JP2004176530A - 拡径掘削方法およびその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬質地盤であっても無理なく掘削することができる掘削能力に優れた拡径掘削方法を提供する。
【解決手段】窓部21が開口形成されたパイプ状のドリルケーシング2の先端部に、固定翼13と油圧シリンダ17駆動の可動翼16とからなる拡径,縮径可能な掘削翼12を備えている。縮径状態の掘削翼12で一次掘削を行い、掘削翼12を一旦引き上げた上で拡径させて一次掘削済み領域に二次掘削を施す。二次掘削は井筒構造体3の刃先下の拡径掘削として行われ、その後に井筒構造体3を所定量だけ圧入沈設する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、拡径掘削方法とその装置に関し、特にPCウェルもしくはケーソン等の井筒構造体の圧入沈設による立坑の構築に際して、井筒構造体の刃先下を拡底もしくは拡径するような形態で掘削するのに好適な拡径掘削方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の拡径掘削に際して拡径可能な掘削翼を用いる方法が特許文献1および特許文献2等で知られている。
【0003】
特許文献1に記載の技術では、ケーシングパイプの先端部に拡開可能な拡径翼を装着し、ケーシングパイプの正転に伴う地盤からの反力で拡径翼を自律的に拡開させて掘削を行う一方、ケーシングパイプの引き上げ時にはその逆転によって拡径翼を縮径させるようになっている。
【0004】
また、特許文献2に記載の技術では、ケーシングパイプに装着された可変伸縮掘削翼を固定翼と可動翼とをもって構成し、可動翼の変位量を例えばカムや油圧をもって連続的に制御することにより、楕円掘削や段付き孔状の掘削が可能となっている。
【0005】
【特許文献1】
特許第3031876号公報 (図1,2)
【0006】
【特許文献2】
特開2000−8780号公報(図1,6)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前者の技術では、掘削のための回転力は外部の駆動手段によって付与されるものの、その推力(掘進力)は拡径翼を含むケーシングパイプの自重のみに依存しており、したがってその掘削能力に自ずと限界があり、特に硬い地盤の掘削には不向きである。
【0008】
その一方、後者の技術では、円形以外の任意の形状の孔の掘削を行える点でその汎用性に優れるものの、先行して一次掘削を行った後にその一次掘削済み領域に大径化のための二次掘削を施すものではないからその掘削能力もしくは掘削効率に限界があり、特に井筒構造体の圧入沈設と併用する場合には作業の迅速化が図れないことになる。その上、可変伸縮掘削翼を構成している固定翼に対する可動翼の変位量の制御はカムの使用を前提としているため、構造が複雑になるばかりでなくそのコストアップが余儀なくされることとなって好ましくない。
【0009】
本発明は以上のような課題に着目してなされたものであり、拡径翼の採用を前提としつつも、とりわけ硬い地盤であっても効率良く掘削することができるようにした拡径掘削方法とその装置を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、掘削翼を装着したパイプ状のドリルケーシングを掘削翼とともに回転させながら地盤を掘削する方法において、上記掘削翼は拡径可能であるとともにその掘削翼を拡径,縮径動作させるアクチュエータを備えていて、縮径状態とした掘削翼に圧入力を付与しながらその掘削翼で先行して掘削を行う一次掘削工程と、一次掘削済み領域について拡径状態とした掘削翼に圧入力を付与しながらその掘削翼で大径の掘削を施す二次掘削工程とを含み、一次掘削工程および二次掘削工程共にドリルケーシングの下部に開口形成した窓部から掘削土砂をドリルケーシングの内部に導入しながら掘削することを特徴とする。なお、ドリルケーシング内に取り込まれた土砂は例えば公知のハンマーグラブ等で外部に排出される。
【0011】
より具体的には、請求項2に記載のように、一次掘削後にドリルケーシングをその都度所定量だけ引き上げて掘削翼を拡径状態とした上で二次掘削に移行するものとし、同時に請求項3に記載のように、拡径状態とした掘削翼による二次掘削中に掘削翼を一時的に縮径状態とすることにより、掘削土砂を積極的に窓部からドリルケーシング内に取り込むようにすることが掘削土砂の排除効率向上の上で望ましい。
【0012】
また、請求項4に記載のように、ドリルケーシングは掘削翼よりも先端側に掘削刃を備えていて、このドリルケーシングの掘削刃と縮径状態の掘削翼にて一次掘削を行うことが掘削能力のより一層の向上の上で望ましく、さらに請求項5に記載のように、一次掘削と二次掘削を交互に繰り返しながら所定深度まで掘削することで、深度の大きな孔でも無理なく掘削することができる。
【0013】
したがって、請求項1〜5に記載の発明では、縮径状態とした掘削翼にて先行して一次掘削を行い、その一次掘削の深さが所定の深さとなったならば掘削翼をその一次掘削深さ分だけ一旦引き上げ、掘削翼を拡径状態とした上でさらに一次掘削済み領域についてこれを拡径するような形態で二次掘削を施すようにする。そして、このような一次掘削と二次掘削を交互に繰り返すことにより所定深度まで掘削することが可能となる。
【0014】
ここで、上記掘削方法を井筒構造体の圧入沈設工法と併用する場合には、請求項6に記載のように、井筒構造体内にドリルケーシングを挿入するようにそのドリルケーシングの周囲に予め井筒構造体を配置しておき、一次掘削に続く二次掘削として井筒構造体の刃先下を掘削し、その二次掘削に続いてその都度井筒構造体を所定量だけ圧入沈設するものとする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の方法に用いる掘削装置を特定したものであって、掘削翼を装着したパイプ状のドリルケーシングを掘削翼とともに回転させながら地盤を掘削する装置において、上記掘削翼は拡径可能であるとともにその掘削翼を拡径,縮径動作させるアクチュエータを備えていて、縮径状態とした掘削翼に圧入力を付与しながら先行して一次掘削を行った上でその一次掘削済み領域について拡径状態とした掘削翼に圧入力を付与しながら大径の二次掘削を施すようになっているとともに、ドリルケーシングの下部には一次掘削および二次掘削の際に発生した掘削土砂をドリルケーシングの内部に取り込む窓部が開口形成されていて、さらにドリルケーシングの上端部にはそのドリルケーシングを回転駆動しながら圧入力を付与する掘削駆動手段が設けられていることを特徴とする。
【0016】
そして、請求項8に記載のように、ドリルケーシングは掘削翼よりも先端側に掘削翼とともに一次掘削を司る掘削刃を備えているものとし、また請求項9に記載のように、掘削翼は一次掘削を司る固定翼と二次掘削を司る可動翼とから構成されていて、可動翼は直動型アクチュエータの伸縮作動に応じて旋回動作することによりその縮径と拡径とが行われるようになっているものとする。
【0017】
この場合、請求項10に記載のように、可動翼の旋回動作は油圧シリンダの伸縮作動に応じて行われるようになっていて、なお且つ油圧シリンダが収縮作動したときに可動翼が拡径するように設定されていることが望ましく、同時に請求項11に記載のように、固定翼および可動翼は少なくともその下面側に掘削刃を備えていることが望ましい。加えて、請求項13に記載のように、油圧シリンダに油圧を供給するための油圧パワーユニットがドリルケーシングの上端部に搭載されていて、その油圧パワーユニットがドリルケーシングとともに回転するようになっていることが油圧供給のための配管系のねじれを防止する上でより望ましい。 さらに、先にも述べたように孔の掘削と井筒構造体の圧入沈設とを併用する場合には、請求項12に記載のように、一次掘削と二次掘削を交互に繰り返しながら所定深度まで掘削する一方、二次掘削に続いてその都度井筒構造体を所定量だけ圧入沈設するようになっていて、ドリルケーシングの周囲には、掘削駆動手段とは別に井筒構造体を圧入沈設する圧入沈設手段が設けられているものとする。 したがって、これら請求項7〜12に記載の発明では、先に述べた請求項1〜6に記載の掘削方法を忠実に遂行することができる。
【0018】
また、請求項14は、固定翼をドリルケーシングに対して着脱可能にしたので径の異なる固定翼を付け替えることにより一次掘削による掘削径を変えることができ、一次掘削の掘削径を変えることことにより、可動翼による二次掘削の掘削径も容易に変えることができる。
【0019】
また、請求項15は、可動翼を固定翼の外側部に旋回可能に取付けたので、可動翼は、固定翼の外側部において恰も固定翼の長さを延ばすように拡径する。
【0020】
【発明の効果】
請求項1,2および請求項5,7に記載の発明によれば、一次掘削と二次掘削に分けてその掘削を行うようにしたことにより、一回の掘削面積は小さくても一次掘削と二次掘削を交互に且つ繰り返し行うことでその掘削能力もしくは掘削効率が飛躍的に向上するとともに、硬質な地盤であっても無理なく掘削することができ、さらに従来よりも大口径の孔の掘削が可能となる。
【0021】
また、請求項3に記載の発明によれば、二次掘削中における掘削翼の一時的な縮径動作によりドリルケーシング内に掘削土砂を積極的に取り込むことができるので、掘削土砂の排除効率が一段と向上する。
【0022】
請求項4,8に記載の発明によれば、一次掘削は掘削翼だけでなくドリルケーシングの先端の掘削刃によっても同時に行われることから、その掘削効率が一段と向上する。
【0023】
請求項6,12に記載の発明によれば、井筒構造体の圧入沈設と併用するに際して、一次掘削に続く二次掘削として井筒構造体の刃先下を掘削し、その二次掘削に続いてその都度井筒構造体を所定量だけ圧入沈設するようにしたことにより、その井筒構造体の圧入沈設をスムーズに且つきわめて効率良く行える。
【0024】
請求項9に記載の発明によれば、固定翼とともに掘削翼を構成しているアクチュエータ駆動の可動翼をいわゆるスイング式のものとしたことにより、その縮径,拡径動作が安定して行われる利点がある。
【0025】
請求項10に記載の発明によれば、アクチュエータである油圧シリンダが収縮動作したときに可動翼が拡径するようになっているため、掘削翼が掘削負荷に十分に対向できる利点がある。
【0026】
請求項11に記載の発明によれば、掘削翼を形成している固定翼および可動翼の下面側に掘削刃を備えていることにより、一次掘削および二次掘削ともにその掘削効率が一段と向上する利点がある。
【0027】
請求項13に記載の発明によれば、掘削翼の可動翼駆動用の油圧シリンダに油圧を供給するための配管系のねじれ等の未然に防止できるとともに、その油圧の授受をきわめて容易に行える利点がある。
【0028】
請求項14は、固定翼をドリルケーシングに対して着脱可能にしたので、基本となるドリルケーシングを利用して、径の異なる固定翼を付け替えるという簡単な手段で掘削孔の大口径化に容易に対応することが可能になる。
【0029】
また、請求項15は、可動翼を固定翼の外側部に旋回可能に取付け、井筒構造体の下部領域において可動翼を拡径、縮径する構成にしたので、可動翼をドリルケーシングに直接、旋回可能に取付ける場合に比べて可動翼を短くして、可動翼の変形や可動翼の取付部に極度の応力が発生するのを防止する。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1〜11は本発明の好ましい実施の形態を示し、孔の掘削と並行して立坑の躯体となるPCウェルもしくはケーソン等の井筒構造体を継ぎ足しながら所定量ずつ圧入沈設する場合の例を示している。
【0031】
図1に示すように、本実施の形態のシステムでは、大別してパイプ状のドリルケーシング2を回転しながらこれを地中に徐々に圧入して縦孔(掘削孔)Hを掘削する回転掘削機1と、その掘削された掘削孔H内に井筒構造体3を順次圧入沈設する圧入沈設手段としての圧入沈設装置4と、回転掘削機1による掘削に伴って発生した土砂を外部に排土するハンマーグラブ5等から構成される。
【0032】
圧入沈設装置4は、枠状の架台6内に加圧板7を昇降駆動させるための油圧式のパワージャッキ8を備えており、加圧板7が当接することになる最上段の井筒構造体3をもってそれ以下の全ての井筒構造体3,3…を一斉に圧入沈設する機能を有している。
【0033】
圧入沈設装置4の架台6の上には回転掘削機1の掘削駆動手段として機能する回転圧入駆動部9が搭載されている。この回転圧入駆動部9は、周知のように圧入沈設装置4や回転圧入駆動部9の中心部を貫通するように配置されたパイプ状のドリルケーシング2を把持した上でこれを鉛直軸周りに回転駆動しながら地中に圧入する機能を有している。
【0034】
図2〜4は上記ドリルケーシング2の詳細を示しており、ドリルケーシング2の先端にはそのドリルケーシング2の一部を構成することになる先端アタッチメント10が着脱可能に装着されており、さらにその先端アタッチメント10には複数の掘削刃(ビット)11が装着されているほか、その掘削刃位置よりも所定量だけ上方位置にはドリルケーシング10よりも大径の拡径および縮径可能な掘削翼12が装着されている。この掘削翼12は、先端アタッチメント10の周囲に略放射状に配置された三つの固定翼13と、固定翼13の上部側にそれら三つの固定翼13が共有するような形態で設けられた円環状のトップディスク14と、各固定翼13にヒンジ15をもって回転可能に連結された可動翼16とをもって形成されており、各可動翼16は同じく先端アタッチメント10の外周に装着された直動型アクチュエータとしての揺動型の油圧シリンダ17のピストンロッド18にリンク19を介して連結されている。そして、各油圧シリンダ17を収縮動作させたときには図3に示すように各可動翼16が固定翼13とほぼ平行となるまで突出して掘削翼12全体が拡径状態となる一方、逆に各油圧シリンダ17を伸長動作させたときには図4に示すように各可動翼16が折り畳まれて掘削翼12全体が縮径状態となるように設定されている。なお、拡径状態における可動翼16の最大直径は、後述するように圧入沈設しようとする井筒構造体3の外径寸法と同等寸法となるように予め設定されている。
【0035】
ここで、図3と図4とを比較すると明らかなように、掘削翼12を縮径状態としたときには各可動翼16や油圧シリンダ17は固定翼13の最大直径部が描く軌跡よりも内側に位置するように設定されている。また、固定翼13および可動翼16ともにそれぞれに下面側に複数の掘削刃(ビット)20が装着されている。なお、各油圧シリンダ17の収縮状態をもって各可動翼16が拡径状態になるように設定しているのは、掘削抵抗に対して各可動翼16が機械的に十分に対抗できるようにするためである。
【0036】
また、先端アタッチメント10のうち各固定翼13の配置ピッチの間に相当する位置にはその円周方向の等分位置に三つの窓部21が開口形成されている。これらの窓部21は図4に示すように平面視にて縮径状態にある各可動翼16とほぼ対向するような位置に形成されていて、拡径状態にあるか縮径状態にあるかにかかわらずその掘削翼12にて掘削した土砂を窓部21を通してドリルケーシング2(先端アタッチメント10)の内部に取り込むようになっている。同時に、後述するように掘削翼12の拡径状態での掘削中において適当なタイミングで一時的に可動翼16を縮径状態とすることでその拡径掘削中の土砂を窓部21から積極的にドリルケーシング2内に取り込むことができるようになっている。
【0037】
先端アタッチメント10のうち掘削翼12よりも上方側には図5に示すように平面視にて等分位置に三つのスタビライザ22が装着されている。各スタビライザ22は、鉛直軸周りに回転可能な合計四つのアウタローラ23と水平軸周りに回転可能な上下一対のインナローラ24とを組み合わせたもので、各スタビライザ22は先端アタッチメント10に対して相対回転不能に拘束されているものの、図2に示した位置を最下降限位置として先端アタッチメント10(ドリルケーシング2)に対して昇降可能となっている。そして、アウタローラ23が井筒構造体3の内周面に、インナローラ24が先端アタッチメント10もしくはドリルケーシング2の外周面に圧接するように設定されていることから、ドリルケーシング2の回転時(掘削時は時計回り方向回転)にはアウタローラ23が井筒構造体3の内周面に沿って転動することでそのドリルケーシング2の回転を許容し、またドリルケーシング2の昇降時にはインナローラ24が転動することでそのドリルケーシング2の昇降動作を許容するようになっている。同時に、井筒構造体2の圧入沈設時には同様にインナローラ24がドリルケーシング2に沿って転動することでその井筒構造体2の圧入沈設を許容するようになっている。
【0038】
ここで、アウタローラ23は支持体25に、インナローラ24は別の支持26にそれぞれ支持されているとともに、その支持体26に設けた揺動型のクッションシリンダ(油圧シリンダ)27のピストンロッドが他方の支持体25に連結されていることから、各クッションシリンダ27を伸長状態とすることによりアウタローラ23が井筒構造体3に、インナローラ24がドリルケーシング2にそれぞれ圧接して、ドリルケーシング2と井筒構造体3相互のセンタリングすなわち両者の同心精度を保つようになっている。
【0039】
ここで、掘削翼12を形成している可動翼16の拡径,縮径作動用の油圧シリンダ17や各スタビライザ22のクッションシリンダ27に必要とされる油圧は、図1のほか図6,7に示すように予めドリルケーシング2の上端に搭載してある油圧パワーユニット(油圧ポンプ等を含む)28から供給される。すなわち、油圧パワーユニット28は電源ユニット29とともに脱着可能なゴンドラ30を介してドリルケーシング2の上端に搭載されていてドリルケーシング2とともに回転するようになっていることから、その油圧パワーユニット28を外部据え置き式にした場合と比べて相対回転する部分がなくなることによって、油圧ホース等の配管径のねじれの問題が解消されるとともに油圧の授受が容易に行えるようになる。
【0040】
したがって、本実施の形態のシステムでは、特許第3031876号公報に記載のものと同様に井筒構造体3の刃先下(最下段の井筒構造体3の刃口3aの下側)を掘削しながらその井筒構造体3を徐々に圧入沈設するものであるが、その掘削に際して一時掘削と二次掘削とに分けて実質的に二段階に掘削を行うところに特徴がある。
【0041】
より詳しくは、図8の(A)は立坑の躯体となるべき井筒構造体3を継ぎ足しながらの圧入沈設が所定深度まで進んだ状態を示しており、同図および図4に示すように掘削翼12を縮径状態(油圧シリンダ17が伸長状態)とした上でその掘削翼12をドリルケーシング2とともに回転駆動しながら掘削推力(掘進力)を与えて一次掘削を行う。この一次掘削は掘削翼12の固定翼13と先端アタッチメント10の掘削刃11によって行われ、図4に示すように実質的に折り畳まれて縮径状態にある可動翼16は一次掘削には直接関与しない。なお、ドリルケーシング2の回転力と掘進力は先に述べた回転掘削機1の回転圧入駆動部9によって付与される。
【0042】
この一次掘削によって生じた掘削土砂は掘削翼12の回転に伴って窓部21から先端アタッチメント10の内部に取り込まれ、その掘削進行中に例えば図1に示したバケット系掘削機であるハンマーグラブ5によって排土される。
【0043】
また、一次掘削中は先端アタッチメント10の掘削刃11にて先行して掘削を行い、その後を追いかけるように掘削翼12にて拡径掘削を行うものであり、しかも井筒構造体3とドリルケーシング2の径方向での相対位置関係はスタビライザ22によって保たれていることから、一次掘削中の掘削孔Hとドリルケーシング2および井筒構造体3それぞれの同心精度は高精度に保たれていることになる。 一次掘削が所定深度まで進んだならば、図8の(B)に示すように掘削翼12を拡径可能な位置まで一旦ドリルケーシング2を引き上げた上、図3および図9の(A)に示すように掘削翼12に付帯している油圧シリンダ17を収縮動作させて各可動翼16を固定翼13に対して拡径させる。その状態で、再びドリルケーシングに掘進力を付与して、図9の(B)に示すように先に一次掘削された掘削孔Hを拡径させるような形態で二次掘削を施す。この二次掘削は主として掘削翼12のうち可動翼16によって行われ、その拡径後の孔径は井筒構造体2の外径と同等寸法になることを基本とし、必要に応じて井筒構造体2の外径よりも小さくしたり大きくすることは可動翼16の最大直径の調整によって可能であることは言うまでもない。
【0044】
この二次掘削中において発生した掘削土砂も掘削翼12の回転に伴い窓部21から先端アタッチメント10内(ドリルケーシング2内)に自律的に取り込まれることになるものの、二次掘削中において適当なタイミングで掘削翼12の可動翼16を一旦縮径状態とした上で直ちに拡径状態に戻す操作を行う。こうすることにより、二次掘削に伴って発生した掘削土砂をより積極的にドリルケーシング2内に取り込むことができ、排土効率が一段と向上する。
【0045】
一次掘削済み領域についての二次掘削が終了したならば、掘進力の付与を一旦断った上でその位置にて油圧シリンダ17を逆動作させて再び掘削翼12のうちその可動翼16を図10の(A)のように縮径状態とする。そして、井筒構造体3の刃先下に確保された深さ分だけ図10の(B)に示すように井筒構造体3を圧入沈設装置4にて圧入沈設する。
【0046】
そして、以降は図8の(A)〜図10の(B)までの動作すなわち一次掘削とそれに続く二次掘削および井筒構造体3の圧入沈設を何回か繰り返し行い、図11の(A)に示すように最上段の井筒構造体3の地表への突出量が所定量以下となったならば圧入沈設装置4の加圧板7を最上昇位置まで上昇動作させる。
【0047】
この状態で、図11の(B)に示すように最上段の井筒構造体3の上に新たな井筒構造体3Aを継ぎ足して連結した上で、以降は井筒構造体3の圧入沈設深さが所定深度になるまで上記の一連の動作を繰り返すことになる。
【0048】
このように本実施の形態によれば、井筒構造体3の圧入沈設に必要な直径の掘削孔Hをいきなり掘削するのではなく、小径の一次掘削を行った上でその一次掘削済み領域を拡径するように二次掘削を行うようにしているので、たとえ硬質地盤であっても無理なく掘削,掘進することができ、その掘削能力もしくは掘削効率が飛躍的に向上するとともに、従来よりも大口径の掘削孔Hの掘削が可能となることになる。
【0049】
図12〜16は本発明の第2の実施の形態を示し、先に説明した第1の実施の形態のものと共通する部分には同一符号を付してある。この第2の実施の形態では、圧入沈設装置34の構造が第1の実施の形態のものと異なっており、掘削中において圧入沈設途中の井筒構造体3が自沈現象を起こさないように地上側の圧入沈設装置34で井筒構造体3全体を支持しながら圧入沈設する場合の例を示している。
【0050】
図12に示すように、圧入沈設装置34は、枠状の架台36内に加圧板37を昇降駆動させるための油圧式のパワージャッキ38を備えているとともに、そのパワージャッキ38により昇降駆動される加圧板37には打ち抜きピン方式のクランプ機構39が設けられており、このクランプ機構39にて井筒構造体3全体を支えながら順次圧入沈設することになる。
【0051】
また、回転掘削機1のドリルケーシング32としては、先端アタッチメント10のほか複数のケーシングセグメント32a,32a…を継ぎ足すようにして相互に連結したものが使用され、その掘削深度の増大とともにドリルケーシング32の上段側にさらに別のケーシングセグメント32aが継ぎ足されるようになっている。
【0052】
この第2の実施の形態では、図13の(A)に示すように(同図は立坑の躯体となるべき井筒構造体3,3…を継ぎ足しながらの圧入沈設が所定深度まで進んだ状態を示している)、最初に第1の実施の形態と同様に掘削翼12を縮径状態とした上でその掘削翼12をドリルケーシング32とともに回転駆動しながら掘進力を与えて一次掘削を行う。
【0053】
一次掘削が所定深度まで進んだならば、同図(B)に示すように掘削翼12を拡径可能な位置まで一旦ドリルケーシング32を引き上げた上、図3および図14の(A)に示すように各可動翼16を固定翼13に対して拡径させて掘削翼12そのものを拡径状態とする。その状態で、再びドリルケーシング32に掘進力を付与して、図14の(B)に示すように先に一次掘削された掘削孔Hを拡径させるような形態で二次掘削を施す。
【0054】
この時、井筒構造体3の刃先下が拡径掘削されたとしても井筒構造体3全体は圧入沈設装置34のクランプ機構39によって支えられているので、自重による自沈現象を起こすことはない。
【0055】
一次掘削済み領域についての二次掘削が終了したならば、掘進力の付与を一旦断った上でその位置にて図4の油圧シリンダ17を逆動作させて、同図および図15の(A)に示すように掘削翼12のうちその可動翼16を縮径状態とする。そして、井筒構造体3の刃先下に確保された深さ分だけ図15の(B)に示すように井筒構造体3を圧入沈設装置34にて圧入沈設する。
【0056】
以降は図13の(A)〜図15の(B)までの動作すなわち一次掘削とそれに続く二次掘削および井筒構造体3の圧入沈設を何回か繰り返し行い、図16の(A)に示すように最上段の井筒構造体3の地表への突出量が所定量以下となったならば、回転掘削機1の回転圧入駆動部9および油圧パワーユニット28等を一旦撤去した上で、最上段の井筒構造体3の上に新たな井筒構造体3Aを継ぎ足して連結する。さらに、同図(B)に示すように、ドリルケーシング32のうち最上段のケーシングセグメント32aの上に新たなケーシングセグメント32aを継ぎ足して連結する。この後、回転掘削機1の回転圧入駆動部9および油圧パワーユニット28等を元の状態に戻し、以降は井筒構造体3の圧入沈設深さが所定深度になるまで上記の一連の動作を繰り返すことになる。
【0057】
この第2の実施の形態においても第1の実施の形態のものと同様の作用効果が得られるほか、特により深度の大きな立坑を構築できる利点がある。また、ケーシングセグメント32aの継ぎ足し方式を先の第1の実施の形態に採用することももちろん可能である。
【0058】
図17,18は本発明の第3の実施の形態を示す。この第3の実施の形態では、掘削翼42の直径が大径化する場合に、一つの固定翼43と可動翼46、油圧シリンダ47およびトップディスク部44をそれぞれ一組として三つの翼ブロック40A,40B,40Cに分割し、これらの各翼ブロック40A,40B,40Cを図1,12に示した先端アタッチメント10を母体として相互に組み付けることで掘削翼42としての機能を発揮できるようにしたものである。
【0059】
この第3の実施の形態においても第1,2の実施の形態のものと同様の作用効果が得られるものであることは言うまでもない。
【0060】
図19〜23は本発明の第4の実施の形態を示し、先に説明した第1〜3の実施の形態のものと共通する部分には同一符号を付してある。この第4の実施の形態では、掘削翼50を構成する固定翼51は、ドリルケーシング2(先端アタッチメント10)に対して着脱可能になっていて、径の異なる固定翼51を付け替えることにより一次掘削及び二次掘削の掘削径を容易に変化させることができるようになっている。
【0061】
この実施例において、固定翼51は、第1の固定翼(基準固定翼)52と第2の固定翼(拡大固定翼)53とからなっている。第1の固定翼51は、第1〜3の実施の固定翼13に相当するものであり、ドリルケーシング2(先端アタッチメント10)に一体的に設けられている。第2の固定翼53は、第1の固定翼52に重ね合せた状態で着脱可能に取付けられている。
【0062】
第1の固定翼52は、例えば口径(外径)φ3000の井筒構造体3を圧入沈設するための掘削孔を掘削する場合には単独で使用され、第2の固定翼53は、例えば口径(外径)φ4800の井筒構造体3を圧入沈設するための掘削孔を掘削する場合に、第1の固定翼52に所謂継ぎ足した状態で使用される。
【0063】
また、可動翼54は、第2の固定翼53の外周部側に第1の枢支軸55に旋回(回動)可能に取付けられていて、アクチュエータとしての油圧シリンダ56により前記第1の枢支軸55を中心に回動駆動されるようになっている。
【0064】
油圧シリンダ56のシリンダ本体部57は、一端部が第2の枢支軸58により回動可能にドリルケーシング2(先端アタッチメント10)に取付けられている。
【0065】
図21に示すように、油圧シリンダ56のピストンロッド59は、第1のロッド60と、第1のロッド60の先端に第3の枢支軸61を介して回動可能に連結された第2のロッド62と、からなっていて、第2のロッド62の先端が第3の枢支軸63により可動翼54の中央部に回動可能に連結されている。また、前記ピストンロッド59の第3の枢支軸61は、リンク64及び第4の枢支軸65を介して第2の固定翼53に回動可能に連結されている。なお、図19において、66は補強部材、67は土砂取り込み用の窓部である。また、図示を省略したが掘削翼50の上方には第1〜3の実施の形態のものと同様のスタビライザが装着されている。
【0066】
そして、油圧シリンダ56を収縮動作させたときには、図20に示すように、可動翼54が第2の固定翼53とほぼ平行となるまで突出して掘削翼全体が拡径状態となる一方、逆に油圧シリンダ56を伸長動作させたときには、図21に示すように、可動翼54が折り畳まれて掘削翼全体が縮径状態となるように設定されている。拡径状態における可動翼54の最大直径は、井筒構造体3の外径寸法φ4800と同等寸法となるように予め設定されている。
【0067】
また、図21に示すように、ドリルケーシング2(先端アタッチメント10)の外周には第1の軸受部71、第2の軸受部72、第3の軸受部73が設けられている。そして、口径(外径)φ4800の井筒構造体3を圧入沈設するための掘削孔を掘削する場合には、前記第1の軸受部71に前記枢支軸58で油圧シリンダ56の一端部を回動可能に取付けるようになっている。
【0068】
また、口径(外径)φ3000の井筒構造体3を圧入沈設するための掘削孔を掘削する場合には、図22、図23に示すように、前記第1の軸受部71に前記枢支軸58で前記油圧シリンダ56よりも短尺の油圧シリンダ17の一端部が回動可能に取付けられると共に、前記第2の軸受部72に軸15で可動翼16が回動可能に取付けられる。
【0069】
前記油圧シリンダ17のピストンロッド18の先端部には軸74を介してリンク19が回動可能に連結されている。前記リンク19の先端部は軸77を介して、前記可動翼16の中央部に設けた第4の軸受部76に回動可能に連結されている。
また、前記軸74はリンク77を介して軸78により前記第3の軸受部73に回動可能に連結されている。そして、前記油圧シリンダ17のピストンロッド18を伸長させると、図22に示すように、可動翼16は縮径した状態になる。また、前記油圧シリンダ17のピストンロッド18を収縮させると、図23に示すように、可動翼16は拡径して、その先端がφ3100の位置まで伸びた状態になる。これらの状態は、図3、図4に示す第1の実施の形態の場合と同じである。
【0070】
なお、前記第4の実施の形態の場合には、第1の固定翼52に第2の固定翼53を継ぎ足す場合を示したが、第1の固定翼52を取り外してから第2の固定翼53を取付けるようにしても良い。また、第2の固定翼53の径は、井筒構造体3の外径寸法に合せて適宜に形成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい第1の実施の形態を示す図で、拡径掘削装置の断面説明図。
【図2】図1の要部拡大図。
【図3】掘削翼の詳細を示す図で、図2のA−A線に沿う拡大断面図。
【図4】図3の掘削翼の縮径状態を示す説明図。
【図5】図2のB−B線に沿う拡大断面図。
【図6】図1に示すドリルケーシングの要部拡大図。
【図7】図6の平面図。
【図8】(A),(B)ともに図1の拡径掘削装置の施工手順を示す説明図。
【図9】(A),(B)ともに図1の拡径掘削装置の施工手順を示す説明図。
【図10】(A),(B)ともに図1の拡径掘削装置の施工手順を示す説明図。
【図11】(A),(B)ともに図1の拡径掘削装置の施工手順を示す説明図。
【図12】本発明に係る拡径掘削装置の第2の実施の形態を示す断面説明図。
【図13】(A),(B)ともに図12の拡径掘削装置の施工手順を示す説明図。
【図14】(A),(B)ともに図12の拡径掘削装置の施工手順を示す説明図。
【図15】(A),(B)ともに図12の拡径掘削装置の施工手順を示す説明図。
【図16】(A),(B)ともに図12の拡径掘削装置の施工手順を示す説明図。
【図17】本発明の第3の実施の形態として掘削翼の他の例を示す分解説明図。
【図18】図17の掘削翼を形成している一つの翼ブロックの正面説明図。
【図19】本発明の第4の実施の形態として掘削翼の他の例を示す要部拡大図。
【図20】掘削翼の詳細を示す図で、図19のA−A線に沿う拡大断面図。
【図21】図20の掘削翼の縮径状態を示す説明図。
【図22】第2の固定翼を取り外して第1の固定翼に可動翼を取付けて縮径させた状態の要部拡大図。
【図23】第2の固定翼を取り外して第1の固定翼に可動翼を取付けて拡径させた状態の要部拡大図。
【符号の説明】
1…回転掘削機
2…ドリルケーシング
3…井筒構造体
4…圧入沈設装置(圧入沈設手段)
9…回転圧入駆動部(掘削駆動手段)
10…先端アタッチメント
11…掘削刃
12…掘削翼
13…固定翼
16…可動翼
17…油圧シリンダ(直動型アクチュエータ)
20…掘削刃
21…窓部
28…油圧パワーユニット
32…ドリルケーシング
32a…ケーシングセグメント
34…圧入沈設装置(圧入沈設手段)
39…クランプ機構
40A,40B,40C…翼ブロック
42…掘削翼
43…固定翼
46…可動翼
47…油圧シリンダ(直動型アクチュエータ)
50…掘削翼
51…固定翼
52…第1の固定翼
53…第2の固定翼
54…可動翼
56…油圧シリンダ(直動型アクチュエータ)
H…掘削孔

Claims (15)

  1. 掘削翼を装着したパイプ状のドリルケーシングを掘削翼とともに回転させながら地盤を掘削する方法において、
    上記掘削翼は拡径可能であるとともにその掘削翼を拡径,縮径動作させるアクチュエータを備えていて、
    縮径状態とした掘削翼に圧入力を付与しながらその掘削翼で先行して掘削を行う一次掘削工程と、
    一次掘削済み領域について拡径状態とした掘削翼に圧入力を付与しながらその掘削翼で大径の掘削を施す二次掘削工程と、
    を含み、
    一次掘削工程および二次掘削工程共にドリルケーシングの下部に開口形成した窓部から掘削土砂をドリルケーシングの内部に導入しながら掘削することを特徴とする拡径掘削方法。
  2. 一次掘削後にドリルケーシングをその都度所定量だけ引き上げて掘削翼を拡径状態とした上で二次掘削に移行することを特徴とする請求項1に記載の拡径掘削方法。
  3. 拡径状態とした掘削翼による二次掘削中に掘削翼を一時的に縮径状態とすることにより、掘削土砂を積極的に窓部からドリルケーシング内に取り込むことを特徴とする請求項1または2に記載の拡径掘削方法。
  4. ドリルケーシングは掘削翼よりも先端側に掘削刃を備えていて、このドリルケーシングの掘削刃と縮径状態の掘削翼にて一次掘削を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の拡径掘削方法。
  5. 一次掘削と二次掘削を交互に繰り返しながら所定深度まで掘削することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の拡径掘削方法。
  6. 井筒構造体内にドリルケーシングを挿入するようにそのドリルケーシングの周囲に予め井筒構造体を配置しておき、
    一次掘削に続く二次掘削として井筒構造体の刃先下を掘削し、その二次掘削に続いてその都度井筒構造体を所定量だけ圧入沈設することを特徴とする請求項5に記載の拡径掘削方法。
  7. 掘削翼を装着したパイプ状のドリルケーシングを掘削翼とともに回転させながら地盤を掘削する装置において、
    上記掘削翼は拡径可能であるとともにその掘削翼を拡径,縮径動作させるアクチュエータを備えていて、
    縮径状態とした掘削翼に圧入力を付与しながら先行して一次掘削を行った上でその一次掘削済み領域について拡径状態とした掘削翼に圧入力を付与しながら大径の二次掘削を施すようになっているとともに、
    ドリルケーシングの下部には一次掘削および二次掘削の際に発生した掘削土砂をドリルケーシングの内部に取り込む窓部が開口形成されていて、
    さらにドリルケーシングの上端部にはそのドリルケーシングを回転駆動しながら圧入力を付与する掘削駆動手段が設けられていることを特徴と拡径掘削装置。
  8. ドリルケーシングは、掘削翼よりも先端側に掘削翼とともに一次掘削を司る掘削刃を備えていることを特徴とする請求項7に記載の拡径掘削装置。
  9. 掘削翼は一次掘削を司る固定翼と二次掘削を司る可動翼とから構成されていて、
    可動翼は直動型アクチュエータの伸縮作動に応じて旋回動作することによりその縮径と拡径とが行われるようになっていることを特徴とする請求項7または8に記載の拡径掘削装置。
  10. 可動翼の旋回動作は油圧シリンダの伸縮作動に応じて行われるようになっていて、なお且つ油圧シリンダが収縮作動したときに可動翼が拡径するように設定されていることを特徴とする請求項9に記載の拡径掘削装置。
  11. 固定翼および可動翼は少なくともその下面側に掘削刃を備えていることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の拡径掘削装置。
  12. 一次掘削と二次掘削を交互に繰り返しながら所定深度まで掘削する一方、二次掘削に続いてその都度井筒構造体を所定量だけ圧入沈設するようになっていて、
    ドリルケーシングの周囲には、掘削駆動手段とは別に井筒構造体を圧入沈設する圧入沈設手段が設けられていることを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の拡径掘削装置。
  13. 掘削翼の油圧シリンダに油圧を供給するための油圧パワーユニットがドリルケーシングの上端部に搭載されていて、その油圧パワーユニットがドリルケーシングとともに回転するようになっていることを特徴とする請求項10に記載の拡径掘削装置。
  14. 固定翼は、ドリルケーシングに対して着脱可能になっていて、径の異なる固定翼を付け替えることにより一次掘削及び二次掘削の掘削径を変化可能にしたことを特徴とする請求項9に記載の拡径掘削装置。
  15. 可動翼は、ドリルケーシングに対して着脱可能になっている固定翼に旋回可能に取付けられていることを特徴とする請求項10〜14に記載の拡径掘削装置。
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