JP2004174440A - 自走式破砕機および自走式破砕機の輸送方法 - Google Patents

自走式破砕機および自走式破砕機の輸送方法 Download PDF

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徹 中山
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新平 池内
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Abstract

【課題】組み立て、解体が容易となる自走式破砕機を提供する。
【解決手段】自走式破砕機1を、本体部ユニット10、この本体部ユニット10に搭載される供給部ユニット20、ジョークラッシャ30、およびパワーユニット40とを備えて構成し、これら供給部ユニット20、ジョークラッシャ30、およびパワーユニットは、それぞれ自走式破砕機1の外方に露出したボルト80によって本体部ユニット10に結合される。そのため、本体部ユニットに対する各ユニット等の結合作業が外方での結合作業となり、広いスペースでの作業が可能となって工具も差し入れやすい等、取り扱いも容易となる。さらに、他の装置が邪魔とならず、その結果、自走式破砕機の組み立て、解体が容易となる。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自走式破砕機および自走式破砕機の輸送方法に関する。
【0002】
【背景技術】
自走式破砕機では、パワーショベル等の積込機により掘削された岩石等の原材料が投入用ホッパ内に投下され、その原材料は、ホッパの下部側に設けられた振動式のグリズリフィーダを経由して破砕機に送られ、その破砕機で破砕される。破砕された破砕物は破砕機の排出口から排出コンベア等の排出装置の基端側に落とされ、グリズリフィーダから落下した原材料とともに先端側に送られ、先端側から落下して堆積されるようになっている。
以上のような自走式破砕機を遠隔地の現場で使用する場合、小型の自走式破砕機であれば、輸送用トレーラ等に搭載してその現場まで移動している。これに対して、大型の自走式破砕機であれば、輸送用トレーラ等に搭載できたとしても、道路輸送上許可される高さ制限や重量制限等に抵触して輸送できない場合があるため、自走式破砕機を機能部分毎に解体して輸送用トレーラ等に搭載し、輸送している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1の自走式破砕機では、エンジンや油圧ポンプ等を備えたパワーユニットと、走行等をコントロールするコントロールユニットと、クラッシャユニットと、ホッパ・フィーダユニットと、コンベアユニットとが、フレームユニットに対して着脱自在に構成されている。そして、各ユニット同士は、ボルトによって締着されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−299839公報(第2頁、図3,4)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記特許文献1の自走式破砕機では、各ユニット同士の組み立て、解体が容易でないという問題がある。
すなわち、上記自走式破砕機では、例えばパワーユニットとフレームユニットとのボルトによる締着は、パワーユニットがフレームユニットの後部に配置されて行われるが、これらが組み立てられた状態の上記図3を参照にすると、パワーユニットの走行スペース部(運転台)はフレームユニットの後部上方を完全に覆っており、パワーユニットをボルトによってフレームユニットの後部に取り付けるには、作業者がパワーユニットとフレームユニットに設けられた走行装置との隙間に入り込んでボルトを締着する必要がある。このため、狭い場所での窮屈な姿勢による取り付け作業となり、自走式破砕機の組み立て、解体が容易でない。
【0006】
ところで、工作物や重量物等を道路輸送する際には、前述のように、高さ制限や重量制限等が法規制されている。
ところが、大型の自走式破砕機の中には、機能部位毎に複数のユニットに解体して、ユニット毎に輸送するようにしても、ユニットによっては、重量制限を超えるものがある。例えばジョークラッシャ(破砕機)には、岩石等の原材料を破砕するために固定ジョーとスイングジョーとが設けられており、これらの固定ジョーとスイングジョーとは、ジョークラッシャ全体の重量に対してかなりの比重を占めている。自走式破砕機が大型化すれば、例えばジョークラッシャも大型化することになって重量も重くなり、重量制限等の法規制に抵触し、クラッシャユニットそのままの状態では輸送できないことになる。
一方で、自走式破砕機が、例えば採石場で数年にわたる長い期間、一定の砕石場内に配置され、ほぼ砕石プラントとして使用されるものがある。このような場合、効率よく稼働させるために、ますます大型の自走式破砕機が望まれており、自走式破砕機を解体したユニットが道路輸送上の重量制限を超えるものとなっても、容易に輸送できる方法が望まれている。
【0007】
本発明の一つの目的は、組み立て、解体が容易となる自走式破砕機を提供することにある。
本発明の他の目的は、複数に解体したユニットを道路輸送上の法規制に抵触することなく容易に輸送できる自走式破砕機の輸送方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段と作用効果】
本発明の請求項1記載の自走式破砕機は、下部走行体を備えた本体部ユニットと、この本体部ユニットにそれぞれ着脱自在に搭載される原材料供給用の供給部ユニット、破砕機、および動力供給用のパワーユニットとを備え、これら供給部ユニット、破砕機、およびパワーユニットは、それぞれ自走式破砕機の外方に露出した結合手段によって前記本体部ユニットに結合されていることを特徴とする。
【0009】
このような本発明によれば、供給部ユニット、破砕機、およびパワーユニットの、本体部ユニットに対する取り付けが、それぞれ外方に露出した結合手段によって行われるので、ユニット等の外方での結合作業となり、広いスペースでの作業が可能となって工具も差し入れやすい等、取り扱いも容易となる。さらに、他の装置が邪魔とならず、その結果、自走式破砕機の組み立て、解体が容易となる。
【0010】
本発明の請求項2に記載の自走式破砕機は、前記供給部ユニット、破砕機、パワーユニット、および本体部ユニットには外方に突出した突出片部が設けられ、前記結合手段は、前記各突出片部の上下に対向し合う結合面同士を結合するボルトであることを特徴とする。
このような本発明によれば、供給部ユニット、破砕機、パワーユニットと本体部ユニットとを結合するには、それぞれに設けられた突出片部の結合面同士をボルトで結合すればよく、ユニットの外方でボルトを結合させての作業となり、作業効率が向上する。
【0011】
本発明の自走式破砕機の輸送方法は、前記請求項1または請求項2に記載の本体部ユニット、供給部ユニット、破砕機、パワーユニット、および排出装置を、それぞれ個別に輸送用トレーラ上に載置して輸送する際、前記破砕機を構成する重量部品を、前記本体部ユニット、供給部ユニット、およびパワーユニットのいずれかと同じ輸送用トレーラで輸送することを特徴とする。
【0012】
このような本発明によれば、自走式破砕機を解体したとき破砕機から重量部品を取り外して、破砕機以外のユニット等と同じ輸送用トレーラで輸送することができるので、重量部品の分だけ軽量化され、破砕機の輸送が可能となる。また、破砕機の重量部品を他のユニットと同じ輸送用トレーラで輸送することができるので、大型の自走式破砕機であっても解体して、道路輸送上の法規制に抵触することなく容易に輸送できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
〔全体構成の概略説明〕
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図5は、本実施形態に係る自走式破砕機1を示す正面図、背面図、右側面図、左側面図、および平面図である。なお、本実施形態では説明の便宜上、図3中の右側を前方側、左側を後方側とする。
【0014】
自走式破砕機1は、ビルの解体現場等に配置されてコンクリート塊やアスファルト塊の破砕に供される場合もあるが、本実施形態では専ら、鉱山や砕石場に配置され、大きな岩石や自然石を所定粒径に粗破砕するために用いられる。このため、全長、全幅、全高の各寸法が大きく、大型の自走式破砕機に属する。
【0015】
このような自走式破砕機1は、一対の下部走行体11を備えた本体部ユニット10と、本体部ユニット10上の後方側に搭載されて原材料が供給される供給部ユニット20と、供給部ユニット20の前方側に搭載されたジョークラッシャ(破砕機)30と、ジョークラッシャ30のさらに前方側に搭載されたパワーユニット40と、本体部ユニット10の下方で一対のクローラ18間から前方斜め上方に向かって延出したメインの排出コンベア(排出装置)50とで構成されている。
【0016】
本体部ユニット10は、前後方向に連続して設けられた左右の側方フレーム12を、複数の連結フレーム13(図2)で連結したメインフレーム(トラックフレーム)14を備え、各側方フレーム12の下部側に前記下部走行体11が取り付けられている。下部走行体11は、前部の油圧モータ15で駆動されるスプロケット16および後部のアイドラー17にクローラ18を巻回させた構成である。
【0017】
供給部ユニット20は、後方に迫り出した左右の側方フレーム21を、開口部22Aを有する略四角形の連結フレーム22で連結した後部フレーム23を備えている。後部フレーム23の上部には、複数のコイルスプリングを介してグリズリフィーダ24が載置され、このグリズリフィーダ24が振動装置25で駆動される。グリズリフィーダ24の上部には、その周囲の三方を囲うようにホッパ26が設けられ、上方に向かって拡開したこのホッパ26内に原材料が投入される。また、グリズリフィーダ24の下部には、グリズリフィーダ24で選別されて落下する原材料を下方の排出コンベア50に導く排出シュート80が設けられている。なお、本実施形態のホッパ26では、左右のウィング部28は本体部分に対して折り畳み可能に設けられ、支持バー29の上端を外すことで下方に折り畳まれる。これにより、供給部ユニット20の全高が低くなり、トレーラでの輸送制限をクリアできるようになっている。
【0018】
ジョークラッシャ30は、図6に示すように、左右の側壁プレート31を、複数のリブで補強された背壁プレート32およびクロスメンバ33で連結したクラッシャフレーム34を備え、背壁プレート32の内側には固定ジョー(重量部品)35が取り付けられ、固定ジョー35の前方側には歯面が略鉛直に迫り立ったスイングジョー(重量部品)36が配置されている。スイングジョー36は、その上部側が側壁プレート31間に回転可能に架設されたメインシャフト37の偏心部に吊設されているとともに、下部側が破砕時の反力を受ける反力受リンク機構60で支持されており、また、テンションリンク機構70により常時反力受リンク機構60側に付勢されている。
【0019】
ここで、反力受リンク機構60は、一端がスイングジョー36の背面部分に係止されたトグルプレート61と、トグルプレート61の他端側を支持しかつ固定リンクピン63を中心に回動するトグルリンク64と、下端がトグルリンク64に軸支されたベアロックシリンダ65とで概ね構成され、このベアロックシリンダ65がクロスメンバ33側に回動自在に軸支(トラニオン構造)されている。そして、このベアロックシリンダ65のロッド66を進退させることで、各ジョー35,36の下端間の出口隙間Wを調節できるようになっている。つまり、反力受リンク機構60は、ベアロックシリンダ65の駆動によってトグルリンク64およびトグルプレート61を介してスイングジョー36を固定ジョー35に近接離間させる出口隙間調整用リンク機構62となっている。
【0020】
また、テンションリンク機構70は、反力受リンク機構60の略中央に配置されており、一端がスイングジョー36側に軸支されたテンションリンク71と、前記固定リンクピン63に回動自在に軸支されたテンションレバー72と、一端がテンションレバー72に軸支されたテンションロッド73と、このテンションロッド73を所定方向に付勢するテンションスプリング74とで概ね構成され、これらテンションロッド73およびテンションスプリング74が前記トグルリンク64に取り付けられている。
【0021】
このようなジョークラッシャ30では、メインシャフト37の一端に設けられたプーリ38をVベルトを介して油圧モータ39で駆動すると、メインシャフト37の回転によりスイングジョー36が揺動リンクとして機能し、固定ジョー35との間で原材料を破砕する。この際、本実施形態のジョークラッシャ30では、スイングジョー36が固定ジョー35の歯面に対して上方から下方に削ぎ取るようにスイングするよう、反力受リンク機構60がいわゆるアップスラストタイプになっている。
【0022】
パワーユニット40は、左右の側方フレーム41を複数の連結フレーム(不図示)で連結したベースフレーム42を備えている。ベースフレーム42上には、適宜な載置用のブラケットやクロスメンバを介してエンジン、油圧ポンプ、燃料タンク43、および作動油タンク44等が載置されている。また、油圧ポンプからの油圧を下部走行体11の油圧モータや、グリズリフィーダ24の振動装置25、ジョークラッシャ30の油圧モータ39、および排出コンベア50駆動用の油圧モータ等に分配するコントロールバルブが、当該ベースフレーム42で囲まれた収容空間内に収容されている。
【0023】
排出コンベア50は、後部が排出シュート80下端の排出口よりも後方に位置し、ここから排出される未破砕の原材料と、ジョークラッシャ30の出口から落下した破砕物とを前方に排出し、高所から落下させて堆積等させる。なお、原材料として鉄筋や金属片等の異物が含まれる場合には、排出コンベア50の前部側に磁選機を取り付け、この異物を取り除くことも可能である。また、排出コンベア50からの破砕物を地上に堆積させるのではなく、二次コンベアや三次コンベア等を用いて遠隔地まで搬送することもある。
【0024】
〔各ユニット同士の結合構造の説明〕
以下には、自走式破砕機1の本体部ユニット10に対する供給部ユニット20、ジョークラッシャ30、およびパワーユニット40の結合構造について図7〜図11を参照にして説明する。
【0025】
まず、本体部ユニット10と供給部ユニット20との結合は、図7、図8に示すように、各ユニット10,20の外方に露出したボルト(結合手段)80を裏ナット81に螺合させて行われる。
すなわち、本体部ユニット10の後方側において前記側方フレーム12の上部には、外方側(側方フレーム12の側面手前側)に断面逆L字状に折り曲げられた水平面部(突出片部)12Aが設けられており、また、側方フレーム12の側面には適宜複数の補強リブ12Bが設けられている。そして、水平面部12Aは、側方フレーム12の前後にわたって連続して設けられている。
【0026】
これに対して、供給部ユニット20の側方フレーム21の下端部には、外方側(側方フレーム21の側面手前側)に断面L字状に折り曲げられた水平面部(突出片部)21Aが設けられ、この水平面部21Aは、前記水平面部12Aと上下に対向し合って、両者21A、12Aで結合面が形成される。このような水平面部21Aは、側方フレーム21の開口部21Cを挟んで前後2カ所位置に形成されている。また、側方フレーム21の側面にも適宜補強リブ21Bが設けられている。
【0027】
側方フレーム12の水平面部12Aの裏面には、側方フレーム12の長手方向に沿って開口部21Cを挟んだ位置に相当する前記2カ所位置に、それぞれ複数の裏ナット81(本実施形態では3個)が予め溶接で固着されている。また、供給部ユニット20の側方フレーム21の水平面部21A、および側方フレーム12の水平面部12Aには、裏ナット81に対応するボルト穴(不図示)があけられている。従って、所定厚さの厚ワッシャ82を介して、外方に露出した状態でボルト80を水平面部12A,21Aのボルト穴に挿通させるとともに、裏ナット81に螺合させて、供給部ユニット20と本体部ユニット10とが結合される。
【0028】
前記厚ワッシャ82の厚さ寸法は、ボルト80の頭部の厚さ程度以上に形成されている。従って、ボルト80においては、その首下部から裏ナット81に螺合されている部分までの長さ、すなわち裏ナット81に螺合されている胴部の長さが長くなっており、ねじれ等に対する剛性が高められ、その結果、強固な結合が行われる。
【0029】
次に、本体部ユニット10とジョークラッシャ30との結合は、図7、図9に示すように、ボルト80と裏ナット81との螺合により行われている。
すなわち、本体部ユニット10の側方フレーム12の上部には、前述のように連続する水平面部12Aが設けられている。
これに対して、ジョークラッシャ30の側壁フレーム31の下部には、外方側に突出した水平面部(突出片部)31Aが設けられ、この水平リブ31Aは、前記水平面部12Aと上下に対向し合って、両者31A、12Aで結合面が形成される。また、側方フレーム31の側面には、適宜補強リブ31Bが設けられている。
【0030】
側方フレーム12の水平面部12Aの裏面には、複数個の前記裏ナット81が、側方フレーム12の長手方向に沿って所定間隔で固着されている。また、ジョークラッシャ30の側壁フレーム31の水平リブ31A、および側方フレーム12の水平面部12Aには、裏ナット81に対応するボルト穴(不図示)があけられている。従って、ボルト80を水平面部12A,31Aのボルト穴に挿通させるとともに、裏ナット81に螺合させて、ジョークラッシャ30と本体部ユニット10とが結合される。
なお、側壁フレーム31の水平リブ31Aは、その厚さが前記厚ワッシャ82の厚さ寸法とほぼ同じに形成されているので、厚ワッシャ82を使用せずにボルト80が水平リブ31Aに直接取り付けられている。
【0031】
本体部ユニット10とパワーユニット40との結合は、図10、図11に示すように、ボルト80、裏ナット81の螺合により行われている。
すなわち、本体部ユニット10の側方フレーム12の上部には、前記水平面部12Aが設けられている。
これに対して、パワーユニット40の側方フレーム41の下部には、前記供給部ユニット20の側方フレーム21に形成された水平面部21Aとほぼ同じ形状の水平面部(突出片部)41Aが設けられ、この水平面部41Aは、前記水平面部12Aと上下に対向し合って、両者41A、12Aで結合面が形成される。また、側方フレーム41の側面には、適宜補強リブ41Bが設けられている。
【0032】
側方フレーム12の水平面部12Aにおいて、側方フレーム41の水平面部41Aに対向する部位の裏面には、側方フレーム12の長手方向の前後2カ所位置に複数(本実施形態では3個づつ)の前記裏ナット81が固着されている。そして、パワーユニット40の側方フレーム41の水平面部41A、および側方フレーム12の水平面部12Aには、裏ナット81に対応するボルト穴(不図示)があけられている。
従って、前記厚ワッシャ82を介して、ボルト80を水平面部12A,41Aのボルト穴に挿通させるとともに、裏ナット81に螺合させて、パワーユニット40と本体部ユニット10とが結合される。
【0033】
なお、本体部ユニット10と排出コンベア50との結合は、図7、図10に示すように、後方支持装置90と、前方支持装置95とを主な結合手段として行われている。
すなわち、後方支持装置90は、図7に示すように、本体部ユニット10の側方フレーム12に設けられた固定部材91と、排出コンベア50の後端部に設けられたブラケット92と、これらの固定部材91とブラケット92とを連結ピン93を介して連結する連結部材94とを含んで構成され、この後方支持装置90により、本体部ユニット10と排出コンベア50との後端部が結合される。
【0034】
前方支持装置95は、図10に示すように、排出コンベア50を挟んだ左右両側の側方フレーム41に設けられたブラケット96と、排出コンベア50の側面および下面を囲むように形成されたコ字状の支持部材97と、この支持部材97とブラケット96とを連結する連結ピン98とを含んで構成され、この前方支持装置95により、本体部ユニット10と排出コンベア50との前端部が結合される。
【0035】
次に、以上のような自走式破砕機1の輸送方法を説明する。
自走式破砕機1の輸送は、図12に示すように、機能別に解体した本体部ユニット10等を、個別に現場まで輸送して現場で組み立てる。なお、自走式破砕機1は、テスト用に工場で一旦組み立てられることもある。
輸送に際しては、図13に示すように、例えば、固定ジョー35とスイングジョー36とが装着された本体部ユニット10を輸送用トレーラ100に積み込み、ロープ等で確実に固定した後、所定の現場に輸送する。供給部ユニット20、ジョークラッシャ30、パワーユニット40、および排出コンベア50も、本体部ユニット10と同様に、それぞれ個別に輸送用トレーラ100に積み込み、確実に固定した後、現場に輸送する。
【0036】
現場では、まず、固定ジョー35とスイングジョー36とを本体部ユニット10から取り外して、ジョークラッシャ30に装着する。
【0037】
次いで、所定位置に配置されている排出コンベア50に対して、本体部ユニット10をクレーンで吊り上げておいて、互いの位置を確認しながら降ろし、排出コンベア50を本体部ユニット10の左右の走行体1の間に配置させた後、後方支持装置90および前方支持装置95等により、両者10,50を結合する。
【0038】
本体部ユニット10と供給部ユニット20との結合は、クレーンで供給部ユニット20を吊り上げておいて、供給部ユニット20の側方フレーム21の水平面部21Aを本体部ユニット10の水平面部12Aに上下方向に対向させる。そして、水平面部21Aの上方から厚ワッシャ82を介在させるとともに、複数のボルト80を外方に露出させた状態でそれぞれ裏ナット81に螺合させて、本体部ユニット10に対して供給部ユニット20を結合させる。
【0039】
本体部ユニット10とジョークラッシャ30との結合は、クレーンでジョークラッシャ30を吊り上げておいて、ジョークラッシャ30の側壁フレーム31の水平リブ31Aを本体部ユニット10の水平面部12Aに上下方向に対向させる。そして、水平リブ31Aの上方からにおいて、複数のボルト80を外方に露出させた状態でそれぞれ裏ナット81に螺合させて、本体部ユニット10に対してジョークラッシャ30を結合させる。
【0040】
本体部ユニット10とパワーユニット40との結合は、クレーンでパワーユニット40を吊り上げておいて、パワーユニット40の側方フレーム41の水平面部41Aを本体部ユニット10の水平面部12Aに上下方向に対向させる。そして、水平面部41Aの上方から厚ワッシャ82を介在させるとともに、複数のボルト80を外方に露出させた状態でそれぞれ裏ナット81に螺合させて、本体部ユニット10に対してパワーユニット40を結合させる。
【0041】
また、現場において修理が必要な場合や、現場が変わるとき等には、現場において解体される。
解体に際しては、前述と逆の作業により、本体部ユニット10から供給部ユニット20、ジョークラッシャ30、パワーユニット40、および排出コンベア50を適宜取り外して解体する。
【0042】
以上のような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1) 供給部ユニット20、ジョークラッシャ30、およびパワーユニット40の、本体部ユニット10に対する取り付けが、それぞれの外方に露出したボルト80によって行われるので、ユニット10等の外方での結合作業となり、広いスペースでの作業が可能となって工具も差し入れやすい等、取り扱いも容易となる。さらに、他の装置が邪魔とならず、その結果、自走式破砕機の組み立て、解体を容易にできる。
【0043】
(2) 供給部ユニット20、ジョークラッシャ30、パワーユニット40と本体部ユニット10とを結合するには、それぞれ上下に対向して設けられた水平面部21A、31A、41Aと、本体部ユニット10に設けられた水平面部12Aとをボルト80で結合すればよく、ユニット20等の外方でボルト80を結合させての作業となるので、作業効率を向上させることができる。
【0044】
(3) 供給部ユニット20、ジョークラッシャ30、パワーユニット40と、本体部ユニット10とを結合するには、本体部ユニット10の側方フレーム12に設けられた水平面部12Aの裏面に予め固着されている裏ナット81にボルト80を螺合させるだけでよい。その結果、上方からボルト80を差し込み、レンチ等で締め付ける作業だけですみ、手間が少なく、この点でも作業効率を向上させることができる。
【0045】
(4) 供給部ユニット20と本体部ユニット10、パワーユニット40と本体部ユニット10とを結合する際に使用される厚ワッシャ82は、例えばボルト80の頭部の厚さ程度以上の厚さに形成されており、ボルト80の首下部において非螺合部が多くなるので、ねじれ等に対する剛性が高められ、その結果、供給部ユニット20と本体部ユニット10、パワーユニット40と本体部ユニット10との結合を強固にできる。
【0046】
(5) 供給部ユニット20の水平面部21A、およびパワーユニット40の水平面部41Aは、それぞれ供給部ユニット20の側方フレーム21およびパワーユニット40の側方フレーム41の下部を外方に折り曲げて形成され、本体部ユニット10の水平面部12Aは、本体部ユニット10の側方フレーム12の上部を外方に折り曲げて形成されているので、側方フレーム21の側面に外方に突出する突出片を溶接で取り付けて水平面部を形成する場合等に比較して、手間が少なくてすむとともに、強度も確保できる。
【0047】
(6) 自走式破砕機1を解体したとき、ジョークラッシャ30から固定ジョー35およびスイングジョー36を取り外して、ジョークラッシャ30以外のユニット、例えば本体部ユニット10と組み合わせて輸送することができるので、最も重量の重いジョークラッシャ30の重量が固定ジョー35およびスイングジョー36の分だけ軽量化され、輸送が可能となる。また、固定ジョー35およびスイングジョー36が他のユニット、例えば本体部ユニット10と組み合わせて輸送することができるので、大型の自走式破砕機であっても解体して、道路輸送上の法規制に抵触することなく容易に輸送できる。
【0048】
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できるものであれば、他の変形形態を含むものである。
例えば、前記実施形態では、本体部ユニット10と供給部ユニット20等との結合が、ボルト80と裏ナット81との螺合により行われているが、これに限らず、本体部ユニット10における側方フレーム21の水平面部21Aの下面に、少なくとも一カ所が溶接で固着されて下から上方に向けて取り付けられたスタッドボルトを用いてもよい。
このようにすれば、クレーンで吊り上げた各ユニット20等を本体部ユニット10に組み立てる際の位置決めを容易にできる。
【0049】
また、前記実施形態では、自走式破砕機1の輸送に際しては、自走式破砕機1の中で最も重いジョークラッシャ30の固定ジョー35とスイングジョー36とを取り外し、その固定ジョー35とスイングジョー36とを、例えば本体部ユニット10と同じ輸送用トレーラ100で輸送しているが、本体部ユニット10ではなく、他の供給部ユニット20、ジョークラッシャ30、パワーユニット40、および排出コンベア50と同じ輸送用トレーラ100で輸送してもよい。要は、固定ジョー35とスイングジョー36とを取り外すことでジョークラッシャ30を輸送できるとともに、他のユニット10等と組み合わせても、輸送上の重量制限に抵触しないで輸送できればよい。
【0050】
また、本発明の自走式破砕機に搭載される破砕機としては、前記実施形態で説明したジョークラッシャ30に限らず、例えば、インパクトクラッシャ、シェアクラッシャ、コーンクラッシャ、ロールクラッシャ等、任意のクラッシャであってもよい。
【0051】
さらに、本体部ユニット10、供給部ユニット20、ジョークラッシャ30、パワーユニット40、排出コンベア50等の構成は、本発明の目的を達成できる範囲で任意に変更可能であり、前記実施形態に限定されない。
【0052】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した構成は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態での自走式破砕機を示す正面図。
【図2】前記自走式破砕機を示す背面図。
【図3】前記自走式破砕機を示す右側面図。
【図4】前記自走式破砕機を示す左側面図。
【図5】前記自走式破砕機を示す平面図。
【図6】前記自走式破砕機のジョークラッシャを示す断面図。
【図7】前記自走式破砕機の後方側の連合部を示す側面図。
【図8】図7におけるVIII−VIII線に沿った断面図。
【図9】図7におけるIX−IX線に沿った断面図。
【図10】前記自走式破砕機の前方側の結合部を示す側面図。
【図11】図10におけるXI−XI線に沿った断面図。
【図12】前記自走式破砕機を解体した状態を示す解体側面図。
【図13】前記自走式破砕機の輸送状態を示す側面図。
【符号の説明】
1…自走式破砕機、10…本体部ユニット、12A…水平面部(突出片部)20…供給部ユニット、21A…水平面部(突出片部)、30…ジョークラッシャ(破砕機)、31A…水平リブ(突出片部)、40…パワーユニット、41A…水平面部(突出片部)、50…排出コンベア(排出装置)、80…ボルト(結合手段)、81…裏ナット、100…輸送用トレーラ。

Claims (3)

  1. 自走式破砕機(1)において、
    下部走行体(11)を備えた本体部ユニット(10)と、
    この本体部ユニット(10)にそれぞれ着脱自在に搭載される原材料供給用の供給部ユニット(20)、破砕機(30)、および動力供給用のパワーユニット(40)とを備え、
    これら供給部ユニット(20)、破砕機(30)、およびパワーユニット(40)は、それぞれ自走式破砕機(1)の外方に露出した結合手段によって前記本体部ユニット(10)に結合されている
    ことを特徴とする自走式破砕機(1)。
  2. 請求項1に記載の自走式破砕機(1) において、
    前記供給部ユニット(20)、破砕機(30)、パワーユニット(40)、および本体部ユニット(10)には外方に突出した突出片部(21A)、(31A)、(41A)、(12A)が設けられ、
    前記結合手段は、前記各突出片部(21A)、(31A)、(41A)、(12A)の上下に対向し合う結合面同士を結合するボルト(80)である
    ことを特徴とする自走式破砕機(1)。
  3. 自走式破砕機(1)の輸送方法において、
    前記請求項1または請求項2に記載の本体部ユニット(10)、供給部ユニット(20)、破砕機(30)、パワーユニット(40)、および排出装置(50)を、それぞれ個別に輸送用トレーラ(100)上に載置して輸送する際、
    前記破砕機(30)を構成する重量部品(35)、(36)を、前記本体部ユニット(10)、供給部ユニット(20)、およびパワーユニット(40)のいずれかと同じ輸送用トレーラ(100)で輸送する
    ことを特徴とする自走式破砕機(1)の輸送方法。
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