JP2005134320A - 耐候性鋼の腐食減耗量予測方法、予測装置、鋼構造物適用鋼種の選定方法、鋼構造物適用鋼材、及びその営業方法 - Google Patents

耐候性鋼の腐食減耗量予測方法、予測装置、鋼構造物適用鋼種の選定方法、鋼構造物適用鋼材、及びその営業方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 硫黄酸化物量や飛来塩分量の実測値がなくとも耐候性鋼の腐食減耗予測ができる方法を提供し,耐候性鋼の営業活動を効率化する。
【解決手段】 無塗装又は表面処理した耐候性鋼の腐食量を予測する方法において、地図情報や建設条件のみから該耐候性鋼が暴露される気象観測データ、飛来塩分量、硫黄酸化物量を含む情報を推定し,それをもとに設計供用期間100年に及ぶ腐食減耗量を計算することを特徴とする耐候性鋼の腐食量予測方法,それを用いた鋼材や表面処理法の選定方法,それを用いた耐候性鋼の営業方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、裸使用、さび安定化処理使用、塗装使用、めっき使用等の表面処理も含め、橋梁等の鋼構造物に適用される耐候性鋼の腐食減耗予測方法、予測装置、鋼構造物適用鋼種の選定方法、鋼構造物適用鋼材、及びその営業方法に関するものである。
耐候性鋼は、さびでさびを制するというユニークな特性ゆえに橋梁をはじめとする多くの実構造物に適用されてきた。その機能を生かしてこの鋼材を適用し、維持管理コスト低減に成功している事例は多いが、一方で飛来塩分の多い海浜地域等に適用した場合、問題を生じることもあった。近年では内陸地域でも融雪塩散布の影響を受け、局部的な異常さび形成が認められることもある。
今後橋梁をはじめとした構造物においては、国土交通省より提唱されたミニマムメンテナンス橋構想に代表されるように、更なる維持・管理コストの縮減をしつつも超長期にわたり安心して実使用が可能となる耐候性鋼材、表面処理技術、構造設計法等が求められており、わが国全体としてアジア諸国等とのコスト競争力を維持発展させる21世紀型インフラストラクチャーの一形態として、ライフサイクルコスト(以下、LCCと記載)ミニマムを実現しうるさびサイエンス研究と耐候性鋼に関連する利用技術開発に大きな期待が寄せられている。
最近の橋梁設計における動きとして、2002年3月に改訂となった(財)日本道路協会発行の道路橋指方書・同解説の第5章に明示されたとおり、橋梁部材の経年劣化を考慮して設計を行い、予測される腐食等劣化が起きても長期にわたり問題が生じないようしてにして、LCCのミニマム化を図ることが義務づけられた。
耐候性鋼の適用にあたっては、例えば(非特許文献1)等に記載されているように、設計供用期間を100年として、その間に累積する腐食減耗量が片側0.5mm以内となることが予測できる場合に、耐候性鋼の無塗装使用の適用可能とする目安が示されている。
耐候性鋼の適用可否の判断に関するフローに関しては、例えば(特許文献1)等にいくつかの例が開示されている。しかし、それぞれのフローでは、実質的には使用環境において腐食量に寄与する因子が整理されているに過ぎず、適応環境の予測腐食量に基づいた適用鋼種の定量的な使用可否判定基準を提案もしくは開示するものではなく、より定量的な予測腐食量に基づく判定方法が望まれることに対する有効な解決手段にはなっていないのが実情である。また、これらのフローにおいて、腐食量予測に重要なパラメータである硫黄酸化物量や年間ぬれ時間が全く考慮されていない点も問題であるといえる。すなわち、地域環境条件を整理したのみでは不十分であり、それらを総合して腐食減耗量の予測計算を行って、長期にわたり安定して構造物が維持できるよう事前検討することが、耐候性橋梁として、半永久とも言われる供用寿命を達成する上で重要である。
従来から一般に行われている耐候性鋼の長期にわたる累積腐食量の予測方法は、建設地又はそれに類似した大気環境条件で10年程度の曝露試験を行い、その時得られた腐食減肉量の経時変化を、(非特許文献2)に記載されている堀川らの式、すなわち、
(腐食量Y)=A×(曝露年数X)B
なる関係式でフィッティングしてA値及びB値を求め、その値を用いて任意の長期間に及ぶ腐食減量を計算するという手法が例えば(非特許文献3)に記載されている。しかし、定数項A値及びB値を求めるためには10年程度の実大気環境における曝露試験が必須で、判断まで資金、労力及び時間がかかり、競合のコンクリート構造物等に比べて市場競争力の弱い技術営業方法をとらざるを得ない点が指摘されていた。
前記の文献開示に至る以前にも、耐候性鋼の腐食減耗予測モデルについては数例の研究成果が開示されている。例えば、中村らは、降雨洗浄効果が期待される一般の日照曝露架台にとりつけた鋼材の腐食減耗曲線を説明するため、前記の堀川らの式の定数項と飛来塩分量、硫黄酸化物量、降水量、平均気温、平均湿度等、曝露各地の環境条件指標との統計的相関式を(非特許文献4)に提案している。しかしながら、橋梁の場合、腐食の進行は一般に内桁内部で降雨洗浄効果が期待出来ない部位で塩分等の蓄積により加速されることが知られている。したがって、中村らの提案する統計的相関式については、将来の実構造物における腐食量を大幅に過小評価する結果をもたらすことが判明している。
三木ら:土木学会論文集、No.738/I-64、 pp.271-281、2003. 堀川ら:防食技術、16(4)、 p153、 (1967). 建設省土木研究所、(社)鋼材倶楽部、(社)日本橋梁建設協会:耐候性鋼材の橋梁への適用に関する共同研究報告書(XII)、p20、平成4年3月. 中村ら:金属表面技術、33(2)、 p29、 (1982). H. Kihira: Proceedings of Japan-China Joint Seminar on Marine Corrosion, Tokyo Institute of Technology, p.1, (2002.11). 特開2000−1816号公報 WO 03/006957号公報
かかる事情に鑑み、本発明者らは、最近明確に定義されたさび安定化概念を基本にして、新たなる環境の腐食性指標を発明し、使用環境における腐食性指標と、前述の前記の堀川らの式の定数項A値との相関関係を明らかにして、A値からB値を求めるという内桁環境の腐食減耗予測手法を開発し、(特許文献2)に開示した。
この発明は、これまで蓄積された内桁環境での耐候性鋼の腐食挙動をよく再現出来る手法として業界から期待が寄せられているが、即断を求められる耐候性鋼の営業活動において、以下の点においてさらに改善を施すことが望ましいと考え、さらなる進歩に取り組んだ。
すなわち、
1)任意の建設地における硫黄酸化物量S及び飛来塩分量Cの測定値が一般には入手できないものの、前記の腐食性指標を求めるにはこれらの硫黄酸化物量S及び飛来塩分量Cの測定値が必要であるため、この腐食性指標が容易に求まらないことがある。したがって、これらの値を測定することなく、地図情報から粗々推定できるようにしたい。
2)腐食減耗予測曲線における予測レンジについては、例えば(非特許文献5)に開示された実測腐食曲線と予測腐食曲線の統計的分布評価において、やや正規分布からはずれる傾向にあったため、より正規分布性を高めた腐食減耗予測レンジを示せるようにしたい。
本発明は、硫黄酸化物量Sや飛来塩分量Cの値が実測されていなくとも、地図情報から粗々それらの値を推定し、より正規分布性を高めた腐食減耗予測レンジ表示ができる耐候性鋼の腐食減耗予測法を確立し、もってスピーディな鋼構造物適用鋼種選定方法を提供して、耐候性鋼の営業方法をさらに効率化することを目的とする。
前記の課題を解決するために、以下に示す発明を行った。
[1].電子計算機を用いて、裸使用又は表面処理使用で用いる耐候性鋼の使用予定位置における気象観測データ、硫黄酸化物量、飛来塩分量を含む外因性の腐食情報、及び前記耐候性鋼の成分に関する内因性の腐食情報から、任意の経過年数時点での、前記耐候性鋼の腐食減耗量を予測する方法であって、耐候性鋼の使用予定位置近傍の地域特性を地図により定性的に読み取り、少なくとも人工密集度、近隣の地域特性、自動車の交通量の3項目の評点値を用いて、硫黄酸化物量を推定することを特徴とする耐候性鋼の腐食減耗量予測方法。
[2].人工密集度、近隣の地域特性、自動車の交通量の3項目の評点値を用いて、下式(1)により、硫黄酸化物量を推定することを特徴とする[1]に記載の耐候性鋼の腐食減耗量予測方法。
[3].さらに、耐候性鋼の使用予定位置における大気中の飛来塩分量を、下式(2)〜(5)により推算することを特徴とする[1]又は[2]に記載の耐候性鋼の腐食減耗量予測方法。
[4].基準とする耐候性鋼がJIS G3114に記載のSMA耐候性鋼の場合、該耐候性鋼の腐食減耗量範囲を、下式(6)〜(12)を用いて予測することを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の耐候性鋼の腐食減耗量予測方法。
[5].基準とする耐候性鋼であるJIS G3114に記載のSMA耐候性鋼とは別種の耐候性鋼の腐食減耗量範囲を予測する際に、該別種の耐候性鋼のパラメータA値及びB値に変換された値を用いることを特徴とする[4]に記載の耐候性鋼の腐食減耗量予測方法。
[6].表面処理を施した耐候性鋼の場合、表面処理皮膜の劣化期間は耐候性鋼の腐食減耗は起こらず、それ以降に耐候性鋼の腐食減耗が起こるとし、かつ表面処理を施した耐候性鋼のパラメータA値及びB値に変換された値を用いることを特徴とする[5]又は[6]に記載の耐候性鋼の腐食減耗量予測方法。
[7].情報の入力手段と、前記入力手段から入力された、裸使用又は表面処理使用で用いる耐候性鋼の使用予定位置における気象観測データ、硫黄酸化物量、飛来塩分量を含む外因性の腐食情報、及び前記耐候性鋼の成分に関する内因性の腐食情報を用いて、任意の経過年数時点での、前記耐候性鋼の腐食減耗量を予測する演算手段とを備えた耐候性鋼の腐食減耗量予測装置であって、耐候性鋼の使用予定位置近傍の地域特性の評点を地図により定性的に読み取る手段と、前記地域特性の評点のデータを用いて使用予定位置における硫黄酸化物量を少なくとも人工密集度、近隣の地域特性、自動車の交通量の3項目の評点値を用いて、硫黄酸化物量を推定する演算手段とを備えたことを特徴とする耐候性鋼の腐食減耗量予測装置。
[8].前記演算手段は、人工密集度、近隣の地域特性、自動車の交通量の3項目の評点値を用いて、下式(1)により、硫黄酸化物量を推定することを特徴とする[7]に記載の耐候性鋼の腐食減耗量予測方法。
[9].さらに気象観測データ記憶手段と、耐候性鋼の使用予定位置の緯度・経度情報を地図から読み取る手段と、前記の位置情報から該位置における気象データを抽出する手段と、前記耐候性鋼の使用予定位置の情報、及び該位置における気象データの情報を用いて飛来塩分量を下式(2)〜(5)により推算する演算手段とを備えたことを特徴とする[7]又は[8]に記載の耐候性鋼の腐食減耗量予測装置。
[10].基準とする耐候性鋼がJIS G3114に記載のSMA耐候性鋼の場合、前記演算手段は、該耐候性鋼の腐食減耗量範囲を下式(6)〜(12)を用いて予測する推算することを特徴とする[7]〜[9]のいずれかに記載の耐候性鋼の腐食減耗量予測装置。
[11].基準とする耐候性鋼であるJIS G3114に記載のSMA耐候性鋼とは別種の耐候性鋼の腐食減耗量範囲を予測する際に、該別種の耐候性鋼のパラメータA値及びB値に変換することを特徴とする[10]に記載の耐候性鋼の腐食減耗量予測装置。
[12].表面処理を施した耐候性鋼の場合、表面処理皮膜の劣化期間は耐候性鋼の腐食減耗は起こらず、それ以降に耐候性鋼の腐食減耗が起こるとし、かつ表面処理を施した耐候性鋼のパラメータA値及びB値に変換する演算手段を備えたことを特徴とする[10]又は[11]に記載の耐候性鋼の腐食減耗量予測装置。
[13].[1]〜[6]のいずれかに記載の耐候性鋼の腐食減耗量予測方法を用いて使用予定候補の1種以上の耐候性鋼の予測腐食減耗量を計算する工程と、電子計算機を用いて前記予測腐食減耗量と設計供用期間における設計上の許容腐食量とを比較する工程とを有し、さらに前記電子計算機を用いて前記予測腐食減耗量が前記許容腐食量以下である耐候性鋼を適用可能な鋼種であると判断する工程を有することを特徴とする鋼構造物適用鋼種の選定方法。
[14].[13]に記載の鋼構造物適用鋼種の選定方法により選定されたことを特徴とする鋼構造物適用鋼材。
[15].[1]〜[6]のいずれかに記載の耐候性鋼の腐食減耗量予測方法を用いて使用予定候補の1種以上の耐候性鋼の予測腐食減耗量を計算する工程と、顧客が耐候性鋼の使用を予定している使用予定位置情報を電子計算機に入力する工程と、前記電子計算機が前記予測腐食減耗量と設計供用期間における設計上の許容腐食量とを比較する工程と、前記電子計算機を用いて前記予測腐食減耗量が前記許容腐食量以下である耐候性鋼を適用可能な鋼種であると判断して鋼構造物適用鋼種を選定する工程と、前記電子計算機で選定された鋼構造物適用鋼種の結果を前記顧客に提示する工程とを有することを特徴とする耐候性鋼の営業方法。
ここで、本発明が対象とする耐候性鋼には、JIS G3114に規定される溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材(記号:SMA)、JIS G3125に規定される高耐候性圧延鋼材(記号:SPA−H、SPA−C)、また、例えば特開平5−51668号公報、特開平7−207340号公報、特開平7−242993号公報、特開平8−134587号公報、特開平11−71632号公報、特開平11−172370号公報等に記載の、Niを1〜3質量%程度含有し、さらに、Mo,Cu,Ti,Cr等を含有する、最近開発されたニッケル系高耐候性鋼(海浜・海岸耐候性鋼)が含まれる。
気象観測データとは、耐候性候が暴露される気象条件を観測したデータをいい、例えば、年間ぬれ時間TOW(h)、年平均気温T(℃)、年平均湿度RH(%)、年平均風速W(m/sec.)等のデータが含まれる。
飛来塩分量とは、JIS Z2381(屋外曝露試験方法通則)の参考3に規定する海塩粒子量測定方法に準拠して、純水でよく塩分を浸出させた後よく乾燥させたガーゼを二つ折りして、内寸が100mm×100mmの木枠にはめ込み、直接雨が当たらない通風の良いところに1ヶ月垂直に曝露し、曝露後取り外して分析し、Cl量をNaCl量に換算して、NaCl・mg/dm2/day(略号mdd)の単位で表わしたデータである。このとき、片面の付着量に換算されるよう注意が必要である。このデータは建設地等の大気環境においてどの程度塩分が含まれ、それがどのくらいの速度で構造物等に付着しているかを表わす指標として広く用いられている。
硫黄酸化物量とは、JIS Z2381(屋外曝露試験方法通則)の参考2に規定する硫黄酸化物量の測定方法に準拠して、二酸化鉛ペーストを塗布したガーゼを貼り付けたプラスチック製等の円筒を専用のシェルター内に1ヶ月垂直に曝露し、曝露後取り外し分析し、S量をSO3として換算して、SO3・mg/dm2/day(略号mddと記載する)の単位で表わしたデータである。このデータは建設地等の大気環境においてどの程度亜硫酸ガス等の硫黄酸化物が含まれ、それがどのくらいの速度で構造物等に付着しているかを表わす指標として広く用いられている。
なお、ISO方式や付着塩分の直接計測方式等、JIS Z2381以外の方法でこれらの値に相関する計測値を求めることもできる。計測法が異なると捕捉率の違いにより値も異なってしまうが、上述のJIS法に基づく飛来塩分量や硫黄酸化物量に、相関を取る等の手法により換算すれば本発明の耐候性鋼の腐食量予測方法に適用できることは言うまでもない。
本発明によれば、硫黄酸化物量や飛来塩分量等の実測データが無くても、100年に及ぶ供用設計期間における腐食量を、高い精度で予測でき、また、防食手段や維持管理方法の最適化検討も容易となる。本発明の完成により、これまで長期曝露試験に頼っていた耐候性鋼の適用可否判断や材料選定、耐久化設計、表面処理適用判断やその種類選定、維持管理指針作成等の諸作業が高精度化・高効率化でき、耐候性鋼の営業活動の低コスト化と競争力の向上に寄与することができる。本来耐候性鋼で維持管理コスト低減できる地域であるにもかかわらず適用が控えられて施主の維持管理費用の増大を招いていたり、その逆に湿度や温度が高い等の原因で飛来塩分量が低いにもかかわらず不測にも異常腐食して補修費用が発生していたりといった事態を計画段階で事前に回避することも可能となり、社会資本のミニマムメンテナンス化に大きな貢献ができると期待される。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。本願発明の概要は、図1に示すフローチャートに示す通りである。すなわち、任意の経過年数時点での耐候性鋼の腐食減耗量を、裸使用又は表面処理使用で用いる耐候性鋼の使用予定位置における気象観測データと、さらに硫黄酸化物量、飛来塩分量を含む外因性の腐食情報と、また耐候性鋼の成分に関する内因性の腐食情報に基づいて、電子計算機を用いて前記耐候性鋼の腐食減耗量を計算して予測するものであり、その詳細は、本発明者らが既に(特許文献2)で説明している通りである。
但し、本願発明においては、前述の通り、硫黄酸化物量や飛来塩分量の値を測定することなく、地図情報から推定できるようにしたことが、新たに見出した点である。
まず、前記[1]、[2]の発明である、硫黄酸化物量の推定方法について説明する。本発明者は、例えば建設省土木研究所、(社)鋼材倶楽部、(社)日本橋梁建設協会:耐候性鋼材の橋梁への適用に関する共同研究報告書(X)(平成元年12月)に開示された全国41橋曝露試験地における硫黄酸化物量測定結果と、市販の地図ソフトで確認した各曝露地の周辺地域状況について前記[1]、[2]に記載の評点付けした結果が得られるが、この評点結果と硫黄酸化物量測定結果の相関特性を、上式(1)を用いて確認したところ、図2の通り良好であることを新たに見出した。
そこで、市販の地図あるいは地図ソフトを活用したり、現地の状況等を考慮したりして前記[1]、[2]の方法で評点付けを行ってその結果を入力すると、推定される硫黄酸化物量値が自動的に計算されるルーチンを発明した。この方法は、硫黄酸化物が人為起源であることに着眼し、前記[1]、[2]に記載の3項目5段階定性評価を周辺地域情報に基づいて行えば、高い相関性を有する関係式から硫黄酸化物量を推定できるという、これまでに報告されたことのない初めての硫黄酸化物量推定方法である。このように、本手法により、地図上の任意の位置における硫黄酸化物量を、簡単に推定可能となった。なお、人口密集度、近隣の地域特性、自動車の交通量といった3項目に、硫黄酸化物量を推定するのに関連性のある因子を項目としてさらに追加してもよい。
次に、前記[3]の発明である、飛来塩分量の推定方法について説明する。耐候性鋼の使用予定位置における飛来塩分量の推定方法の詳細は以下の通りである。まず、任意の離岸距離x(m)、高さz(m)において大気中の塩分濃度c(x、 z)は、uを風速(m/s)、wを海塩粒子の沈降速度(m/s)、Kを海塩粒子の拡散定数(m2/s)、 Qを飛来塩分の吸着項として、下式(13)に示す移流沈降拡散方程式を解くことで求めることができる。
一般に飛来塩分量Cの単位はmg-NaCl/dm2/dayであるが、計算の便宜を考慮して、もう一つの飛来塩分量q (g-NaCl/m2/s)を定義して、Cとの換算を下式(14)により行う。
また、測定点におけるx軸及びz軸方向の塩分捕捉率をそれぞれγx、γzとし、一般にはγz=0となる測定がなされているものとして、飛来塩分量qはx軸方向の風速ux(m/s)に依存する関係を下式(15)で表わすことができる。
また、x軸方向の統計的平均風速ux ̄の高さ分布は、κ*をvon Karman定数(=0.4)、z0は地表面の状態に応じて与えられる表面粗長と呼ばれる経験的パラメータ、そしてu*xは摩擦速度と呼ばれる具体的な風速値に換算するための比例係数として、風速計設置高さの典型値zuにおける統計的平均風速ux ̄が、その地区の年平均風速uの実効値u/(21/2)となるよう、z0値に応じて逆算設定した下式(16)で近似できる。
離岸距離xの単位をmとして、x=0mの飛来塩分量を基準飛来塩分量C*として定義して、C及びC*は単位をmg-NaCl/dm2/dayとするガーゼ法換算の飛来塩分量値とし、z*は飛来塩分計測を行った際の地表からの高さ典型値として、道路橋示方書・同解説に記載されたJIS G3114-SMA耐候性鋼の適用限界を示す離岸距離x*において、その適用限界飛来塩分量である0.05 mg-NaCl/dm2/dayとなる様にC*値を下式(17)によって求めることができる。
また、離岸距離方向の境界条件を下式(18)により設定する。
飛来塩発生源の直上における大気中の海塩粒子濃度c(g/m3)については、大気中の塩粒子の拡散と沈降が定常状態にあると仮定し、wを塩粒子の沈降速度(m/s)、Kは塩粒子の拡散定数(m2/s)、c*はx = 0、z = z*におけるc値として、高さzが無限大のときcはゼロとする境界条件を前提にして上式(13)を解いた下式(19)により境界条件を設定できる。
また、飛来塩分量の水平垂直分布として下式(20)なる関係が成立し、規格化された大気中の塩分濃度c(x、z)/c*を上式(13)を用いて差分法により計算することができるので、任意のx及びzにおける飛来塩分量C(x、z)を計算推定することができる。このとき、境界条件には既に吸着項が考慮されているので、上式(13)におけるQは便宜的にゼロとして扱える。
前述した飛来塩分量の推定方法について、本発明者らは、飛来塩分の発生源は海岸であることに着眼し、飛来塩分量のシミュレーション計算方法を理論的に検討した。飛来塩分のシミュレーション法としては、仲座ら[海岸工学論文集、40、pp.1036-1040、1993]、武田ら[NKK技法 No.171、pp.33-39、2000.9.]、西川ら[飛来塩分量全国調査(IV)-飛来塩分量の分布特性と風の関係−、土木研究所資料、第3175号、1993年3月.]等の研究報告があり、既に開示されている経験則等も参考に、前記[3]の発明において、前例にない以下の点について工夫した。
すなわち、離岸距離ゼロでも飛来塩分量は有限値を示すはずであるという原理に立ち返って、飛来塩分実測値とその離岸距離依存性についてデータの再検討を行い、飛来塩分量と離岸距離の関係を上式(18)で表わすこととし、道路橋示方書・同解説に記載されたJIS G3114-SMA耐候性鋼の適用限界を示す離岸距離x*において、その適用限界飛来塩分量である0.05 mg-NaCl/dm2/dayとなる様にx=0におけるC*値を決定できる上式(17)を新たに考案した。
この式(17)により決定できる基準飛来塩分量C*値をもとに、上式(14)、(15)、(16)、(19)、(20)の関係式に配慮して上式(13)の数値計算解法を体系的に確立し、実測データが無くても離岸距離と高さ方向の飛来塩分量推定シミュレーションを初めて可能とした。
なお、上式(16)におけるu*xの設定法についても、風向が年間であらゆる方向に変化しうることを鑑み、風速計設置高さの典型値zuにおける統計的平均風速ux ̄が、その地区の年平均風速uの実効値u/(21/2)となるよう、z0値に応じて逆算設定することとした点も、従来にない方法である。
これは、耐候性鋼の腐食減耗予測に必要な情報が年間平均飛来塩分量であり、平均的値を推定するための措置として本願発明者が考案したものである。これら自然現象のモデル化についての洞察と新たな考案により、実測値が無くとも飛来塩分量の推定ができる計算方法を初めて確立した。
なお、上述の移流沈降拡散方程式を解くにあたり、w0を海塩粒子の初期沈降として、移流に従い乾燥して沈降速度が低減するというモデルを適用されることがあるので、前記(非特許文献7)を参考に、βを沈降速度の距離減衰係数として下式(21)を計算プログラムに組み入れることが好ましい。
さらに、前記[4]の発明では、より正規分布性を高めた腐食減耗予測レンジを示せるようにするための工夫を行ったことで、予測値の精度をより向上させたものである。その詳細は以下の通りである。
前記の方法により求めた硫黄酸化物量S(mdd)や飛来塩分量C(mdd)を上式(6)に代入して地域環境腐食性指標Zを計算する。ここで、地域環境腐食性指標Zを計算するにあたり、気象観測データが必要であるが、このデータは信頼性の高いものであれば特に限定はしないが、例えば気象官署データベースから検索して、耐候性鋼の使用予定位置近隣の気象官署データを用いることができる。
この様にして計算された地域環境腐食性指標Zの値を、上式(7)及び上式(8)に代入してJIS G3114に記載のSMA耐候性鋼のAH SMA値及びAH SMA値を求める。
ここで、JIS G3114に記載のSMA耐候性鋼としているのは、これを基準とする耐候性鋼としているためである。
次に、前記の水平部材、垂直部材のASMA値を用い、それぞれ独立して上式(9)及び上式(10)の関係からJIS G3114に記載のSMA耐候性鋼のBSMA値の上限及び下限を設定する。
このようにして求めたASMA値及びBSMA値を用いれば、累積腐食減耗量をY及び経過年数をXとしたとき、上式(11)及び上式(12)に前記結果を代入することで、経過年数をXに対する累積腐食減耗量Yの上限値及び下限値が求まる。なお、上式(11)及び上式(12)は、腐食減耗予測範囲±2σの上限線及び下限線であるが、θU及びθLの設定は以下の通りに行った。すなわち、図3におけるλは、前記の全国41橋曝露試験結果から累乗回帰して求めたX=100年の回帰腐食量YRegressionと、本願発明の方法により求めたX=100年の予測上限及び予測下限のY値との関係を、下式(22)のようにして評価した値である。
λ値が正規分布を示し、かつ標準偏差をσとしたとき、予測上限Y値が+2σ、予測下限値が-2σとなるようにθU及びθLの組み合わせを検討するにあたって、平均ランク法により曝露各地において求めたλi値に対応する累積正規分布関数F(λi)の近似値、及び規準化変数値siを数値解法により求め、図3の正規確率プロットを行って、その正規分布性に関する評価を行った。ここで、規準化変数sは、λの平均値をμ、標準偏差をσとしたとき、下式(23)により定義されている。正規確率プロットではsとλが直線関係となれば予測範囲のバンド内を実現値は正規分布する。
このようにして図3の評価を行い、θU=1.25及びθL=0.55が最適値であることが求まった。
前記のJIS G3114に記載のSMA耐候性鋼の腐食減耗量の予測方法については、水平垂直各曝露条件に対し、より精度の高い偏差分析を行って上式(7)及び上式(8)を求めることが出来たこと、さらには上式(11)及び上式(12)における係数について、θU=1.25及びθL=0.55とすることで、先行する発明であるところの(特許文献2)の方法に改善が加えられ、予測結果のレンジと、全国41橋曝露データを回帰して得た腐食減耗曲線の出現位置関係の正規分布性が、図3のように高いものとすることができた。以上の通り、この方法によって、硫黄酸化物量及び飛来塩分量の実測値がなくても、JIS G3114に記載のSMA耐候性鋼の腐食減耗量を予測できるようになった。
これまでが本願発明の基本となる事項であるが、この発明に対し、前記[5]の発明として、基準とする耐候性鋼であるJIS G3114に記載のSMA耐候性鋼とは別種の耐候性鋼の腐食減耗量範囲を予測する際に、該別種の耐候性鋼のパラメータA値及びB値に変換された値を用いることで、前記別種の耐候性鋼の腐食減耗量を予測することができる。
別種の耐候性鋼のパラメータA値及びB値に変換する方法としては、例えば(非特許文献1)により開示された、ニッケル系高耐候性鋼の耐候性合金指標計算法とそれを用いたA/ASMA及びB/BSMAの算定式を適用し、これらの算定式を本願のASMAやBSMAにそれぞれ乗じることで、別種の耐候性鋼のパラメータA値及びB値に変換された値とすることができる。
また、前記[6]の発明では、表面処理を施した耐候性鋼の場合について、表面処理皮膜の劣化期間は耐候性鋼の腐食減耗は起こらず、それ以降に耐候性鋼の腐食減耗が起こるとして計算し、かつ表面処理を施した耐候性鋼のパラメータA値及びB値に変換された値を用いることで、表面処理を施した耐候性鋼の腐食減耗量を予測することができる。
すなわち、表面処理を施した耐候性鋼の場合、表面処理皮膜の劣化期間は、膜厚と環境条件を考慮して設定し、さらにパラメータA値及びB値に変換する方法としては、表面処理をした耐候性鋼と裸の耐候性鋼の腐食曲線の差異から、表面処理材のA/ASMA及びB/BSMAの表面処理効果係数を評価し、これらの係数を裸の耐候性鋼のASMAやBSMAにそれぞれ乗じることで、表面処理を施した耐候性鋼のパラメータA値及びB値に変換された値とすることができる。
さらに、前記[7]〜[12]の発明は、例えば地図ソフトがインストールされたパーソナルコンピュータ上に、緯度・経度データを共有できる腐食減耗予測計算ができるプログラムを作製してインストールすることで、耐候性鋼の腐食減耗量予測装置とすることができる。
また、前記[13]〜[14]の発明は、前記[1]〜[6]のいずれかの方法を用いて使用予定候補の1種以上の耐候性鋼の予測腐食減耗量をまず計算し、次に電子計算機を用いて前記予測腐食減耗量と設計供用期間における設計上の許容腐食量とを比較し、さらに前記電子計算機を用いて前記予測腐食減耗量が前記許容腐食量以下であれば、その耐候性鋼を適用可能な鋼種であると判断できるため、鋼構造物適用鋼種として選定することができる。
さらに、前記[1]〜[6]のいずれかの方法を用いて使用予定候補の1種以上の耐候性鋼の予測腐食減耗量を計算する際に、顧客が耐候性鋼の使用を予定している使用予定位置情報を営業担当者が知りえた場合に、この情報を電子計算機に入力し、電子計算機により予測腐食減耗量と設計供用期間における設計上の許容腐食量とを比較し、前記予測腐食減耗量が前記許容腐食量以下である耐候性鋼を適用可能な鋼種であると判断して鋼構造物適用鋼種が選定される。そこで、前記営業担当者が前記電子計算機で選定された鋼構造物適用鋼種の結果を、例えばインターネット等のネットワークを介して前記顧客に提示するサービスを行うことで、簡便かつ迅速に顧客に有用な情報を提示できる営業を行うことが可能となる。
(実施例)
本願発明の耐候性鋼の腐食減耗量予測方法を実施できるシミュレーションソフトを用いて、モデルケースとして発明者が勤務する研究所敷地内を耐候性鋼の使用予定位置に設定した。
まず、計算に必要な各種パラメータの既定値を、計算の便宜や前記の先行文献を参考に、以下の通り設定した。すなわち、風速計測高さ(zu)には5 m、表面粗長(z0)は0.012 m、初期沈降速度(w0)は0.060 m/s、沈降速度距離減衰係数(β)は 0.00 m-1、沈降拡散減衰係数(w0/K)は0.293 m-1、拡散定数(K)は0.205 m2/sとした。これらの値は、地域の気象特性や海岸条件等に配慮して、都度最適値に設定しなおすことができる。x*には、2002年3月に改訂となった(財)日本道路協会発行の道路橋指方書・同解説、I.共通編、II.鋼橋編の第5章に掲載された図−解5.1を参照して、地域区分に応じた飛来塩分量の測定を省略してよい地域としてリストされた離岸距離を設定すれば良い。
次に、図4のように緯度経度を地図から読み取って入力するか、地図ソフトから出力させ、腐食減耗予測ソフトとそれを共有化させる。すると、気象官署データベース検索ルーチンのパネル上に、図5のように該当する位置が赤丸で表示されるので、その近隣の気象官署データを検索・選定する。これにより、計算に必要な年平均気温(T)、年平均湿度(RH)、年平均風速(W)等のデータが自動的に設定される。
そして、地図ソフトを用いて、該当する近隣の地域での人工密集度・近隣の地域特性・自動車の交通量の3項目の評点値を評価し、図6の硫黄酸化物量の推定を行う。
さらには、地図から最短離岸距離約600m、建設条件から設置高さ約10mと読み取り、周囲も平野であることに配慮し、図7の飛来塩分量の推定シミュレーションルーチンにて飛来塩分量の推定を行う。
これらの操作により図8に示す条件設定パネルへのデータ入力が完了し、TOW値、Z値等が自動計算される。次に、予測計算を行うよう「予測」ボタンをクリックして指示すると、図9のように、この地点におけるJIS-SMA材についての予測腐食減耗曲線が描かれる。
ここで、図10に示すパネルにて、JIS-SMA材とは別種の任意の耐候性合金指標V値を、前記の別種の合金成分から(非特許文献1)の方法等を用いて計算し、任意鋼材のA値及びB値に換算することで、JIS-SMA材とは異なる任意成分のニッケル系高耐候性鋼の腐食挙動も予測できる(図11)。
そしてさらには、前述のさび安定化表面処理適用により、将来の腐食減耗量を低減させることをシミュレーションにより可視化することもできる(図12)。
以上のシミュレーション結果により、この場所の無塗装橋梁を建設する可否については、 Y(X=100) ≦0.5mmをもとに、3%Ni-0.4%Cuのニッケル系高耐候性鋼の適用が可能と判断でき、さび安定化表面処理(ラスコールN)を適用すればさらに超長期のミニマムメンテナンス化が期待できると判定することができる。
このように、地図情報があれば、各種耐候性鋼材の腐食減耗予測が可能となり、最適材料選定作業がきわめて効率的に行うことが可能となった。
また、この様な計算結果の提示サービスと連動することで、耐候性鋼の営業方法は、飛躍的に効率化できる。
さらには、この方法にて建設前に事前検討することで、耐候性鋼橋梁の長期耐久化をより確実に実現することができ、LCCミニマム化を実現する確実性が飛躍的に向上するというメリットが享受できる。
なお、ここでは日本国内での例を示したが、基本原理は全世界共通であり、本願発明の適用範囲は日本国内に限定されるものではない。
図13は、以上説明した手法を利用した耐候性鋼の腐食減耗量予測装置を構成可能なハードウェア構成の一例を示す図である。同図に示すように、CPU651と、ROM652と、RAM653と、キーボード(KB)659のキーボードコントローラ(KBC)655と、表示部としてのディスプレイ(CRT)660のディスプレイコントローラ(CRTC)656と、ハードディスク(HD)661及びフレキシブルディスク(FD)662のディスクコントローラ(DKC)657と、ネットワー670との接続のためのネットワークインターフェースコントローラ(NIC)658とが、システムバス654を介して互いに通信可能に接続されて構成されている。
CPU651は、ROM652或いはハードディスク661に記憶されたソフトウェア、或いはFD662より供給されるソフトウェアを実行することで、システムバス654に接続された各構成部を総括的に制御する。すなわち、CPU651は、所定の処理シーケンスに従った処理プログラムを、ROM652、或いはハードディスク661、或いはフレキシブルディスク662から読み出して実行することで、前記本実施形態での動作を実現するための制御を行う。RAM653は、CPU651の主メモリ或いはワークエリア等として機能する。
キーボードコントローラKBC655は、キーボードKB659や図示していないポインティングデバイス等からの指示入力を制御する。ディスプレイコントローラ656は、ディスプレイ660の表示を制御する。ディスクコントローラ657は、ブートプログラム、種々のアプリケーション、編集ファイル、ユーザファイル、ネットワーク管理プログラム、及び本実施形態における所定の処理プログラム等を記憶するハードディスク661及びフレキシブルディスク662とのアクセスを制御する。
ネットワークインターフェースコントローラ658は、ネットワーク670上の装置或いはシステムと双方向にデータをやりとりする。
かかるコンピュータシステムにおいて、CPU651等が本発明でいう各手段の機能を実行するものである。
なお、前記実施形態において示した各部の形状及び構造は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本発明の実施形態における処理を説明するためのフローチャートである。 硫黄酸化物発生強度指標ISと実測された硫黄酸化物量との相関図である。 λパラメータの正規確率プロットを示す特性図である。 モデルケースとして想定した場所(□)の地図ソフト出力例を示す図である。 地図ソフトからの緯度・経度情報を共有化させた気象官署データベース検索・選定ルーチンを示す図である。 地図から地域条件を読んで評点付けを行うことができる,硫黄酸化物量の推定ルーチンを示す図である。 地図や建設条件から読みとった離岸距離と高さ情報をもとにした飛来塩分量推定ルーチンを示す図である。 環境条件設定項目一覧とZ値及びTOW値の計算ルーチンを示す図である。 正規分布化に配慮したJIS-SMA材の予測腐食減耗曲線を示す特性図である。 任意合金成分の耐候性合金指標V値の計算とA比B比への換算ルーチンを示す図である。 正規分布化に配慮したニッケル系高耐候性鋼の予測腐食減耗曲線を示す特性図である。 ニッケル系高耐候性鋼にさび安定化表面処理を適用した場合の正規分布化に配慮した予測腐食減耗曲線を示す特性図である。 耐候性鋼の腐食減耗量予測装置を構成可能なハードウェア構成の一例を示す図である。
符号の説明
651 CPU
652 ROM
653 RAM
654 システムバス
655 キーボードコントローラ
656 ディスプレイコントローラ
657 ディスクコントローラ
658 ネットワークインターフェースコントローラ
659 キーボード
660 ディスプレイ
661 ハードディスク
662 フレキシブルディスク
670 ネットワーク

Claims (15)

  1. 電子計算機を用いて、裸使用又は表面処理使用で用いる耐候性鋼の使用予定位置における気象観測データ、硫黄酸化物量、飛来塩分量を含む外因性の腐食情報、及び前記耐候性鋼の成分に関する内因性の腐食情報から、任意の経過年数時点での、前記耐候性鋼の腐食減耗量を予測する方法であって、
    耐候性鋼の使用予定位置近傍の地域特性を地図により定性的に読み取り、少なくとも人工密集度、近隣の地域特性、自動車の交通量の3項目の評点値を用いて、硫黄酸化物量を推定することを特徴とする耐候性鋼の腐食減耗量予測方法。
  2. 人工密集度、近隣の地域特性、自動車の交通量の3項目の評点値を用いて、下式(1)により、硫黄酸化物量を推定することを特徴とする請求項1に記載の耐候性鋼の腐食減耗量予測方法。
  3. さらに、耐候性鋼の使用予定位置における大気中の飛来塩分量を、下式(2)〜(5)により推算することを特徴とする請求項1又は2に記載の耐候性鋼の腐食減耗量予測方法。
  4. 基準とする耐候性鋼がJIS G3114に記載のSMA耐候性鋼の場合、該耐候性鋼の腐食減耗量範囲を、下式(6)〜(12)を用いて予測することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐候性鋼の腐食減耗量予測方法。
  5. 基準とする耐候性鋼であるJIS G3114に記載のSMA耐候性鋼とは別種の耐候性鋼の腐食減耗量範囲を予測する際に、該別種の耐候性鋼のパラメータA値及びB値に変換された値を用いることを特徴とする請求項4に記載の耐候性鋼の腐食減耗量予測方法。
  6. 表面処理を施した耐候性鋼の場合、表面処理皮膜の劣化期間は耐候性鋼の腐食減耗は起こらず、それ以降に耐候性鋼の腐食減耗が起こるとし、かつ表面処理を施した耐候性鋼のパラメータA値及びB値に変換された値を用いることを特徴とする請求項4又は5に記載の耐候性鋼の腐食減耗量予測方法。
  7. 情報の入力手段と、前記入力手段から入力された、裸使用又は表面処理使用で用いる耐候性鋼の使用予定位置における気象観測データ、硫黄酸化物量、飛来塩分量を含む外因性の腐食情報、及び前記耐候性鋼の成分に関する内因性の腐食情報を用いて、任意の経過年数時点での、前記耐候性鋼の腐食減耗量を予測する演算手段とを備えた耐候性鋼の腐食減耗量予測装置であって、
    耐候性鋼の使用予定位置近傍の地域特性の評点を地図により定性的に読み取る手段と、
    前記地域特性の評点のデータを用いて使用予定位置における硫黄酸化物量を少なくとも人工密集度、近隣の地域特性、自動車の交通量の3項目の評点値を用いて、硫黄酸化物量を推定する演算手段とを備えたことを特徴とする耐候性鋼の腐食減耗量予測装置。
  8. 前記演算手段は、人工密集度、近隣の地域特性、自動車の交通量の3項目の評点値を用いて、下式(1)により、硫黄酸化物量を推定することを特徴とする請求項7に記載の耐候性鋼の腐食減耗量予測装置。
  9. さらに気象観測データ記憶手段と、耐候性鋼の使用予定位置の緯度・経度情報を地図から読み取る手段と、前記の位置情報から該位置における気象データを抽出する手段と、前記耐候性鋼の使用予定位置の情報、及び該位置における気象データの情報を用いて飛来塩分量を下式(2)〜(5)により推算する演算手段とを備えたことを特徴とする請求項7又は8に記載の耐候性鋼の腐食減耗量予測装置。
  10. 基準とする耐候性鋼がJIS G3114に記載のSMA耐候性鋼の場合、前記演算手段は、該耐候性鋼の腐食減耗量範囲を下式(6)〜(12)を用いて予測する推算することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の耐候性鋼の腐食減耗量予測装置。
  11. 基準とする耐候性鋼であるJIS G3114に記載のSMA耐候性鋼とは別種の耐候性鋼の腐食減耗量範囲を予測する際に、該別種の耐候性鋼のパラメータA値及びB値に変換することを特徴とする請求項10に記載の耐候性鋼の腐食減耗量予測装置。
  12. 表面処理を施した耐候性鋼の場合、表面処理皮膜の劣化期間は耐候性鋼の腐食減耗は起こらず、それ以降に耐候性鋼の腐食減耗が起こるとし、かつ表面処理を施した耐候性鋼のパラメータA値及びB値に変換する演算手段を備えたことを特徴とする請求項10又は11に記載の耐候性鋼の腐食減耗量予測装置。
  13. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の耐候性鋼の腐食減耗量予測方法を用いて使用予定候補の1種以上の耐候性鋼の予測腐食減耗量を計算する工程と、
    電子計算機を用いて前記予測腐食減耗量と設計供用期間における設計上の許容腐食量とを比較する工程とを有し、
    さらに前記電子計算機を用いて前記予測腐食減耗量が前記許容腐食量以下である耐候性鋼を適用可能な鋼種であると判断する工程を有することを特徴とする鋼構造物適用鋼種の選定方法。
  14. 請求項13に記載の鋼構造物適用鋼種の選定方法により選定されたことを特徴とする鋼構造物適用鋼材。
  15. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の耐候性鋼の腐食減耗量予測方法を用いて使用予定候補の1種以上の耐候性鋼の予測腐食減耗量を計算する工程と、
    顧客が耐候性鋼の使用を予定している使用予定位置情報を電子計算機に入力する工程と、
    前記電子計算機が前記予測腐食減耗量と設計供用期間における設計上の許容腐食量とを比較する工程と、
    前記電子計算機を用いて前記予測腐食減耗量が前記許容腐食量以下である耐候性鋼を適用可能な鋼種であると判断して鋼構造物適用鋼種を選定する工程と、
    前記電子計算機で選定された鋼構造物適用鋼種の結果を前記顧客に提示する工程とを有することを特徴とする耐候性鋼の営業方法。
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