JP2004175261A - モータ用駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、モータ用駆動装置、特に電気自動車モータ動力伝達用駆動装置における振動低減構造を提供する。
【解決手段】本駆動装置によれば、駆動装置の入力軸に駆動力が伝達されるときに、該入力軸の軸方向でモータハウジング側にスラスト力が発生するように前記一組のギアをヘリカルギアとして形成し、入力軸に発生したスラスト力をモータ側の入力軸を支持するベアリングのインナーレースに作用させる作用部を入力軸に形成し、インナーレース作用したスラスト力をボールベアリングのアウターレースを介して前記モータハウジングの壁部に作用させることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の動力伝達装置、特に電気自動車用駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気自動車において車両駆動用モータの動力を駆動車輪に伝達するための駆動装置は、概ねモータの動力を出力する出力軸に連結される入力軸と、入力軸に伝達された動力を伝送するカウンタ軸と、カウンタ軸からの動力を車輪に伝達させる出力軸とで構成されている。これら駆動装置内に設けられた各軸は軸周りに付与されたギアを介して互いに他の軸に接続されることによってモータの動力を車輪に伝達する。また、駆動装置は内部で上記各軸を回転可能に支持するために各軸の両側にベアリングを配列している。
【0003】
これらのベアリングのうち入力軸のモータ側端を支持する第2ベアリングについてはモータの出力軸の支点も兼用しており、その内径部はモータの出力軸と嵌合している。モータ出力軸と駆動装置の入力軸とは、動力(トルク)を確実に伝達するためにスプライン嵌合で連結されている。このスプライン部の嵌合は、連結する各軸の全周にわたりそれぞれ等間隔に軸方向に延びるキー状の凹凸をつける連結方法であり、回転中に連結される各軸が軸方向相対的に多少移動することを甘受し、また嵌合部に遊びがなく半永久的に結合されたいわゆるセレーション嵌合等の場合を除き、一般的に軸と穴とで勘合するような場合よりもルーズな連結状態であり、同心度も低いものとなる。
【0004】
従って、モータで発生する高周波な振動や音がモータ出力軸から第2ベアリングに伝達されたときに該振動等を抑制することができず、むしろ振動が増幅される。この振動等はモータケースに伝達され、モータケースがスピーカのような膜面振動を起こす原因となる。
【0005】
これに対してカウンタ軸のようにスプライン部を圧入嵌合させ、軸の回転時の振動を回避する方法も考えられるが入力軸においては、駆動装置をモータケースに取り付けるときの組立作業性を悪化させることとなり直ちに採用することは困難である。
【0006】
また、単独の第2ベアリングの代替としてモータ出力軸を担持するベアリングと入力軸を担持するベアリングとを2つの異なるベアリングとし、該2つのベアリングの間で両軸をスプライン嵌合させて連結することも考えられるが、2つのベアリング及びこれを受容するためのスペースが大きくなり、結果、駆動装置の大型化、重量増加を招き好ましくない。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−230489号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上の問題に鑑みて本発明は、モータ用の駆動装置におけるモータケースの振動を低減し且つ駆動装置のモータケースへの組立性が良好な駆動装置の振動低減構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、車両駆動用モータのモータ軸に連結する入力軸と、前記入力軸に対して平行に配置され駆動車輪側に連結される出力軸と、前記入力軸から出力軸への動力伝達をなす少なくとも一組のギアを備えたモータ用駆動装置であって、前記モータ軸の出力側端と前記入力軸の入力側端とを同軸に保持してモータの駆動力を前記入力軸に伝達できるように接続させる接続部と、該接続部をモータハウジングに対して回転自在に支持するベアリングとを備え、前記少なくとも一組のギヤは前記入力軸に駆動力が伝達されるときに、該入力軸の軸方向で前記モータハウジング側にスラスト力が発生するように構成されたヘリカルギアで形成され、前記入力軸は、該入力軸に発生したスラスト力を前記ベアリングのインナーレース(内輪)に作用させる作用部を有し、該インナーレースに作用した前記スラスト力は、前記ベアリングのアウターレース(外輪)を介して前記モータハウジングに作用する、ことを特徴とするモータ用駆動装置を提供する。
【0010】
モータを内包するモータハウジングに取り付けられる駆動装置においてモータ出力軸と駆動装置内の入力軸との接続部(例えば、図3の参照番号10a)はスプライン嵌合により接続され、嵌合状態がルーズであるためモータが発生させる振動を抑えることができず、両軸の接続部に位置するベアリング(モータケースに設けられてモータハウジングを構成する)を介してモータケースに振動が増幅して伝達されることは上述した通りである。本発明の駆動装置によれば、モータから発生される高周波の振動や音によってモータケースが膜面振動を起こすことを防止することができる。具体的には、駆動装置の入力軸にモータハウジング方向のスラスト力を発生させ、該スラスト力を入力軸の作用部(例えば、図3のツバ要素11参照)を介してモータ側に設けられるベアリングに作用させ、モータハウジングを押さえ付ける。これにより、モータケースに生じる膜面振動を抑制することができる。また、駆動装置の入力軸に発生するスラスト力の作用方向をモータハウジング方向にさせるためには、駆動装置の入力軸に付与されカウンタ軸へモータの動力を伝達させるためのギアをヘリカルギアとしている。このヘリカルギアは、歯スジが捩れているために回転時に互いに逆方向のスラスト力が作用されて噛み合い率を向上させる働きを有する。従って、互いに噛み合う入力軸のギアとカウンタ軸のギアとの構成において入力軸のギアがモータハウジングのスラスト力を発生させ、カウンタ軸のギアがモータハウジングと反対方向のスラスト力を発生させるように組み合わせることで、入力軸ではモータハウジング方向のみにスラスト力が作用することとなる。従って、本駆動装置によれば、駆動装置本来の機能を達成させ、別途の手段の付与又はモータケース等(モータハウジング)の重量増加をさせることなくモータケースの膜面振動を防止することができる、すなわち本駆動装置の構成はモータ動力伝達装置としての機能を果たすと同時に振動低減装置としての機能をも有することができる。
【0011】
また、本発明の駆動装置は、前記入力軸のモータハウジングと反対側端を支持する第1ベアリングと該入力軸のモータハウジング側端を支持する第2ベアリングとを備え、前記少なくとも一組のギアのうち前記入力軸に配置されるギアは、第1ベアリング近傍に配置され、さらに、前記第1ベアリングは、入力軸方向のスラスト力が作用しないように配置されることが好ましい。
【0012】
上述してきたように駆動装置の入力軸にモータハウジング方向のスラスト力を作用させるとモータケース(及びこれに取り付けられる駆動装置)の振動を防止することができるが、入力軸を駆動装置内で支持するために軸の両端に設けられたベアリングには大きな力が作用する。具体的にベアリングには、カウンタ軸にヘリカルギアを介して動力伝達する際に入力軸に作用するラジアル力に加え、上述したようにスラスト力を作用させる。特に上述するようにモータ側に設けられたベアリング(「第2ベアリング」と称す)にはできるだけ大きなスラスト力を作用させる必要があり、その結果、大きなスラスト力を第2ベアリングに作用させようとするとベアリングの耐久性を向上させるべく大型のものを設ける必要が生じる。しかしながら、第2ベアリングの大型化は駆動装置内の他の必須部品配置スペースと連関して駆動装置全体の大型化、重量増加を招致させる結果となり好ましくない。この問題を解決するために好ましい本駆動装置として第2ベアリングにはスラスト力を全て受容させる一方、ラジアル力を最小限にする手段が講じられている。具体的には、入力軸に付与されカウンタ軸に動力伝達させるためのるギアをモータと反対側の入力軸端近傍、すなわち第1ベアリング近傍に配置し、さらに第1ベアリングには入力軸からのスラスト力が作用しないように第1ベアリングに対して入力軸を軸方向に自由にさせる。このように構成すると、モータと反対側に位置する第1ベアリングには大きなラジアル力が作用するがスラスト力が作用せず、モータ側に位置する第2ベアリングには小さなラジアル力と大きなスラスト力が作用することとなる。なぜなら、ギアの位置とラジアル力との関係を示す図4に参照する通り、ベアリングに作用するラジアル力はギアに近くなると大きく作用し、ギアに遠くなると小さく作用する性質を有するからである。換言すれば、ここにいう好ましい本駆動装置の場合には、第1ベアリングがラジアル力の大半を担持し、第2ベアリングがスラスト力を全て担持することとなり、両ベアリングがそれぞれラジアル力とスラスト力との略一方を担持することとなる。これにより、第1ベアリング又は第2ベアリングのどちらかが一方が過剰に大型化し、ラジアル力を担持可能なベアリングとスラスト力を担持可能なベアリングとを組み合わせて第1(又は第2)ベアリングを構成させたりする必要性を回避することができる。従って、モータケース及びこれに取り付けられる駆動装置の大型化、重量増加を防止することができる。
【0013】
上述してきたように本発明の駆動装置では入力軸に作用するスラスト力をモータ側に位置する第2ベアリングを押さえ付けることにより膜面振動等を防止することとしている。これを容易に達成するために、ここでは入力軸周りにツバ(鍔)要素を設け、該ツバ要素により第2ベアリング端の一部を押さえ付ける手段を提供する。
【0014】
以上、本発明の内容について説明してきたが、理解を助けるために本発明の具体的な実施形態を添付図面を参照しつつ説明することとする。
【0015】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の駆動装置の説明の前提として電気自動車用駆動装置の構成を示すスケルトン図2を参照しつつ説明する。この図に示すように、本実施形態の車両用駆動装置(以下、単に「駆動装置」と称す)1は、車両に搭載されたバッテリBからの電力供給を受けて出力軸Sに回転動力を与える電動モータMを原動機としており、いわゆる電気自動車に搭載される型の車両用自動駆動装置である。
【0016】
この駆動装置1における入力軸10は駆動装置ケース5の内部において第1ベアリング51及び第2ベアリング52(第2ベアリング52は後述するモータケース5aに取り付けられている)により軸回り回転自在に支持されており、電動モータMの出力軸Sと直結結合されている。カウンタ軸20は入力軸10と平行な位置に第3ベアリング53及び第4ベアリング54により軸回り回転自在に支持されている。
【0017】
入力軸10上に固定された第1ギア(メインギア)12はカウンタ軸20上に固定された第2ギア(カウンタギヤ)22と常時噛み合い、電動モータMより入力軸10に入力された回転動力は、これら第1ギア12及び第2ギア22を介してカウンタ軸20に伝達される。カウンタ軸20上における第2ギア22の右方位置には第3ギヤ(ファイナルドライブギア)24が設けられており、この第3ギア24は、ディファレンシャルケース30に固定された第4ギヤ(ファイナルドリブンギア)32と常時噛み合っている。
【0018】
ディファレンシャルケース30の内部には2つのディファレンシャルピニオン34及び2つのサイドギア36a、36bには左右の出力軸42a、42bが固定されている。これら左右の出力軸42a、42bの中心軸は入力軸10及びカウンタ軸20の回転軸と平行に配置されており、ディファレンシャルケース30はこれら左右の出力軸42a、42bの中心軸を回転軸として回転できるように第5ベアリング55及び第6ベアリング56により支持されている。また、左右の出力軸42a、42bの端部には図示しない駆動車輪が取り付けられている。
【0019】
図2に示すように、駆動装置1の駆動装置ケース5は右側ケース5aと左側ケース5bとからなっており、各ケース5a、5bは、複数の接合ボルトにより接合されるようになっており、右側ケース5aの右方には電動モータMが複数のモータ取付ボルトにより取り付けられている。
【0020】
ここで、図2に示すようにカウンタ軸20上における第2ギヤ22の左方位置にはパーキングギア26が固定されているが本発明の内容とは直接関係しないため説明を省略する。
【0021】
次に、図1、4を参照しつつ本発明の駆動装置1において入力軸10に作用する力を説明する。この図1は上述したスケルトン図2の駆動装置1の実際の部分断面図である。
【0022】
まず、図1に示すように入力軸10の回転動力をカウンタ軸20に伝達するための第1ギヤ12は、カウンタ軸20に付与され第1ギヤ12と噛み合う第2ギヤ22と協働するヘリカルギヤで構成される。ヘリカルギヤである第1ギヤ12は上述した通り互いに軸方向反対にスラスト力が作用する特性を有する。具体的に第1ギヤ12は、図3に示すように歯すじが捩れており、入力軸10が回転すると1個1個の歯が第2ギヤ22の歯と面接触し、入力軸の軸線に対して傾斜する歯面同士が互いに押圧しあうことで噛み合い率を向上させているものであるために回転方向のみならず軸方向に力、すなわちスラスト力が作用する。例えば、入力軸10が矢印X方向に回転(モータMの通常回転方向)した場合には、矢印Y方向にスラスト力が作用する。
【0023】
次に上記スラスト力をモータハウジング、すなわちモータケース5aに伝達する手段について説明する。再び図1を参照すれば入力軸10のモータ側端は第2ベアリング52で支持されている。この第2ベアリング52はモータケース5aと一体に形成されており、モータ出力軸Sはベアリング52のインナーレース52bに接触して回転する。また、入力軸10はモータ出力軸Sとは前者を雄部分、後者を雌部分としたスプライン嵌合で連結される。入力軸10に作用するスラスト力を第2ベアリング端面52aのインナー側の端面に作用(第2ベアリング52のインナーレース52bに作用)させればモータケース5aをモータ方向に押さえ付けることができる。すなわち、第2ベアリング端面52aのインナー側に作用されたスラスト力は、図示しない第2ベアリング52のアウターレース52cから第2ベアリング担持部分5cを介してモータケース5aに伝達され、結果、モータケース5aをモータ方向(図1の右方向)に押さえ付けることとなる。このようなスラスト力を用いた押さえ付けは出力軸10と一体に付与されたツバ部(ツバ要素)11により行う。具体的には、図3に示すようなツバ部11の当接面11bが第2ベアリング端面52aのインナー端面の端面に当接するように形成される(図1も参照)。このとき、入力軸10の回転により当接面11bも回転するのに対して第2ベアリング52の端面52aは回転しないため、磨耗するおそれがある。本実施形態においては図3に示すように当接面11b、特に第2ベアリング端面52aに当接する部分に潤滑油が流れる溝11aを設けている。
【0024】
詳細に説明すれば、入力軸10は潤滑油を通すための貫通穴10bを設けた中空構造をなしている。入力軸10内には図3の左方向から潤滑油が供給され、モータ出力軸Sとの接続部であるスプライン部10aに供給される。スプライン部10aを通った潤滑油は、ツバ部11に設けられた溝部11aに流入し、入力軸10の回転遠心力により外部に飛ばされる。これにより、潤滑油がスプライン部の磨耗を防止できると同時にツバ部11の当接面11aとこれに当接する第2ベアリング端面52aのインナー側の端面と磨耗を防止することができる。
【0025】
さらに、第1ギヤ12で発生するスラスト力の分配について考える。上述したようにスラスト力はモータ方向(図1における右方向)に作用することが判ったが、第2ベアリング52に分配されるスラスト力が大きくなければ、上記押さえ付けの効果が弱いものとなる。従って、本実施形態では、入力軸10を支持する第1ベアリング51と、第2ベアリング52とへのスラスト力の分配作用について、第1ベアリング51への分配を無くし、第2ベアリング52に対する入力軸10の軸方向の移動を許容する構成とすることにより、スラスト力を第2ベアリング52に作用させている。
【0026】
次に入力軸10に付与される第1ギア12の配列位置と入力軸10に作用するラジアル力(入力軸の半径周囲方向に作用する力)との関係について説明する。
図4は駆動装置1内部に配置された各ギヤ12、22、24、32と、各軸10、20、42に付与された各ベアリング51〜56との位置関係を示した模式図である。この図のうち入力軸10に関して説明すれば、例えば第1ギヤ12が第1ベアリング51から距離bで第2ベアリング52から距離aに位置する場合、第1及び第2ベアリングに作用する第1ギヤでのラジアル力F1、F2は、
F1:F2 = b:a
の関係を有することとなる。
従って、入力軸10の両端を支持する第1及び第2ベアリング51、52へのラジアル力の伝達分配は第1ギヤ12が近づくほど大きくなり、遠ざかれば遠ざかるほど小さくなる。この関係は、出力軸42を支持する第5及び第6ベアリング55、56についても同様である。但し、カウンタ軸20を支持する第3及び第4ベアリング53、54については逆方向のラジアル力が第2及び第3ギヤ22、24から作用するために各ギヤから分配された逆方向のラジアル力がそれぞれのベアリング53、54で相殺されて差の分配ラジアル力が作用する。従って、第1及び第2ベアリング51、52に注目すれば、本実施形態では第1ギヤ12が第1ベアリング51近傍に配置されるためラジアル力の大部分は第1ベアリング51に分配され、第2ベアリング52への分配は小さいものとなることが判る。
【0027】
ここで第1及び第2ベアリング51、52に作用する力をラジアル力と上述したスラスト力との相関で考えてみる。第1ベアリング51には大きなラジアル力が作用するがスラスト力は作用しない。一方、第2ベアリング52にはスラスト力が全て作用するが小さなラジアル力しか作用しない。概して言えば、ラジアル力は主として第1ベアリング51が受容し、スラスト力は第2ベアリング52が受容することとなる。従って、本実施形態の構成を採用すれば、第2ベアリング52に大きなスラスト力を作用させ、モータケース5aの膜面振動を防止することができるにもかかわらず、一方、特に第2ベアリング52に過度な力を作用させず、第1及び第2ベアリング51、52に適正に力を分配させることができ、第2ベアリング52の耐久性向上に伴う大型化、重量増加を回避することができる。
【0028】
また、本実施形態の構成を採用すれば、第1及び第2ベアリング51、52を小型化することができるため、駆動装置1内の各軸間距離を短縮でき、結果、駆動装置1を小型化することができる。また、本実施形態においては、第1及び第2ベアリング51、52に作用する力配分を適正化できる。
【0029】
以上、第1及び第2ベアリング51、52に作用する力に主に注目し、モータケースの膜面振動の防止する手段について説明してきたが、駆動装置全体における各ギヤの位置関係に基づいて各ベアリングに作用するラジアル力とスラスト力との関係の適正化することは駆動装置の小型化に重要である。以下、電気自動車用駆動装置において考えられる各ギヤの構成を具体的に検証する。
【0030】
図5〜7を参照すれば、駆動装置1の考えうる各ギヤ及び軸の構成の模式図である。なお、図5(a)においては参照番号を付した要素は番号を付すことを略した他の図でも同様に存在し、参照するものとする。また、図5〜7に示す例では出力軸に作用するスラスト力が出力と反対側の場合を除いている。上述したようにギアをベアリング近傍に配置すると大きなラジアル力が分配作用し、第6ベアリング56にスラスト力と大きなラジアル力とが作用する。しかしながら、駆動装置はモータの回転速度を減速しつつ回転動力を増幅させるものであるため、このようなギヤ配置をすれば第6ベアリングに過大な力が作用する。従って、ここでいう各ギヤ及び軸の構成を検討するまでもないため、図5〜7から除いている。
【0031】
図5(a)に示す構成は上述した本発明の実施形態と同様の場合である。この構成の場合、既に説明したようにモータケースの膜振動を防止でき、さらに入力側(モータ側)と逆に出力軸42が延びているため大きなモータMを配置するスペースを確保することができる。図5(b)の場合、第1ベアリング51と第3ベアリング53とにそれぞれに大きなラジアル力とスラスト力が作用、すなわち作用する負荷が大きいため、第1及び第2ベアリング51、53を大型化する必要がある、又は大出力のモータを備えることができない。図5(c)の場合も、同様に第1ベアリング51への負荷が大きく、大型化を招く。さらにこの場合、出力軸42がモータ側(図中右方向)に延びているため出力軸42とモータMの下部とを所定距離d以上離間させる必要があり、モータMを大型化(大出力化)することができない。図6(d)の場合、カウンタ軸20に作用するスラスト力が同方向であり相殺されず第3ベアリング53への負荷が大きいために第3ベアリング53の大型化を招く。またこの場合にも図6(c)の場合と同様にモータMを大出力化できない。図6(e)の場合、力のバランスは良好であるが第2ベアリング52に大きなラジアル力が印加され、駆動装置の大型化を招くという問題がある。図6(f)の場合にも第2ベアリング52に大きなラジアル力が印加され駆動装置の大型化を招くと同時にカウンタ軸20に作用するスラスト力が相殺されない第4ベアリング54への負荷が過大になる。図7(g)の場合にも、第2ベアリング52がスラスト力と大きなラジアル力とを受容することとなり、大型化、重量増を招くと同時にカウンタ軸20に作用するスラスト力が相殺されない。さらに、図7(h)の場合も、第2ベアリング52がスラスト力と大きなラジアル力とを受容することとなり、大型化、重量増を招く。従って、図5〜7に示す構成において好ましい構成は、本発明の実施形態として例示された駆動装置と同様の場合である(a)の構成であることが理解されよう。
【0032】
【発明の効果】
本発明の駆動装置によれば、入力軸のスラスト力をモータ側方向第2ベアリングに作用させることにより、モータが発生する比較的高周波の振動等により生じるモータケースの膜面振動を防止し、駆動装置外部に伝わる増幅された振動や音を抑制することができる。また、本駆動装置によれば入力軸を支持する第1及び第2ベアリングに適正な力を配分することができるため、力が偏よって作用するベアリングの大型化、重量増加を招くことを防止でき、ひいては駆動装置全体としての小型化、軽量化を達成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の駆動装置の断面図である。
【図2】本発明の駆動装置の構成を示すスケルトン図である。
【図3】本発明の駆動装置の入力軸を示す斜視図である。
【図4】駆動装置内の各ギヤ及び各ベアリングの位置と各ベアリングに作用するラジアル力との関係を示した模式図である。
【図5】駆動装置において考えうる各ギヤ及び軸の構成の模式図である。
【図6】駆動装置において考えうる各ギヤ及び軸の構成の模式図である。
【図7】駆動装置において考えうる各ギヤ及び軸の構成の模式図である。
【符号の説明】
1…駆動装置
5…ケース
10…入力軸
12…第1ギヤ
20…カウンタ軸
22…第2ギヤ
24…第3ギヤ
32…第4ギヤ
42…出力軸
51…第1ベアリング
52…第2ベアリング
53…第3ベアリング
54…第4ベアリング
55…第5ベアリング
56…第6ベアリング
S…モータ出力軸
M…モータ

Claims (2)

  1. 車両駆動用モータのモータ軸に連結する入力軸と、
    前記入力軸に対して平行に配置され駆動車輪側に連結される出力軸と、
    前記入力軸から出力軸への動力伝達をなす少なくとも一組のギアを備えたモータ用駆動装置であって、
    前記モータ軸の出力側端と前記入力軸の入力側端とを同軸に保持してモータの駆動力を前記入力軸に伝達できるように接続させる接続部と、
    該接続部をモータハウジングに対して回転自在に支持するベアリングとを備え、
    さらに、前記少なくとも一組のギヤは、前記入力軸に駆動力が伝達されるときに、該入力軸の軸方向で前記モータハウジング側にスラスト力が発生するように構成されるヘリカルギアで形成され、
    前記入力軸は、該入力軸に発生したスラスト力を前記ベアリングのインナーレースに作用させる作用部を有し、該インナーレースに作用した前記スラスト力は前記ベアリングのアウターレースを介して前記モータハウジングに作用する、ことを特徴とするモータ用駆動装置。
  2. 前記駆動装置は、前記入力軸のモータハウジングと反対側端を支持する第1ベアリングと該入力軸のモータハウジング側端を支持する第2ベアリングとを備え、
    前記少なくとも一組のギアのうち前記入力軸に配置されるギアは、第1ベアリング近傍に配置され、
    さらに、前記第1ベアリングは、入力軸方向のスラスト力が作用しないように配置されることを特徴とする、請求項1に記載のモータ用駆動装置。
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