JP2004170308A - 感圧デバイス - Google Patents

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Nobuo Kadoi
信夫 角井
Toshimitsu Fujiwara
敏光 藤原
Heihachi Irie
平八 入江
Chao-Nan Xu
超男 徐
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Abstract

【課題】小型化で汎用性を有する感圧デバイスを提供することにある。
【解決手段】任意の位置の加圧で導通するタッチパッド本体10の表面に、応力発光層30を積層一体化した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は感圧デバイス、特に、加圧するだけで発光する応力発光材料を用いた感圧デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の感圧デバイスとしては、圧電素子とLEDのような発光素子とを用いた無電源の圧電式発光装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−351416号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の圧電式発光装置は圧電素子および発光素子の2つのデバイスを必要とするため、小型化に限界があり、適用範囲が限定されていた。さらに、前記圧電素子は静的圧力では発電せず、衝撃力を必要とするため、適用できる範囲がより一層限定されていた。
【0005】
本発明は、小型化で汎用性を有する感圧デバイスを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる感圧デバイスは、前記目的を達成すべく、任意の位置の加圧で導通するタッチパッドの表面に、応力発光層を積層一体化した構成としてある。
本発明によれば、応力発光層を形成してあるので、圧電素子を必要とせず、小型化が容易である。さらに、応力発光層は加圧しただけでも発光するので、従来例のような衝撃力のみだけではなく、静的圧力にも対応でき、汎用性に優れた感圧デバイスが得られる。また、任意の位置を押圧すると、タッチパッド本体が導通するとともに、応力発光層が発光して動作確認が容易となる。
【0007】
別の発明にかかる感圧デバイスとしては、所定の位置の加圧で導通するタッチセンサー本体の表面に、応力発光層を積層一体化した構成であってもよい。
本発明によれば、応力発光層を形成してあるので、圧電素子を必要とせず、小型化が容易である。さらに、応力発光層は加圧しただけで発光するので、従来例のような衝撃力を必要とせず、汎用性に優れた感圧デバイスが得られる。また、所定の位置を押圧すると、タッチセンサー本体が導通するとともに、応力発光層が発光して動作確認が容易となる。
【0008】
別の発明としては、駆動手段の少なくとも片面に応力発光層を積層一体化するとともに、前記駆動手段の駆動に伴って生じる応力発光層の発光を検出する受光素子を設けた構成であってもよい。
本発明によれば、前記駆動手段が圧電アクチュエータ、静電アクチュエータおよびダイヤフラムであれば、前記圧電アクチュエータ等が応力発光層を押圧して発光させ、これを受光素子が受光して信号を出力するリニアスイッチ、周波数検出スイッチ等が得られる。
【0009】
他の感圧デバイスの発明としては、流路に立設した支持体の少なくとも片面に応力発光層を積層一体化するとともに、前記応力発光層から生じた光を検出する受光素子を設けた構成であってよい。
本発明によれば、流体の流速に応じて支持体が折れ曲がり、応力発光層を押圧して発光させ、その光が受光素子で受光されて信号を出力する流量検出デバイスが得られる。
【0010】
外部から過度の衝撃力が負荷された場合に塑性変形する球殻内に、球体を転動自在に収納するとともに、前記球殻の外表面を応力発光層で被覆した構成であってもよい。
本発明によれば、外部から過度の衝撃力が負荷されると、前記球殻が塑性変形して応力発光層を押圧して発光させる。このため、過度の衝撃力が負荷されたか否かの履歴を判別できる衝撃検知デバイスが得られる。
【0011】
ICカードの少なくとも片面に、過度の衝撃力によって塑性変形したカード本体に押圧されて発光する応力発光層を、積層一体化した構成であってもよい。
本発明によれば、過度の外力が作用した場合にカード本体が塑性変形して応力発光層を押圧して発光させる。このため、カード本体に過度の外力が作用したか否かの履歴を判別できる感圧デバイスが得られるという効果がある。
【0012】
本発明の実施形態としては、前記応力発光層の界面に、応力集中層を設けた構成であってもよい。
本実施形態によれば、前述の効果に加え、応力集中層を介して押圧力が局部的に集中し、高い圧力で応力発光層を押圧する。このため、同一の押圧動作であっても発光の輝度が高い感圧デバイスを得られるという効果がある。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる実施形態を図1ないし図10の添付図面に従って説明する。
本発明にかかる第1実施形態は、図1に示すように、タッチパッドに適用した場合であり、タッチパッド本体10に応力発光層30を積層一体化してある(図1A)。
【0014】
前記タッチパッド本体10は、感圧層11の表裏面に電極層12,13を積層一体化したものである。そして、任意の位置を所定の圧力で押圧することにより、感圧層11を介して電極12,13が導通する。
【0015】
前記応力発光層30は応力発光材料を積層して形成したものであり、前記応力発光材料は加圧するだけで発光する材料であり、例えば、特開2000−63824号公報に開示の応力発光材料が挙げられる。
【0016】
したがって、任意の位置に圧力が負荷されると、圧力が負荷された部分の直下に位置する応力発光層30の一部30aが発光するとともに(図1B参照)、前記感圧層11を介して前記電極層12,13が導通する。
【0017】
本実施形態によれば、応力発光層30を形成してあるので、圧電素子を必要とせず、小型化が容易である。さらに、応力発光層30は圧力が負荷されただけで発光するので、従来例のような衝撃力を必要とせず、汎用性に優れている。また、応力発光層30の任意の部分を押圧しても、導通するとともに、発光するので、操作確認が容易であるとともに、押圧位置を容易に認識できるという利点がある。
【0018】
第2実施形態は、図2に示すように、タッチパッド本体10と応力発光層30との間に応力集中層14を形成した場合である。前記応力集中層14は、応力発光層30の界面に多数の凹凸部を配置したものである。これは、応力発光層30に対する圧力が大きい程、応力発光層30の発光量および輝度が高まることに鑑み、前記凹凸部を介して接触圧を局部的に増大させるために設けられている。
【0019】
したがって、本実施形態によれば、応力発光層30の任意の位置に圧力が負荷されると、押圧位置の直下に位置する応力発光層30の一部30bが前記押圧位置を中心とする円内で散点状に発光するとともに(図1B参照)、前記感圧層11を介して前記電極層12,13が導通する。
【0020】
本実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、輝度の高い光を確保できるという利点がある。
【0021】
第3実施形態は、図3に示すように、タッチセンサーに適用した場合であり、タッチセンサー本体15に応力発光層30を積層一体化した場合である。前記タッチセンサー本体15は、感圧層16の上面に突設した応力集中用凸部16aの両側に電極17a,17bの配置するとともに、前記電極17a,17bの上面に配置した絶縁層18を介して応力発光層30を積層一体化してある。そして、前記電極17a,17bはタッチ検出回路19にそれぞれ接続されている。なお、前記応力発光層30は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0022】
したがって、前記応力集中用凸部16aの直上に位置する応力発光層30を押し下げると、前記応力発光層30が発光するとともに、圧縮された前記応力集中用凸部16aを介して前記電極17a,17bが導通し、タッチ検出回路19に押圧信号が出力される。
本実施形態よれば、所定の応力集中用凸部16aを押圧しないと、押圧信号が出力されないので、誤操作を防止できるという利点がある。
【0023】
第4実施形態は、図4に示すように、第3実施形態と同様、タッチセンサーに適用した場合である。
すなわち、前記タッチセンサー本体15は、感圧層16の上面に突設した応力集中用凸部16aが電極17aの貫通孔から突出している。さらに、前記電極17aに積層した絶縁層18を介して電極17b,応力発光層30が順次積層一体化されている。そして、前記電極17a,17bはタッチ検出回路19にそれぞれ接続されている。なお、前記応力発光層30は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0024】
したがって、前記応力集中用凸部16aの直上に位置する応力発光層30を押し下げると、前記応力発光層30が発光するとともに、圧縮された前記応力集中用凸部16aを介して前記電極17a,17bが導通し、タッチ検出回路19に押圧信号が出力され、位置情報が得られる。
【0025】
第5実施形態は、図5に示すように、前述の実施形態が押圧力で信号を直接出力する場合であるのに対し、応力集中層14に積層一体化した応力発光層30を図示しない駆動手段で押圧し、生じた光を受光素子20で受光する場合である。受光素子20としては、例えば、フォトダイオードあるいはフォトトランジスタが挙げられる。
【0026】
第5実施形態の具体例としては、例えば、図6に示すように、リニアスイッチに適用した場合がある。
すなわち、圧電アクチュエータ(あるいは静電アクチュエータ)21に応力発光層30を積層一体化する一方、前記応力発光層30の近傍に受光素子20を配置した場合である。
【0027】
したがって、圧電アクチュエータ21に電圧を印加して駆動させると、前記圧電アクチュエータ21が変形し、前記応力発光層30を押圧して発光させ、その光を受光素子20が受光して信号を出力する。本実施形態によれば、入力と出力とがリニアであるため、印加する電圧に応じて発光量が変化し、出力が変化するリニアスイッチが得られる。
【0028】
第5実施形態の他の具体例としては、例えば、図7に示すように、周波数検出スイッチに適用した場合がある。
すなわち、共振点を有するダイヤフラム(あるいは圧電アクチュエータ)22に導電パターン23を設け、さらに、応力発光層30を積層一体化する一方、前記応力発光層30の近傍に受光素子20を配置した場合である。
【0029】
そして、導電パターン23を介して前記ダイヤフラム22に電圧を印加すると、所定の共振周波数に達した時に前記ダイヤフラム22が共振し、前記応力発光層30を押圧して発光させ、その光を受光素子20が受光して信号を出力する。したがって、所定の周波数を検出して信号を出力する周波数検出スイッチが得られる。
【0030】
第6実施形態は、図8に示すように、液量検出デバイスに適用した場合である。
すなわち、流体中に立設した支持プレート24の片面に応力発光層30を積層一体化したものである。前記応力発光層30が発光した場合に、その光を検出する受光素子(図示せず)が前記応力発光層30の近傍に配置されている。
【0031】
したがって、流体の圧力によって支持プレート24が押し曲げられた場合に、押圧力が応力発光層30に負荷され、前記応力発光層30が発光する。特に、流体の流速が速くなればなる程、支持プレート24に対する圧力が増大し、応力発光層30の発光位置が支持プレート24の基部に移動するとともに、輝度が高くなり、流速等を測定することができる。
なお、本実施形態では、支持プレートの両面に応力発光層を形成しておけば、流体の流れが逆方向に変化したときも検出できるという利点がある。
【0032】
第7実施形態は、図9に示すように、衝撃力検知デバイスに適用した場合である。
すなわち、過度の衝撃力が作用した場合に塑性変形する球殻25内に、球体26を転動自在に収納するとともに、前記球殻25の外周面を応力発光層30で被覆した場合である。
本実施形態よれば、前記衝撃力検知デバイスに外部から衝撃力が作用すると、球体26が球殻25に衝突して塑性変形させる。このため、球殻25の塑性変形した部分が応力発光層30を押圧して発光させ、過度の衝撃力が負荷されたという履歴を発光現象で表示する。
【0033】
本実施形態の利用方法としては、例えば、高価な電子機器等を輸送する際に取り付けておき、輸送途中で前記電子機器が破損したのか、あるいは、輸送前から破損していたのかを判別するための器具として利用する方法がある。
【0034】
第8実施形態は、図10に示すように、ICカード27に応力発光層30を積層一体化した場合である。
本実施形態によれば、ICカード27に密封したIC(図示せず)が破損する程度の外力が負荷された場合に、応力発光層30が発光してICが破損したことを使用者に知らせることができる。
【0035】
前述の第6,7,8実施形態においては、必要に応じ、応力発光層30の界面に応力集中層を設けて光の輝度を高めてもよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、応力発光層を形成してあるので、圧電素子を必要とせず、小型化が容易である。さらに、従来例のような衝撃力を必要とせず、加圧しただけで発光するので、汎用性に優れた感圧デバイスが得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる第1実施形態を示し、図Aは断面図、図Bは動作状態を示す断面図および部分平面図である。
【図2】本発明にかかる第2実施形態を示し、図Aは断面図、図Bは動作状態を示す断面図および部分平面図である。
【図3】本発明にかかる第3実施形態の動作状態を示す断面図である。
【図4】本発明にかかる第4実施形態の動作状態を示す断面図である。
【図5】本発明にかかる第5実施形態の動作状態を示す断面図である。
【図6】第5実施形態の具体例を示す概略図である。
【図7】第5実施形態の他の具体例を示す概略図である。
【図8】本発明にかかる第6実施形態の動作を示す断面図である。
【図9】本発明にかかる第7実施形態の断面図である。
【図10】本発明にかかる第8実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
10…タッチパッド本体、11…感圧層、12,13…電極、14…応力集中層、15…タッチセンサー本体、16…感圧層、16a…応力集中用凸部、17a,17b…電極、18…絶縁層、20…受光素子、21…圧電アクチュエータ、22…ダイヤフラム、23…導電パターン、24…支持プレート、25…球殻、26…球体、27…ICカード、30…応力発光層。

Claims (7)

  1. 任意の位置の加圧で導通するタッチパッド本体の表面に、応力発光層を積層一体化したことを特徴とする感圧デバイス。
  2. 所定の位置の加圧で導通するタッチセンサー本体の表面に、応力発光層を積層一体化したことを特徴とする感圧デバイス。
  3. 駆動手段の少なくとも片面に応力発光層を積層一体化するとともに、前記駆動手段の駆動に伴って生じた前記応力発光層からの光を検出する受光素子を設けたことを特徴とする感圧デバイス。
  4. 流路に立設した支持体の少なくとも片面に応力発光層を積層一体化するとともに、前記応力発光層から生じた光を検出する受光素子を設けたことを特徴とする感圧デバイス。
  5. 外部から過度の衝撃力が負荷された場合に塑性変形する球殻内に、球体を転動自在に収納するとともに、前記球殻の外表面を応力発光層で被覆したことを特徴とする感圧デバイス。
  6. ICカードの少なくとも片面に、過度の衝撃力によって塑性変形したカード本体に押圧されて発光する応力発光層を、積層一体化したことを特徴とする感圧デバイス。
  7. 前記応力発光層の界面に、応力集中層を設けたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の感圧デバイス。
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