JP3668854B2 - 掘削装置および掘削工法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、硬質な岩盤などに非円形の孔を開設する掘削装置および掘削工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
硬質な岩盤などに孔を開ける装置としてダウンホールハンマが知られている。
このダウンホールハンマは、先端に掘削ビットが取り付けられ、その掘削ビットに回転力と打撃力を付与して硬質な岩盤などに孔を開設していく装置である。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】
前記した従来の掘削技術にあっては次のような問題点がある。
硬質な岩盤などに非円形の孔を開設しなければならない場合がある。
前記したダウンホールハンマは所定の回転軸線を中心に回転するので、開設した孔は円形となる。
このため、非円形の孔を開設することができない。
【0004】
【本発明の目的】
本発明は以上の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、次のような掘削装置および掘削工法を提供することにある。
<イ> 断面非円形に掘削可能である。
<ロ> 掘削作業が容易に行える。
【0005】
【問題点を解決するための手段】
即ち本発明は、ケーシングと、そのケーシング内に配設した回転軸と、その回転軸と曲折自在かつ回転力伝達可能に接続され下端に装備した掘削ビットを前記ケーシング下端から延出しその掘削ビットに打撃力を付与するハンマと、ケーシング内面とハンマ途上との間に架設され伸縮することによりハンマを揺動させるシリンダとにより構成し、前記ハンマを揺動することにより、掘削ビットを移動させてケーシング全断面を掘削可能とした、掘削装置である。
また本発明は、前記記載の掘削装置において、前記ケーシングは、断面が非円形であることを特徴とする、掘削装置である。
また本発明は、断面を長円形としたケーシングと、そのケーシング内に配設した回転軸と、その回転軸と曲折自在かつ回転力伝達可能に接続され下端に装備した掘削ビットを前記ケーシング下端から延出しその掘削ビットに打撃力を付与するハンマと、ケーシング内面とハンマ途上との間に架設され伸縮することによりハンマを揺動させるシリンダとにより構成し、前記ハンマを揺動することにより、掘削ビットをケーシング長手方向へ往復移動させることを特徴とする、掘削装置である。
また本発明は、前記記載の掘削装置において、前記シリンダを複数設け、それらの伸縮を制御し、任意の断面に掘削可能としたことを特徴とする、掘削装置である。
また本発明は、前記記載の掘削装置において、前記掘削ビットは掘削面が凸状に突出していることを特徴とする、掘削装置である。
また本発明は、ケーシングと、そのケーシング内に複数配設した回転軸と、それらの回転軸に接続され下端に装備した掘削ビットを前記ケーシング下端から延出しその掘削ビットに回転力と打撃力を付与するハンマとを備え、前記掘削ビットはハンマ軸心から円周方向に突出する複数の掘削片を形成してなる、掘削装置である。
また本発明は、ケーシングと、そのケーシング内に複数配設した回転軸と、それらの回転軸の先端に接続されて前記ケーシング下端から延出し回転力と推進力により掘削する掘削ビットとを備え、前記掘削ビットはハンマ軸心から円周方向に突出する複数の掘削片を形成しその先端を揃えて配置してなることを特徴とする、掘削装置である。
また本発明は、前記記載の掘削装置において、前記ケーシングは断面が長円形であることを特徴とする、掘削装置である。
また本発明は、ベースマシンのアーム先端に装備した伸縮自在の把持装置と、この把持装置の中空部内に把持装置により把持、開放可能に挿通したケーシングと、そのケーシング内に配設した回転軸と、その回転軸と曲折自在かつ回転力伝達可能に接続され下端に装備した掘削ビットを前記ケーシング下端から延出しその掘削ビットに打撃力を付与するハンマと、ケーシング内面とハンマ途上との間に架設され伸縮することによりハンマを揺動させるシリンダと、前記把持装置の下方に取り付けられ前記先行掘削装置の周囲を回転移動自在としかつ先行掘削装置からの距離を変更自在とした主掘削装置とにより構成し、前記ハンマを揺動することにより、掘削ビットを移動させてケーシング全断面を掘削可能とした、掘削装置である。
また本発明は、前記記載の掘削装置において、前記ケーシングは断面が非円形であることを特徴とする、掘削装置である。
また本発明は、ベースマシンのアーム先端に装備した伸縮自在の把持装置と、この把持装置の中空部内に把持装置により把持、開放可能に挿通し、断面を長円形としたケーシングと、そのケーシング内に配設した回転軸と、その回転軸と曲折自在かつ回転力伝達可能に接続され下端に装備した掘削ビットを前記ケーシング下端から延出しその掘削ビットに打撃力を付与するハンマと、ケーシング内面とハンマ途上との間に架設され、伸縮することによりハンマを揺動させるシリンダと、前記把持装置の下方に取り付けられ前記先行掘削装置の周囲を回転移動自在としかつ先行掘削装置からの距離を変更自在とした主掘削装置とにより構成し、前記ハンマを揺動することにより、掘削ビットをケーシング長手方向へ往復移動させることを特徴とする、掘削装置である。
また本発明は、前記記載の掘削装置において、前記シリンダを複数の設け、それらの伸縮を制御し、掘削断面を任意に設定可能としたことを特徴とする、掘削装置である。
また本発明は、ベースマシンのアーム先端に装備した伸縮自在の把持装置と、この把持装置の中空部内に把持装置により把持、開放可能に挿通したケーシングと、そのケーシング内に複数配設した回転軸と、それらの回転軸に接続され、下端に装備した掘削ビットを前記ケーシング下端から延出しその掘削ビットに回転力と打撃力を付与するハンマと、前記把持装置の下方に取り付けられ前記先行掘削装置の周囲を回転移動自在としかつ先行掘削装置からの距離を変更自在とした主掘削装置とにより構成し、前記掘削ビットはハンマ軸心から円周方向に突出する複数の掘削片を形成してなる、掘削装置である。
また本発明は、ベースマシンのアーム先端に装備した伸縮自在の把持装置と、この把持装置の中空部内に把持装置により把持、開放可能に挿通したケーシングと、そのケーシング内に複数配設した回転軸と、それらの回転軸の先端に接続されて前記ケーシング下端から延出し回転力と推進力により掘削する掘削ビットとを備え、前記把持装置の下方に取り付けられ前記先行掘削装置の周囲を回転移動自在としかつ先行掘削装置からの距離を変更自在とした主掘削装置とにより構成し、前記掘削ビットはハンマ軸心から円周方向に突出する複数の掘削片を形成し、その先端を揃えて配置してなることを特徴とする、掘削装置である。
更に本発明は、壁面の掘削すべき断面の縁部に沿って複数のケーシングを連続して打設し、ケーシングを支保しながらそれら内側の掘削を行う掘削工法であって、前記ケーシングの打設は、請求項1乃至14のいずれかに記載の掘削装置を壁面に打設し、ケーシングを壁面内に残置して行うことを特徴とする、掘削工法である。
【0006】
【実施例1】
以下図面を参照しながら本発明の一実施例について説明する。
<イ>掘削装置
掘削装置10は、ケーシング11と回転軸12とハンマ13とシリンダ14とにより構成されている。
以下、各部について詳述する。
【0007】
(1)ケーシング(図1、図2)
ケーシング11は、断面を非円形とし下端を開放した中空の筒体であり、内部に回転軸12およびハンマ13を収容している。
このケーシング11は、例えば図2に示すように、断面を長円形としたものが採用できる。
尚、ここでいう長円形とは、ほぼ直交する長径および短径を有するほぼ円形状のものを意味し、楕円形などを含むものである。
【0008】
(2)回転軸(図1)
回転軸12は、ハンマ13に回転力を付与する軸であって、ケーシング11に沿って配され、図示しない駆動機により回転自在となっている。
回転軸12の内部には、エア供給路121が開設されており、ハンマ13へエアを供給できる構造となっている。
回転軸12の末端部はケーシング11内で軸受けされており、ハンマ13が曲折自在に接続されている。
【0009】
(3)ハンマ(図1、図3)
ハンマ13は、先端に掘削ビット131を設けケーシング11下端から延出し、その掘削ビット131に回転力と打撃力を付与して掘削を行う部位である。
このハンマ13は、前記回転軸12に曲折自在に接続されて回転する構造となっている。
【0010】
その接続構造は、例えば、図1に示すように、ハンマ13の基端部132をほぼ球形とし、回転軸12の末端に形成した収納室122へ収納することにより、回転軸12に対しハンマ13が曲折自在となる接続構造とする。
また、ハンマ13の基端部132の周面には軸方向に沿って複数の突条133を形成し、収納室122の内面にはその突条133に嵌合する溝(図示なし)を形成し、その突条133を溝に嵌合させることにより、回転軸12の回転力がハンマ13側へ伝達できるようにする。
尚、回転軸12とハンマ13の接続構造は、上記の構造に限定されるものではなく、回転軸12に対しハンマ13が曲折自在であって、回転軸12の回転力がハンマ13側へ伝達できる構造であれば他の構造であってもよい。
【0011】
一方、ハンマ13の中心部にはエア供給路134が開設され、回転軸12側のエア供給路121と連通している。
ハンマ13は、エア供給路121、134を通じて圧縮エアを断続的に供給することにより、掘削ビット131へ打撃力を付与する構造となっている。
尚、ハンマ13は、掘削ビット131への打撃力を油圧式などその他の方法で付与するものであってよい。
【0012】
また、図3に示すように、掘削ビット131の掘削面135を前方へ凸面鏡状に突出させて形成しておくのが好ましい。
更に、その掘削面135の曲率半径をハンマ基端部132から掘削面135までの距離以下に設定するのが好ましい。
この場合、ハンマ13が揺動しながら掘進する際、側方又は斜め前方の岩盤90を掘削面135で確実に掘削することができる。
尚、前記した掘削装置10の作動ではケーシング11を下方へ掘進させて掘削を行う場合について説明したが、ケーシング11の方向は下方へ限られるものではなく、上方、水平方向、斜め方向などであってもよい。
【0013】
(4)シリンダ(図1、図2)
図1のように、ケーシング11内面とハンマ13途上との間にはシリンダ14a、14bが架設されている。
例えば、ケーシング11の相対向する面にシリンダ14a、シリンダ14bの一端を取り付け、他端をハンマ13の回転を許容するベアリング141を介してハンマ13途上に取り付ける。
そして、それらシリンダ14a、14bの両端に軸を設けておき、それらがほぼ同一直線上で伸縮するように配設しておく。
【0014】
シリンダ14a、14bが伸縮することにより、ハンマ13が基端部132を軸に左右へ揺動する構造となっている。
そのハンマ13の揺動に伴い、図2のように、掘削ビット131がケーシング11の長径方向に沿って往復運動して、ケーシング11下方をケーシング11が丁度挿通するように掘削できる。
尚、シリンダ14a、14bのうちいずれか一方のみを設置する場合もある。
【0015】
<ロ>掘削装置の作動
次に掘削装置10の作動について説明する。
(1)回転力、打撃力の付与(図1)
まず、ケーシング11を掘削すべき岩盤90上へ配置する。
次に、エア供給孔121、134を通じて圧縮エアを断続的に供給して掘削ビット131に打撃力を付与すると共に、回転軸12を回転させて掘削ビット131に回転力を付与する。
【0016】
(2)揺動工程(図1、図2)
打撃力および回転力により掘削ビット131で岩盤を掘削すると共に、ハンマ13を揺動させる。
即ち、シリンダ14a、14bを交互に伸縮させ、ハンマ13を基端部132を中心に揺動させる。
すると、図2のように掘削ビット131が左右に往復運動し、ケーシング11の下方を長円状に掘削することができる。
その際、掘削ビット131がケーシング11の全断面以上に掘削するから、ケーシング11の掘進が可能である。
尚、ケーシング11の掘進手段は、例えばアームを備えた重機など公知のものが採用できる。
例えば、アーム先端にケーシング11を取り付け、アームの操作により、ケーシング11を掘進方向へ押し進めるようにすればよい。
【0017】
<ハ>掘削工法
次に掘削装置10を用いた掘削工法の一例について説明する。
掘削工法の概要は、図4に示すように、硬質な岩盤などからなる壁面80に掘削すべき掘削断面の縁部に沿って複数のケーシング11を連続して打設し、それらケーシング11の下方および側方を支保してそれらの内側を掘削して行う。
以下、各工程について詳述する。
【0018】
(1)ケーシングの打設(図4)
掘削装置10のケーシング11には断面長尺状のものを用い、そのケーシング11の軸方向が水平になるように掘削装置10をセットする。
そして、壁面80の掘削すべき断面の縁部にケーシング11先端を位置させ、壁面80内へ掘削装置10を作動させながら押し込んでいく。
その際、ケーシング11の断面長手方向を掘削断面の縁部の方向に向けておくことが肝要である。
また、掘削装置10の作動は前述の通りである。
尚、掘削距離が長い時は、ケーシング11を継ぎ足しながら掘り進んでもよい。 ケーシング11先端が所定の位置まで達したら、ケーシング11のみを壁面80内に残置し、ハンマ13や回転軸12などはケーシング11内から引き抜く。
【0019】
このようにして掘削断面の縁部の上部および側部に連続して複数のケーシング11を打設する。
ケーシング11断面は長尺状であるから、断面円形のものを打設する場合に比べ、打設するケーシング11の数が少なくて済み、打設作業が効率良く行える。
【0020】
(2)支保工および掘削(図4)
壁面80に打設したケーシング11の下方および側方を公知の掘削マシンなどを用いて掘削しながら建て込んだ支保工81で支持し、それらケーシング11の内側を掘り進んでいく。
ケーシング11内側を完全に掘削したら、躯体などを構築して掘削作業を完了する。
【0021】
【実施例2】
前記掘削装置10におけるケーシング11は、断面長円形以外の非円形であってよい。
例えば、断面が長方形やその他多角形状のケーシング11としてもよい。
【0022】
【実施例3】
前記掘削装置10におけるシリンダ14は複数設ける場合もある。
例えば、図5のように、ケーシング11の内面とハンマ13途上との間にシリンダ14c〜14fを架設し、それら各両端は軸着しておく。
本実施例の場合、これらシリンダ14c〜14fの伸縮を個別に制御することにより、ハンマ13をケーシング11の断面に応じて揺動させることができる。
従って、ケーシング11が三角形、四角形、それ以上の多角形やその他の形状であっても、ケーシング11の形状に応じた断面で掘削可能である。
尚、掘削断面は、ケーシング11の形状と異なる形状とする場合もある。
【0023】
【実施例4】
掘削装置10は、ケーシング11内に複数の回転軸12を配設し、それらの末端にそれぞれハンマ13を接続して構成する場合もある。
例えば、図6、図7に示すように、断面長円形のケーシング11内に二本の回転軸12、12を配し、その末端にハンマ13aを接続する。
これらハンマ13a先端には掘削ビット131aを取り付けておく。
掘削ビット131aに回転力と打撃力を与えて掘削を行うことは、前述のハンマ13と同様である。
掘削ビット131aは、軸芯から放射状に複数の掘削片135を形成した構造であり、例えば、図5のように、中心から三つの掘削片135を形成しておく。
そして、掘削ビット131aが回転しその掘削片135が他方の掘削ビット131aの掘削片135に接触しないように両掘削ビット131a、131aの掘削片135が常に同方向へ向いて回転するように設定し、両掘削ビット131aの回転軸をできるだけ接近させておくのが肝要である。
また、回転軸12、12は、同期して回転駆動可能な構造とする。
【0024】
このような掘削ビット131aにより、硬質な岩盤などに長円形の断面の孔を開設することができる。
尚、掘削ビット131aの掘削片135の形成数は三本に限られるものでなく、二本もしくは三本以上であってもよい。
また、ケーシング11の断面形状は、長円形に限られるものでなく、その他非円形状であってもよい。
【0025】
【実施例5】
前記実施例4の掘削装置10において、ハンマ13aが打撃機能を具備しない場合もある。
すなわち、各ハンマ13a先端の掘削ビット131aの先端位置をほぼ面一に揃えておき、回転軸12およびハンマ13aを介して掘削ビット131aを回転させる共に、回転軸12およびハンマ13aを介して掘削ビット131aに推進力を与えて掘削を行う。
掘削ビット131aの形状や掘削機能などは前述の実施例4と同様である。
本実施例の場合、掘削時の騒音を低減しながら、硬質な岩盤等を非円形に掘削することが可能となる。
また、掘削ビット131aの先端位置をほぼ面一に揃えることで、先行するビットの方へ掘削方向がズレていくことを回避できる。
尚、本実施例の掘削装置10において、ハンマ13aを設けず、回転軸12の先端部分に直接、掘削ビット131aを取り付けて構成しても勿論良い。
【0026】
【実施例6】
前記掘削装置10は、ベースマシンのアーム先端に取り付けられ先行掘削装置を把持するための把持装置と、その把持装置の下方に拡幅機構を介して取り付けらた主掘削装置を備えた掘削マシン20の一部として用いる場合もある。
つまり、その掘削マシン20の先行掘削装置として、掘削装置10を用いる場合もある。
【0027】
掘削マシン20は、図8に示すように、ベ−スマシン21のア−ム211の先端に装備した伸縮自在の把持装置22と、この把持装置22に把持される岩盤内へ押し込まれる先行掘削装置と、前記把持装置22の下縁に沿って掘削装置10周囲を回転移動する主掘削装置23とにより構成されている。
【0028】
(1)ベ−スマシン(図8)
ベ−スマシン21は走行可能に構成され、ア−ム211の先端には把持装置22を複数のジャッキ等により首振り自在に装備している。
このベ−スマシン21の重量は、先行掘削時の反力のみを受け得る重さであればよいため、従来のベ−スマシンよりもかなり軽量にできる。
【0029】
(2)把持装置
把持装置22は、環状のフレ−ム221、222、223を、複数の伸縮ジャッキ224a、224bにより分離、合体可能に構成した中空筒状体である。
ベ−スマシン21のア−ム211の先端部は、中間のフレ−ム222の外周面に軸着されている。
【0030】
また、フレ−ム221及び222の内面側には軸線と直交する方向に伸縮する複数の小型ジャッキ225a、225bが内蔵されており、これらによって掘削装置10の外周を把持できる構成となっている。
【0031】
(3)先行掘削装置
先行掘削装置には、前記実施例1〜5の掘削装置10が採用できるが、更にケーシング11の下部においてその外周から拡がる拡張手段15を設けておく。
【0032】
(4)主掘削装置
主掘削装置23は、把持装置22に把持された掘削装置10の周囲を移動自在であって、かつ掘削装置10から任意の距離だけ隔離自在に、把持装置22の下部に取り付けられている。
例えば、把持装置22の下部に筒状を呈する回転体231を配設して掘削装置10を挿通させて把持装置22に対し回転自在とし、その回転体231の外周面に拡幅機構232を介して主掘削ビット233を取り付けた構造とする。
拡幅機構232は、図8のようなクランク機構のものが採用できるが、ジャッキ式のものなどその他公知の機構であってもよい。
拡幅機構232の伸縮により主掘削ビット233の掘削装置10からの距離を任意に設定することができる。
【0033】
次に、上記のように構成した掘削マシン20による掘削方法について説明する。 先ず、掘削装置10で先行掘削を行う。
即ち、図9に示すように把持装置22のジャッキ225aを把持状態、ジャッキ225bを開放状態、伸縮ジャッキ224aを伸長状態にセットした後、伸縮ジャッキ224aを収縮させベ−スマシン21に反力をとって、掘削装置10を岩盤内へ押込んで掘削していく。
掘削装置10を所定深度まで押し込んだら拡張手段15を拡げておく。
掘削装置10における掘削は、前記実施例1〜5に示す通りに行えばよい。
つまり、掘削装置10により非円形の孔が開設される。
【0034】
次に、主掘削装置10による掘削を行う。
即ち、図9のように主掘削装置23を作動させ、掘削装置10の周囲を掘削していく。
拡幅機構232を伸縮させることにより拡幅掘削が可能となる。
また、回転体231を回転制御し、かつ拡幅機構232の伸縮を制御することにより任意の断面形状に孔を開設することができる。
その際、主掘削装置23を支持している掘削装置10は断面非円形であるから、主掘削装置23の回転掘削に伴って、共回りすることがない。
【0035】
主掘削装置23を岩盤90内へ押し込む場合は、図10のように、ジャッキ225bを把持状態とし、伸縮ジャッキ224bを伸長し掘削装置10に反力をとって行う。
そして、伸縮ジャッキ224bが伸び切ったところまで掘り下げたら、図11のように、伸縮ジャッキ224a、224bを収縮させて主掘削装置23を掘削面より上昇させて1サイクルを終了する。
【0036】
次のサイクルにおいては、前述同様に掘削装置10をさらに深くまで押込む工程から始まる。
以下同様に主掘削が繰り返され、所定の深度まで主掘削が達したら作業終了となる。
【0037】
【発明の効果】
本発明は以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<イ> ケーシング下端からハンマの掘削ビットを延出させ、ハンマを揺動することにより掘削ビットを移動させて掘削可能とした。
このため、掘削ビットの移動により、硬質な岩盤などに非円形の孔を開設することができる。
<ロ> ケーシング内面とハンマ途上との間にシリンダを架設し、そのシリンダを複数を備え、それらの伸縮を制御可能としたことにより、ハンマ先端の掘削ビットが移動自在となる。
従って、硬質な岩盤などに任意の形状の孔を開設することができる。
<ハ> 掘削ビットの掘削面を凸面鏡状に突出させた。
このため、ハンマが揺動しながら掘進する際、前方又は側方の岩盤を掘削ビットで確実に掘削できる。
従って、掘削能率が向上する。
<ニ> ケーシング内に回転軸を複数配し、それら回転軸にハンマを接続し、ハンマ先端に複数の掘削片を形成した掘削ビットを設けた。
このため、各掘削ビットの掘削面を重複させて掘削できるので、非円形の孔を開設できる。
<ホ> ケーシング内に回転軸を複数配し、それらの回転軸の先端に掘削ビットを取り付け、その掘削ビットはハンマ軸心から円周方向に突出する複数の掘削片を形成し、その先端を揃えて配置する構造とした。
このため、掘削方向のズレを回避することができる。
<ヘ> 掘削マシンの先行掘削装置として、非円形断面で掘削可能な掘削装置を用いることにより、主掘削装置の掘削の際に、主掘削装置の回転掘削に伴って先行掘削装置が共回りすることがなく、確実な掘削作業が行える。
<ト> 掘削断面の縁部に複数のケーシングを連続して打設し支保しながらそれら内側の掘削を行う掘削工法において、断面長尺状ケーシングを用いることにより、断面円形のケーシングを用いて行う場合に比べ、打設するケーシングの数が少なくて済み、効率良く掘削が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の掘削装置の説明図
【図2】 図1におけるII−IIの断面図
【図3】 掘削ビットの説明図
【図4】 掘削工法の説明図
【図5】 実施例3の説明図
【図6】 実施例4の説明図
【図7】 実施例4の説明図
【図8】 実施例6の説明図
【図9】 実施例6の説明図
【図10】 実施例6の説明図
【図11】 実施例6の説明図
Claims (14)
- 断面が非円形であるケーシングと、
そのケーシング内に配設した回転軸と、
その回転軸と曲折自在かつ回転力伝達可能に接続され、下端に装備した掘削ビットを前記ケーシング下端から延出し、その掘削ビットに打撃力を付与するハンマと、
断面が非円形であるケーシング内面とハンマ途上との間に架設され、伸縮することによりハンマを揺動させるシリンダとにより構成し、
前記ハンマを揺動することにより、掘削ビットを移動させてケーシング全断面を掘削可能とした、
掘削装置。 - 断面を長円形としたケーシングと、
そのケーシング内に配設した回転軸と、
その回転軸と曲折自在かつ回転力伝達可能に接続され、下端に装備した掘削ビットを前記ケーシング下端から延出し、その掘削ビットに打撃力を付与するハンマと、
ケーシング内面とハンマ途上との間に架設され、伸縮することによりハンマを揺動させるシリンダとにより構成し、
前記ハンマを揺動することにより、掘削ビットをケーシング長手方向へ往復移動させることを特徴とする、
掘削装置。 - 請求項1乃至2のいずれかに記載の掘削装置において、
前記シリンダを複数設け、
それらの伸縮を制御し、任意の断面に掘削可能としたことを特徴とする、掘削装置。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の掘削装置において、
前記掘削ビットは、掘削面が凸面鏡状に突出していることを特徴とする、掘削装置。 - ケーシングと、
そのケーシング内に複数配設した回転軸と、
それらの回転軸に接続され、下端に装備した掘削ビットを前記ケーシング下端から延出し、その掘削ビットに回転力と打撃力を付与するハンマとを備え、
前記掘削ビットは、ハンマ軸心から円周方向に突出する複数の掘削片を形成してなる、
掘削装置。 - ケーシングと、
そのケーシング内に複数配設した回転軸と、
それらの回転軸の先端に接続されて前記ケーシング下端から延出し、回転力と推進力により掘削する掘削ビットとを備え、
前記掘削ビットは、ハンマ軸心から円周方向に突出する複数の掘削片を形成し、その先端を揃えて配置してなることを特徴とする、
掘削装置。 - 請求項5または6記載の掘削装置において、
前記ケーシングは、
断面が長円形であることを特徴とする、
掘削装置。 - ベースマシンのアーム先端に装備した伸縮自在の把持装置と、
この把持装置の中空部内に把持装置により把持、開放可能に挿通したケーシングと、
そのケーシング内に配設した回転軸と、
その回転軸と曲折自在かつ回転力伝達可能に接続され、下端に装備した掘削ビットを前記ケーシング下端から延出し、その掘削ビットに打撃力を付与するハンマと、
ケーシング内面とハンマ途上との間に架設され、伸縮することによりハンマを揺動させるシリンダと、
前記把持装置の下方に取り付けられ前記先行掘削装置の周囲を回転移動自在としかつ先行掘削装置からの距離を変更自在とした主掘削装置とにより構成し、前記ハンマを揺動することにより、
掘削ビットを移動させてケーシング全断面を掘削可能とした、
掘削装置。 - 請求項8に記載の掘削装置において、
前記ケーシングは、断面が非円形であることを特徴とする、
掘削装置。 - ベースマシンのアーム先端に装備した伸縮自在の把持装置と、
この把持装置の中空部内に把持装置により把持、開放可能に挿通し、断面を長円形としたケーシングと、
そのケーシング内に配設した回転軸と、
その回転軸と曲折自在かつ回転力伝達可能に接続され、下端に装備した掘削ビットを前記ケーシング下端から延出し、その掘削ビットに打撃力を付与するハンマと、
ケーシング内面とハンマ途上との間に架設され、伸縮することによりハンマを揺動させるシリンダと、
前記把持装置の下方に取り付けられ前記先行掘削装置の周囲を回転移動自在としかつ先行掘削装置からの距離を変更自在とした主掘削装置とにより構成し、
前記ハンマを揺動することにより、掘削ビットをケーシング長手方向へ往復移動させることを特徴とする、
掘削装置。 - 請求項8乃至10のいずれかに記載の掘削装置において、
前記シリンダを複数の設け、
それらの伸縮を制御し、
掘削断面を任意に設定可能としたことを特徴とする、
掘削装置。 - ベースマシンのアーム先端に装備した伸縮自在の把持装置と、
この把持装置の中空部内に把持装置により把持、開放可能に挿通したケーシングと、
そのケーシング内に複数配設した回転軸と、
それらの回転軸に接続され、下端に装備した掘削ビットを前記ケーシング下端から延出し、その掘削ビットに回転力と打撃力を付与するハンマと、
前記把持装置の下方に取り付けられ前記先行掘削装置の周囲を回転移動自在としかつ先行掘削装置からの距離を変更自在とした主掘削装置とにより構成し、
前記掘削ビットは、ハンマ軸心から円周方向に突出する複数の掘削片を形成してなる、
掘削装置。 - ベースマシンのアーム先端に装備した伸縮自在の把持装置と、
この把持装置の中空部内に把持装置により把持、開放可能に挿通したケーシングと、そのケーシング内に複数配設した回転軸と、
それらの回転軸の先端に接続されて前記ケーシング下端から延出し、回転力と推進力により掘削する掘削ビットとを備え、
前記把持装置の下方に取り付けられ前記先行掘削装置の周囲を回転移動自在としかつ先行掘削装置からの距離を変更自在とした主掘削装置とにより構成し、
前記掘削ビットは、
ハンマ軸心から円周方向に突出する複数の掘削片を形成し、その先端を揃えて配置してなることを特徴とする、
掘削装置。 - 壁面の掘削すべき断面の縁部に沿って複数のケーシングを連続して打設し、ケーシングを支保しながらそれら内側の掘削を行う掘削工法であって、
前記ケーシングの打設は、
請求項1乃至13のいずれかに記載の掘削装置を壁面に打設し、
ケーシングを壁面内に残置して行うことを特徴とする、
掘削工法。
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