JP2004170589A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】現像開口からのトナーの飛散を抑制して、機内汚染、画像不良等の問題の発生を防止するように構成した画像形成装置。
【解決手段】電子写真方式を利用する画像形成装置において、現像装置はケーシング内で対向配置する現像ローラ及び剥ぎ取りローラを有し、周面方向にみて、現像処理領域の下流側における現像ローラの周面一部に近接して対向すると共に、長手方向にみて、前記現像剤担持体の両端部の現像剤非担持領域に対向して、前記ケーシングの内側にトナー飛散防止部材を設け、前記トナー飛散防止部材と前記現像剤担持体の周面とが形成する隙間は前記現像剤担持体上の現像処理後の現像剤の外周面と前記ケーシングの前記現像剤担持体に対向する内側面との隙間に等しいか又はそれ以下であることを特徴とする画像形成装置。
【選択図】 図2
【解決手段】電子写真方式を利用する画像形成装置において、現像装置はケーシング内で対向配置する現像ローラ及び剥ぎ取りローラを有し、周面方向にみて、現像処理領域の下流側における現像ローラの周面一部に近接して対向すると共に、長手方向にみて、前記現像剤担持体の両端部の現像剤非担持領域に対向して、前記ケーシングの内側にトナー飛散防止部材を設け、前記トナー飛散防止部材と前記現像剤担持体の周面とが形成する隙間は前記現像剤担持体上の現像処理後の現像剤の外周面と前記ケーシングの前記現像剤担持体に対向する内側面との隙間に等しいか又はそれ以下であることを特徴とする画像形成装置。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の複写機、プリンター、FAX(ファクシミリ)等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一様帯電されている像担持体表面にレーザ光源からなる書き込み手段を用いて画像データに応じたドット露光を付与して静電荷潜像を形成し、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤による反転現像を介して前記静電荷潜像をトナー像となし、次いで、転写手段により、前記トナー像と重畳するように転写領域に向けて搬送される転写材上に当該トナー像を転写させた後、分離手段により前記像担持体から前記転写材を分離し、搬送手段を介して前記転写材を定着装置に送り込み、加熱ローラおよび加圧ローラによる加熱・加圧作用で前記トナー像を定着させ、搬送手段により装置外に設けたトレイに排紙する構成の画像形成装置はよく知られている。
【0003】
また、上述のような画像形成装置に搭載される現像装置としては図8に示すような構成を有するものが知られている。
【0004】
即ち、現像装置900は、第1の磁界形成手段である位置固定の磁石942を内蔵し、現像処理領域DRに2成分現像剤(以下、単に現像剤と言う)を搬送し、対向して回転する像担持体1Yの表面に形成される静電荷潜像を現像に供するための可回転の現像剤担持体941、第2の磁界形成手段である位置固定の磁石950を内蔵し、磁気吸引により現像剤担持体941から現像処理後の現像剤を剥ぎ取り、下流側に搬送する可回転の剥ぎ取りローラ947、剥ぎ取られた現像剤を回収する現像剤回収部903、回収された現像剤と新しいトナーを撹拌・搬送する撹拌・搬送部902、撹拌・搬送された現像剤を現像剤担持体941に供給する現像剤供給部901、これらを収容するケーシング951を有する。
【0005】
更に詳しくは、現像剤回収部903は剥ぎ取りローラ947の上の現像剤を掻き取るスクレーパ948、掻き取られた現像剤を回収し撹拌・搬送部902に戻すスクリュー状の回収手段949を有し、撹拌・搬送部902は戻された現像剤と新しく補給されたトナーを撹拌しながら現像剤供給部901に搬送するスクリュー状の撹拌・搬送手段946を有し、現像剤供給部901は搬送された現像剤を軸方向に搬送しつつ現像剤供給手段944の側に放出するスクリュー状の供給・搬送手段945、更に、放出された現像剤を軸方向に搬送しつつ現像剤担持体941の上に供給するスクリュー状の現像剤供給手段944、現像剤の幅方向を規制し、かつ、現像剤の漏れ防止を兼ねる幅規制部材973、及び、現像剤担持体941の上に供給された現像剤の量(厚さ)を一定に規制する厚さ規制手段943を有している。
【0006】
上記のような構成の現像装置を用いた画像形成装置においては、回収手段、撹拌・搬送手段等の回転、及び、現像剤担持体、剥ぎ取りローラからの現像剤の剥ぎ取り時等に、キャリアからトナーが分離、浮遊してしまう。一方、現像剤担持体、剥ぎ取りローラ、回収手段等の回転に伴って気流が発生し、当該気流が現像剤担持体、あるいは、剥ぎ取りローラとケーシングとの隙間を介して流れ、最終的には現像処理領域を通して放出されるため浮遊状態にあったトナーが気流に乗って移送され現像装置の外部へ放出され、いわゆるトナー飛散という現象を生じる。
【0007】
トナーの飛散は、きわめて僅かなものであるが長期にわたって発生すると、飛散したトナーが画像形成装置内の何らかの部材に付着して溜まったり、溜まったトナーが落下して画像品質を損ねてしまう等の様々な問題を起こすようになる。
【0008】
更に、近年、デジタル技術の進歩によりデジタル方式の画像形成装置が主流となり、併せて、重合法により作られた小粒径トナー(例えば、2〜7μm)の使用によって高画質な画像が得られるようになった。しかしながら、このような小粒径のトナーを用いた現像装置においては、高画質な画像が得られる反面、従来の粉砕トナー(例えば、8〜12μm)よりもトナーが飛散しやすくなり、上述したような問題がより重要になってきた。
【0009】
本出願人は上記と略同じ構成の現像装置において、トナー飛散を抑制する技術の1つとして、トナー補給手段を前記現像剤回収部903、及び、前記撹拌・搬送部902の2カ所に設け印字率が大きくなりトナーの補給が増加しても新しいトナーと現像剤との撹拌を充分に行わせることによりトナーに所望の帯電量を付与し、トナー飛散を防ぐ提案を行った(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−148921号公報(第9−第10頁、第2図、表1)
しかしながら、特許文献1に開示された構成では、トナーに所望の帯電量を付与することによりトナー飛散を抑制するという点では有用であるが、十分に撹拌を行ったトナーでもある帯電量分布を持ち弱帯電側のトナーが残ってしまう。この弱帯電側のトナーが、上述したような各手段の回転時、或いは、現像剤の剥ぎ取り時に分離、浮遊し現像装置の外部へ向かう気流に乗りトナー飛散の原因になってしまい、トナー飛散を抑制するには充分といえない。また、開示された構成では構造の大型化や制御が複雑になったりするという新たな問題も持っている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたもので、主たる目的は、簡単な構成により、現像処理領域、特に、現像剤担持体の長手方向両端部からのトナー飛散を極力抑制し、機内汚染による画像形成装置の信頼性低下を押さえ、また、転写材上へのトナーの落下、付着による画像不良の発生を軽減するように構成した画像形成装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記の構成によって達成することが出来る。
【0013】
(1)像担持体、現像装置、転写装置及び定着装置を有し、前記像担持体上に形成される静電荷潜像を前記現像装置によりトナー像となし、当該トナー像を転写装置により転写材上に転写させた後前記定着装置により定着させる画像形成装置において、
前記現像装置は、内蔵固定した磁界形成手段の作用により磁気吸引される現像剤を担持するとともに、当該現像剤を搬送するローラ状の現像剤担持体と、
前記現像剤担持体とほぼ同じ長さを有する可回転のローラ状外枠と、前記現像剤担持体上に残留する現像処理後の現像剤を磁気吸引により剥ぎ取って前記ローラ状外枠の上に担持させるように、前記磁界形成手段とほぼ同じ長さを有する磁界形成手段を前記ローラ状外枠に内蔵固定した構成の剥ぎ取りローラと、
前記現像剤担持体と前記剥ぎ取りローラとを対向配置させるように内包するケーシングからなり、
更に、前記現像装置はトナー飛散防止部材を有し、当該トナー飛散防止部材は、周面方向に見て、現像処理領域の下流側における前記現像剤担持体の周面一部に近接して対向するとともに、長手方向に見て、前記現像剤担持体の両側端部における現像剤非担持領域に対向して前記ケーシングの内側に設けてあり、
前記トナー飛散防止部材と前記現像剤担持体の周面とが形成する隙間は前記現像剤担持体上の現像処理後の現像剤の外周面と前記ケーシングの前記現像剤担持体に対向する内側面との隙間に等しいか又はそれ以下である、
ことを特徴とする画像形成装置。
【0014】
(2)像担持体、現像装置、転写装置及び定着装置を有し、前記像担持体上に形成される静電荷潜像を前記現像装置によりトナー像となし、当該トナー像を転写装置により転写材上に転写させた後前記定着装置により定着させる画像形成装置において、
前記現像装置は、内蔵固定した磁界形成手段の作用により磁気吸引される現像剤を担持するとともに、当該現像剤を搬送するローラ状の現像剤担持体と、
前記現像剤担持体とほぼ同じ長さを有する可回転のローラ状外枠と、前記現像剤担持体上に残留する現像処理後の現像剤を磁気吸引により剥ぎ取って前記ローラ状外枠の上に担持させるように、前記磁界形成手段とほぼ同じ長さを有する磁界形成手段を前記ローラ状外枠に内蔵固定した構成の剥ぎ取りローラと、
前記現像剤担持体と前記剥ぎ取りローラとを対向配置させるように内包するケーシングからなり、
更に、前記現像装置はトナー飛散防止部材を有し、当該トナー飛散防止部材は、周面方向に見て、剥ぎ取りローラの周面一部に近接して対向するとともに、長手方向に見て、前記剥ぎ取りローラの両側端部における現像剤非担持領域に対向して前記ケーシングの内側に設けてあり、
前記トナー飛散防止部材と前記剥ぎ取りローラの周面とが形成する隙間は前記剥ぎ取りローラ上の現像剤の外周面に等しい円周面と前記ケーシングの前記剥ぎ取りローラに対向する内側面との隙間に等しいか又はそれ以下である、
ことを特徴とする画像形成装置。
【0015】
(3)少なくとも、現像剤の担持領域に対応した前記現像剤担持体の周面と前記ケーシングの内側面との間隔は、前記現像剤担持体の回転方向にみて、前記ケーシングが形成する現像開口の下流側端を基点とし、下流側に行くに従って狭く構成してあることを特徴とする前記(1)又は前記(2)に記載の画像形成装置。
【0016】
(4)前記トナー飛散防止部材は前記ケーシングと一体構成であることを特徴とする前記(1)又は前記(2)に記載の画像形成装置。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図面を用いて説明する。
【0018】
図1は、電子写真方式により作像するタンデム型カラー画像形成装置の構成を示す模式図である。
【0019】
図において、画像形成装置1は、画像読み取り部40、画像処理部50、イエロートナー像を形成する画像形成部10Y、マゼンタトナー像を形成する画像形成部10M、シアントナー像を形成する画像形成部10C、黒トナー像を形成する画像形成部10K、中間転写体6、転写材給紙部20、定着装置24を有する。
【0020】
画像読み取り部40の上部には原稿を自動搬送する自動原稿送り手段60が設けてあり、原稿載置台61上に載置される原稿Aを分離手段(参照符号無し)で1枚づつ分離し、分離された原稿の画像読み取りは、原稿搬送ローラ62の下部に該当する読み取り位置63を介して行うようになっている。
【0021】
画像読み取りは、画像読み取り部40に設けた後述する光学系により行う。
読み取られた原稿Aは原稿搬送ローラ62を含む搬送手段により更に下流に搬送され、原稿排紙皿64上に排出される。
【0022】
原稿Aが両面に画像を有する場合であって、その両面画像を読み取る場合には、第1面が読み取られた原稿Aを反転手段(参照符号無し)で反転した後、再度、前記読み取り位置63にて読み取り、しかる後、前記原稿排紙皿64上に排出する。
【0023】
また、前記自動原稿送り手段は可倒式となっており、当該自動原稿送り手段を持ち上げてプラテンガラス65上に載置した原稿Aの画像を読み取る場合、前記画像読み取り部40の光学系の一部を移動させることにより行う。
【0024】
画像読み取り部40は、照明ランプ及び第1ミラーを有する第1ミラーユニット41と、相対的にV字状に配置した第2ミラー及び第3ミラーを有する第2ミラーユニット42と、前記第3ミラーの反射光路上に固定して設けた投影レンズ43およびラインセンサである撮像素子CCD等を含む。
【0025】
画像読み取りは、自動原稿送り手段により送られる原稿Aに対しては、前記第1ミラーを画像読み取り位置63の下方に位置するように前記第1ミラーユニット41を位置固定するとともに、当該第1ミラーユニット41に対して所定距離離れた位置に前記第2ミラーユニット42を位置固定して行い、一方、プラテンガラス65上に載置された原稿Aに対しての読み取りは、前記第1ミラーユニット41および第2ミラーユニット42を所定の速度比で同方向に移動させることにより行う。
【0026】
読み取られた画像は、前記投影レンズ43を通して撮像素子CCDの受光面に結像される。
【0027】
撮像素子CCD上に結像された光学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換されたのちA/D変換され、画像処理部50において濃度変換、フィルタ処理などの処理が施された後、画像データとして、一旦、メモリに記憶される。
【0028】
なお、以下の説明において4色、即ち、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、及び、K(黒)の画像形成部は同じ構成を持つので代表してY(イエロー)を用いて説明する。
【0029】
Y(イエロー)色の画像を形成する画像形成部10Yは、像担持体としての感光体ドラム1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像装置4Y及びクリーニング手段8Yを有する。
【0030】
前記感光体ドラム1Yは光導電性化合物をドラム基体上に塗布形成したもので、例えば、有機感光体(OPC)が好ましく使用されている。
【0031】
前記現像装置4Yの詳細については後述するが、現像剤担持体の長手方向両端部からのトナー飛散の発生を抑制するトナー飛散防止部材を有している。
【0032】
静電荷潜像の形成は、帯電手段2Yにより一様帯電(例えば、マイナス帯電)を行った後の前記感光体1Y上に、前記画像処理部50のメモリから呼び出された画像信号(画像データ)に基づく露光を順次行うことによりなされる。
【0033】
書き込み手段である露光手段3Yは、図示しないレーザダイオードを発光光源とし、回転するポリゴンミラー31Y、fθレンズ32Y、シリンドリカルレンズ33Yおよび反射ミラー34Yを有し、これら光学系で感光体ドラム1Y上に主走査がなされ、副走査は感光体ドラム1Yの回転により行われる。
【0034】
前記感光体1Y上に形成された静電荷潜像は、前記現像装置4Yの作動により、磁性キャリアと非磁性トナーとを含む二成分現像剤(以下、単に現像剤という)の接触現像によって反転現像され、可視像(トナー像)に変換される。
【0035】
中間転写体6は複数のローラにより巻回され回動可能に支持されており、画像形成部10Y、10M、10C及び10Kより形成された各色のトナー像は、回動する中間転写体6上に転写装置7Y、7M、7C及び7Kにより逐次転写され(1次転写)、重ね合わされてカラー画像を形成する。
【0036】
転写材給紙部20にはそれぞれ異なるサイズの転写材Pを収容した給紙ユニット20A、20B、20Cが設けられ、また側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット70が設けられておりそれらの何れかから選択された転写材Pは、給紙手段21により給紙され、給紙ローラ22A、22B、22C、レジストローラ23等を経て、転写装置のある転写領域に搬送されここで中間転写体6上のカラー画像が転写材P上に転写される(2次転写)。カラー画像が転写された転写材Pは定着装置24に向けて搬送される。定着装置24は定着ローラ24Aと加圧ローラ24Bを有しており転写材Pが両ローラ間を通過する際に、加熱、加圧を加え、トナーを転写材P上に溶融定着させる。定着処理された転写材Pは排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
【0037】
一方、転写装置7Aにより転写材Pにカラー画像を転写した後転写材Pを曲率分離した中間転写体6はクリーニング手段8Aによりその表面をクリーニングされる。
【0038】
5Y、5M、5C及び5Kは現像装置4Y、4M、4C及び4Kにそれぞれ新規のトナーを補給するトナー補給手段である。
【0039】
次に、本発明に係わる現像装置の実施の形態を図2乃至図7を用いて説明する。
【0040】
以降、全ての図において既出の部材(手段)と同一の部材(手段)については同じ参照符号を付すこととする。
【0041】
本発明に係わる現像装置の第1の実施の形態について図2、図3及び図4を用いて説明する。
【0042】
図2は現像装置の内部構造を示す断面図であるが、現像装置4Y、4M、4C及び4K(以降,4Yで代表する)は基本構成において従来技術の説明で使用した図8と同じであるので、個々の部材に対する説明あるいは機能については出来る限り省略することとする。
【0043】
951はケーシングであり上蓋952、中蓋953、底板954及び側板955(図4参照)で構成されており、中蓋953、底板954及び底板954の中仕切部904は現像剤供給部901、撹拌・搬送部902、現像剤回収部903をそれぞれ分離している。
【0044】
現像剤回収部903は、長手方向にみて現像剤担持体(以下、現像ローラという)941に担持されている現像剤担持幅より外の領域で、撹拌・搬送部902と連通しており、回収された現像剤を撹拌・搬送部902に戻す構成になっている。同様に、撹拌・搬送部902は、前記現像剤担持幅より外の領域で、かつ、撹拌・搬送手段946及び供給搬送手段945の長手方向両端部において、現像剤供給部901と連通しており、撹拌・搬送された現像剤を現像剤供給部901に供給すると共に、現像剤供給部901の現像剤の一部を撹拌・搬送部902に戻す構成になっている。
【0045】
941は現像ローラであり、当該現像ローラ941内には複数の磁極N1、N2、N3、N4、S1、S2、S3を有する第1の磁界形成手段942が固定されている。同様に、947は剥ぎ取りローラであり、当該剥ぎ取りローラ947内には複数の磁極n1、n2、n3、s1、s2を有する第2の磁界形成手段950が固定されている。
【0046】
現像ローラ941及び剥ぎ取りローラ947はケーシング951に内包され、かつ、対向して配置されており最近接位置でみて反対方向に回転し、本実施の形態では、図中の矢印で示したように、現像ローラ941及び剥ぎ取りローラ947は時計方向に回転する。
【0047】
943は厚さ規制部材であり現像ローラ941により搬送される現像剤の厚さを規制する。973は幅規制部材であり厚さ規制部材943の長手方向両端部に設けられていて、現像ローラ941により搬送される現像剤の幅を規制する。
【0048】
948はスクレーパであり、剥ぎ取られた後も剥ぎ取りローラ947上に残留する現像剤を後述する方法で掻き取る部材であり、更に、スクレーパ948は図示するような傾斜面を有しており剥ぎ取られた現像剤を回収手段949の方向に移送する機能も兼ねている。
【0049】
977はケーシング951が形成する現像開口(以下、開口部とも言う)であり、現像ローラ941と感光体ドラム1Yが対向する領域に設けられている。なお、開口部977はケーシング951の一部を構成する上蓋952、底板954及び側板955(図4参照)で形成されている。
【0050】
966は上蓋952の一端部であり現像ローラ941の回転方向にみて開口部977の下流側端を形成している。
【0051】
DRは現像処理領域を表し、開口部977を介して感光体ドラム1Yと現像装置4Yとの間で現像処理が行われる領域を言う。
【0052】
960はケーシング951の内側に設けられたトナー飛散防止部材であり、図3、図4で詳しく説明するが、現像ローラ941の回転方向に見て現像処理領域DRの下流側における現像ローラ941の周面一部に近接して対向するとともに、長手方向にみて、現像ローラ941の両側端部における現像剤非担持領域に対向して形成されており、本実施の形態においては、トナー飛散防止部材960はケーシング951の一部である上蓋952と一体に形成されている。なお、トナー飛散防止部材960は上蓋952と一体に構成することはなく、単独部材として製作し上蓋952と結合しても良い。
【0053】
また、トナー飛散防止部材960の対向面969と現像ローラ941の周面941A(図4参照)とが形成する隙間は、現像ローラ941に担持されている現像処理後の現像剤の外周面941B(図4参照)とケーシング951の現像ローラ941に対向する内側面963との隙間に等しいか又はそれ以下になるように設定してある。
【0054】
なお、本実施の形態におけるケーシング951を構成する上蓋952、中蓋953、底板954及び側板955は樹脂成形品で出来ており、一部、トナー飛散防止部材960及びそれに対応する上蓋952の部分はアルミニウムダイカストで形成されており、上蓋952の他の部分とネジにより結合されている。
【0055】
ケーシング951はこれに拘束されることはなく、全て樹脂成形、或いは、アルミニウムの押し出し加工、プレス加工等で製作しても良く、又は、これらの組み合わせでも良い。また、トナー飛散防止部材960は単独に樹脂成形等で作り上蓋952に接着、ネジ等で固定しても良い。
【0056】
次に、現像剤が現像ローラ941から剥ぎ取りローラ947に剥ぎ取られる過程について説明する。
【0057】
現像剤供給手段944から供給された現像剤は、現像ローラ941内に内蔵固定された第1の磁界形成手段942の反発磁界を形成する磁極N3、N4のうち磁極N4の吸引作用により現像ローラ941に担持され、搬送磁極S3により搬送され現像磁極N1に達する。
【0058】
その途中、磁極S3の位置で、現像ローラ941に担持されている現像剤は幅規制部材973により幅を、厚さ規制部材943により厚さを所定の値になるように規制される。
【0059】
現像磁極N1の位置で現像処理された現像剤は、搬送磁極S1、N2、S2、により搬送され、反発磁界の一つである磁極N3に到達し、当該磁極N3と対向した位置にある剥ぎ取りローラ947に内蔵固定された第2の磁界形成手段950の受け取り磁極s1に磁気吸引され剥ぎ取りローラ947上に担持される。
【0060】
剥ぎ取りローラ947上に担持された現像処理後の現像剤は搬送磁極n1、s2により搬送され、反発磁界を形成するn2、n3のうち剥ぎ取りローラ947の回転方向に見て上流側にある磁極n2近傍で釈放される。釈放されずに剥ぎ取りローラ947上に残留した現像剤はスクレーパ948にて掻き取られ、磁極n2近傍で釈放された現像剤と共に現像剤回収部903側に回収され、回収された現像剤は、上述した方法により撹拌・搬送部902に戻される。
【0061】
次に、図3、図4を用いて、トナー飛散防止部材960と現像ローラ941との長手方向における位置関係、図2を用いて周方向の位置関係を説明する。なお、図3については便宜上以下の順序で説明を行う。
【0062】
図3は現像ローラ941及び剥ぎ取りローラ947の断面、第1の磁界形成手段942、第2の磁界形成手段950の長手方向にみた磁束密度及び現像処理後の現像剤が長手方向にみて現像ローラ941から剥ぎ取りローラ947へ移動する様子を示している。
【0063】
(3−1)は現像ローラ941の断面図であり、現像ローラ941はローラ状の第1ローラ970に第1フランジ974を両端に圧入した構成を有しており、第1の磁界形成手段942は第1ローラ970に内蔵固定されている。943は厚さ規制部材、973は幅規制部材を表している。
【0064】
W1は第1ローラ970の全長、W2は第1の磁界形成手段942の着磁幅を表している。
【0065】
(3−3)におけるW3は現像ローラ941上の現像剤担持幅を表すが、磁石の性質により第1の磁界形成手段の長手方向(横軸)の各磁極の磁束密度(縦軸)が(3−2)の磁束密度曲線C1(縦軸)に示すように着磁幅W2よりも外側にも分布しているためこの部分にも現像剤が担持され前記現像剤担持幅W3は着磁幅W2より広くなっている。
【0066】
W4は現像ローラ941上の両端部の現像剤非担持領域(以降、現像剤非担持幅ともいう)を表しW1とW3との差の半分である。
【0067】
(3−5)は剥ぎ取りローラ947の断面図であり、現像ローラ941と同様に、ローラ状外枠の第2ローラ971に第2フランジ975を圧入した構成を有しており、第2の磁界形成手段950は第2ローラ971に内蔵固定されている。
【0068】
また、第2ローラ971の長さは第1ローラ970の長さW1に等しく、第2の磁界形成手段の着磁幅は第1の磁界形成手段942の着磁幅W2に等しい構成となっている。
【0069】
(3−4)は第2の磁界形成手段950のうち受け取り磁極s1の長手方向(横軸)の磁束密度曲線C2(縦軸)を表しており、磁束密度曲線C2は磁石の性質により着磁幅W2の両端部より若干中に入ったところに磁束密度の最も高いところが現れる。
【0070】
(3−3)は現像ローラ941上に担持されている現像処理後の現像剤が磁極N3上の位置から剥ぎ取りローラ947の磁極s1上の位置に磁気吸引により剥ぎ取られる時の様子を模式的に示したものである。剥ぎ取り時には現像剤は一旦空中に放出されるため磁極s1の磁束密度の影響を受け現像ローラ941上の現像剤担持幅W3の両端部付近の現像剤は磁束密度が最も高いところに吸引され、剥ぎ取りローラ947上の現像剤担持幅W5は幅寄せされシフト幅Fだけ狭くなってしまう。換言すれば、剥ぎ取りローラ947上の現像剤非担持幅W6は現像ローラ941上の現像剤非担持幅W4に比べ広くなり上蓋952と剥ぎ取りローラ947周面とのスペースが増加し浮遊トナーが含まれた気流がより流れやすくなることを意味する。
【0071】
なお、現像ローラ941から剥ぎ取りローラ947へ現像剤を同じ幅で移動させるためには、第2の磁界形成手段950を長く、即ち、剥ぎ取りローラ947を長くすることにより可能であるが、現像装置の小型化等を考慮すると得策ではく、現像ローラ941の両端部におけるトナー飛散を防止するためにはトナー飛散防止部材960を設けることが有効である。
【0072】
第1の磁界形成手段942は第2の磁界形成手段950と同様に、着磁幅W2の両端部より若干中に入ったところに磁束密度が最も高いところが現れるが、現像ローラ941上の現像剤は現像ローラ941周面から離れることなく保持、搬送されるため、(3−3)で説明したような幅寄せ現象は発生せず幅規制部材973で決められた現像剤担持幅W3が維持されつつ反発磁極N3(図2参照)の位置まで到達し、剥ぎ取りローラ947に吸引される。
【0073】
次に、図4はトナー飛散防止部材960と現像ローラ941の長手方向における位置関係を示したものである。W4は図3に示したのと同様に現像ローラ941の現像剤非担持幅を表し、D1は現像剤の厚みを表す。なお、ここで言う現像剤の厚みD1とは、現像ローラ941周面方向でみて各磁極間で搬送されている状態の厚みを表す。
【0074】
Tは上蓋952の内側面963と現像ローラ941及び剥ぎ取りローラ947の周面との隙間を表し共に同じ間隔を持ち、上蓋952の内側面963は上蓋952の下流側端966から第1の磁界形成手段942の磁極N3に対向する位置までの範囲(120°)及び第2の磁界形成手段950の磁極s1からn2に対向する位置までの範囲(160°)に形成されている(図2参照)。
【0075】
Sは現像ローラ941及び剥ぎ取りローラ947と側板955の側面962との隙間を表しており、共に同じ間隔を持つ。なお隙間Sはできるだけ小さくすることが望ましい。
【0076】
W7は現像ローラ941の長手方向に見たトナー飛散防止部材960の幅を表す。Hはトナー飛散防止部材960の厚さ、Gは現像剤とトナー飛散防止部材960との隙間を表す。なお、隙間Gはできるだけ小さくすることが望ましい。
【0077】
図2において、トナー飛散防止部材960の周面方向は現像処理領域DRの下流側の周面一部、即ち、上蓋952の下流側端966から磁極N3に対向する範囲(120°)にわたり形成されている。
【0078】
なお、トナー飛散防止部材960は現像ローラ941の周面方向においては本実施の形態よりも狭い範囲でも良いが、上蓋952の先端966から磁極N3に対向する範囲内で60°以上有ることが望ましい。
【0079】
また、トナー飛散防止部材960の対向面969と現像ローラ941の周面941Aとが形成する隙間は、現像ローラ941に担持されている現像処理後の現像剤の外周面941Bとケーシング951の現像ローラ941に対向する内側面963との隙間に等しいか又はそれ以下である。
【0080】
本実施の形態における上記の各部の寸法をまとめて表1に示す。
【0081】
【表1】
【0082】
上述したように、従来の現像装置では、ケーシングと現像ローラ、または、剥ぎ取りローラとの間隔を管理し狭く設定することにより現像剤担持領域においてはトナー飛散をかなり抑制できるようになったが、この間隔が狭くなればなるほど現像剤非担持領域においては現像剤がないため現像剤担持領域に比べ隙間が広くなり一種のトンネルを形成し、気流が集中してしまう。
【0083】
一方、重合法により作られた小粒径トナー(例えば、2〜7μm)を使用した高画質でかつ安定した画像形成装置が求められており、トナー飛散による機内汚染、画像不良等の問題を起こさないことは重要な課題となってきた。
【0084】
本出願人らは小粒径トナーを使用した画像形成装置においても簡単な構成でトナー飛散を抑制出きる構成を見いだし、長期間使用しても信頼性が高く、高画質な画像形成装置を提供することが出来た。
【0085】
本実施の形態に係わるトナー飛散の評価は、表1の各部の寸法と下記に記載する現像装置の諸元を基に行った。
【0086】
なお、評価は、転写材サイズA4で10KCのコピーを行い、現像ローラ両端部における上蓋の下流側端近傍に付着したトナーの量を目視で比較することにより行った。
【0087】
(現像装置諸元)
現像ローラ(非磁性)径 25mm
現像ローラ線速 480mm/sec
現像ローラ軸方向長さ(第1ローラ全長)330mm
現像ローラ上の現像剤厚さ 0.35mm
剥ぎ取りローラ(非磁性)径 20mm
剥ぎ取りローラ線速 480mm/sec
剥ぎ取りローラ軸方向長さ(第2ローラ全長)330mm
現像ローラと剥ぎ取りローラとの最短距離1.5mm
キャリア質量平均粒径 60μm
トナー質量平均粒径 6μm
トナー濃度 6質量%
印字率 20〜30%
(評価結果)
本実施の形態においてトナー飛散防止部材を取り付けなかった場合のトナー飛散を100%とし、トナー飛散防止部材を上蓋に取り付けた場合の減少割合を比較した結果、トナー飛散防止部材を付けた場合は15%減少した。
【0088】
トナー飛散はきわめて僅かなものであるが発生すると大きな問題となる。しかし、上記構成によりトナーの飛散を抑制し長期間使用しても安定して高品質な画像が得られる画像形成装置を提供することが出来た。
【0089】
なお、現像ローラに対して剥ぎ取りローラを上方位置でなく、例えば、下方位置あるいは真横の位置に配置する仕様も考えられるが、前記トナー飛散防止部材は前述した範囲と基本的に同じ範囲に、同じような方法で設けることができる。
【0090】
また、剥ぎ取りローラのない構成においても、現像ローラにトナー飛散防止部材を設けることも可能である。
【0091】
次に、第2の実施の形態を図5を用いて説明するが、図3、図4も適宜使用しながら説明する。
【0092】
第2の実施の形態は第1の実施の形態と剥ぎ取りローラの回転方向、第2の磁界形成手段の構成、トナー飛散防止部材の構成、上蓋の内側面の形成される範囲及びスクレーパの有無のみが異なるだけであり他の構成は同じであるので異なる部分の構成、作用についてのみ説明を行う。
【0093】
なお、説明の便宜上、剥ぎ取りローラ、第2の磁界形成手段(除く、磁極符号)、上蓋、上蓋の内側面及びトナー飛散防止部材は同一参照符号を付すこととする。
【0094】
現像ローラ941及び剥ぎ取りローラ947は最近接位置において同方向に回転し、本実施の形態においては図中矢印で示したように現像ローラ941は時計方向、剥ぎ取りローラ947は反時計方向に回転する。
【0095】
950は第2の磁界形成手段であり第1の磁界形成手段の磁極N3に対向した位置に受け取り磁極s1を有し、反時計方向にみて搬送磁極である磁極n1及び磁極s1とともに反発磁界を形成する磁極s2を有している。なお剥ぎ取りローラ947の長さ及び第2の磁界形成手段950の着磁幅は第1の実施の形態と同じである。
【0096】
上蓋952の内側面963は下流側端966から第1の磁界形成手段942の磁極S2と磁極N3の中間位置に対向する範囲(110°)及び第2の磁界形成手段950の磁極s1から剥ぎ取りローラ947の回転方向に見て上流側20°の位置から更に磁極s1から見て上流側160°の位置までの範囲(140°)に形成されている。
【0097】
960はトナー飛散防止部材であり現像ローラ941の長手方向における寸法及び厚さ方向の寸法については第1の実施の形態と同じであるが、周面方向においては、現像ローラ941の回転方向にみて現像処理領域DRの下流側の周面一部、即ち、上述した上蓋952の下流側端966から磁極S2と磁極N3の中間位置に対向する範囲(110°)にわたり形成されている。
【0098】
なお、トナー飛散防止部材960は、現像ローラ941の周面方向においては、本実施の形態よりも狭い範囲でも良いが、前述の範囲内で60°以上有ることが望ましい。
【0099】
また、トナー飛散防止部材960の対向面969と現像ローラ941の周面941Aとが形成する隙間は、現像ローラ941に担持されている現像処理後の現像剤の外周面941Bとケーシング951の現像ローラ941に対向する内側面963との隙間に等しいか又はそれ以下になるように設定してある。
【0100】
トナー飛散防止部材960は、第1の実施の形態と同様に、上蓋952と一体に形成してもよく、単独で製作し、ネジ又は接着等で上蓋に結合しても良い。
【0101】
次に、現像ローラ941から剥ぎ取りローラ947に現像剤が剥ぎ取られる過程について説明する。現像ローラ941に担持されている現像処理後の現像剤は第1の磁界形成手段942の磁極N3と対向する位置にある第2の磁界形成手段950の磁極s1に磁気吸引され剥ぎ取りローラ947上に担持される。担持された現像剤は搬送磁極n1により搬送され前記磁極s1と共に反発磁界を形成する磁極s2の近傍で釈放される。釈放された現像剤は順次釈放される現像剤に押されて回収手段949に到達し回収される。このようにスクレーパを使用しないで現像剤を回収するため、スクレーパが剥ぎ取りローラ947上に残留した現像剤を除去する際に発生するキャリアからのトナーの分離がなくなりトナー飛散を軽減するという利点を有している。
【0102】
上述したような構成でトナー飛散防止部材960を設けることにより、第1の実施の形態と同じく現像ローラ941の両端部からのトナー飛散を防止し、長期間使用しても安定して高画質な画像が得られる画像形成装置を提供することが出来る。
【0103】
トナー飛散の評価については各部の寸法を表1に示す数値としまた現像装置諸元についても第1の実施の形態と同じとして行った。
【0104】
本実施の形態においてトナー飛散防止部材を取り付けない場合のトナー飛散を100%とし、トナー飛散防止部材を取り付けた場合の減少割合を比較した結果15%減少した。
【0105】
なお、現像ローラに対して剥ぎ取りローラを上方位置でなく、例えば、下方位置あるいは真横の位置に配置する仕様も考えられるが、前記トナー飛散防止部材は前述した範囲と基本的に同じ範囲に、同じような方法で設けることができる。
【0106】
次に、第3の実施の形態について図2を用いて説明する。また、図3、図4も適宜利用しながら進める。
【0107】
第1の実施の形態と基本構成は同じであるので、異なる部分についてのみ説明する。
【0108】
960はトナー飛散防止部材であり、剥ぎ取りローラ947の周面一部に近接し、対向して設けられている。説明の都合上、トナー飛散防止部材についても第1の実施の形態と同一の参照符号960を使用する。
【0109】
トナー飛散防止部材960はケーシング951の内側に設けられており、剥ぎ取りローラ947の周面一部に対向すると共に、長手方向にみて、剥ぎ取りローラ947の両端部における現像剤非担持領域に対向して形成されており、本実施の形態においては、トナー飛散防止部材960はケーシング951の一部である上蓋952と一体に形成されている。なお、トナー飛散防止部材960は上蓋952と一体に構成することはなく、単独部材として製作し上蓋952と結合しても良い。
【0110】
また、トナー飛散防止部材960の対向面969と剥ぎ取りローラ947の周面947Aとが形成する隙間は、剥ぎ取りローラ947に担持されている現像剤の外周面947Bに等しい円周面947C(図2参照)とケーシング951の剥ぎ取りローラ947に対向する内側面963との隙間に等しいか又はそれ以下になるように設定してある。
【0111】
現像剤が現像ローラ941から剥ぎ取りローラ947に剥ぎ取られる過程は第1の実施の形態と同じであるので省略する。
【0112】
図4はトナー飛散防止部材960と剥ぎ取りローラ947との長手方向における位置関係を示したものである。
【0113】
W6は剥ぎ取りローラ947上の現像剤非担持幅を表す。D2は現像剤の厚みを表すが、ここで言う現像剤の厚みD2とは、剥ぎ取りローラ947の周面に見て各磁極間で搬送されている状態の厚みを表し、長手方向にみて、磁束密度曲線がフラットになった部分(図3の(3−3)を参照)に対応する厚さを言う。
【0114】
W8は剥ぎ取りローラ947の長手方向にみたトナー飛散防止部材960の幅を表す。Gは現像剤とトナー飛散防止部材960との隙間を表し第1の実施の形態と同じ値である。またHはトナー飛散防止部材960の厚さを表し第1の実施の形態と同じ値である。
【0115】
図2において、トナー飛散防止部材960の周面方向は剥ぎ取りローラ947の周面一部、即ち、磁極s1から磁極n2までに対向する範囲(160°)にわたり形成されている。
【0116】
なお、トナー飛散防止部材960は剥ぎ取りローラ947の周面方向においては本実施の形態よりも狭い範囲でも良いが、磁極s1からn2に対向する範囲内で60°以上あることが望ましい。
【0117】
また、トナー飛散防止部材960の対向面969と剥ぎ取りローラ947の周面947Aとが形成する隙間は、剥ぎ取りローラ947に担持されている現像剤の外周面947Bに等しい円周面947Cとケーシング951の剥ぎ取りローラ947に対向する内側面963との隙間に等しいか又はそれ以下であるように設定してある。
【0118】
本実施の形態における上記の各部の寸法をまとめて表1に示す。
第1の実施の形態で述べたように、現像剤非担持領域が形成する空間、即ち、現像ローラ941及び剥ぎ取りローラ947の現像剤非担持領域の周面と上蓋952の内側面963との隙間を通って気流が流れ現像ローラ941の両端部においてトナー飛散を引き起こすが、併せて、現像装置の小型化等のため現像ローラと剥ぎ取りローラとはほぼ同じ長さに構成する方が都合が良いが、長手方向にみて剥ぎ取りローラでは図3の(3−3)に示すように現像剤非担持幅が現像ローラに比べ僅かではあるが広くなっており、この僅かなスペースの増加も現像ローラ両端部からのトナー飛散に影響していることがわかった。
【0119】
しかし、上記のように構成することにより、重合法により作られた小粒径トナーを使用しても簡単な構成でトナー飛散を抑制でき、長期間使用しても信頼性が高く、高画質な画像形成装置を提供することが出来た。
【0120】
本実施の形態に係わるトナー飛散の評価は、表1に示す各部の寸法で、第1の実施の形態と同一の現像装置諸元及び同一の評価方法により行った。
【0121】
本実施の形態においてトナー飛散防止部材を取り付けなかった場合のトナー飛散を100%とし、トナー飛散防止部材を上蓋に取り付けた場合の減少割合を比較し、5%減少するという結果を得た。
【0122】
なお、第1の実施の形態で述べた現像ローラに対するトナー飛散防止部材を併用するとトナー飛散の減少割合は上記と同じ評価方法で15%に増加し、トナー飛散防止に対して大きな効果を得た。
【0123】
次に、第4の実施の形態を図5を用いて説明する。また適宜図2、図3、図4を用いて説明する。
【0124】
本実施の形態は第2の実施の形態と基本構成は同じであるので、異なる部分についてのみ説明する。
【0125】
960はトナー飛散防止部材であり、剥ぎ取りローラ947の周面一部に近接し、対向して設けられているが、説明の都合上、第1の実施の形態と同一の参照符号960を使用する。
【0126】
トナー飛散防止部材960はケーシング951の内側に設けられており、剥ぎ取りローラ947の周面一部に対向すると共に、長手方向にみて、剥ぎ取りローラ947の両端部における現像剤非担持領域に対向して形成されており、本実施の形態においては、トナー飛散防止部材960はケーシング951の一部である上蓋952と一体に形成されている。
【0127】
現像剤が現像ローラ941から剥ぎ取りローラ947に剥ぎ取られる過程は第2の実施の形態と同じであるので省略する。
【0128】
トナー飛散防止部材960と剥ぎ取りローラ947との長手方向における位置関係は第3の実施の形態と同じであるので同様に省略する。
【0129】
図2において、トナー飛散防止部材960の周面方向は剥ぎ取りローラ947の周面一部、即ち、第2の磁界形成手段950の磁極s1から剥ぎ取りローラ947の回転方向に見て上流側20°の位置から更に磁極s1から見て上流側160°の位置までの範囲(140°)に形成されている。
【0130】
なお、トナー飛散防止部材960は剥ぎ取りローラ947の周面方向においては本実施の形態よりも狭い範囲でも良いが、上記範囲内で60°以上あることが望ましい。
【0131】
また、トナー飛散防止部材960の対向面969と剥ぎ取りローラ947の周面947Aとが形成する隙間は、剥ぎ取りローラ947に担持されている現像剤の外周面947Bに等しい円周面947C(図5参照)とケーシング951の剥ぎ取りローラ947に対向する内側面963との隙間に等しいか又はそれ以下になるように設定してある。
【0132】
本実施の形態に係わるトナー飛散の評価は、表1の各部の寸法と第2の実施の形態と同一の現像装置諸元のもとで、同一の評価方法により行った。
【0133】
本実施の形態においてトナー飛散防止部材を取り付けなかった場合のトナー飛散を100%とし、トナー飛散防止部材を上蓋に取り付けた場合の減少割合を比較した。本実施の形態においては剥ぎ取りローラ上で上蓋の内側面に対向する範囲には現像剤が存在しないが、剥ぎ取りローラの現像剤非担持領域にトナー飛散防止部材を形成することにより5%減少するという結果を得た。
【0134】
なお、第2の実施の形態の現像ローラに対するトナー飛散防止部材を併用することによりトナー飛散防止部材を取り付けた場合の減少割合は上記と同じ評価方法で15%に増加し、トナー飛散防止に対して大きな効果を得た。
【0135】
次に、第5の実施の形態について説明する。
図6は本発明に係わる現像装置の第5の実施の形態を示すもので、現像ローラの長手方向中央部の拡大断面図である。
【0136】
基本構成は第1の発明の実施の形態と同じであるので、個々の部材に対する説明あるいは機能についてはできる限り省略することとする。
【0137】
L1は現像ローラ941の中心M1と上蓋952の下流側端966を結んだラインであり、L2は中心M1と磁極N3の中心を結んだラインである。
【0138】
963はケーシングの一部をなす上蓋952の内側面であるが、その一部は現像ローラ941に対向する面、即ち、第1対向面を形成する。なお、ここでは便宜上第1対向面は内側面963と同じ参照符号963を使用することとする。第1対向面963は現像ローラ941の周面方向においてはラインL1上の下流側端966からラインL2上の第1対向面後端982の範囲(120°)にわたり、かつ、長手方向においては現像ローラ941の現像剤担持幅W3及び隙間G(図3、図4参照)にわたり形成されている。
【0139】
984は上蓋952の内側面963の一部である第2対向面で剥ぎ取りローラ947に対向しており、剥ぎ取りローラ947の周面方向においては第2の磁界形成手段950の磁極s1、磁極n2に対向した範囲にわたり、かつ、長手方向においては両方の側板955の側面962の間にわたり形成されており、第2対向面984と剥ぎ取りローラ947周面との隙間は表1の隙間Tで表される。
【0140】
982は第1対向面後端、983は第2対向面先端を表し、両者は直線で繋がっている。
【0141】
なお、図示してはないが、現像ローラ941の現像剤非担持幅には第1の実施の形態で示したトナー飛散防止部材960が形成されている。
【0142】
K1はラインL1上における下流側端966と現像ローラ941の周面との隙間、K2はラインL2上における第1対向面後端982と現像ローラ941の周面との隙間を表している。
【0143】
第1対向面963と現像ローラ941周面との間隔は下流側端966を基点として現像ローラ941の回転方向に見て下流側に行くに従って狭くなっている。即ち、隙間K1から隙間K2に行くに従い狭くなっている。
【0144】
現像ローラ941上の現像剤は各磁極、例えば、磁極S1、N2、S2に対向する位置近傍においては現像剤が立った状態(穂立ち状態)になっており、上記磁極間では現像剤が寝た状態(搬送状態)にあり、現像剤は現像ローラ941の回転に伴いこれらの状態を繰り返しながら搬送されていく。穂立ち状態にある現像剤の高さは図3及び図4の厚さD1で表されている搬送状態にある現像剤の高さよりも高くなっている。
【0145】
第1対向面963と現像ローラ941との隙間は、K1からK2に行くに従って狭く形成されているため、磁極S1に対向する位置においては穂立ち状態にある現像剤が第1対向面963と接触せず、磁極S2に対向する位置において穂立ち状態にある現像剤が第1対向面963と接触するように構成されている。
【0146】
上述した構成を取ることにより、現像剤が遮蔽の役目をし現像装置4Y内で発生した気流を外部へ出ていくことを妨げトナー飛散を抑制することが出来る。しかしながら、磁極S1に対向する位置においては穂立ち状態にある現像剤が第1対向面963とは接触しないため、現像剤にストレスがかからずキャリアやトナーの飛散を引き起こさない。
【0147】
なお、現像ローラに対して剥ぎ取りローラを上方位置でなく、例えば、下方位置あるいは真横の位置に配置する仕様も考えられるが、上述した構成を取ることが出来る。また、剥ぎ取りローラのない構成においても、同様な構成を取ることが出来る。
【0148】
上記の効果の確認をトナー飛散防止部材960の各部の寸法及び現像装置諸元は第1の実施の形態と同じとし、隙間K1、K2を変化させて行った。その結果を図7に示す。
【0149】
横軸は隙間K1、縦軸は隙間K2を表しており、評価項目及び評価方法は以下の通りである。
【0150】
(1)トナー飛散(一定時間運転後現像ローラの現像剤担持幅の範囲で上蓋の下流側端近傍に付着したトナーの量を目視で比較)
(2)キャリア飛散(一定時間運転後現像ローラの現像剤担持幅の範囲で上蓋の下流側端近傍に付着したキャリアの量を目視で比較)
(3)現像剤搬送性(一定時間運転後現像ローラ表面の現像剤搬送状態及び現像担持体幅の範囲で上蓋の下流側端近傍への現像剤堆積量を目視で比較)
評価段階は、○、○△、△、△×、×の5段階で行ない、△以上は問題ないレベルである。
【0151】
評価を行ったK1、K2の各交点において評価項目(1)のトナー飛散は上段の○乃至×、(2)のキャリア飛散は中段の○乃至×、(3)の現像剤搬送性は下段の○乃至×の3段で表されている。
【0152】
なお、全てが△以上即ち、すべての評価項目が問題ない場合それらを包む円で囲ってある。
【0153】
図において、K1≦K2の領域内でも問題ない点もあるが、より安定したK1、K2の組み合わせはK1>K2の領域であり上蓋の現像開口に近い磁極では上蓋の内側面と穂立ち状態の現像剤とを接触させないで下流側の磁極位置で接触させることが出きる。換言すれば、上蓋の現像開口の下流側端から現像ローラの回転方向にみて下流側に行くに従ってケーシングの内側面と現像ローラ周面との間隔を狭くすることにより現像剤担持体幅に対応する現像開口からのトナー飛散の発生を抑制することが出来る。
【0154】
ケーシングと現像ローラ及び剥ぎ取りローラとの間隔を管理し狭く設定することにより現像剤担持幅に対応する現像開口からのトナーの飛散は少なくなるが、上述のような形状にケーシングをすることにより、より長期にわたりトナー飛散の発生を抑えることが出来、より信頼性の高い画像形成装置を提供することが出来る。
【0155】
【発明の効果】
簡単な構成により、現像開口からのトナー飛散を抑制し機内汚染、画像不良等の問題の発生を長期にわたり押さえることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子写真方式によるタンデム型カラー画像形成装置の構成を示す模式図
【図2】第1の実施の形態に係わる現像装置の内部構造を示す断面図
【図3】第1の実施の形態に係わる現像ローラから剥ぎ取りローラへ現像剤が移動する様子を示す模式図
【図4】第1の実施の形態に係わるトナー飛散防止部材の現像ローラ及び剥ぎ取りローラの長手方向における位置関係図
【図5】第2の実施の形態に係わる現像装置の内部構造を示す断面図
【図6】第5の実施の形態に係わる現像装置の現像ローラの長手方向中央部の拡大断面図
【図7】第3の実施の形態に係わるケーシングと現像ローラとの隙間の関係を示すグラフ
【図8】従来の現像装置の内部構造を示す断面図
【符号の説明】
1Y 感光体ドラム
4Y 現像装置
941 現像剤担持体
942 第1の磁界形成手段
943 厚さ規制部材
947 剥ぎ取りローラ
950 第2の磁界形成手段
951 ケーシング
952 上蓋
953 中蓋
954 底板
960 トナー飛散防止部材
973 幅規制部材
977 現像開口
DR 現像処理領域
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の複写機、プリンター、FAX(ファクシミリ)等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一様帯電されている像担持体表面にレーザ光源からなる書き込み手段を用いて画像データに応じたドット露光を付与して静電荷潜像を形成し、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤による反転現像を介して前記静電荷潜像をトナー像となし、次いで、転写手段により、前記トナー像と重畳するように転写領域に向けて搬送される転写材上に当該トナー像を転写させた後、分離手段により前記像担持体から前記転写材を分離し、搬送手段を介して前記転写材を定着装置に送り込み、加熱ローラおよび加圧ローラによる加熱・加圧作用で前記トナー像を定着させ、搬送手段により装置外に設けたトレイに排紙する構成の画像形成装置はよく知られている。
【0003】
また、上述のような画像形成装置に搭載される現像装置としては図8に示すような構成を有するものが知られている。
【0004】
即ち、現像装置900は、第1の磁界形成手段である位置固定の磁石942を内蔵し、現像処理領域DRに2成分現像剤(以下、単に現像剤と言う)を搬送し、対向して回転する像担持体1Yの表面に形成される静電荷潜像を現像に供するための可回転の現像剤担持体941、第2の磁界形成手段である位置固定の磁石950を内蔵し、磁気吸引により現像剤担持体941から現像処理後の現像剤を剥ぎ取り、下流側に搬送する可回転の剥ぎ取りローラ947、剥ぎ取られた現像剤を回収する現像剤回収部903、回収された現像剤と新しいトナーを撹拌・搬送する撹拌・搬送部902、撹拌・搬送された現像剤を現像剤担持体941に供給する現像剤供給部901、これらを収容するケーシング951を有する。
【0005】
更に詳しくは、現像剤回収部903は剥ぎ取りローラ947の上の現像剤を掻き取るスクレーパ948、掻き取られた現像剤を回収し撹拌・搬送部902に戻すスクリュー状の回収手段949を有し、撹拌・搬送部902は戻された現像剤と新しく補給されたトナーを撹拌しながら現像剤供給部901に搬送するスクリュー状の撹拌・搬送手段946を有し、現像剤供給部901は搬送された現像剤を軸方向に搬送しつつ現像剤供給手段944の側に放出するスクリュー状の供給・搬送手段945、更に、放出された現像剤を軸方向に搬送しつつ現像剤担持体941の上に供給するスクリュー状の現像剤供給手段944、現像剤の幅方向を規制し、かつ、現像剤の漏れ防止を兼ねる幅規制部材973、及び、現像剤担持体941の上に供給された現像剤の量(厚さ)を一定に規制する厚さ規制手段943を有している。
【0006】
上記のような構成の現像装置を用いた画像形成装置においては、回収手段、撹拌・搬送手段等の回転、及び、現像剤担持体、剥ぎ取りローラからの現像剤の剥ぎ取り時等に、キャリアからトナーが分離、浮遊してしまう。一方、現像剤担持体、剥ぎ取りローラ、回収手段等の回転に伴って気流が発生し、当該気流が現像剤担持体、あるいは、剥ぎ取りローラとケーシングとの隙間を介して流れ、最終的には現像処理領域を通して放出されるため浮遊状態にあったトナーが気流に乗って移送され現像装置の外部へ放出され、いわゆるトナー飛散という現象を生じる。
【0007】
トナーの飛散は、きわめて僅かなものであるが長期にわたって発生すると、飛散したトナーが画像形成装置内の何らかの部材に付着して溜まったり、溜まったトナーが落下して画像品質を損ねてしまう等の様々な問題を起こすようになる。
【0008】
更に、近年、デジタル技術の進歩によりデジタル方式の画像形成装置が主流となり、併せて、重合法により作られた小粒径トナー(例えば、2〜7μm)の使用によって高画質な画像が得られるようになった。しかしながら、このような小粒径のトナーを用いた現像装置においては、高画質な画像が得られる反面、従来の粉砕トナー(例えば、8〜12μm)よりもトナーが飛散しやすくなり、上述したような問題がより重要になってきた。
【0009】
本出願人は上記と略同じ構成の現像装置において、トナー飛散を抑制する技術の1つとして、トナー補給手段を前記現像剤回収部903、及び、前記撹拌・搬送部902の2カ所に設け印字率が大きくなりトナーの補給が増加しても新しいトナーと現像剤との撹拌を充分に行わせることによりトナーに所望の帯電量を付与し、トナー飛散を防ぐ提案を行った(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−148921号公報(第9−第10頁、第2図、表1)
しかしながら、特許文献1に開示された構成では、トナーに所望の帯電量を付与することによりトナー飛散を抑制するという点では有用であるが、十分に撹拌を行ったトナーでもある帯電量分布を持ち弱帯電側のトナーが残ってしまう。この弱帯電側のトナーが、上述したような各手段の回転時、或いは、現像剤の剥ぎ取り時に分離、浮遊し現像装置の外部へ向かう気流に乗りトナー飛散の原因になってしまい、トナー飛散を抑制するには充分といえない。また、開示された構成では構造の大型化や制御が複雑になったりするという新たな問題も持っている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたもので、主たる目的は、簡単な構成により、現像処理領域、特に、現像剤担持体の長手方向両端部からのトナー飛散を極力抑制し、機内汚染による画像形成装置の信頼性低下を押さえ、また、転写材上へのトナーの落下、付着による画像不良の発生を軽減するように構成した画像形成装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記の構成によって達成することが出来る。
【0013】
(1)像担持体、現像装置、転写装置及び定着装置を有し、前記像担持体上に形成される静電荷潜像を前記現像装置によりトナー像となし、当該トナー像を転写装置により転写材上に転写させた後前記定着装置により定着させる画像形成装置において、
前記現像装置は、内蔵固定した磁界形成手段の作用により磁気吸引される現像剤を担持するとともに、当該現像剤を搬送するローラ状の現像剤担持体と、
前記現像剤担持体とほぼ同じ長さを有する可回転のローラ状外枠と、前記現像剤担持体上に残留する現像処理後の現像剤を磁気吸引により剥ぎ取って前記ローラ状外枠の上に担持させるように、前記磁界形成手段とほぼ同じ長さを有する磁界形成手段を前記ローラ状外枠に内蔵固定した構成の剥ぎ取りローラと、
前記現像剤担持体と前記剥ぎ取りローラとを対向配置させるように内包するケーシングからなり、
更に、前記現像装置はトナー飛散防止部材を有し、当該トナー飛散防止部材は、周面方向に見て、現像処理領域の下流側における前記現像剤担持体の周面一部に近接して対向するとともに、長手方向に見て、前記現像剤担持体の両側端部における現像剤非担持領域に対向して前記ケーシングの内側に設けてあり、
前記トナー飛散防止部材と前記現像剤担持体の周面とが形成する隙間は前記現像剤担持体上の現像処理後の現像剤の外周面と前記ケーシングの前記現像剤担持体に対向する内側面との隙間に等しいか又はそれ以下である、
ことを特徴とする画像形成装置。
【0014】
(2)像担持体、現像装置、転写装置及び定着装置を有し、前記像担持体上に形成される静電荷潜像を前記現像装置によりトナー像となし、当該トナー像を転写装置により転写材上に転写させた後前記定着装置により定着させる画像形成装置において、
前記現像装置は、内蔵固定した磁界形成手段の作用により磁気吸引される現像剤を担持するとともに、当該現像剤を搬送するローラ状の現像剤担持体と、
前記現像剤担持体とほぼ同じ長さを有する可回転のローラ状外枠と、前記現像剤担持体上に残留する現像処理後の現像剤を磁気吸引により剥ぎ取って前記ローラ状外枠の上に担持させるように、前記磁界形成手段とほぼ同じ長さを有する磁界形成手段を前記ローラ状外枠に内蔵固定した構成の剥ぎ取りローラと、
前記現像剤担持体と前記剥ぎ取りローラとを対向配置させるように内包するケーシングからなり、
更に、前記現像装置はトナー飛散防止部材を有し、当該トナー飛散防止部材は、周面方向に見て、剥ぎ取りローラの周面一部に近接して対向するとともに、長手方向に見て、前記剥ぎ取りローラの両側端部における現像剤非担持領域に対向して前記ケーシングの内側に設けてあり、
前記トナー飛散防止部材と前記剥ぎ取りローラの周面とが形成する隙間は前記剥ぎ取りローラ上の現像剤の外周面に等しい円周面と前記ケーシングの前記剥ぎ取りローラに対向する内側面との隙間に等しいか又はそれ以下である、
ことを特徴とする画像形成装置。
【0015】
(3)少なくとも、現像剤の担持領域に対応した前記現像剤担持体の周面と前記ケーシングの内側面との間隔は、前記現像剤担持体の回転方向にみて、前記ケーシングが形成する現像開口の下流側端を基点とし、下流側に行くに従って狭く構成してあることを特徴とする前記(1)又は前記(2)に記載の画像形成装置。
【0016】
(4)前記トナー飛散防止部材は前記ケーシングと一体構成であることを特徴とする前記(1)又は前記(2)に記載の画像形成装置。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図面を用いて説明する。
【0018】
図1は、電子写真方式により作像するタンデム型カラー画像形成装置の構成を示す模式図である。
【0019】
図において、画像形成装置1は、画像読み取り部40、画像処理部50、イエロートナー像を形成する画像形成部10Y、マゼンタトナー像を形成する画像形成部10M、シアントナー像を形成する画像形成部10C、黒トナー像を形成する画像形成部10K、中間転写体6、転写材給紙部20、定着装置24を有する。
【0020】
画像読み取り部40の上部には原稿を自動搬送する自動原稿送り手段60が設けてあり、原稿載置台61上に載置される原稿Aを分離手段(参照符号無し)で1枚づつ分離し、分離された原稿の画像読み取りは、原稿搬送ローラ62の下部に該当する読み取り位置63を介して行うようになっている。
【0021】
画像読み取りは、画像読み取り部40に設けた後述する光学系により行う。
読み取られた原稿Aは原稿搬送ローラ62を含む搬送手段により更に下流に搬送され、原稿排紙皿64上に排出される。
【0022】
原稿Aが両面に画像を有する場合であって、その両面画像を読み取る場合には、第1面が読み取られた原稿Aを反転手段(参照符号無し)で反転した後、再度、前記読み取り位置63にて読み取り、しかる後、前記原稿排紙皿64上に排出する。
【0023】
また、前記自動原稿送り手段は可倒式となっており、当該自動原稿送り手段を持ち上げてプラテンガラス65上に載置した原稿Aの画像を読み取る場合、前記画像読み取り部40の光学系の一部を移動させることにより行う。
【0024】
画像読み取り部40は、照明ランプ及び第1ミラーを有する第1ミラーユニット41と、相対的にV字状に配置した第2ミラー及び第3ミラーを有する第2ミラーユニット42と、前記第3ミラーの反射光路上に固定して設けた投影レンズ43およびラインセンサである撮像素子CCD等を含む。
【0025】
画像読み取りは、自動原稿送り手段により送られる原稿Aに対しては、前記第1ミラーを画像読み取り位置63の下方に位置するように前記第1ミラーユニット41を位置固定するとともに、当該第1ミラーユニット41に対して所定距離離れた位置に前記第2ミラーユニット42を位置固定して行い、一方、プラテンガラス65上に載置された原稿Aに対しての読み取りは、前記第1ミラーユニット41および第2ミラーユニット42を所定の速度比で同方向に移動させることにより行う。
【0026】
読み取られた画像は、前記投影レンズ43を通して撮像素子CCDの受光面に結像される。
【0027】
撮像素子CCD上に結像された光学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換されたのちA/D変換され、画像処理部50において濃度変換、フィルタ処理などの処理が施された後、画像データとして、一旦、メモリに記憶される。
【0028】
なお、以下の説明において4色、即ち、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、及び、K(黒)の画像形成部は同じ構成を持つので代表してY(イエロー)を用いて説明する。
【0029】
Y(イエロー)色の画像を形成する画像形成部10Yは、像担持体としての感光体ドラム1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像装置4Y及びクリーニング手段8Yを有する。
【0030】
前記感光体ドラム1Yは光導電性化合物をドラム基体上に塗布形成したもので、例えば、有機感光体(OPC)が好ましく使用されている。
【0031】
前記現像装置4Yの詳細については後述するが、現像剤担持体の長手方向両端部からのトナー飛散の発生を抑制するトナー飛散防止部材を有している。
【0032】
静電荷潜像の形成は、帯電手段2Yにより一様帯電(例えば、マイナス帯電)を行った後の前記感光体1Y上に、前記画像処理部50のメモリから呼び出された画像信号(画像データ)に基づく露光を順次行うことによりなされる。
【0033】
書き込み手段である露光手段3Yは、図示しないレーザダイオードを発光光源とし、回転するポリゴンミラー31Y、fθレンズ32Y、シリンドリカルレンズ33Yおよび反射ミラー34Yを有し、これら光学系で感光体ドラム1Y上に主走査がなされ、副走査は感光体ドラム1Yの回転により行われる。
【0034】
前記感光体1Y上に形成された静電荷潜像は、前記現像装置4Yの作動により、磁性キャリアと非磁性トナーとを含む二成分現像剤(以下、単に現像剤という)の接触現像によって反転現像され、可視像(トナー像)に変換される。
【0035】
中間転写体6は複数のローラにより巻回され回動可能に支持されており、画像形成部10Y、10M、10C及び10Kより形成された各色のトナー像は、回動する中間転写体6上に転写装置7Y、7M、7C及び7Kにより逐次転写され(1次転写)、重ね合わされてカラー画像を形成する。
【0036】
転写材給紙部20にはそれぞれ異なるサイズの転写材Pを収容した給紙ユニット20A、20B、20Cが設けられ、また側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット70が設けられておりそれらの何れかから選択された転写材Pは、給紙手段21により給紙され、給紙ローラ22A、22B、22C、レジストローラ23等を経て、転写装置のある転写領域に搬送されここで中間転写体6上のカラー画像が転写材P上に転写される(2次転写)。カラー画像が転写された転写材Pは定着装置24に向けて搬送される。定着装置24は定着ローラ24Aと加圧ローラ24Bを有しており転写材Pが両ローラ間を通過する際に、加熱、加圧を加え、トナーを転写材P上に溶融定着させる。定着処理された転写材Pは排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
【0037】
一方、転写装置7Aにより転写材Pにカラー画像を転写した後転写材Pを曲率分離した中間転写体6はクリーニング手段8Aによりその表面をクリーニングされる。
【0038】
5Y、5M、5C及び5Kは現像装置4Y、4M、4C及び4Kにそれぞれ新規のトナーを補給するトナー補給手段である。
【0039】
次に、本発明に係わる現像装置の実施の形態を図2乃至図7を用いて説明する。
【0040】
以降、全ての図において既出の部材(手段)と同一の部材(手段)については同じ参照符号を付すこととする。
【0041】
本発明に係わる現像装置の第1の実施の形態について図2、図3及び図4を用いて説明する。
【0042】
図2は現像装置の内部構造を示す断面図であるが、現像装置4Y、4M、4C及び4K(以降,4Yで代表する)は基本構成において従来技術の説明で使用した図8と同じであるので、個々の部材に対する説明あるいは機能については出来る限り省略することとする。
【0043】
951はケーシングであり上蓋952、中蓋953、底板954及び側板955(図4参照)で構成されており、中蓋953、底板954及び底板954の中仕切部904は現像剤供給部901、撹拌・搬送部902、現像剤回収部903をそれぞれ分離している。
【0044】
現像剤回収部903は、長手方向にみて現像剤担持体(以下、現像ローラという)941に担持されている現像剤担持幅より外の領域で、撹拌・搬送部902と連通しており、回収された現像剤を撹拌・搬送部902に戻す構成になっている。同様に、撹拌・搬送部902は、前記現像剤担持幅より外の領域で、かつ、撹拌・搬送手段946及び供給搬送手段945の長手方向両端部において、現像剤供給部901と連通しており、撹拌・搬送された現像剤を現像剤供給部901に供給すると共に、現像剤供給部901の現像剤の一部を撹拌・搬送部902に戻す構成になっている。
【0045】
941は現像ローラであり、当該現像ローラ941内には複数の磁極N1、N2、N3、N4、S1、S2、S3を有する第1の磁界形成手段942が固定されている。同様に、947は剥ぎ取りローラであり、当該剥ぎ取りローラ947内には複数の磁極n1、n2、n3、s1、s2を有する第2の磁界形成手段950が固定されている。
【0046】
現像ローラ941及び剥ぎ取りローラ947はケーシング951に内包され、かつ、対向して配置されており最近接位置でみて反対方向に回転し、本実施の形態では、図中の矢印で示したように、現像ローラ941及び剥ぎ取りローラ947は時計方向に回転する。
【0047】
943は厚さ規制部材であり現像ローラ941により搬送される現像剤の厚さを規制する。973は幅規制部材であり厚さ規制部材943の長手方向両端部に設けられていて、現像ローラ941により搬送される現像剤の幅を規制する。
【0048】
948はスクレーパであり、剥ぎ取られた後も剥ぎ取りローラ947上に残留する現像剤を後述する方法で掻き取る部材であり、更に、スクレーパ948は図示するような傾斜面を有しており剥ぎ取られた現像剤を回収手段949の方向に移送する機能も兼ねている。
【0049】
977はケーシング951が形成する現像開口(以下、開口部とも言う)であり、現像ローラ941と感光体ドラム1Yが対向する領域に設けられている。なお、開口部977はケーシング951の一部を構成する上蓋952、底板954及び側板955(図4参照)で形成されている。
【0050】
966は上蓋952の一端部であり現像ローラ941の回転方向にみて開口部977の下流側端を形成している。
【0051】
DRは現像処理領域を表し、開口部977を介して感光体ドラム1Yと現像装置4Yとの間で現像処理が行われる領域を言う。
【0052】
960はケーシング951の内側に設けられたトナー飛散防止部材であり、図3、図4で詳しく説明するが、現像ローラ941の回転方向に見て現像処理領域DRの下流側における現像ローラ941の周面一部に近接して対向するとともに、長手方向にみて、現像ローラ941の両側端部における現像剤非担持領域に対向して形成されており、本実施の形態においては、トナー飛散防止部材960はケーシング951の一部である上蓋952と一体に形成されている。なお、トナー飛散防止部材960は上蓋952と一体に構成することはなく、単独部材として製作し上蓋952と結合しても良い。
【0053】
また、トナー飛散防止部材960の対向面969と現像ローラ941の周面941A(図4参照)とが形成する隙間は、現像ローラ941に担持されている現像処理後の現像剤の外周面941B(図4参照)とケーシング951の現像ローラ941に対向する内側面963との隙間に等しいか又はそれ以下になるように設定してある。
【0054】
なお、本実施の形態におけるケーシング951を構成する上蓋952、中蓋953、底板954及び側板955は樹脂成形品で出来ており、一部、トナー飛散防止部材960及びそれに対応する上蓋952の部分はアルミニウムダイカストで形成されており、上蓋952の他の部分とネジにより結合されている。
【0055】
ケーシング951はこれに拘束されることはなく、全て樹脂成形、或いは、アルミニウムの押し出し加工、プレス加工等で製作しても良く、又は、これらの組み合わせでも良い。また、トナー飛散防止部材960は単独に樹脂成形等で作り上蓋952に接着、ネジ等で固定しても良い。
【0056】
次に、現像剤が現像ローラ941から剥ぎ取りローラ947に剥ぎ取られる過程について説明する。
【0057】
現像剤供給手段944から供給された現像剤は、現像ローラ941内に内蔵固定された第1の磁界形成手段942の反発磁界を形成する磁極N3、N4のうち磁極N4の吸引作用により現像ローラ941に担持され、搬送磁極S3により搬送され現像磁極N1に達する。
【0058】
その途中、磁極S3の位置で、現像ローラ941に担持されている現像剤は幅規制部材973により幅を、厚さ規制部材943により厚さを所定の値になるように規制される。
【0059】
現像磁極N1の位置で現像処理された現像剤は、搬送磁極S1、N2、S2、により搬送され、反発磁界の一つである磁極N3に到達し、当該磁極N3と対向した位置にある剥ぎ取りローラ947に内蔵固定された第2の磁界形成手段950の受け取り磁極s1に磁気吸引され剥ぎ取りローラ947上に担持される。
【0060】
剥ぎ取りローラ947上に担持された現像処理後の現像剤は搬送磁極n1、s2により搬送され、反発磁界を形成するn2、n3のうち剥ぎ取りローラ947の回転方向に見て上流側にある磁極n2近傍で釈放される。釈放されずに剥ぎ取りローラ947上に残留した現像剤はスクレーパ948にて掻き取られ、磁極n2近傍で釈放された現像剤と共に現像剤回収部903側に回収され、回収された現像剤は、上述した方法により撹拌・搬送部902に戻される。
【0061】
次に、図3、図4を用いて、トナー飛散防止部材960と現像ローラ941との長手方向における位置関係、図2を用いて周方向の位置関係を説明する。なお、図3については便宜上以下の順序で説明を行う。
【0062】
図3は現像ローラ941及び剥ぎ取りローラ947の断面、第1の磁界形成手段942、第2の磁界形成手段950の長手方向にみた磁束密度及び現像処理後の現像剤が長手方向にみて現像ローラ941から剥ぎ取りローラ947へ移動する様子を示している。
【0063】
(3−1)は現像ローラ941の断面図であり、現像ローラ941はローラ状の第1ローラ970に第1フランジ974を両端に圧入した構成を有しており、第1の磁界形成手段942は第1ローラ970に内蔵固定されている。943は厚さ規制部材、973は幅規制部材を表している。
【0064】
W1は第1ローラ970の全長、W2は第1の磁界形成手段942の着磁幅を表している。
【0065】
(3−3)におけるW3は現像ローラ941上の現像剤担持幅を表すが、磁石の性質により第1の磁界形成手段の長手方向(横軸)の各磁極の磁束密度(縦軸)が(3−2)の磁束密度曲線C1(縦軸)に示すように着磁幅W2よりも外側にも分布しているためこの部分にも現像剤が担持され前記現像剤担持幅W3は着磁幅W2より広くなっている。
【0066】
W4は現像ローラ941上の両端部の現像剤非担持領域(以降、現像剤非担持幅ともいう)を表しW1とW3との差の半分である。
【0067】
(3−5)は剥ぎ取りローラ947の断面図であり、現像ローラ941と同様に、ローラ状外枠の第2ローラ971に第2フランジ975を圧入した構成を有しており、第2の磁界形成手段950は第2ローラ971に内蔵固定されている。
【0068】
また、第2ローラ971の長さは第1ローラ970の長さW1に等しく、第2の磁界形成手段の着磁幅は第1の磁界形成手段942の着磁幅W2に等しい構成となっている。
【0069】
(3−4)は第2の磁界形成手段950のうち受け取り磁極s1の長手方向(横軸)の磁束密度曲線C2(縦軸)を表しており、磁束密度曲線C2は磁石の性質により着磁幅W2の両端部より若干中に入ったところに磁束密度の最も高いところが現れる。
【0070】
(3−3)は現像ローラ941上に担持されている現像処理後の現像剤が磁極N3上の位置から剥ぎ取りローラ947の磁極s1上の位置に磁気吸引により剥ぎ取られる時の様子を模式的に示したものである。剥ぎ取り時には現像剤は一旦空中に放出されるため磁極s1の磁束密度の影響を受け現像ローラ941上の現像剤担持幅W3の両端部付近の現像剤は磁束密度が最も高いところに吸引され、剥ぎ取りローラ947上の現像剤担持幅W5は幅寄せされシフト幅Fだけ狭くなってしまう。換言すれば、剥ぎ取りローラ947上の現像剤非担持幅W6は現像ローラ941上の現像剤非担持幅W4に比べ広くなり上蓋952と剥ぎ取りローラ947周面とのスペースが増加し浮遊トナーが含まれた気流がより流れやすくなることを意味する。
【0071】
なお、現像ローラ941から剥ぎ取りローラ947へ現像剤を同じ幅で移動させるためには、第2の磁界形成手段950を長く、即ち、剥ぎ取りローラ947を長くすることにより可能であるが、現像装置の小型化等を考慮すると得策ではく、現像ローラ941の両端部におけるトナー飛散を防止するためにはトナー飛散防止部材960を設けることが有効である。
【0072】
第1の磁界形成手段942は第2の磁界形成手段950と同様に、着磁幅W2の両端部より若干中に入ったところに磁束密度が最も高いところが現れるが、現像ローラ941上の現像剤は現像ローラ941周面から離れることなく保持、搬送されるため、(3−3)で説明したような幅寄せ現象は発生せず幅規制部材973で決められた現像剤担持幅W3が維持されつつ反発磁極N3(図2参照)の位置まで到達し、剥ぎ取りローラ947に吸引される。
【0073】
次に、図4はトナー飛散防止部材960と現像ローラ941の長手方向における位置関係を示したものである。W4は図3に示したのと同様に現像ローラ941の現像剤非担持幅を表し、D1は現像剤の厚みを表す。なお、ここで言う現像剤の厚みD1とは、現像ローラ941周面方向でみて各磁極間で搬送されている状態の厚みを表す。
【0074】
Tは上蓋952の内側面963と現像ローラ941及び剥ぎ取りローラ947の周面との隙間を表し共に同じ間隔を持ち、上蓋952の内側面963は上蓋952の下流側端966から第1の磁界形成手段942の磁極N3に対向する位置までの範囲(120°)及び第2の磁界形成手段950の磁極s1からn2に対向する位置までの範囲(160°)に形成されている(図2参照)。
【0075】
Sは現像ローラ941及び剥ぎ取りローラ947と側板955の側面962との隙間を表しており、共に同じ間隔を持つ。なお隙間Sはできるだけ小さくすることが望ましい。
【0076】
W7は現像ローラ941の長手方向に見たトナー飛散防止部材960の幅を表す。Hはトナー飛散防止部材960の厚さ、Gは現像剤とトナー飛散防止部材960との隙間を表す。なお、隙間Gはできるだけ小さくすることが望ましい。
【0077】
図2において、トナー飛散防止部材960の周面方向は現像処理領域DRの下流側の周面一部、即ち、上蓋952の下流側端966から磁極N3に対向する範囲(120°)にわたり形成されている。
【0078】
なお、トナー飛散防止部材960は現像ローラ941の周面方向においては本実施の形態よりも狭い範囲でも良いが、上蓋952の先端966から磁極N3に対向する範囲内で60°以上有ることが望ましい。
【0079】
また、トナー飛散防止部材960の対向面969と現像ローラ941の周面941Aとが形成する隙間は、現像ローラ941に担持されている現像処理後の現像剤の外周面941Bとケーシング951の現像ローラ941に対向する内側面963との隙間に等しいか又はそれ以下である。
【0080】
本実施の形態における上記の各部の寸法をまとめて表1に示す。
【0081】
【表1】
【0082】
上述したように、従来の現像装置では、ケーシングと現像ローラ、または、剥ぎ取りローラとの間隔を管理し狭く設定することにより現像剤担持領域においてはトナー飛散をかなり抑制できるようになったが、この間隔が狭くなればなるほど現像剤非担持領域においては現像剤がないため現像剤担持領域に比べ隙間が広くなり一種のトンネルを形成し、気流が集中してしまう。
【0083】
一方、重合法により作られた小粒径トナー(例えば、2〜7μm)を使用した高画質でかつ安定した画像形成装置が求められており、トナー飛散による機内汚染、画像不良等の問題を起こさないことは重要な課題となってきた。
【0084】
本出願人らは小粒径トナーを使用した画像形成装置においても簡単な構成でトナー飛散を抑制出きる構成を見いだし、長期間使用しても信頼性が高く、高画質な画像形成装置を提供することが出来た。
【0085】
本実施の形態に係わるトナー飛散の評価は、表1の各部の寸法と下記に記載する現像装置の諸元を基に行った。
【0086】
なお、評価は、転写材サイズA4で10KCのコピーを行い、現像ローラ両端部における上蓋の下流側端近傍に付着したトナーの量を目視で比較することにより行った。
【0087】
(現像装置諸元)
現像ローラ(非磁性)径 25mm
現像ローラ線速 480mm/sec
現像ローラ軸方向長さ(第1ローラ全長)330mm
現像ローラ上の現像剤厚さ 0.35mm
剥ぎ取りローラ(非磁性)径 20mm
剥ぎ取りローラ線速 480mm/sec
剥ぎ取りローラ軸方向長さ(第2ローラ全長)330mm
現像ローラと剥ぎ取りローラとの最短距離1.5mm
キャリア質量平均粒径 60μm
トナー質量平均粒径 6μm
トナー濃度 6質量%
印字率 20〜30%
(評価結果)
本実施の形態においてトナー飛散防止部材を取り付けなかった場合のトナー飛散を100%とし、トナー飛散防止部材を上蓋に取り付けた場合の減少割合を比較した結果、トナー飛散防止部材を付けた場合は15%減少した。
【0088】
トナー飛散はきわめて僅かなものであるが発生すると大きな問題となる。しかし、上記構成によりトナーの飛散を抑制し長期間使用しても安定して高品質な画像が得られる画像形成装置を提供することが出来た。
【0089】
なお、現像ローラに対して剥ぎ取りローラを上方位置でなく、例えば、下方位置あるいは真横の位置に配置する仕様も考えられるが、前記トナー飛散防止部材は前述した範囲と基本的に同じ範囲に、同じような方法で設けることができる。
【0090】
また、剥ぎ取りローラのない構成においても、現像ローラにトナー飛散防止部材を設けることも可能である。
【0091】
次に、第2の実施の形態を図5を用いて説明するが、図3、図4も適宜使用しながら説明する。
【0092】
第2の実施の形態は第1の実施の形態と剥ぎ取りローラの回転方向、第2の磁界形成手段の構成、トナー飛散防止部材の構成、上蓋の内側面の形成される範囲及びスクレーパの有無のみが異なるだけであり他の構成は同じであるので異なる部分の構成、作用についてのみ説明を行う。
【0093】
なお、説明の便宜上、剥ぎ取りローラ、第2の磁界形成手段(除く、磁極符号)、上蓋、上蓋の内側面及びトナー飛散防止部材は同一参照符号を付すこととする。
【0094】
現像ローラ941及び剥ぎ取りローラ947は最近接位置において同方向に回転し、本実施の形態においては図中矢印で示したように現像ローラ941は時計方向、剥ぎ取りローラ947は反時計方向に回転する。
【0095】
950は第2の磁界形成手段であり第1の磁界形成手段の磁極N3に対向した位置に受け取り磁極s1を有し、反時計方向にみて搬送磁極である磁極n1及び磁極s1とともに反発磁界を形成する磁極s2を有している。なお剥ぎ取りローラ947の長さ及び第2の磁界形成手段950の着磁幅は第1の実施の形態と同じである。
【0096】
上蓋952の内側面963は下流側端966から第1の磁界形成手段942の磁極S2と磁極N3の中間位置に対向する範囲(110°)及び第2の磁界形成手段950の磁極s1から剥ぎ取りローラ947の回転方向に見て上流側20°の位置から更に磁極s1から見て上流側160°の位置までの範囲(140°)に形成されている。
【0097】
960はトナー飛散防止部材であり現像ローラ941の長手方向における寸法及び厚さ方向の寸法については第1の実施の形態と同じであるが、周面方向においては、現像ローラ941の回転方向にみて現像処理領域DRの下流側の周面一部、即ち、上述した上蓋952の下流側端966から磁極S2と磁極N3の中間位置に対向する範囲(110°)にわたり形成されている。
【0098】
なお、トナー飛散防止部材960は、現像ローラ941の周面方向においては、本実施の形態よりも狭い範囲でも良いが、前述の範囲内で60°以上有ることが望ましい。
【0099】
また、トナー飛散防止部材960の対向面969と現像ローラ941の周面941Aとが形成する隙間は、現像ローラ941に担持されている現像処理後の現像剤の外周面941Bとケーシング951の現像ローラ941に対向する内側面963との隙間に等しいか又はそれ以下になるように設定してある。
【0100】
トナー飛散防止部材960は、第1の実施の形態と同様に、上蓋952と一体に形成してもよく、単独で製作し、ネジ又は接着等で上蓋に結合しても良い。
【0101】
次に、現像ローラ941から剥ぎ取りローラ947に現像剤が剥ぎ取られる過程について説明する。現像ローラ941に担持されている現像処理後の現像剤は第1の磁界形成手段942の磁極N3と対向する位置にある第2の磁界形成手段950の磁極s1に磁気吸引され剥ぎ取りローラ947上に担持される。担持された現像剤は搬送磁極n1により搬送され前記磁極s1と共に反発磁界を形成する磁極s2の近傍で釈放される。釈放された現像剤は順次釈放される現像剤に押されて回収手段949に到達し回収される。このようにスクレーパを使用しないで現像剤を回収するため、スクレーパが剥ぎ取りローラ947上に残留した現像剤を除去する際に発生するキャリアからのトナーの分離がなくなりトナー飛散を軽減するという利点を有している。
【0102】
上述したような構成でトナー飛散防止部材960を設けることにより、第1の実施の形態と同じく現像ローラ941の両端部からのトナー飛散を防止し、長期間使用しても安定して高画質な画像が得られる画像形成装置を提供することが出来る。
【0103】
トナー飛散の評価については各部の寸法を表1に示す数値としまた現像装置諸元についても第1の実施の形態と同じとして行った。
【0104】
本実施の形態においてトナー飛散防止部材を取り付けない場合のトナー飛散を100%とし、トナー飛散防止部材を取り付けた場合の減少割合を比較した結果15%減少した。
【0105】
なお、現像ローラに対して剥ぎ取りローラを上方位置でなく、例えば、下方位置あるいは真横の位置に配置する仕様も考えられるが、前記トナー飛散防止部材は前述した範囲と基本的に同じ範囲に、同じような方法で設けることができる。
【0106】
次に、第3の実施の形態について図2を用いて説明する。また、図3、図4も適宜利用しながら進める。
【0107】
第1の実施の形態と基本構成は同じであるので、異なる部分についてのみ説明する。
【0108】
960はトナー飛散防止部材であり、剥ぎ取りローラ947の周面一部に近接し、対向して設けられている。説明の都合上、トナー飛散防止部材についても第1の実施の形態と同一の参照符号960を使用する。
【0109】
トナー飛散防止部材960はケーシング951の内側に設けられており、剥ぎ取りローラ947の周面一部に対向すると共に、長手方向にみて、剥ぎ取りローラ947の両端部における現像剤非担持領域に対向して形成されており、本実施の形態においては、トナー飛散防止部材960はケーシング951の一部である上蓋952と一体に形成されている。なお、トナー飛散防止部材960は上蓋952と一体に構成することはなく、単独部材として製作し上蓋952と結合しても良い。
【0110】
また、トナー飛散防止部材960の対向面969と剥ぎ取りローラ947の周面947Aとが形成する隙間は、剥ぎ取りローラ947に担持されている現像剤の外周面947Bに等しい円周面947C(図2参照)とケーシング951の剥ぎ取りローラ947に対向する内側面963との隙間に等しいか又はそれ以下になるように設定してある。
【0111】
現像剤が現像ローラ941から剥ぎ取りローラ947に剥ぎ取られる過程は第1の実施の形態と同じであるので省略する。
【0112】
図4はトナー飛散防止部材960と剥ぎ取りローラ947との長手方向における位置関係を示したものである。
【0113】
W6は剥ぎ取りローラ947上の現像剤非担持幅を表す。D2は現像剤の厚みを表すが、ここで言う現像剤の厚みD2とは、剥ぎ取りローラ947の周面に見て各磁極間で搬送されている状態の厚みを表し、長手方向にみて、磁束密度曲線がフラットになった部分(図3の(3−3)を参照)に対応する厚さを言う。
【0114】
W8は剥ぎ取りローラ947の長手方向にみたトナー飛散防止部材960の幅を表す。Gは現像剤とトナー飛散防止部材960との隙間を表し第1の実施の形態と同じ値である。またHはトナー飛散防止部材960の厚さを表し第1の実施の形態と同じ値である。
【0115】
図2において、トナー飛散防止部材960の周面方向は剥ぎ取りローラ947の周面一部、即ち、磁極s1から磁極n2までに対向する範囲(160°)にわたり形成されている。
【0116】
なお、トナー飛散防止部材960は剥ぎ取りローラ947の周面方向においては本実施の形態よりも狭い範囲でも良いが、磁極s1からn2に対向する範囲内で60°以上あることが望ましい。
【0117】
また、トナー飛散防止部材960の対向面969と剥ぎ取りローラ947の周面947Aとが形成する隙間は、剥ぎ取りローラ947に担持されている現像剤の外周面947Bに等しい円周面947Cとケーシング951の剥ぎ取りローラ947に対向する内側面963との隙間に等しいか又はそれ以下であるように設定してある。
【0118】
本実施の形態における上記の各部の寸法をまとめて表1に示す。
第1の実施の形態で述べたように、現像剤非担持領域が形成する空間、即ち、現像ローラ941及び剥ぎ取りローラ947の現像剤非担持領域の周面と上蓋952の内側面963との隙間を通って気流が流れ現像ローラ941の両端部においてトナー飛散を引き起こすが、併せて、現像装置の小型化等のため現像ローラと剥ぎ取りローラとはほぼ同じ長さに構成する方が都合が良いが、長手方向にみて剥ぎ取りローラでは図3の(3−3)に示すように現像剤非担持幅が現像ローラに比べ僅かではあるが広くなっており、この僅かなスペースの増加も現像ローラ両端部からのトナー飛散に影響していることがわかった。
【0119】
しかし、上記のように構成することにより、重合法により作られた小粒径トナーを使用しても簡単な構成でトナー飛散を抑制でき、長期間使用しても信頼性が高く、高画質な画像形成装置を提供することが出来た。
【0120】
本実施の形態に係わるトナー飛散の評価は、表1に示す各部の寸法で、第1の実施の形態と同一の現像装置諸元及び同一の評価方法により行った。
【0121】
本実施の形態においてトナー飛散防止部材を取り付けなかった場合のトナー飛散を100%とし、トナー飛散防止部材を上蓋に取り付けた場合の減少割合を比較し、5%減少するという結果を得た。
【0122】
なお、第1の実施の形態で述べた現像ローラに対するトナー飛散防止部材を併用するとトナー飛散の減少割合は上記と同じ評価方法で15%に増加し、トナー飛散防止に対して大きな効果を得た。
【0123】
次に、第4の実施の形態を図5を用いて説明する。また適宜図2、図3、図4を用いて説明する。
【0124】
本実施の形態は第2の実施の形態と基本構成は同じであるので、異なる部分についてのみ説明する。
【0125】
960はトナー飛散防止部材であり、剥ぎ取りローラ947の周面一部に近接し、対向して設けられているが、説明の都合上、第1の実施の形態と同一の参照符号960を使用する。
【0126】
トナー飛散防止部材960はケーシング951の内側に設けられており、剥ぎ取りローラ947の周面一部に対向すると共に、長手方向にみて、剥ぎ取りローラ947の両端部における現像剤非担持領域に対向して形成されており、本実施の形態においては、トナー飛散防止部材960はケーシング951の一部である上蓋952と一体に形成されている。
【0127】
現像剤が現像ローラ941から剥ぎ取りローラ947に剥ぎ取られる過程は第2の実施の形態と同じであるので省略する。
【0128】
トナー飛散防止部材960と剥ぎ取りローラ947との長手方向における位置関係は第3の実施の形態と同じであるので同様に省略する。
【0129】
図2において、トナー飛散防止部材960の周面方向は剥ぎ取りローラ947の周面一部、即ち、第2の磁界形成手段950の磁極s1から剥ぎ取りローラ947の回転方向に見て上流側20°の位置から更に磁極s1から見て上流側160°の位置までの範囲(140°)に形成されている。
【0130】
なお、トナー飛散防止部材960は剥ぎ取りローラ947の周面方向においては本実施の形態よりも狭い範囲でも良いが、上記範囲内で60°以上あることが望ましい。
【0131】
また、トナー飛散防止部材960の対向面969と剥ぎ取りローラ947の周面947Aとが形成する隙間は、剥ぎ取りローラ947に担持されている現像剤の外周面947Bに等しい円周面947C(図5参照)とケーシング951の剥ぎ取りローラ947に対向する内側面963との隙間に等しいか又はそれ以下になるように設定してある。
【0132】
本実施の形態に係わるトナー飛散の評価は、表1の各部の寸法と第2の実施の形態と同一の現像装置諸元のもとで、同一の評価方法により行った。
【0133】
本実施の形態においてトナー飛散防止部材を取り付けなかった場合のトナー飛散を100%とし、トナー飛散防止部材を上蓋に取り付けた場合の減少割合を比較した。本実施の形態においては剥ぎ取りローラ上で上蓋の内側面に対向する範囲には現像剤が存在しないが、剥ぎ取りローラの現像剤非担持領域にトナー飛散防止部材を形成することにより5%減少するという結果を得た。
【0134】
なお、第2の実施の形態の現像ローラに対するトナー飛散防止部材を併用することによりトナー飛散防止部材を取り付けた場合の減少割合は上記と同じ評価方法で15%に増加し、トナー飛散防止に対して大きな効果を得た。
【0135】
次に、第5の実施の形態について説明する。
図6は本発明に係わる現像装置の第5の実施の形態を示すもので、現像ローラの長手方向中央部の拡大断面図である。
【0136】
基本構成は第1の発明の実施の形態と同じであるので、個々の部材に対する説明あるいは機能についてはできる限り省略することとする。
【0137】
L1は現像ローラ941の中心M1と上蓋952の下流側端966を結んだラインであり、L2は中心M1と磁極N3の中心を結んだラインである。
【0138】
963はケーシングの一部をなす上蓋952の内側面であるが、その一部は現像ローラ941に対向する面、即ち、第1対向面を形成する。なお、ここでは便宜上第1対向面は内側面963と同じ参照符号963を使用することとする。第1対向面963は現像ローラ941の周面方向においてはラインL1上の下流側端966からラインL2上の第1対向面後端982の範囲(120°)にわたり、かつ、長手方向においては現像ローラ941の現像剤担持幅W3及び隙間G(図3、図4参照)にわたり形成されている。
【0139】
984は上蓋952の内側面963の一部である第2対向面で剥ぎ取りローラ947に対向しており、剥ぎ取りローラ947の周面方向においては第2の磁界形成手段950の磁極s1、磁極n2に対向した範囲にわたり、かつ、長手方向においては両方の側板955の側面962の間にわたり形成されており、第2対向面984と剥ぎ取りローラ947周面との隙間は表1の隙間Tで表される。
【0140】
982は第1対向面後端、983は第2対向面先端を表し、両者は直線で繋がっている。
【0141】
なお、図示してはないが、現像ローラ941の現像剤非担持幅には第1の実施の形態で示したトナー飛散防止部材960が形成されている。
【0142】
K1はラインL1上における下流側端966と現像ローラ941の周面との隙間、K2はラインL2上における第1対向面後端982と現像ローラ941の周面との隙間を表している。
【0143】
第1対向面963と現像ローラ941周面との間隔は下流側端966を基点として現像ローラ941の回転方向に見て下流側に行くに従って狭くなっている。即ち、隙間K1から隙間K2に行くに従い狭くなっている。
【0144】
現像ローラ941上の現像剤は各磁極、例えば、磁極S1、N2、S2に対向する位置近傍においては現像剤が立った状態(穂立ち状態)になっており、上記磁極間では現像剤が寝た状態(搬送状態)にあり、現像剤は現像ローラ941の回転に伴いこれらの状態を繰り返しながら搬送されていく。穂立ち状態にある現像剤の高さは図3及び図4の厚さD1で表されている搬送状態にある現像剤の高さよりも高くなっている。
【0145】
第1対向面963と現像ローラ941との隙間は、K1からK2に行くに従って狭く形成されているため、磁極S1に対向する位置においては穂立ち状態にある現像剤が第1対向面963と接触せず、磁極S2に対向する位置において穂立ち状態にある現像剤が第1対向面963と接触するように構成されている。
【0146】
上述した構成を取ることにより、現像剤が遮蔽の役目をし現像装置4Y内で発生した気流を外部へ出ていくことを妨げトナー飛散を抑制することが出来る。しかしながら、磁極S1に対向する位置においては穂立ち状態にある現像剤が第1対向面963とは接触しないため、現像剤にストレスがかからずキャリアやトナーの飛散を引き起こさない。
【0147】
なお、現像ローラに対して剥ぎ取りローラを上方位置でなく、例えば、下方位置あるいは真横の位置に配置する仕様も考えられるが、上述した構成を取ることが出来る。また、剥ぎ取りローラのない構成においても、同様な構成を取ることが出来る。
【0148】
上記の効果の確認をトナー飛散防止部材960の各部の寸法及び現像装置諸元は第1の実施の形態と同じとし、隙間K1、K2を変化させて行った。その結果を図7に示す。
【0149】
横軸は隙間K1、縦軸は隙間K2を表しており、評価項目及び評価方法は以下の通りである。
【0150】
(1)トナー飛散(一定時間運転後現像ローラの現像剤担持幅の範囲で上蓋の下流側端近傍に付着したトナーの量を目視で比較)
(2)キャリア飛散(一定時間運転後現像ローラの現像剤担持幅の範囲で上蓋の下流側端近傍に付着したキャリアの量を目視で比較)
(3)現像剤搬送性(一定時間運転後現像ローラ表面の現像剤搬送状態及び現像担持体幅の範囲で上蓋の下流側端近傍への現像剤堆積量を目視で比較)
評価段階は、○、○△、△、△×、×の5段階で行ない、△以上は問題ないレベルである。
【0151】
評価を行ったK1、K2の各交点において評価項目(1)のトナー飛散は上段の○乃至×、(2)のキャリア飛散は中段の○乃至×、(3)の現像剤搬送性は下段の○乃至×の3段で表されている。
【0152】
なお、全てが△以上即ち、すべての評価項目が問題ない場合それらを包む円で囲ってある。
【0153】
図において、K1≦K2の領域内でも問題ない点もあるが、より安定したK1、K2の組み合わせはK1>K2の領域であり上蓋の現像開口に近い磁極では上蓋の内側面と穂立ち状態の現像剤とを接触させないで下流側の磁極位置で接触させることが出きる。換言すれば、上蓋の現像開口の下流側端から現像ローラの回転方向にみて下流側に行くに従ってケーシングの内側面と現像ローラ周面との間隔を狭くすることにより現像剤担持体幅に対応する現像開口からのトナー飛散の発生を抑制することが出来る。
【0154】
ケーシングと現像ローラ及び剥ぎ取りローラとの間隔を管理し狭く設定することにより現像剤担持幅に対応する現像開口からのトナーの飛散は少なくなるが、上述のような形状にケーシングをすることにより、より長期にわたりトナー飛散の発生を抑えることが出来、より信頼性の高い画像形成装置を提供することが出来る。
【0155】
【発明の効果】
簡単な構成により、現像開口からのトナー飛散を抑制し機内汚染、画像不良等の問題の発生を長期にわたり押さえることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子写真方式によるタンデム型カラー画像形成装置の構成を示す模式図
【図2】第1の実施の形態に係わる現像装置の内部構造を示す断面図
【図3】第1の実施の形態に係わる現像ローラから剥ぎ取りローラへ現像剤が移動する様子を示す模式図
【図4】第1の実施の形態に係わるトナー飛散防止部材の現像ローラ及び剥ぎ取りローラの長手方向における位置関係図
【図5】第2の実施の形態に係わる現像装置の内部構造を示す断面図
【図6】第5の実施の形態に係わる現像装置の現像ローラの長手方向中央部の拡大断面図
【図7】第3の実施の形態に係わるケーシングと現像ローラとの隙間の関係を示すグラフ
【図8】従来の現像装置の内部構造を示す断面図
【符号の説明】
1Y 感光体ドラム
4Y 現像装置
941 現像剤担持体
942 第1の磁界形成手段
943 厚さ規制部材
947 剥ぎ取りローラ
950 第2の磁界形成手段
951 ケーシング
952 上蓋
953 中蓋
954 底板
960 トナー飛散防止部材
973 幅規制部材
977 現像開口
DR 現像処理領域
Claims (4)
- 像担持体、現像装置、転写装置及び定着装置を有し、前記像担持体上に形成される静電荷潜像を前記現像装置によりトナー像となし、当該トナー像を転写装置により転写材上に転写させた後前記定着装置により定着させる画像形成装置において、
前記現像装置は、内蔵固定した磁界形成手段の作用により磁気吸引される現像剤を担持するとともに、当該現像剤を搬送するローラ状の現像剤担持体と、
前記現像剤担持体とほぼ同じ長さを有する可回転のローラ状外枠と、前記現像剤担持体上に残留する現像処理後の現像剤を磁気吸引により剥ぎ取って前記ローラ状外枠の上に担持させるように、前記磁界形成手段とほぼ同じ長さを有する磁界形成手段を前記ローラ状外枠に内蔵固定した構成の剥ぎ取りローラと、
前記現像剤担持体と前記剥ぎ取りローラとを対向配置させるように内包するケーシングからなり、
更に、前記現像装置はトナー飛散防止部材を有し、当該トナー飛散防止部材は、周面方向に見て、現像処理領域の下流側における前記現像剤担持体の周面一部に近接して対向するとともに、長手方向に見て、前記現像剤担持体の両側端部における現像剤非担持領域に対向して前記ケーシングの内側に設けてあり、
前記トナー飛散防止部材と前記現像剤担持体の周面とが形成する隙間は前記現像剤担持体上の現像処理後の現像剤の外周面と前記ケーシングの前記現像剤担持体に対向する内側面との隙間に等しいか又はそれ以下である、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体、現像装置、転写装置及び定着装置を有し、前記像担持体上に形成される静電荷潜像を前記現像装置によりトナー像となし、当該トナー像を転写装置により転写材上に転写させた後前記定着装置により定着させる画像形成装置において、
前記現像装置は、内蔵固定した磁界形成手段の作用により磁気吸引される現像剤を担持するとともに、当該現像剤を搬送するローラ状の現像剤担持体と、
前記現像剤担持体とほぼ同じ長さを有する可回転のローラ状外枠と、前記現像剤担持体上に残留する現像処理後の現像剤を磁気吸引により剥ぎ取って前記ローラ状外枠の上に担持させるように、前記磁界形成手段とほぼ同じ長さを有する磁界形成手段を前記ローラ状外枠に内蔵固定した構成の剥ぎ取りローラと、
前記現像剤担持体と前記剥ぎ取りローラとを対向配置させるように内包するケーシングからなり、
更に、前記現像装置はトナー飛散防止部材を有し、当該トナー飛散防止部材は、周面方向に見て、剥ぎ取りローラの周面一部に近接して対向するとともに、長手方向に見て、前記剥ぎ取りローラの両側端部における現像剤非担持領域に対向して前記ケーシングの内側に設けてあり、
前記トナー飛散防止部材と前記剥ぎ取りローラの周面とが形成する隙間は前記剥ぎ取りローラ上の現像剤の外周面に等しい円周面と前記ケーシングの前記剥ぎ取りローラに対向する内側面との隙間に等しいか又はそれ以下である、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 少なくとも、現像剤の担持領域に対応した前記現像剤担持体の周面と前記ケーシングの内側面との間隔は、前記現像剤担持体の回転方向にみて、前記ケーシングが形成する現像開口の下流側端を基点とし、下流側に行くに従って狭く構成してあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記トナー飛散防止部材は前記ケーシングと一体構成であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
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2002
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