JP2004179297A - 半導体集積回路装置 - Google Patents

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宰豪 山住
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Abstract

【課題】銅系の導電材料からなる埋め込み配線を有する半導体集積回路装置における埋め込み配線のエレクトロマイグレーション耐性を向上させる。
【解決手段】埋め込み配線15の主導電層となるCu膜を形成するCu結晶粒のうち、結晶面が(111)配向となっているCu結晶粒の占有率が約35%以下となり、結晶面が(100)配向となっているCu結晶粒の占有率が約20%以上となり、配線溝14の幅が約4μm以上の場合にCu結晶粒の平均結晶粒径が約2μm以上となるようにCu膜を形成する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路装置に関し、特に、絶縁膜に形成した配線形成用の溝部内を埋め込む導電性膜が銅膜である半導体集積回路装置の製造に適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の配線形成方法として、ダマシン(Damascene)法と呼ばれるプロセスがある。この方法は、絶縁膜に配線溝または接続孔を形成した後、半導体基板の主面に配線形成用またはプラグ形成用の導電性膜を堆積し、さらに、その配線溝または接続孔以外の領域の導電性膜を化学機械的研磨法(CMP;Chemical Mechanical Polishing)によって除去することにより、配線溝内に埋込配線、または接続孔内にプラグを形成する方法である。この方法の場合は、特に、微細なエッチング加工が困難な銅系の導電材料(Cu(銅)または銅合金)からなる埋め込み配線の形成方法として適している。
【0003】
また、ダマシン法の応用としてデュアルダマシン(Dual−Damascene)法がある。この方法は、絶縁膜に配線形成用の溝および下層配線との接続を行なうための接続孔を形成した後、半導体基板の主面に配線形成用の導電性膜を堆積し、さらに、その溝以外の領域の導電性膜をCMPによって除去することにより、配線形成用の溝内に埋め込み配線を形成し、かつ、接続孔内にプラグを形成する方法である。この方法の場合は、特に、多層配線構造を有する半導体集積回路において、工程数の削減が可能であり、配線コストの低減が可能である。
【0004】
上記のような銅系の導電材料からなる埋め込み配線を有する半導体集積回路装置において、その銅系の導電材料の結晶面の(111)配向性を高めることにより、埋め込み配線のエレクトロマイグレーション耐性を向上させる技術がある(たとえば、特許文献1参照)。その一方で、銅系の導電材料の結晶面の(111)配向性よりも結晶面(100)配向性を高めた方がより埋め込み配線のエレクトロマイグレーション耐性を向上できる可能性についても指摘されている(たとえば、非特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−183064号公報(第4−5頁、第1図)
【0006】
【非特許文献1】
J. Koike, M. Wada, M. Sanada, K. Maruyama, ”Applied Physics Letters”, 2002, vol.81, no.6, p.1017−1019
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、銅系の導電材料からなる埋め込み配線を有する半導体集積回路装置において、埋め込み配線のエレクトロマイグレーション耐性を向上させる技術について検討している。その中で、本発明者らは、以下のような課題を見出した。
【0008】
本発明者らは、埋め込み配線を形成している銅系の導電材料の結晶面の(111)配向性と埋め込み配線のエレクトロマイグレーション特性の関係について実験により調べた。その結果、埋め込み配線を形成している銅系の導電材料の結晶面の(111)配向性を高めても、必ずしもエレクトロマイグレーション耐性を向上させることができないことを見出した。すなわち、銅系の導電材料からなる埋め込み配線のエレクトロマイグレーション耐性を向上させるためには、埋め込み配線を形成している銅系の導電材料の結晶面の(111)配向性を高める以外の手段を見出さなければならない課題が存在する。
【0009】
本発明の目的は、銅系の導電材料からなる埋め込み配線を有する半導体集積回路装置において、埋め込み配線のエレクトロマイグレーション耐性を向上させることのできる技術を提供することにある。
【0010】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0012】
すなわち、本発明は、
(a)半導体基板の主面上に形成された絶縁膜に形成された溝部と、
(b)前記溝部内に銅を主成分とする導電性膜を埋め込むことで形成された配線とを有するものであり、前記導電性膜を形成する結晶のうち、前記配線の表面において結晶面が(111)となる第1配向結晶の前記配線中での占有率が50%以下であるものである。
【0013】
また、本発明は、
(a)半導体基板の主面上に形成された絶縁膜に形成された溝部と、
(b)前記溝部内に銅を主成分とする導電性膜を埋め込むことで形成された配線とを有するものであり、前記導電性膜を形成する結晶のうち、前記配線の表面において結晶面が(111)となるものを第1配向結晶とするとき、前記結晶面が(100)となる第2配向結晶の前記配線中での占有率が20%以上であるものである。
【0014】
また、本発明は、
(a)半導体基板の主面上に形成された絶縁膜に形成された溝部と、
(b)前記溝部内に銅を主成分とする導電性膜を埋め込むことで形成された配線とを有するものであり、単層もしくは複数層の配線層を有し、同一の前記配線層内にて前記配線が1本以上形成され、そのうちの少なくとも1本の前記配線は幅が4μm以上であり、前記幅が4μm以上の前記配線においては前記導電性膜を形成する前記結晶の平均結晶粒径が2μm以上であるものである。
【0015】
また、本発明は、
(a)半導体基板の主面上に形成された絶縁膜に形成された溝部と、
(b)前記溝部内に銅を主成分とする導電性膜を埋め込むことで形成された配線とを有するものであり、前記導電性膜を形成する結晶のうち、前記配線の表面において結晶面が(111)となる第1配向結晶の前記配線中での占有率が35%以下であり、前記配線の表面において前記結晶面が(100)となる第2配向結晶の前記配線中での占有率が20%以上であるものである。
【0016】
また、本発明は、
(a)半導体基板の主面上に形成された絶縁膜に形成された溝部と、
(b)前記溝部内に銅を主成分とする導電性膜を埋め込むことで形成された配線とを有するものであり、前記配線の表面において結晶面が(100)となる第2配向結晶の前記配線中での占有率が、前記配線の表面において前記結晶面が(111)となる第1配向結晶の前記配線中での占有率以上であるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、実施の形態を説明するための図においては、図をわかりやすくするために断面図でない場合でもハッチングを付す場合がある。
【0018】
本実施の形態の半導体集積回路装置は、たとえばCMOSロジックLSIである。このCMOSロジックLSIの製造方法について、図1〜図19に従って説明する。
【0019】
まず、図1に示すように、比抵抗が10Ωcm程度の単結晶シリコンからなる半導体基板1を850℃程度で熱処理して、その主面に膜厚10nm程度の薄い酸化シリコン膜(パッド酸化膜)を形成する。次いでこの酸化シリコン膜の上に膜厚120nm程度の窒化シリコン膜をCVD(Chemical Vapor Deposition)法で堆積した後、フォトレジスト膜をマスクにしたドライエッチングで素子分離領域の窒化シリコン膜と酸化シリコン膜とを除去する。酸化シリコン膜は、後の工程で素子分離溝の内部に埋め込まれる酸化シリコン膜をデンシファイ(焼き締め)するときなどに基板に加わるストレスを緩和する目的で形成される。また、窒化シリコン膜は酸化されにくい性質を持つので、その下部(活性領域)の基板表面の酸化を防止するマスクとして利用される。
【0020】
続いて、窒化シリコン膜をマスクにしたドライエッチングで素子分離領域の半導体基板1に深さ350nm程度の溝を形成した後、エッチングで溝の内壁に生じたダメージ層を除去するために、半導体基板1を1000℃程度で熱処理して溝の内壁に膜厚10nm程度の薄い酸化シリコン膜を形成する。
【0021】
続いて、CVD法にて半導体基板1上に酸化シリコン膜を堆積した後、この酸化シリコン膜の膜質を改善するために、半導体基板1を熱処理して酸化シリコン膜をデンシファイ(焼き締め)する。その後、窒化シリコン膜をストッパに用いた化学機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing;CMP)法でその酸化シリコン膜を研磨して溝の内部に残すことにより、表面が平坦化された素子分離溝2を形成する。
【0022】
続いて、熱リン酸を用いたウェットエッチングで半導体基板1の活性領域上に残った窒化シリコン膜を除去した後、半導体基板1のnチャネル型MISFETを形成する領域にB(ホウ素)をイオン注入してp型ウェル3を形成する。次いで、半導体基板1のpチャネル型MISFETを形成する領域にP(リン)をイオン注入してn型ウェル4を形成する。
【0023】
続いて、半導体基板1を熱処理することによって、p型ウェル3およびn型ウェル4の表面にゲート酸化膜5を形成した後、ゲート酸化膜5の上部にゲート電極6を形成する。ゲート電極6は、たとえばPをドープした低抵抗多結晶シリコン膜、WN(窒化タングステン)膜、およびW(タングステン)膜をこの順で積層した3層の導電性膜によって構成する。
【0024】
次いで、p型ウェル3にPまたはAs(ヒ素)をイオン注入することよってn型半導体領域(ソース、ドレイン)7を形成し、n型ウェル4にBをイオン注入することによってp型半導体領域(ソース、ドレイン)8を形成する。ここまでの工程によって、p型ウェル3にnチャネル型MISFETQnが形成され、n型ウェル4にpチャネル型MISFETQpが形成される。
【0025】
続いて、nチャネル型MISFETQnおよびpチャネル型MISFETQpの上部に酸化シリコンからなる層間絶縁膜9を形成する。
【0026】
次に、図2に示すように、フォトリソグラフィ技術によりパターニングされたフォトレジスト膜(図示は省略)をマスクにして層間絶縁膜9をドライエッチングすることにより、n型半導体領域(ソース、ドレイン)7およびp型半導体領域(ソース、ドレイン)8の上部にコンタクトホール10を形成する。続いて、コンタクトホール10内を含む半導体基板1上に、スパッタリング法により、たとえば窒化チタン膜を堆積した後、さらにCVD法により、たとえばW(タングステン)膜を堆積し、コンタクトホール10をそのW膜で埋め込む。その後、コンタクトホール10以外の絶縁膜9上の窒化チタン膜およびW膜を、たとえばCMP法により除去し、プラグ11を形成する。
【0027】
続いて、半導体基板1上に、たとえばCVD法で窒化シリコン膜を堆積することにより、エッチングストッパ膜12を形成する。エッチングストッパ膜12は、その上層の絶縁膜に配線形成用の溝や孔を形成する際に、その掘り過ぎにより下層に損傷を与えたり、加工寸法精度が劣化したりすることを回避するためのものである。本実施の形態では、このエッチングストッパ膜12として窒化シリコン膜を用いることを例示するが、窒化シリコン膜の代わりにプラズマCVD法で堆積したSiC(炭化シリコン)膜またはSiC膜の成分中にN(窒素)を所定量含むSiCN(炭窒化シリコン)膜を用いてもよい。SiC膜およびSiCN膜は、窒化シリコン膜より相対的に比誘電率が低いので、エッチングストッパ膜12としてSiC膜またはSiCN膜を用いることにより、本実施の形態のCMOSロジックLSIにおける配線遅延を改善することができる。
【0028】
次に、たとえばエッチングストッパ膜12の表面にCVD法で酸化シリコン膜を堆積し、膜厚が約200nmの層間絶縁膜13を堆積する。この層間絶縁膜13を形成する際に、酸化シリコンにF(フッ素)を添加しても良い。Fを添加することにより、層間絶縁膜13の誘電率を下げることができるので、半導体集積回路装置の配線の総合的な誘電率を下げることが可能であり、配線遅延を改善できる。
【0029】
続いて、エッチングストッパ膜12および層間絶縁膜13を、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を用いて加工し、埋め込み配線形成用の配線溝14を形成する。本実施の形態においては、エッチングストッパ膜12および層間絶縁膜13には複数の配線溝14を形成し、そのうちの少なくとも1本の幅を4μm以上とすることを例示する。なお、形成する回路によっては配線溝14を1本のみとしてもよく、その場合には、配線溝14の幅を4μm以上とすることを例示する。
【0030】
次いで、配線溝14の底部に露出したプラグ11の表面の反応層を除去するために、Ar(アルゴン)雰囲気中にてスパッタエッチングによる半導体基板1の表面処理を行う。
【0031】
続いて、半導体基板1の全面に、バリア導体膜15Aとなる、たとえば窒化タンタル膜を、タンタルターゲットをアルゴン/窒素混合雰囲気中にて反応性スパッタリングを行なうことで堆積する。この窒化タンタル膜の堆積は、この後の工程において堆積するCu(銅)膜の密着性の向上およびCuの拡散防止のために行うもので、その膜厚は約30nmとすることを例示できる。なお、本実施の形態においては、バリア導体膜15Aとして窒化タンタル膜を例示するが、タンタル等の金属膜、窒化タンタルとタンタルとの積層膜、窒化チタン膜あるいは金属膜と窒化チタン膜との積層膜等であってもよい。バリア導体膜15Aがタンタルまたは窒化タンタルの場合には、窒化チタンを用いた場合よりCu膜との密着性がよい。また、バリア導体膜15Aが窒化チタン膜の場合、この後の工程であるCu膜の堆積直前に窒化チタン膜の表面をスパッタエッチングすることも可能である。このようなスパッタエッチングにより、窒化チタン膜の表面に吸着した水、酸素分子等を除去し、Cu膜の接着性を改善することができる。この技術は、特に、窒化チタン膜の堆積後、真空破壊して表面を大気に曝し、Cu膜を堆積する場合に効果が大きい。なお、この技術は窒化チタン膜に限られず、窒化タンタル膜においても、効果の差こそあるが有効である。
【0032】
続いて、バリア導体膜15Aが堆積された半導体基板1の全面に、シード膜となる、たとえばCu膜またはCu合金膜を堆積する。このシード膜をCu合金膜とする場合には、その合金中にCuを80重量パーセント程度以上含むようにする。シード膜は、Cuスパッタリング原子をイオン化することでスパッタリングの指向性を高めるイオン化スパッタリング法によって堆積し、その膜厚は、配線溝14の内部を除いたバリア導体膜15Aの表面において100nm〜200nm程度、好ましくは150nm程度となるようにする。本実施の形態においては、シード膜の堆積にイオン化スパッタリング法を用いる場合を例示するが、長距離スパッタリング法を用いてもよい。また、シード膜の堆積はCVD法によって行ってもよく、CVD成膜ユニットがバリア導体膜15Aの形成室と結合していれば高真空状態を維持できるので、堆積したバリア導体膜15Aの表面が酸化してしまうことを防ぐことができる。
【0033】
次に、シード膜が堆積された半導体基板1の全面に、Cu膜を配線溝14を埋め込むように堆積し、このCu膜と上記したシード膜とを合わせて導電性膜15Bとする。この配線溝14を埋め込むCu膜は、たとえば電解めっき法にて形成し、めっき液としては、たとえばHSO(硫酸)に10%のCuSO(硫酸銅)および銅膜のカバレージ向上用の添加剤を加えたものを用いる。配線溝14を埋め込むCu膜の形成に電解めっき法を用いた場合、そのCu膜の成長速度を電気的に制御できるので、配線溝14の内部におけるそのCu膜のカバレージを向上することができる。なお、本実施の形態においては、配線溝14を埋め込むCu膜の堆積に電解めっき法を用いる場合を例示しているが、無電解めっき法を用いてもよい。無電解めっき法を用いた場合、電圧印加を必要としないので、電圧印加に起因する半導体基板1のダメージを、電解めっき法を用いた場合よりも低減することができる。
【0034】
続いて、アニール処理によってCu膜の歪みを緩和させることにより、良質なCu膜を得ることができる。
【0035】
次に、図3に示すように、層間絶縁膜13上の余分なバリア導体膜15Aおよび導電性膜15Bを除去し、配線溝14内にバリア導体膜15Aおよび導電性膜15Bを残すことにより、埋め込み配線15を形成する。バリア導体膜15Aおよび導電性膜15Bの除去は、CMP法を用いた研磨により行う。
【0036】
ここで、本発明者らは、埋め込み配線15におけるCu結晶粒の平均結晶粒径と許容電流密度(エレクトロマイグレーション特性)との関係について実験により調べた。図4は、その結果を示すものである。なお、本実施の形態におけるCu結晶粒の平均結晶粒径とは、上記CMP法による研磨によって埋め込み配線15を形成した後において、埋め込み配線15の表面に現れたCu結晶粒の上面を同面積の円に見立てた場合の、その円の直径に相当するものである。評価は、EBSD(Electron Back Scattering Diffraction Pattern)法を用い、埋め込み配線15のうち、配線幅が約5μmの領域で表面の結晶粒界および結晶配向性を調べた。また、本実施の形態においては、双晶を結晶の粒界とみなさずに平均結晶粒径を計測している。すなわち、Cu結晶粒が双晶となっている場合には、双晶を形成する結晶の境界面を粒界とは見なしていない。たとえば、(111)配向の結晶と双晶を形成し(111)配向結晶と等価となる(511)配向結晶は(111)配向結晶と見なし、(100)配向結晶と双晶を形成し(100)配向結晶と等価となる(221)配向結晶は(100)配向結晶と見なしている。
【0037】
本実施の形態の半導体集積回路装置においては、埋め込み配線15の許容電流密度が1MA/cmより小さくなった場合には、埋め込み配線15が断線(開放)故障を起こしやすくなっていると見なしている。図4に示すように、実験からは、埋め込み配線15を形成するCu結晶粒の平均結晶粒径が、配線幅が約5μmの領域で約2μm以上である場合に埋め込み配線15の許容電流密度が1MA/cm以上となり、Cu結晶粒の平均結晶粒径が約2μm未満である場合に比べて埋め込み配線15の許容電流密度が大幅に向上した。すなわち、Cu結晶粒の平均結晶粒径を約2μm以上とすることにより、Cu結晶粒の平均結晶粒径が約2μm未満である場合に比べて埋め込み配線15のエレクトロマイグレーション特性を大幅に向上できるので、埋め込み配線15の断線(開放)故障を効果的に防ぐことができることがわかった。
【0038】
埋め込み配線15のエレクトロマイグレーションによる断線(開放)故障は、結合の弱いCu結晶粒の粒界にて物質移動が始まり、空隙に成長することに起因するものである。また、Cu結晶粒の結晶粒径が小さくなるほど埋め込み配線15全体ではCu結晶粒の結晶粒界の面積が大きくなることから、Cu結晶粒の粒界ではエレクトロマイグレーションによる空隙が生じやすくなると考えられる。そのため、上記図4に示した実験結果のように、埋め込み配線15を形成するCu結晶粒を約2μm以上と大きくすることにより、埋め込み配線15のエレクトロマイグレーション特性(耐性)を向上することが可能となる。
【0039】
また、本発明者らは、埋め込み配線15において結晶面が(111)配向となっているCu結晶粒(第1配向結晶)の占有率と平均結晶粒径との関係を実験により調べた。図5は、その結果を示すものである。
【0040】
CuはFCC(Face−Centered Cubic;面心立方格子)金属であり、FCC金属は最稠密面(111)が最も安定となる。また、Cu結晶粒の結晶面の(111)配向性が高くなることにより、隣り合ったCu結晶粒の方位のずれが小さくなり、結晶欠陥が少なくなるため、エレクトロマイグレーションによるCu原子の結晶粒界拡散が抑制される。そのため、Cu結晶粒の結晶面の(111)配向性を高めることにより、埋め込み配線15のエレクトロマイグレーション耐性が向上すると考えられていた。その一方で、上記図4に示したように、埋め込み配線15を形成するCu結晶粒を大きくすることにより、埋め込み配線15のエレクトロマイグレーション特性(耐性)を向上できるという結果が出ている。そこで、埋め込み配線15において結晶面が(111)配向となっているCu結晶粒の占有率と平均結晶粒径との関係を表したのが図5に示す実験結果である。
【0041】
上記図4からは、Cu結晶粒の平均結晶粒径を約2μm以上とすることによって埋め込み配線15の断線(開放)故障を防ぐことができるという結果が得られた。ここで、図5に示すように、本実施の形態では、埋め込み配線15において結晶面が(111)配向となっているCu結晶粒の占有率を約50%以下とすることによって、Cu結晶粒の平均結晶粒径を約2μm以上とすることができる。これは、前述したように、Cuは最稠密面(111)が最も安定となることから、結晶面が(111)配向となっているCu結晶粒は、たとえば熱処理を施した場合でも結晶粒の成長が促進され難く、結晶面が(111)配向となっているCu結晶粒の占有率が増加するに従ってCu結晶粒の平均結晶粒径が小さくなることに起因するものである。すなわち、埋め込み配線15において結晶面が(111)配向となっているCu結晶粒の占有率を約50%以下とすることによって、埋め込み配線15のエレクトロマイグレーション特性(耐性)を向上することが可能となる。なお、上記したように、本実施の形態においては、双晶を結晶の粒界と見なしていないので、結晶面が(111)配向となっているCu結晶粒の占有率は、結晶面が(111)配向となっている結晶および結晶面が(111)配向である結晶と等価となる結晶面が(511)配向の結晶の和と定義する。
【0042】
また、本発明者らは、埋め込み配線15において(100)配向となっているCu結晶粒(第2配向結晶)の占有率と平均結晶粒径との関係を実験により調べた。図6は、その結果を示すものである。
【0043】
図6に示すように、本実施の形態では、埋め込み配線15において(100)配向となっているCu結晶粒の占有率を約20%以上とすることによって、Cu結晶粒の平均結晶粒径を約2μm以上とすることができる。すなわち、埋め込み配線15において(100)配向となっているCu結晶粒の占有率を約20%以上とすることによって、埋め込み配線15のエレクトロマイグレーション特性(耐性)を向上することが可能となる。なお、上記したように、本実施の形態においては、双晶を結晶の粒界と見なしていないので、(100)配向となっているCu結晶粒の占有率は、(100)配向結晶および(100)配向結晶と等価となる(221)配向結晶の和と定義する。以下、(100)配向となっているCu結晶粒の占有率を約20%以上とすることでCu結晶粒の平均結晶粒径を約2μm以上とすることができる理由について説明する。
【0044】
(100)配向となっているCu結晶粒は、たとえば結晶面が(111)配向となっているCu結晶粒および(110)配向となっているCu結晶粒に比べて二軸弾性定数が小さい。そのため、導電性膜15B(図2参照)の堆積後の熱処理によってCu結晶の平面歪みを減少させるために最も好都合な(100)配向となっているCu結晶粒が優先的に成長する。また、上記図4を用いて説明したように、埋め込み配線15を形成するCu結晶粒を大きくすることにより、埋め込み配線15のエレクトロマイグレーション特性(耐性)を向上できる。すなわち、埋め込み配線15において(100)配向となっているCu結晶粒の占有率が大きくなるということは、粒径の大きなCu結晶粒の占有率が大きくなるということになる。その結果、(100)配向となっているCu結晶粒の占有率を約20%以上とすることによって、Cu結晶粒の平均結晶粒径を約2μm以上とすることが可能となる。
【0045】
また、本発明者らは、埋め込み配線15において結晶面が(111)配向となっているCu結晶粒の占有率と許容電流密度(エレクトロマイグレーション特性)との関係について実験により調べた。図7は、その結果を示すものである。
【0046】
前記したように、本実施の形態の半導体集積回路装置においては、埋め込み配線15の許容電流密度が1MA/cmより小さくなった場合には、埋め込み配線15が断線(開放)故障を起こしていると見なしてる。図7に示すように、実験からは、埋め込み配線15において結晶面が(111)配向となっているCu結晶粒の占有率を約35%以下とした場合に埋め込み配線15の許容電流密度を1MA/cm以上にできることがわかった。すなわち、結晶面が(111)配向となっているCu結晶粒の占有率を約35%以下とすることにより、埋め込み配線15の断線(開放)故障を防ぐことができる。
【0047】
上記図5を用いて説明したように、埋め込み配線15において結晶面が(111)配向となっているCu結晶粒の占有率が増加するに従って、Cu結晶粒の平均結晶粒径は小さくなる。また、図4を用いて説明したように、Cu結晶粒の平均結晶粒径が小さくなるに従って、埋め込み配線15の許容電流密度(エレクトロマイグレーション特性)も低くなる。また、導電性膜15B(図2参照)の堆積後の熱処理によって、導電性膜15BであるCu膜には熱歪みが生じる。熱歪みの原因となる熱膨張係数は、立方晶であるCu結晶では等方的な値であることから、熱歪み量はCu膜のどの部分においても同じ値となる。一方、Cuは弾性異方性が高い金属であることから、導電性膜15B(図2参照)の堆積後の熱処理によって、結晶面が(111)配向のCu結晶には、異なる方位において異なる熱応力が生じる。そのため、双晶を形成する結晶面が(111)配向のCu結晶と結晶面が(511)配向のCu結晶との間の双晶界面には、双晶界面の両側の熱応力差によってせん断応力の集中が生じる。このせん断応力の集中により、その双晶界面は、エレクトロマイグレーション特性(耐性)の低下の原因となる空隙発生の核となってしまう。そこで、上記図7に示した実験結果のように、埋め込み配線15において結晶面が(111)配向となっているCu結晶粒の占有率を約35%以下とすることにより、埋め込み配線15のエレクトロマイグレーション特性(耐性)を向上することが可能となる。
【0048】
また、本発明者らは、埋め込み配線15において結晶面が(100)配向となっているCu結晶粒の占有率と許容電流密度(エレクトロマイグレーション特性)との関係について実験により調べた。図8は、その結果を示すものである。
【0049】
図8に示すように、実験からは、埋め込み配線15において結晶面が(111)配向となっているCu結晶粒の占有率を約20%以上とした場合に埋め込み配線15の許容電流密度を1MA/cm以上にできることがわかった。前記したように、本実施の形態の半導体集積回路装置においては、埋め込み配線15の許容電流密度が1MA/cmより小さくなった場合には、埋め込み配線15が断線(開放)故障を起こしていると見なすので、結晶面が(100)配向となっているCu結晶粒の占有率を約20%以上とすることにより、埋め込み配線15の断線(開放)故障を防ぐことが可能となる。
【0050】
上記図6を用いて説明したように、埋め込み配線15において結晶面が(100)配向となっているCu結晶粒の占有率が増加するに従って、Cu結晶粒の平均結晶粒径は大きくなる。また、図4を用いて説明したように、Cu結晶粒の平均結晶粒径が大きくなるに従って、埋め込み配線15の許容電流密度(エレクトロマイグレーション特性)も高くなる。また、前述したように、(100)配向となっているCu結晶粒は、結晶面が(111)配向となっているCu結晶粒および(110)配向となっているCu結晶粒に比べて二軸弾性定数が小さいので、導電性膜15B(図2参照)の堆積後の熱処理によって導電性膜15BであるCu膜に熱歪みが生じても、双晶を形成する結晶面が(100)配向のCu結晶と結晶面が(221)配向のCu結晶との間の双晶界面には、双晶界面の両側の熱応力差に起因するせん断応力が生じ難くなっている。そのため、その双晶界面がエレクトロマイグレーション特性(耐性)の低下の原因となる空隙発生の核となってしまうことを防ぐことができる。そこで、上記図8に示した実験結果のように、埋め込み配線15において結晶面が(100)配向となっているCu結晶粒の占有率を約20%以上とすることにより、埋め込み配線15のエレクトロマイグレーション特性(耐性)を向上することが可能となる。
【0051】
ここで、図9は、上記図4〜図8を用いて説明したような条件を満たすCu結晶粒から形成された埋め込み配線15のサンプルA〜Cと、その条件を満たしていない埋め込み配線15のサンプルD〜Fとのそれぞれについて、Cu結晶粒の平均結晶粒径、結晶面が(111)配向となっているCu結晶粒の占有率、結晶面が(100)配向となっているCu結晶粒の占有率および許容電流密度(エレクトロマイグレーション特性(耐性))を実験によって求めた結果を示したものである。なお、図9では、双晶を形成する結晶の境界面を粒界と見なした場合の結果についても示している。
【0052】
図9に示すように、上記図4〜図8を用いて説明したような条件を満たすCu結晶粒から形成された埋め込み配線15のサンプルA〜Cについては、許容電流密度が1MA/cm以上となり、エレクトロマイグレーション特性(耐性))が向上したことによって断線(開放)故障を起こし難くなっていることがわかった。一方、その条件を満たしていない埋め込み配線15のサンプルD〜Fについては、許容電流密度が1MA/cm未満となり、エレクトロマイグレーション特性(耐性))が低下したことによって断線(開放)故障を起こしやすくなっていることがわかった。すなわち、図4〜図8を用いて説明したような条件を満たすCu結晶粒で埋め込み配線15を形成することにより、埋め込み配線15のエレクトロマイグレーション特性(耐性))を向上することが可能となる。
【0053】
本実施の形態では、上記図4〜図8を用いて説明したようなCu結晶粒を有する埋め込み配線15を形成するために、以下のような条件で上記バリア導体膜15A(図2参照)、導電性膜15Bを形成するシード膜およびCu膜を成膜することを例示できる。
【0054】
すなわち、バリア導体膜15Aは、スパッタリング法にて10nm程度の窒化タンタル膜および15nm程度のTa(タンタル膜)を順次連続的に堆積することで形成する。続いて、イオン化スパッタリング法にて150nm程度のCu膜を堆積することでシード膜を形成し、次いで電解めっき法にて膜厚1μm程度のCu膜を堆積することによって導電性膜15Bを形成した後にアニール処理を実施するものである。
【0055】
上記埋め込み配線15を形成した後、たとえば0.1%アンモニア水溶液と純水とを用いた2段階のブラシスクラブ洗浄により、半導体基板1の表面に付着した研磨砥粒および銅を除去する。
【0056】
次に、図10に示すように、埋め込み配線15および層間絶縁膜13上に窒化シリコン膜を堆積してエッチングストッパ膜16を形成する。この窒化シリコン膜の堆積には、たとえばプラズマCVD法を用いることができ、その膜厚は約50nmとする。前記エッチングストッパ膜12(図2参照)と同様に、エッチングストッパ膜16としてSiC膜またはSiCN膜を用いてもよい。エッチングストッパ膜16は、後の工程において、エッチングを行なう際のエッチングストッパ層として機能させることができる。また、エッチングストッパ膜16は、埋め込み配線15の導電性膜15BをなすCuの拡散を抑制する機能も有し、バリア導体膜15A(図3参照)とともに層間絶縁膜9、13および後でエッチングストッパ膜16上に形成する絶縁膜への銅の拡散を防止してそれらの絶縁性を保持する。
【0057】
次に、エッチングストッパ膜16の表面に、膜厚が約100nmの絶縁膜(第1絶縁膜)17を堆積する。この絶縁膜17として、フッ素を添加したCVD酸化膜などの低誘電率膜(SiOF膜)を例示することができる。この低誘電率膜を用いた場合には、半導体集積回路装置の配線の総合的な誘電率を下げることが可能であり、配線遅延を改善することができる。
【0058】
続いて、上記絶縁膜17の表面に膜厚100nm程度の酸化シリコン膜を堆積することにより、キャップ絶縁膜18を形成する。
【0059】
次に、キャップ絶縁膜18の表面に、たとえばプラズマCVD法にて窒化シリコン膜を堆積し、膜厚が約25nmのエッチングストッパ膜19を形成する。前記エッチングストッパ膜12、16と同様に、エッチングストッパ膜19としてSiC膜またはSiCN膜を用いてもよい。このエッチングストッパ膜19は、後の工程においてエッチングストッパ膜19上に絶縁膜を形成し、その絶縁膜に配線形成用の溝部や孔を形成する際に、その掘り過ぎにより下層に損傷を与えたり加工寸法精度が劣化したりすることを回避するためのものである。
【0060】
次に、エッチングストッパ膜19の表面に、たとえばCVD法にてフッ素を添加した酸化シリコン(SiOF)膜を堆積し、膜厚が約100nmの絶縁膜20を形成する。続いて、その絶縁膜20の表面に膜厚125nm程度の酸化シリコン膜を堆積することにより、キャップ絶縁膜21を形成する。次いで、キャップ絶縁膜21の表面に、たとえばプラズマCVD法にて膜厚が約50nmの窒化シリコン膜を堆積することにより、エッチングストッパ膜22を形成する。前記エッチングストッパ膜12、16、19と同様に、エッチングストッパ膜22としてSiC膜またはSiCN膜を用いてもよい。
【0061】
次に、エッチングストッパ膜22の表面に膜厚120nm程度の反射防止膜23を形成する。続いて、その反射防止膜23の表面に、たとえばポリヒドロキシスチレンと酸発生剤からなり、膜厚が480nm程度のフォトレジスト膜24を形成する。次いで、そのフォトレジスト膜24に対して加熱処理、露光処理および現像処理を施すことにより、フォトレジスト膜24をパターニングする。このフォトレジスト膜24のパターンは、たとえば平面帯状または長方形状の配線溝を形成するためのマスクパターンであって、配線溝形成領域が露出され、それ以外の領域が覆われるように形成されている。
【0062】
次に、上記フォトレジスト膜24をマスクとし、反射防止膜23およびエッチングストッパ膜22を順次エッチングする。
【0063】
次に、アッシング法により上記フォトレジスト膜24および反射防止膜23を除去した後、図11に示すように、半導体基板1上に膜厚120nm程度の反射防止膜25を形成する。この反射防止膜25は、エッチングストッパ膜22間の溝内を埋め込むように形成される。
【0064】
続いて、その反射防止膜25の表面に、ポリヒドロキシスチレンと酸発生剤からなる膜厚が480nm程度のフォトレジスト膜26を形成する。次いで、そのフォトレジスト膜26に対して加熱処理、露光処理および現像処理を施すことにより、フォトレジスト膜26をパターニングする。
【0065】
次に、図12に示すように、パターニングされたフォトレジスト膜26をマスクとして反射防止膜25をエッチングする。この時、オーバーエッチングにより反射防止膜25の下部のキャップ絶縁膜21を所定量エッチングしてもよい。続いて、フォトレジスト膜26をマスクとしてキャップ絶縁膜21および絶縁膜20をエッチングする。続いて、フォトレジスト膜26をマスクとしてエッチングストッパ膜19をエッチングする。続いて、フォトレジスト膜26をマスクとし、上記キャップ絶縁膜21および絶縁膜20をエッチングした際のエッチング条件と同様のエッチング条件にてキャップ絶縁膜18および絶縁膜17をエッチングすることにより、開孔部27を形成する。
【0066】
次に、アッシング法により上記フォトレジスト膜26および反射防止膜25を除去した後、図13に示すように、エッチングストッパ膜22をマスクとしてキャップ絶縁膜21および絶縁膜20をドライエッチングすることにより、開口部を形成する。
【0067】
次に、キャップ絶縁膜21上のエッチングストッパ膜22、上記開口部の底部のエッチングストッパ膜19および開孔部27の底部のエッチングストッパ膜16をドライエッチング法により除去する。これにより、接続孔29および配線溝30を形成することができる。
【0068】
次に、図14に示すように、バリア導体膜15Aを堆積した工程と同様の工程により、バリア導体膜31Aを堆積する。このバリア導体膜31Aとしては、たとえば窒化タンタル膜を用いることができる。なお、本実施の形態においてはバリア導体膜31Aとして窒化タンタル膜を例示するが、タンタル等の金属膜、窒化チタン膜あるいは金属膜と窒化膜との積層膜等であってもよい。また、バリア導体膜31Aが窒化チタン膜の場合、この後の工程であるCu膜の堆積直前に窒化チタン膜の表面をスパッタエッチングすることも可能である。
【0069】
続いて、バリア導体膜31Aが堆積された半導体基板1の全面に、シード膜となる、たとえばCu膜またはCu合金膜を堆積する。このシード膜をCu合金膜とする場合には、その合金中にCuを約80重量パーセント程度以上含むようにする。シード膜は、長距離スパッタリング法によって堆積することを例示できる。本実施の形態においては、シード膜の堆積に長距離スパッタリング法を用いる場合を例示するが、Cuスパッタリング原子をイオン化することで、スパッタリングの指向性を高めるイオン化スパッタリング法を用いてもよい。また、シード膜の堆積はCVD法によって行ってもよい。
【0070】
次に、シード膜が堆積された半導体基板1の全面に、たとえばCu膜からなる導電性膜を接続孔29および配線溝30を埋め込むように堆積し、この導電性膜と上記したシード膜とを合わせて導電性膜31Bとする。この接続孔29および配線溝30を埋め込む導電性膜は、たとえば電解めっき法にて形成することができる。続いて、アニール処理によってその導電性膜31Bの歪みを除去し安定化させる。
【0071】
次に、絶縁膜21上の余分なバリア導体膜31Aおよび導電性膜31Bを除去し、接続孔29および配線溝30内にバリア導体膜31Aおよび導電性膜31Bを残すことで、埋め込み配線31を形成する。バリア導体膜31Aおよび導電性膜31Bの除去は、CMP法を用いた研磨により行うことを例示できる。この埋め込み配線31を形成する。
【0072】
本実施の形態においては、埋め込み配線31を形成するバリア導体膜31A、導電性膜31Bを形成するシード膜およびCu膜についても、上記埋め込み配線15(図3参照)を形成するバリア導体膜15A、導電性膜15Bを形成するシード膜およびCu膜と同様の成膜条件およびアニール条件で形成する。それにより、埋め込み配線15と同様に、埋め込み配線31についてもエレクトロマイグレーション特性(耐性)を向上することができる。
【0073】
続いて、たとえば0.1%アンモニア水溶液と純水とを用いた2段階のブラシスクラブ洗浄により、半導体基板1の表面に付着した研磨砥粒および銅を除去し、本実施の形態1の半導体集積回路装置を製造する。
【0074】
なお、図10〜図14を用いて説明した工程と同様の工程を繰り返すことにより、埋め込み配線31の上部にさらに多層に配線を形成してもよい。
【0075】
以上、本発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0076】
【発明の効果】
本願によって開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下の通りである。
(1)銅系の導電材料からなる埋め込み配線において、結晶面が(111)配向となっているCu結晶粒の占有率を低減し、結晶面が(100)配向となっているCu結晶粒の占有率を増加することによってCu結晶粒の平均結晶粒径を大きくできるので、埋め込み配線のエレクトロマイグレーション耐性を向上できる。
(2)銅系の導電材料からなる埋め込み配線を有する半導体集積回路装置において、結晶面が(111)配向となっているCu結晶粒の占有率を低減し、結晶面が(100)配向となっているCu結晶粒の占有率を増加することによって、Cu結晶粒の双晶界面にせん断応力が生じ難くすることができるので、埋め込み配線のエレクトロマイグレーション耐性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法を説明する要部断面図である。
【図2】図1に続く半導体集積回路装置の製造工程中の要部断面図である。
【図3】図2に続く半導体集積回路装置の製造工程中の要部断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置が有する配線において、配線を形成する銅結晶の平均結晶粒径と配線の許容電流密度との関係を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置が有する配線における結晶面が(111)配向となっている銅結晶の占有率と銅結晶の平均結晶粒径との関係を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置が有する配線における結晶面が(100)配向となっている銅結晶の占有率と銅結晶の平均結晶粒径との関係を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置が有する配線における結晶面が(111)配向となっている銅結晶の占有率と配線の許容電流密度との関係を示す説明図である。
【図8】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置が有する配線における結晶面が(100)配向となっている銅結晶の占有率と配線の許容電流密度との関係を示す説明図である。
【図9】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置が有する配線におけるCu結晶粒の平均結晶粒径、結晶面が(111)配向となっているCu結晶粒の占有率、結晶面が(100)配向となっているCu結晶粒の占有率および許容電流密度についての関係を示す説明図である。
【図10】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造工程中の要部断面図である。
【図11】図10に続く半導体集積回路装置の製造工程中の要部断面図である。
【図12】図11に続く半導体集積回路装置の製造工程中の要部断面図である。
【図13】図12に続く半導体集積回路装置の製造工程中の要部断面図である。
【図14】図13に続く半導体集積回路装置の製造工程中の要部断面図である。
【符号の説明】
1 半導体基板
2 素子分離溝
3 p型ウェル
4 n型ウェル
5 ゲート酸化膜
6 ゲート電極
7 n型半導体領域(ソース、ドレイン)
8 p型半導体領域(ソース、ドレイン)
9 層間絶縁膜
10 コンタクトホール
11 プラグ
12 エッチングストッパ膜
13 層間絶縁膜
14 配線溝
15 埋め込み配線
15A バリア導体膜
15B 導電性膜
16 エッチングストッパ膜
17 絶縁膜
18 キャップ絶縁膜
19 エッチングストッパ膜
20 絶縁膜
21 キャップ絶縁膜
22 エッチングストッパ膜
23 反射防止膜
24 フォトレジスト膜
25 反射防止膜
26 フォトレジスト膜
27 開孔部
29 接続孔
30 配線溝
31 埋め込み配線
31A バリア導体膜
31B 導電性膜
Qn nチャネル型MISFET
Qp pチャネル型MISFET

Claims (9)

  1. 半導体基板の主面上に形成された絶縁膜に形成された溝部と、前記溝部内に銅を主成分とする導電性膜を埋め込むことで形成された配線とを有する半導体集積回路装置であって、前記導電性膜を形成する結晶のうち、前記配線の表面において結晶面が(111)となる第1配向結晶の前記配線中での占有率が50%以下であることを特徴とする半導体集積回路装置。
  2. 請求項1記載の半導体集積回路装置において、単層もしくは複数層の配線層を有し、同一の前記配線層内にて前記配線が1本以上形成され、そのうちの少なくとも1本の前記配線は幅が4μm以上であり、前記幅が4μm以上の前記配線においては前記導電性膜を形成する前記結晶の平均結晶粒径が2μm以上であることを特徴とする半導体集積回路装置。
  3. 請求項1記載の半導体集積回路装置において、前記導電性膜を形成する結晶のうち、前記配線の表面において前記結晶面が(100)となる第2配向結晶の前記配線中での占有率が20%以上であることを特徴とする半導体集積回路装置。
  4. 請求項3記載の半導体集積回路装置において、前記導電性膜を形成する結晶のうち、前記配線の表面において前記結晶面が(111)となる前記第1配向結晶の前記配線中での占有率が35%以下であることを特徴とする半導体集積回路装置。
  5. 請求項1記載の半導体集積回路装置において、前記導電性膜を形成する結晶のうち、前記配線の表面において前記結晶面が(111)となる前記第1配向結晶の前記配線中での占有率が35%以下であることを特徴とする半導体集積回路装置。
  6. 半導体基板の主面上に形成された絶縁膜に形成された溝部と、前記溝部内に銅を主成分とする導電性膜を埋め込むことで形成された配線とを有する半導体集積回路装置であって、前記導電性膜を形成する結晶のうち、前記配線の表面において結晶面が(111)となるものを第1配向結晶とするとき、前記結晶面が(100)となる第2配向結晶の前記配線中での占有率が20%以上であることを特徴とする半導体集積回路装置。
  7. 半導体基板の主面上に形成された絶縁膜に形成された溝部と、前記溝部内に銅を主成分とする導電性膜を埋め込むことで形成された配線とを有する半導体集積回路装置であって、単層もしくは複数層の配線層を有し、同一の前記配線層内にて前記配線が1本以上形成され、そのうちの少なくとも1本の前記配線は幅が4μm以上であり、前記幅が4μm以上の前記配線においては前記導電性膜を形成する前記結晶の平均結晶粒径が2μm以上であることを特徴とする半導体集積回路装置。
  8. 半導体基板の主面上に形成された絶縁膜に形成された溝部と、前記溝部内に銅を主成分とする導電性膜を埋め込むことで形成された配線とを有する半導体集積回路装置であって、前記導電性膜を形成する結晶のうち、前記配線の表面において結晶面が(111)となる第1配向結晶の前記配線中での占有率が35%以下であり、前記配線の表面において前記結晶面が(100)となる第2配向結晶の前記配線中での占有率が20%以上であることを特徴とする半導体集積回路装置。
  9. 半導体基板の主面上に形成された絶縁膜に形成された溝部と、前記溝部内に銅を主成分とする導電性膜を埋め込むことで形成された配線とを有する半導体集積回路装置であって、前記配線の表面において結晶面が(100)となる第2配向結晶の前記配線中での占有率が、前記配線の表面において前記結晶面が(111)となる第1配向結晶の前記配線中での占有率以上であることを特徴とする半導体集積回路装置。
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