JP4098605B2 - ジョークラッシャ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対のジョーを近接離間させて原材料を破砕するジョークラッシャに関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、固定ジョーに対してスイングジョーを近接離間させることで原材料を破砕するジョークラッシャが知られている(例えば特許文献1)。
このようなジョークラッシャでは、スイングジョーがメインのシャフトの偏心部にスイングジョー取付ベアリングを介して軸支されており、このシャフトを回転させることでスイングジョーが揺動する。
また、シャフトは、その両端がシャフト取付ベアリングを介してフレームに回転可能に支持されており、シャフトの一端には駆動プーリが、他端にはフライホイールが取り付けられている。
【0003】
これらの駆動プーリやフライホイールは、シャフトの端部側から嵌め込んで取り付けられるが、シャフトに設けられた駆動プーリおよびフライホイールの取付部は、シャフトの先端に向かって縮径するテーパ状に形成されている。従って、駆動プーリおよびフライホイールの取付部内面もテーパ状に形成されている。
また、スイングジョー取付ベアリングおよびシャフト取付ベアリングの取付は、シャフトに形成されたねじ部にシャフト端部側からナットなどを螺合することにより行う。その後、ねじ部よりもシャフト端部側に形成された段差部に駆動プーリあるいはフライホイールを位置決めして取り付ける。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−95992号公報 (第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シャフトに設けられた取付部や、駆動プーリ、フライホイール側取付部がそれぞれテーパ状であるため、各取付部の加工誤差によっては、駆動プーリやフライホイールの嵌め込み位置に軸方向のずれが生じる場合があり、位置決めを確実に行うことができないことがあった。このために従来では、誤差を極力抑えるために、加工に手間がかかるという問題がある。
また、シャフトにねじ部などを形成しなければならず、シャフトの形状が複雑となり加工にも手間がかかる。また、スイングジョー取付ベアリングおよびシャフト取付ベアリングをナットでねじ止めした後に駆動プーリあるいはフライホイールをさらに取り付けなければならないので、取付工程も複雑となる。
【0006】
本発明の目的は、加工誤差の影響をさほど受けずに、駆動プーリやフライホイールを確実に位置決めでき、取付構造が簡単なジョークラッシャを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段と作用効果】
本発明の請求項1に記載のジョークラッシャは、フレームに設けられた固定ジョーと、この固定ジョーに対して揺動するスイングジョーと、このスイングジョーをスイングジョー取付ベアリングを介して軸支する偏心部が設けられるとともに、シャフト取付ベアリングを介して前記フレームに取り付けられるシャフトと、このシャフトの端部に取り付けられる駆動プーリまたはフライホイールとを備え、前記駆動プーリまたは前記フライホイールは、前記シャフトの端面部略中央に螺合される一本の取付ボルトで取り付けられ、この取付ボルトは、前記シャフトの軸方向に沿って螺合される螺合部と、この螺合部の基端側に所定長さで設けられる非螺合部とを備えていることを特徴とする。
【0008】
この構成の本発明では、シャフトにおいて駆動プーリまたはフライホイールが取り付けられる取付部は、同径でストレートな形状に形成されている。このため、従来のようなテーパ状とは異なり、駆動プーリまたはフライホイールのシャフトに対する軸方向の嵌め込み位置は、シャフト径または駆動プーリやフライホイールの孔径の加工誤差の影響をさほど受けない。したがって、駆動プーリまたはフライホイールの位置決めが確実となり、加工が簡単になる。
また、従来では、シャフトに駆動プーリまたはフライホイールを固定する場合には、固定部分にかかる曲げ荷重やせん断荷重に対して十分な耐久性を確保するために、軸中心から所定距離の位置に複数の取付ボルトを配置し、これらをシャフトの軸方向に沿って螺合することで固定していた。
これに対して本発明では、取付ボルトには、先端側でシャフトに螺合される螺合部と、螺合部の基端側に形成される所定長さの非螺合部とが設けられているため、非螺合部がトーションバーの役割を果たしてシャフトの回転時に取付ボルトにかかるねじりトルクを吸収する。従って、取付ボルトのねじり剛性が高くなり、取付ボルトをシャフト端面部略中央に軸方向に沿って一本設けるだけで十分な耐久性が確保される。これにより、駆動プーリまたはフライホイールの取付構造がより一層簡単になり、部品点数がさらに減少して、組立工程がより一層簡略化される。
【0009】
請求項2に記載の本発明では、請求項1に記載のジョークラッシャにおいて、前記シャフトの端部には、前記駆動プーリまたは前記フライホイールが取り付けられる取付部が軸方向の所定長さにわたって同径に設けられ、前記シャフトには、前記シャフト取付ベアリングが取り付けられる別の取付部が軸方向の所定長さにわたって設けられ、この別の取付部と前記駆動プーリまたは前記フライホイール用の取付部とが同径で、かつ軸方向に連続しており、前記スイングジョー取付ベアリングおよび前記シャフト取付ベアリングは、前記駆動プーリまたは前記フライホイールによって前記シャフトに保持されていることを特徴とする。
この構成の本発明では、シャフトにおいて、シャフト取付ベアリング用の取付部と、駆動プーリまたはフライホイール用の取付部とが同径で連続した形状に形成されているため、これらの取付部を一度の加工工程で加工することができ、シャフトの加工が容易となって、製造工程が簡略化される。
さらに、また、スイングジョー取付ベアリングおよびシャフト取付ベアリングが駆動プーリまたはフライホイールによってシャフトに保持されているので、従来とは異なりシャフトにねじ部などを形成する必要がない。従って、シャフトの形状が簡単になり、加工工程も簡略化する。
そして、これらのベアリングをシャフトに対して個々に保持する保持部材が不要となり、取付構造が簡単になる。これにより取付構造の部品点数が低減し、製造コストが低減するとともに、ジョークラッシャの軽量化が促進される。
【0011】
【発明の実施の形態】
〔全体構成の概略説明〕
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図5は、本実施形態に係る自走式破砕機1を示す正面図、背面図、右側面図、左側面図、および平面図である。なお、本実施形態では説明の便宜上、図3中の右側を前方側、左側を後方側とする。
【0012】
自走式破砕機1は、ビルの解体現場等に配置されてコンクリート塊やアスファルト塊の破砕に供される場合もあるが、本実施形態では専ら、鉱山や砕石場に配置され、大きな岩石や自然石を所定粒径に粗破砕するために用いられる。このため、全長、全幅、全高の各寸法が大きく、大型の自走式破砕機に属する。
【0013】
このような自走式破砕機1は、一対の下部走行体11を備えた本体部ユニット10と、本体部ユニット10上の後方側に搭載されて原材料が供給される供給部ユニット20と、供給部ユニット20の前方側に搭載されたジョークラッシャ30と、ジョークラッシャ30のさらに前方側に搭載されたパワーユニット40と、本体部ユニット10の下方で一対のクローラ18間から前方斜め上方に向かって延出した排出コンベア50とで構成されている。
【0014】
本体部ユニット10は、前後方向に連続して設けられた左右の側方フレーム12を、複数の連結フレーム13(図2)で連結したメインフレーム(トラックフレーム)14を備え、各側方フレーム12の下部側に前記下部走行体11が取り付けられている。下部走行体11は、前部の油圧モータ15で駆動されるスプロケット16および後部のアイドラー17にクローラ18を巻回させた構成である。
【0015】
供給部ユニット20は、後方に迫り出した左右の側方フレーム21を、開口部22Aを有する略四角形の連結フレーム22で連結した後部フレーム23を備えている。後部フレーム23の上部には、複数のコイルスプリングを介してグリズリフィーダ24が載置され、このグリズリフィーダ24が振動装置25で駆動される。グリズリフィーダ24の上部には、その周囲の三方を囲うようにホッパ26が設けられ、上方に向かって拡開したこのホッパ26内に原材料が投入される。また、グリズリフィーダ24の下部には、グリズリで選別されて落下する原材料を下方の排出コンベア50に導く排出シュート27が設けられている。なお、本実施形態のホッパ26では、左右のウィング部28は本体部分に対して折り畳み可能に設けられ、支持バー29の上端を外すことで下方に折り畳まれる。これにより、供給部ユニット20の全高が低くなり、トレーラでの輸送制限をクリアできるようになっている。
【0016】
ジョークラッシャ30は、図6に示すように、左右の側壁プレート31を、複数のリブで補強された背壁プレート32およびクロスメンバ33で連結したクラッシャフレーム(フレーム)34を備え、背壁プレート32の内側には固定ジョー35が取り付けられ、固定ジョー35の前方側には歯面が略鉛直に迫り立ったスイングジョー36が配置されている。スイングジョー36は、その上部側が側壁プレート31間に回転可能に架設されたメインシャフト(シャフト)80の偏心部81(図7)に吊設されているとともに、下部側が破砕時の反力を受ける反力受リンク機構60で支持されており、また、テンションリンク機構70により常時反力受リンク機構60側に付勢されている。
【0017】
ここで、反力受リンク機構60は、一端がスイングジョー36の背面部分に係止されたトグルプレート61と、トグルプレート61の他端側を支持しかつ固定リンクピン63を中心に回動するトグルリンク64と、下端がトグルリンク64に軸支されたベアロックシリンダ65とで概ね構成され、このベアロックシリンダ65がクロスメンバ33側に回動自在に軸支(トラニオン構造)されている。そして、このベアロックシリンダ65のロッド66を進退させることで、各ジョー35,36の下端間の出口隙間Wを調節できるようになっている。つまり、反力受リンク機構60は、ベアロックシリンダ65の駆動によってトグルリンク64およびトグルプレート61を介してスイングジョー36を固定ジョー35に近接離間させる出口隙間調整用リンク機構62となっている。
【0018】
また、テンションリンク機構70は、反力受リンク機構60の略中央に配置されており、一端がスイングジョー36側に軸支されたテンションリンク71と、前記固定リンクピン63に回動自在に軸支されたテンションレバー72と、一端がテンションレバー72に軸支されたテンションロッド73と、このテンションロッド73を所定方向に付勢するテンションスプリング74とで概ね構成され、これらテンションロッド73およびテンションスプリング74が前述のトグルリンク64に取り付けられている。
【0019】
このようなジョークラッシャ30では、メインシャフト80の一端に設けられた駆動プーリ38をVベルトを介して油圧モータ39で駆動すると、メインシャフト80の回転によりスイングジョー36が揺動リンクとして機能し、固定ジョー35との間で原材料を破砕する。この際、本実施形態のジョークラッシャ30では、スイングジョー36が固定ジョー35の歯面に対して上方から下方に削ぎ取るようにスイングするよう、反力受リンク機構60がアップスラストタイプになっている。
【0020】
パワーユニット40は、左右の側方フレーム41を複数の連結フレーム(不図示)で連結したベースフレーム42を備えている。ベースフレーム42上には、適宜な載置用のブラケットやクロスメンバを介してエンジン、油圧ポンプ、燃料タンク43、および作動油タンク44等が載置されている。また、油圧ポンプからの油圧を下部走行体11の油圧モータや、グリズリフィーダ24の振動装置25、ジョークラッシャ30の油圧モータ39、および排出コンベア50駆動用の油圧モータ等に分配するコントロールバルブが、当該ベースフレーム42で囲まれた収容空間内に収容されている。
【0021】
排出コンベア50は、後部が排出シュート27下端の排出口よりも後方に位置し、ここから排出される未破砕の原材料と、ジョークラッシャ30の出口から落下した破砕物とを前方に排出し、高所から落下させて堆積等させる。なお、原材料として鉄筋や金属片等の異物が含まれる場合には、排出コンベア50の前部側に磁選機を取り付け、この異物を取り除くことも可能である。また、排出コンベア50からの破砕物を地上に堆積させるのではなく、二次コンベアや三次コンベア等を用いて遠隔地まで搬送することもある。
【0022】
〔メインシャフトおよび駆動プーリの取付構造〕
次に、メインシャフト80および駆動プーリ38の取付構造について説明する。
図7には、メインシャフト80の取付構造を示す一部断面図が示されている。なお、メインシャフト80の一端には駆動プーリ38が、他端には図示しないフライホイールが取り付けられているが、これらの取付構造は同じなので、以下には駆動プーリ38側の取付構造について説明する。
【0023】
図7および前述の図6において、メインシャフト80には、偏心部81にスイングジョー取付ベアリング84を介してスイングジョー36が取り付けられている。このメインシャフト80は、偏心部81より端部側に所定長さにわたって形成された第一取付部(別の取付部)82において、シャフト取付ベアリング85を介して側壁プレート31に回転可能に支持されている。そして、メインシャフト80端部には、第一取付部82と同径で連続して形成された所定長さの第二取付部(取付部)83が設けられ、この第二取付部83に駆動プーリ38が固定されている。
【0024】
スイングジョー取付ベアリング84は、調心性のある自動調心型で、内輪841がメインシャフト80の偏心部81に嵌合され、外輪842がスイングジョー36上部側の取付孔361内周に嵌合されている。このスイングジョー取付ベアリング84の内輪841において、軸方向の内方側(メインシャフト80の中央側)の周端面は、段差部811で位置決めされたリングスペーサ843に当接されている。一方、スイングジョー取付ベアリング84の外輪842において、軸方向の外方側(メインシャフト80の端部側)の周端面には、スイングジョー36にボルト止めされた固定部材844が取り付けられている。すなわち、リングスペーサ843と固定部材844とにより、外輪842の軸方向の抜け出しが防止されている。
【0025】
シャフト取付ベアリング85は、スイングジョー取付ベアリング84と同様の自動調心型で、内輪851がメインシャフト80の第一取付部82に嵌合されており、下部側が側壁プレート31上端に形成された略半割形状の下部軸受部311に載置され、上部側が残る半割形状の上部軸受部312で覆われている。上部軸受部312は、下部軸受部311にボルト止めで固定されている。シャフト取付ベアリング85の軸方向両端面には、それぞれ固定部材853が設けられ、これらの固定部材853が下部軸受部311および上部軸受部312にボルト止めされることにより、外輪852の軸方向の抜け出しが防止されている。
【0026】
また、シャフト取付ベアリング85およびスイングジョー取付ベアリング84の間には、第一取付部82および偏心部81間の偏心段付部分をまたいで取付スペーサ86が介装されている。この取付スペーサ86は、各ベアリング84,85の内輪841,851に当接されており、外周には、軸方向の両側に向けてフィン861が形成されている。これらのフィン861は、固定部材844,853に形成された隙間に挿入されることで、取付スペーサ86と固定部材844,853とでラビリンスシールを形成し、スイングジョー取付ベアリング84およびシャフト取付ベアリング85に侵入する埃等を防止している。
【0027】
駆動プーリ38は、シャフト取付ベアリング85の外方側の固定部材853内周を貫通してシャフト取付ベアリング85の内輪851に当接されている。また、駆動プーリ38の内輪851への当接部分外周には、取付スペーサ86と同様にフィン383が形成され、このフィン383が固定部材853の隙間に挿入されることによりラビリンスシールを形成している。また、駆動プーリ38内周および第二取付部83外周にはそれぞれキー溝382,831が形成され、キー87によって駆動プーリ38がメインシャフト80に対して回転しないように固定されている。
【0028】
このような駆動プーリ38は、メインシャフト80端面部略中央において、保持部材88を介して一本の取付ボルト89によって軸方向に固定されている。メインシャフト80には、取付ボルト89が挿通される取付孔832が軸方向に沿って穿設されており、この取付孔832は、手前側が大径に形成され、また奥側の内周にはねじが形成されている。取付ボルト89の先端側は、この取付孔832奥側のねじ部分に螺合される螺合部891となっており、この取付ボルト89の基端側は、メインシャフト80に螺合されない所定長さの非螺合部892となっている。このような構造の取付ボルト89では、非螺合部892がトーションバーの役割を果たすので、取付ボルト89のねじり剛性が高くなっている。
【0029】
また、この取付ボルト89によって、保持部材88は駆動プーリ38、シャフト取付ベアリング85の内輪851、取付スペーサ86、スイングジョー取付ベアリング84の内輪841、およびリングスペーサ843を段差部811に押し付けており、駆動プーリ38、シャフト取付ベアリング85、取付スペーサ86、スイングジョー取付ベアリング84の全体が、保持部材88と、段差部811との間で保持されるようになっている。
【0030】
〔ジョークラッシャの動作〕
ジョークラッシャ30の動作について説明する。
油圧モータ39を駆動して駆動プーリ38を回転させると、メインシャフト80がシャフト取付ベアリング85に軸支されながら回転する。この時、偏心部81が偏心して回転することにより、スイングジョー36が揺動する。
スイングジョー36は、下部側がアップスラストタイプの反力受リンク機構60で支持されているので、トグルプレート61の揺動により、固定ジョー35に対して近接する際に上方から下方へスイングする。従って、固定ジョー35およびスイングジョー36の間に原材料を投入すると、スイングジョー36の揺動によって原材料が出口隙間Wの大きさに破砕される。破砕物は、ジョークラッシャ30下方側に配置された排出コンベア50で搬送されて自走式破砕機1外部に排出される。
【0031】
従って本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
(1) 駆動プーリ38およびフライホイールが取り付けられる第二取付部83は、同径でストレートに形成されている。このため、従来のテーパ状の取付部とは異なり、駆動プーリ38およびフライホイールの軸方向の取付位置が、駆動プーリ38およびフライホイールの孔径や第二取付部83の軸径の加工誤差にさほど影響を受けない。従って、駆動プーリ38およびフライホイールをメインシャフト80に確実に位置決めできる。また、メインシャフト80の第二取付部83が同径でストレートに形成されることにより、簡単に加工できる。
【0032】
(2) 駆動プーリ38またはフライホイールが、直接シャフト取付ベアリング85に当接され、また、シャフト取付ベアリング85が取付スペーサ86を介してスイングジョー取付ベアリング84に当接されているので、駆動プーリ38をメインシャフト80に固定するだけで、これらシャフト取付ベアリング85およびスイングジョー取付ベアリング84を固定できる。従って、シャフト取付ベアリング85およびスイングジョー取付ベアリング84の取付構造を簡単にできる。また、従来と異なりメインシャフト80外周にねじ部を形成する必要がないので、メインシャフト80の加工が簡単となる。
これらにより部品点数を低減できるので、ジョークラッシャ30の製造コストを削減できるとともに、軽量化を促進できる。
【0033】
(3) 第一取付部82と、第二取付部83とが同径で連続したストレートな軸に形成されているので、これらの取付部82,83を一度の加工工程で簡単に加工でき、製造工程を簡略化できる。
【0034】
(4) 取付ボルト89がメインシャフト80端面部略中央に一本設けられており、この取付ボルト89がメインシャフト80の軸方向に沿って螺合されることで、駆動プーリ38(またはフライホイール)、シャフト取付ベアリング85、およびスイングジョー取付ベアリング84が軸方向に保持されている。この時、取付ボルト89は、先端側の螺合部891でメインシャフト80に螺合され、基端側には非螺合部892が形成されているから、メインシャフト80がその回転時に、駆動プーリ38(またはフライホイール)、スイングジョー36などによってねじりトルクを受けた場合でも、非螺合部892がトーションバーの役割を果たしてこのねじりトルクをある程度吸収できる。従って、取付ボルト89のねじり剛性を高くすることができ、メインシャフト80の端面部略中央に一本の取付ボルト89を設けるだけで十分な耐久性を確保できる。これにより、駆動プーリ38およびフライホイールの取付構造をより一層簡単にすることができ、部品点数をさらに減少できるので、組立工程をより一層簡略化できる。
【0035】
(5) 反力受リンク機構60が、トグルプレート61をスイングジョー36に対して斜め下方から上方に向かって当接したアップスラストタイプとなっているので、スイングジョー36は、固定ジョー35表面に対して上方から下方に向かって原材料を押し付ける動作をする。従って、固定ジョー35表面に押し付けられた原材料は、下方に押されて落下しやすくなり、ジョークラッシャ30の出口隙間Wが詰まることがなく、排出性を良好にできる。これは特に、原材料が軟質の場合でも、スイングジョー36によって押し付けられた原材料が固定ジョー35に付着して出口隙間Wに詰まることがないので、有用である。
また、アップスラストタイプの反力受リンク機構60では、スイングジョー36が固定ジョー35に近接する際の角度がダウンスラストタイプのものに比べて大きいため、スイングジョー36および固定ジョー35間の原材料がすべりにくく、各ジョー35,36の摩耗を低減でき、耐久性を向上させることができる。
【0036】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、本実施形態では、メインシャフト80の両端において駆動プーリ38およびフライホイールがそれぞれ同様の取付構造で取り付けられていたが、これに限らず駆動プーリ38およびフライホイールの少なくともいずれか一方が前述のような取付構造となっていれば、本発明に含まれる。
【0037】
第一取付部82および第二取付部83は、本実施形態では同径で連続して形成されていたが、これに限らず互いに段差を有して形成されていてもよい。この場合には、取付スペーサ86と同様のスペーサを駆動プーリ38およびシャフト取付ベアリング85の間に介装すれば、駆動プーリ38を軸方向に固定することによってシャフト取付ベアリング85およびスイングジョー取付ベアリング84を良好に位置決めして固定することができる。
【0038】
取付ボルト89は、本実施形態ではメインシャフト80の端面部略中央に一本設けられたが、これに限らず、複数の取付ボルトによって固定してもよい。この場合でも、第二取付部83が同径でストレートな軸に形成され、駆動プーリ38あるいはフライホイールでシャフト取付ベアリング85およびスイングジョー取付ベアリング84を保持する構造であれば、本発明の目的を達成できる。
【0039】
ジョークラッシャ30は、自走式破砕機1に搭載されていたが、これに限らず定置型の破砕機として利用されてもよい。
【0040】
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態での自走式破砕機を示す正面図。
【図2】前記自走式破砕機を示す背面図。
【図3】前記自走式破砕機を示す右側面図。
【図4】前記自走式破砕機を示す左側面図。
【図5】前記自走式破砕機を示す平面図。
【図6】前記自走式破砕機のジョークラッシャを示す断面図。
【図7】前記ジョークラッシャのシャフトの取付構造を示す断面図。
【符号の説明】
1…自走式破砕機、30…ジョークラッシャ、34…クラッシャフレーム(フレーム)、35…固定ジョー、36…スイングジョー、80…メインシャフト(シャフト)、81…偏心部、82…第一取付部(別の取付部)、83…第二取付部(取付部)、84…スイングジョー取付ベアリング、85…シャフト取付ベアリング、86…取付スペーサ、89…取付ボルト、891…螺合部、892…非螺合部。

Claims (2)

  1. ジョークラッシャ(30)において、
    フレーム(34)に設けられた固定ジョー(35)と、
    この固定ジョー(35)に対して揺動するスイングジョー(36)と、
    このスイングジョー(36)をスイングジョー取付ベアリング(84)を介して軸支する偏心部(81)が設けられるとともに、シャフト取付ベアリング(85)を介して前記フレーム(34)に取り付けられるシャフト(80)と、
    このシャフト(80)の端部に取り付けられる駆動プーリ(38)またはフライホイールとを備え、
    前記駆動プーリ(38)または前記フライホイールは、前記シャフト(80)の端面部略中央に螺合される一本の取付ボルト(89)で取り付けられ、
    この取付ボルト(89)は、前記シャフト(80)の軸方向に沿って螺合される螺合部(891)と、この螺合部(891)の基端側に所定長さで設けられる非螺合部(892)とを備えている
    ことを特徴とするジョークラッシャ(30)。
  2. 請求項1に記載のジョークラッシャ(30)において、
    前記シャフト(80)の端部には、前記駆動プーリ(38)または前記フライホイールが取り付けられる取付部(83)が軸方向の所定長さにわたって同径に設けられ、
    前記シャフト(80)には、前記シャフト取付ベアリング(85)が取り付けられる別の取付部(82)が軸方向の所定長さにわたって設けられ、
    この別の取付部(82)と前記駆動プーリ(38)または前記フライホイール用の取付部(83)とが同径で、かつ軸方向に連続しており、
    前記スイングジョー取付ベアリング(84)および前記シャフト取付ベアリング(85)は、前記駆動プーリ(38)または前記フライホイールによって前記シャフト(80)に保持されている
    ことを特徴とするジョークラッシャ(30)。
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