JP2004172368A - 静電気保護素子およびその特性調整方法 - Google Patents
静電気保護素子およびその特性調整方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】静電容量を大きくすることなく、また既存のセラミック材料を用いて、低バリスタ電圧の静電気保護素子およびその特性調整方法を提供する。
【解決手段】バリスタセラミック1aからなる基材部1の両端に第1、第2の電極2,3を形成した静電気保護素子において、基材部1のバリスタセラミック1a中に金属導電体1bの粒子を分散させた静電気保護素子10。静電気保護素子10の基材部1を構成するバリスタセラミック1aのバリスタ電圧、静電容量、および電圧非直線指数を、バリスタセラミック1aに分散させる金属導電体1bの粒子の添加量により調整する。
【選択図】 図1
【解決手段】バリスタセラミック1aからなる基材部1の両端に第1、第2の電極2,3を形成した静電気保護素子において、基材部1のバリスタセラミック1a中に金属導電体1bの粒子を分散させた静電気保護素子10。静電気保護素子10の基材部1を構成するバリスタセラミック1aのバリスタ電圧、静電容量、および電圧非直線指数を、バリスタセラミック1aに分散させる金属導電体1bの粒子の添加量により調整する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電気回路における過電圧に対する保護のために用いられる静電気保護素子およびその特性調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
静電気保護素子は、最近の電子機器の超小型化、省電力化の推進等により機器の低電圧化が進むなか、高電圧サージからの保護だけでなく、静電気による機器搭載IC等の誤動作や破壊の防止が重要課題となっている。
【0003】
携帯電話やノートパソコンあるいは携帯型情報端末機器といった電子機器は、外部からの信号を受けるための様々な入出力端子を持つため、インターフェースケーブルの接続時等の静電気放電が直接、内部回路に損傷を与える。さらに携帯電話の場合、入出力端子だけでなく、アンテナ部分からの静電気放電も問題になってきている。
【0004】
このような信号回路、またはアンテナ回路等の静電気放電対策用部品であるバリスタは、低電圧駆動回路に対応できるバリスタ電圧を有するものが求められている。
【0005】
図12は、従来の一般的な静電気保護素子の構造を示す一部切欠斜視図である。この図に示されているように、従来の静電気保護素子は、セラミック層100の内部に長方形状の内部電極層101aと101bとを所定の間隔を隔てて交互に、かつ内部電極層101a,101bとが相対向する端面に露出するように積層し、積層体の両端面に外部電極102を形成したものである。図12には、内部電極層101a,101bをそれぞれ1つのみ図示しているが、実際には、複数の内部電極層101a,101bを交互に複数配置することもある。
【0006】
バリスタの電気特性を表すものとして、バリスタ電圧V1mA(バリスタに1mAの電流が流れるときの印加電圧)と静電容量Cがある。バリスタは、電極にかかる電圧がバリスタ電圧V1mA以下の電圧では静電容量Cのコンデンサとして動作し、バリスタ電圧V1mAを境として、それ以上では急激に電流が流れる抵抗として動作する。ちなみに、バリスタ電圧V1mA以下の場合のバリスタの静電容量Cは、次式で表される。
【0007】
C=ε0εrS/t ・・・・(式1)
ここで、ε0は真空の誘電率、εrは誘電材料の比誘電率、Sは内部電極層の重なりの部分の面積(内部電極の対が2以上の場合はそれらの重なりの部分の面積の総和)、tは内部電極層の重なりの部分の間隙の寸法である。
【0008】
上述したように、最近の電子機器に搭載される回路の低電圧化に伴って、バリスタ電圧を低くすることが課題となっているが、そのためには、バリスタセラミックの材料特性を改善してバリスタ電圧を下げるか、内部電極の間隔を狭くする手段がある。
【0009】
例えば、特開平6−314602号公報(特許文献1)には、セラミック基体内に、両側の外部電極に対して電気的に接続される一対の内部電極を設け、その一対の内部電極間の間隔を狭くすることにより、バリスタ電圧を低くできるセラミック電子部品が開示されている。
【0010】
【特許文献1】
特開平6−314602号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前掲の(特許文献1)の構造のセラミック電子部品においても、内部電極間の間隔を狭くすることには限界があり、あまり狭くすると、前記の(式1)で示されるように、静電容量Cが大きくなって、回路上、問題がある。
【0012】
バリスタセラミックの材料を低バリスタ電圧用に開発することも手段の一つであるが、従来の構成のバリスタでは、それ以上にバリスタ電圧を下げることはできない。
【0013】
本発明は、静電容量を大きくすることなく、また既存のセラミック材料を用いて、低バリスタ電圧の静電気保護素子およびその特性調整方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の静電気保護素子においては、静電気保護素子の基材部を構成するバリスタセラミック中に、金属導電体の粒子を分散させたものである。
【0015】
この発明によれば、静電容量を大きくすることなく、また既存のセラミック材料を用いて、低バリスタ電圧の静電気保護素子が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、バリスタセラミックからなる基材部の両端に電極を形成した静電気保護素子において、前記基材部のバリスタセラミック中に金属導電体の粒子を分散させたことを特徴とする静電気保護素子としたものであり、バリスタセラミックの粒子に接している金属導電体の粒子が、電極間に印加される電圧による電荷を移動させるため、電極間の距離が短縮されたものと見なすことができる。このため、基材部の材料がバリスタセラミックのみの場合に比較して、金属導体の混合比率に応じてバリスタ電圧が低くなるという作用を有する。
【0017】
請求項2に記載の発明は、前記基材部の表面層をバリスタセラミックとし、内部をバリスタセラミック中に一様に金属導電体の粒子を分散させた構成としたことを特徴とする請求項1記載の静電気保護素子としたものであり、基材部の表面には金属導電体の粒子が露出しないため、電極のメッキ時に、表面にメッキ層が形成されることが防止されるという作用を有する。
【0018】
請求項3に記載の発明は、前記基材部のバリスタセラミック中に部分的に金属導電体の粒子を分散させた構成としたことを特徴とする請求項1記載の静電気保護素子としたものであり、バリスタ電圧や静電容量を任意に調整できるという作用を有する。
【0019】
請求項4に記載の発明は、前記基材部の中途部の断面積を電極近傍の断面積よりも小さくしたことを特徴とする請求項1から3のいずれかの項に記載の静電気保護素子としたものであり、電極間の誘電体の体積が減少することにより、静電容量が低くなるという作用を有する。
【0020】
請求項5に記載の発明は、静電気保護素子の基材部を構成するバリスタセラミックのバリスタ電圧、静電容量、および電圧非直線指数を、バリスタセラミックに分散させる金属導体の粒子の添加量により調整することを特徴とする静電気保護素子の特性調整方法としたものであり、予め金属導体の添加量とバリスタ特性の関係を測定しておくことにより、任意のバリスタ特性を実現できるという作用を有する。
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図11を用いて説明する。
【0022】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る静電気保護素子の断面図を示し、図2は本発明の実施の形態1における積層前の成形体シートの構成を示す分解斜視図、図3は本発明の実施の形態1の製造工程を示すフローチャートである。
【0023】
図1において静電気保護素子10は、バリスタセラミック1aと金属導電体1bの粒子の混合体からなる基材部1と、基材部1の両端に形成された、銀3aの層とニッケルメッキ3bの層とスズメッキ3cの層からなる第1および第2の電極2,3から構成されている。なお、基材部1は積層構造でも、バルク構造でも良い。
【0024】
この静電気保護素子10の製造方法を、図2および図3を用いて説明する。なお、図2には静電気保護素子10の1個分の構成を示しているが、実際には、広い成形体シートに多数個分を同時に形成して途中の工程で静電気保護素子単体に切断する。
ステップS1:配合
所定量のバリスタセラミック原料と精製水を秤量し、粉砕用玉石入りのプラスチック容器に投入する。バリスタセラミック原料は、ZnOを主成分とし、これに微量のPr6O11とCoOおよびCaCO3を加えたものとする。
ステップS2:混合
バリスタセラミック原料と精製水の入ったプラスチック容器を、回転台を用いて回転混合し、バリスタセラミック原料を粉砕する。
ステップS3:乾燥
混合終了後に、粉砕用玉石を残し、バリスタセラミック原料と精製水が混合されたスラリーのみをステンレス製容器に移す。スラリーの入ったステンレス製容器を乾燥機にかけ、水分を蒸発、乾燥させる。
ステップS4:混練
所定量の乾燥したバリスタセラミック混合原料と有機溶剤および有機バインダーを粉砕用玉石入りプラスチック容器に投入し、混練する。有機溶剤としては、酢酸ブチル、ブトキシエタノールを用いる。有機バインダーとしては、ビヒクル、ブチルベンジルフタレート(BBP)を用いた。
ステップS5:脱泡
バリスタセラミック混合原料と有機溶剤および有機バインダーを混練したスラリーをプラスチック容器に移し、低回転数で回転し、脱泡する。
ステップS6:成形体シート成型
ドクターブレード装置を用いて、シート厚み0.9mmの成形体シートを形成する。
ステップS7:シート切断
成形体シートを150mm×150mmに切断する。
ステップS1’:配合
所定量のバリスタセラミック原料と金属導電体と精製水を秤量し、粉砕用玉石入りのプラスチック容器に投入する。バリスタセラミック原料は、ZnOを主成分とし、これに微量のPr6O11とCoOおよびCaCO3を加えたものとする。金属導電体としては、Pt,Ag,Pd,Ag−Pd,Ag−Pd−Pt等の抵抗率の低い金属を使用する。
ステップS2’:混合
バリスタセラミック原料と金属導電体原料と精製水の入ったプラスチック容器を、回転台を用いて回転混合し、バリスタセラミック原料および金属導電体原料を粉砕する。
ステップS3’:乾燥
混合終了後に、粉砕用玉石を残し、バリスタセラミック原料および金属導電体原料と精製水が混合されたスラリーのみをステンレス製容器に移す。スラリーの入ったステンレス製容器を乾燥機にかけ、水分を蒸発、乾燥させる。
ステップS4’:混練
所定量の乾燥したバリスタセラミック混合原料および金属導電体原料と有機溶剤および有機バインダーを粉砕用玉石入りプラスチック容器に投入し、混練する。有機溶剤としては、酢酸ブチル、ブトキシエタノールを用いる。有機バインダーとしては、ビヒクル、ブチルベンジルフタレート(BBP)を用いた。
ステップS5’:脱泡
バリスタセラミック混合原料および金属導電体原料と有機溶剤および有機バインダーを混練したスラリーをプラスチック容器に移し、低回転数で回転し、脱泡する。
ステップS6’:成形体シート成型
ドクターブレード装置を用いて、シート厚み0.9mmの成形体シートを形成する。
ステップS7’:シート切断
成形体シートを150mm×150mmに切断する。
ステップS8:組込
成形体シート11〜13のうち、金属導電体原料が混入された金属導電体シート14を組み込む成形体シート13に穴13aを開け、そこに金属導電体シート14を組み込む。
ステップS9:シート積層
積層機で、プレーンの成形体シート11,12と、金属導電体シート14を組み込んだ成形体シート13を積層する。
ステップS10:チップ切断
切断機を用いて、積層した成形体シートを所定のチップ形状に切断する。
ステップS11:面取り
切断したチップ積層体のエッジの角を取るために、プラスチック容器にチップ積層体を入れ、プラスチック容器を回転させ、チップ積層体同士をぶつけ合わせることで面取りを行う。
ステップS12:脱バインダ
面取り加工したチップ積層体を600℃で1時間程度焼成し、チップ積層体を構成する成形体シートに含まれる有機バインダを分解除去する。
ステップS13:焼成
蓋付きの焼成容器に脱バインダしたチップ積層体を入れ、1250〜1350℃の温度で1時間程度焼成する。
ステップS14:電極形成
焼成したチップ積層体の両端面に電極塗布治具を用いてAgペーストを塗布し、600〜800℃の焼き付け温度で焼成した後、銀3aの膜上に、ニッケルメッキ3bを施し、さらにその上にスズメッキ3cの膜を形成する。
ステップS15:特性選別
出来上がった静電気保護素子の特性を測定し、バリスタ電圧、静電容量等の大きさで分別する。
【0025】
以上の工程により、表面がバリスタセラミック1aであり、内部がバリスタセラミック1aと金属導電体1bの混合体である基材部1を有する静電気保護素子10が得られる。基材部1の表面に金属導電体1bが露出しないようにバリスタセラミック1aのみの材料で形成したのは、ステップS14の電極形成時に、金属導電体1bにメッキ層が付着して、第1、第2の電極2,3間に電圧を印加したときに表層に漏れ電流が流れないようにするためである。
【0026】
なお、図2には、成形体シート11,12,13の3枚の積層体の例を示したが、枚数は任意である。
【0027】
(表1)は、幅が0.5mm、高さが0.5mm、長さ(第1、第2の電極2,3間の長さ)が1mmの積層型チップバリスタにおける金属添加量(vol%)とバリスタ特性の関係を示すものである。また、図4(a)は金属添加量とバリスタ電圧V1mAおよび静電容量C(pF)の関係、図4(b)は金属添加量と非直線性指数α(V1mA/V1mA)の関係をそれぞれ示すグラフ、図5は積層型チップバリスタの第1、第2の電極2,3間に印加される電圧と電流の関係を示すグラフである。
【0028】
【表1】
【0029】
これらの表および図からわかるように、金属添加量が多くなるにつれ、バリスタ電圧が低くなり、静電容量は大きくなっている。金属添加量が50Vol%を超えると、金属導電体の粒子同士が接触するようになり、図5の一点鎖線で示すように、バリスタ電圧V1mA以下でも第1、第2の電極2,3間が抵抗体の性質を持つようになる。すなわち、バリスタ特有の非直線性が失われる。
【0030】
そこで、バリスタとして使用できるのは、非直線性指数αが10以上である金属添加量50Vol%以下となる。これにより、バリスタセラミックの材料選定のみでは不可能であったバリスタ電圧よりも低いバリスタ電圧をもつ静電気保護素子を製造することができる。
【0031】
(実施の形態2)
図6〜図9は、それぞれ本発明の実施の形態2に係る静電気保護素子の例を示す断面図である。この実施の形態2においては、金属導電体1bをバリスタセラミック1aに混合する層を、実施の形態1のように一様ではなく、部分的に形成したものである。
【0032】
図6の静電気保護素子20においては、第1、第2の電極2,3間の中間部のみに金属導電体1bが分散した部分を形成している。
【0033】
図7の静電気保護素子30においては、第1、第2の電極2,3の近傍のみに金属導電体1bが分散した部分を形成している。
【0034】
図8の静電気保護素子40においては、基材部1の厚み方向の中間部に金属導電体1bが分散した部分を形成している。
【0035】
図9の静電気保護素子50においては、基材部1の上下部分の近傍に金属導電体1bが分散した部分を形成している。
【0036】
なお、静電気保護素子20,30,40,50は、その用途や、仕様などによって、適宜選択する。
【0037】
(実施の形態3)
図10は、本発明の実施の形態3に係る静電気保護素子60の例を示す断面図である。
【0038】
この実施の形態3においては、基材部1の長さ方向の中途部分の断面積を小さくしたものである。前掲の(式1)によれば、第1、第2の電極2,3の面積Sが小さくなれば、静電容量Cが小さくなるので、低静電容量の静電気保護素子が得られることになる。
【0039】
なお、図示しないが、基材部1の長手方向に直交する方向にスリットを形成することでも、断面積を小さくする効果がある。
【0040】
(実施の形態4)
図11は、本発明の実施の形態4の構造を示す透視図である。この実施の形態では、一つの基材部1の両端面にそれぞれ第1の電極2A,2B、第2の電極3A,3Bを設けて、複数の電気回路を保護することができるようにしている。
【0041】
その製造方法については、図3のフローチャートにおいて、ステップS10のチップ切断時に2個分を単位に切断し、ステップS14の電極形成時に、2つの電極を形成することで、同様に製造することができる。
【0042】
この実施の形態4においても、実施の形態2の構成を適用することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、基材部のバリスタセラミック中に金属導電体の粒子を分散させたことにより、基材部の材料がバリスタセラミックのみの場合に比較して、金属導体の混合比率に応じてバリスタ電圧が低くなるため、低バリスタ電圧の静電気保護素子を実現することができる。
【0044】
請求項2に記載の発明によれば、基材部の表面層をバリスタセラミックとし、内部をバリスタセラミック中に一様に金属導電体の粒子を分散させた構成としたことにより、基材部の表面には金属導電体の粒子が露出しないため、電極のメッキ時に、表面にメッキ層が形成されることがなく、基体部表面から漏れ電流によるバリスタ特性の悪化を防止することができる。
【0045】
請求項3に記載の発明によれば、基材部のバリスタセラミック中に部分的に金属導電体の粒子を分散させた構成としたことにより、バリスタ電圧や静電容量を任意に調整することができる。
【0046】
請求項4に記載の発明によれば、基材部の中途部の断面積を電極近傍の断面積よりも小さくしたことにより、電極間の誘電体の体積が減少するため、低静電容量の静電気保護素子を得ることができる。
【0047】
請求項5に記載の発明によれば、静電気保護素子の基材部を構成するバリスタセラミックのバリスタ電圧、静電容量、および電圧非直線指数を、バリスタセラミックに分散させる金属導体の粒子の添加量により調整することにより、予め金属導体の添加量とバリスタ特性の関係を測定しておけば、任意のバリスタ特性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る静電気保護素子の断面図
【図2】本発明の実施の形態1における積層前の成形体シートの構成を示す分解斜視図
【図3】本発明の実施の形態1の製造工程を示すフローチャート
【図4】本発明の実施の形態1における積層バリスタの金属添加量によるバリスタ特性の変化を示すグラフ
【図5】本発明の実施の形態1における印加電圧と電流の関係を示すグラフ
【図6】本発明の実施の形態2に係る静電気保護素子の例を示す断面図
【図7】本発明の実施の形態2に係る静電気保護素子の例を示す断面図
【図8】本発明の実施の形態2に係る静電気保護素子の例を示す断面図
【図9】本発明の実施の形態2に係る静電気保護素子の例を示す断面図
【図10】本発明の実施の形態3に係る静電気保護素子の例を示す断面図
【図11】本発明の実施の形態4の構造を示す透視図
【図12】従来の静電気保護素子の構成を示す一部切欠透視図
【符号の説明】
1 基材部
1a バリスタセラミック
1b 金属導電体
2,2A,2B 第1の電極
3,3A,3B 第2の電極
3a 銀
3b ニッケルメッキ
3c スズメッキ
10,20,30,40,50,60,70 静電気保護素子
11,12,13 成形体シート
13a 穴
14 金属導電体シート
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電気回路における過電圧に対する保護のために用いられる静電気保護素子およびその特性調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
静電気保護素子は、最近の電子機器の超小型化、省電力化の推進等により機器の低電圧化が進むなか、高電圧サージからの保護だけでなく、静電気による機器搭載IC等の誤動作や破壊の防止が重要課題となっている。
【0003】
携帯電話やノートパソコンあるいは携帯型情報端末機器といった電子機器は、外部からの信号を受けるための様々な入出力端子を持つため、インターフェースケーブルの接続時等の静電気放電が直接、内部回路に損傷を与える。さらに携帯電話の場合、入出力端子だけでなく、アンテナ部分からの静電気放電も問題になってきている。
【0004】
このような信号回路、またはアンテナ回路等の静電気放電対策用部品であるバリスタは、低電圧駆動回路に対応できるバリスタ電圧を有するものが求められている。
【0005】
図12は、従来の一般的な静電気保護素子の構造を示す一部切欠斜視図である。この図に示されているように、従来の静電気保護素子は、セラミック層100の内部に長方形状の内部電極層101aと101bとを所定の間隔を隔てて交互に、かつ内部電極層101a,101bとが相対向する端面に露出するように積層し、積層体の両端面に外部電極102を形成したものである。図12には、内部電極層101a,101bをそれぞれ1つのみ図示しているが、実際には、複数の内部電極層101a,101bを交互に複数配置することもある。
【0006】
バリスタの電気特性を表すものとして、バリスタ電圧V1mA(バリスタに1mAの電流が流れるときの印加電圧)と静電容量Cがある。バリスタは、電極にかかる電圧がバリスタ電圧V1mA以下の電圧では静電容量Cのコンデンサとして動作し、バリスタ電圧V1mAを境として、それ以上では急激に電流が流れる抵抗として動作する。ちなみに、バリスタ電圧V1mA以下の場合のバリスタの静電容量Cは、次式で表される。
【0007】
C=ε0εrS/t ・・・・(式1)
ここで、ε0は真空の誘電率、εrは誘電材料の比誘電率、Sは内部電極層の重なりの部分の面積(内部電極の対が2以上の場合はそれらの重なりの部分の面積の総和)、tは内部電極層の重なりの部分の間隙の寸法である。
【0008】
上述したように、最近の電子機器に搭載される回路の低電圧化に伴って、バリスタ電圧を低くすることが課題となっているが、そのためには、バリスタセラミックの材料特性を改善してバリスタ電圧を下げるか、内部電極の間隔を狭くする手段がある。
【0009】
例えば、特開平6−314602号公報(特許文献1)には、セラミック基体内に、両側の外部電極に対して電気的に接続される一対の内部電極を設け、その一対の内部電極間の間隔を狭くすることにより、バリスタ電圧を低くできるセラミック電子部品が開示されている。
【0010】
【特許文献1】
特開平6−314602号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前掲の(特許文献1)の構造のセラミック電子部品においても、内部電極間の間隔を狭くすることには限界があり、あまり狭くすると、前記の(式1)で示されるように、静電容量Cが大きくなって、回路上、問題がある。
【0012】
バリスタセラミックの材料を低バリスタ電圧用に開発することも手段の一つであるが、従来の構成のバリスタでは、それ以上にバリスタ電圧を下げることはできない。
【0013】
本発明は、静電容量を大きくすることなく、また既存のセラミック材料を用いて、低バリスタ電圧の静電気保護素子およびその特性調整方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の静電気保護素子においては、静電気保護素子の基材部を構成するバリスタセラミック中に、金属導電体の粒子を分散させたものである。
【0015】
この発明によれば、静電容量を大きくすることなく、また既存のセラミック材料を用いて、低バリスタ電圧の静電気保護素子が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、バリスタセラミックからなる基材部の両端に電極を形成した静電気保護素子において、前記基材部のバリスタセラミック中に金属導電体の粒子を分散させたことを特徴とする静電気保護素子としたものであり、バリスタセラミックの粒子に接している金属導電体の粒子が、電極間に印加される電圧による電荷を移動させるため、電極間の距離が短縮されたものと見なすことができる。このため、基材部の材料がバリスタセラミックのみの場合に比較して、金属導体の混合比率に応じてバリスタ電圧が低くなるという作用を有する。
【0017】
請求項2に記載の発明は、前記基材部の表面層をバリスタセラミックとし、内部をバリスタセラミック中に一様に金属導電体の粒子を分散させた構成としたことを特徴とする請求項1記載の静電気保護素子としたものであり、基材部の表面には金属導電体の粒子が露出しないため、電極のメッキ時に、表面にメッキ層が形成されることが防止されるという作用を有する。
【0018】
請求項3に記載の発明は、前記基材部のバリスタセラミック中に部分的に金属導電体の粒子を分散させた構成としたことを特徴とする請求項1記載の静電気保護素子としたものであり、バリスタ電圧や静電容量を任意に調整できるという作用を有する。
【0019】
請求項4に記載の発明は、前記基材部の中途部の断面積を電極近傍の断面積よりも小さくしたことを特徴とする請求項1から3のいずれかの項に記載の静電気保護素子としたものであり、電極間の誘電体の体積が減少することにより、静電容量が低くなるという作用を有する。
【0020】
請求項5に記載の発明は、静電気保護素子の基材部を構成するバリスタセラミックのバリスタ電圧、静電容量、および電圧非直線指数を、バリスタセラミックに分散させる金属導体の粒子の添加量により調整することを特徴とする静電気保護素子の特性調整方法としたものであり、予め金属導体の添加量とバリスタ特性の関係を測定しておくことにより、任意のバリスタ特性を実現できるという作用を有する。
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図11を用いて説明する。
【0022】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る静電気保護素子の断面図を示し、図2は本発明の実施の形態1における積層前の成形体シートの構成を示す分解斜視図、図3は本発明の実施の形態1の製造工程を示すフローチャートである。
【0023】
図1において静電気保護素子10は、バリスタセラミック1aと金属導電体1bの粒子の混合体からなる基材部1と、基材部1の両端に形成された、銀3aの層とニッケルメッキ3bの層とスズメッキ3cの層からなる第1および第2の電極2,3から構成されている。なお、基材部1は積層構造でも、バルク構造でも良い。
【0024】
この静電気保護素子10の製造方法を、図2および図3を用いて説明する。なお、図2には静電気保護素子10の1個分の構成を示しているが、実際には、広い成形体シートに多数個分を同時に形成して途中の工程で静電気保護素子単体に切断する。
ステップS1:配合
所定量のバリスタセラミック原料と精製水を秤量し、粉砕用玉石入りのプラスチック容器に投入する。バリスタセラミック原料は、ZnOを主成分とし、これに微量のPr6O11とCoOおよびCaCO3を加えたものとする。
ステップS2:混合
バリスタセラミック原料と精製水の入ったプラスチック容器を、回転台を用いて回転混合し、バリスタセラミック原料を粉砕する。
ステップS3:乾燥
混合終了後に、粉砕用玉石を残し、バリスタセラミック原料と精製水が混合されたスラリーのみをステンレス製容器に移す。スラリーの入ったステンレス製容器を乾燥機にかけ、水分を蒸発、乾燥させる。
ステップS4:混練
所定量の乾燥したバリスタセラミック混合原料と有機溶剤および有機バインダーを粉砕用玉石入りプラスチック容器に投入し、混練する。有機溶剤としては、酢酸ブチル、ブトキシエタノールを用いる。有機バインダーとしては、ビヒクル、ブチルベンジルフタレート(BBP)を用いた。
ステップS5:脱泡
バリスタセラミック混合原料と有機溶剤および有機バインダーを混練したスラリーをプラスチック容器に移し、低回転数で回転し、脱泡する。
ステップS6:成形体シート成型
ドクターブレード装置を用いて、シート厚み0.9mmの成形体シートを形成する。
ステップS7:シート切断
成形体シートを150mm×150mmに切断する。
ステップS1’:配合
所定量のバリスタセラミック原料と金属導電体と精製水を秤量し、粉砕用玉石入りのプラスチック容器に投入する。バリスタセラミック原料は、ZnOを主成分とし、これに微量のPr6O11とCoOおよびCaCO3を加えたものとする。金属導電体としては、Pt,Ag,Pd,Ag−Pd,Ag−Pd−Pt等の抵抗率の低い金属を使用する。
ステップS2’:混合
バリスタセラミック原料と金属導電体原料と精製水の入ったプラスチック容器を、回転台を用いて回転混合し、バリスタセラミック原料および金属導電体原料を粉砕する。
ステップS3’:乾燥
混合終了後に、粉砕用玉石を残し、バリスタセラミック原料および金属導電体原料と精製水が混合されたスラリーのみをステンレス製容器に移す。スラリーの入ったステンレス製容器を乾燥機にかけ、水分を蒸発、乾燥させる。
ステップS4’:混練
所定量の乾燥したバリスタセラミック混合原料および金属導電体原料と有機溶剤および有機バインダーを粉砕用玉石入りプラスチック容器に投入し、混練する。有機溶剤としては、酢酸ブチル、ブトキシエタノールを用いる。有機バインダーとしては、ビヒクル、ブチルベンジルフタレート(BBP)を用いた。
ステップS5’:脱泡
バリスタセラミック混合原料および金属導電体原料と有機溶剤および有機バインダーを混練したスラリーをプラスチック容器に移し、低回転数で回転し、脱泡する。
ステップS6’:成形体シート成型
ドクターブレード装置を用いて、シート厚み0.9mmの成形体シートを形成する。
ステップS7’:シート切断
成形体シートを150mm×150mmに切断する。
ステップS8:組込
成形体シート11〜13のうち、金属導電体原料が混入された金属導電体シート14を組み込む成形体シート13に穴13aを開け、そこに金属導電体シート14を組み込む。
ステップS9:シート積層
積層機で、プレーンの成形体シート11,12と、金属導電体シート14を組み込んだ成形体シート13を積層する。
ステップS10:チップ切断
切断機を用いて、積層した成形体シートを所定のチップ形状に切断する。
ステップS11:面取り
切断したチップ積層体のエッジの角を取るために、プラスチック容器にチップ積層体を入れ、プラスチック容器を回転させ、チップ積層体同士をぶつけ合わせることで面取りを行う。
ステップS12:脱バインダ
面取り加工したチップ積層体を600℃で1時間程度焼成し、チップ積層体を構成する成形体シートに含まれる有機バインダを分解除去する。
ステップS13:焼成
蓋付きの焼成容器に脱バインダしたチップ積層体を入れ、1250〜1350℃の温度で1時間程度焼成する。
ステップS14:電極形成
焼成したチップ積層体の両端面に電極塗布治具を用いてAgペーストを塗布し、600〜800℃の焼き付け温度で焼成した後、銀3aの膜上に、ニッケルメッキ3bを施し、さらにその上にスズメッキ3cの膜を形成する。
ステップS15:特性選別
出来上がった静電気保護素子の特性を測定し、バリスタ電圧、静電容量等の大きさで分別する。
【0025】
以上の工程により、表面がバリスタセラミック1aであり、内部がバリスタセラミック1aと金属導電体1bの混合体である基材部1を有する静電気保護素子10が得られる。基材部1の表面に金属導電体1bが露出しないようにバリスタセラミック1aのみの材料で形成したのは、ステップS14の電極形成時に、金属導電体1bにメッキ層が付着して、第1、第2の電極2,3間に電圧を印加したときに表層に漏れ電流が流れないようにするためである。
【0026】
なお、図2には、成形体シート11,12,13の3枚の積層体の例を示したが、枚数は任意である。
【0027】
(表1)は、幅が0.5mm、高さが0.5mm、長さ(第1、第2の電極2,3間の長さ)が1mmの積層型チップバリスタにおける金属添加量(vol%)とバリスタ特性の関係を示すものである。また、図4(a)は金属添加量とバリスタ電圧V1mAおよび静電容量C(pF)の関係、図4(b)は金属添加量と非直線性指数α(V1mA/V1mA)の関係をそれぞれ示すグラフ、図5は積層型チップバリスタの第1、第2の電極2,3間に印加される電圧と電流の関係を示すグラフである。
【0028】
【表1】
【0029】
これらの表および図からわかるように、金属添加量が多くなるにつれ、バリスタ電圧が低くなり、静電容量は大きくなっている。金属添加量が50Vol%を超えると、金属導電体の粒子同士が接触するようになり、図5の一点鎖線で示すように、バリスタ電圧V1mA以下でも第1、第2の電極2,3間が抵抗体の性質を持つようになる。すなわち、バリスタ特有の非直線性が失われる。
【0030】
そこで、バリスタとして使用できるのは、非直線性指数αが10以上である金属添加量50Vol%以下となる。これにより、バリスタセラミックの材料選定のみでは不可能であったバリスタ電圧よりも低いバリスタ電圧をもつ静電気保護素子を製造することができる。
【0031】
(実施の形態2)
図6〜図9は、それぞれ本発明の実施の形態2に係る静電気保護素子の例を示す断面図である。この実施の形態2においては、金属導電体1bをバリスタセラミック1aに混合する層を、実施の形態1のように一様ではなく、部分的に形成したものである。
【0032】
図6の静電気保護素子20においては、第1、第2の電極2,3間の中間部のみに金属導電体1bが分散した部分を形成している。
【0033】
図7の静電気保護素子30においては、第1、第2の電極2,3の近傍のみに金属導電体1bが分散した部分を形成している。
【0034】
図8の静電気保護素子40においては、基材部1の厚み方向の中間部に金属導電体1bが分散した部分を形成している。
【0035】
図9の静電気保護素子50においては、基材部1の上下部分の近傍に金属導電体1bが分散した部分を形成している。
【0036】
なお、静電気保護素子20,30,40,50は、その用途や、仕様などによって、適宜選択する。
【0037】
(実施の形態3)
図10は、本発明の実施の形態3に係る静電気保護素子60の例を示す断面図である。
【0038】
この実施の形態3においては、基材部1の長さ方向の中途部分の断面積を小さくしたものである。前掲の(式1)によれば、第1、第2の電極2,3の面積Sが小さくなれば、静電容量Cが小さくなるので、低静電容量の静電気保護素子が得られることになる。
【0039】
なお、図示しないが、基材部1の長手方向に直交する方向にスリットを形成することでも、断面積を小さくする効果がある。
【0040】
(実施の形態4)
図11は、本発明の実施の形態4の構造を示す透視図である。この実施の形態では、一つの基材部1の両端面にそれぞれ第1の電極2A,2B、第2の電極3A,3Bを設けて、複数の電気回路を保護することができるようにしている。
【0041】
その製造方法については、図3のフローチャートにおいて、ステップS10のチップ切断時に2個分を単位に切断し、ステップS14の電極形成時に、2つの電極を形成することで、同様に製造することができる。
【0042】
この実施の形態4においても、実施の形態2の構成を適用することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、基材部のバリスタセラミック中に金属導電体の粒子を分散させたことにより、基材部の材料がバリスタセラミックのみの場合に比較して、金属導体の混合比率に応じてバリスタ電圧が低くなるため、低バリスタ電圧の静電気保護素子を実現することができる。
【0044】
請求項2に記載の発明によれば、基材部の表面層をバリスタセラミックとし、内部をバリスタセラミック中に一様に金属導電体の粒子を分散させた構成としたことにより、基材部の表面には金属導電体の粒子が露出しないため、電極のメッキ時に、表面にメッキ層が形成されることがなく、基体部表面から漏れ電流によるバリスタ特性の悪化を防止することができる。
【0045】
請求項3に記載の発明によれば、基材部のバリスタセラミック中に部分的に金属導電体の粒子を分散させた構成としたことにより、バリスタ電圧や静電容量を任意に調整することができる。
【0046】
請求項4に記載の発明によれば、基材部の中途部の断面積を電極近傍の断面積よりも小さくしたことにより、電極間の誘電体の体積が減少するため、低静電容量の静電気保護素子を得ることができる。
【0047】
請求項5に記載の発明によれば、静電気保護素子の基材部を構成するバリスタセラミックのバリスタ電圧、静電容量、および電圧非直線指数を、バリスタセラミックに分散させる金属導体の粒子の添加量により調整することにより、予め金属導体の添加量とバリスタ特性の関係を測定しておけば、任意のバリスタ特性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る静電気保護素子の断面図
【図2】本発明の実施の形態1における積層前の成形体シートの構成を示す分解斜視図
【図3】本発明の実施の形態1の製造工程を示すフローチャート
【図4】本発明の実施の形態1における積層バリスタの金属添加量によるバリスタ特性の変化を示すグラフ
【図5】本発明の実施の形態1における印加電圧と電流の関係を示すグラフ
【図6】本発明の実施の形態2に係る静電気保護素子の例を示す断面図
【図7】本発明の実施の形態2に係る静電気保護素子の例を示す断面図
【図8】本発明の実施の形態2に係る静電気保護素子の例を示す断面図
【図9】本発明の実施の形態2に係る静電気保護素子の例を示す断面図
【図10】本発明の実施の形態3に係る静電気保護素子の例を示す断面図
【図11】本発明の実施の形態4の構造を示す透視図
【図12】従来の静電気保護素子の構成を示す一部切欠透視図
【符号の説明】
1 基材部
1a バリスタセラミック
1b 金属導電体
2,2A,2B 第1の電極
3,3A,3B 第2の電極
3a 銀
3b ニッケルメッキ
3c スズメッキ
10,20,30,40,50,60,70 静電気保護素子
11,12,13 成形体シート
13a 穴
14 金属導電体シート
Claims (5)
- バリスタセラミックからなる基材部の両端に電極を形成した静電気保護素子であって、
前記基材部のバリスタセラミック中に金属導電体の粒子を分散させたことを特徴とする静電気保護素子。 - 前記基材部の表面層をバリスタセラミックとし、内部をバリスタセラミック中に一様に金属導電体の粒子を分散させた構成としたことを特徴とする請求項1記載の静電気保護素子。
- 前記基材部のバリスタセラミック中に部分的に金属導電体の粒子を分散させた構成としたことを特徴とする請求項1記載の静電気保護素子。
- 前記基材部の中途部の断面積を電極近傍の断面積よりも小さくしたことを特徴とする請求項1から3のいずれかの項に記載の静電気保護素子。
- 静電気保護素子の基材部を構成するバリスタセラミックのバリスタ電圧、静電容量、および電圧非直線指数を、バリスタセラミックに分散させる金属導体の粒子の添加量により調整することを特徴とする静電気保護素子の特性調整方法。
Priority Applications (1)
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JP2002336421A JP2004172368A (ja) | 2002-11-20 | 2002-11-20 | 静電気保護素子およびその特性調整方法 |
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JP2012124204A (ja) * | 2010-12-06 | 2012-06-28 | Tdk Corp | チップバリスタ |
-
2002
- 2002-11-20 JP JP2002336421A patent/JP2004172368A/ja active Pending
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