JP6624361B2 - 固体酸化物形燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池に関し、バイオガス等をはじめとする様々な炭化水素系燃料、石炭のガス化で得られた気体燃料を利用する固体酸化物形燃料電池に関する。
固体酸化物形燃料電池には、バイオガス等をはじめとする炭化水素系燃料を燃料電池に直接供給し、燃料電池内部で炭化水素系燃料からの改質反応と発電とを同時並行的に行う内部改質型固体酸化物形燃料電池、あるいは炭化水素系燃料や、石炭ガス化で得られた気体燃料等を外部に設けた改質装置での反応で生成した水素を利用する固体酸化物形燃料電池が知られている。
固体酸化物形燃料電池は、高温で動作するので、電極には触媒活性が高いものの希少なな白金等の材料が不要であって、運転時の排熱を発電等に有効に利用することができるという特徴を有している。
また、燃料電池内に炭化水素系の燃料の改質装置を一体に作製した内部改質型固体酸化物形燃料電池の場合には、炭化水素系燃料等からの水素製造および貯蔵に必要な、水蒸気改質装置、水素精製装置及び水素貯蔵タンク等が不要であるという利点がある。
しかしながら、固体酸化物形燃料電池は高温度で動作するため、気体の流入口側と流出口側との間では、温度分布が生じ易いと言う問題があった。更に、改質装置を一体に作製した場合には、炭化水素等の改質反応が吸熱反応であるため、燃料電池内部において燃料供給側と出口側で温度分布が生じるとともに、熱応力によってセルが変形する等の問題がある。
これらの問題を解決するために種々の提案がある。例えば、特許文献1には、燃料電極の厚さを燃料ガス入口側で薄くし、燃料ガス出口に近づくにつれて厚くして水蒸気改質反応が燃料電極において均一に起こるようにし、温度分布によるセルの劣化や電池特性の低下がない固体酸化物形燃料電池を提案している。
また、特許文献2では、燃料ガスと接する燃料電極の表面の一部、もしくは全部を燃料ガスの水蒸気改質反応に対して触媒活性を有しない物質から構成したガス拡散層で覆った固体酸化物形燃料電池を提案している。
また、特許文献3では、燃料ガス入口側に、改質反応に対して触媒作用を示さないセラミックスから成るガス透過性多孔質層を設けることを提案している。
また、特許文献4では、固体酸化物形燃料電池のアノード側の燃料ガスと接触する表面部に改質反応に対して触媒作用を示す物質を配置し、燃料ガス入口側の箇所よりも燃料ガス出口側の箇所に配置した前記触媒作用を示す物質の比表面積を大きくすることを提案している。
特開平6−342663号公報 特開平6−349504号公報 特開平8−287927号公報 特開平9−27325号公報
本発明は、従来の固体酸化物形燃料電池における、燃料気体の入口側と反応後の気体の排出口側との間で生じる温度分布による燃料電池性能が低下を解決するものである。また、メタン等のバイオガスを燃料として、燃料の改質反応を燃料電池内部で行った場合に、燃料改質反応に伴う吸熱反応による温度低下によって生じる温度分布の不均一によって燃料電池の性能が低下したり、熱応力によって変形したり破損するという問題を解決するものもである。
従来、これらの熱的な問題の解消は困難と考えられていたが、燃料電池の性能を低下させることなく、燃料気体の入口側と反応後気体の排出口側との間の温度分布を均一にして燃料電池の性能の低下を防止することを課題とするものである。
また、燃料電池内部での燃料改質反応に伴う吸熱反応による温度分布の不均一による燃料電池の性能の低下を最小限とすることで、効率、信頼性に優れた燃料電池を提供することを課題とするものである。
本発明は、固体酸化物電解質の一方の面にアノードを有し、他方の面にカソードを有し、アノード、カソードのいずれか一方の電極面に燃料気体流入口側から燃料気体流出口側へ向けて連続的、または段階的(ただし、段数は3段以上)に面積が減少すると共に、前記燃料気体流入口側から前記燃料気体流出口側へ向けてつながった表面被覆層を有した単位セルに、両面のそれぞれに独立した気体流路を有した導電性セパレーターを介して積層した積層体の両端部に、酸化剤流路を設けた正極側端板、および燃料流路を設けた負極側端板を配置したことを特徴とする固体酸化物形燃料電池である。
また、本発明は、前記アノードが燃料改質触媒を含有し、アノード面に前記表面被覆を形成したことを特徴とする前記に記載の固体酸化物形燃料電池である。
また、本発明は、前記表面被覆層が、イットリア安定化ジルコニア、スカンジア安定化ジルコニア、カルシア安定化ジルコニア、ガドリニウムドープセリアのいずれかであることを特徴とする前記に記載の固体酸化物形燃料電池である。
また、本発明は、前記表面被覆層の厚みが、50μm以下であることを特徴とする前記に記載の固体酸化物形燃料電池である。
本発明の固体酸化物形燃料電池は、カソード、アノードのいずれか一方の表面に触媒機能を備えていない表面被覆層を、燃料気体流入口側から燃料気体出口側に向けて連続的、または段階的に面積が減少する様に、前記燃料気体流入口側から前記燃料気体流出口側へ向けてつながる様に設けたので、入口側から出口側に向けての温度分布が均一で長期間にわたり安定した動作が可能な固体酸化物形燃料電池を提供することができる。
図1は、本発明の固体酸化物形燃料電池の一実施形態を説明する図であり、直接内部改質燃料電池の主要構成部材を説明する分解斜視図である。 図2は、本発明の表面被覆層を形成したアノードの一実施例を説明する図である。図2Aは、燃料気体の流れ方向に向けて表面被覆層の面積が一様に減少する例を説明する図であり、図2Bは、気体の流れ方向と垂直方向にも分布を有する例を説明する図である。 図3は、表面被覆層を形成したアノードの他の例を説明する図である。 図3Aは、アノードの平面図を示す図であり、図3Bは、図3AにおけるAの部分を拡大して示す図である。図3Cは、図3AにおけるBの部分を拡大して示す図である。図3Dは、図3AにおけるCの部分を拡大して示す図である。 図4は、表面被覆層を形成したアノードの他の例を説明する図である。図4Aは、アノードの平面図を示す図であり、図4Bは、図4AにおけるAの部分を拡大して示す図である。 図5は、実施例の試験電極の温度分布の測定結果を示す図である。 図6は、実施例の試験電極の温度分布の測定結果を示す図である。 図7は、実施例の試験電極の温度分布の測定結果を示す図である。 図8は、実施例の試験電極の温度分布の測定結果を示す図である。 図9は、実施例の試験電極の温度分布の測定結果を示す図である。 図10は、実施例の試験電極の温度分布の測定結果を示す図である。 図11は、比較例の試験電極の温度分布の測定結果を示す図である。
本発明は、高温度で作動し、排熱の利用も可能である固体酸化物形燃料電池を長時間安定に動作可能としたものであって、バイオガス等の様々な燃料気体を直接に供給した内部改質機能を有する直接内部改質、あるいは間接内部改質を行う固体酸化物形燃料電池を提供可能としたものである。
以下に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の固体酸化物形燃料電池の一実施形態を説明する図であり、固体酸化物形燃料電池の主要構成部分を説明する分解斜視図であって、2個の単位燃料電池70を積層した例を示している。
イットリア等を含む安定化ジルコニア製の固体電解質板10の一方の面にアノード20を形成し、他方の面にカソード30を形成した単位セル25を備えている。
また、単位セル25のアノード側には、アノード側端板50を配置し、他方の面にセパレーター40を介して他の単位セル25を配置している。また、カソード30側にはカソード側端板60を配置している。
そして、固体電解質板10の周囲のフランジ部24の両面には電気絶縁性のシール材(図示せず)を配置してアノード側とカソード側との電気的絶縁を保持した状態で積層している。
本図では、2個の単位燃料電池70を積層した例を示しているが、より多くの単位燃料電池を積層することで、任意の出力電圧の燃料電池を作製することができる。
アノード側端板50に設けた燃料気体流入口52からは、バイオガス等の炭化水素をはじめとする燃料気体、あるいは燃料気体と水蒸気、更に二酸化炭素または酸素等を含む混合気体を供給し、単位セル25のアノード20に設けた電極触媒中の改質触媒によって、改質反応が進行して、燃料気体から水素、一酸化炭素等が生成する。生成した一酸化炭素は水と反応して水素が生成する。
一方、固体電解質のカソード30側には、酸化剤流入口42から、酸素含有気体を供給する。イオン化した酸素は固体電解質10中を移動して、アノード側において水素と反応することで電気出力を発生する。
本発明では、単位セルの電極面に表面被覆層を設けることで、単位燃料電池の燃料気体の入口側と出口側との間に生じる温度分布の違いによる電池反応効率の低下を解決したものである。すなわち、表面被覆層23は、燃料気体の上流側から下流側へ向けて、燃料気体流入口側の領域A、領域B、領域Cの順にそれぞれの領域での表面被覆層22の単位面積当たりの被覆面積が段階的に小さくなっている、また、最下流側には、表面被覆層を形成していない領域Dを有している
特に、直接内部改質型の固体酸化物形燃料電池では、燃料気体流入口の近傍において、燃料気体の改質反応時の吸熱反応の影響を受けて温度が低下する結果、電池反応効率が低下するという問題点を以下の様にして解決したものである。
また、アノード20の電極触媒層の表面被覆層22には、改質触媒を含まない表面被覆層を設けている。そして表面被覆層は、燃料気体流入口側から燃料気体の流出口側に向けて、電極触媒層の単位面積当たりの前記表面被覆層の被覆面積が、連続的、または段階的に減少するようにしたものである。
その結果、単位面積当たりの表面被覆層による被覆割合が大きな燃料気体流入口部の近傍での燃料改質反応が抑制される結果、燃料気体流入口52の近傍での吸熱反応による温度低下を防止することができる。その結果、燃料気体入口側から出口側にかけての温度の均一化を図ることが可能となる。
このとき、前記表面被覆層22が厚すぎるとアノード面に生じる凹凸のためにアノード面との接触による集電特性が損なわれ、発電特性に悪影響を及ぼすが、表面被覆層を50μm以下の薄膜とすることによって、集電特性を確保し、発電特性を低下させることなく温度低下を防止することができる。
また、表面被覆層の厚さは20μm以下とすることが好ましく、集電特性がより良好となる。
これによって、燃料気体流入口側と流出口側との温度分布が小さな効率的な燃料電池反応を実現するとともに、燃料気体流入口側での大きな温度低下による熱ストレスを生じることがなく、信頼性が大きな直接内部改質型固体酸化物形燃料電池を提供することが可能となる。
以上の説明では、改質触媒を含有したアノードを備えた固体酸化物形燃料電池について説明したが、改質触媒を含有しないアノードを備えた固体酸化物形燃料電池にあっても、燃料気体の入口側と出口側で生じる反応量の違いによる温度差についても表面被覆層の形成によって同様に解消することができる。
図2は、本発明の表面被覆層を形成したアノードの一実施例を説明する図である。
図2Aは、表面被覆層の面積が燃料気体の流れ方向に向けて一様に減少する例を説明する図であり、図2Bは、気体の流れ方向と垂直方向にも分布を有する例を説明する図である。
図2Aは、アノード20の表面に燃料気体流入口側を底辺として、燃料気体の流れ方向81へ向けて複数の二等辺三角形状の表面被覆層22を形成している。また、燃料流れ方向と直角方向にも、それぞれの表面被覆層の間には間隔を設けており、燃料気体流入口から流出口側へ向けて表面被覆層22を形成していない部分がつながった領域が存在している。
この例では、表面被覆層22を被覆していない部分がつながっているので、燃料気体流入口側と流出口側との温度分布が小さな効率的な燃料電池反応を実現するとともに、燃料気体流入口での大きな温度低下による熱ストレスを生じることがなく、信頼性が大きな固体酸化物形燃料電池を提供することができる。特に、温度低下の大きな直接内部改質型の固体酸化物形燃料電池に好適である。
以上のように、燃料気体流入口側から燃料気体の流出口側へ向かうにしたがって表面被覆層を形成していない領域が増加するので、燃料気体流入口側での吸熱反応による温度低下を抑制し、電極触媒層の温度分布を均一なものとすることができる。
図2Bは、燃料気体流入口側から流出口側へ向けて面積が異なる表面被覆層22a、22bを交互に形成したものである。燃料気体の入口側での温度低下によって温度分布が不均一となることを防止するとともに、アノードの表面を被覆する表面被覆層の面積を小さくすることでアノードの利用効率が高まる。
図3は、表面被覆層を形成したアノードの他の例を説明する図である。
図3Aは、アノードの平面図を示しており、電極触媒層の表面に、斜め格子状の表面被覆層を形成している。図3Bは、図3AにおけるAの部分を拡大して示す図である。
図3Cは、図3AにおけるBの部分を拡大して示す図である。
図3Dは、図3AにおけるCの部分を拡大して示す図である。
この例では、表面被覆層は、燃料気体の流れ方向の燃料気体流入側81から四分の一ずつ領域A、B、C、Dに分かれており、領域A、B、Cにはそれぞれ斜め格子状に表面被覆層が形成されている。
また、表面被覆層23は、燃料気体の上流側から下流側へ向けて、燃料気体流入口側の領域A、領域B、領域Cの順にそれぞれの領域での表面被覆層22の単位面積当たりの被覆面積が段階的に小さくなっている、また、最下流側には、表面被覆層を形成していない領域Dを有している。
この例では、図3Bに示す領域A、すなわち最上流部では、表面被覆層23aの幅A1は2mmであり、また、表面被覆層の非形成部の幅A2は、1mmである。
また、図3Cに示す領域B、すなわち2段目の領域では、表面被覆層23bの幅B1は1.5mmであり、また、表面被覆層の非形成部の幅B2は、1.5mmである
また、図3Dに示す領域C、すなわち3段目の領域では、表面被覆層23cの幅C1は1mmであり、また、表面被覆層の非形成部の幅C2は、2mmである。
なお、それぞれの大きさは、作製する電極触媒層の面積等に応じて適宜設定することができる。
図4は、表面被覆層を形成したアノードの他の例を説明する図である。
図4Aは、アノードの平面図を示す図であり、図4Bは、図4AにおけるAの部分を拡大して示す図である。
表面被覆層22は、燃料気体の流れ方向側81へ向けて、燃料気体流入口側の領域A、領域B、領域Cの順にそれぞれの領域での表面被覆層22の単位面積当たりの被覆面積が段階的に小さくなっている、また、最下流側には、表面被覆層を形成していない領域Dを有している。
領域A、B、およびCの表面被覆層はあたかも市松模様状に配置したものであるが、図AのXの部分を4Bの拡大図で示すように、格段の表面被覆層22は、燃料気体流入口側から四角形状の電極触媒層を取り囲むようにして、結合部26においてつながっている。
このように結合部26において表面被覆層がつながっているので、電極触媒層の局部的な温度上昇を防止することが可能となる。
本発明の燃料電池の製造の手順の一例を以下に説明する。
まず、イットリアを含む安定化ジルコニアとアノード用のニッケル酸化物等の改質触媒の混合物から成るアノード電極板上に、イットリアを含む安定化ジルコニアの固体酸化物のペーストを塗布する。
次いで、アノード電極板の表面、すなわち固体電解質ペーストを塗布した反対側の面に、改質触媒を含まず、改質反応に対しては不活性な安定化ジルコニアのペーストを、燃料気体流入口側から流出口側に向けて連続的、または段階的に単位面積当たりの塗布面積が減少するように塗布した後に焼成する。
次いで、ストロンチウムドープランタンマンガナイト(LSM)(La0.8Sr0.2)0.98MnO3とイットリア安定化ジルコニアの等量混合物の当モル混合物のペーストを一層目として塗布し、さらに、カソード形成用のストロンチウムドープランタンマンガナイトを塗布したのちに焼成することで、表面被覆層を設けたアノードを有する単位セルを作製することができる。
作製した単位セルの所望の個数を積層して、断熱容器内に装着して燃料気体の供給、および排出用のマニホールド、酸素含有気体の供給および排出用のマニホールドをはじめとする補機類を取り付けるとともに、アノード、カソードを電気的に接続することで燃料電池が完成する。
実施例1
酸化ニッケルと安定化ジルコニアを質量比56:44に配合し、押出成形によって成形した厚さ0.9mmのアノード板を縦50mm、横50mmの大きさに切り出し1050℃で仮焼した後に、アノード面の燃料入り口側から出口側に向けて2/3の部分を、図4Aに示すように四角形によって市松模様上に、領域A、B、Cに3分割して図で示すように各領域での単位面積当たりの被覆面積が異なる改質触媒を含まない安定化ジルコニアのペーストをスクリーン印刷で塗布した後に焼成した。
なお、本実施例では、アノード表面を領域A、B、Cに3分割して、表面被覆層を形成する例について説明したが、それぞれの領域の区分数、大きさ等は電極の面積等に応じて適宜決めることができる。
図4Aで示す領域Aには、1.6mm×3.2mmの長方形の表面被覆層と、1.6mm×1.6mmの被覆なしの部分とを交互に配置した。
同様に領域Bには、1.6mm×1.6mmの被覆層と同じ大きさの被覆なしの部分とを交互に配置した。
また領域Cには、1.6mm×1.6mmの表面被覆層と、1.6mm×3.2mmの被覆なしの部分とを交互に配置した。
また、アノード板の裏面には、スクリーン印刷によって安定化ジルコニアの電解質層を塗布した。そして、最終的には1400℃で焼成し、カソード層としてストロンチウムドープランタンマンガナイト(LSM)(La0.8Sr0.2)0.98MnO3とイットリア安定化ジルコニアの等量混合物の当モル混合物の層及びストロンチウムドープランタンマンガナイト単体の層を積層して、1200℃で焼成し、表面被覆層22を有する試験電極を作製した。
作製した試験電極上の表面被覆層22は走査型電子顕微鏡での観察では15〜18μmの緻密層であることを確認した。
次いで、水素を2時間800℃で流通して、アノードに含まれる酸化ニッケルをニッケルに還元し、アノード及びイットリア安定化ジルコニアの被覆層をサーメットとした。
次いで、燃料気体としてメタン:二酸化炭素=3:2(容積比)からなる模擬バイオガスを毎分100mLの流量で流しながら、赤外線サーモグラフィーを用いて運転温度800℃における試験電極の温度分布を測定した。その結果を図5に示す。若干の温度勾配はあるものの、100時間の連続運転試験後に取り外した試験電極には、変形、反りは、まったく見られなかった。
前記のバイオガス流通時における電流電圧特性を測定した結果、開回路電圧は1.06Vであり、0.20A/cm2における電圧値が0.81V、0.5A/cm2における電圧値が0.55Vと、良好な電流電圧特性が得られた。
実施例2
図2Aに示すように、アノード面の燃料気体入口側に長さ4mmの底辺を有する、高さ32.2mmの二等辺三角形状の改質触媒を含まない安定化ジルコニア層の表面被覆層22を等間隔にスクリーン印刷で塗布した点を除き実施例1と同様にして試験電極を作製し、温度分布を測定した。その測定結果の温度分布を図6に示す。
若干の温度勾配はあるものの、100時間の連続運転試験後に取り外した試験電極には、変形、反りはまったく見られなかった。
実施例3
図2Bに示すように、アノード面の燃料気体入口側に長さ4mmの底辺を有する、高さ32.2mmの二等辺三角形状の改質触媒を含まない安定化ジルコニア層の表面被覆層と、高さ32.2mmの前記二等辺三角形の底辺の延長線上に長さ4mmの底辺を有した高さ25mmの二等辺三角形の改質触媒を含まない安定化ジルコニア層の表面被覆層22とを交互にスクリーン印刷で塗布した点を除き実施例1と同様にして試験電極を作製し、温度分布を測定した。その測定結果の温度分布を図7に示す。
若干の温度勾配はあるものの、100時間の連続運転試験後に取り外した試験電極には、変形、反りはまったく見られなかった。
実施例4
図3Aに示すように、アノード面の燃料入り口側から出口側に向けて3/4の部分を、領域A、B、Cに3分割して各領域での単位面積当たりの被覆面積が異なる格子状のパターンで改質触媒を含まない安定化ジルコニアのペーストをスクリーン印刷で塗布した後に焼成した。
なお、本実施例では、アノード表面を領域A、B、Cに3分割して、表面被覆層を形成した例について説明したが、それぞれの領域の区分数、大きさ等は電極の面積等に応じて適宜決めることができる。
領域Aは、表面被覆部である格子の太さを2.0mm、格子と格子の隙間を1.0mmとした。
同様に領域Bは、表面被覆部である格子の太さを1.5mm、とし、格子と格子の隙間を1.5mmとした。
また領域Cは、表面被覆部である格子の太さを1.0mm、とし、格子と格子の隙間を2.0mmとした。
そして、実施例1と同様にアノード面の裏面に安定化ジルコニアの電解質層を塗布し、1400℃で焼成後、電解質面にカソードを積層して、表面被覆層を有する試験電極を作製した。
実施例1と同様にして測定した温度分布を図8に示す。温度勾配は小さく、100時間の連続運転試験後に取り外した試験電極には、変形、反りはまったく見られなかった。
バイオガス流通時における電流電圧特性を測定した結果、開回路電圧は1.07Vであり、0.20A/cm2における電圧値が0.84V、0.5A/cm2における電圧値が0.63Vと良好な電流電圧特性が得られた。
実施例5
図4Aに示す表面被覆層で、被覆層の成分をScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)とした点を除き実施例1と同様にして試験電極を作製し、温度分布を測定した。その測定結果の温度分布を図9に示す。
温度勾配は小さく、試験後に取り外した試験電極には、変形、反りはまったく見られなかった。
実施例6
図4Aに示す表面被覆層で、被覆層の成分をガドリニウムドープセリア(GDC)とした点を除き実施例1と同様にして試験電極を作製し、温度分布測定を行った。その測定結果の温度分布を図10に示す。
温度勾配は小さく、試験後に取り外した試験電極には、変形、反りはまったく見られなかった。
比較例1
アノード面上に表面被覆層を設けない点を除き実施例1と同様に試験電極を作製して、実施例1と同様に発電試験及び温度分布測定を行った。前記バイオガス流通時における電流電圧特性を測定した結果、開回路電圧は1.07Vであり、0.20A/cm2における電圧値が0.84V、0.5A/cm2における電圧値が0.60Vと電流電圧特性は良好であった。一方、温度分布の測定結果を図11に示す。燃料流入口側で局部的な温度低下が生じて温度勾配が発生し、熱応力により試験電極が変形した。その後30分以内に電解質面にひび割れ、セルが破壊してしまったため、安定した連続運転はできなかった。
本発明の内部改質型固体酸化物形燃料電池は、アノードの燃料気体流入口側から流出口側に向けて、電極室内の燃料改質機能を有するアノード触媒層の正極と対抗する面とは反対側の面に、燃料気体流入口側から流出口側へ向けて、燃料改質機能を備えていない単位表面被覆層の複数で被覆し、各単位表面被覆層は、前記流入口側から前記流出口側に向けて連続的または各段ごとに段階的に面積が減少し、前記単位表面被覆層が前記流入口側から流出口側に向けてつながったものとしたので、燃料気体流入口近傍での燃料改質反応による温度低下を防止することができるので安定した運転が可能で効率の優れた直接内部改質型固体酸化物形燃料電池を提供することができる。
70・・・単位燃料電池、 10・・・固体酸化物板、 20・・・アノード、22、22a、22b・・・表面被覆層、 23a、23b、23c・・・表面被覆層、 24・・・フランジ部、25・・・単位セル、26・・・結合部、 30・・・カソード、 40・・・セパレーター、 42・・・酸化剤流入口、 50・・・アノード側端板、 52・・・燃料気体流入口、 60・・・カソード側端板、70・・・単位燃料電池、81・・・燃料気体の流れ方向

Claims (4)

  1. 固体酸化物電解質の一方の面にアノードを有し、他方の面にカソードを有し、アノード、カソードのいずれか一方の電極面に燃料気体流入口側から燃料気体流出口側へ向けて連続的、または段階的(ただし、段数は3段以上)に面積が減少すると共に、前記燃料気体流入口側から前記燃料気体流出口側へ向けてつながった表面被覆層を有した単位セルに、両面のそれぞれに独立した気体流路を有した導電性セパレーターを介して積層した積層体の両端部に、酸化剤流路を設けた正極側端板、および燃料流路を設けた負極側端板を配置したことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  2. 前記アノードが燃料改質触媒を含有し、アノード面に前記表面被覆を形成したことを特徴とする請求項1記載の固体酸化物形燃料電池。
  3. 前記表面被覆層が、イットリア安定化ジルコニア、スカンジア安定化ジルコニア、カルシア安定化ジルコニア、ガドリニウムドープセリアのいずれかであることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項記載の固体酸化物形燃料電池。
  4. 前記表面被覆層の厚みが、50μm以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の固体酸化物形燃料電池。
JP2015066406A 2014-03-28 2015-03-27 固体酸化物形燃料電池 Active JP6624361B2 (ja)

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