JP2004179028A - 有機エレクトロルミネッセンス表示素子およびその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス表示素子およびその製造方法 Download PDF

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亮 高橋
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Abstract

【課題】短絡を防止して信頼性を向上させた有機EL表示素子を提供する。
【解決手段】陽極と陰極との層間に発光層と開口部を備えた絶縁材層とを有し、多層構造よりなる有機エレクトロルミネッセンス表示素子において、絶縁材層の厚みを0.1μm以上とし、有機エレクトロルミネッセンス表示素子の表示面に垂直な方向から見た場合に、絶縁材層の開口部の端と発光層の発光部の端との距離が10μm以上であるようにする。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(以下、本明細書では、有機ELと略称する。)表示素子およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、短絡の発生を防止でき、特に高温での信頼性を向上させた有機EL表示素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の情報通信分野における急速な技術開発の進展に伴い、CRTに代わるフラットディスプレイに大きな期待が寄せられている。なかでも有機EL表示素子は、高速応答性、視認性、輝度などの点に優れるため盛んに研究が行われている。
【0003】
1987年に米国コダック社のTangらによって発表された有機EL表示素子では、有機薄膜の2層積層構造を有し、発光層に下記構造式(3)で示されるトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(以下、本明細書では「Alq」と略称する。)を使用し、10V以下の低電圧駆動で、1000cd/mと高輝度が得られた。この素子は、発光効率1.5lm/Wの緑色発光素子であった。(たとえば非特許文献1参照。)。
【0004】
【化1】
Figure 2004179028
【0005】
このような有機EL表示素子では、発光時間とともに輝度低下が起こることが知られており、この輝度低下速度を抑制し、素子寿命を向上させるための研究も幅広く行われている。
【0006】
また、有機EL表示素子は、一般的には、基板を除いた部分の厚さが1μm以下の薄膜素子であり、陰極と陽極との間の短絡現象の防止が、発光の信頼性にとって非常に重要である。短絡現象についても研究が盛んに行われているが、現状では完全に防止すること、特に80℃以上の高温での短絡発生を防止することは難しく、それらを低減するために様々な試みがなされている。
【0007】
たとえば、電極の縁部を絶縁膜で覆う方法(たとえば特許文献1参照。)や、封止セル内に支燃性ガスを封入して、短絡した部位を修復する方法(たとえば特許文献2,3参照。)、短絡発生部位に活性ガスを接触させ非導通化する方法(たとえば特許文献4参照。)、封止空間に酸素発生剤を封入して短絡部位を酸化する方法(たとえば特許文献5参照。)などが提案されている。ところが、これらの方法を併用しても、短絡発生を完全に防止すること、特に80℃以上の高温での短絡発生を防止することは困難で更なる改善が必要な状況である。
【0008】
【特許文献1】
特開平4−51494号公報(特許請求の範囲)
【0009】
【特許文献2】
特開平11−40346号公報(段落番号0013〜0017)
【0010】
【特許文献3】
特開2001−210466号公報(段落番号0024,0025)
【0011】
【特許文献4】
特開2001−313168号公報(段落番号0009〜0012)
【0012】
【特許文献5】
特開2001−291579号公報(段落番号0011,0012)
【0013】
【特許文献6】
特開平2−311591号公報(特許請求の範囲)
【0014】
【特許文献7】
特開平4−308688号公報(特許請求の範囲)
【0015】
【特許文献8】
特開平2−289675号公報(特許請求の範囲)
【0016】
【特許文献9】
特開平2−216791号公報(特許請求の範囲)
【0017】
【特許文献10】
特開平1−245087号公報(特許請求の範囲)
【0018】
【特許文献11】
特開平3−33183号公報(特許請求の範囲)
【0019】
【特許文献12】
特開平5−331459号公報(段落番号0005〜0014)
【0020】
【特許文献13】
特開平7−90260号公報(段落番号0019)
【0021】
【非特許文献1】
「アプライドフィジックスレター(Applied Physics Letter)」,米国,1987年,第51巻,p.913
【0022】
【非特許文献2】
「アプライドフィジックスレター(Applied Physics Letter)」,米国,1991年,第59巻,p.2760
【0023】
【非特許文献3】
「アプライドフィジックスレター(Applied Physics Letter)」,米国,1997年,第70巻,p.152
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決し、短絡の発生を防止でき、信頼性を向上させた有機EL表示素子を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明の態様1は、陽極と陰極との層間に発光層と開口部を備えた絶縁材層とを有し、多層構造よりなる有機エレクトロルミネッセンス表示素子において、絶縁材層の厚みが0.1μm以上であり、有機エレクトロルミネッセンス表示素子の表示面に垂直な方向から見た場合に、絶縁材層の開口部の端と発光層の発光部の端との距離が10μm以上である、有機エレクトロルミネッセンス表示素子を提供する。
【0026】
本発明の態様2は、陽極と陰極との層間に発光層と開口部を備えた絶縁材層とを有し、多層構造よりなる有機エレクトロルミネッセンス表示素子において、絶縁材層の厚みが0.1μm以上であり、有機エレクトロルミネッセンス表示素子の表示面に垂直な方向から見た場合に、絶縁材層の開口部の端と発光層の発光部とが接触しないようにする非発光化処理層が、当該多層構造中の独立の層として、陽極と陰極との層間に設けられている、有機エレクトロルミネッセンス表示素子を提供する。
【0027】
本発明の態様3は、有機エレクトロルミネッセンス表示素子の表示面に垂直な方向から見た場合に、絶縁材層の開口部の端と発光層の発光部の端との距離が10μm以上である、上記態様2に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子を提供する。
【0028】
本発明の態様4は、有機エレクトロルミネッセンス表示素子の表示面に垂直な方向から見た場合に絶縁材層の開口部の端と発光層の発光部との間にある非発光化処理層の厚さが5〜50nmの範囲にある上記態様2または3に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子を提供する。
【0029】
本発明の態様5は、非発光化処理層が、LiF,MgF,CaF,LiO,NaO,CsO,CaO,Al,SiO,GeOからなる群から選ばれた少なくとも一つの物質である、上記態様2,3または4に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子を提供する。
【0030】
本発明の態様6は、非発光化処理層を発光層と陰極との層間に設ける、上記態様2,3,4または5に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子を提供する。
【0031】
本発明の態様7は、陽極と陰極との層間に発光層と開口部を備えた絶縁材層とを有し、多層構造よりなる有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法において、絶縁材層の厚みを0.1μm以上となし、所定の段階で酸化処理を行い、当該有機エレクトロルミネッセンス表示素子の表示面に垂直な方向から見た場合に、絶縁材層の開口部の端と発光層の発光部の端との距離が10μm以上であるようにする、有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法を提供する。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図、式、表、実施例等を使用して説明する。これらの図、式、表、実施例等および説明は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。なお、これらの図において、同一の要素については同一の符号を付すものとする。
【0033】
有機EL表示素子は、陽極、駆動回路接続端子、有機EL層、陰極を主要素とする。有機EL層は、界面層,正孔輸送層,発光層,電子輸送層等を構成要素とすることが多い。ただし、これらとは異なる層構成を有する場合もあり得る。もっとも単純な構成では、有機EL層が発光層のみからなる。有機EL層の厚さは、通常100〜300nmである。
【0034】
有機EL表示素子は、一般的に薄膜素子として知られ、薄膜であることに起因して様々な形態の短絡が観察される。
【0035】
検討の結果、陽極と陰極との層間に、発光層と開口部を備えた絶縁材層とを有し、多層構造よりなる有機EL表示素子においては、この絶縁材層の開口部の端付近において、リークパスによる短絡の発生が生じ得るため、有機EL表示素子の表示面に垂直な方向から見た場合に、絶縁材層の開口部の端と発光層の発光部とが接触しないようにする非発光化処理層を、当該多層構造中の独立の層として、陽極と陰極との層間に配することが短絡の防止に有効であることが判明した。
【0036】
この絶縁材層は有機EL層と陽極とが接触する部位を画定するように配され、その開口部では、通常、有機EL層と陽極とが接触する。リークパスによる短絡を防止できる絶縁性の確保のために、厚みを0.1μm以上とすることが好ましいが、それでもなお、この絶縁材層の開口部の端には短絡が生じやすい。上記非発光化処理層を設けるとこのリークパスによる短絡が防止しやすくなるのである。
【0037】
以下にまず、本発明に用いられる有機EL表示素子について添付図面に従って説明する。
【0038】
図1は本発明の有機EL表示素子の基本的な構成の模式的側断面図であり、図2はその応用例の模式的側断面図である。図3は有機EL表示素子の一部の平面図である。
【0039】
図1において、1は基板、2は陽極、3は有機発光性物質を含む発光層、4は陰極、9は絶縁材層を示しており、この絶縁材層9の膜厚は0.1μm以上で開口部Aを有している。
【0040】
図2では、陽極2と発光層3との層間に界面層6と正孔輸送層5とを設け、陰極4と発光層3との層間に電子輸送層7と界面層8とを設けたところを示している。また、図3では、陽極2、陰極4、絶縁材層9の開口部Aの平面配置の例を示している。
【0041】
本発明における基板1は、有機EL表示素子の支持体であり、ガラス、プラスチックフィルム等の透明な基板が一般的には使用される。プラスチックの場合には、ポリカーボネート、ポリメタアクリレート、ポリサルホンなどが使用される。
【0042】
陽極2は透明電極で、基板1の直上に設けられる。この透明電極としては、通常、インジウム錫酸化物(ITO)薄膜や錫酸化物の膜を使用することができる。また、仕事関数の大きい銀、金等の金属、ヨウ化銅などの無機導電性物質、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子を使用してもよい。
【0043】
この陽極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法等が一般的であるが、導電性高分子の場合には適当なバインダーとの溶液を基板上に塗布したり、電解重合により直接基板上に薄膜として作製することもできる。陽極の膜厚は、必要とする透明性に依存する。可視光の透過率は60%以上が好ましく、80%以上がさらに好ましい。この場合の膜厚は、5〜1000nm、好ましくは10〜500nmである。
【0044】
基本的な構成では、陽極2の上に絶縁材層9が設けられる。安定した絶縁性を維持するためには、0.1μm以上の膜厚の層を形成することが好ましい。膜厚の上限には特に制限はないが、0.5μm〜4μmが好ましい。
【0045】
絶縁材層を形成する材料としては、ポリイミド樹脂などの高分子材料がよく用いられるが、特に制限はなく、十分な絶縁性を有する公知の材料を用いることができる。
【0046】
絶縁材層の形成方法は、スピンコート法、真空蒸着法、スパッタ法などの一般的な製膜方法を用いることができる。開口部のパターニングの方法は、マスクによる蒸着や、フォトリソグラフィーなどの方法が好ましく用いられる。
【0047】
なお、絶縁材層は陽極のカバーとして設けられるが、陰極端部のカバーや陰極分離隔壁として設けられる場合もある。この場合、可能であれば絶縁材層9を共用してもよいが、独立して多層構造にすることも好ましい。特に陰極分離隔壁用としては、逆テーパー構造に形状を工夫して用いることも好ましい。
【0048】
かかる絶縁材層は、開口部を有しており、その部分で有機EL層と陽極とが接触する。このため、有機EL表示素子の一部の平面図である図3のように、有機EL表示素子の表示面に垂直な方向から見た場合には、有機EL層について、この開口部と重なる部分が発光する。本発明では、この発光する部分を発光部という。発光部がこの開口部を越えて存在することはない。
【0049】
発光層に用いる物質としては、蛍光量子収率が高く、陰極からの電子注入効率が高く、さらに電子移動度が高い化合物が有効であり、公知の有機発光性物質を使用できる。本発明では、下記構造式(1)で示される8−オキシキノリン系錯体が好ましく使用できる。
【0050】
【化2】
Figure 2004179028
【0051】
なお、上記化学式中、A〜Aは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、シアノ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシル基、アリールアミン基、アラルキル基、アルキルアミン基または芳香族炭化水素基を、Mは金属原子を、nは1〜3の整数を、Lはアルコキシ基またはアリールオキシ基を、pは0〜2の整数を表す。それらの基の水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていてもよいし、炭素−炭素結合間に酸素原子が挿入されていてもよい。
【0052】
この8−オキシキノリン系錯体の金属原子Mとしては、リチウム、銀、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛、カドミウム、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、イットリウム、スカンジウム、ランタン、鉛、ジルコニウム、マンガン、ルテチウムなどを例示できる。これらの中でも、高い蛍光量子収率を有するベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、スカンジウムを中心金属として有する錯体が好ましい。
【0053】
これら以外にも発光層の有機発光性物質としては、テトラフェニルブタジエン、スチリル系色素、オキサジアゾール系色素などを使用することができる。このような発光層の膜厚は通常10〜200nmであり、好ましくは20〜80nmである。
【0054】
また、有機EL表示素子の発光効率を向上させると同時にフルカラー表示を可能にする方法として、発光層中に別の蛍光量子収率の高い色素材料を併用してドープすることも有効である。このようなドープ色素材料としては、公知の蛍光性有機材料を使用することができる。
【0055】
たとえば、スチルベン系色素、オキサゾール系色素、シアニン系色素、キサンテン系色素、オキサジン系色素、クマリン系色素、アクリジン系色素などのレーザー用色素やアントラセン誘導体、ナフタセン誘導体、ペンタセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体などの芳香族炭化水素系物質、DCM(4−ジシアノメチレン−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−2−メチル−4H−ビラン)誘導体、ユーロピウム錯体、フェニルピリジンイリジウム錯体など幅広く使用することができる。このようなドープ色素材料の濃度としては、発光層内において0.01〜20モル%とすることが好ましい。
【0056】
この発光層の作製方法としては、真空蒸着法、ディップ法、スピンコート法、LB法(ラングミュア・ブロジェット法)等の種々の方法が適用できる。ピンホール等の欠陥の無いサブミクロンオーダーの均一な薄膜を作製するためには、特に、真空蒸着法、スピンコート法が好ましい。
【0057】
ドーピングを行う場合は、真空蒸着法では、ある一定割合で混合した材料を単一のボートやるつぼから昇華させる方法、複数のボートから複数の材料を別々に昇華させる方法などが適用できる。スピンコート法では、溶媒中に複数の材料を一定割合で溶解して製膜することが好ましい。
【0058】
正孔輸送層は、図2に示すように、陽極と発光層との層間に必要に応じて設けることができる。この正孔輸送層に用いる正孔輸送材料としては、陽極からの正孔注入障壁が低く、さらに正孔移動度が高い材料が使用できる。
【0059】
このような正孔輸送材料としては、公知の正孔輸送材料を使用できる。たとえば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(以下「TPD」と略称する。)や下記構造式(2)に示す4,4’−ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル(以下、NPDと略称する。)、1,1’−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン等の芳香族ジアミン系化合物、ヒドラゾン化合物(たとえば特許文献6参照。)を使用することができる。また、ポリ−N−ビニルカルバゾールやポリシランのような高分子材料も好ましく使用することができる(たとえば、非特許文献2参照。)。
【0060】
【化3】
Figure 2004179028
【0061】
正孔輸送層の材料としては、上記有機物質だけではなく無機物質である、金属カルコゲン化物、金属ハロゲン化物、金属炭化物、ニッケル酸化物、鉛酸化物、銅の沃化物、鉛の硫化物等のp型化合物半導体やp型水素化非晶質ケイ素、p型水素化非晶質炭化ケイ素等も使用することができる。正孔輸送層の材料を混合して正孔輸送層を形成することも好ましい。
【0062】
正孔輸送層の耐熱性や薄膜均一性を向上させるために、正孔のトラップとなりにくいバインダー樹脂を混合して使用することもできる。このようなバインダー樹脂としては、ポリエーテルサルホン、ポリカーボネート、ポリエステル等が挙げられる。バインダー樹脂の含有量は、正孔移動度を低下させない10〜50質量%が好ましい。
【0063】
有機物質、無機物質いずれを使用した場合においても正孔輸送層の膜厚は、通常、10〜200nmであり、好ましくは、20〜80nmである。
【0064】
陽極と正孔輸送層との層間には、リーク電流の防止、正孔注入障壁の低減、密着性向上等を目的として、界面層を設けてもよい。このような界面層材料としては、トリフェニルアミンの誘導体である4,4’,4”−トリス{N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ}トリフェニルアミン(以下「MTDATA」と略称する)や4,4’,4”−トリス{N,N−ジフェニルアミノ}トリフェニルアミン(以下「TDATA」と略称する)や銅フタロシアニン等が好ましく使用できる(たとえば、特許文献7参照。)。この界面層を設けるときの膜厚は5〜100nmが好ましい。
【0065】
陰極は有機EL層について陽極とは反対側に設けられる。陰極には公知の有機EL用の陰極を含め、種々のものが使用できる。たとえば、マグネシウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム等を挙げることができる。
【0066】
電子輸送層は、発光層と陰極との層間に、必要に応じて設けることができる。この電子輸送層の電子輸送性物質としては、電子親和力が大きく、電子の移動度が大きい物質が必要である。このような条件を満たす物質は、シクロペンタジエン誘導体(たとえば特許文献8参照。)、オキサジアゾール誘導体(たとえば特許文献9参照。)、ビススチリルベンゼン誘導体(たとえば特許文献10参照。)、p−フェニレン化合物(たとえば特許文献11参照。)、フェナントロリン誘導体(たとえば特許文献12参照。)、トリアゾール誘導体(たとえば特許文献13参照。)などが挙げられる。
【0067】
界面層を、電子輸送層と陰極との層間に、必要に応じて設けることもできる。この界面層を設けることにより、駆動電圧の低減や発光効率の向上、長寿命化を達成することができる。この界面層は陰極からの電子注入を容易にする効果の他、陰極との密着性をあげる効果もある。
【0068】
このような界面層材料としては、LiF(たとえば、非特許文献3参照。)に代表されるアルカリ金属のフッ化物、アルカリ土類金属のフッ化物、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、酸化アルミニウム、LiOなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物がある。このような界面層材料がそれ自体絶縁体である場合には、使用する膜厚は、通常5nm以下、好ましくは2nm以下とすることにより陰極からの電子のトンネル注入が可能となると考えられる。また、アルカリ金属やアルカリ土類金属のβ−ジケトン錯体などの有機物も使用できる。
【0069】
これらの層は、有機EL表示素子が機能する範囲であれば、その層自体が複数の層で形成されていたり、それらの層間にさらに他の層を挟んだりしていてもよい。
【0070】
これら正孔輸送層、界面層、陰極、電子輸送層、界面層の作製方法としては、真空蒸着法、ディップ法、スピンコート法、LB法、CVD法等の種々の公知の手法が適用できる。ピンホール等の欠陥の無いサブミクロンオーダーの均一な薄膜を作製するためには、特に、真空蒸着法、スピンコート法が好ましい。
【0071】
本発明の有機EL表示素子においては、大気中における保存安定性、駆動安定性を確保するために、高分子膜や無機保護膜をコーティングして基板間を封止し、大気中の酸素や水分から遮断することが好ましい。ただし、封止空間に、少量の酸素を含有することは、短絡抑制効果を有していて好ましい。また、封止空間には捕水剤を封入することも好ましい。
【0072】
捕水剤としては、酸化バリウム、酸化カルシウム、ゼオライトなどの吸水性のある物質が好ましく用いられ、形状も粉末状、ペレット状など、特に制限はない。
【0073】
検討の結果、上記のような構成において、有機EL表示素子の表示面に垂直な方向から見た場合に、絶縁材層の開口部の端と発光層の発光部とが接触しないようにする非発光化処理層を、当該多層構造中の独立の層として、陽極と陰極との層間に有するようにすると、短絡を防止でき、信頼性を向上させた有機EL表示素子を得ることができることが判明した。この結果、素子寿命を向上させることもできる。なお、非発光化処理層とは、発光層の発光を妨げる層を意味する。
【0074】
具体的には、有機EL表示素子の表示面に垂直な方向から見た場合に、絶縁材層の開口部の端と発光層の発光部の端との間に、非発光化処理層が帯状に存在するようにすれば、その目的を達成することができる。このようにすると、絶縁材層の開口部の端と発光層の発光部の端とが接触せず、その部分については通電せず、短絡を防止できる。この処置により、発光部の面積は小さくなるが、その程度は僅少にとどめることができる。
【0075】
非発光化処理層としては、有機EL表示素子の表示面に垂直な方向から見た場合に、絶縁材層の開口部の端と発光層の発光部の端との距離が10μm以上であるように設けることが好ましい。上限については特に制限はないが、必要以上に大きくすると発光部の面積が小さくなる弊害が生じる。また、この部分の厚さは、5〜50nmの範囲にあることが好ましい。この範囲より小さいと短絡防止効果が不十分となる。この範囲より大きくても、短絡防止効果は特に向上しない。なお、非発光化処理層は、有機EL表示素子の表示面に垂直な方向から見た場合に、絶縁材層と重なるようになっている部分があってもよい。層構造上は、非発光化処理層はどの層間にあってもよいが、発光層と陰極との層間に設けることが、絶縁材層の開口部の端と発光層の発光部の端との距離を調整し易いため好ましい。
【0076】
非発光化処理層を構成する材料としては、特に制限はなく、公知の絶縁性材料を使用することができるが、特に、LiF,MgF,CaF,LiO,NaO,CsO,CaO,Al,SiO,GeOからなる群から選ばれた少なくとも一つの物質であることが好ましい。これらの物質から作製した非発光化処理層は、薄くても十分な絶縁性を発揮できるからである。層形成方法としては蒸着法が好ましい。
【0077】
図5には、絶縁材層開口部Aの中に、斜線部として非発光部31が示されている。この斜線部で囲まれた部分が発光部32である。絶縁材層の開口部の端と発光層の発光部の端との距離はXまたはYである。非発光部31は非発光化処理層によって形成することができる。
【0078】
なお、以下においては、説明の簡略化のため、実施例も含め、XもYも、それぞれ一つの値を有するものとして説明してあるが、本発明の態様はこれに制限されるものではない。XもYも、発光部の両側で同一でなくともよく、発光部毎に相違していてもよい。
【0079】
次に、絶縁材層開口部付近の発光部を非発光化処理する方法について説明する。前述のように、陽極と陰極との層間に発光層と開口部を備えた絶縁材層とを有し、多層構造よりなる有機EL表示素子において、特に非発光化処理をしない場合は、有機EL表示素子の表示面に垂直な方向から見た場合には、絶縁材層開口部の端がそのまま発光部の端となる。
【0080】
図5の斜線部のような非発光部を設けるためには、有機EL表示素子の多層構造中の独立の層として、非発光化処理が必要となる。かかる非発光化処理としては、非発光化処理層を陽極と陰極との層間に設ける限り特に制限がなく、様々な方法を用いることが可能であるが、たとえば、次のような方法が好ましい。
【0081】
発光層または、その上にある界面層や電子輸送層を製膜した後に、図5の非発光部31に相当する範囲に対して、絶縁性材料を蒸着して非発光化処理層を設ける。蒸着範囲は、蒸着時のマスクによって決定し、蒸着範囲、形状に応じて、マスクを変更して、複数回に分けて蒸着を行うことができる。非発光化処理層が開口部Aの外側にまで及んでいても問題はない。
【0082】
具体例としては、電子輸送層を製膜した後に、LiFやLiO膜を絶縁材層開口部から膜厚10nm程度蒸着することで、図5の斜線部のような額縁状の非発光部31を形成することができる。
【0083】
なお、独立した層として非発光化処理層を設ける代わりに、有機EL表示素子の多層構造中にいずれかの層を変質させて同様の効果を得ることも可能である。即ち、有機EL表示素子の表示面に垂直な方向から見た場合に、絶縁材層の開口部の端と発光層の発光部とが接触しないように非発光部を設けることができる。ただしこの場合には、絶縁材層の開口部の端と発光層の発光部の端との距離が10μm以上であることが必要であることが判明した。10μm未満では、短絡の防止効果が不十分である。
【0084】
従って、これらの結果から、方法や手段の如何を問わず、陽極と陰極との層間に、発光層と開口部を備えた絶縁材層とを有し、多層構造よりなる有機EL表示素子において、絶縁材層の厚みが0.1μm以上であり、有機EL表示素子の表示面に垂直な方向から見た場合に、絶縁材層の開口部の端と発光層の発光部の端との距離が10μm以上である、有機EL表示素子であれば、本発明の目的である、短絡防止や高温での信頼性の向上効果が得られるものと考えることができる。
【0085】
有機EL表示素子の多層構造中にいずれかの層を変質させる方法としては、有機EL表示素子の製造中の所定の段階、たとえば前述の封止を行う際またはその前の段階で酸化処理を行い、有機EL表示素子の表示面に垂直な方向から見た場合に、絶縁材層の開口部の端と発光層の発光部の端との距離が10μm以上であるようにする方法がある。
【0086】
酸化処理は、たとえば前述の封止を行う際に、封止される空間に適切な量の酸化性ガスを封入しておき、上記いずれかの層を酸化させる方法がある。有機EL表示素子の機能の障害にならない限り、昇温して酸化を促進することもできる。酸化性ガスとしては、酸素、酸素を含むガスたとえば空気を挙げることができる。場合によってはオゾンを混合使用してもよい。
【0087】
このような酸化処理を行った場合、有機EL表示素子の機能が維持される限り、どの層が酸化されるかは問題ではない。絶縁材層の開口部の端と発光層の発光部の端との距離が10μm以上であるか否かは、有機EL表示素子を発光させて、実際に、有機EL表示素子の表示面に垂直な方向から見た場合に、絶縁材層の開口部の端と発光層の発光部の端との距離が10μm以上であるか否かによって容易に知ることができるので、適切な酸化条件は、実験等により容易に見出すことができる。
【0088】
このようにして得られる有機EL表示素子は、短絡を防止でき、特に高温での信頼性を向上させることができるため、陽極、陰極、絶縁材層を所望のパターンに形成して画素を形成し、ディスプレイとして使用したりする有機EL表示素子として有用である。また、大面積面発光体として使用して、液晶表示素子のバックライトや壁面照明素子として使用できる。このような照明素子として使用される場合も本発明に係る有機EL表示素子の範疇に属する。なお、開口部の形状は、図5の矩形形状として正方形を含むものであり、さらに、六角形や図10に示すような八角形等の多角形も使用できる。また、それらの角部をやや丸めたような形状でもよい。さらに、開口部の形状を図11,12に示すように円形や楕円形にすることもできる。また、矩形と楕円を組み合わせたような開口形状でもよい。開口形状の形成のしやすさの点では、曲線的形状の開口を用いることが好ましい。
【0089】
【実施例】
以下、本発明の具体的な態様を実施例および比較例により説明する。例1,2,4,5,6,8は実施例であり、例3,7は比較例である。
【0090】
なお、以下の例では、図4の有機EL表示素子の一部の平面図に示すように64本の陰極と陽極が直交して交叉するドットマトリックス素子を作成して評価した。より具体的には、画素数が64本×64本、画素ピッチが400μm、陰極、陽極とも1本の線幅が340μm、線間の幅が60μm、1画素中の絶縁材層の開口部サイズが300μm×300μmであった。なお、絶縁材層は、材質がポリイミドであり、厚みが1μmであった。
【0091】
このような素子について、絶縁材層の開口部端と発光部端の距離XとYとを変化させた構造の素子を作成して、短絡評価試験を行った。
【0092】
短絡評価試験は次のように行った。すなわち、環境温度90℃において、前記ドットマトリックス素子各画素(発光部)に対して、100mA/cmの電流密度を直流で印加し、100時間後に発生した欠陥画素数の個数を短絡評価の指標とした。各例の短絡評価試験の結果を表1に示す。
【0093】
[例1]
図6の構成の有機EL表示素子を作製した。まず、ガラス基板1上にITOを膜厚200nmで蒸着して陽極2(シート抵抗7Ω/□)を形成した。フォトリソグラフィーにより、これを図4のように64本の陽極にパターニングし、更にこの陽極2上に、感光性ポリイミドを塗布、パターニングして厚み1μmで64個×64個の開口部(サイズ300μm角)を有するように絶縁材層9を形成した。
【0094】
その上に、真空蒸着法により銅フタロシアニンを膜厚20nm、NPDを膜厚60nm、順に蒸着して界面層6と正孔輸送層5を形成した。次いで、Alqと、下記構造式(4)で示されるクマリン545Tとを異なるボートを用いて膜厚60nmに共蒸着して発光層3を形成した。
【0095】
【化4】
Figure 2004179028
【0096】
このときのクマリン545Tの発光層中の濃度は1.0モル%であった。その上に界面層8としてLiF0.5nmを蒸着した。
【0097】
その後、非発光化処理として、絶縁材層開口部の端の内側に、非発光部が額縁状に20μmの幅になるように、LiFを20nmの膜厚で蒸着して非発光化処理層10とした。即ち、図5のXとYとを20μmとした。これにより、絶縁材層の開口部の端と発光層の発光部の端との距離が20μmとなり、有機EL表示素子の表示面に垂直な方向から見た場合に、絶縁材層の開口部の端と発光層の発光部とが接触しない状態となった。
【0098】
この非発光化処理は、実際には、長尺の蒸着マスクを使用し、縦方向と横方向の二回の蒸着により額縁状の非発光部の形状を得たものである。一回の蒸着で得られる膜厚を20nmとしたので、蒸着の重なり部分は、膜厚40μmとなっていた。なお、この蒸着方法から理解されるように、LiF膜は、図7のように長尺のパターン33の合成として得られるものであり、絶縁材層上にも及んでいるが、このことは発光層の機能には影響を及ぼさず、有機EL表示素子の機能に別段の障碍とならない。なお、図7は有機EL表示素子の一部の平面図で、非発光化処理により得られる蒸着パターンを説明するためのものであるが、簡略化のためLiF膜パターンと発光部とのみを示してある。
【0099】
ついで、陰極4としてアルミニウム膜厚200nmを陽極と直交する方向に、64本、線幅340μmの蒸着マスクを使用して蒸着し、有機EL表示素子を作製した。
【0100】
更に、その上に、ガラスの背面基板を設置し、周囲を窒素中で封止した。
【0101】
この素子に対して短絡評価試験を行い、欠陥画素数の個数を測定した。
【0102】
[例2]
例1の非発光化処理で、X=10μm、Y=50μmとした以外は、例1と同様に短絡評価試験まで行った。
【0103】
[例3]
例1の非発光化処理で、非発光化処理を行なわず、X=0μm、Y=0μmとした以外は例1と同様に短絡評価試験まで行った。
【0104】
[例4]
例1の非発光化処理で、X=5μm、Y=50μmとした以外は例1と同様に短絡評価試験まで行った。
【0105】
[例5]
例1の非発光化処理で、X=50μm、Y=50μmとした以外は例1と同様に短絡評価試験まで行った。
【0106】
[例6]
図8の構成の有機EL表示素子を作製した。まず、ガラス基板1上にITOを膜厚200nmで蒸着して、シート抵抗7Ω/□の陽極2を、図4のようにフォトリソグラフィーにより64本の陽極にパターニングし、更にこの陽極2上に、感光性ポリイミドを塗布、パターニングして、厚み1μmで64個×64個の開口部(サイズ300μm角)を有するように絶縁材層9を形成した。
【0107】
その上に、真空蒸着法により銅フタロシアニンを膜厚20nm、NPDを膜厚60nm、順に蒸着して界面層6と正孔輸送層5とを形成した。次いで、Alq(式3)とクマリン545Tとを異なるボートを用いて膜厚60nmに共蒸着して発光層3を形成した。
【0108】
このときのクマリン545Tの発光層中の濃度は1.0モル%であった。その上に界面層8としてLiF0.5nmを蒸着した。
【0109】
陰極4としてアルミニウム膜厚200nmを陽極と直交する方向(64本、線幅340μmの蒸着マスクを使用)に蒸着して有機EL表示素子を作製した。
【0110】
その後、素子に対して、非発光化処理として、低圧水銀ランプを使用し、乾燥空気中で12分間UV照射することによって、空気による酸化処理を行い、陰極層を変質させて、図9に示すように酸化部34となして、図5のような非発光部31を生じさせ、有機EL表示素子の表示面に垂直な方向から見た場合に、絶縁材層の開口部の端と発光層の端との距離XとYとがそれぞれ25μmになるようにした。この素子に対して短絡評価試験を行った。
【0111】
[例7]
12分間UV照射する代わりに、2.4分間UV照射し、X=5μm、Y=5μmとした以外は、例6と同様に短絡評価試験まで行った。
【0112】
[例8]
12分間UV照射する代わりに、24分間UV照射し、X=50μm、Y=50μmとした以外は、例6と同様に短絡評価試験まで行った。
【0113】
各例についての短絡評価試験の結果を表1に示す。
【0114】
【表1】
Figure 2004179028
【0115】
【発明の効果】
本発明により、短絡を防止でき、特に高温での信頼性を向上させた有機EL表示素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機EL表示素子の基本的な例の模式的側断面図。
【図2】本発明の有機EL表示素子の応用例の模式的側断面図。
【図3】本発明の有機EL表示素子の一部の平面図。
【図4】本発明の有機EL表示素子の他の一部の平面図。
【図5】非発光部を説明するための、有機EL表示素子の一部の平面図。
【図6】例1〜5に使用した有機EL表示素子の模式的側断面図。
【図7】非発光化処理により得られる蒸着パターンを説明するための、有機EL表示素子の一部の平面図。
【図8】例6に使用した有機EL表示素子の模式的側断面図。
【図9】図8の陰極に酸化部が生じた様子を示す、有機EL表示素子の模式的側断面図。
【図10】八角形の開口部の例示図。
【図11】円形の開口部の例示図。
【図12】楕円形の開口部の例示図。
【符号の説明】
1 基板
2 陽極
3 発光層
4 陰極
5 正孔輸送層
6 界面層
7 電子輸送層
8 界面層
9 絶縁材層
10 非発光化処理層
31 非発光部
32 発光部
33 長尺のLiF膜パターン
34 酸化部

Claims (7)

  1. 陽極と陰極との層間に発光層と開口部を備えた絶縁材層とを有し、多層構造よりなる有機エレクトロルミネッセンス表示素子において、
    絶縁材層の厚みが0.1μm以上であり、
    有機エレクトロルミネッセンス表示素子の表示面に垂直な方向から見た場合に、絶縁材層の開口部の端と発光層の発光部の端との距離が10μm以上である、有機エレクトロルミネッセンス表示素子。
  2. 陽極と陰極との層間に発光層と開口部を備えた絶縁材層とを有し、多層構造よりなる有機エレクトロルミネッセンス表示素子において、
    絶縁材層の厚みが0.1μm以上であり、
    有機エレクトロルミネッセンス表示素子の表示面に垂直な方向から見た場合に、絶縁材層の開口部の端と発光層の発光部とが接触しないようにする非発光化処理層が、当該多層構造中の独立の層として、陽極と陰極との層間に設けられている、
    有機エレクトロルミネッセンス表示素子。
  3. 有機エレクトロルミネッセンス表示素子の表示面に垂直な方向から見た場合に、絶縁材層の開口部の端と発光層の発光部の端との距離が10μm以上である、請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子。
  4. 有機エレクトロルミネッセンス表示素子の表示面に垂直な方向から見た場合に絶縁材層の開口部の端と発光層の発光部との間にある非発光化処理層の厚さが5〜50nmの範囲にある請求項2または3に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子。
  5. 非発光化処理層が、LiF,MgF,CaF,LiO,NaO,CsO,CaO,Al,SiO,GeO,からなる群から選ばれた少なくとも一つの物質である、請求項2,3または4に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子。
  6. 非発光化処理層を発光層と陰極との層間に設ける、請求項2,3,4または5に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子。
  7. 陽極と陰極との層間に発光層と開口部を備えた絶縁材層とを有し、多層構造よりなる有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法において、
    絶縁材層の厚みを0.1μm以上となし、
    所定の段階で酸化処理を行い、当該有機エレクトロルミネッセンス表示素子の表示面に垂直な方向から見た場合に、絶縁材層の開口部の端と発光層の発光部の端との距離が10μm以上であるようにする、
    有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法。
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