JP2004172062A - 燃料電池及び多層燃料電池用セル - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料と酸素とを含む混合ガスを使用し、十分な流量のガスの流動が可能である、簡単な構造で所望の電圧の電気を供給できる燃料電池と、そのような燃料電池で使用される多層燃料電池用セルを提供すること。
【解決手段】燃料と酸素とを含む混合ガスを供給するガス入口13と排ガスの出口14とを備えた容器12内に、電解質層22a、22bと、その一面側及び他面側にそれぞれ配置された多孔質のカソード層24a、24b及び多孔質のアノード層26a、26bとから形成される単一燃料電池用セル20a、20bを所定数積み重ねた積層構造の多層燃料電池用セルを収容した燃料電池10であって、隣り合う単一燃料電池用セル20a、20bの一方のもののアノード層26aと他方のもののカソード層24bとが、導電性であり且つガス流動可能な層16を介して接続されるようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】燃料と酸素とを含む混合ガスを供給するガス入口13と排ガスの出口14とを備えた容器12内に、電解質層22a、22bと、その一面側及び他面側にそれぞれ配置された多孔質のカソード層24a、24b及び多孔質のアノード層26a、26bとから形成される単一燃料電池用セル20a、20bを所定数積み重ねた積層構造の多層燃料電池用セルを収容した燃料電池10であって、隣り合う単一燃料電池用セル20a、20bの一方のもののアノード層26aと他方のもののカソード層24bとが、導電性であり且つガス流動可能な層16を介して接続されるようにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料電池及び燃料電池用セルに関し、更に詳細にはメタン等の燃料ガスと酸素とを含む混合ガスが供給される燃料電池及び多層燃料電池用セルに関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、火力発電等の発電効率に比較して、高い発電効率が期待できるため、現在、多くの研究がなされている。
かかる燃料電池には、例えば、図5に示すように、イットリア(Y2O3)が添加された安定化ジルコニアの焼成体である酸素イオン伝導型の固体電解質層100の一面側にカソード層102、他面側にアノード層104が形成された燃料電池用セル106が配設されている。この燃料電池用セル106のカソード層102側には、酸素又は酸素含有気体が供給される。他方のアノード層104側には、メタン等の燃料ガスが供給される。
【0003】
図5に示す燃料電池用セル106のカソード層102側に供給された酸素(O2)は、カソード層102と固体電解質層100との境界で酸素イオン(O2+)にイオン化され、この酸素イオン(O2+)は、固体電解質層100によってアノード層104に伝導される。アノード層104に伝導された酸素イオン(O2+)は、アノード層104側に供給されたメタン(CH4)ガスと約1000℃の燃料電池作動温度において反応し、水(H2O)、二酸化炭素(CO2)、水素(H2)、一酸化炭素(CO)が生成される。かかる反応の際に、酸素イオンが電子を放出するため、カソード層102とアノード層104との間に電位差が生じる。このため、カソード層102とアノード層104を取出線108によって電気的に接続することにより、アノード層104の電子はカソード層102の方向(図中の矢印の方向)に取出線108を流れ、燃料電池から電気を取り出すことができる。
【0004】
しかし、図5に示す燃料電池用セル106は、約1000℃もの高温下で運転される上に、カソード層102側は酸化性雰囲気にさらされ、アノード層104側は還元性雰囲気にさらされるため、燃料電池用セルl06の耐久性を向上することは容易でなかった。
【0005】
SCIENCE,Vol.288(2000),p2031−2033には、図6に示すように、固体電解質層200のおのおのの面側にカソード層202とアノード層204とを形成した燃料電池用セル206を、メタンと酸素の混合ガス雰囲気内に配置しても、燃料電池用セル206に起電力が発生することが報告されている。このように、燃料電池用セル206を混合ガス雰囲気内に配置することによって、燃料電池用セル206の全体を実質的に同一雰囲気とすることができ、固体電解質層のおのおのの面を異なる雰囲気にさらす図5に示す燃料電池用セル106に比較して、その耐久性の向上を図ることができる。
【0006】
しかしながら、図6に示す燃料電池では、単一の燃料電池用セル206が容器200内に収容されているため、燃料電池から取り出すことのできる電圧は不充分である。燃料電池セルをメタンのような燃料と酸素との混合ガス雰囲気内に配置する燃料電池から、単一のセルで得られる電圧より高い所望の電圧を取り出すには、図7に示すように、複数の単一燃料電池用セル206を積層した多層燃料電池用セルが使用される。多層燃料電池用セルを構成する単一燃料電池用セル206のおのおのは、混合ガスの流動を可能にするようガス流路302a、302bが複雑に形成されたセパレータ300によって分離されており、燃料電池の組み立て、構造等を複雑化している。しかも、このように構造等が複雑化した燃料電池では、その作動温度における各部材の熱膨張率等のマッチングを図ることが困難であり、各部材に加えられる熱ストレスの影響が大きくなりやすい。
【0007】
上記の問題の解決のために、本発明者らは特願2000−156801号明細書で、一つの単一燃料電池用セルのカソード層ともう一つの単一燃料電池用セルのアノード層とを直接接合した構造の燃料電池を提案し、その一つの態様として、アノード層とカソード層のおのおのに、混合ガスが通過できるよう多孔質材料から作製したものを用いたものを示した。そのような燃料電池の代表例を図8に示す。この図の燃料電池においては、単一燃料電池用セル406が、いずれも多孔質の、固体電解質層400、カソード層402、及びアノード層404から構成され、そして二つの単一燃料電池用セル406が、一方のカソード層402がもう一方のアノード層406と直接接合するように積層されて、混合ガス入口412と排ガス出口414を備えた容器410内に収容されている。
【0008】
【特許文献1】
特願2000−156801号明細書
【非特許文献1】
SCIENCE,Vol.288(2000),p2031−2033
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
特願2000−156801号明細書に提案された、カソード及びアノードの両電極を多孔性にしたセルを用いた燃料電池は、セルの構造が単純であり、製造工程も簡単であるという利点を持つ。ところが、この燃料電池では、ガスが多孔質の電極を通り抜ける際の圧力損失が大きくなりやすく、従って場合によっては、十分なガスの供給ができなくなったり、あるいは供給圧力の高いガスが必要になったり、十分な電力を供給するのが困難になったりといったような不都合が生じることがある。
【0010】
本発明は、燃料と酸素とを含む混合ガスを使用し、十分な流量のガスの流動が可能であり、簡単な構造で所望の電圧の電気を供給できる燃料電池と、そのような燃料電池で使用される多層燃料電池用セルを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料電池は、燃料と酸素とを含む混合ガスを供給するガス入口と排ガスの出口とを備えた容器内に、電解質層と、その一面側及び他面側にそれぞれ配置された多孔質のカソード層及び多孔質のアノード層とから形成される単一燃料電池用セルを所定数積み重ねた積層構造の多層燃料電池用セルを収容した燃料電池であって、隣り合う単一燃料電池用セルの一方のもののアノード層と他方のもののカソード層とが、導電性であり且つガス流動可能な層を介して接続されていることを特徴とする燃料電池である。
【0012】
好ましくは、導電性且つガス流動可能な層は金属又は導電性セラミックの多孔体から形成される。この多孔体は、金属もしくは導電性セラミックの焼結多孔体、金属フェルト、又は金属ウールであることができ、あるいは波形加工された金属シート又は金属網状体、あるいは凸状部分を備えた金属シートでもよい。金属材料としては、Cr又はCrとNiを含む鉄系合金、代表例としてステンレス鋼、を好適に使用できる。
【0013】
好ましくは、アノード層とカソード層のそれぞれの開放気孔率は20%以上(例えば20〜70%)であり、より好ましくは30〜70%、特に好ましくは40〜50%である。
【0014】
電解質層は、多孔質体であることができ、その開放気孔率は好ましくは20%以上(例えば20〜70%)、より好ましくは30〜70%、特に好ましくは40〜50%である。あるいはまた、電解質層は、混合ガスの通過を可能にする貫通孔を備えた緻密体であってもよい。
【0015】
多層燃料電池用セルは、その全面を容器の内壁に当接又は密着して容器内に収容することができる。この場合、多層燃料電池用セルの一番外側のアノード層及びカソード層の上にガス流動可能な層を設けてもよい。
【0016】
多層燃料電池用セルは、それと容器のガス入口を設けた内壁との間、及び容器のガス出口を設けた内壁との間に空間を設けて、容器内に収容してもよい。
【0017】
本発明の多層燃料電池用セルは、電解質層と、その一面側及び他面側にそれぞれ配置された多孔質のカソード層及び多孔質のアノード層とから形成される単一燃料電池用セルを所定数積み重ねた積層体により構成される多層燃料電池用セルであって、隣り合う単一燃料電池用セルの一方のもののアノード層と他方のもののカソード層とが、導電性であり且つガス流動可能な層を介して接続されていることを特徴とする多層燃料電池用セルである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の燃料電池の一例を図1に示す。この図に10で示された燃料電池は、ガス入口13とガス出口14とを備えた容器12と、この容器12内に収容されている、積み重ねられた二つの単一燃料電池用セル20a、20bとを含む。単一燃料電池用セル20a、20bのおのおのは、電解質層22a、22bとその一面側と他面側にそれぞれ配置されたカソード層24a、24b及びアノード層26a、26bの積層体により形成されており、各層はいずれも多孔質である。この積層体において隣接する一方の単一燃料電池用セル20aのアノード層26aともう一方の単一燃料電池用セル20bのカソード層24bの間に、導電性且つガス流動可能な層16が配置されている。
【0019】
燃料電池10にガス入口13から供給された燃料と酸素とを含む混合ガスは、いずれも多孔質のカソード層24a、24b、電解質層22a、22b、アノード層26a、26bの細孔を通り抜け、その間に燃料の燃焼(酸化)により電子を発生する電極反応が進行し、そしてガス出口14から排ガスが排出される。アノード層26aとカソード層24bの間に設けられたガス流動可能な層16により、混合ガスの流動が促進され、各単一燃料電池用セル20a、20bへのガスの効率的な供給が実現される。
【0020】
容器12は、燃料電池の作動温度で十分な耐熱性を示すように、1200℃程度までの耐熱性を有するセラミック等の耐熱材料から作製される。その断面形状は任意であるが、その内面の少なくとも一部が、ガス入口から供給される混合ガスが単一燃料電池用セル20a、20bの積層体(多層燃料電池用セル)をバイパスしないように、積重体の外周面と密着する形状であるのが望ましい。必要に応じて、容器12の内面と多層燃料電池用セルの外周面との間に、例えばアルミナセメントや高融点ガラス等の低気孔率材料の封止材(図示せず)を配置してもよい。
【0021】
多層燃料電池セルの一番外側のカソード層24aと一番外側のアノード層26bに取出線18を接続し、燃料電池10で発電された電力を外部に取り出すことができる。
【0022】
固体電解質層22a、22bは、酸索イオン伝導体で作製される。本発明において好適に使用できる固体電解質層材料の代表例として、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、イットリウム(Y)等の3族元素の酸化物を添加したセリア系セラミックや、スカンジウム(Sc)やイットリウム(Y)等の3族元素の酸化物で安定化されたジルコニア系セラミックを挙げることができる。
【0023】
カソード層24a、24bは、例えば、ランタンストロンチウムマンガナイト(LSM)、ランタンストロンチウムコバルタイト(LSC)、サマリウムストロンチウムコバルタイト(SSC)等の導電性酸化物セラミックから形成することができる。
【0024】
アノード層26a、26bは、空燃比や運転温度等の条件によるが、例えばニッケル、ニッケルサーメット、リチウムを固溶したNiOセラミックなどにより形成することができる。
【0025】
固体電解質層22a、22b、カソード層24a、24b、及びアノード層26a、26bは、それらを通して混合ガスが拡散移動するのを可能にするよう、20%以上(例えば20〜70%)の開放気孔率を有するのが好ましい。より好ましい開放気孔率は30〜70%であり、特に好ましくは40〜50%である。開放気孔率が小さいと混合ガスの拡散移動が思うように進まず、大きすぎると各層の強度等に影響するので好ましくない。ここで言う「開放気孔率」とは、多孔質体としての層の総体積に対する層の表面に通じている気孔(開放気孔)の体積の割合のことである。
【0026】
隣接する一方の単一燃料電池用セル20aのアノード層26aともう一方の単一燃料電池用セル20bのカソード層24bの間に配置される、導電性且つガス流動可能な層16は、金属又は導電性セラミックの多孔体から形成することができる。この層16は、ガス入口13からガス出口14の方へ向かって混合ガスが流れるのを促進するとともに、それと接するアノード層26a及びカソード層24bの全面への、混合ガスの均一な分配を可能にする。そのような層16の形成に用いられる多孔体の一例として、金属又は導電性セラミックの焼結多孔体や、金属フェルト、金属ウールなどを挙げることができる。あるいは、波形加工された金属シートや金属網状体、凸状部分を備えた金属シートなどの使用も可能である。
【0027】
導電性且つガス流動可能な層16は、容器12と同様に、燃料電池の作動温度で十分な耐熱性を示すように、1200℃程度までの耐熱性を有することが必要である。特に金属材料の層16を使用する場合には、耐熱性とともに耐酸化性も要求される。そのような条件を満足する金属材料として、Cr又はCrとNiを含む鉄系合金、一例としてステンレス鋼、を挙げることができる。
【0028】
燃料電池の作動温度が一般に高いため、燃料電池の稼働時に各部材の熱膨張率の違いにより生じる熱ストレスは大きくなりやすい。本発明の導電性且つガス流動可能な層16として、特に金属フェルト、金属ウール、あるいは波形加工するなどして歪ませた金属網状体などのように、変形が容易なものを使用すると、稼働時の高温における熱ストレスの緩衝に有利であり、また、多層燃料電池用セルを作製するため単一燃料電池用セルを積層するときに、多層燃料電池用セルに多少の反りや歪みが生じてもこれを吸収できる点で有利である。後者の利点は、ボルト締めにより各部材を集成して多層燃料電池用セルを得る場合に、特に望ましいものとなる。
【0029】
図1に示した燃料電池10では、多層燃料電池用セルを形成している二つの単一燃料電池用セル20a、20bの間に導電性且つガス流動可能な層16が配置されているだけであるが、本発明の燃料電池においては、そのような層を、多層燃料電池用セルの一番外側に位置するカソード層とアノード層の上に設けることも可能である。図2に、この態様の燃料電池10’を示す。
【0030】
図2に示した燃料電池10’は、図1の燃料電池10を構成する部材と同様であり、それらと同じ符号で示される部材、すなわち容器12と、電解質層22a、22b、カソード層24a、24b及びアノード層26a、26bにより形成される二つの単一燃料電池用セル20a、20bと、これらの単一燃料電池用セル20a、20bの間に配置された導電性且つガス流動可能な層16を含み、更に、多層燃料電池用セルの一番外側に位置するカソード層24aとアノード層26bの上にそれぞれ配置した、同様のガス流動可能な層16’及び16”を含む。層16’、16”は、燃料電池10’で発電された電力を外部に取り出す取出線18(図1)をそれらに直接接続するのでない限り、必ずしも導電性である必要はない。
【0031】
図1と2に示した燃料電池10、10’において、容器12のガス入口13を設けた内壁と多層燃料電池用セルとの間、及びガス出口14を設けた内壁と多層燃料電池用セルとの間は、空間となっているが、これらの部分に多孔質体(図示せず)を配置することも可能である。
【0032】
燃料電池10にガス入口13から供給された混合ガスは、多孔質のカソード層24a、24b、電解質層22a、22b、アノード層26a、26bを拡散により通過し、ガス出口14に向かう。カソード層24a、24b側から拡散して固体電解質層10の表面に到達した混合ガスのうちのメタン等の可燃性ガスと、反対側(アノード層26a、26b側)から固体電解質層22a、22bを通過してきた酸素イオンとが電気化学的に反応し、水(H2O)、二酸化炭素(CO2)、水素(H2)、一酸化炭素(CO)が生成するとともに、酸素イオンから電子が放出される。混合ガスは、多孔質のカソード層24a、24b、電解質層22a、22b、アノード層26a、26bを通しての拡散によりガス入口側からガス出口側へと流れるに従って酸素量が減少し、水、二酸化炭素、水素、一酸化炭素の量が増加してゆき、最終的にガス出口14から排出される。
【0033】
本発明の燃料電池に供給する混合ガスにおける燃料ガスとしては、メタンのほかに、水素、エタン、プロパン、ブタン等の可燃性ガスを使用することができ、2種以上の可燃性ガスの混合物を燃料ガスとして使用してもよい。燃料ガスは、酸素、あるいは空気に代表される酸素含有ガスと混合して、混合ガスとすることができる。通常、可燃性ガス(燃料ガス)の酸素に対する濃度を爆発限界以上の濃度に調整して容器12に供給する。
【0034】
図1と2に示す多層燃料電池用セルは、予め形成した2以上の単一燃料電池用セルをそれらの間に導電性で且つガス流動を可能にする層を挟んで積み重ねることで、得ることができる。単一燃料電池用セルは、例えば、所定の材料を予め焼成して形成した固体電解質層の片面にカソード層用のグリーンシートを積層し、他面にアノード層用のグリーンシートを積層し、得られた積層体を焼成して得ることができ、あるいは、焼成した固体電解質層の各面にカソード層用及びアノード層用の各ペースト材料をそれぞれ塗布し、焼成して得ることができる。
【0035】
図1と2に示した燃料電池における混合ガスの流動方向は、多層燃料電池用セルの各層に平行な方向であるが、本発明の燃料電池における混合ガスの流動方向は、多層燃料電池用セルの各層を横切る方向(各層に対し垂直方向)であってもよい。本発明のこの態様による燃料電池を、図3に示す。この図の燃料電池は、多層燃料電池用セルの外周面全体が容器12の内面と当接又は密着しており、燃料電池の全体の寸法を最小限にできる点で有利である。
【0036】
図3の燃料電池において、図2に示したようにそれぞれ一番外側に位置するカソード層24aとアノード層26bの上にガス流動可能な層16’、16”を設けた多層燃料電池用セルを用いることも可能である。この態様の燃料電池を、図4に示す。これらの層16’、16”によって、ガス入口13を通して供給される混合ガスの最上層のカソード層24aへの分配、及び最下層のアノード層26bからガス出口14への排ガスの排出が、より容易になる。
【0037】
図3に示した燃料電池において、最上層のカソード層24aへの供給混合ガスの分配、及び最下層のアノード層26bからガス出口への排ガスの排出をより容易にするために、最上層のカソード層24aと容器10のガス入口13を設けた内面との間、及び最下層のアノード層26bと容器10のガス出口14を設けた内面との間に、それぞれ空間を設けることも可能である。
【0038】
また、図3、4を参照して説明した態様では、混合ガスを多層燃料電池用セルの一番外側のカソード層24a側から供給してもよく、あるいは一番外側のアノード層26b側から供給してもよい。
【0039】
本発明の燃料電池では、従来技術で使用される図7に示したような特別の流路を設けた複雑なセパレータを用いることなしに複数の単一燃料電池用セルにより形成した、従来のものに比べて簡単で且つ薄くなった多層燃料電池用セルを使用している。この多層燃料電池用セルにおいては、二つの単一燃料電池用セルの一方のアノード層と他方のカソード層との間に配置した層により、混合ガスの十分な流動が確保される。従って、本発明の燃料電池は、簡単な構造でありながら、所望の電圧の電気を容易に供給することができる。
【0040】
【実施例】
次に、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこの例に限定されるものではない。
【0041】
サマリアドープセリア(SDC、Sm0.2Ce0.8O1.9)基板(30×30mm、厚さ約200μm)の片面に、50wt%サマリウムストロンチウムコバルタイト(SSC、Sm0.5St0.5CoO3)−SDCのペーストを印刷し、乾燥後、他方の面に16mol%LiドープトNiO−10wt%SDCのペーストを印刷し、乾燥し、そしてこれらのペーストを基板とともに大気中において1200℃で1時間焼成した。
【0042】
この焼成により得られたSSC/SDC/Li−NiO積層体を使用し、更に波形加工したSUS304メッシュ(約30×30mm、325メッシュ)を使用して、四角に孔あけ加工を施したアルミナセラミック基板(約40×40mm)上に、メッシュ/SSC/SDC/Li−NiO/メッシュ/SSC/SDC/Li−NiO/メッシュの積層構造体を作製した。この積層構造体の一番下のメッシュと一番上のメッシュには、白金線(直径0.3mm)をそれぞれ溶接した。積層構造体の一番上のメッシュの上に、上記と同じアルミナセラミック基板を載せ、四角の貫通孔に通したSUS304製ボルトナットで積層構造体を固定した。
【0043】
続いて、積層構造体を10vol%ブタン−空気の混合ガス流中に配置し、約500℃に加熱したところ、最下層と最上層のメッシュにそれぞれ接続した白金線間に約1.4Vの電圧が認められた。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、特別の流路を設けた複雑なセパレータを用いる必要のない簡単な構造で、燃料と酸素とを含む混合ガスを使用して所望の電圧の電気を供給できる燃料電池が利用可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の態様の燃料電池を説明する図である。
【図2】本発明の第2の態様の燃料電池を説明する図である。
【図3】本発明の第3の態様の燃料電池を説明する図である。
【図4】本発明の第4の態様の燃料電池を説明する図である。
【図5】従来の燃料電池を説明する図である。
【図6】燃料と酸素の混合ガスを使用する燃料電池を説明する図である。
【図7】燃料と酸素の混合ガスを供給する燃料電池で用いられる多層燃料電池用セルを説明する分解斜視図である。
【図8】多孔質のアノード層とカソード層を取り入れた多層燃料電池用セルを使用する燃料電池を説明する図である。
【符号の説明】
10、10’…燃料電池
12…容器
16…導電性且つガス流動可能な層
16’、16”…ガス流動可能な層
20a、20b…単一燃料電池用セル
22a、22b…電解質層
24a、24b…カソード層
26a、26b…アノード層
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料電池及び燃料電池用セルに関し、更に詳細にはメタン等の燃料ガスと酸素とを含む混合ガスが供給される燃料電池及び多層燃料電池用セルに関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、火力発電等の発電効率に比較して、高い発電効率が期待できるため、現在、多くの研究がなされている。
かかる燃料電池には、例えば、図5に示すように、イットリア(Y2O3)が添加された安定化ジルコニアの焼成体である酸素イオン伝導型の固体電解質層100の一面側にカソード層102、他面側にアノード層104が形成された燃料電池用セル106が配設されている。この燃料電池用セル106のカソード層102側には、酸素又は酸素含有気体が供給される。他方のアノード層104側には、メタン等の燃料ガスが供給される。
【0003】
図5に示す燃料電池用セル106のカソード層102側に供給された酸素(O2)は、カソード層102と固体電解質層100との境界で酸素イオン(O2+)にイオン化され、この酸素イオン(O2+)は、固体電解質層100によってアノード層104に伝導される。アノード層104に伝導された酸素イオン(O2+)は、アノード層104側に供給されたメタン(CH4)ガスと約1000℃の燃料電池作動温度において反応し、水(H2O)、二酸化炭素(CO2)、水素(H2)、一酸化炭素(CO)が生成される。かかる反応の際に、酸素イオンが電子を放出するため、カソード層102とアノード層104との間に電位差が生じる。このため、カソード層102とアノード層104を取出線108によって電気的に接続することにより、アノード層104の電子はカソード層102の方向(図中の矢印の方向)に取出線108を流れ、燃料電池から電気を取り出すことができる。
【0004】
しかし、図5に示す燃料電池用セル106は、約1000℃もの高温下で運転される上に、カソード層102側は酸化性雰囲気にさらされ、アノード層104側は還元性雰囲気にさらされるため、燃料電池用セルl06の耐久性を向上することは容易でなかった。
【0005】
SCIENCE,Vol.288(2000),p2031−2033には、図6に示すように、固体電解質層200のおのおのの面側にカソード層202とアノード層204とを形成した燃料電池用セル206を、メタンと酸素の混合ガス雰囲気内に配置しても、燃料電池用セル206に起電力が発生することが報告されている。このように、燃料電池用セル206を混合ガス雰囲気内に配置することによって、燃料電池用セル206の全体を実質的に同一雰囲気とすることができ、固体電解質層のおのおのの面を異なる雰囲気にさらす図5に示す燃料電池用セル106に比較して、その耐久性の向上を図ることができる。
【0006】
しかしながら、図6に示す燃料電池では、単一の燃料電池用セル206が容器200内に収容されているため、燃料電池から取り出すことのできる電圧は不充分である。燃料電池セルをメタンのような燃料と酸素との混合ガス雰囲気内に配置する燃料電池から、単一のセルで得られる電圧より高い所望の電圧を取り出すには、図7に示すように、複数の単一燃料電池用セル206を積層した多層燃料電池用セルが使用される。多層燃料電池用セルを構成する単一燃料電池用セル206のおのおのは、混合ガスの流動を可能にするようガス流路302a、302bが複雑に形成されたセパレータ300によって分離されており、燃料電池の組み立て、構造等を複雑化している。しかも、このように構造等が複雑化した燃料電池では、その作動温度における各部材の熱膨張率等のマッチングを図ることが困難であり、各部材に加えられる熱ストレスの影響が大きくなりやすい。
【0007】
上記の問題の解決のために、本発明者らは特願2000−156801号明細書で、一つの単一燃料電池用セルのカソード層ともう一つの単一燃料電池用セルのアノード層とを直接接合した構造の燃料電池を提案し、その一つの態様として、アノード層とカソード層のおのおのに、混合ガスが通過できるよう多孔質材料から作製したものを用いたものを示した。そのような燃料電池の代表例を図8に示す。この図の燃料電池においては、単一燃料電池用セル406が、いずれも多孔質の、固体電解質層400、カソード層402、及びアノード層404から構成され、そして二つの単一燃料電池用セル406が、一方のカソード層402がもう一方のアノード層406と直接接合するように積層されて、混合ガス入口412と排ガス出口414を備えた容器410内に収容されている。
【0008】
【特許文献1】
特願2000−156801号明細書
【非特許文献1】
SCIENCE,Vol.288(2000),p2031−2033
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
特願2000−156801号明細書に提案された、カソード及びアノードの両電極を多孔性にしたセルを用いた燃料電池は、セルの構造が単純であり、製造工程も簡単であるという利点を持つ。ところが、この燃料電池では、ガスが多孔質の電極を通り抜ける際の圧力損失が大きくなりやすく、従って場合によっては、十分なガスの供給ができなくなったり、あるいは供給圧力の高いガスが必要になったり、十分な電力を供給するのが困難になったりといったような不都合が生じることがある。
【0010】
本発明は、燃料と酸素とを含む混合ガスを使用し、十分な流量のガスの流動が可能であり、簡単な構造で所望の電圧の電気を供給できる燃料電池と、そのような燃料電池で使用される多層燃料電池用セルを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料電池は、燃料と酸素とを含む混合ガスを供給するガス入口と排ガスの出口とを備えた容器内に、電解質層と、その一面側及び他面側にそれぞれ配置された多孔質のカソード層及び多孔質のアノード層とから形成される単一燃料電池用セルを所定数積み重ねた積層構造の多層燃料電池用セルを収容した燃料電池であって、隣り合う単一燃料電池用セルの一方のもののアノード層と他方のもののカソード層とが、導電性であり且つガス流動可能な層を介して接続されていることを特徴とする燃料電池である。
【0012】
好ましくは、導電性且つガス流動可能な層は金属又は導電性セラミックの多孔体から形成される。この多孔体は、金属もしくは導電性セラミックの焼結多孔体、金属フェルト、又は金属ウールであることができ、あるいは波形加工された金属シート又は金属網状体、あるいは凸状部分を備えた金属シートでもよい。金属材料としては、Cr又はCrとNiを含む鉄系合金、代表例としてステンレス鋼、を好適に使用できる。
【0013】
好ましくは、アノード層とカソード層のそれぞれの開放気孔率は20%以上(例えば20〜70%)であり、より好ましくは30〜70%、特に好ましくは40〜50%である。
【0014】
電解質層は、多孔質体であることができ、その開放気孔率は好ましくは20%以上(例えば20〜70%)、より好ましくは30〜70%、特に好ましくは40〜50%である。あるいはまた、電解質層は、混合ガスの通過を可能にする貫通孔を備えた緻密体であってもよい。
【0015】
多層燃料電池用セルは、その全面を容器の内壁に当接又は密着して容器内に収容することができる。この場合、多層燃料電池用セルの一番外側のアノード層及びカソード層の上にガス流動可能な層を設けてもよい。
【0016】
多層燃料電池用セルは、それと容器のガス入口を設けた内壁との間、及び容器のガス出口を設けた内壁との間に空間を設けて、容器内に収容してもよい。
【0017】
本発明の多層燃料電池用セルは、電解質層と、その一面側及び他面側にそれぞれ配置された多孔質のカソード層及び多孔質のアノード層とから形成される単一燃料電池用セルを所定数積み重ねた積層体により構成される多層燃料電池用セルであって、隣り合う単一燃料電池用セルの一方のもののアノード層と他方のもののカソード層とが、導電性であり且つガス流動可能な層を介して接続されていることを特徴とする多層燃料電池用セルである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の燃料電池の一例を図1に示す。この図に10で示された燃料電池は、ガス入口13とガス出口14とを備えた容器12と、この容器12内に収容されている、積み重ねられた二つの単一燃料電池用セル20a、20bとを含む。単一燃料電池用セル20a、20bのおのおのは、電解質層22a、22bとその一面側と他面側にそれぞれ配置されたカソード層24a、24b及びアノード層26a、26bの積層体により形成されており、各層はいずれも多孔質である。この積層体において隣接する一方の単一燃料電池用セル20aのアノード層26aともう一方の単一燃料電池用セル20bのカソード層24bの間に、導電性且つガス流動可能な層16が配置されている。
【0019】
燃料電池10にガス入口13から供給された燃料と酸素とを含む混合ガスは、いずれも多孔質のカソード層24a、24b、電解質層22a、22b、アノード層26a、26bの細孔を通り抜け、その間に燃料の燃焼(酸化)により電子を発生する電極反応が進行し、そしてガス出口14から排ガスが排出される。アノード層26aとカソード層24bの間に設けられたガス流動可能な層16により、混合ガスの流動が促進され、各単一燃料電池用セル20a、20bへのガスの効率的な供給が実現される。
【0020】
容器12は、燃料電池の作動温度で十分な耐熱性を示すように、1200℃程度までの耐熱性を有するセラミック等の耐熱材料から作製される。その断面形状は任意であるが、その内面の少なくとも一部が、ガス入口から供給される混合ガスが単一燃料電池用セル20a、20bの積層体(多層燃料電池用セル)をバイパスしないように、積重体の外周面と密着する形状であるのが望ましい。必要に応じて、容器12の内面と多層燃料電池用セルの外周面との間に、例えばアルミナセメントや高融点ガラス等の低気孔率材料の封止材(図示せず)を配置してもよい。
【0021】
多層燃料電池セルの一番外側のカソード層24aと一番外側のアノード層26bに取出線18を接続し、燃料電池10で発電された電力を外部に取り出すことができる。
【0022】
固体電解質層22a、22bは、酸索イオン伝導体で作製される。本発明において好適に使用できる固体電解質層材料の代表例として、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、イットリウム(Y)等の3族元素の酸化物を添加したセリア系セラミックや、スカンジウム(Sc)やイットリウム(Y)等の3族元素の酸化物で安定化されたジルコニア系セラミックを挙げることができる。
【0023】
カソード層24a、24bは、例えば、ランタンストロンチウムマンガナイト(LSM)、ランタンストロンチウムコバルタイト(LSC)、サマリウムストロンチウムコバルタイト(SSC)等の導電性酸化物セラミックから形成することができる。
【0024】
アノード層26a、26bは、空燃比や運転温度等の条件によるが、例えばニッケル、ニッケルサーメット、リチウムを固溶したNiOセラミックなどにより形成することができる。
【0025】
固体電解質層22a、22b、カソード層24a、24b、及びアノード層26a、26bは、それらを通して混合ガスが拡散移動するのを可能にするよう、20%以上(例えば20〜70%)の開放気孔率を有するのが好ましい。より好ましい開放気孔率は30〜70%であり、特に好ましくは40〜50%である。開放気孔率が小さいと混合ガスの拡散移動が思うように進まず、大きすぎると各層の強度等に影響するので好ましくない。ここで言う「開放気孔率」とは、多孔質体としての層の総体積に対する層の表面に通じている気孔(開放気孔)の体積の割合のことである。
【0026】
隣接する一方の単一燃料電池用セル20aのアノード層26aともう一方の単一燃料電池用セル20bのカソード層24bの間に配置される、導電性且つガス流動可能な層16は、金属又は導電性セラミックの多孔体から形成することができる。この層16は、ガス入口13からガス出口14の方へ向かって混合ガスが流れるのを促進するとともに、それと接するアノード層26a及びカソード層24bの全面への、混合ガスの均一な分配を可能にする。そのような層16の形成に用いられる多孔体の一例として、金属又は導電性セラミックの焼結多孔体や、金属フェルト、金属ウールなどを挙げることができる。あるいは、波形加工された金属シートや金属網状体、凸状部分を備えた金属シートなどの使用も可能である。
【0027】
導電性且つガス流動可能な層16は、容器12と同様に、燃料電池の作動温度で十分な耐熱性を示すように、1200℃程度までの耐熱性を有することが必要である。特に金属材料の層16を使用する場合には、耐熱性とともに耐酸化性も要求される。そのような条件を満足する金属材料として、Cr又はCrとNiを含む鉄系合金、一例としてステンレス鋼、を挙げることができる。
【0028】
燃料電池の作動温度が一般に高いため、燃料電池の稼働時に各部材の熱膨張率の違いにより生じる熱ストレスは大きくなりやすい。本発明の導電性且つガス流動可能な層16として、特に金属フェルト、金属ウール、あるいは波形加工するなどして歪ませた金属網状体などのように、変形が容易なものを使用すると、稼働時の高温における熱ストレスの緩衝に有利であり、また、多層燃料電池用セルを作製するため単一燃料電池用セルを積層するときに、多層燃料電池用セルに多少の反りや歪みが生じてもこれを吸収できる点で有利である。後者の利点は、ボルト締めにより各部材を集成して多層燃料電池用セルを得る場合に、特に望ましいものとなる。
【0029】
図1に示した燃料電池10では、多層燃料電池用セルを形成している二つの単一燃料電池用セル20a、20bの間に導電性且つガス流動可能な層16が配置されているだけであるが、本発明の燃料電池においては、そのような層を、多層燃料電池用セルの一番外側に位置するカソード層とアノード層の上に設けることも可能である。図2に、この態様の燃料電池10’を示す。
【0030】
図2に示した燃料電池10’は、図1の燃料電池10を構成する部材と同様であり、それらと同じ符号で示される部材、すなわち容器12と、電解質層22a、22b、カソード層24a、24b及びアノード層26a、26bにより形成される二つの単一燃料電池用セル20a、20bと、これらの単一燃料電池用セル20a、20bの間に配置された導電性且つガス流動可能な層16を含み、更に、多層燃料電池用セルの一番外側に位置するカソード層24aとアノード層26bの上にそれぞれ配置した、同様のガス流動可能な層16’及び16”を含む。層16’、16”は、燃料電池10’で発電された電力を外部に取り出す取出線18(図1)をそれらに直接接続するのでない限り、必ずしも導電性である必要はない。
【0031】
図1と2に示した燃料電池10、10’において、容器12のガス入口13を設けた内壁と多層燃料電池用セルとの間、及びガス出口14を設けた内壁と多層燃料電池用セルとの間は、空間となっているが、これらの部分に多孔質体(図示せず)を配置することも可能である。
【0032】
燃料電池10にガス入口13から供給された混合ガスは、多孔質のカソード層24a、24b、電解質層22a、22b、アノード層26a、26bを拡散により通過し、ガス出口14に向かう。カソード層24a、24b側から拡散して固体電解質層10の表面に到達した混合ガスのうちのメタン等の可燃性ガスと、反対側(アノード層26a、26b側)から固体電解質層22a、22bを通過してきた酸素イオンとが電気化学的に反応し、水(H2O)、二酸化炭素(CO2)、水素(H2)、一酸化炭素(CO)が生成するとともに、酸素イオンから電子が放出される。混合ガスは、多孔質のカソード層24a、24b、電解質層22a、22b、アノード層26a、26bを通しての拡散によりガス入口側からガス出口側へと流れるに従って酸素量が減少し、水、二酸化炭素、水素、一酸化炭素の量が増加してゆき、最終的にガス出口14から排出される。
【0033】
本発明の燃料電池に供給する混合ガスにおける燃料ガスとしては、メタンのほかに、水素、エタン、プロパン、ブタン等の可燃性ガスを使用することができ、2種以上の可燃性ガスの混合物を燃料ガスとして使用してもよい。燃料ガスは、酸素、あるいは空気に代表される酸素含有ガスと混合して、混合ガスとすることができる。通常、可燃性ガス(燃料ガス)の酸素に対する濃度を爆発限界以上の濃度に調整して容器12に供給する。
【0034】
図1と2に示す多層燃料電池用セルは、予め形成した2以上の単一燃料電池用セルをそれらの間に導電性で且つガス流動を可能にする層を挟んで積み重ねることで、得ることができる。単一燃料電池用セルは、例えば、所定の材料を予め焼成して形成した固体電解質層の片面にカソード層用のグリーンシートを積層し、他面にアノード層用のグリーンシートを積層し、得られた積層体を焼成して得ることができ、あるいは、焼成した固体電解質層の各面にカソード層用及びアノード層用の各ペースト材料をそれぞれ塗布し、焼成して得ることができる。
【0035】
図1と2に示した燃料電池における混合ガスの流動方向は、多層燃料電池用セルの各層に平行な方向であるが、本発明の燃料電池における混合ガスの流動方向は、多層燃料電池用セルの各層を横切る方向(各層に対し垂直方向)であってもよい。本発明のこの態様による燃料電池を、図3に示す。この図の燃料電池は、多層燃料電池用セルの外周面全体が容器12の内面と当接又は密着しており、燃料電池の全体の寸法を最小限にできる点で有利である。
【0036】
図3の燃料電池において、図2に示したようにそれぞれ一番外側に位置するカソード層24aとアノード層26bの上にガス流動可能な層16’、16”を設けた多層燃料電池用セルを用いることも可能である。この態様の燃料電池を、図4に示す。これらの層16’、16”によって、ガス入口13を通して供給される混合ガスの最上層のカソード層24aへの分配、及び最下層のアノード層26bからガス出口14への排ガスの排出が、より容易になる。
【0037】
図3に示した燃料電池において、最上層のカソード層24aへの供給混合ガスの分配、及び最下層のアノード層26bからガス出口への排ガスの排出をより容易にするために、最上層のカソード層24aと容器10のガス入口13を設けた内面との間、及び最下層のアノード層26bと容器10のガス出口14を設けた内面との間に、それぞれ空間を設けることも可能である。
【0038】
また、図3、4を参照して説明した態様では、混合ガスを多層燃料電池用セルの一番外側のカソード層24a側から供給してもよく、あるいは一番外側のアノード層26b側から供給してもよい。
【0039】
本発明の燃料電池では、従来技術で使用される図7に示したような特別の流路を設けた複雑なセパレータを用いることなしに複数の単一燃料電池用セルにより形成した、従来のものに比べて簡単で且つ薄くなった多層燃料電池用セルを使用している。この多層燃料電池用セルにおいては、二つの単一燃料電池用セルの一方のアノード層と他方のカソード層との間に配置した層により、混合ガスの十分な流動が確保される。従って、本発明の燃料電池は、簡単な構造でありながら、所望の電圧の電気を容易に供給することができる。
【0040】
【実施例】
次に、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこの例に限定されるものではない。
【0041】
サマリアドープセリア(SDC、Sm0.2Ce0.8O1.9)基板(30×30mm、厚さ約200μm)の片面に、50wt%サマリウムストロンチウムコバルタイト(SSC、Sm0.5St0.5CoO3)−SDCのペーストを印刷し、乾燥後、他方の面に16mol%LiドープトNiO−10wt%SDCのペーストを印刷し、乾燥し、そしてこれらのペーストを基板とともに大気中において1200℃で1時間焼成した。
【0042】
この焼成により得られたSSC/SDC/Li−NiO積層体を使用し、更に波形加工したSUS304メッシュ(約30×30mm、325メッシュ)を使用して、四角に孔あけ加工を施したアルミナセラミック基板(約40×40mm)上に、メッシュ/SSC/SDC/Li−NiO/メッシュ/SSC/SDC/Li−NiO/メッシュの積層構造体を作製した。この積層構造体の一番下のメッシュと一番上のメッシュには、白金線(直径0.3mm)をそれぞれ溶接した。積層構造体の一番上のメッシュの上に、上記と同じアルミナセラミック基板を載せ、四角の貫通孔に通したSUS304製ボルトナットで積層構造体を固定した。
【0043】
続いて、積層構造体を10vol%ブタン−空気の混合ガス流中に配置し、約500℃に加熱したところ、最下層と最上層のメッシュにそれぞれ接続した白金線間に約1.4Vの電圧が認められた。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、特別の流路を設けた複雑なセパレータを用いる必要のない簡単な構造で、燃料と酸素とを含む混合ガスを使用して所望の電圧の電気を供給できる燃料電池が利用可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の態様の燃料電池を説明する図である。
【図2】本発明の第2の態様の燃料電池を説明する図である。
【図3】本発明の第3の態様の燃料電池を説明する図である。
【図4】本発明の第4の態様の燃料電池を説明する図である。
【図5】従来の燃料電池を説明する図である。
【図6】燃料と酸素の混合ガスを使用する燃料電池を説明する図である。
【図7】燃料と酸素の混合ガスを供給する燃料電池で用いられる多層燃料電池用セルを説明する分解斜視図である。
【図8】多孔質のアノード層とカソード層を取り入れた多層燃料電池用セルを使用する燃料電池を説明する図である。
【符号の説明】
10、10’…燃料電池
12…容器
16…導電性且つガス流動可能な層
16’、16”…ガス流動可能な層
20a、20b…単一燃料電池用セル
22a、22b…電解質層
24a、24b…カソード層
26a、26b…アノード層
Claims (19)
- 燃料と酸素とを含む混合ガスを供給するガス入口と排ガスの出口とを備えた容器内に、電解質層と、その一面側及び他面側にそれぞれ配置された多孔質のカソード層及び多孔質のアノード層とから形成される単一燃料電池用セルを所定数積み重ねた積層構造の多層燃料電池用セルを収容した燃料電池であって、隣り合う単一燃料電池用セルの一方のもののアノード層と他方のもののカソード層とが、導電性であり且つガス流動可能な層を介して接続されていることを特徴とする燃料電池。
- 前記導電性且つガス流動可能な層が金属又は導電性セラミックの多孔体から形成されている、請求項1記載の燃料電池。
- 前記多孔体が、金属又は導電性セラミックの焼結多孔体、金属フェルト、金属ウール、あるいは波形加工された金属シート又は金属網状体、あるいは凸状部分を備えた金属シートである、請求項2記載の燃料電池。
- 前記金属材料がCr又はCrとNiを含む鉄系合金である、請求項2又は3記載の燃料電池。
- 前記金属材料がステンレス鋼である、請求項2又は3記載の燃料電池。
- 前記アノード層及びカソード層の開放気孔率が20%以上である、請求項1から5までのいずれか一つに記載の燃料電池。
- 前記電解質層が多孔質体である、請求項1から6までのいずれか一つに記載の燃料電池。
- 前記多孔質体の開放気孔率が20%以上である、請求項7記載の燃料電池。
- 前記多層燃料電池用セルがその全面を前記容器の内壁に当接又は密着して当該容器内に収容されている、請求項1から8までのいずれか一つに記載の燃料電池。
- 前記多層燃料電池用セルの一番外側のアノード層及びカソード層の上にガス流動可能な層を有する、請求項9記載の燃料電池。
- 前記多層燃料電池用セルが、当該多層燃料電池用セルと前記容器の前記ガス入口を設けた内壁との間、及び当該多層燃料電池用セルと前記容器の前記ガス出口を設けた内壁との間に空間を設けて、当該容器内に収容されている、請求項1から8までのいずれか一つに記載の燃料電池。
- 電解質層と、その一面側及び他面側にそれぞれ配置された多孔質のカソード層及び多孔質のアノード層とから形成される単一燃料電池用セルを所定数積み重ねた積層体により構成される多層燃料電池用セルであって、隣り合う単一燃料電池用セルの一方のもののアノード層と他方のもののカソード層とが、導電性であり且つガス流動可能な層を介して接続されていることを特徴とする多層燃料電池用セル。
- 前記導電性且つガス流動可能な層が金属又は導電性セラミックの多孔体から形成されている、請求項12記載の多層燃料電池用セル。
- 前記多孔体が、金属又は導電性セラミックの焼結多孔体、金属フェルト、金属ウール、あるいは波形加工された金属シート又は金属網状体、あるいは凸状部分を備えた金属シートである、請求項13記載の多層燃料電池用セル。
- 前記金属材料がCr又はCrとNiを含む鉄系合金である、請求項13又は14記載の多層燃料電池用セル。
- 前記金属材料がステンレス鋼である、請求項13又は14記載の多層燃料電池用セル。
- 前記アノード層及びカソード層の開放気孔率が20%以上である、請求項12から16までのいずれか一つに記載の多層燃料電池用セル。
- 前記電解質層が多孔質体である、請求項12から17までのいずれか一つに記載の多層燃料電池用セル。
- 前記多孔質体の開放気孔率が20%以上である、請求項18記載の多層燃料電池用セル。
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