JP2004170112A - 飛散粉塵の発生源特定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】飛散防止対策を行う粉塵発生箇所を作業性よく特定することができる飛散粉塵の発生源特定方法を提供する。
【解決手段】多数の粉塵発生箇所a、b、c、d、eの周辺の少なくとも2以上の任意な測定個所A、B、Cで、適当な期間にわたり、飛散粉塵量および風向き方向を所定時間ピッチで測定する第1工程と、
第1工程で得られた飛散粉塵量および風向き方向から、測定個所別に、風向き方向毎の平均飛散粉塵量を算出する第2工程と、
上記複数の粉塵発生箇所a〜eおよび上記測定個所A〜Cを含む地図上に、各測定個所を中心として平均飛散粉塵量が多い複数の風向き方向を作図する第3工程と、
第3工程で作図した各測定個所からの風向き方向が交わる交点が位置する粉塵発生箇所を、又は各測定個所からの風向き方向がほぼ一致するときはその風向き方向に存在する地図上の粉塵発生箇所を、飛散粉塵の発生源と特定する第4工程とを含む。
【選択図】 図7
【解決手段】多数の粉塵発生箇所a、b、c、d、eの周辺の少なくとも2以上の任意な測定個所A、B、Cで、適当な期間にわたり、飛散粉塵量および風向き方向を所定時間ピッチで測定する第1工程と、
第1工程で得られた飛散粉塵量および風向き方向から、測定個所別に、風向き方向毎の平均飛散粉塵量を算出する第2工程と、
上記複数の粉塵発生箇所a〜eおよび上記測定個所A〜Cを含む地図上に、各測定個所を中心として平均飛散粉塵量が多い複数の風向き方向を作図する第3工程と、
第3工程で作図した各測定個所からの風向き方向が交わる交点が位置する粉塵発生箇所を、又は各測定個所からの風向き方向がほぼ一致するときはその風向き方向に存在する地図上の粉塵発生箇所を、飛散粉塵の発生源と特定する第4工程とを含む。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、飛散粉塵の発生源を特定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記飛散粉塵は、環境汚染防止のため減少化させる必要がある。そのためには、飛散粉塵を発生する可能性がある多数の粉塵発生箇所の全てに対し、飛散防止対策を行うことが望ましい。
【0003】
しかし、そのようにした場合はコストが高くなるため、一部の飛散粉塵が多い粉塵発生箇所を特定し飛散防止対策を行っている。
その特定方法としては、従来、多数の粉塵発生箇所での粉塵発生量を測定し、その測定値の大小関係に基づいて優先的に飛散防止対策を行うべき複数の粉塵発生箇所を特定するという方法が知られている(技術文献1)。
【0004】
【技術文献1】
住友金属 Vol.46 No.2(1994)/P82〜P88
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、粉体を使用する工場、例えば製鉄工場のような鉄鉱石、コークスなどの複数種の粉体を使用する工場においては、上記複数種の粉体を個別に山積みした多数の原料ヤードや、その粉体を使用する製銑工程等の粉体使用設備、更には複数の原料ヤードから粉体使用設備へ粉体を搬送する搬送設備などの多数の粉塵を発生する可能性のある箇所が存在する。
【0006】
しかしながら、従来の方法による場合には、多数の粉塵発生箇所の一つ一つを個別に測定する必要があり、特に原料ヤードのような非常に広いエリアを有する粉塵発生箇所では、例えばその粉塵発生箇所を所定単位面積毎に区分けした多数の領域の各々においても測定する必要があり、作業上煩わしいという難点があった。
【0007】
本発明は、このような従来技術の課題を解消するためになされたもので、飛散防止対策を行う粉塵発生箇所を作業性よく特定することができる飛散粉塵の発生源特定方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の飛散粉塵の発生源特定方法は、多数の粉塵発生箇所の周辺の少なくとも2以上の任意な測定個所で、適当な期間にわたり、飛散粉塵量および風向き方向を所定時間ピッチで測定する第1工程と、
第1工程で得られた飛散粉塵量および風向き方向から、測定個所別に、風向き方向毎の平均飛散粉塵量を算出する第2工程と、
上記複数の粉塵発生箇所および上記測定個所を含む地図上に、各測定個所を中心として平均飛散粉塵量が多い複数の風向き方向を作図する第3工程と、
第3工程で作図した各測定個所からの風向き方向が交わる交点が位置する粉塵発生箇所を、又は各測定個所からの風向き方向がほぼ一致するときはその風向き方向に存在する地図上の粉塵発生箇所を、飛散粉塵の発生源と特定する第4工程とを含むことを特徴とする。
【0009】
この方法による場合には、風向き毎の平均飛散粉塵量を算出するための飛散粉塵量および風向き方向を、適当な期間にわたり所定時間ピッチで測定し、かつ、このようにして測定したデータに基づく風向き毎の平均飛散粉塵量が多かったもので、飛散粉塵の発生源と特定する。このとき、各測定個所からの風向き方向がほぼ一致しない、つまり各測定個所からの風向き方向が交わる場合は、その1または2以上の交点が飛散粉塵の発生源と特定され、各測定個所からの風向き方向がほぼ一致する場合は、その風向き方向に存在する地図上の粉塵発生予測場所が飛散粉塵の発生源と特定する。このため、測定個所としては2以上の任意な位置で済むので、作業性に優れる。また、原料ヤードのような非常に広いエリアを有する粉塵発生箇所において、多数の風向き方向の2以上がその箇所を横切っていて、その風向き方向の一つの平均飛散粉塵量が多くなっていれば、飛散防止対策を行う部分を特定することができる。更に、飛散粉塵の発生源特定に伴い、効果的に飛散防止対策がとれ、無駄な設備投資をしなくても良くなる。
【0010】
ここで、平均飛散粉塵量とは、測定値の数値を風向き方向毎に平均した数値を言い、また適当な期間としては、風向き毎の平均飛散粉塵量の算出値が、何回測定してもほぼ同様な値となるような期間であればよく、例えば1ヶ月以上、好ましくは2ヶ月以上とするのがよい。また、所定時間ピッチとしては、各風向き方向において飛散粉塵量に明瞭な差が認められる時間以上であればよく、例えば30分ピッチ以上、好ましくは1時間ピッチ以上とするのがよい。
【0011】
また、本発明の飛散粉塵の発生源特定方法において、前記飛散粉塵量の測定に、β線吸収法による浮遊粒子状物質測定装置を用いることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を具体的に説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る飛散粉塵の発生源特定方法を示すフローチャートである。
【0014】
この方法は、まず、飛散粉塵量を測定する測定装置および風向計を複数地点(A、B…n)に設置する(ステップST1)。本実施形態では、図2に示すように、A、B、Cの3地点に設置した。飛散粉塵量の測定装置は、β線吸収法による浮遊粒子状物質測定装置、例えば飛散粉塵を吸引により補集して10μmより大きい粒子を除去し、10μm以下の粒子を測定する全自動のDUB−12型(電気化学計器株式会社製)を用いた。また、風向計としては、図3に示すように16方位、詳細には北、北北東、北東、東北東、東、東南東、南東、南南東、南、南南西、南西、西南西、西、西北西、北西及び北北西の方向を測定するものを使用した。
【0015】
次に、A、B、Cの各地点で、飛散粉塵量を測定するとともに風向きを測定する(ステップST2(A)〜(n))。両測定は、本実施形態では、2ヶ月間、1時間毎に行った。続いて、A、B、Cの各地点で、平均粉塵量を算出しグラフ化する(ステップST3(A)〜(n))。図3は、A地点における風向別での平均粉塵量を示す。
【0016】
次に、グラフ化したデータを、飛散粉塵量の測定装置および風向計を設置した付近の地図に合わせて表示し(ステップST4)、続いて、各設置地点毎に平均粉塵量の多い方向、本実施形態では5つの方向を抽出する(ステップST5)。図4は、A、B、Cの各地点で5方向を抽出した状態を示す図である。
【0017】
そして、最後に、飛散粉塵の発生源を特定する(ステップST6)。ここで、その特定には、以下の2方式が用いられる。第1方式は、図5(a)に示すように、飛散粉塵発生源Xからの飛散粉塵が風向きの変化により、例えばA地点とB地点とで検出されるとき、つまり飛散粉塵発生源XとA地点とB地点とが三角形状に位置するとき、図5(b)に示すように、A地点を中心とする風向きとB地点を中心とする風向きとが交差する箇所を飛散粉塵発生源Xとして特定する方式である。第2方式は、図6(a)に示すように、飛散粉塵発生源Xからの飛散粉塵が同じ風向きにより、例えばA地点とB地点とで検出されるとき、つまり飛散粉塵発生源XとA地点とB地点とが同じ直線上に位置するとき、図6(b)に示すように、A地点を中心とする風向きと、これとほぼ一致する平行なB地点を中心とする風向きとが通る設備の箇所を飛散粉塵発生源Xとして特定する方式である。なお、図5および図6における風向別での平均粉塵量の値を、説明の都合上、変えている。
【0018】
図7は、上記2方式によりA、B、Cの各地点での風向きに基づいて特定した多数の飛散粉塵発生源Xを示す図である。
【0019】
よって、このようにして飛散粉塵の発生源が特定されることに伴い、効果的に飛散防止対策をとることができ、無駄な設備投資をしなくても良くなるという優れた効果が得られる。また、原料ヤードのような非常に広いエリアを有する粉塵発生箇所であっても、複数の風向き方向の2以上がその箇所を横切っていて、その風向き方向の一つの平均飛散粉塵量が多くなっていれば、飛散防止対策を行う部分を特定することができる。
【0020】
なお、上述した実施形態ではA、B、Cの各地点で飛散粉塵量および風向きの測定を、2ヶ月間、1時間毎に行ったが、本発明はこれに限らない。風向き毎の平均飛散粉塵量の算出値が、何回測定してもほぼ同様な値となるような期間であればよく、例えば1ヶ月以上、好ましくは2ヶ月以上とするのがよい。また、所定時間ピッチとしては、各風向き方向において飛散粉塵量に明瞭な差が認められる時間以上であればよく、例えば30分ピッチ以上、好ましくは1時間ピッチ以上とするのがよい。
【0021】
また、上述した実施形態では飛散粉塵量および風向きの測定個所を、A、B、Cの3地点で行ったが、本発明はこれに限らず、2地点以上の任意の数地点で同様に測定してもよい。図8および図9は、測定個所がAおよびBの2地点の場合の特定内容の説明図であり、図8は測定個所(AおよびBの2地点)と設備a〜eとの位置関係を示す地図で、図9はその地図上に、設置場所毎に平均粉塵量が多い5つの風向きを抽出してその方向に線を引いた図である。
【0022】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明による場合には、測定個所としては2以上の任意な地点で済むので、作業性に優れる。また、原料ヤードのような非常に広いエリアを有する粉塵発生箇所において、多数の風向き方向の2以上がその箇所を横切っていて、その風向き方向の一つの平均飛散粉塵量が多くなっていれば、飛散防止対策を行う部分を特定することができる。更に、飛散粉塵の発生源特定に伴い、効果的に飛散防止対策がとれ、無駄な設備投資をしなくても良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る飛散粉塵の発生源特定方法を示すフローチャートである。
【図2】測定個所(A、B およびC の3地点)と設備a〜eとの位置関係を示す地図である。
【図3】A地点における風向別での平均粉塵量を示す。
【図4】A、B、Cの各地点で5方向を抽出した状態を示す図である。
【図5】飛散粉塵の発生源を特定する第1方式の説明図で、(a)は飛散粉塵発生源Xからの飛散粉塵が風向きの変化により、例えばA地点とB地点とで検出される状態を示し、(b)は、A地点を中心とする風向きとB地点を中心とする風向きとが交差する箇所を飛散粉塵発生源Xとして特定する状態を示す。
【図6】飛散粉塵の発生源を特定する第2方式の説明図で、(a)は飛散粉塵発生源Xからの飛散粉塵が同じ風向きにより、例えばA地点とB地点とで検出される状態を示し、(b)は、A地点を中心とする風向きと、これと平行なB地点を中心とする風向きとが通る設備の箇所を飛散粉塵発生源Xとして特定する状態を示す。
【図7】第1方式および第2方式によりA、B、Cの各地点での風向きに基づいて特定した多数の飛散粉塵発生源Xを示す図である。
【図8】測定個所がAおよびBの2地点の場合の特定内容の説明図であり、測定個所(AおよびBの2地点)と設備a〜eとの位置関係を示す地図である。
【図9】測定個所がAおよびBの2地点の場合の特定内容の説明図であり、図8の地図上に、各設置地点毎に平均粉塵量が多い5つの風向きを抽出してその方向に線を引いた図である。
【符号の説明】
A、B、C 飛散粉塵量の測定装置および風向計の設置地点
X 飛散粉塵発生源
【発明の属する技術分野】
本発明は、飛散粉塵の発生源を特定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記飛散粉塵は、環境汚染防止のため減少化させる必要がある。そのためには、飛散粉塵を発生する可能性がある多数の粉塵発生箇所の全てに対し、飛散防止対策を行うことが望ましい。
【0003】
しかし、そのようにした場合はコストが高くなるため、一部の飛散粉塵が多い粉塵発生箇所を特定し飛散防止対策を行っている。
その特定方法としては、従来、多数の粉塵発生箇所での粉塵発生量を測定し、その測定値の大小関係に基づいて優先的に飛散防止対策を行うべき複数の粉塵発生箇所を特定するという方法が知られている(技術文献1)。
【0004】
【技術文献1】
住友金属 Vol.46 No.2(1994)/P82〜P88
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、粉体を使用する工場、例えば製鉄工場のような鉄鉱石、コークスなどの複数種の粉体を使用する工場においては、上記複数種の粉体を個別に山積みした多数の原料ヤードや、その粉体を使用する製銑工程等の粉体使用設備、更には複数の原料ヤードから粉体使用設備へ粉体を搬送する搬送設備などの多数の粉塵を発生する可能性のある箇所が存在する。
【0006】
しかしながら、従来の方法による場合には、多数の粉塵発生箇所の一つ一つを個別に測定する必要があり、特に原料ヤードのような非常に広いエリアを有する粉塵発生箇所では、例えばその粉塵発生箇所を所定単位面積毎に区分けした多数の領域の各々においても測定する必要があり、作業上煩わしいという難点があった。
【0007】
本発明は、このような従来技術の課題を解消するためになされたもので、飛散防止対策を行う粉塵発生箇所を作業性よく特定することができる飛散粉塵の発生源特定方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の飛散粉塵の発生源特定方法は、多数の粉塵発生箇所の周辺の少なくとも2以上の任意な測定個所で、適当な期間にわたり、飛散粉塵量および風向き方向を所定時間ピッチで測定する第1工程と、
第1工程で得られた飛散粉塵量および風向き方向から、測定個所別に、風向き方向毎の平均飛散粉塵量を算出する第2工程と、
上記複数の粉塵発生箇所および上記測定個所を含む地図上に、各測定個所を中心として平均飛散粉塵量が多い複数の風向き方向を作図する第3工程と、
第3工程で作図した各測定個所からの風向き方向が交わる交点が位置する粉塵発生箇所を、又は各測定個所からの風向き方向がほぼ一致するときはその風向き方向に存在する地図上の粉塵発生箇所を、飛散粉塵の発生源と特定する第4工程とを含むことを特徴とする。
【0009】
この方法による場合には、風向き毎の平均飛散粉塵量を算出するための飛散粉塵量および風向き方向を、適当な期間にわたり所定時間ピッチで測定し、かつ、このようにして測定したデータに基づく風向き毎の平均飛散粉塵量が多かったもので、飛散粉塵の発生源と特定する。このとき、各測定個所からの風向き方向がほぼ一致しない、つまり各測定個所からの風向き方向が交わる場合は、その1または2以上の交点が飛散粉塵の発生源と特定され、各測定個所からの風向き方向がほぼ一致する場合は、その風向き方向に存在する地図上の粉塵発生予測場所が飛散粉塵の発生源と特定する。このため、測定個所としては2以上の任意な位置で済むので、作業性に優れる。また、原料ヤードのような非常に広いエリアを有する粉塵発生箇所において、多数の風向き方向の2以上がその箇所を横切っていて、その風向き方向の一つの平均飛散粉塵量が多くなっていれば、飛散防止対策を行う部分を特定することができる。更に、飛散粉塵の発生源特定に伴い、効果的に飛散防止対策がとれ、無駄な設備投資をしなくても良くなる。
【0010】
ここで、平均飛散粉塵量とは、測定値の数値を風向き方向毎に平均した数値を言い、また適当な期間としては、風向き毎の平均飛散粉塵量の算出値が、何回測定してもほぼ同様な値となるような期間であればよく、例えば1ヶ月以上、好ましくは2ヶ月以上とするのがよい。また、所定時間ピッチとしては、各風向き方向において飛散粉塵量に明瞭な差が認められる時間以上であればよく、例えば30分ピッチ以上、好ましくは1時間ピッチ以上とするのがよい。
【0011】
また、本発明の飛散粉塵の発生源特定方法において、前記飛散粉塵量の測定に、β線吸収法による浮遊粒子状物質測定装置を用いることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を具体的に説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る飛散粉塵の発生源特定方法を示すフローチャートである。
【0014】
この方法は、まず、飛散粉塵量を測定する測定装置および風向計を複数地点(A、B…n)に設置する(ステップST1)。本実施形態では、図2に示すように、A、B、Cの3地点に設置した。飛散粉塵量の測定装置は、β線吸収法による浮遊粒子状物質測定装置、例えば飛散粉塵を吸引により補集して10μmより大きい粒子を除去し、10μm以下の粒子を測定する全自動のDUB−12型(電気化学計器株式会社製)を用いた。また、風向計としては、図3に示すように16方位、詳細には北、北北東、北東、東北東、東、東南東、南東、南南東、南、南南西、南西、西南西、西、西北西、北西及び北北西の方向を測定するものを使用した。
【0015】
次に、A、B、Cの各地点で、飛散粉塵量を測定するとともに風向きを測定する(ステップST2(A)〜(n))。両測定は、本実施形態では、2ヶ月間、1時間毎に行った。続いて、A、B、Cの各地点で、平均粉塵量を算出しグラフ化する(ステップST3(A)〜(n))。図3は、A地点における風向別での平均粉塵量を示す。
【0016】
次に、グラフ化したデータを、飛散粉塵量の測定装置および風向計を設置した付近の地図に合わせて表示し(ステップST4)、続いて、各設置地点毎に平均粉塵量の多い方向、本実施形態では5つの方向を抽出する(ステップST5)。図4は、A、B、Cの各地点で5方向を抽出した状態を示す図である。
【0017】
そして、最後に、飛散粉塵の発生源を特定する(ステップST6)。ここで、その特定には、以下の2方式が用いられる。第1方式は、図5(a)に示すように、飛散粉塵発生源Xからの飛散粉塵が風向きの変化により、例えばA地点とB地点とで検出されるとき、つまり飛散粉塵発生源XとA地点とB地点とが三角形状に位置するとき、図5(b)に示すように、A地点を中心とする風向きとB地点を中心とする風向きとが交差する箇所を飛散粉塵発生源Xとして特定する方式である。第2方式は、図6(a)に示すように、飛散粉塵発生源Xからの飛散粉塵が同じ風向きにより、例えばA地点とB地点とで検出されるとき、つまり飛散粉塵発生源XとA地点とB地点とが同じ直線上に位置するとき、図6(b)に示すように、A地点を中心とする風向きと、これとほぼ一致する平行なB地点を中心とする風向きとが通る設備の箇所を飛散粉塵発生源Xとして特定する方式である。なお、図5および図6における風向別での平均粉塵量の値を、説明の都合上、変えている。
【0018】
図7は、上記2方式によりA、B、Cの各地点での風向きに基づいて特定した多数の飛散粉塵発生源Xを示す図である。
【0019】
よって、このようにして飛散粉塵の発生源が特定されることに伴い、効果的に飛散防止対策をとることができ、無駄な設備投資をしなくても良くなるという優れた効果が得られる。また、原料ヤードのような非常に広いエリアを有する粉塵発生箇所であっても、複数の風向き方向の2以上がその箇所を横切っていて、その風向き方向の一つの平均飛散粉塵量が多くなっていれば、飛散防止対策を行う部分を特定することができる。
【0020】
なお、上述した実施形態ではA、B、Cの各地点で飛散粉塵量および風向きの測定を、2ヶ月間、1時間毎に行ったが、本発明はこれに限らない。風向き毎の平均飛散粉塵量の算出値が、何回測定してもほぼ同様な値となるような期間であればよく、例えば1ヶ月以上、好ましくは2ヶ月以上とするのがよい。また、所定時間ピッチとしては、各風向き方向において飛散粉塵量に明瞭な差が認められる時間以上であればよく、例えば30分ピッチ以上、好ましくは1時間ピッチ以上とするのがよい。
【0021】
また、上述した実施形態では飛散粉塵量および風向きの測定個所を、A、B、Cの3地点で行ったが、本発明はこれに限らず、2地点以上の任意の数地点で同様に測定してもよい。図8および図9は、測定個所がAおよびBの2地点の場合の特定内容の説明図であり、図8は測定個所(AおよびBの2地点)と設備a〜eとの位置関係を示す地図で、図9はその地図上に、設置場所毎に平均粉塵量が多い5つの風向きを抽出してその方向に線を引いた図である。
【0022】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明による場合には、測定個所としては2以上の任意な地点で済むので、作業性に優れる。また、原料ヤードのような非常に広いエリアを有する粉塵発生箇所において、多数の風向き方向の2以上がその箇所を横切っていて、その風向き方向の一つの平均飛散粉塵量が多くなっていれば、飛散防止対策を行う部分を特定することができる。更に、飛散粉塵の発生源特定に伴い、効果的に飛散防止対策がとれ、無駄な設備投資をしなくても良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る飛散粉塵の発生源特定方法を示すフローチャートである。
【図2】測定個所(A、B およびC の3地点)と設備a〜eとの位置関係を示す地図である。
【図3】A地点における風向別での平均粉塵量を示す。
【図4】A、B、Cの各地点で5方向を抽出した状態を示す図である。
【図5】飛散粉塵の発生源を特定する第1方式の説明図で、(a)は飛散粉塵発生源Xからの飛散粉塵が風向きの変化により、例えばA地点とB地点とで検出される状態を示し、(b)は、A地点を中心とする風向きとB地点を中心とする風向きとが交差する箇所を飛散粉塵発生源Xとして特定する状態を示す。
【図6】飛散粉塵の発生源を特定する第2方式の説明図で、(a)は飛散粉塵発生源Xからの飛散粉塵が同じ風向きにより、例えばA地点とB地点とで検出される状態を示し、(b)は、A地点を中心とする風向きと、これと平行なB地点を中心とする風向きとが通る設備の箇所を飛散粉塵発生源Xとして特定する状態を示す。
【図7】第1方式および第2方式によりA、B、Cの各地点での風向きに基づいて特定した多数の飛散粉塵発生源Xを示す図である。
【図8】測定個所がAおよびBの2地点の場合の特定内容の説明図であり、測定個所(AおよびBの2地点)と設備a〜eとの位置関係を示す地図である。
【図9】測定個所がAおよびBの2地点の場合の特定内容の説明図であり、図8の地図上に、各設置地点毎に平均粉塵量が多い5つの風向きを抽出してその方向に線を引いた図である。
【符号の説明】
A、B、C 飛散粉塵量の測定装置および風向計の設置地点
X 飛散粉塵発生源
Claims (2)
- 多数の粉塵発生箇所の周辺の少なくとも2以上の任意な測定個所で、適当な期間にわたり、飛散粉塵量および風向き方向を所定時間ピッチで測定する第1工程と、
第1工程で得られた飛散粉塵量および風向き方向から、測定個所別に、風向き方向毎の平均飛散粉塵量を算出する第2工程と、
上記複数の粉塵発生箇所および上記測定個所を含む地図上に、各測定個所を中心として平均飛散粉塵量が多い複数の風向き方向を作図する第3工程と、
第3工程で作図した各測定個所からの風向き方向が交わる交点が位置する粉塵発生箇所を、又は各測定個所からの風向き方向がほぼ一致するときはその風向き方向に存在する地図上の粉塵発生箇所を、飛散粉塵の発生源と特定する第4工程とを含むことを特徴とする飛散粉塵の発生源特定方法。 - 前記飛散粉塵量の測定に、β線吸収法による浮遊粒子状物質測定装置を用いることを特徴とする請求項1記載の飛散粉塵の発生源特定方法。
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Cited By (15)
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CN102483346A (zh) * | 2009-05-19 | 2012-05-30 | 罗伯特·博世有限公司 | 用于确定能流动的物质的被配量到待填充的物体中的量的方法 |
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