【解決手段】内部電極2の引き出し部5がテーパー形状部5aを備えた形状を有するとともに、セラミック素子1の端面と内部電極2のテーパー形状部5aのなす角度θが40°ないし80°となり、かつ、内部電極2の引き出し部5の幅Wが内部電極2の内部電極本体6の幅Wの2/3ないし3/4となるような内部電極パターン2aが配設されたセラミックグリーンシート3aを積層、圧着することにより積層体を形成し、この積層体を焼成した後、両端面側に、内部電極の引き出し部と導通する外部電極を形成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、セラミック素子中に、複数の内部電極がセラミック層を介して積層され、かつ、互いに対向する内部電極が交互にセラミック素子の逆側の端面に引き出されて、該端面に形成された外部電極に接続された構造を有する積層セラミック電子部品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
積層セラミック電子部品、例えば積層セラミックコンデンサは、図5に示すように、セラミック素子51中に、複数の内部電極52がセラミック層53を介して積層され、かつ、セラミック層53を介して互いに対向する内部電極52が交互にセラミック素子51の逆側の端面に引き出されて、該端面に形成された外部電極54に接続された構造を有している。
【0003】
このような構造を有する積層セラミックコンデンサは、通常、例えば、図6に示すように、スクリーン印刷法などの方法により、導電ペーストを塗布して表面に内部電極パターン52aを形成したセラミックグリーンシート53aを積層するとともにその上下両面側に、内部電極が形成されていないセラミックグリーンシート(ダミーシート)53bを積層、圧着し、所定の大きさに切断し、焼成した後、焼成後の積層体(セラミック素子)51の両端面に導電ペーストを塗布し、焼き付けて一対の外部電極54(図5)を形成することにより製造されている。
【0004】
ところで、上述のような構造を有する積層セラミックコンデンサにおいては、内部電極52が引き出されている端面の内部電極52の露出部分から、セラミック素子51の内部に水分が侵入して特性を劣化させたり、剥がれを生じさせたりするという問題点がある。
【0005】
そこで、このような問題点を解決するために、図7(a),(b)に示すように、内部電極52の引き出し部55の幅Wを、他の部分(内部電極本体)56の幅Wより小さくして、外部からの水分の侵入や、剥がれの発生を抑制するようにした積層セラミックコンデンサが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
しかし、上記のような引き出し部55の幅Wを小さくした積層セラミックコンデンサにおいては、内部電極52(内部電極本体56)のコーナー部(図7(b)の領域A)や、引き出し部55と内部電極本体56の境界部(図7(b)の領域B)などに内部応力が発生して、耐熱衝撃性が低下し、クラックが発生しやすくなるという問題点がある。
【0007】
また、内部電極の引き出し部の幅を、内部電極本体の幅より小さくした他の例としては、内部電極の引き出し部を、セラミック素子の端面に近づくにつれて幅が徐々に狭くなるようにテーパー形状としたコンデンサが開示されている(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)。
【0008】
しかし、図8(a),(b)に示すように、内部電極52の引き出し部55をテーパー形状とした場合にも、テーパー形状部55aの絞りの程度や、引き出し部55の幅Wと内部電極本体56の幅Wとの関係、積層数などによっては、引き出し部55の近傍のCで示す位置(図8(b))に外部電極の収縮応力が加わり、熱衝撃や外部からの機械衝撃性などに対する耐性が低下して、場合によってはクラックが発生するという問題点が明らかになった。
本願発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、外部からの水分の侵入や剥がれの発生を防止することが可能で、しかも、耐熱衝撃性や耐機械衝撃性に優れた、信頼性の高い積層セラミック電子部品及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【特許文献1】
特開平08−97071号公報
【特許文献2】
実開昭56−91433号公報
【特許文献3】
特開2000−277380号公報
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願発明(請求項1)の積層セラミック電子部品は、
セラミック素子中に、複数の内部電極がセラミック層を介して対向するように配設され、かつ、互いに対向する内部電極が交互にセラミック素子の逆側の端面に引き出され、該端面に形成された外部電極に接続された構造を有する積層セラミック電子部品であって、
内部電極の引き出し部を、セラミック素子の端面に近づくにつれて幅が徐々に狭くなるテーパー形状部を備えた形状とするとともに、
平面視した場合におけるセラミック素子の端面と内部電極のテーパー形状部のなす角度θが40°ないし80°の範囲にあり、かつ、
セラミック素子の端面への、内部電極の引き出し部の幅Wが内部電極本体の幅Wの2/3ないし3/4の範囲にあること
を特徴としている。
【0011】
平面視した場合におけるセラミック素子の端面と内部電極のテーパー形状部のなす角度θを40°ないし80°の範囲とし、かつ、セラミック素子の端面への、内部電極の引き出し部の幅Wを内部電極本体の幅Wの2/3ないし3/4の範囲にすることにより、外部からの水分の侵入や剥がれの発生などを抑制、防止することが可能になるとともに、耐熱衝撃性や耐機械衝撃性を向上させて、信頼性を高めることが可能になる。
【0012】
なお、平面視した場合におけるセラミック素子の端面と内部電極のテーパー形状部のなす角度θが40°ないし80°の範囲にあることが好ましいのは、角度θが40°未満になると耐熱衝撃性や耐機械衝撃性が低下し、また、角度θが80°を超えると外部からの水分の侵入や剥がれなどが生じやすくなることによる。
【0013】
また、セラミック素子の端面への、内部電極の引き出し部の幅Wが内部電極本体の幅Wの2/3ないし3/4の範囲にあることが好ましいのは、幅Wが幅Wの2/3未満になると、耐熱衝撃性や耐機械衝撃性の向上の効果が不十分になるとともに導通信頼性が低下し、幅Wが幅Wの3/4を超えると外部からの水分の侵入や剥がれなどが生じやすくなることによる。
【0014】
また、請求項2の積層セラミック電子部品は、平面視した場合におけるセラミック素子の端面と内部電極のテーパー形状部のなす角度θが60°ないし80°の範囲にあることを特徴としている。
【0015】
角度θを60°ないし80°の範囲とすることにより、外部からの水分の侵入や剥がれの発生などを抑制、防止することが可能になるとともに、耐熱衝撃性や耐機械衝撃性を向上させて、さらに信頼性を高めることが可能になる。
【0016】
また、本願発明(請求項3)の積層セラミック電子部品の製造方法は、
セラミック素子中に、複数の内部電極がセラミック層を介して対向するように配設され、かつ、互いに対向する内部電極が交互にセラミック素子の逆側の端面に引き出され、該端面に形成された外部電極に接続された構造を有する積層セラミック電子部品の製造方法であって、
内部電極の引き出し部が、セラミック素子の端面に近づくにつれて幅が徐々に狭くなるテーパー形状部を備えた形状を有するとともに、平面視した場合におけるセラミック素子の端面と内部電極のテーパー形状部のなす角度θが40°ないし80°となり、かつ、セラミック素子の端面への、内部電極の引き出し部の幅Wが内部電極本体の幅Wの2/3ないし3/4となるような内部電極パターンが配設されたセラミックグリーンシートを積層、圧着して積層体を形成する工程と、
前記積層体を焼成する工程と、
焼成された前記積層体の両端面を含む領域に、前記内部電極パターンが焼成されてなる内部電極の引き出し部と導通する外部電極を形成する工程と
を具備することを特徴としている。
【0017】
内部電極の引き出し部がテーパー形状部を備えた形状を有するとともに、セラミック素子の端面と内部電極のテーパー形状部のなす角度θが40°ないし80°となり、かつ、内部電極の引き出し部の幅Wが内部電極本体の幅Wの2/3ないし3/4となるような内部電極パターンが配設されたセラミックグリーンシートを積層、圧着することにより積層体を形成し、この積層体を焼成した後、両端面を含む領域に、内部電極パターンが焼成されてなる内部電極の引き出し部と導通する外部電極を形成することにより、外部からの水分の侵入や剥がれの発生などを抑制、防止することが可能で、耐熱衝撃性や耐機械衝撃性に優れた、信頼性の高い積層セラミック電子部品を効率よく製造することが可能になる。
【0018】
また、請求項4の積層セラミック電子部品の製造方法は、平面視した場合におけるセラミック素子の端面と内部電極のテーパー形状部のなす角度θが60°ないし80°となるようにすることを特徴としている。
【0019】
角度θを60°ないし80°となるようにした場合、外部からの水分の侵入や剥がれの発生などを抑制、防止することが可能で、耐熱衝撃性や耐機械衝撃性に優れた、信頼性の高い積層セラミック電子部品をさらに効率よく、しかも確実に製造することが可能になる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を示してその特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【0021】
[実施形態1]
なお、この実施形態1では、図2に要部の分解斜視図を、図3に断面図を示すように、セラミック素子1(図3)中に、複数の内部電極2がセラミック層3を介して対向するように配設され、かつ、互いに対向する内部電極2が交互にセラミック素子1の逆側の端面に引き出されて、該端面に形成された一対の外部電極4に接続された構造を有する積層セラミック電子部品(積層セラミックコンデンサ)を例にとって説明する。
【0022】
(1)この積層セラミックコンデンサを製造するにあたっては、まず、セラミック原料粉体であるチタン酸バリウム系材料と、樹脂バインダーと、可塑剤と、溶剤とを混合、分散させてセラミックスラリーを調製した。
【0023】
(2)次に、このセラミックスラリーを用いて厚さ3μmのセラミックグリーンシートを作製した。
【0024】
(3)それから、このセラミックグリーンシートに卑金属粉末を導電成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷することにより、図1(a),(b)に示すように、所定の形状を有する内部電極パターン2aが配設されたセラミックグリーンシート3aを作製した。なお、内部電極パターン2aは、引き出し部5が、セラミック素子1(図3)の端面に近づくにつれて幅が徐々に狭くなるようなテーパー形状部5aを備えた形状を有している。
また、セラミックグリーンシート3aとしては、平面視した場合の、セラミックグリーンシート3aの端部(セラミック素子1(図3)の端面)と内部電極パターン2a(内部電極2)の引き出し部5のテーパー形状部5aのなす角度θが、30°、40°、50°、60°、70°、80°、85°のもの(表1の試料番号1〜7)を用意するとともに、角度θが90°で、引き出し部が内部電極本体と同じ幅の従来のパターンのもの(表1の試料番号8)を用意した。さらに、角度θが90゜で、引き出し部が内部電極本体の3/4の幅のパターンのもの(表1の試料番号9)を用意した。
【0025】
(4)それから、図2に示すように、内部電極パターン2a(内部電極2)が形成されたセラミックグリーンシート3a(300層)と、内部電極パターンの形成されていないセラミックグリーンシート(ダミーシート)3bを積層し、プレスした後、製品寸法が、長さ3.2mm×幅1.6mm×高さ1.6mmになるように切断して、未焼成のセラミック素子1aを得た。
【0026】
(5)その後脱脂し、さらにN+H(H=5%)の雰囲気炉にて、1300℃の温度で焼成した。
【0027】
(6)焼成後、図3に示すように、セラミック素子1の両端側に、Cuペーストを塗布、焼付けし、その上にNiめっき、Snめっきを順次施すことにより一対の外部電極4を形成した。
【0028】
これにより、図3に示すように、セラミック素子1中に、複数の内部電極2がセラミック層3を介して積層され、かつ、セラミック層3を介して互いに対向する内部電極2が交互にセラミック素子1の逆側の端面に引き出されて、該端面に形成された外部電極4に接続された構造を有する積層セラミックコンデンサを得た。
【0029】
それから、上述のようにして作製した積層セラミックコンデンサについて、焼成後構造欠陥(剥離不良)の有無の観察、クラック加速評価、及び熱衝撃試験を行い、特性を調べた。
【0030】
なお、焼成後構造欠陥の有無は、内部電極引き出し部における剥離不良を観察
することにより確認した。
また、クラック加速評価は、高温高圧のスチームに50時間さらしてPCT試験(高温負荷試験)を行い、IR(絶縁抵抗)の劣化を確認することにより行った。
さらに、熱衝撃試験は、300℃及び350℃のはんだ中に積層セラミックコンデンサを浸漬し、クラックの発生の有無を確認することにより行った。
その結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
Figure 2004179531
【0032】
なお、表1において、試料番号に*印を付したものは本願発明の範囲外の試料である。
また、この実施形態1では、試料番号1〜6においては、セラミック素子の端面への内部電極の引き出し部の幅Wが、内部電極本体6の幅Wの3/4倍(W/W=3/4)となるようにした。ただし、試料番号7及び8のように角度θが大きすぎるものについては、W/W=3/4の要件を満たすことができなかったので、表1に示すような割合となっている(角度θ85°の場合、W/W=3.5/4,角度θ90の場合、W/W=4/4)。
なお、試料番号9は、テーパー形状にせずに引き出し部の幅Wが内部電極本体6の幅Wの3/4倍となるようにした。
【0033】
表1より、試料番号2〜6の、角度θが、40°、50°、60°、70°、及び80°である本願発明の実施例にかかる試料については、内部電極の引き出し部の剥離不良発生率、PCT試験後のIR劣化割合、熱衝撃試験の不良発生割合がいずれも小さく、信頼性の高い積層セラミックコンデンサが得られることがわかる。特に、試料番号4,5,6の角度θが60゜〜80°のものについては信頼性の高い積層セラミックコンデンサが得られることがわかる。
【0034】
一方、試料番号1の、角度θが、30°の試料、試料番号7及び8の、角度θが、85°の試料及び90°の試料においては、剥離不良発生率、PCT試験後のIR劣化割合、熱衝撃試験の不良発生割合が大きく、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを得ることができないことがわかる。
また、テーパー形状にせず(θ=90゜)に引き出し部の幅を内部電極本体の幅より小さく(3/4倍)した試料番号9においても、剥離不良発生率、PCT試験後のIR劣化割合、熱衝撃試験の不良発生割合が大きく信頼性の高い積層セラミックコンデンサを得ることが出来ないことがわかる。
【0035】
[実施形態2]
上記実施形態1の場合に準じる方法により、角度θを35°、40°、60゜、70°、80°、85°とし、W/Wを変化させた、試料番号11〜33の種々の試料(積層セラミックコンデンサ)を作製し、内部電極2の引き出し部5の幅Wと内部電極本体6の幅Wの比W/W及び角度θと特性の関係を調べた。なお、この実施形態2でも、上記実施形態1の場合と同様に、焼成後構造欠陥(剥離不良)の有無の観察、クラック加速評価、及び熱衝撃試験を行って特性を調べた。
その結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
Figure 2004179531
【0037】
なお、表2において、試料番号に*印を付したものは本願発明の範囲外の試料である。
表2より、セラミック素子の端面と内部電極のテーパー形状部のなす角度θが40°〜80°の範囲にあり、かつ、内部電極2の引き出し部5の幅Wと、内部電極本体6の幅Wの比率(W/W)が、2/3ないし3/4の範囲にある本願発明の要件を満たす試料(試料番号16,17,21,22,26,27,31,32の試料)については、内部電極の引き出し部の剥離不良発生率、PCT試験後のIR劣化割合、熱衝撃試験の不良発生割合がいずれも小さく、信頼性の高い積層セラミックコンデンサが得られることがわかる。特に、試料番号21,22,26,27,31,32の角度θが60゜〜80°で、W/Wが2/3及び3/4のものについては信頼性の高い積層セラミックコンデンサが得られることがわかる。
【0038】
一方、角度θ及びW/Wのいずれかが本願発明の要件を満たさない場合(試料番号に*印を付した試料)においては、剥離不良発生率、PCT試験後のIR劣化割合、熱衝撃試験の不良発生割合の少なくともいずれかが大きく、信頼性の高い積層セラミックコンデンサが得られないことがわかる。
【0039】
[実施形態3]
図4(a),(b)は、本願発明の他の実施形態(実施形態3)にかかる積層セラミック電子部品(積層セラミックコンデンサ)を示す図であり、(a)は一対の内部電極の形状を示す斜視図、(b)は一対の内部電極を積み重ねた状態を示す平面図である。なお、図4において、図1と同一符号を付した部分は、同一又は相当部分を示している。
【0040】
この実施形態3においては、図4(a),(b)に示すように、内部電極2の引き出し部15を、先端側に近づくにつれて幅が徐々に狭くなるテーパー形状部15aと、該テーパー形状部15aよりも先端側に形成された、引き出し方向に平行で、幅がWの平行部15bを備えた形状としている。なお、この実施形態3においては、平行部15bの幅Wが、内部電極2の引き出し部の幅Wと同じとなっている。
【0041】
この実施形態3の積層セラミックコンデンサのように、内部電極2の形状を、図4(a),(b)に示すような、テーパー形状部15aと、平行部15bを備えた形状とした場合にも、本願発明の、テーパー形状部15aの角度θ(図4(b))と、W/Wについての要件を満たすことにより、上記実施形態1の積層セラミックコンデンサの場合と同等の効果を得ることが可能である。
【0042】
なお、本願発明は、上記実施形態1,2,3に限定されるものではなく、例えば、テーパー形状部が湾曲していてもよい。また、内部電極の細部の形状にも特別の制約はなく、コーナー部がいくらか丸みを帯びていてもよい。また、内部電極パターンとして塗布される導電性ペーストの種類、印刷パターン(内部電極パターン)の具体的な形状、誘電体として用いられるセラミックの種類、内部電極の積層数、外部電極の配設位置やパターンなどに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
【0043】
【発明の効果】
上述のように、本願発明(請求項1)の積層セラミック電子部品は、平面視した場合におけるセラミック素子の端面と内部電極のテーパー形状部のなす角度θを40°ないし80°の範囲とし、かつ、セラミック素子の端面への、内部電極の引き出し部の幅Wを内部電極本体の幅Wの2/3ないし3/4の範囲としているので、外部からの水分の侵入や剥がれの発生などを抑制、防止することが可能になるとともに、耐熱衝撃性や耐機械衝撃性を向上させて、信頼性を高めることが可能になる。
【0044】
また、請求項2の積層セラミック電子部品のように、角度θを60°ないし80°の範囲とすることにより、外部からの水分の侵入や剥がれの発生などを抑制、防止することが可能になるとともに、耐熱衝撃性や耐機械衝撃性を向上させて、さらに信頼性を高めることが可能になる。
【0045】
また、本願発明(請求項3)の積層セラミック電子部品の製造方法は、内部電極の引き出し部がテーパー形状部を備えた形状を有するとともに、セラミック素子の端面と内部電極のテーパー形状部のなす角度θが40°ないし80°となり、かつ、内部電極の引き出し部の幅Wが内部電極本体の幅Wの2/3ないし3/4となるような内部電極パターンが配設されたセラミックグリーンシートを積層、圧着することにより積層体を形成し、この積層体を焼成した後、両端面側を含む領域に、内部電極パターンが焼成されてなる内部電極の引き出し部と導通する外部電極を形成するようにしているので、外部からの水分の侵入や剥がれの発生などを抑制、防止することが可能で、耐熱衝撃性や耐機械衝撃性に優れた、信頼性の高い積層セラミック電子部品を効率よく製造することが可能になる。
【0046】
また、請求項4の積層セラミック電子部品のように、角度θを60°ないし80°となるようにした場合、外部からの水分の侵入や剥がれの発生などを抑制、防止することが可能で、耐熱衝撃性や耐機械衝撃性に優れた、信頼性の高い積層セラミック電子部品をさらに効率よく、しかも確実に製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態にかかる積層セラミック電子部品(積層セラミックコンデンサ)を構成する内部電極を示す図であり、(a)は一対の内部電極の形状を示す斜視図、(b)は一対の内部電極を積み重ねた状態を示す平面図である。
【図2】本願発明の一実施形態にかかる積層セラミックコンデンサの構成及び製造方法を説明するための分解斜視図である。
【図3】本願発明の一実施形態にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法により製造された積層セラミックコンデンサを示す断面図である。
【図4】本願発明の他の実施形態にかかる積層セラミック電子部品(積層セラミックコンデンサ)を構成する内部電極を示す図であり、(a)は一対の内部電極の形状を示す斜視図、(b)は一対の内部電極を積み重ねた状態を示す平面図である。
【図5】従来の積層セラミックコンデンサの断面図である。
【図6】従来の積層セラミックコンデンサの構成及び製造方法を説明するための分解斜視図である。
【図7】従来の他の積層セラミックコンデンサの構成を示す図であり、(a)は一対の内部電極の形状を示す斜視図、(b)は一対の内部電極を積み重ねた状態を示す平面図である。
【図8】従来のさらに他の積層セラミックコンデンサの構成を示す図であり、(a)は一対の内部電極の形状を示す斜視図、(b)は一対の内部電極を積み重ねた状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 セラミック素子
1a 未焼成のセラミック素子
2 内部電極
2a 内部電極パターン
3 セラミック層
3a セラミックグリーンシート
3b セラミックグリーンシート(ダミーシート)
4 外部電極
5 引き出し部
5a テーパー形状部
6 内部電極本体
15 引き出し部
15a テーパー形状部
15b 平行部
W 内部電極の引き出し部の幅
内部電極本体の幅
内部電極の平行部の幅
θ セラミック素子の端面と内部電極のテーパー形状部のなす角度

Claims (4)

  1. セラミック素子中に、複数の内部電極がセラミック層を介して対向するように配設され、かつ、互いに対向する内部電極が交互にセラミック素子の逆側の端面に引き出され、該端面に形成された外部電極に接続された構造を有する積層セラミック電子部品であって、
    内部電極の引き出し部を、セラミック素子の端面に近づくにつれて幅が徐々に狭くなるテーパー形状部を備えた形状とするとともに、
    平面視した場合におけるセラミック素子の端面と内部電極のテーパー形状部のなす角度θが40°ないし80°の範囲にあり、かつ、
    セラミック素子の端面への、内部電極の引き出し部の幅Wが内部電極本体の幅Wの2/3ないし3/4の範囲にあること
    を特徴とする積層セラミック電子部品。
  2. 平面視した場合におけるセラミック素子の端面と内部電極のテーパー形状部のなす角度θが60°ないし80°の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の積層セラミック電子部品。
  3. セラミック素子中に、複数の内部電極がセラミック層を介して対向するように配設され、かつ、互いに対向する内部電極が交互にセラミック素子の逆側の端面に引き出され、該端面に形成された外部電極に接続された構造を有する積層セラミック電子部品の製造方法であって、
    内部電極の引き出し部が、セラミック素子の端面に近づくにつれて幅が徐々に狭くなるテーパー形状部を備えた形状を有するとともに、平面視した場合におけるセラミック素子の端面と内部電極のテーパー形状部のなす角度θが40°ないし80°となり、かつ、セラミック素子の端面への、内部電極の引き出し部の幅Wが内部電極本体の幅Wの2/3ないし3/4となるような内部電極パターンが配設されたセラミックグリーンシートを積層、圧着して積層体を形成する工程と、
    前記積層体を焼成する工程と、
    焼成された前記積層体の両端面を含む領域に、前記内部電極パターンが焼成されてなる内部電極の引き出し部と導通する外部電極を形成する工程と
    を具備することを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
  4. 平面視した場合におけるセラミック素子の端面と内部電極のテーパー形状部のなす角度θが60°ないし80°となるようにすることを特徴とする請求項3記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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