JP2013234428A - 自走式処理機 - Google Patents

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政和 深井
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Abstract

【課題】取り外したホッパをトラックで容易に輸送することができる自走式処理機を提供する。
【解決手段】走行体1と、この走行体1の本体フレーム4上に設けたジョークラッシャと、このジョークラッシャで処理する被処理物を受け入れるホッパ10と、ジョークラッシャで処理された処理物を排出するコンベヤ40とを備え、ホッパ10が、側部で接地した起立姿勢で自立可能に構成されており、水平姿勢から起立姿勢に移行する際のピン79を左右の少なくとも一方側に、当該ホッパ10を吊るための吊り部81を少なくとも他方側に、それぞれ有していることを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、被処理物を処理する自走式処理機に関する。
自走式処理機は、走行体の本体フレーム上に搭載した処理機によって被処理物に所定の処理を施す機械である。例えば、被破砕物を破砕処理するジョークラッシャ、シュレッダ若しくは木材破砕機等の破砕装置を処理機として搭載した自走式破砕機、土砂等を土質改良材と混合する混合装置を搭載した自走式土質改良機、又は選別対象物を粒度に応じて選別する選別装置を搭載した自走式スクリーン等、自走式処理機には用途に応じた様々な種類のものが存在する。
こうした自走式処理機は現場内を走行することはできるが、一般公道を走行することはできないため、別の作業現場に移動する場合等にはトレーラに積載して輸送する。トレーラで輸送する場合、例えば重量制限のある橋梁上あるいは高さ制限のある陸橋の下を通過せざるを得ない場合がある。そのため、自走式処理機は、一部のユニットを取り外し、取り外したユニットと残りの本体部とに分割して輸送する場合がある(特許文献1等参照)。
特開2003−38975号公報
自走式処理機は、コンベヤや処理装置、動力装置、ホッパ等の様々なユニットを本体フレーム上に搭載して構成されるが、中でも、被処理物を受け入れるためのホッパは、通常、その上方に他のユニットが配置されないため、その取り外しに伴って他のユニットを取り外す必要がない。そのため、最も取り外し易いユニットの一つがホッパであり、自走式処理機を分割するに当たってホッパを取り外すだけで重量制限あるいは高さ制限がクリアできるような場合には、ホッパだけを取り外して分割輸送するのが最も簡便である。
ところが、ホッパは、重量的にはトラックに積載し得る程度のものであるが、被処理物を効率良く受け入れられるように幅広に構成されているため、トラックの積載物の制限幅に収まらず、ホッパ1つの輸送に必要以上に最大積載量の大きなトレーラを使用しなければならないという問題があった。
本発明の目的は、取り外したホッパをトラックで容易に輸送することができる自走式処理機を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、走行体と、この走行体の本体フレーム上に搭載した処理装置と、この処理装置で処理する被処理物を受け入れるホッパと、前記処理装置で処理された処理物を排出するコンベヤとを備え、前記ホッパが、側部で接地した起立姿勢で自立可能に構成されており、水平姿勢から前記起立姿勢に移行する際の支点を左右の少なくとも一方側に、当該ホッパを吊るための吊り部を少なくとも他方側に、それぞれ有していることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記起立姿勢における前記ホッパの接地面が、前記ホッパの重心と前記吊り部とを通る面に直交することを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明において、前記ホッパの重心が前記支点と前記吊り部とを通る面内に位置することを特徴とする。
第4の発明は、第1−第3のいずれか1つの発明において、前記ホッパを前記水平姿勢から前記起立姿勢に起立させるシリンダを備えていることを特徴とする。
第5の発明は、走行体と、この走行体の本体フレーム上に搭載した処理装置と、この処理装置で処理する被処理物を受け入れるホッパと、前記処理装置で処理された処理物を排出するコンベヤとを備え、前記ホッパが、側部で接地した姿勢で自立可能に構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、自走式処理機から取り外したホッパをトラックで容易に輸送することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る自走式処理機の全体構造を表す側面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る自走式処理機の全体構造を表す平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る自走式処理機の全体構造を表す背面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る自走式処理機の全体構造を表す背面図でありホッパを起立姿勢に移行させた状態を表す図である。 自走式処理機から取り外したホッパをトラックに積載した状態を表す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る自走式処理機の全体構造を表す背面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る自走式処理機の全体構造を表す背面図でありホッパを起立姿勢に移行させた状態を表す図である。
以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
1.第1の実施の形態
図1は本発明の第1の実施の形態に係る自走式処理機の全体構造を表す側面図、図2はその平面図、図3は背面図である。以下の説明において、図1中の右左をそれぞれ自走式処理機の前後とする。
図1−図3に例示した自走式処理機は自走式のジョークラッシャであり、例えばビル解体時に搬出されるコンクリート塊や道路補修時に排出されるアスファルト塊等の建設現場で発生する大小様々な建設廃材、産業廃棄物、若しくは岩石採掘現場や切羽で採掘される岩石・自然石等を被破砕物(被処理物)とし、これら被破砕物を受け入れて破砕(処理)するものである。本実施の形態の自走式処理機は、走行体1とこの走行体1に搭載した破砕機能構成部2とを備えており、走行体1によって自力走行することができるようになっている。
走行体1は、左右の走行装置3、及び走行装置3の上部に設けた本体フレーム4で構成されている。走行装置3は、トラックフレーム5、トラックフレーム5の両端に設けた従動輪6及び駆動輪7、従動輪6及び駆動輪7に掛け回した履帯8、並びに駆動輪7の軸に出力軸が連結された走行用駆動装置9を備えている。本体フレーム4はトラックフレーム5上に設けられており、前後にほぼ水平に延在している。
破砕機能構成部2は、被破砕物を受け入れるホッパ10、ホッパ10に受け入れた被破砕物を粒度選別し後段工程に供給する振動フィーダ20、振動フィーダ20から供給された被破砕物を破砕する破砕装置であるジョークラッシャ(処理装置)30、ジョークラッシャ30で破砕した破砕物(処理物)等を機外に搬出するコンベヤ40、及び機体各所に搭載した作動装置の動力源等を内蔵した動力装置(パワーユニット)50を備えている。
ホッパ10は、上方に向かって拡開した枠状の部材であり、本体フレーム4の後方部分の上部に設けた支持部材11に対し、左右の側部に設けた脚部12,13を介して固定されている。図2に示したように、このホッパ10は、振動フィーダ20の上部の左右両側部及び後部を囲う一方で、振動フィーダ20の前部すなわちジョークラッシャ30との対向部は開放している。
振動フィーダ20は、本実施の形態ではグリズリフィーダであり、ホッパ10の下方でジョークラッシャ30の後方に位置していて、その枠型の本体(フィーダ本体)21がホッパ10とは別個にスプリング22を介して支持部材11に支持されている。フィーダ本体21の内部には、図2に示すように、投入される被破砕物を受け止めるパンデッキ23が後半部分に、被破砕物を粒度選別する櫛歯状の篩部材(グリズリ)24が前半部分に設けられている。そしてフィーダ本体21の下部には、このフィーダ本体21を振動させる加振機(フィーダ用駆動装置)26が固定されている。また、篩部材24の下方にはこれら篩部材24から篩い落とされた細粒分をコンベヤ40上に導くシュート29が設けられている。
ジョークラッシャ30は、ホッパ10及び振動フィーダ20の前方に位置し、本体フレーム4の前後方向中央部に支持されている。このジョークラッシャ30には固定歯及び動歯が備えられており、下方に向かって縮径するこれら固定歯及び動歯の間の空間が破砕室を画定している。動歯のスイングジョーは上端部がフライホイール(図示せず)に連結されており、フライホイールにジョークラッシャ用駆動装置(図示せず)の回転動力が伝達されると、フライホイールの回転運動が動歯の揺動運動に変換され、これにより固定歯に対して概略前後方向に動歯が揺動するようになっている。
また、ジョークラッシャ30の周囲にはメンテナンスフロア60が設けられている。メンテナンスフロア60は、本体フレーム4の上部に設けられていて、ジョークラッシャ30の左右両側の前後に延びる部分と、ジョークラッシャ30及び動力装置50の間の左右の延びる部分とを有しており、平面視で開口を後方に向けたコの字状に展開されている。このメンテナンスフロア60は、そのジョークラッシャ30の左右に位置する部分の後端部が振動フィーダ20の近傍まで延在していて、振動フィーダ20の前部の左右に臨んでいる。ホッパ10の左右の側壁部71,72の前部は前方に行くにつれて高さが低くなるように上縁部が斜めに形成されており、作業者がメンテナンスフロア60と篩部材24との間を行き来する際にホッパ10が障害とならないようになっている。メンテナンスフロア60上の縁部には柵61が設置されている。なお、機体の左右の側部の少なくとも一方にはメンテナンスフロア60に上がるための梯子62が設けられている。この梯子62は、履帯8の上方からメンテナンスフロア60まで立ち上がっている。
コンベヤ40は、本体フレーム4等に吊り下げられたコンベアフレーム41、コンベアフレーム41の両端に設けた従動輪及び駆動輪(ともに図示せず)、従動輪及び駆動輪に掛け回したコンベアベルト44、及び駆動輪を回転駆動させるコンベヤ用駆動装置(図示せず)等を備えている。コンベヤ用駆動装置によって駆動輪が回転駆動されると、従動輪との間に掛け回されたコンベアベルト44が循環駆動する。このコンベヤ40は、左右のトラックフレーム5の間でシュート29及びジョークラッシャ30の下方(履帯8の後端部付近)の位置から前方に延び、動力装置50の下方位置(履帯8の前端部付近)で屈曲して斜めに立ち上がり、その傾斜角度を保ったまま動力装置50の前端下部付近を通って機体の全高付近まで延在している。
コンベヤ40の上方には、排出する破砕物中の鉄筋等の磁性異物を除去する磁選機45が備えられている。この磁選機45は、動力装置50の前部に設けたアーム部材46から吊り下げられており、駆動輪及び従動輪(ともに図示せず)と、これら駆動輪及び従動輪巻き回されてコンベヤ40の延在方向と直交する方向(左右方向)に循環駆動する磁選機ベルト49と、駆動輪及び従動輪の間の磁選機ベルト49に覆われた空間に設けられた磁力発生手段(図示せず)とを備えている。
動力装置50は、本体フレーム4の前側部分の上部に支持されており、ジョークラッシャ30よりも前方側に位置している。特に図示していないが、この動力装置50内には、本自走式処理機の動力源となるエンジンや、エンジンによって駆動される油圧ポンプ、油圧ポンプから吐出された圧油の流通方向や流量を制御して対応の油圧アクチュエータに供給する制御弁装置等が備えられている。
ここで、前述したホッパ10は、自走式処理機本体に対する着脱及び輸送の容易性に配慮して構成されている。以下、この点について説明する。
本実施の形態において、ホッパ10は、枠上のホッパ本体部70と、ホッパ本体部70の側部に設けた前述の脚部12,13とを備えている。
ホッパ本体部70は、前述した通り本実施の形態では前方が開放されたコの字型の部材であり、左右の側壁部71,72と後壁部73とで構成されている。これら側壁部71,72及び後壁部73は下方に向かって縮径する斜面を形成しており、上部開口枠部74に対して下部開口枠部75が左右方向及び前後方向に狭くなっている。下部開口枠部75は前述した振動フィーダ20のパンデッキ23及び篩部材24の上部に位置し、平面視で、パンデッキ23及び篩部材24で下方をカバーされている。
脚部12,13は、左右の側壁部71,72のそれぞれの後側及び前側に各1つ設けられている。脚部12,13の上部はホッパ本体部70の上部開口枠部74の下部及び側壁部71又は72の外壁面に接合しており、下端部は下部開口枠部75よりも下方に位置している。ホッパ本体部70が上部開口枠部74及び下部開口枠部75を上下にした姿勢(以下「水平姿勢」)にあるときには、ホッパ10は4本の脚部12,13で接地するようになっている。なお、図1−図3に示したように自走式処理機に取り付けられた状態においては、脚部12,13の下端部が前述した支持部材11に対してボルト等で固定されている。
また、本実施の形態において、ホッパ10は、脚部12,13の後面にそれぞれピン穴76(図4、図6等参照)を有するブラケット77を備えている。このブラケット77は、上記支持部材11上に設けたブラケット78に対してピン79で連結されている。そして、このホッパ10には、水平姿勢から起立姿勢に(又は起立姿勢から水平姿勢に)移行する際の支点となるピン79(換言すればピン穴76)に対し、当該ホッパ10の重心80を挟んで反対側に当該ホッパ10を吊るための吊り部81を備えている。本実施の形態において、この吊り部81は環状の部材であって、ホッパ10の左右それぞれの側において前後に各1つ(計4つ)、上部開口枠部74の上端部に溶接により設置されている。
すなわち、例えば、(1)4本の脚部12,13と支持部材11の連結を解き、(2)左右いずれか一方側においてピン79を抜いて脚部12,13とブラケット78との連結を解き、(3)当該一方側の吊り部81をクレーン等で吊って上昇させると、他方側のピン79を支点にしてホッパ10が起立する構成である。左側の脚部12,13に設けたピン79を支点にホッパ10を上方に回動させて起立させた状態(以下「起立姿勢」)を図4に示す。
図4に示すように、起立姿勢のホッパ10は、側部(本例では脚部12,13の左右外側の壁面)で接地するようになっている。面で接地する構成、複数の点又は線で接地する構成のいずれであっても良い。本実施の形態では、起立姿勢のホッパ10が1つの面で接地する場合にはその面を、複数の面、線又は点で接地する場合にはそれら複数の接地部を外縁とする領域をそれぞれ「接地面83」とする。本実施の形態の場合、接地面83は左右両側の脚部12,13の側面に該当し、脚部12,13が起立姿勢における接地脚の役割も兼ねている。後から見ると、上部開口枠部74の上端部(図4では左側端部又は吊り部81)と脚部12,13の下端部(図4では右側端部)が、接地面83の左右(図4における左右)の端部を構成する。接地面83の前後の幅は、前側の脚部13の前端部から後ろ側の脚部12の後端部までの幅である。特に本実施の形態の場合、ホッパ10の重心80と吊り部81(吊り側)とを通る面82に接地面83が直交する構成である。さらに、本実施の形態において当該面82は接地側(図4中の下側)のピン79をも含んでおり、接地側の支点と吊り位置を通る面82上にホッパの重心80が位置することとなり、また、ホッパ10が起立姿勢にあるときに面82が鉛直になる(面82は接地面83に直交する)。
本実施の形態においては、後側から見ると、ホッパ10の脚部12,13の左右の側面は、水平姿勢のとき下側に向かって左右方向の内側に若干傾斜した形状であるため(図3参照)、上記接地面83を水平にした起立姿勢では、図4に示したようにホッパ10はやや傾斜した状態となる。しかし、ホッパ10が起立姿勢にある状態では、ホッパ10の重心80は接地面83の上方に来る(重心80から下ろした鉛直線が接地面83と交わる)ようになっており、ホッパ10は起立姿勢で接地させると自立できる構成となっている。
なお、特に図示していないが、ホッパ10の周囲に位置するように、自走式処理機に足場を別途接地することもある。脚部12,13と支持部材11との着脱、ピン79の着脱の作業に利用するためである。
次に、上記構成の自走式処理機の動作を説明する。
油圧ショベル等により被破砕物を投入すると、投入された被破砕物はホッパ10によって振動フィーダ20上に導かれる。加振機26によってフィーダ本体21とともに加振されるパンデッキ23上の被破砕物は、振動によって前方の篩部材24に搬送される。篩部材24では、この篩部材24の選別粒径よりも小さな成分(ズリや土砂等)が篩部材24の隙間から落下し、被破砕物と分離されてシュート29を介してコンベヤ40上の後端付近に導かれる。一方、篩部材24の選別粒径よりも大きな被破砕物は、篩部材24上を通過してジョークラッシャ30に供給される。ジョークラッシャ30に供給された被破砕物は、固定歯32と動歯33とに挟圧されて出口隙間に応じた所定の粒径に破砕処理される。ジョークラッシャ30から排出された破砕物はコンベヤ40上に導かれ、シュート29を介して導かれた細粒分と合流し、コンベヤ40によって前方(図1中右側)に搬送されて機外に排出される。
なお、コンベヤ40による搬出の途中、破砕物等に鉄筋等の磁性異物が混入している場合には、磁性異物が磁選機45によって吸着除去される。磁選機45においては、コンベヤ40上の破砕物等に対して磁選機ベルト49越しに作用させる磁力発生手段からの磁力によって磁性異物を磁選機ベルト49に吸着し、循環駆動する磁選機ベルト49によってコンベヤ40の側方に磁性異物を搬送し落下させる。
また、本実施の形態では篩部材24から落下した細粒分をシュート29を介して破砕物と合流させる場合を例示したが、シュート29の下部に機体側方に延びるサイドコンベヤを取り付ける場合があり、この場合には、細粒分は破砕物とは別に機体側方に排出される。
ここで、本実施の形態の自走式処理機を分割輸送する場合、ホッパ10を自走式処理機から取り外し、ホッパ10を取り外した自走式処理機をトレーラで、自走式処理機から取り外したホッパ10をトラックでそれぞれ輸送する。トラックの荷台にホッパ10を積載した状態を図5に示した。ホッパ10の取り外し及びトラックへの荷積みの手順(一例)は次の通りである。
(1)水平姿勢にあるホッパ10(図3参照)の4本の脚部12,13と支持部材11の連結を解く。
(2)左右いずれか一方側においてピン79を抜き、一方側において脚部12,13とブラケット78との連結を解く。
(3)一方側の吊り部81をクレーン等で吊って上昇させる、他方側のピン79を支点にしてホッパ10を起立させる(図4参照)。
(4)一方側の吊り部81が他方側のピン79の上方にある状態で他方側のピン79を抜き、他方側において脚部12,13とブラケット78との連結を解く。
(5)クレーンでトラック100の荷台にホッパ10を吊り下ろす。
(6)起立姿勢のホッパ10をロープやワイヤ等の固定手段でトラック100の荷台に固定する。
トラック100から下ろして自走式処理機に組み付ける場合は、上記と逆の手順となる。
本実施の形態によれば、起立させることでホッパ10をトラックの制限幅に収めることができ、ホッパ10は起立姿勢で自立するため、治具等の特別な支えを要さず容易にトラックの荷台に積載することができる。そのため、自走式処理機から取り外したホッパ10をトラックで容易に輸送することができる。また、最も着脱がし易いホッパ10のみを取り外して自走式処理機を分割輸送することで、自走式処理機の分割輸送の作業全体が簡便となり、輸送作業全体が容易かつ効率の良いものとなる。
また、ホッパ10をトラックで容易に輸送することができるため、必要以上に最大積載量の大きなトレーラをホッパ10の輸送のために使用する必要がなく、運搬車両の積載量を有効に活用することができる。また、トレーラを使用する場合に比べて輸送費用も抑えられ、エネルギー効率も良い。更には、トレーラを使用する場合と異なり、輸送作業に伴う各種申請手続きをする必要がなく、輸送作業の効率化にも繋がる。
加えて、仮に吊り位置と重心80を通る面82が接地面83に対して直交していないと、ホッパ10を吊り下げた状態で接地面83が水平にならないので、吊り姿勢のままホッパ10をトラック100の荷台に置く(接地させる)ことができない。それに対し、本実施の形態では接地面83が上記面82に直交する構成であるため、吊り姿勢の状態で接地面83が水平となり、吊り姿勢のままトラック100の荷台に置くことができる。これにより、作業がより容易になる。
また、仮にホッパ10の重心80が、支点(接地側のピン79)と吊り位置とを通る面82からずれている場合、ピン79を支点にホッパ10を起立させるに当たってホッパ10の旋回軌跡84(図4参照)の最上部に吊り部81が来るまで旋回させると(図4の姿勢)、重心80が吊り位置の直下に来ないため、ピン79にブラケット77,78によるせん断力がかかってピン79を容易に抜き取ることができず、また、ピン79を抜き取った際にはホッパ10が重力に引かれて振れてしまう。それに対し、本実施の形態では、ホッパ10の重心80が支点(接地側のピン79)と吊り位置とを通る面82内に位置するため、図4の姿勢で容易にピン79を抜き取ることができ、またピン79を抜き取ってもホッパ10が振れることがなく安全である。
2.第2の実施の形態
図6は本発明の第2の実施の形態に係る自走式処理機のホッパ近傍の背面図であり、第1の実施の形態の図3に対応する図である。また、図7はホッパを起立姿勢に移行させた状態を表す図であり、第1の実施の形態の図4に対応する図である。これらの図において、第1の実施の形態と同様の部分には既出図面と同符号を付して適宜説明を省略する。
本実施の形態が第1の実施の形態と相違する点は、ホッパ10を水平姿勢から起立姿勢に起立させるシリンダ85が追加されている点である。このシリンダ85は動力装置50内の油圧ポンプから供給される作動油で駆動する油圧シリンダであるが、バッテリー等からの給電によって駆動する電動シリンダで代えることもできる。本実施の形態において、シリンダ85は、後側の脚部12の後面側に配置されており、ボトム側の端部は支持部材11上の左側の脚部12の近傍位置に、ロッド側の端部はホッパ10の後壁面73の中央やや右寄りの位置に、それぞれ取り付け用に備えられたブラケットを介して連結されている。水平姿勢でシリンダ85を伸張させると図7のようにホッパ10が起立し、起立姿勢でシリンダ85を縮めると図6のようにホッパ10が倒伏する。
なお、シリンダ85の少なくとも一方の端部はホッパ10の着脱に伴って相手部材(支持部材11又はホッパ後壁面73)に対して着脱する必要があるため、上記取り付け用のブラケットはボルト等で容易に着脱できる構成となっている。また、ホッパ10の回動動作をシリンダ85によってのみ実施する場合には、右側の吊り部81と左側のピン穴76及びピン79は省略することができる。左側のピン79を支点にホッパ10を回動させるようにシリンダ85を設置したが、右側のピン79を支点にホッパ10を回動させるようにシリンダ85を設置する構成であっても良いことは言うまでもない。その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果に加え、シリンダ85の追加によってホッパ10の回動動作の利便性を向上させることができる。
3.その他
以上の第1及び第2の実施の形態においては、脚部12,13と支持部材11とをボルトで締結し、さらにブラケット77,78をピン79で連結する構成を採ったが、いずれかを省略してもホッパ10の固定構造として十分な強度が確保される場合には、例えば、脚部12,13は支持部材11には締結しない、又は脚部12,13を支持部材11に締結した状態ではピン79は挿し込まない等の構成をとることもできる。通常時にピン79を挿し込まない場合、ホッパ10の着脱作業時にのみピン79を挿し込んでホッパ10の回動動作の支点を確保するようにすれば良い。
また、上記実施の形態においては、左右両側にそれぞれ吊り部81とピン穴76を設けた構成(吊り部81とピン穴76を2組設けた構成)を例に挙げて説明したが、吊り部81とピン穴76の組を一組省略した構成としても良い。
また、吊り部81をホッパ本体部70に溶接した構成を例に挙げたが、例えば吊り部81としてアイボルト等を用い、吊り部81をホッパ本体70に着脱できる構成とすることもできる。
また、上記実施形態においては、ホッパ10(被破砕物の受け入れ側)と反対側にコンベヤ40を設けた自走式ジョークラッシャに本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、ホッパと同じ側に排出コンベヤを設けた構成の自走式ジョークラッシャにも本発明は適用可能である。また、走行手段として無限軌道の履帯7を有するクローラ式の自走式ジョークラッシャに本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、走行手段としてタイヤを有するホイール式の自走式ジョークラッシャにも本発明は適用可能である。これらの場合も、同様の効果を得ることができる。
また、本発明は、自走式ジョークラッシャに限らず、他の種の自走式破砕機やいわゆる自走式土質改良機、自走式スクリーン等、リサイクル品の生産又は生産補助に関わる処理装置を走行体上に搭載した自走式処理機全般に適用可能である。具体的には、例えば、破砕刃を有する一対のロール状の回転体の間に岩石等の被処理物を挟み込んで破砕を行う回転式破砕装置(ロールクラッシャ等)、タイヤや家電製品等をせん断破砕するせん断式破砕装置(シュレッダ)、複数個の刃物を備えた打撃板による打撃と反発板への衝突によって岩石等の被処理物を破砕する破砕装置(インパクトクラッシャ)、カッタを備えたロータやビット付きのロータ及び反発板で木材、枝木材、建設廃木等の被処理物を破砕する破砕装置(木材破砕装置)等、他の方式の破砕装置を備えた自走式破砕機にも本発明は適用可能である。また、例えば建設現場で発生する建設発生土を被処理物として土質改良材と混合処理することで処理物(改良土)を生産する自走式土質改良機や、被処理物を粒度に応じて選別処理するスクリーン(篩装置)を備えた自走式スクリーン等にも本発明は適用可能である。これらの場合も同様の効果を得ることができる。
1 走行体
4 本体フレーム
10 ホッパ
12,13 脚部
30 ジョークラッシャ(処理装置)
40 コンベヤ
76 ピン穴(支点)
79 ピン(支点)
80 重心
81 吊り部
82 重心と吊り部とを通る面、支点と吊り部とを通る面
83 接地面
85 シリンダ

Claims (5)

  1. 走行体と、
    この走行体の本体フレーム上に搭載した処理装置と、
    この処理装置で処理する被処理物を受け入れるホッパと、
    前記処理装置で処理された処理物を排出するコンベヤとを備え、
    前記ホッパが、側部で接地した起立姿勢で自立可能に構成されており、水平姿勢から前記起立姿勢に移行する際の支点を左右の少なくとも一方側に、当該ホッパを吊るための吊り部を少なくとも他方側に、それぞれ有していることを特徴とする自走式処理機。
  2. 前記起立姿勢における前記ホッパの接地面が、前記ホッパの重心と前記吊り部とを通る面に直交することを特徴とする請求項1に記載の自走式処理機。
  3. 前記ホッパの重心が前記支点と前記吊り部とを通る面内に位置することを特徴とする請求項2に記載の自走式処理機。
  4. 前記ホッパを前記水平姿勢から前記起立姿勢に起立させるシリンダを備えていることを特徴とする請求項1−3のいずれか1項に記載の自走式処理機。
  5. 走行体と、
    この走行体の本体フレーム上に搭載した処理装置と、
    この処理装置で処理する被処理物を受け入れるホッパと、
    前記処理装置で処理された処理物を排出するコンベヤとを備え、
    前記ホッパが、側部で接地した姿勢で自立可能に構成されていることを特徴とする自走式処理機。
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