JP2004177388A - 傾斜センサおよびその製造方法 - Google Patents

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健司 鈴木
Toshiyuki Kono
壽之 河野
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Abstract

【課題】傾斜センサにおいて、被検体の傾斜状態に対する十分な検出精度を確保した上でその低価格化および超小型化を図る。
【解決手段】絶縁基板20の下面に第1導電層32、第1絶縁層22および第2導電層34をこの順番で形成し、これらに絶縁基板20の上面から第2導線層34の上面まで鉛直方向に延びる貫通孔14を形成する。そして、絶縁基板20における貫通孔14の周壁面20aに、第1導電層32と導通する第3導電層36を形成する。その上で、貫通孔14内に、導電性を有する球状の転動体16を、第2導電層34上を転動し得るようにかつ該転動により第3導線層36と接触し得るように収容し、絶縁基板20の上面に、貫通孔14を閉塞する蓋部24を形成する。これにより傾斜センサ10を、ビルドアップ多層基板の製造プロセスを利用して製造可能とし、転動体16の転動面である第2導電層34の表面を平面状に精度良く形成可能とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、超小型の傾斜センサおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に傾斜センサは、被検体に装着された状態でその傾斜状態を検出するように構成されているが、近年、この傾斜センサを、例えば携帯電話機等のような携帯電子機器に組み込み、この携帯電子機器の姿勢変化や振動を検出させることで、いわゆる操作スイッチとして利用しようという気運が高まってきている。このような用途に対応するためには、傾斜センサを超小型で構成することが要求される。
【0003】
これに関連して、「特許文献1」には、半導体基板の表面に形成された半球状凹部に導電球を転動可能に収容するとともに、この半球状凹部を絶縁膜を介して導電膜で覆う構成とし、所定値以上の水平方向加速度が生じたときには導電球を転動させてこれを導電膜と接触させることにより、加速度検出を行うように構成されたマイクロメカニカルスイッチが記載されている。このマイクロメカニカルスイッチは、加速度センサとして構成されたものであるが、これを傾斜センサとして用いるようにすれば、傾斜センサの超小型化を図ることが可能となる。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−219643号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この「特許文献1」に記載されたマイクロメカニカルスイッチを傾斜センサとして用いるようにした場合には、次のような問題がある。
【0005】
すなわち、このマイクロメカニカルスイッチにおいては半導体基板の表面に半球状凹部を形成する必要があるが、このような半球状凹部を半導体基板に対して精度良く形成することは困難であり、このため被検体の傾斜状態を精度良く検出することができない、という問題がある。さらに、半導体基板への凹部形成はその深さにも限界があり、またコスト的にもかなり高いものになってしまう、という問題がある。
【0006】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、被検体の傾斜状態に対する十分な検出精度を確保した上で低価格化および超小型化を図ることができる傾斜センサおよびその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、傾斜センサをビルドアップ多層基板の製造プロセスを利用して製造可能な構成とすることにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0008】
すなわち、本願発明に係る傾斜センサは、
絶縁基板と、この絶縁基板の下面に形成された第1導電層と、この第1導電層の下面に形成された第1絶縁層と、この第1絶縁層の下面に形成された第2導電層とを備えてなり、
上記絶縁基板、第1導電層および第1絶縁層に、上記絶縁基板の上面から上記第2導電層の上面まで鉛直方向に延びる貫通孔が形成されており、
上記絶縁基板における上記貫通孔の周壁面に、上記第1導電層と導通する第3導電層が形成されており、
上記絶縁基板の上面に、上記貫通孔を閉塞する蓋部が形成されており、
上記貫通孔内に、導電性を有する転動体が、上記第2導電層上を転動し得るようにかつ該転動により上記第3導電層と接触し得るように収容されている、ことを特徴とするものである。
【0009】
また、本実施形態に係る傾斜センサの製造方法は、
絶縁基板の下面に、第1導電層、第1絶縁層および第2導電層を、この順番で形成した後、
上記絶縁基板、第1導電層および第1絶縁層に、上記絶縁基板の上面から上記第2導電層の上面まで鉛直方向に延びる貫通孔を形成するとともに、上記絶縁基板における上記貫通孔の周壁面に、上記第1導電層と導通する第3導電層を形成し、
その後、上記貫通孔内に、導電性を有する転動体を収容した後、上記絶縁基板の上面に、上記貫通孔を閉塞する蓋部を形成する、ことを特徴とするものである。
【0010】
上記「絶縁基板」および「第1絶縁層」は、電気絶縁性を有するものであれば、特定の材質に限定されるものではなく、例えばガラス布エポキシ樹脂や紙フェノール樹脂あるいはポリイミド樹脂等が採用可能である。
【0011】
上記「第1導電層」、「第2導電層」および「第3導電層」は、導電性を有するものであれば、特定の材質に限定されるものではなく、例えば銅箔等によりこれらを構成することが可能である。
【0012】
上記「貫通孔」は、絶縁基板の上面から第2導電層の上面まで鉛直方向に延びるように形成されたものであれば、その大きさや断面形状等の具体的構成は特に限定されるものではない。
【0013】
上記「蓋部」は、貫通孔を完全に閉塞するように形成されたものであってよいことはもちろんであるが、転動体が貫通孔から飛び出さない範囲内の大きさであれば、該貫通孔を外部空間と連通させる小孔が調圧用等の目的で形成された構成としてもよい。また、この「蓋部」は、上記「第1絶縁層」等で使用される材質と同様の電気絶縁性を有する部材で構成されることが好ましいが、これに限定されるものではなく、導電性を有する部材で構成されたものとしてもよい。
【0014】
上記「転動体」は、第2導電層上を転動し得るようにかつ該転動により第3導電層と接触し得るように貫通孔内に収容されたものであれば、その大きさや形状等の具体的構成は特に限定されるものではなく、例えば球状や円柱形状等に形成されたものが採用可能である。また、この「転動体」は導電性を有しているが、その具体的構成としては、転動体自体が導電体で構成されたものであってもよいし、表面に導電被膜が形成されたものであってもよい。
【0015】
なお、本願発明に係る傾斜センサは、被検体に装着された状態で該被検体の傾斜状態を検出するように構成されたものであってもよいし、該傾斜センサ自体が被検体の一部として構成されたものであってもよい。
【0016】
【発明の作用効果】
上記構成に示すように、本願発明に係る傾斜センサは、絶縁基板の下面に第1導電層、第1絶縁層および第2導電層がこの順番で形成されているが、その際、絶縁基板、第1導電層および第1絶縁層には絶縁基板の上面から第2導電層の上面まで鉛直方向に延びる貫通孔が形成されるとともに、絶縁基板における貫通孔の周壁面には第1導電層と導通する第3導電層が形成されており、また絶縁基板の上面には貫通孔を閉塞する蓋部が形成されており、さらに貫通孔内には導電性を有する転動体が第2導電層上を転動し得るようにかつ該転動により第3導電層と接触し得るように収容されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0017】
すなわち、導電性を有する転動体が第2導電層上を転動して第3導電層と接触することにより、これら転動体および第3導電層を介して第1導電層と第2導電層とが導通するので、これら第1および第2導電層を外部機器に接続しておくことにより、被検体が傾斜した状態にあることを検出することができる。
【0018】
その際、本願発明に係る傾斜センサは、ビルドアップ多層基板の製造プロセスを利用して製造することが可能である。具体的には、例えば、絶縁基板の下面に第1導電層、第1絶縁層および第2導電層をこの順番で形成した後、絶縁基板、第1導電層および第1絶縁層に絶縁基板の上面から第2導電層の上面まで鉛直方向に延びる貫通孔をレーザ加工等により形成するとともに、絶縁基板における貫通孔の周壁面に第1導電層と導通する第3導電層をメッキ等により形成し、その後、貫通孔内に導電性を有する転動体を収容した後、絶縁基板の上面に貫通孔を閉塞する蓋部を形成することによって製造することが可能である。そしてこれにより、次のような作用効果を得ることができる。
【0019】
すなわち、ビルドアップ多層基板の製造プロセスを利用することにより、転動体の転動面である第2導電層の表面を平面状に精度良く形成することができるので、従来のように半球状凹部を転動面とした場合に比して、被検体の傾斜状態を精度良く検出することができ、かつ、傾斜センサの一層の薄型化および超小型化を図ることができる。
【0020】
このように本願発明によれば、傾斜センサにおいて、被検体の傾斜状態に対する十分な検出精度を確保した上でその低価格化および超小型化を図ることができる。
【0021】
しかも本願発明に係る傾斜センサは、上述したようにビルドアップ多層基板の製造プロセスを利用して製造することができるので、大量生産が容易に可能となり、これにより低価格化を図ることができる。
【0022】
上記構成において、第3導電層を貫通孔の周壁面の全周にわたって円筒状に形成するとともに、第2導電層における貫通孔の中心位置に所定径の第1小孔を形成するようにすれば、被検体が傾斜していない状態では、転動体を第1小孔によって貫通孔の中心位置に位置決めして中立状態に保持しておくことができる一方、被検体が所定量以上傾斜したときには該被検体がいずれの方向へ傾斜した場合においてもこれを検出することができる。
【0023】
この場合において、第2導電層の下面に第2絶縁層を形成するとともにその下面に第4導電層を形成しておき、この第4導電層を、第2導電層とビアホール接続された第1領域と、この第1領域から離れた位置において第2導電層とは非接触で第1導電層とビアホール接続された第2領域とを備えた構成としておけば、これら第1および第2領域を外部端子として、傾斜センサを被検体の基板に対して容易に表面実装することが可能となる。なお、このような付加的構成は、ビルドアップ多層基板の製造プロセスを利用することにより容易に実現することが可能である。
【0024】
ここで「ビアホール接続」とは、絶縁層の表面に形成される導電層の一部を、絶縁層に予め形成されたビアホールと呼ばれる小孔に沿って導電路として形成することにより、該導電層を絶縁層の反対側の導電層と導通させる電気的接続方法のことをいう。
【0025】
さらにこの場合において、第2絶縁層に、第2導電層の第1小孔と略同一径で該第2絶縁層を貫通する第2小孔を形成しておけば、転動体が第1小孔上に載置されたときに該転動体が第2絶縁層に不用意に接触してしまうおそれをなくすことができ、これにより転動体を中立状態に確実に保持しておくことができる。その際、第4導電層を第1小孔の下方において第1および第2小孔を閉塞するように形成された第3領域を備えた構成としておけば、転動体の収容空間を密閉構造とすることができる。そしてこれにより、塵埃等によって転動体の転動機能が低下してしまうのを防止することができ、また傾斜センサを洗浄等に対応可能な構成とすることができる。なお、このような付加的構成についても、ビルドアップ多層基板の製造プロセスを利用することにより容易に実現することが可能である。
【0026】
一方、上記構成において、第3導電層を、貫通孔の周壁面において周方向に略等間隔で設定された3箇所以上の複数箇所において、該周壁面から貫通孔内へ略半円筒状に突出するように形成された複数の略円筒体からなる構成とし、これら複数の略円筒体のうち互いに隣接する1対の略円筒体によって第2導電層上を転動した転動体を受けるように構成すれば、このとき第2導電層と導通した1対の略円筒体の組合せを電気的に識別することにより、被検体の傾斜状態をその傾斜方向を含めて検出することができる。なお、このような付加的構成は、ビルドアップ多層基板の製造プロセスを利用することにより容易に実現することが可能である。
【0027】
この場合において、第1導電層を複数の略円筒体の各々と導通する複数の領域に分離して形成する一方、第2導電層の下面に第2絶縁層を形成するとともにその下面に第4導電層を形成しておき、この第4導電層を、第2導電層とビアホール接続された第1領域と、この第1領域から離れた位置において第2導電層とは非接触で第1導電層を構成する複数の領域の各々とビアホール接続された複数の第2領域とを備えた構成としておけば、これら第1および第2領域を外部端子として、傾斜センサを被検体の基板に対して容易に表面実装することが可能となる。なお、このような付加的構成についても、ビルドアップ多層基板の製造プロセスを利用することにより容易に実現することが可能である。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0029】
まず、本願発明の第1実施形態について説明する。
【0030】
図1は、本実施形態に係る傾斜センサ10を示す側断面図であり、図2は、その平面図である。
【0031】
これらの図に示すように、本実施形態に係る傾斜センサ10は、携帯電子機器等の被検体の基板に表面実装された状態で、該被検体の傾斜状態を検出するように構成された超小型の傾斜センサであって、略直方体の外形形状を有する筐体12の内部に形成された円柱状の貫通孔14内に、導電性を有する球状の転動体16が収容されてなっている。
【0032】
筐体12は、ガラス布エポキシ樹脂で構成された絶縁基板20、第1および第2絶縁層22、26ならびに蓋部24と、銅箔で構成された第1〜第5導電層32、34、36、38、40とからなり、その外形寸法は左右幅が2mm程度、奥行きが1mm程度、高さ0.5mm程度に設定されている。
【0033】
絶縁基板20は、その板厚が0.3mm程度に設定されている。そして、この絶縁基板20の下面には、第1導電層32、第1絶縁層22、第2導電層34が、この順番で形成されている。また、この絶縁基板20の上面には、第5導電層40が形成されている。
【0034】
貫通孔14は、第5導電層40、絶縁基板20、第1導電層32および第1絶縁層22を、第5導電層40の上面から第2導電層34の上面まで鉛直方向に貫通して、第2導電層34の上面を露出させるように形成されており、その直径は0.5mm程度の値に設定されている。
【0035】
絶縁基板20における貫通孔14の周壁面20aには、第1導電層32および第5導電層40と導通する第3導電層36が、その全周にわたって形成されている。また、第5導電層40の上面には、蓋部24が貫通孔14を閉塞するように形成されている。
【0036】
転動体16は、直径0.3mm程度の導電球からなり、第2導電層34上を転動し得る態様でかつ該転動により第3導電層36と接触し得る態様で、貫通孔14内に収容されている。この転動体16は、鋼球の表面に金メッキが施されてなり、これにより導電性を高めるようになっている。
【0037】
第2導電層34は、筐体12の左端部から貫通孔14よりも右側に位置する部位までの範囲にわたって形成されている。そして、この第2導電層34における貫通孔14の中心位置には、円形の第1小孔34aが形成されている。この第1小孔34aの直径は、0.1mm程度の値に設定されている。
【0038】
第2導電層34の下面には、第2絶縁層26および第4導電層38が、この順番で形成されている。
【0039】
第2絶縁層26には、第1小孔34aと略同一径で該第2絶縁層26を貫通する第2小孔26aが形成されている。
【0040】
第4導電層38は、筐体12の左端部近傍部位において第2導電層34とビアホール接続された第1領域38Aと、筐体12の右端部近傍部位において第2導電層34とは非接触で第1導電層32とビアホール接続された第2領域38Bと、筐体12の左右方向中央部位において第1および第2小孔34a、26aを閉塞するように形成された第3領域38Cとからなっている。これら第1〜第3領域38A、38B、38Cは互いに分離して形成されている。
【0041】
第4導電層38の第1領域38Aと第2導電層34とのビアホール接続は、第2絶縁層26に形成された直径0.1mm程度の第3小孔26bに沿って第4導電層38の一部を導電路38aとして形成することにより行われている。また、第4導電層38の第2領域38Bと第1導電層32とのビアホール接続は、第1および第2絶縁層22、26に形成された直径0.1mm程度の第4小孔26cに沿って第4導電層38の一部を導電路38bとして形成することにより行われている。
【0042】
本実施形態に係る傾斜センサ10は、図3に示すようなビルドアップ多層基板の製造プロセスを利用して製造されるようになっている。
【0043】
まず、同図(a)に示すように、上面に第5導電層40が形成されるとともに下面に第1導電層32が形成された絶縁基板20に対して、同図(b)に示すように、ドリル102で孔あけ加工を施して周壁面20aとなるべきドリル孔を形成した後、同図(c)に示すように、この周壁面20aに第5導電層40および第1導電層32と導通する第3導電層36を無電解メッキ等により形成する。
【0044】
なお、この製造プロセスにおいては、同図(k)の工程までは、絶縁基板20ならびに第1および第5導電層32、40を、傾斜センサ50よりも十分に大きいサイズのシート材の状態で取り扱うようになっている。第2および第4導電層34、38ならびに第1および第2絶縁層22、24、26についても同様である。
【0045】
次に、同図(d)に示すように、第1導電層32の下面に、銅箔付きの絶縁シートを接着して第1絶縁層22および第2導電層34をこの順番で形成した後、同図(e)に示すように、第2導電層34にフォトエッチングを施して、その外形形状を所定形状に形成するとともに該第2導電層34におけるドリル孔の中心位置に第1小孔34aを形成する。
【0046】
その後、同図(f)に示すように、第2導電層34の下面(部分的には第1絶縁層22の下面)に第2絶縁層26を接着により形成した後、同図(g)に示すように、この第2絶縁層26に対して、ドリル孔の左右両側の所定位置において下方から炭酸ガスレーザ等を用いてレーザ光104を照射することにより、第2絶縁層26の一部を除去して第2導電層34まで延びる第3小孔26bを形成するとともに、第1および第2絶縁層22、26の一部を除去して第1導電層32まで延びる第4小孔26cを形成する。
【0047】
次に、同図(h)に示すように、第2絶縁層26の下面に、第4導電層38をアディティブパターンとして互いに離れた位置に第1〜第3領域38A、38B、38Cとして形成する。その際、第1領域38Aは、ドリル孔から右方向に離れた位置において第3小孔26bを介して第2導電層34とビアホール接続し、第2領域38Bは、ドリル孔から左方向に離れた位置において第4小孔26cを介して第2導電層34とは非接触で第1導電層32とビアホール接続し、第3領域38Cは、ドリル孔の真下の位置において第1小孔34aよりも広い範囲にわたって形成する。
【0048】
その後、同図(i)に示すように、ドリル孔に対してその上方から炭酸ガスレーザ等を用いてレーザ光106を照射することにより、第1絶縁層22をドリル孔と略同一径で除去して第2導電層34まで延びる円柱状の貫通孔14を形成するとともに、第2絶縁層26を第1小孔34aと略同一径で除去して第4導電層38の第3領域38Cまで延びる第2小孔26aを形成する。
【0049】
そして、同図(j)に示すように、貫通孔14内に転動体16を入れた後、同図(k)に示すように、第5導電層40の上面に絶縁シートを接着して貫通孔14を閉塞する蓋部24を形成し、その後、図中2点鎖線で示す位置において周囲の不要な部分をカットすることにより、同図(l)に示すような傾斜センサ10を完成させる。
【0050】
以上詳述したように、本実施形態に係る傾斜センサ10は、絶縁基板20の下面に第1導電層32、第1絶縁層22および第2導電層34がこの順番で形成されているが、その際、絶縁基板20、第1導電層32および第1絶縁層22には絶縁基板20の上面から第2導線層34の上面まで鉛直方向に延びる貫通孔14が形成されるとともに、絶縁基板20における貫通孔14の周壁面20aには第1導電層32と導通する第3導電層36が形成されており、また絶縁基板20の上面には貫通孔14を閉塞する蓋部24が形成されており、さらに貫通孔14内には導電性を有する球状の転動体16が第2導電層34上を転動し得るようにかつ該転動により第3導線層36と接触し得るように収容されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0051】
すなわち、図1および2において2点鎖線で示すように、転動体16が第2導電層34上を転動して第3導線層36と接触することにより、これら転動体16および第3導電層36を介して第1導電層32と第2導線層34とが導通するので、これら第1および第2導電層32、34を外部機器に接続しておくことにより、被検体が傾斜した状態にあることを検出することができる。
【0052】
その際、本実施形態に係る傾斜センサ10は、ビルドアップ多層基板の製造プロセスを利用して製造されるようになっているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0053】
すなわち、ビルドアップ多層基板の製造プロセスを利用することにより、転動体16の転動面である第2導電層34の表面を平面状に精度良く形成することができるので、従来のように半球状凹部を転動面とした場合に比して、被検体の傾斜状態を精度良く検出することができ、かつ、傾斜センサ10の一層の薄型化および超小型化を図ることができる。
【0054】
さらに、このようにビルドアップ多層基板の製造プロセスを利用して製造することにより、大量生産が容易に可能となるので、傾斜センサ10の低価格化を図ることができる。
【0055】
特に本実施形態においては、絶縁基板20、第1および第2絶縁層22、26ならびに蓋部24が安価なガラス布エポキシ樹脂で構成されており、また、第1〜第5導電層32、34、36、38、40も安価な銅箔で構成されており、さらに、転動体16も、直径0.3mm程度の鋼球の表面に金メッキが施されてなり、市販のボールペンのボールポイントに用いられる鋼球が利用可能な構成となっているので、傾斜センサ10の一層の低価格化を図ることができる。
【0056】
本実施形態においては、第3導電層36が絶縁基板20における貫通孔14の周壁面20aの全周にわたって円筒状に形成されるとともに、第2導電層34における貫通孔14の中心位置には円形の第1小孔34aが形成されているので、被検体が傾斜していない状態では、転動体16を第1小孔34aによって貫通孔14の中心位置に位置決めして中立状態に保持しておくことができる一方、被検体が所定量以上傾斜したときには該被検体がいずれの方向へ傾斜した場合においてもこれを検出することができる。
【0057】
その際、本実施形態においては、転動体16の直径が0.3mm程度、貫通孔14の直径が0.5mm程度、第1小孔34aの直径が0.1mm程度に各々設定されているので、被検体が傾斜したときには、転動体16を第2導電層34上を転動させて第3導線層36と接触させることができる一方、被検体が傾斜状態から水平状態に戻ったときには、転動体16をその自重モーメントによって貫通孔14の中心位置に自動的に復帰させることができる。
【0058】
なお本実施形態においては、第1小孔34aの直径が0.1mm程度に設定されているものとして説明したが、この直径を0.1mmよりも小さ目の値に設定しておけば傾斜センサ10の感度を鋭くすることができ、また、この直径を0.1mmよりも大き目の値に設定しておけば傾斜センサ10の感度を鈍くすることができる。
【0059】
また本実施形態においては、第2導電層34の下面に第2絶縁層26が形成されるとともにその下面に第4導電層38が形成されており、この第4導電層38が、第2導電層34とビアホール接続された第1領域38Aと、この第1領域38Aから離れた位置において第2導電層34とは非接触で第1導電層32とビアホール接続された第2領域38Bとを備えているので、これら第1および第2領域38A、38Bを外部端子として傾斜センサ10を被検体の基板に対して容易に表面実装することが可能となる。
【0060】
さらに本実施形態においては、第2絶縁層26に第2導電層34の第1小孔34aと略同一径で該第2絶縁層26を貫通する第2小孔26aが形成されているので、転動体16が第1小孔34a上に載置されたときに該転動体16が第2絶縁層26に不用意に接触してしまうおそれをなくすことができ、これにより転動体16を中立状態に確実に保持しておくことができる。
【0061】
しかも本実施形態においては、第4導電層38が第1小孔34aの下方において第1および第2小孔34a、26aを閉塞するように形成された第3領域38Cを備えているので、転動体16の収容空間を密閉構造とすることができる。そしてこれにより、塵埃等によって転動体16の転動機能が低下してしまうのを防止することができ、また傾斜センサ10を洗浄等に対応可能な構成とすることができる。
【0062】
なお、第5導電層40については、本実施形態においては、特に機能していないため、これを省略することも可能である。また、蓋部24等へ導電路を形成する場合には、第5導電層40を利用してもよい。
【0063】
次に、本願発明の第2実施形態について説明する。
【0064】
図4は、本実施形態に係る傾斜センサ50を示す側断面図であり、図5は、その平面図である。また、図6は、図5のVI−VI 線断面図である。
【0065】
これらの図に示すように、本実施形態に係る傾斜センサ50も、携帯電子機器等の被検体の基板に表面実装された状態で、該被検体の傾斜状態を検出するように構成された超小型の傾斜センサであって、略直方体の外形形状を有する筐体52の内部に形成された円柱状の貫通孔54内に、導電性を有する球状の転動体56が収容されてなっている。
【0066】
筐体52は、ガラス布エポキシ樹脂で構成された絶縁基板60、第1および第2絶縁層62、66ならびに蓋部64と、銅箔で構成された第1〜第6導電層72、74、76、78、80、82とからなり、その外形寸法は左右幅および奥行きが1.2mm程度、高さが0.5mm程度に設定されている。
【0067】
絶縁基板60は、その板厚が0.3mm程度に設定されている。そして、この絶縁基板60の下面には、第1導電層72、第1絶縁層62、第2導電層74が、この順番で形成されている。また、この絶縁基板60の上面には、第5導電層80が形成されている。
【0068】
第1導電層72は、筐体52の各コーナ部の4箇所に形成されている。また、第2導電層74は、筐体52の中心位置において貫通孔54よりも多少大きい直径で円形に形成されている。
【0069】
貫通孔54は、第5導電層80、絶縁基板60、第1導電層72および第1絶縁層62を、第5導電層80の上面から第2導電層74の上面まで鉛直方向に貫通して、第2導電層74の上面を露出させるように形成されており、その直径は0.6mm程度の値に設定されている。
【0070】
絶縁基板60における貫通孔54の周壁面60aには、その周方向に90°間隔で設定された4箇所に略カップ状の第3導電層76が形成されている。これら各第3導電層76は、円筒部76Aと底面部76Bと上端フランジ部76Cとからなり、周壁面60aから貫通孔54内へ略半円筒状に突出するように形成されている。そして、これら各第3導電層76は、その底面部76Bにおいて第1導電層72と導通するとともに、その上端フランジ部76Cにおいて第5導電層80と導通している。これら各第3導電層76は、その円筒部76Aの内周側上部および上端フランジ部76Cの内周部が切り欠かれている。
【0071】
転動体56は、直径0.3mm程度の導電球からなり、第2導電層74上を転動し得る態様でかつ該転動により第3導電層76と接触し得る態様で、貫通孔54内に収容されている。この転動体56は、鋼球の表面に金メッキが施されてなり、これにより導電性を高めるようになっている。
【0072】
第5導電層80の上面には、蓋部64が貫通孔54を閉塞するように形成されている。また、第2導電層74の下面には 第2絶縁層66、第6導電層82および第4導電層78が、この順番で形成されている。
【0073】
第4導電層78は、貫通孔54の中心位置において第2導電層74とビアホール接続された第1領域78Aと、筐体52の各コーナ部近傍部位において第2導電層74とは非接触で各第1導電層72とビアホール接続された4箇所の第2領域78Bとからなっている。これら第1領域78Aおよび各第2領域78Bは互いに分離して形成されている。第2絶縁層66と第4導電層78との間に形成された第6導電層82も、第4導電層78の第1領域78Aと略同じ範囲に形成された第1領域82Aと、第4導電層78の各第2領域78Bと略同じ範囲に形成された4箇所の第2領域82Bとからなっている。
【0074】
第4導電層78の第1領域78Aと第2導電層74とのビアホール接続は、第2絶縁層66に形成された直径0.1mm程度の第1小孔66aに沿って第4導電層78の一部を導電路78aとして形成することにより行われている。また、第4導電層78の第2領域78Bと第1導電層72とのビアホール接続は、第1および第2絶縁層62、66に形成された直径0.1mm程度の第2小孔66bに沿って第4導電層78の一部を導電路78bとして形成することにより行われている。
【0075】
本実施形態に係る傾斜センサ50は、図7に示すようなビルドアップ多層基板の製造プロセスを利用して製造されるようになっている。
【0076】
まず、同図(a)に示すように、上面に第5導電層80が形成されるとともに下面に第1導電層72が形成された絶縁基板60に対して、同図(b)に示すように、その第5導電層80にフォトエッチングを施して、円形の第1仮孔80aを十字配置で4箇所に形成する。
【0077】
なお、この製造プロセスにおいては、同図(m)の工程までは、絶縁基板60ならびに第1および第5導電層72、80を、傾斜センサ50よりも十分に大きいサイズのシート材の状態で取り扱うようになっている。第4および第6導電層78、82、第1および第2絶縁層62、66ならびに蓋部64についても同様である。
【0078】
次に、同図(c)に示すように、絶縁基板60に対して、その上方から炭酸ガスレーザ等を用いてレーザ光112を照射することにより、絶縁基板60の一部を除去して第1仮孔80aと同形状で第1導電層72まで延びる第2仮孔60bを4箇所に形成する。
【0079】
その後、同図(d)に示すように、第1導電層72にフォトエッチングを施して、該第1導電層72を各第2仮孔60bに対応した4つの部分に分断する。
【0080】
次に、同図(e)に示すように、第1導電層72の下面に、銅箔付きの絶縁シートを接着して第1絶縁層62および第2導電層74をこの順番で形成した後、同図(f)に示すように、第2導電層74にフォトエッチングを施して、その外形形状を円形形状に形成するとともに、第5導電層80にフォトエッチングを施して、4つの第1仮孔80aの中心位置に円形の第3仮孔80bを形成する。
【0081】
その後、同図(g)に示すように、絶縁基板60における各第2仮孔60bの周壁面に、第5導電層80および各第1導電層72と導通する4つのカップ状の第3導電層76を無電解メッキ等により形成する。
【0082】
次に、同図(h)に示すように、第2導電層74の下面(部分的には第1絶縁層62の下面)に、銅箔付きの絶縁シートを接着して第2絶縁層66および第6導電層82をこの順番で形成した後、第6導電層82にフォトエッチングを施して、4つの第2仮孔60bの中心位置に第1領域82Aを形成するとともに、4箇所の第1導電層72に対応する位置に第2領域82Bを形成する。その際、第1領域82Aの中心位置に円形の第4仮孔82aを形成しておくとともに、各第2領域82Bにおける第1領域82A寄りの位置に円形の第5仮孔82bを形成しておく。
【0083】
その後、同図(i)に示すように、第6導電層82に対して、その第4仮孔82aおよび各第5仮孔82bに向けて下方から炭酸ガスレーザ等を用いてレーザ光を照射することにより、第2絶縁層66の一部を除去して第4仮孔82aと同形状で第2導電層74まで延びる第1小孔66aを形成するとともに、第1および第2絶縁層62、66の一部を除去して各第5仮孔82bと同形状で第1導電層72まで延びる第2小孔66bを形成する。そして、第6導電層82の下面に、第4導電層78をアディティブパターンとして互いに離れた位置に第1領域78Aおよび4つの第2領域78Bとして形成することにより、第1ビアホール66aを介して第1領域78Aを第2導電層74とビアホール接続するとともに、第2小孔66bを介して第2領域78Bを第2導電層74とは非接触で第1導電層72とビアホール接続する。
【0084】
次に、同図(j)に示すように、絶縁基板60に対して、その上方からドリル114で切削加工を施し、絶縁基板60、第5導電層80および4箇所の第3導電層76を図示の位置まで切削する。この切削加工の際、第5導電層80に形成された第3仮孔80bをドリルの芯出し用ガイドとして使用する。ドリル114は、その外周面が各第3導電層76の中心位置よりもやや内側に位置する軸径のものを用いる。そしてこれにより、各第3導電層76における円筒部76Aの内周側上部および上端フランジ部76Cの内周部を切り欠くようにする。
【0085】
その後、同図(k)に示すように、絶縁基板60に対して、上方から炭酸ガスレーザ等を用いてレーザ光116を照射することにより、絶縁基板60および第2絶縁層66の一部を除去して貫通孔54を形成する。その際、レーザ光116のビーム径は、図中2点鎖線で示すようにドリル114の軸径と略同じ径に設定しておく。
【0086】
そして、同図(l)に示すように、貫通孔54内に転動体56を入れた後、同図(m)に示すように、第5導電層80の上面に絶縁シートを接着して貫通孔54をを閉塞する蓋部64を形成し、その後、図中2点鎖線で示す位置において周囲の不要な部分をカットすることにより、同図(n)に示すような傾斜センサ50を完成させる。
【0087】
以上詳述したように、本実施形態に係る傾斜センサ50は、絶縁基板60の下面に第1導電層72、第1絶縁層62および第2導電層74がこの順番で形成されているが、その際、絶縁基板60、第1導電層72および第1絶縁層62には絶縁基板60の上面から第2導電層74の上面まで鉛直方向に延びる貫通孔54が形成されるとともに、絶縁基板60における貫通孔54の周壁面60aには第1導電層72と導通する第3導電層76が形成されており、また絶縁基板60の上面には貫通孔54を閉塞する蓋部64が形成されており、さらに貫通孔54内には導電性を有する球状の転動体56が第2導電層74上を転動し得るようにかつ該転動により第3導電層76と接触し得るように収容されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0088】
すなわち、図4〜6において2点鎖線で示すように、転動体56が第2導電層74上を転動して第3導電層76と接触することにより、これら転動体56および第3導電層76を介して第1導電層72と第2導電層74とが導通するので、これら第1および第2導電層72、74を外部機器に接続しておくことにより、被検体が傾斜した状態にあることを検出することができる。
【0089】
その際、本実施形態に係る傾斜センサ50は、ビルドアップ多層基板の製造プロセスを利用して製造されるようになっているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0090】
すなわち、ビルドアップ多層基板の製造プロセスを利用することにより、転動体56の転動面である第2導電層74の表面を平面状に精度良く形成することができるので、従来のように半球状凹部を転動面とした場合に比して、被検体の傾斜状態を精度良く検出することができ、かつ、傾斜センサ10の一層の薄型化および超小型化を図ることができる。
【0091】
さらに、このようにビルドアップ多層基板の製造プロセスを利用して製造することにより、大量生産が容易に可能となるので、傾斜センサ50の低価格化を図ることができる。
【0092】
特に本実施形態においては、絶縁基板60、第1および第2絶縁層62、66ならびに蓋部64が安価なガラス布エポキシ樹脂で構成されており、また、第1〜第6導電層72、74、76、78、80、82も安価な銅箔で構成されており、さらに、転動体56も、直径0.3mm程度の鋼球の表面に金メッキが施されてなり、市販のボールペンのボールポイントに用いられる鋼球が利用可能な構成となっているので、傾斜センサ50の一層の低価格化を図ることができる。
【0093】
本実施形態においては、第3導電層76が、絶縁基板60における貫通孔54の周壁面60aにおいて周方向に90°間隔で設定された4箇所において該周壁面60aから貫通孔54内へ略半円筒状に突出するように形成された4つの略円筒体からなり、これら4つの略円筒体76のうち互いに隣接する1対の略円筒体76によって第2導電層74上を転動した転動体56を受けるように構成されているので、このとき第2導電層74と導通する1対の略円筒体76の組合せを電気的に識別することにより、被検体の傾斜状態を傾斜方向を含めて検出することができる。
【0094】
その際、本実施形態に係る傾斜センサ50は、被検体が傾斜していない状態においても、転動体56は中立状態に保持されることはなく、いずれか1対の略円筒体76と接触した状態にあるが、この接触方向とは異なる方向に被検体が傾斜した場合には、転動体56が他の1対の略円筒体76と接触するので、傾斜センサ50を前後左右に傾動する操作スイッチ等としての用途に適したものとすることができる。
【0095】
また本実施形態においては、第1導電層72が4つの略円筒体76の各々と導通する4つの領域に分離して形成されており、第2導電層74の下面に第2絶縁層66が形成されるとともにその下面に第4導電層78が形成されており、この第4導電層78が、第2導電層74とビアホール接続された第1領域78Aと、この第1領域78Aから離れた位置において第2導電層74とは非接触で第1導電層72を構成する4つの領域の各々とビアホール接続された4つの第2領域78Bとを備えた構成となっているので、これら第1領域78Aおよび4つの第2領域78Bを外部端子として、傾斜センサ50を被検体の基板に対して容易に表面実装することが可能となる。
【0096】
なお本実施形態においては、第3導電層76が、周方向に90°間隔で設定された4箇所の略円筒体からなっているので、直交する2方向の傾斜を容易に検出することが可能となるが、このように4箇所に配置する代わりに3箇所あるいは5箇所以上に配置することも可能である。
【0097】
なお、第5導電層80については、本実施形態においては、特に機能していないため、これを省略することも可能である。また、蓋部64等へ導電路を形成する場合には、第5導電層80を利用してもよい。
【0098】
ところで、本願発明に係る傾斜センサは、上記各実施形態で説明したように、被検体の傾斜状態を検出する用途に用いることができることはもちろんであるが、その構成を利用して、被検体の振動を検出する用途に用いるようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1実施形態に係る傾斜センサを示す側断面図
【図2】上記第1実施形態に係る傾斜センサを示す平面図
【図3】上記第1実施形態に係る傾斜センサの製造方法を、図1の側断面位置において示す製造工程図
【図4】本願発明の第2実施形態に係る傾斜センサを示す側断面図
【図5】上記第2実施形態に係る傾斜センサを示す平面図
【図6】図5のVI−VI 線断面図
【図7】上記第2実施形態に係る傾斜センサの製造方法を、図6の側断面位置において示す製造工程図
【符号の説明】
10、50 傾斜センサ
12、52 筐体
14、54 貫通孔
16、56 転動体
20、60 絶縁基板
20a、60a 周壁面
22、62 第1絶縁層
24、64 蓋部
26、66 第2絶縁層
26a、66a 第2小孔
26b、66b 第3小孔
32、72 第1導電層
34、74 第2導電層
34a 第1小孔
36、76 第3導電層
38、78 第4導電層
38A、78A 第1領域
38B、78B 第2領域
38C 第3領域
38a、38b 導電路
40、80 第5導電層
60b 第2仮孔
76A 円筒部
76B 底面部
76C 上端フランジ部
78a 導電路
78b 導電路
80a 第1仮孔
80b 第3仮孔
82 第6導電層
82A 第1領域
82B 第2領域
82a 第4仮孔
82b 第5仮孔
102、114 ドリル
104、106、112、116 レーザ光

Claims (7)

  1. 絶縁基板と、この絶縁基板の下面に形成された第1導電層と、この第1導電層の下面に形成された第1絶縁層と、この第1絶縁層の下面に形成された第2導電層とを備えてなり、
    上記絶縁基板、第1導電層および第1絶縁層に、上記絶縁基板の上面から上記第2導電層の上面まで鉛直方向に延びる貫通孔が形成されており、
    上記絶縁基板における上記貫通孔の周壁面に、上記第1導電層と導通する第3導電層が形成されており、
    上記絶縁基板の上面に、上記貫通孔を閉塞する蓋部が形成されており、
    上記貫通孔内に、導電性を有する転動体が、上記第2導電層上を転動し得るようにかつ該転動により上記第3導電層と接触し得るように収容されている、ことを特徴とする傾斜センサ。
  2. 上記第3導電層が、上記貫通孔の周壁面の全周にわたって円筒状に形成されており、
    上記第2導電層における上記貫通孔の中心位置に、所定径の第1小孔が形成されている、ことを特徴とする請求項1記載の傾斜センサ。
  3. 上記第2導電層の下面に第2絶縁層が形成されるとともに、この第2絶縁層の下面に第4導電層が形成されており、
    この第4導電層が、上記第2導電層とビアホール接続された第1領域と、この第1領域から離れた位置において上記第2導電層とは非接触で上記第1導電層とビアホール接続された第2領域とを備えてなる、ことを特徴とする請求項1または2記載の傾斜センサ。
  4. 上記第2絶縁層に、上記第1小孔と略同一径で該第2絶縁層を貫通する第2小孔が形成されており、
    上記第4導電層が、上記第1小孔の下方において該第1小孔および上記第2小孔を閉塞するように形成された第3領域を備えてなる、ことを特徴とする請求項3記載の傾斜センサ。
  5. 上記第3導電層が、上記貫通孔の周壁面において周方向に略等間隔で設定された3箇所以上の複数箇所において、該周壁面から上記貫通孔内へ略半円筒状に突出するように形成された複数の略円筒体からなり、
    これら複数の略円筒体のうち互いに隣接する1対の略円筒体によって、上記第2導電層上を転動した上記転動体を受けるように構成されている、ことを特徴とする請求項1記載の傾斜センサ。
  6. 上記第1導電層が、上記複数の略円筒体の各々と導通する複数の領域に分離して形成されており、
    上記第2導電層の下面に第2絶縁層が形成されるとともに、この第2絶縁層の下面に第4導電層が形成されており、
    この第4導電層が、上記第2導電層とビアホール接続された第1領域と、この第1領域から離れた位置において上記第2導電層とは非接触で上記第1導電層を構成する上記複数の領域の各々とビアホール接続された複数の第2領域とを備えてなる、ことを特徴とする請求項5記載の傾斜センサ。
  7. 絶縁基板の下面に、第1導電層、第1絶縁層および第2導電層を、この順番で形成した後、
    上記絶縁基板、第1導電層および第1絶縁層に、上記絶縁基板の上面から上記第2導電層の上面まで鉛直方向に延びる貫通孔を形成するとともに、上記絶縁基板における上記貫通孔の周壁面に、上記第1導電層と導通する第3導電層を形成し、
    その後、上記貫通孔内に、導電性を有する転動体を収容した後、上記絶縁基板の上面に、上記貫通孔を閉塞する蓋部を形成する、ことを特徴とする傾斜センサの製造方法。
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