JP2004175897A - 発泡性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐火性・難燃性に優れた発泡性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】低融点ガラス及び金属炭酸塩を含有する樹脂組成物である。好ましくは、樹脂成分100重量部に対して、低融点ガラスを5〜300重量部、金属炭酸塩を5〜300重量部含有し、前記低融点ガラス及び金属炭酸塩の合計量が、10〜600重量部であり、かつ前記低融点ガラスが、前記金属炭酸塩の脱炭酸温度以下の軟化温度を有する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発泡性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、低融点ガラス系化合物を配合した難燃性樹脂組成物がいくつか知られている。例えば、下記特許文献1には、スチレン系樹脂組成物の火種の滴下抑制剤として、低融点のガラス状化合物を用いる例が開示されている。また、下記特許文献2には、樹脂の分解温度以下で溶融する無機化合物を含有する難燃性樹脂組成物が開示されている。これらの特許文献において、低融点ガラス系化合物は、樹脂の燃焼時に溶融して被膜を形成し熱や酸素を遮断するため、難燃効果が発揮されることになる。しかしながら、上記組成物は難燃性を目的とする組成物であり、耐火用途に適用することは困難であった。
【0003】
一方、耐火性樹脂組成物としては、例えば、下記特許文献3には、石油樹脂に耐火性付与粉体及び靱性付与剤を含有する耐火シート用材料が開示されている。この樹脂組成物は発泡剤を含有しており、加熱時に発泡断熱層を形成し耐火性能を発揮することになる。しかしながら、石油樹脂は軟化点が低いためシート自体の凝集力が小さく、鉄骨の被覆材として使用した場合には、夏場などに温度が上昇するとダレが生じてシート厚みが薄くなり、その結果耐火性能を発揮しなくなる問題があった。
【0004】
また、熱膨張性黒鉛を含有する耐火性樹脂組成物が、いくつか開示されている。
これらの組成物では、加熱時に膨張断熱層を形成するが、連続気泡的な膨張層であるため、独立気泡系の断熱層に比べると、熱伝導率は大きく断熱性能は低くなる。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−221572号公報
【特許文献2】
特開平7−309970号公報
【特許文献3】
特開平8−302852号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑み、耐火性・難燃性に優れた発泡性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究をすすめた結果、発泡性樹脂組成物として、低融点ガラス及び金属炭酸塩を含有する組成物が、優れた耐火性能及び難燃性能を発揮することを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は、低融点ガラス及び金属炭酸塩を含有する樹脂組成物である。ここで、該樹脂組成物が、樹脂成分100重量部に対して、低融点ガラスを5〜300重量部、金属炭酸塩を5〜300重量部含有し、前記低融点ガラス及び金属炭酸塩の合計量が、10〜600重量部であることが好ましい。また、上記低融点ガラスが、上記金属炭酸塩の脱炭酸温度以下に軟化温度を有することが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の発泡性樹脂組成物は、低融点ガラス及び金属炭酸塩を含有することを特徴とする。
【0010】
上記樹脂組成物の樹脂成分としては特に限定されない。例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリペンテン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂;天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、1,2−ポリプタジエンゴム(1,2−BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレンゴム(EPR,EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アクリルゴム(ACM,ANM)、エピクロルヒドリンゴム(CO,ECO)、多加硫ゴム(T)、シリコーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM,FZ)、ウレタンゴム(U)等のゴム物質;ポリウレタン、ポリイソシアネート、ポリイソシアヌレート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0011】
これらの樹脂のうち、後述する金属炭酸塩の脱炭酸温度が低い炭酸塩を配合する場合に、混練が可能であるという観点から、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、なかでもポリエチレン系樹脂が好ましい。ポリエチレン系樹脂としては、例えば、エチレン単独重合体、エチレンを主成分とする共重合体、これらの混合物、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等が挙げられる。上記エチレンを主成分とする共重合体としては、例えば、エチレン部を主成分とするエチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられ、α−オレフィンとしては、例えば、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−ブテン、1−ペンテン等が挙げられる。エチレン−α−オレフィン共重合体の具体的商品としては、デュポンダウ社製の商品名「エンゲージ」、エクソンモービルケミカル社製の商品名「EXACT」等の市販品が挙げられる。これらのポリオレフィン系樹脂は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、耐火用途として用いる場合に、性能をより向上させるために充填剤を多量に配合することが可能であるという観点から、上述のゴム物質が好ましい。
【0012】
さらに、本発明の耐火性樹脂組成物からの成形体を、様々な材料への積層や施工時での部材への仮止めを可能にするため、樹脂組成物に粘着性が付与されていることが好ましい。このような観点から、ゴム物質に粘着付与樹脂、可塑剤、油脂類、低重合物等を添加するのが好ましい。
【0013】
上記粘着付与樹脂としては特に限定されず、例えば、ロジン、ロジン誘導体、ダンマル樹脂、コーパル、クマロン−インデン樹脂、ポリテルペン、非反応性フェノール樹脂、アルキッド樹脂、石油系炭化水素樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0014】
上記可塑剤は、単独で粘着牲を発現させることは難しいが、上記粘着付与樹脂との併用で粘着性を向上させることができる。具体的には、例えば、フタル酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤、セバシン酸エステル系可塑剤、リシノール酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、塩化パラフィン等が挙げられる。
【0015】
上記油脂類は、可塑剤と同じ作用を有するため、可塑性付与と粘着調整剤の目的で用いることができる。上記油脂類としては特に限定されず、例えば、動物性油脂、植物性油脂、鉱物油、シリコーン油等が挙げられる。
【0016】
上記低重合物は、粘着性付与以外に耐寒性向上、流動調整の目的を兼ねて用いることができる。上記高分子低重合物としては特に限定されず、例えば、上記例示のゴム物質の低重合体や、ポリブテン系樹脂等が挙げられる。
【0017】
さらに、樹脂自体の難燃性を上げて耐火性又は難燃性を向上させるという観点から、フェノール樹脂、エポキシ樹脂が好ましい。特に、分子構造の選択が広範囲で、用途に応じて樹脂組成物の力学物性や耐火性又は難燃性を調整することが容易であることから、エポキシ樹脂が好ましい。
【0018】
エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、基本的にはエポキシ基を持つモノマーと硬化剤を反応させて得られる樹脂である。上記エポキシ基を持つモノマーとしては、2官能のグリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、多官能のグリシジルエーテル型が挙げられる。
【0019】
上記2官能のグリシジルエーテル型のモノマーとしては、例えば、ポリエチレングリコール型、ポリプロピレングリコール型、ネオペンチルグリコール型、1、6−ヘキサンジオール型、トリメチロールプロパン型、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、プロピレンオキサイド−ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型等が挙げられる。上記2官能のグリシジルエステル型のモノマーとしては、例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸型、テトラヒドロ無水フタル酸型、ダイマー酸型、p−オキシ安息香酸型等が挙げられる。また、上記多官能のグリシジルエーテル型としては、例えば、フェノールノボラック型、オルトクレゾール型、DPPノボラック型、ジシクロペンタジエン・フェノール型等が挙げられる。これらは単独でも、2種類以上混合して用いてもよい。
上記エポキシ基を持つモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0020】
上記硬化剤は、重付加型、触媒型のものが挙げられる。重付加型の硬化剤としては、アミン類、酸無水物、ポリフェノール、ポリメルカプタン等が挙げられる。また、上記触媒型の硬化剤としては、例えば、3級アミン、イミダゾール類、ルイス酸、ルイス塩基等が挙げられる。
【0021】
また、上記エポキシ樹脂には、他の樹脂が添加されていてもよい。他の樹脂の添加量が多くなると、エポキシ樹脂の効果が発現されなくなるので、エポキシ樹脂1に対して他の樹脂の添加量は5(重量比)以下が好ましい。
【0022】
上記エポキシ樹脂には、可撓性が付与されてもよく、可撓性を付与する方法としては、次の方法が挙げられる。
(1)架橋点間の分子量を大きくする。
(2)架橋密度を小さくする。
(3)軟質分子構造を導入する。
(4)可塑剤を添加する。
(5)相互侵入網目(IPN)構造を導入する。
(6)ゴム状粒子を分散導入する。
(7)ミクロボイドを導入する。
【0023】
上記(1)の方法は、予め分子鎖の長いエポキシモノマー及び/又は硬化剤を用いて反応させることで、架橋点の間の距離が長くなり可携性を発現させる方法である。硬化剤として、例えばポリプロピレンジアミン等が用いられる。
【0024】
上記(2)の方法は、官能基の少ないエポキシモノマー及び/又は硬化剤を用いて反応させることにより、一定領域の架橋密度を小さくして可撓性を発現させる方法である。硬化剤として、例えば2官能アミンが用いられ、エポキシモノマーとして、例えば1官能エポキシ等が用いられる。
【0025】
上記(3)の方法は、軟質分子構造をとるエポキシモノマー及び/又は硬化剤を導入して可撓性を発現させる方法である。硬化剤として、例えば複素環状ジアミンが用いられ、エポキシモノマーとして、例えばアルキレンジグリコールシグリシジルエーテル等が用いられる。
【0026】
上記(4)の方法は、可塑剤として非反応性の希釈剤、例えば、DOP、タール、石油樹脂等を添加する方法である。
上記(5)の方法は、エポキシ樹脂の架橋構造に、別の軟質構造をもつ樹脂を導入する相互侵入網目(IPN)構造で可撓性を発現させる方法である。
【0027】
上記(6)の方法は、エポキシ樹脂マトリックスに液状又は粒状のゴム粒子を配合分散させる方法である。エポキシ樹脂マトリックスとしてポリエステルエーテル等が用いられる。
【0028】
上記(7)の方法は、1μm以下のミクロボイドをエポキシ樹脂マトリックスに導入させることにより、可撓性を発現させる方法である。エポキシ樹脂マトリックスとして、分子量1000〜5000のポリエーテルが添加される。
【0029】
上記エポキシ樹脂の剛性、可撓性を調整することによって、硬い板状物から柔軟性を有するシート状のものまで成形が可能となり、耐火性又は難燃性の要求される様々な部位に適応できる。
上記樹脂は、いずれも単独で用いても、樹脂の溶融粘度、柔軟性、粘着性等の調整のため2種以上の樹脂をブレンドしたものを用いてもよい。
【0030】
さらに、樹脂組成物の耐火性又は難燃性を阻害しない範囲で、樹脂の架橋や変性が施されていてもよい。架橋又は変性の方法としては特に限定されず、公知の方法で行うことができる。架橋又は変性は、本発明で用いる各種充填剤を配合した後、又は配合と同時に行ってもよく、あるいは予め架橋又は変性した樹脂を用いてもよい。
【0031】
本発明の発泡性樹脂組成物は、上記樹脂に低融点ガラス及び金属炭酸塩からなる組成物である。低融点ガラスは軟化して表面に被膜を形成し、さらに金属炭酸塩が脱炭酸することにより発泡断熱層が形成する。この発泡層は、独立気泡的な断熱層なため熱伝導率が低く、優れた耐火性能を発揮する。また燃焼時に、発泡層が樹脂の分解を抑制するとともに、分解物の拡散を遮断するため、高い難燃性を発現する。
【0032】
本発明における低融点ガラスとは、1000℃以下の温度で軟化又は溶融するガラスを指す。本発明で用いる低融点ガラスとしては、併用する金属炭酸塩の脱炭酸温度以下に軟化温度を有するものであれば特に限定されないが、用いる樹脂の分解温度付近に軟化温度を有する低融点ガラスが好ましい。
【0033】
上記低融点ガラスとしては、Si、Al、B、P、Zn、Fe、Cu、Ti、V、Zr、W、Mo、Tl、Sb、Sn、Cd、As、Pb、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン、カルコゲンからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素と酸素からなる低融点ガラスが挙げられる。その構成成分の具体例としては、B、P、ZnO、SiO、Bi、Al、BaO、CaO、MgO、MnO、ZrO、TiO、CeO、SrO、V、SnO、LiO、NaO、KO、CuO、Fe等があげられるが、これらに限定されるものではない。上記構成成分の割合は軟化温度の条件を満たすように適宜決定される。
上記低融点ガラスは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0034】
上記金属炭酸塩としては、特に限定されず、例えば、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等が挙げられる。
これらの金属炭酸塩は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0035】
上記炭酸金属塩のうち、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウムは、単独では脱炭酸開始温度がそれぞれ600℃、800℃と非常に高温であるが、併用する低融点ガラスの組成によっては、その温度が低下し、より発泡倍率を高めることになる。上記発泡性樹脂組成物は、さらに難燃剤を配合させてもよい。上記難燃剤としては、無機系難燃剤、リン系難燃剤等が挙げられる。
【0036】
上記無機系難燃剤としては、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等が、リン系難燃剤としては、赤リン、ホスフェート等の各種リン酸エステル、リン酸金属塩、ポリリン酸アンモニウム類等が挙げられる。
上記低融点ガラス又は金属炭酸塩の粒径としては、0.5〜100μmが好ましく、より好ましくは1〜50μmである。
【0037】
上記低融点ガラス又は金属炭酸塩は、添加量が少ないときは、分散性が性能を大きく左右するため、粒径の小さいものが好ましいが、0.5μm未満になると二次凝集が起こり、分散性が悪くなる。添加量が多いときは、高充填が進むにつれて、樹脂組成物の粘度が高くなり成形性が低下するが、粒径を大きくすることで樹脂組成物の粘度を低下させることができる点から、粒径の大きいものが好ましい。また、粒径が100μmを超えると、成形体の表面性、樹脂組成物の力学的物性が低下する。
【0038】
上記樹脂組成物において、低融点ガラスの配合量は、樹脂成分100重量部に対して5〜300重量部が好ましい。配合量が5重量部未満では、加熱時に形成される被膜が十分でないため耐火性又は難燃性が低下し、300重量部を超えると機械的強度の低下が大きく、使用に耐えられなくなる。
【0039】
上記樹脂組成物において、金属炭酸塩の配合量は、樹脂成分100重量部に対して5〜300重量部が好ましい。配合量が、5重量部未満では、脱炭酸量が少なく十分な発泡断熱層が形成されなくなるため耐火性又は難燃性が低下し、300重量部を超えると機械的強度の低下が大きく、使用に耐えられなくなる。
【0040】
上記低融点ガラス及び金属炭酸塩の合計量は、樹脂成分100重量部に対して10〜600重量部が好ましい。合計量が、10重量部未満になると十分な発泡断熱層が得られず、600重量部を超えると機械的強度の低下が大きく、使用に耐えられなくなる。
【0041】
上記低融点ガラスと金属炭酸塩の配合比は、低融点ガラス:金属炭酸塩の比が10:1〜1:10が好ましく、さらに5:1〜1:5がより好ましい。前記範囲より低融点ガラスの配合比が多くなると、表面に形成される皮膜が多くなり、発泡が困難になるため、また金属炭酸塩が多くなると、脱炭酸量が多くなり、形成皮膜が崩壊する。
【0042】
さらに難燃剤を添加させる場合、難燃剤の配合量は、樹脂成分100重量部に対して、5〜300重量部が好ましい。また、低融点ガラス、金属炭酸塩及び難燃剤の合計量は、樹脂成分100重量部に対して15〜600重量部が好ましい。合計量が、15重量部未満になると十分な発泡断熱層が得られず、600重量部を超えると機械的強度の低下が大きく、使用に耐えられなくなる。
【0043】
本発明の発泡性樹脂組成物は、該樹脂組成物のシート状成形体にて50kw/mの照射熱量下で30分問加熱した時に、加熱前の厚み(D)と加熱後の厚み(D’)の関係が、
D’/D=1.1〜40
であるものが好ましい。
【0044】
上記50kw/mの照射熱量は、中規模火災を想定した熱量であり、コーンカロリーメーターなどの熱量を一定に制御可能な装置にて行われる。上記加熱前の厚み(D)に対する加熱後の厚み(D’)の比(D’/D)は、1.1を下回ると膨張層の厚みが小さいため、耐火性能及び難燃性能を十分に発揮することができない。
また40を超えると膨張層の強度が低下するため、用途によっては耐火性能を発揮しない場合がある。D’/Dは、より好ましくは、3〜30である。
【0045】
また、上記発泡牲組成物を耐火用途としてシート状にて使用する場合は、厚さ0.3〜40mmが好ましい。0.3mm未満であると、耐火性能を十分に発揮することができない。また40mmを超えると、シート重量が重くなり、施工性が低下する。
【0046】
また、本発明の耐火性樹脂組成物には、その物性を損なわない範囲で、さらにフェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料等が添加されてもよい。
【0047】
本発明で用いる樹脂組成物は、上記各成分を押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、二本ロール等、また樹脂成分がエポキシ樹脂の場合は、さらに、ライカイ機、遊星式攪拌機等、公知の混練装置を用いることにより得ることができる。また、エポキシ基を持つモノマーと硬化剤とに別々に充填剤を混練しておき、成形直前にスタチックミキサー、ダイナミックミキサー等で混合してもよい。
【0048】
上記熱可塑性樹脂又はゴム物質からなる樹脂組成物の成形方法としては、上記混練物を例えば、プレス成形、カレンダー成形、押出成形等、公知の方法を用いることができる。
【0049】
上記エポキシ樹脂からなる樹脂組成物の成形方法としては、上記混練物を、例えば、プレス成形、ロール成形、コーター成形、押出成形、射出成形等、適宜形状に応じて、公知の方法を用いることができる。
【0050】
上記エポキシ樹脂の硬化方法は、特に限定されず、プレスやロールにより成形時に同時に加熱する方法、あるいは成形した後、加熱炉に投入して加熱する方法等、公知の方法によって行うことができる。
【0051】
本発明の発泡性樹脂組成物は、種々の用途に好適に使用することができる。好ましい用途としては、柱、梁、床、壁、屋根など建物の主要構造部、防火戸、目地部、区画貫通部、コンクリートの爆裂防止、換気部等、耐火性能の要求される幅広い用途に適用可能であり、また、高い難燃性を有するため、電気・電子材料、建築用材料、自動車・車両材料等に適用可能であるが、これらに限定されるものではない。
【0052】
【作用】
本発明の発泡性樹脂組成物は、火災等の加熱時に、低融点ガラスが軟化して表面に被膜を形成し、さらに金属炭酸塩が脱炭酸することにより発泡断熱層を形成する。この発泡層は、独立気泡的な断熱層であるため熱伝導率が低く、優れた耐火性能を発揮する。また、発泡層が燃焼時に、樹脂の分解物を抑制するとともに、分解物の拡散を遮断するため、高い難燃性を発現する。
【0053】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を掲げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜5、比較例1〜2]
下記表1に示した配合量(重量部)のエチレン−酢酸ビニル共重合体(東ソー社製「ウルトラセン751」)、ブチルゴム(エクソンモービルケミカル社製「ブチルゴム#065」)、ポリブテン(出光石油化学社製「ポリブテン100R」)、水添石油樹脂(トーネックス社製「エスコレッツ5320」)、エポキシモノマー(ジャパンエポキシレジン社製「E807」)、(エポキシ用)硬化剤(ジャパンエポキシレジン社製「FL052」)、リン酸アルミニウム塩系低融点ガラス(日本琺瑯釉薬社製「4020」、軟化温度:380℃)、リン酸系低融点ガラス(日本フェロー社製「01−4102P」、軟化温度:420℃)、ホウ酸リチウム系低融点ガラス(旭テクノグラス社製「FF209」、軟化温度:450℃)、炭酸カルシウム(備北粉化工業社製「BF300」)、炭酸ストロンチウム(堺化学社製)、水酸化マグネシウム(共和化学社製「キスマ5A」)をロールにて混練し、実施例1〜5、比較例1〜2の樹脂組成物を得た。
【0054】
得られた樹脂組成物を加熱プレス機でプレスして評価用シートを作製した。下記に示す方法にて評価を行った結果を同じく下記表1に示す。これらのうち、実施例4、5は、100℃にて3時間加熱プレス機で加熱硬化し、シートを作成した。
(1)膨張倍率:コーンカロリーメーター(アトラス社製CONE2)を用いて、長さ100mm、幅100mm、厚み2.0mmのシートに、50kw/mの照射熱量下で30分問加熱した時の厚みを測定し、
膨張倍率=加熱後の厚み/加熱前の厚み
を算出した。
(2)耐火性能:コーンカロリーメーター(アトラス社製CONE2)を用いて、長さ100mm、幅100mm、厚さ4.0mmの試験片に、35kw/m(水平方向)の照射熱量を30分間与えた後、試験片の裏面(加熱面の反対面)の温度を測定し、温度が260℃以下のものを○、260℃を超えるものを×とした。
(3)酸素指数:酸素指数測定装置(東洋精機社製)を用いて、長さ100mm、幅50mm、厚み2.0mmのシートの酸素指数を測定し、数値が28以上のものを○、28未満のものを×とした。
【0055】
【表1】
Figure 2004175897
【0056】
【発明の効果】
本発明により得られる発泡性樹脂組成物は、火災時の加熱により発泡断熱層が形成され、優れた耐火性能を発揮するため、柱、梁、床、壁、屋根など建物の主要構造部、防火戸、目地部、区画貫通部、コンクリートの爆裂防止、換気部等、耐火性能の要求される幅広い用途に適用可能である。また、高い難燃性を有するため、電気・電子材料、建築用材料、自動車・車両材料等、難燃の要求される幅広い用途に適用可能である。

Claims (3)

  1. 低融点ガラス及び金属炭酸塩を含有することを特徴とする発泡性樹脂組成物。
  2. 樹脂成分100重量部に対して、低融点ガラスを5〜300重量部、金属炭酸塩を5〜300重量部含有し、前記低融点ガラス及び金属炭酸塩の合計量が、10〜600重量部であることを特徴とする請求項1に記載の発泡性樹脂組成物。
  3. 低融点ガラスが、金属炭酸塩の脱炭酸温度以下の軟化温度を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡性樹脂組成物。
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