JP2016056552A - 円形立坑掘削装置の下降方法および上昇方法 - Google Patents

円形立坑掘削装置の下降方法および上昇方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大型のクレーン等を使用することなく、重量物である円形立坑掘削装置を作業用立坑内等の高低差のある場所へ下降および上昇する方法を提供する。【解決手段】次の工程を有する円形立坑掘削装置1の下降方法。(1)昇降用円形ケーシング30の上部を主バンド5で締め付けて、かつ副バンド7を開き、昇降シリンダ4を用いて副バンド7を下降させる工程。(2)副バンド7を締め付け、主バンド5を開き、昇降シリンダ4により主バンド5を下降させる工程。(3)(1)、(2)を繰り返しながら、昇降用円形ケーシング30に沿って円形立坑掘削装置1を所定の位置まで下降させる工程。これにより、円形立坑掘削装置1の設置、撤去が大型の移動式クレーンを使用しないでできるため、狭隘な現場での重量物の設置、撤去作業が可能となる。また、大型クレーンを使用しないので、高額な使用料を払う必要がなくなり、工費を節減することができる。【選択図】図3

Description

本発明は、土木建設工事において、円形ケーシングを使用して円形立坑を構築する円形立坑掘削装置の昇降方法に関する。
土木現場では、重量物である円形立坑掘削装置の設置は、重量に見合った能力のクレーンにより昇降、移動を行っている。
例えば、特許文献1には、円形ケーシングを揺動圧入または旋回圧入して立坑を掘削する円形立坑掘削装置において、円形ケーシングの外周を保持する主バンドと、主バンドと高さの異なる位置にあって、円形ケーシングの外周を保持する副バンドと、主バンドを円形ケーシングの外周に締め付ける主バンド締め付け手段と、主バンドを昇降させる昇降手段と、主バンドを揺動または旋回させる主バンド駆動手段と、副バンドを前記円形ケーシングの外周に締め付ける副バンド締め付け手段を設けた円形立坑掘削装置が開示されている。
一方、特許文献2には、日々の作業の終了後に円形立坑掘削装置(チュービング装置)を撤去することを不要とし、工期の短縮を図るために、地中に円形立坑掘削装置の外形および高さよりも大きな容積の作業用立坑を構築し、構築した作業用立坑内に円形立坑掘削装置を設置し、該円形立坑掘削装置で鋼製ケーシングまたはコンクリート製ケーシングを圧入していき、ケーシング内部の土砂を掘削手段により掘削するとともに排出手段により排出し、一日の作業が終了したら円形立坑掘削装置を作業用立坑内に残したまま作業用立坑の上部に覆工板を設置する立坑構築方法が記載されている。
特開2007−113280号公報(特許第4693586号) 特許第5241804号公報
工場等の荷役設備が整っている環境と違い、土木工事現場ではそのような荷役設備が無いために、特許文献1に記載されたような重量物である円形立坑掘削装置を、特許文献2に記載されたような作業用立坑内等の高低差のある場所への設置作業は移動式クレーンを使用するのが一般的である。
しかし、重量物が20トン以上になると、大型のクレーンが必要となる。ところが土木工事現場は狭隘な場所も多く、大型の移動式クレーンが使用できない場所も多い。また大型クレーンの使用料も高額となるため、工費が嵩む要因となっていた。
そこで本発明は、大型のクレーン等を使用することなく、重量物である円形立坑掘削装置を作業用立坑内等の高低差のある場所へ下降および上昇する方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の第1の構成は、
円形ケーシングの外周を保持する主バンドと、
前記主バンドと高さの異なる位置にあって、前記円形ケーシングの外周を保持する副バンドと、
前記主バンドを前記円形ケーシングの外周に締め付ける主バンド締め付け手段と、
前記主バンドを前記副バンドに対して昇降させるバンド昇降手段と、
前記主バンドを揺動または旋回させる主バンド駆動手段と、
前記副バンドを前記円形ケーシングの外周に締め付ける副バンド締め付け手段を備えた円形立坑掘削装置の下降方法であって、第1の構成である上昇方法とは逆の手順での下降方法、すなわち次の工程を有する円形立坑掘削装置の下降方法である。
(1)昇降用円形ケーシングの上部を前記主バンドで締め付けて、かつ前記副バンドを開き、前記バンド昇降手段を用いて前記副バンドを下降させる工程。
(2)前記副バンドを締め付け、前記主バンドを開き、前記バンド昇降手段により前記主バンドを下降させる工程。
(3)(1)、(2)を繰り返しながら、昇降用円形ケーシングに沿って円形立坑掘削装置を所定の位置まで下降させる工程。
また、本発明の第2の構成は、第1の構成の円形立坑掘削装置の下降方法に用いる円形立坑掘削装置の、次の工程を有する上昇方法である。
(1)昇降用円形ケーシングの下部を副バンドで締め付けて、かつ主バンドを開き、前記バンド昇降手段を用いて前記主バンドを上昇させる工程。
(2)前記主バンドを締め付け、前記副バンドを開き、前記バンド昇降手段により前記副バンドを上昇させる工程。
(3)(1)、(2)を繰り返しながら、昇降用円形ケーシングに沿って円形立坑掘削装置を所定の位置まで上昇させる工程。
本発明によれば、土木工事現場等の荷役設備が整っていない現場での、重量物である円形立坑掘削装置の設置、撤去が大型の移動式クレーンを使用しないでできるため、狭隘な現場での重量物の設置、撤去作業が可能となる。
また、大型クレーンを使用しないので高額な使用料を払う必要がなくなり、工費を節減することができる。
本発明の実施の形態に係る円形立坑掘削装置を示す平面図である。 本発明の実施の形態に係る円形立坑掘削装置を示す側面図である。 本発明の実施の形態に係る円形立坑掘削装置の下降方法の第1工程を示すものであり、(a)は側面図、(b)は断面図である。 本発明の実施の形態に係る円形立坑掘削装置の下降方法の第2工程を示すものであり、(a)は側面図、(b)は断面図である。 本発明の実施の形態に係る円形立坑掘削装置の下降方法の第3工程を示すものであり、(a)は側面図、(b)は断面図である。 本発明の実施の形態に係る円形立坑掘削装置の下降方法の第4工程を示すものであり、(a)は側面図、(b)は断面図である。 本発明の実施の形態に係る円形立坑掘削装置の下降方法の第5工程を示すものであり、(a)は側面図、(b)は断面図である。 本発明の実施の形態に係る円形立坑掘削装置の下降方法の第6工程を示すものであり、(a)は側面図、(b)は断面図である。 本発明の実施の形態に係る円形立坑掘削装置の下降方法の第7工程を示すものであり、(a)は側面図、(b)は断面図である。 本発明の実施の形態に係る円形立坑掘削装置の下降方法の第8工程を示すものであり、(a)は側面図、(b)は断面図である。
以下、本発明を、図面に示す実施の形態を参照しながら具体的に説明する。
図1、図2において、円形立坑掘削装置1は、ベースフレーム2と昇降フレーム3とを有し、昇降フレーム3はバンド昇降手段である昇降シリンダ4により、ベースフレーム2に対して昇降駆動される。
図3(b)に示すように、昇降フレーム3には、主バンド5が旋回ベアリング6により旋回自在に取り付けられており、またベースフレーム2には、副バンド7が取り付けられている。
昇降フレーム3には、主バンド5を円形ケーシング(後述)の外周に対して締め付ける主バンド締め付け手段としての主バンド締め付けシリンダ(図示せず)と、主バンド5を揺動または旋回させる主バンド駆動手段としての旋回油圧モータ8,9,10が設けられている。
ベースフレーム2には、副バンド7を円形ケーシング(後述)の外周に対して締め付ける副バンド締め付け手段としての副バンド締め付けシリンダ(図示せず)が設けられている。
図中、9は昇降フレーム3の下側から取り付けた旋回油圧モータ、8,10は昇降フレーム3の上側から取り付けた旋回油圧モータ、11はベースフレーム2の傾斜を調節するアウトリガー、12は後述のレール25の端部まで円形立坑掘削装置1を移動するためのレール、13はコロ引きローラである。なお、旋回油圧モータ9を昇降フレーム3の下側から取り付けたのは、円形立坑掘削装置1をベースマシン(図示せず)に接続して使用する場合に、ベースマシンと反対側の旋回油圧モータ9が設けられている方から円形ケーシングを搬入する際に、昇降フレーム3の上部に突起をなくし、円形ケーシングを搬入しやすくするためである。
また、20は作業用立坑、21は地盤と作業用立坑20を区画する土留め材、22は土留め材21の間隔を保持する腹起し、23は受け桁、24は覆工板、25はレール、26は作業用立坑の底盤、30は昇降用円形ケーシングである。
以下、以上の構成の円形立坑掘削装置1の昇降方法について説明する。
まず、図1、図2に示すように、作業用立坑20内に、円形立坑掘削装置1を昇降させるための昇降用円形ケーシング30を設置する。この場合、昇降用円形ケーシング30が地上より出ないようにする。作業用立坑20の上部には円形立坑掘削装置1を水平移動するためのレール25を設置する。
次に、円形立坑掘削装置1をコロ引きローラ13等を使用して、昇降用円形ケーシング30が主バンド5の中心になるように移動させる。その後、下記の工程で円形立坑掘削装置1を下降する。
(1)図3に示すように、主バンド5、副バンド7を開にし、上部の昇降用円形ケーシング30を主バンド5、副バンド7内に挿入し、上部の昇降用円形ケーシング30と下部の昇降用円形ケーシング30とをボルト等で接続する。
(2)主バンド5で昇降用円形ケーシング30を締め付け、昇降用円形ケーシング30に円形立坑掘削装置1を固定し、バンド昇降手段である昇降シリンダ4によりベースフレーム2を若干持ち上げて、円形立坑掘削装置1の水平移動のためのレール25を撤去する。
(3)図4に示すように、バンド昇降手段である昇降シリンダ4を用いて副バンド7およびベースフレーム2を下降する。
(4)図5に示すように、副バンド7で昇降用円形ケーシング30を締め付ける。
(5)図6に示すように、主バンド5を開いて、昇降シリンダ4により主バンド5および昇降フレーム3を下降する。
(6)図7に示すように、主バンド5で昇降用円形ケーシング30を締め付ける。
(7)図8に示すように、副バンド7を開き、昇降シリンダ4で副バンド7およびベースフレーム2を下降する。
(8)(4)〜(7)を繰り返し、図9に示すように円形立坑掘削装置1を作業用立坑20内の所定の位置まで下降する。
その後、図10に示すように昇降用円形ケーシング30を撤去し、円形立坑掘削装置1の設置を完了する。
円形立坑掘削装置1を作業用立坑20内部に設置した後、円形ケーシングを用いて円形立坑を掘削するが、その掘削作業は、特許文献1において開示された方法を用いて実施することができる。
掘削工事終了後の円形立坑掘削装置1の地上への上昇は、上述した下降の逆の手順での作業となる。
すなわち、図示しないが、
(1)昇降用円形ケーシングの下部を副バンドで締め付けて、かつ主バンドを開き、昇降用シリンダを用いて主バンドを上昇させる。
(2)次いで主バンドを締め付け、副バンドを開き、昇降シリンダにより副バンドを上昇させる。
(3)(1)、(2)を繰り返しながら、昇降用円形ケーシングに沿って円形立坑掘削装置を所定の位置まで上昇させる。
本発明は、土木建設工事において、円形ケーシングを使用して円形立坑を構築する円形立坑掘削装置の現場における昇降に、好適に利用することができる。
1 円形立坑掘削装置
2 ベースフレーム
3 昇降フレーム
4 昇降シリンダ
5 主バンド
6 旋回ベアリング
7 副バンド
8,9,10 旋回油圧モータ
11 アウトリガー
12 レール
13 コロ引きローラ
20 作業用立坑
21 土留め材
22 腹起し
23 受け桁
24 覆工板
25 レール
26 底盤
30 昇降用円形ケーシング

Claims (2)

  1. 円形ケーシングの外周を保持する主バンドと、
    前記主バンドと高さの異なる位置にあって、前記円形ケーシングの外周を保持する副バンドと、
    前記主バンドを前記円形ケーシングの外周に締め付ける主バンド締め付け手段と、
    前記主バンドを前記副バンドに対して昇降させるバンド昇降手段と、
    前記主バンドを揺動または旋回させる主バンド駆動手段と、
    前記副バンドを前記円形ケーシングの外周に締め付ける副バンド締め付け手段を備えた円形立坑掘削装置の下降方法であって、次の工程を有する円形立坑掘削装置の下降方法。
    (1)昇降用円形ケーシングの上部を前記主バンドで締め付けて、かつ前記副バンドを開き、前記バンド昇降手段を用いて前記副バンドを下降させる工程。
    (2)前記副バンドを締め付け、前記主バンドを開き、前記バンド昇降手段により前記主バンドを下降させる工程。
    (3)(1)、(2)を繰り返しながら、昇降用円形ケーシングに沿って円形立坑掘削装置を所定の位置まで下降させる工程。
  2. 請求項1記載の円形立坑掘削装置の下降方法に用いる円形立坑掘削装置の、次の工程を有する上昇方法。
    (1)昇降用円形ケーシングの下部を副バンドで締め付けて、かつ主バンドを開き、前記バンド昇降手段を用いて前記主バンドを上昇させる工程。
    (2)前記主バンドを締め付け、前記副バンドを開き、前記バンド昇降手段により前記副バンドを上昇させる工程。
    (3)(1)、(2)を繰り返しながら、昇降用円形ケーシングに沿って円形立坑掘削装置を所定の位置まで上昇させる工程。
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