JP2004179280A - 制御用ケース - Google Patents

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Toshimi Ito
聡美 伊藤
Fukami Imai
深見 今井
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Abstract

【課題】ブラケットがケースにしっかりと固定され、他の部品の機能を損なうことなく、美観に優れ、かつ製造コストの低廉化を実現することのできる制御用ケースを提供する。
【解決手段】制御用ケースは、電子部品が実装された基板20を収納する樹脂製のケース1と、このケース1の側面1aに固定され、ケース1を他部材に固定するための金属製のブラケット10とを備えている。ケース1の側面1aには、外側に突出して平行に延在する一対の凸条2と、各凸条2に互いに遠ざかる方向に凹設されて平行に延在する一対のガイド溝2aと、両ガイド溝2a間に位置して外側に突出する係合凸部3とが形成されている。また、ブラケット10は、両ガイド溝2aの後端側から先端側に向かって挿入されて両側面が両ガイド溝2aと係合したまま平行に案内され、係合凸部3に係合可能な係合穴11aをもつ舌片部11を有し、舌片部11の先端側の凸部11bがケース1の側面1aから離れる方向に湾曲している。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は制御用ケースに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特許文献1記載の制御用ケースが知られている。この制御用ケースは、電子部品が実装された基板を収納する樹脂製のケースと、このケースの側面に固定され、ケースを車体等の他部材に固定するための金属製のブラケットとを備えている。ケースの側面には、外側に突出して平行に延在する一対の凸条と、各凸条に互いに遠ざかる方向に凹設されて平行に延在する一対のガイド溝と、両ガイド溝間に位置して外側に突出する係合凸部とが形成されている。また、ブラケットは上記ケースの係合凸部に係合可能な係合穴をもつ舌片部を有している。
【0003】
この制御用ケースでは、ブラケットの舌片部がケースの両ガイド溝の後端側から先端側に向かって挿入されると、舌片部の両側面が両ガイド溝と係合したまま平行に案内される。そして、ケースの係合凸部に舌片部の係合穴が係合し、ブラケットがケースに固定される。この制御用ケースを車両に使用する場合、ブラケットの他端側を車体に固定することにより、基板が収納されたケースを簡単でかつ安価に車体に固定することができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−207683号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、プレスにより打抜かれた鋼板からブラケットを製造する場合等、ブラケットにはバリが形成されやすい。そのため、上記従来の制御用ケースでは、ブラケットをケースのガイド溝に挿入する際、舌片部の先端のバリが係合凸部を削ってしまい、樹脂の削りかすが発生する。この削りかすがブラケットとケースとの間に入れば、係合凸部に係合穴がしっかりと係合されず、ブラケットがケースにしっかりと固定されない事態も発生し得る。このような制御用ケースが車両に使用されるのであれば、車両の長期間の使用により、ケースのガタや異音が発生することも考えられる。さらに、バリの作用によりケースの側面が削れ、これによりケースとブラケットとの間に隙間が生じ、ガタつき、異音の原因となる。
【0006】
また、この制御用ケースを組み付けた場合、樹脂の削りかすが異物として他の部品に混入し、その部品の機能を損ねることもあり得る。さらには、削りかすがケースに付着していると、制御用ケースの美観を損ねることになる。そのため、この制御用ケースでは、手作業で削りかすを取り除く必要があり、製造コストの高騰化を招いていた。
【0007】
この樹脂の削りかすの発生を防止するため、ブラケットに面取り(C面取り)を施すことも考えられる。しかし、これでは面取りのための工程が増加し、やはり製造コストが高騰化してしまう。
【0008】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、ブラケットがケースにしっかりと固定され、他の部品の機能を損なうことなく、美観に優れ、かつ製造コストの低廉化を実現することのできる制御用ケースを提供することを解決すべき課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の制御用ケースは、電子部品が実装された基板を収納する樹脂製のケースと、該ケースの側面に固定され、該ケースを他部材に固定するための金属製のブラケットとを備え、該ケースの側面には、外側に突出して平行に延在する一対の凸条と、各該凸条に互いに遠ざかる方向に凹設されて平行に延在する一対のガイド溝と、両該ガイド溝間に位置して外側に突出する係合凸部とが形成され、該ブラケットは、両該ガイド溝の後端側から先端側に向かって挿入されて両側面が両該ガイド溝と係合したまま平行に案内され、該係合凸部に係合可能な係合穴をもつ舌片部を有する制御用ケースにおいて、
【0010】
前記舌片部は先端側が前記ケースの側面から離れる方向に湾曲していることを特徴とする。
【0011】
本発明の制御用ケースでは、ブラケットの舌片部がケースの両ガイド溝の後端側から先端側に向かって挿入されると、舌片部の両側面が両ガイド溝と係合したまま平行に案内される。そして、ケースの係合凸部に舌片部の係合穴が係合し、ブラケットがケースに固定される。
【0012】
その際、舌片部の先端側がケースの側面から離れる方向に湾曲しているため、舌片部の先端にバリがあったとしても、そのバリが係合凸部に当接することはない。こうして、この制御用ケースでは、樹脂の削りかすが発生することがなく、係合凸部に係合穴がしっかりと係合される。また、この制御用ケースでは、樹脂の削りかすが発生することがないため、部品の機能を損ねず、美観も損ねない。そして、この制御用ケースでは、削りかすを取り除く必要がなく、面取りのための工程も不要である。
【0013】
したがって、本発明の制御用ケースによれば、ブラケットがケースにしっかりと固定され、他の部品の機能を損なうことなく、美観に優れ、かつ製造コストの低廉化を実現することができる。
【0014】
本発明の制御用ケースでは、係合凸部の突出方向の先端面は、後端側よりも先端側が高い傾斜を有していることが好ましい。これにより、ブラケットをケースのガイド溝に挿入する際、舌片部の先端のバリが係合凸部に当接することを確実に防止できる上、ブラケットが滑らかに案内される。
【0015】
本発明の制御用ケースでは、ケースの側面には、舌片部が両ガイド溝に案内され、かつ舌片部の係合穴が係合凸部に係合した状態において舌片部の過剰の前進を阻止するストッパ凸部が外側に向かって突設されていることが好ましい。これにより、ブラケットをケースのガイド溝に挿入する際、ブラケットに多少の過剰な力が加わったとしても、ガイド溝等の破損を防止することができる。
【0016】
本発明の制御用ケースでは、他部材を車体とすることができる。この制御用ケースを車両に使用した場合、簡単でかつ安価に基板が収納されたケースを車体に固定することができる。また、ブラケットがケースにしっかりと固定され、車両の長期間の使用によっても、ケースのガタや異音が発生し難い。
【0017】
本発明の制御用ケースでは、ケースに収納される基板を電子制御ユニットにすることができる。この制御用ケースは、車両の長期間の使用によっても、ケースのガタや異音が発生し難いため、電子制御ユニットをケースに収納すれば、電子制御ユニットは長期に亘ってその機能を発揮することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の制御用ケースを具体化した実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0019】
実施形態の制御用ケースは車両用に使用されるものである。この樹脂用ケースは、図1に示すように、電子制御ユニットである基板20を収納する樹脂製のケース1と、このケース1の両側面1a(一方のみ図示)に固定され、ケース1を図示しない車体に固定するための厚さ0.8mmの鋼板からなるブラケット10とを備えている。基板20には信号を電気的に接続するコネクタ20aが取り付けられ、コネクタ20aはケース1の正面1bに設けられた窓穴1cから外部に突出している。
【0020】
図2にも示すように、ケース1の両側面1aには、外側に突出して平行に延在する一対の凸条2と、各凸条2に互いに遠ざかる方向に凹設されて平行に延在する一対のガイド溝2aと、両ガイド溝2a間に位置して外側に突出する係合凸部3と、一対のストッパ凸部4とが形成されている。係合凸部3は底面形状が楕円をなしている。この係合凸部3では、図3にも示すように、後端面3bはケース1の側面1aと平行な平面をなし、先端面3aは後端側よりも先端側が高い傾斜を有している。また、各ストッパ凸部4は直方体をなし、係合凸部3より奥側に位置している。各ストッパ凸部4の上面の高さは、係合凸部3の後端面3bの高さより高くなっている。
【0021】
また、図4及び図5に示すように、ブラケット10は、側面から見て略L型状をなしており、図4及び図5に示す上下に延びる舌片部11には係合凸部3に係合可能な係合穴11aが貫設されている。舌片部11の先端側には凸部11bが形成され、凸部11bは取付部12の方向に湾曲している。また、図4及び図5に示す水平に延びる取付部12にはブラケット10を車体に固定するための取付穴12aが貫設されている。
【0022】
以上の構成をした制御用ケースでは、ブラケット10の舌片部11がケース1の両ガイド溝2aの後端側から先端側に向かって挿入されると、舌片部11の両側面が両ガイド溝2aと係合したまま平行に案内される。そして、ケース1の係合凸部3に舌片部11の係合穴11aが係合し、ブラケット10がケース1に固定される。そして、この制御用ケースでは、両ストッパ凸部4により、舌片部11の過剰の前進が阻止される。この制御用ケースは、ブラケット10の取付部12に設けられた取付穴12aを利用して、ボルトにより車体に固定される。
【0023】
その際、舌片部11の凸部11bがケース1の側面1aから離れる方向に湾曲しているため、舌片部11の凸部11bにバリがあったとしても、そのバリが係合凸部3に当接することはない。こうして、この制御用ケースでは、樹脂の削りかすが発生することがなく、係合凸部3に係合穴11aがしっかりと係合される。また、樹脂の削りかすが発生することがないため、部品の機能を損ねず、美観も損ねない。そして、この制御用ケースでは、削りかすを取り除く必要がなく、面取りのための工程も不要である。
【0024】
したがって、実施形態の制御用ケースによれば、ブラケット10がケース1にしっかりと固定され、他の部品の機能を損なうことなく、美観に優れ、かつ製造コストの低廉化を実現することができる。
【0025】
また、この制御用ケースでは、係合凸部3の先端面3aは、後端側よりも先端側が高い傾斜を有しているため、ブラケット10の舌片部11をケース1の両ガイド溝2aに挿入する際、舌片部11の凸部11bのバリが係合凸部3に当接することを確実に防止できる上、ブラケット10の舌片部11が滑らかに案内される。
【0026】
さらに、この制御用ケースでは、ケース1の側面1aには、両ストッパ凸部4が係合凸部3より先端側に位置して突設され、両ストッパ凸部4の上面の高さが係合凸部3の後端面3bの高さより高くなっていることから、舌片部11の過剰の前進を確実に阻止することができる。このため、ブラケット10の舌片部11をケース1の両ガイド溝2aに挿入する際、ブラケット10に多少の過剰な力が加わったとしても、ガイド溝2a等の破損を防止することができる。
【0027】
こうして、電子制御ユニットである基板20が収納されたケース1を簡単でかつ安価に車体に固定することができる。また、車両の長期間の使用によっても、ケース1のガタや異音が発生し難い。そのため、電子制御ユニットは長期に亘ってその機能を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の制御用ケースの斜視図である。
【図2】実施形態の制御用ケースの一部拡大斜視図である。
【図3】実施形態の制御用ケースに係り、図2のIII−III矢視断面図である。
【図4】実施形態の制御用ケースに係り、ブラケットの正面図である。
【図5】実施形態の制御用ケースに係り、図4のV−V矢視断面図である。
【符号の説明】
1…ケース
1a…側面
2…凸条
2a…ガイド溝
3…係合凸部
3a…先端面
4…ストッパ凸部
20…基板(電子制御ユニット)
10…ブラケット
11…舌片部
11a…係合穴
11b…凸部

Claims (5)

  1. 電子部品が実装された基板を収納する樹脂製のケースと、該ケースの側面に固定され、該ケースを他部材に固定するための金属製のブラケットとを備え、該ケースの側面には、外側に突出して平行に延在する一対の凸条と、各該凸条に互いに遠ざかる方向に凹設されて平行に延在する一対のガイド溝と、両該ガイド溝間に位置して外側に突出する係合凸部とが形成され、該ブラケットは、両該ガイド溝の後端側から先端側に向かって挿入されて両側面が両該ガイド溝と係合したまま平行に案内され、該係合凸部に係合可能な係合穴をもつ舌片部を有する制御用ケースにおいて、
    前記舌片部は先端側が前記ケースの側面から離れる方向に湾曲していることを特徴とする制御用ケース。
  2. 前記係合凸部の突出方向の先端面は、後端側よりも先端側が高い傾斜を有していることを特徴とする請求項1記載の制御用ケース。
  3. 前記ケースの側面には、該舌片部が両該ガイド溝に案内され、かつ該舌片部の該係合穴が該係合凸部に係合した状態において該舌片部の過剰の前進を阻止するストッパ凸部が外側に向かって突設されていることを特徴とする請求項1又は2記載の制御用ケース。
  4. 前記他部材は車体であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の制御用ケース。
  5. 前記基板は電子制御ユニットであることを特徴とする請求項4記載の制御用ケース。
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