JP2004169849A - シールリング及びシールリング付転がり軸受ユニット - Google Patents

シールリング及びシールリング付転がり軸受ユニット Download PDF

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Abstract

【課題】厳しい環境下で使用する場合でも、摩擦トルクを抑えつつ、良好なシール性能を長期間に亙り確保し、更に、耐久性の向上を図る。
【解決手段】3本のシールリップのうち、外側シールリップの先端縁と、スリンガ16の外側面との摺接部のピッチ線Pを軸方向から見た場合の形状を、芯金の外周面に設けた嵌合部の外接円と、このスリンガ16の内周面に設けた嵌合部35の内接円との中心軸xに対して、δ ずれた位置o をその中心とする円とする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば自動車等の車両の車輪を懸架装置に支持する為の転がり軸受ユニットの開口端部を塞ぐシールリングの改良に関する。具体的には、シール性能、即ち、転動体を設置した内部空間内への泥水等の異物の侵入を防止すると共に、この内部空間内に封入したグリースが外部に漏出するのを防止する性能を向上させ、更に、低摩擦化、低摩耗化を図るものである。そして、燃費性能や加速性能を中心とする車両の走行性能を向上させると共に、上記転がり軸受ユニットの保守・管理の簡略化を図る事を目的とするものである。
【0002】
【従来の技術】
各種機械装置の回転支持部に、玉軸受、円筒ころ軸受、円すいころ軸受等の転がり軸受が組み込まれている。この様な転がり軸受にはシールリングを組み込んで、この転がり軸受の内部空間に封入したグリースが外部に漏洩する事を防止すると共に、外部に存在する雨水、泥、塵等の各種異物が転がり軸受の内部に入り込む事を防止している。図21は、この様なシールリングを備えた、シールリング付転がり軸受ユニットの1例として、自動車の駆動輪を懸架装置に回転自在に支持する為の構造を示している。
【0003】
上記シールリング付転がり軸受ユニットは、外輪相当部材に相当する外輪1と、内輪相当部材に相当するハブ2と、それぞれが転動体である複数個の玉3、3とから成る。このうちのハブ2は、ハブ本体4と内輪素子5とを組み合わせて成る。又、上記各玉3、3は、上記外輪1の内周面に形成した複列の外輪軌道6、6と、上記ハブ2の外周面に形成した複列の内輪軌道7、7との間に、それぞれ複数個ずつ、転動自在に設けている。使用時、即ち自動車の懸架装置に車輪を回転自在に支持する際には、上記外輪1を懸架装置を構成するナックル8に固定すると共に、上記ハブ本体4に設けた取付フランジ9に車輪を結合固定する。又、図21に示す構造は、駆動輪を支持する為の構造であるので、このハブ本体4の中心部に設けたスプライン孔10に、等速ジョイント11に付属のスプライン軸12を係合させる。
【0004】
上述の様なシールリング付転がり軸受ユニットのうちで、上記各玉3、3を設置した内部空間13にはグリースを封入して、これら各玉3、3の転動面と、上記各外輪軌道6、6及び内輪軌道7、7との転がり接触部を潤滑する様にしている。又、上記外輪1の両端部内周面と、上記内輪素子5の内端(軸方向に関して内とは、車両への組み付け状態で車両の幅方向中寄りとなる側、即ち、図21では右側を言う。これに対して、車両の幅方向外寄りとなる側、即ち、図21では左側を外と言う。本明細書全体で同じ。)部外周面及び上記ハブ本体4の中間部外周面との間には、それぞれシールリング14a、14bを設けて、上記内部空間13の両端開口部を塞いでいる。
【0005】
上記両シールリング14a、14bのうち、上記内部空間13の内端開口部を塞ぐシールリング14aは、特許文献1に記載された構造と同様の構造を有するもので、図22に示す様に構成している。このシールリング14aは、組み合わせシールリングと呼ばれるもので、芯金15と、スリンガ16と、シール材17とから成る。このうちの芯金15は、低炭素鋼板等の金属板にプレス加工等の打ち抜き加工並びに塑性加工を施す等により、一体成形している。この様な芯金15は、上記外輪1の内端部内周面に内嵌固定自在な外径側円筒部18と、この外径側円筒部18の軸方向外端縁(図22の左端縁)から直径方向内方に折れ曲がった外側円輪部19とを備えたもので、断面略L字形で全体を円環状に形成している。
【0006】
又、上記スリンガ16は、ステンレス鋼板等の金属板に、やはりプレス加工等の打ち抜き加工並びに塑性加工を施す事により、一体成形している。この様なスリンガ16は、前記内輪素子5の内端部外周面に外嵌固定自在な内径側円筒部20と、この内径側円筒部20の軸方向内端縁(図22の右端縁)から直径方向外方に折れ曲がった内側円輪部21とを備えたもので、断面L字形で全体を円環状に形成している。そして、上記芯金15に設けた外径側円筒部18の外周面を、上記外輪1の内端部に内嵌固定する為の嵌合部34とすると共に、上記スリンガ16に設けた内径側円筒部20の内周面を、上記内輪素子5の内端部に外嵌固定する為の嵌合部35としている。
【0007】
又、前記シール材17は、ゴムの如きエラストマー等の弾性材により造られて、外側、中間、内側の3本のシールリップ22〜24を備え、前記芯金15にその基端部を結合固定している。そして、前記内部空間13の内外方向に関して、最も外側に位置する外側シールリップ22の先端縁を、前記スリンガ16を構成する内側円輪部21の外側面に全周に亙って摺接させ、残り2本のシールリップである、中間、内側両シールリップ23、24の先端縁を、上記スリンガ16を構成する内径側円筒部20の外周面に全周に亙って摺接させている。
【0008】
一方、上記内部空間13の外端開口部を塞ぐシールリング14bは、図23に示す様に構成しており、芯金25とシール材26とから成る。このうちの芯金25は、低炭素鋼板等の金属板にプレス加工等の打ち抜き加工並びに塑性加工を施す事により、一体成形している。この芯金25は、前記外輪1の外端部内周面に内嵌固定自在な円筒部27と、この円筒部27の軸方向外端縁(図23の左端縁)から直径方向内方に折れ曲がった、断面大略S字形で全体を円環状に形成した支持板部28とを備える。このうちの円筒部27の自由状態に於ける外径は、上記外輪1の外端開口部の内径よりも僅かに大きくする事により、この円筒部27をこの外輪1の外端部に締り嵌めで内嵌固定自在としている。そして、この円筒部27の外周面を、この外輪1の外端部に内嵌固定する為の嵌合部37としている。
【0009】
又、上記シール材26は、ゴムの如きエラストマー等の弾性材により造られて、外側、中間、内側の3本のシールリップ29〜31を備え、上記芯金25にその基端部を結合固定している。そして、サイドリップと呼ばれる、最も外径側に、軸方向外方に突出する状態で設けられた外側シールリップ29の先端縁を、前記取付フランジ9の基端部内側面に全周に亙って摺接させ、残り2本のシールリップ30、31の先端縁を、この基端部内側面と前記ハブ本体4の中間部外周面との連続部乃至この中間部外周面に、全周に亙って摺接させている。
【0010】
上記内部空間13の両端開口部を、それぞれ上述の様なシールリング14a、14bで塞ぐ事により、上記内部空間13内に泥水等の異物が入り込む事を防止すると共に、この内部空間13内に封入したグリースが外部に漏洩する事を防止する。
【0011】
一方、上述の様な、自動車の車輪を支持する為のシールリング付転がり軸受ユニットは、泥水や融雪剤等の塩分を含んだ水に曝された状態で使用される事がある。この為、上記各シールリング14a、14bには、耐泥塩水性、具体的には、密封性、耐摩耗性、耐食性等を十分に確保する事が要求される。特に、図示の例の様に、各シールリング14a、14bを構成するシール材17、26が複数のシールリップ22〜24、29〜31を有するものである場合には、前記内部空間13の内外方向に関して、最も外側に位置する外側シールリップ22、29が、泥水等の異物に直接曝される。この為、これら各外側シールリップ22、29の先端縁と相手面との摺接部の摺接状態が、他のシールリップ23、24、30、31に関する摺接部の場合よりも厳しくなる。従って、上記各外側シールリップ22、29に関する摺接部の密封性能を、特に向上させる必要がある。
【0012】
又、従来構造の場合、上記各シールリング14a、14bに設けた外側シールリップ22、29の先端縁と相手面との摺接部のピッチ線(摺接部が線状である場合にはその線、摺接部が幅を持つ面状である場合には、この摺接部の幅方向中央位置を結ぶ線を言う。本明細書全体で同じ。)Pを軸方向から見た場合の形状を、上記各シールリング14a、14bを構成する芯金15、25の外周面に設けた嵌合部34、37の外接円と同心の円としている。例えば、図22に示した、上記内部空間13の内端開口部を塞ぐシールリング14aの場合には、外側シールリップ22の先端縁と、相手面であるスリンガ16の外側面との摺接部のピッチ線Pを軸方向(図22の左右方向)から見た場合の形状を、芯金15の外周面に設けた嵌合部34の外接円の中心軸x上に位置する点o をその中心とする、半径がr の円としている。そして、上記ピッチ線Pを軸方向から見た場合の形状を、上記嵌合部34の外接円と同心の円としている。尚、本発明に関連する先行技術文献として、特許文献1の他に、特許文献2〜4が存在する。
【0013】
【特許文献1】
特開平10−252762号公報
【特許文献2】
特開昭62−283261号公報
【特許文献3】
実開平3−86250号公報
【特許文献4】
実開平2−127859号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述した様に、従来から知られているシールリング付転がり軸受ユニットの場合には、各シールリング14a、14bに設けた外側シールリップ22、29の先端縁と相手面との摺接部のピッチ線Pを軸方向から見た場合の形状を、上記各シールリング14a、14bに設けた芯金15、25の嵌合部34、37の外接円と同心の円としている。この為、使用時に、上記相手面が上記先端縁に対し回転するにも拘らず、この相手面の円周方向一部の1点に対し、この先端縁の全周部分が常に摺接し続ける。従って、この相手面の上記摺接部部分での摩耗が進行し、この相手面に対する上記先端縁の締め代が減少して、上記各シールリング14a、14bのシール性能が低下し易くなる。
【0015】
特に、上記シールリング付転がり軸受ユニットを泥水等の異物に曝される状態で使用する場合には、研摩作用がある泥粒等の硬質粒子の存在により、シール材17、26の先端縁と摺接する相手面である、スリンガ16やハブ2の表面のアブレッシブ摩耗、即ち、摺接部に硬質粒子を介在させた状態での摩耗(三元アブレッシブ摩耗とも呼ばれる。)が生じ易くなる。この様なアブレッシブ摩耗では、軟らかい部材の表面にその一部が食い込んだ状態でこの表面に保持された硬質粒子が、この軟らかい部材の表面に摺接する硬い部材の表面を摩耗させる。そして、この様なアブレッシブ摩耗では、上記シール材17、26よりも硬い、金属製のスリンガ16やハブ2の摩耗量が、このシール材17、26の摩耗量と同等か、それ以上になる可能性がある。この様に、シールリング付転がり軸受ユニットを泥水等の異物に曝される状態で使用する場合には、スリンガ16やハブ2の摩耗量が更に多くなる。この為、上記シール材17、26の先端縁が摩耗する事と相俟って、上記各シールリング14a、14bのシール性能が更に低下し易くなる。
【0016】
これに対して、上記各シール材17、26の先端縁の相手面に対する締め代の設定値(初期締め代)を大きくする事により、この先端縁や相手面が摩耗して締め代が減少する場合でも、上記シール性能を確保する事も考えられるが、この場合には、摩擦トルクが大きくなり、発熱やエネルギ損失が増大する原因となる。又、上記初期締め代が大きくなると、当該摺接部での当接圧が増大する為、上記先端縁や相手面の摩耗が更に大きくなったり、上記各シール材17、26がへたる事により、上記各シールリング14a、14bの耐久性が悪化する可能性がある。
【0017】
又、上記特許文献2、3に記載されたシールリングの場合には、ラビリンスシールを設ける事により、外側シールリップの先端縁と相手面との摺接部に泥水を侵入しにくくしている。又、上記特許文献4に記載されたシールリングの場合には、シールリップの数を増やして、シール性能の向上を図っている。但し、上記特許文献2、3に記載された構造の場合には、転がり軸受ユニットが回転を停止した状態でラビリンスシールの効果が発揮されない。又、ラビリンスシールのシール性能を確保する為には隙間を十分に小さく設定する必要があるが、シールリングの寸法や、このシールリングを組み付けるハブユニットの内、外両輪の中心軸同士の間の不可避的なずれ(芯ずれ)等を考慮すると、ラビリンスシールの隙間をあまり小さくは設定できない。この為、上記特許文献2、3に記載された構造の場合には、上記摺接部への泥水の侵入を防止して、良好なシール性能を長期間に亙り確保する事が難しい。又、上記特許文献4に記載された構造の場合には、シール性能は向上するが、摩擦トルクが増大すると言った不都合が生じる。
本発明のシールリング及びシールリング付転がり軸受ユニットは、この様な事情に鑑みて、泥水等の異物に曝される様な厳しい環境下で使用する場合でも、摩擦トルクを抑えつつ、良好なシール性能を長期間に亙り確保し、更に、耐久性の向上を図るべく発明したものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明のシールリングとシールリング付転がり軸受ユニットとのうち、請求項1及び請求項2に記載したシールリングは、何れも前述した従来から知られているシールリングと同様に、外周端部又は内周端部に設けられた、他の部材に嵌合させる為の嵌合部と、弾性材により全体を円環状に造られたシールリップとを備え、このシールリップの先端縁を、側方に存在する相手面に全周に亙り摺接させる。
【0019】
特に、請求項1に記載したシールリングに於いては、これら先端縁と相手面との摺接部のピッチ線を軸方向から見た場合の形状を、上記嵌合部の外接円又は内接円に対し偏心した円としている。
【0020】
又、請求項2に記載したシールリングの場合には、上記先端縁と相手面との摺接部のピッチ線を軸方向から見た場合の形状を、非円形としている。
【0021】
更に、請求項3に記載したシールリング付転がり軸受ユニットは、やはり前述した従来から知られているシールリング付転がり軸受ユニットと同様に、内周面に外輪軌道を有する外輪相当部材と、外周面に内輪軌道を有する内輪相当部材と、これら外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、上記外輪相当部材の内周面と上記内輪相当部材の外周面との間に存在して上記各転動体を設置した空間の端部開口を塞ぐシールリングとを備える。
特に、請求項3に記載したシールリング付転がり軸受ユニットに於いては、このシールリングが、請求項1又は請求項2に記載したシールリングである。
尚、上記シールリング付転がり軸受ユニットには、請求項4に記載した様に、外輪相当部材と内輪相当部材とのうちの一方の部材で使用時に回転する部材が、使用時に車輪を結合固定するハブであり、上記外輪相当部材と内輪相当部材とのうちの他方の部材で使用時にも回転しない部材が、懸架装置に支持される静止輪である、所謂ハブユニットを含む。
【0022】
【作用】
上述の様に構成する本発明のシールリング及びシールリング付転がり軸受ユニットによれば、前述した従来構造の問題点の何れも改良できる。
即ち、本発明のシールリングによれば、シールリップの先端縁が相手面を、嵌合部の中心軸を中心とする径方向に往復変位しつつ摺接する。そして、この先端縁が上記相手面に対し1回転する間での、これら先端縁と相手面との摺接部が、上記径方向に関する所定の幅を持つ円環状となる。この為、この相手面の円周方向一部の1点を、上記先端縁の全周部分が摺接し続ける事を抑えて、この相手面の摩耗を抑える事ができる。従って、この相手面に対するこの先端縁の締め代の減少量を抑える事ができ、シールリング及びこれを組み込んだシールリング付転がり軸受ユニットを、泥水等の異物に曝される様な厳しい環境下で使用する場合でも、良好なシール性能を長期間に亙り確保できる。又、上記締め代の減少量を抑える事ができる為、この締め代の設定値(初期締め代)を小さく設定できて、摩擦トルクの低減及び耐久性の向上を図れる。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1〜2は、請求項1、3、4に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、それぞれが転動体である複数の玉3、3を設けた内部空間13(図21参照)の内端部を塞ぐシールリング14aに設けた外側シールリップ22aの先端縁と、相手面であるスリンガ16の外側面との摺接部の位置を規制する事により、前述した従来構造の問題点を改良する点にある。その他の部分の構成及び作用は、前述の図21〜22に示した従来構造とほぼ同様であるから、転がり軸受ユニット部分に関しては図示を省略すると共に、図示したシールリング14a部分に関しても、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略し、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
【0024】
本例の場合には、上記シールリング14aを構成するシール材17に設けた各シールリップ22a、23、24の先端縁を、上記スリンガ16の外側面及び外周面に、全周に亙って摺接させている。又、本例の場合には、これら各シールリップ22a、23、24のうち、外側シールリップ22aの先端縁と上記スリンガ16の外側面との摺接部のピッチ線Pを軸方向(図1の左右方向、図2の表裏方向)から見た場合の形状を、上記芯金15の外周面に設けた嵌合部34の外接円の中心軸x上の点から、図1、2の上側にδ ずれた位置o をその中心とする、半径がr の円としている。そして、上記摺接部のピッチ線Pを軸方向から見た場合の形状を、上記嵌合部34の外接円に対し、図1、2の上側にδ だけ偏心した円としている。この様に構成する為に、本例の場合には、上記外側シールリップ22aの自由状態で、上記中心軸xを中心とする径方向に関する長さを、円周方向一部(図1、2の下側部分)で最小になると共に、この一部と径方向反対側部分(図1、2の上側部分)で最大になる様に、円周方向に変化させている。又、上記嵌合部34の外接円の中心軸xは、上記スリンガ16の内周面に設けた嵌合部35の内接円の中心軸xと一致させている。又、本例の場合には、上記摺接部が線状となっている。
【0025】
上述の様に構成する本例のシールリング及びこれを組み込んだシールリング付転がり軸受ユニットの場合には、外側シールリップ22aの先端縁がスリンガ16の外側面を、芯金15の外周面に設けた嵌合部34の外接円の中心軸xを中心とする径方向に、2δ の大きさの範囲で往復変位しつつ摺接する。そして、上記先端縁が上記スリンガ16の外側面に対し1回転する間での、これら先端縁と外側面との摺接部が、図2に示す様に、2個の同心円a、bによりその径方向に関する幅を2δ に規制される、円環状となる。従って、上記外側面の円周方向一部の1点を、上記先端縁の全周部分が摺接し続ける事をなくせる。
【0026】
例えば、図1、2に示す状態で、上記外側シールリップ22aの先端縁の上端部は、上記スリンガ16の外側面に、図1、2の点Aで摺接する。この点Aは、上記中心軸xから径方向に(r +δ )離れた位置に存在する。これに対して、図1、2に示す状態から、上記スリンガ16の外側面が上記外側シールリップ22aの先端縁に対し1/2回転した場合には、このスリンガ16の外側面で上記点Aに対応する円周方向一部が、上記外側シールリップ22aの先端縁と、図1、2の点Bに相当する位置で摺接する。この点Bは、上記点Aよりも内径側に2δ 分だけずれた、上記中心軸xから径方向に(r −δ )離れた位置に存在する。この様に、本例の場合には、上記スリンガ16の外側面の円周方向一部の1点を、上記先端縁の全周部分が摺接し続ける事をなくせる為、この外側面の摩耗を抑える事ができる。この結果、この外側面に対する上記先端縁の締め代の減少量を抑える事ができ、シールリング及びこれを組み込んだシールリング付転がり軸受ユニットを、泥水等の異物に曝される様な厳しい環境下で使用する場合でも、良好なシール性能を長期間に亙り確保できる。又、上記締め代の減少量を抑える事ができる為、この締め代の設定値(初期締め代)を小さく設定できて、摩擦トルクの低減及び耐久性の向上を図れる。
【0027】
次に、図3は、やはり請求項1、3、4に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、上述した第1例で、シールリング14aを構成するシールリップを、外側シールリップ22aと内側シールリップ24との2本のみとして、中間シールリップ23(図1参照)を省略している。
【0028】
この様な本例の場合には、シールリップ22a、24の本数が少ない分、上述した第1例の場合よりもシール性能が劣る。但し、第1例で説明した様に、上記スリンガ16の外側面の摩耗を抑える事ができる為、上記シールリング14aのシール性能を実用上十分に確保できる。しかも、上記シールリップ22a、24の本数が少ない分、摩擦トルクの更なる低減を図れる。
その他の部分の構成及び作用は、上述した第1例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して、重複する説明は省略する。
【0029】
次に、図4は、やはり請求項1、3、4に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例は、転がり軸受ユニットの内部空間13の外端部を塞ぐ為のシールリング14bに、請求項1に係る発明を適用している。即ち、本例の場合には、このシールリング14bを構成する外側シールリップ29aの先端縁と、ハブ2の外端部に設けた取付フランジ9の内側面との摺接部のピッチ線Pを軸方向から見た場合の形状を、芯金25の外周面に設けた、外輪1の外端部に内嵌する為の嵌合部37の外接円に対し偏心した円としている。具体的には、上記ピッチ線Pを軸方向から見た場合の形状を、この嵌合部37の外接円の中心軸x上の点から、図4の上側にδ ずれた位置o をその中心とする、半径がr である円としている。尚、図4に二点鎖線で示した外側シールリップ29aは、実線で示した外側シールリップ29aの断面部分と径方向反対側の位置の断面部分の外形及びこの断面部分の先端縁と相手面との摺接位置を表している(二点鎖線で示すシールリップに就いて、後述する図5〜11で同様とする)。又、上記嵌合部37の外接円の中心軸xと、上記ハブ2の中間部外周面で、上記取付フランジ9の内側面と軸方向外側の内輪軌道7との間部分に設けた円筒部39の外接円の中心軸xとを、互いに一致させている。
【0030】
この様な本例の場合には、上記外側シールリップ29aの先端縁が上記取付フランジ9の内側面を、上記中心軸xを中心とする径方向に、2δ の大きさの範囲で往復変位しつつ摺接する。この為、上記取付フランジ9の内側面の円周方向一部の1点を、上記外側シールリップ29aの先端縁の全周部分が摺接し続ける事をなくして、上記取付フランジ9の内側面の摩耗を抑える事ができる。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図1〜2に示した第1例及び図21、23に示した従来構造と同様である為、同等部分には同一符号を付して、重複する説明は省略する。
【0031】
尚、本例の場合には、各シールリップ29a、30、31のうち、中間に位置する中間シールリップ30の先端縁が、取付フランジ9の基端部内側面とハブ本体4の中間部外周面との連続部である曲面部40に摺接している。但し、この中間シールリップ30の先端縁を、上記取付フランジ9の内側面で、中心軸xに対し直交する仮想平面と一致する平面部分に摺接させる事もできる。そして、この様にした場合に、上記中間シールリップ29aの先端縁と上記取付フランジ9の内側面との摺接部を軸方向から見た場合の形状を、前記嵌合部37の外接円に対し偏心した円とすれば、摩擦トルクを抑えつつ、良好なシール性能をより長期間に亙り確保できる。
【0032】
次に、図5は、やはり請求項1、3、4に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、上述の図4に示した第3例で、外側シールリップ29bと中間シールリップ30aとの先端寄り部分内周面に、それぞれ副シールリップ41、42を設けている。この様な第4例の場合には、長期間の使用により外側シールリップ29b及び中間シールリップ30aの先端縁が摩耗してシール性能が低下する傾向となる場合に、上記各副シールリップ41、42が取付フランジ9の内側面とハブ本体4の外周面に設けた曲面部40とに、それぞれ摺接する。この為、上記第3例の場合よりも、良好なシール性能をより長期間に亙り確保できる。
その他の構成及び作用に就いては、上述の図4に示した第3例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して、重複する説明は省略する。
【0033】
尚、本例で設けた副シールリップ41、42と同様の副シールリップを、内側シールリップ31の先端寄り部分内周面や、前述の図1〜3に示した第1〜2例のシールリング14aに設けた各シールリップ22a、23、24の先端寄り部分内周面に設ける事もでき、この場合に本例と同程度、又は本例の場合よりも優れたシール性能を得られる事は勿論である。
【0034】
次に、図6は、やはり請求項1、3、4に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合には、ハブ本体4の外周面に形成した取付フランジ9の内側面中間部に突条43を、全周に亙って形成している。この突条43の内周面は、部分球状凹面、又はこの球状凹面の一部に接する部分円すい状凹面としている。特に好ましくは、上記突条43を、ハブ2の中心軸上で、1対の玉3の列の軸方向中央位置とほぼ一致する点である、自動車の旋回走行時等にハブ2の中心軸が外輪1の中心軸に対し傾斜する場合での傾斜中心o(図21参照)をその中心とする、曲率半径がRの部分球状凹面又はこの球状凹面の一部に接する部分円すい状凹面とする。又、上記外輪1の外端部外周面でこの突条43の内周面の外径寄り部分と対向する部分を、この内周面と同心で、この内周面の曲率半径よりも少しだけ小さな曲率半径を有する、部分球状凸面又はこの球状凸面の一部に接する部分円すい状凸面としている。そして、この部分球状凸面又は部分円すい状凸面と、上記突条43の内周面とを近接対向させて、当該部分にラビリンスシールを設けている。
【0035】
上述の様に、本例のシールリング及びこれを組み込んだシールリング付転がり軸受ユニットの場合には、上記突条43の先端部内周面と上記外輪1の外端部外周面との間に、ラビリンスシールを設けている。このラビリンスシールの隙間の大きさは、自動車の旋回走行時等に上記ハブ2の中心軸と外輪1の中心軸とが相対的に傾いた場合でも変化せず一定若しくはほぼ一定である。この為、上記隙間を小さくできて、ラビリンスシールに基づくシール性能を常に良好にできる。例えば、自動車の旋回走行時には、遠心力の作用に基づいて車輪から地面に加わる荷重の反力により、この車輪を支持したハブ2にモーメント荷重が加わる。この為、このハブ2の中心軸が上記外輪1の中心軸に対し僅かとは言え傾斜する。そして、上述の図4〜5に示した第3〜4例で、ハブ2の取付フランジ9の内側面の基端部に設けた平面部と、外輪1の外端面に設けた平面部とを近接対向させて、これら両平面部同士の間にラビリンスシールを設けた場合に、上記ハブ2の中心軸が上記外輪1の中心軸に対し傾斜すると、このラビリンスシールの隙間が円周方向一部で大きくなり、逆に、この一部と直径方向反対側で小さくなる。この為、上述の図4〜5に示した第3〜4例で、この様なラビリンスシールを設ける場合には、このラビリンスシールを構成する1対の平面部同士が接触する事を防止すべく、このラビリンスシールの隙間を大きめに設定する必要がある。但し、この様にラビリンスシールの隙間を大きくした場合には、ラビリンスシールのシール性能が低下する。これに対して本例の場合には、ラビリンスシールの隙間の大きさを、ハブ2の中心軸と外輪1の中心軸とが相対的に傾いた場合でも変化せず一定若しくはほぼ一定にできる。この為、このラビリンスシールの隙間を小さく設定でき、常に良好なシール性能を得られる。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図4に示した第3例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。尚、本例の様に、取付フランジ9の内側面と外輪1の外端部外周面との間に設けたラビリンスシールを、上述の図5に示した第4例で設ける事ができる事は勿論である。
【0036】
次に、図7〜8は、やはり請求項1、3、4に対応する、本発明の実施の形態の第6〜7例を示している。このうちの図7に示した第6例の場合には、前述の図4に示した第3例の構造で、シールリング14bを構成するシールリップを、外側シールリップ29aと内側シールリップ31との2本のみとして、中間シールリップ30(図4)を省略している。又、図8に示した第7例の場合には、前述の図5に示した第4例の構造で、シールリング14bを構成するシールリップを、外側シールリップ29bと内側シールリップ31との2本のみとして、中間シールリップ30a(図5)を省略している。この様な第6〜7例の場合には、中間シールリップ30、30aを省略している為、上述の図4〜5に示した第3〜4例の場合よりも摩擦トルクの更なる低減を図れる。
尚、この様な第6〜7例でも、上述の図6に示した第5例と同様に、取付フランジ9の内側面と外輪1の外端部外周面との間にラビリンスシールを設ける事ができ、その場合に常に良好なシール性能を得られる事は勿論である。
【0037】
次に、図9は、やはり請求項1、3、4に対応する、本発明の実施の形態の第8例を示している。本例の場合には、転がり軸受ユニットの内部空間13(図21参照)の内端部を塞ぐ為のシールリング44を、それぞれが芯金45、46及びシール材47、48から成る1対のシールリング49、50を組み合わせて成る、組み合わせシールリングとしている。即ち、これら1対のシールリング49、50のうち、一方(図9の左方)のシールリング49を構成するシール材47に設けたシールリップ51の先端縁を、他方(図9の右方)のシールリング50を構成する芯金46に設けた内径側円筒部52の外周面に摺接させている。又、この他方のシールリング50を構成するシール材48に設けた2本のシールリップ53、54のうち、外径側に位置するシールリップ54の先端縁を、上記一方のシールリング49を構成する芯金45に設けた外径側円筒部55の内周面に、内径側に位置するシールリップ53の先端縁を、上記一方のシールリング49を構成する芯金45に設けた外側円輪部56の内側面に、それぞれ摺接させている。又、上記他方のシールリング50に設けた内径側円筒部52の内周面を、内輪素子5(図21参照)の内端部に外嵌する為の嵌合部57とすると共に、上記一方のシールリング49に設けた外径側円筒部55の外周面を、外輪1(図21参照)の内端部に内嵌する為の嵌合部58としている。
【0038】
特に、本例の場合には、上記他方のシールリング50に設けたシールリップ53、54のうち、内径側に位置するシールリップ53の先端縁と、上記一方のシールリング49に設けた外側円輪部56の内側面との摺接部のピッチ線Pを軸方向から見た場合の形状を、上記他方のシールリング50に設けた内径側円筒部52の嵌合部57の内接円の中心軸から、図9の上側にδ ずれた位置をその中心とする円としている。そして、上記摺接部のピッチ線Pを軸方向から見た場合の形状を、上記嵌合部57の内接円に対し、図9の上側にδ 偏心した円としている。又、この嵌合部57の内接円と、上記一方のシールリング49に設けた外径側円筒部55の外接円との中心軸を、互いに一致させている。
【0039】
この様な本例の場合には、上記内径側に位置するシールリップ53の先端縁が上記一方のシールリング49に設けた外側円輪部56の内側面を、上記嵌合部57の内接円の中心軸を中心とする径方向に、2δ の大きさの範囲で往復変位しつつ摺接する。この為、この外側円輪部56の内側面の円周方向一部の1点を、この先端縁の全周部分が摺接し続ける事をなくして、上記外側円輪部56の内側面の摩耗を抑える事ができる。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図1〜2に示した第1例の場合と同様である為、重複する説明は省略する。
【0040】
次に、図10は、やはり請求項1、3、4に対応する、本発明の実施の形態の第9例を示している。本例の場合には、上述の図9に示した第8例の構造で、1対のシールリング49、50のうち、一方(図10の左方)のシールリング49を構成する芯金45にシール材を結合していない。この様な本例の場合には、このシール材を省略している為、シール性能が上記第8例の場合よりも劣る。但し、本例の場合も、第8例の場合と同様に、他方(図10の右方)のシールリング50に設けた、内径側のシールリップ53の先端縁と、一方のシールリング49に設けた外側円輪部56の内側面との摺接部の位置を規制している為、この外側円輪部56の内側面の摩耗を抑える事ができ、シール性能を実用上十分に確保できる。しかも、本例の場合には、上記一方のシールリング49からシール材を省略している為、上記第8例の場合よりも、摩擦トルクを低減できる。又、この一方のシールリング49を構成する芯金45の内径寄り部分に、加硫成形によりシール材を結合する必要がなくなる為、上記第8例の場合よりもコストの低減を図れる。
その他の構成及び作用に就いては、上述の図9に示した第8例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0041】
次に、図11は、本発明の実施の形態の第10例を示している。本例のシールリング59は、軸方向に隣接して設ける1対のシールリング60a、60bを組み合わせて成る。これら各シールリング60a、60bはそれぞれ、略円輪状の芯金61a、61bにシール材62a、62bを結合して成る。転がり軸受ユニットへの組み付け時には、一方(図11の左方)のシールリング60aの外周縁部に設けた嵌合部66を外輪相当部材の内周面に形成した係止溝に、他方(図11の右方)のシールリング60bの内周縁部に設けた嵌合部67を内輪相当部材の外周面に形成した係止溝に、それぞれ係止する。これと共に、上記一方のシールリング60aのシール材62aに設けた2本のシールリップ63、64のうち、外径側に位置するシールリップ63の先端縁を上記他方のシールリング60bの芯金61bの側面に、内径側に位置するシールリップ64の先端縁を上記内輪相当部材の外周面に、それぞれ摺接させる。又、上記他方のシールリング60bのシール材62bの外周寄り部分に設けたシールリップ65の先端縁を、上記外輪相当部材の内周面に摺接させる。
【0042】
特に、本例の場合には、上記一方のシールリング60aに設けたシールリップ63、64のうち、外径側に位置するシールリップ63の先端縁と、上記他方のシールリング60bに設けた芯金61bの側面との摺接部のピッチ線Pを軸方向から見た場合の形状を、上記一方のシールリング60aの外周縁部に設けた嵌合部66の外接円の中心軸から図11の上側にδ 偏心した円としている。又、この嵌合部66の外接円と、上記他方のシールリング60bに設けた嵌合部67の内接円との中心軸を、互いに一致させている。
【0043】
この様な本例の場合には、上記外径側に位置するシールリップ63の先端縁が上記他方のシールリング60bに設けた芯金61bの側面を、上記嵌合部66の外接円及び嵌合部67の内接円の中心軸を中心とする径方向に、2δ の大きさの範囲で往復変位しつつ摺接する。この為、上記芯金61bの側面の円周方向一部の1点を、この先端縁の全周部分が摺接し続ける事をなくして、この側面の摩耗を抑える事ができる。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図1〜2に示した第1例の場合と同様である為、重複する説明は省略する。
【0044】
次に、図12は、請求項2〜4に対応する、本発明の実施の形態の第11例を示している。尚、本例の特徴は、内部空間13(図21参照)の内端部を塞ぐシールリング14aに設けた3本のシールリップ22b、23、24のうち、外側シールリップ22bの先端縁と、相手面であるスリンガ16の外側面との摺接部の形状を規制する事により、前述した従来構造の問題点を改良する点にある。その他の部分の構成及び作用は、前述の図21〜22に示した従来構造とほぼ同様であるから、転がり軸受ユニット部分に関しては図示を省略すると共に、図示したシールリング14a部分に関しても、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略し、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
【0045】
本例の場合、上記シールリング14aを構成する各シールリップ22b、23、24の先端縁を、スリンガ16の外側面及び外周面に、全周に亙って摺接させている。又、上記各シールリップ22b、23、24のうち、外側シールリップ22bの先端縁の自由状態で、この先端縁を軸方向から見た場合の形状を、楕円としている。そして、芯金15及びシール材17とスリンガ16とを組み合わせた状態で、このスリンガ16の外側面と上記先端縁との摺接部のピッチ線Pを軸方向から見た場合の形状を、長径がd で短径がd である楕円としている。そして、このピッチ線Pの形状の非真円量{ピッチ線Pを軸方向から見た場合の形状(本例の場合の楕円)と、このピッチ線Pの外接円である真円aとの間での径方向のずれの最大値。以下同じ。}をt (=d /2−d /2)としている。又、本例の場合には、上記摺接部は線状となっている。尚、図12(A)で、二点鎖線で示したシールリップ22bは、実線で示したシールリップ22bの断面部分と90度位相がずれた断面部分の外形及びこの断面部分の先端縁とスリンガ16の内側面との摺接位置を表している。
【0046】
上述の様に構成する本例のシールリング及びこれを組み込んだシールリング付転がり軸受ユニットの場合には、上記摺接部のピッチ線Pを軸方向から見た場合の形状が、非円形となっている。この為、上記シールリップ22bの先端縁が上記スリンガ16の外側面を、上記スリンガ16の中心軸xを中心とする径方向に、非真円量t の大きさの範囲で往復変位しつつ摺接する。そして、上記先端縁が上記スリンガ16の外側面に対し1回転する間での、これら先端縁と外側面との摺接部が、図12に示す様に2個の同心円a、bによりその径方向の幅をt に規制される円環状となる。従って、上記スリンガ16の外側面の円周方向一部の1点を、上記先端縁の全周部分が摺接し続ける事をなくして、このスリンガ16の外側面の摩耗を抑える事ができる。この結果、この外側面に対する上記外側シールリップ22bの先端縁の締め代の減少量を抑える事ができ、シールリング及びこれを組み込んだシールリング付転がり軸受ユニットを、泥水等の異物に曝される様な厳しい環境下で使用する場合でも、良好なシール性能を長期間に亙り確保できる。又、上記締め代の減少量を抑える事ができる為、この締め代の設定値(初期締め代)を小さく設定できて、摩擦トルクの低減及び耐久性の向上を図れる。
【0047】
次に、図13は、やはり請求項2〜4に対応する、本発明の実施の形態の第12例を示している。本例の場合には、スリンガ16の外側面と外側シールリップ22cの先端縁との摺接部のピッチ線Pを軸方向から見た場合の形状を、それぞれの直径がd 、d である2個の同心円a、bの間部分で、円周方向に関して交互に半径が拡縮した波形形状としている。そして、この波形形状の非真円量をt (=d /2−d /2)としている。尚、図13(A)で、二点鎖線で示したシールリップ22cは、中心軸xから先端縁迄の半径方向に関する長さが最も小さい、d /2である断面部分での外形及びスリンガ16の外側面との摺接位置を表している。
【0048】
この様な本例の場合も、上述の図12に示した第11例の場合と同様に、上記摺接部のピッチ線Pを軸方向から見た場合の形状が、非円形となっている。この為、上記スリンガ16の外側面に対する上記外側シールリップ22cの先端縁の締め代の減少量を抑える事ができ、シールリング及びこれを組み込んだシールリング付転がり軸受ユニットを、泥水等の異物に曝される様な厳しい環境下で使用する場合でも、良好なシール性能を長期間に亙り確保できる。又、上記締め代のの設定値を小さく設定できて、摩擦トルクの低減及び耐久性の向上を図れる。尚、上記ピッチ線Pを軸方向から見た場合の形状に関して、円周方向に関する波形同士の間隔や、非真円量t は、シールリング14aの寸法等に応じて、任意に設定できる。
その他の構成及び作用に就いては、上述の図12に示した第11例の場合と同様である為、重複する説明は省略する。
【0049】
次に、図14は、やはり請求項2〜4に対応する、本発明の実施の形態の第13例を示している。本例の場合には、前述の図12に示した第11例のシールリング14aで、シールリップを、外側シールリップ22bと内側シールリップ24との2本のみとして、中間シールリップ23(図12参照)を省略している。その他の構成及び作用に就いては、前述の図3に示した第2例及び図12に示した第11例の場合と同様である為、重複する説明は省略する。
【0050】
次に、図15は、やはり請求項2〜4に対応する、本発明の実施の形態の第14例を示している。本例の場合には、転がり軸受ユニットの内部空間13の外端部を塞ぐシールリング14bで、各シールリップ29c、30、31のうち、外側シールリップ29cの先端縁と、ハブ2の外端部に設けた取付フランジ9の内側面との摺接部のピッチ線Pを軸方向から見た場合の形状を、長径がd で短径がd である楕円としている。そして、この楕円の非真円量を、t (=d /2−d /2)としている。尚、図15に二点鎖線で示したシールリップ29cは、実線で示したシールリップ29cの断面部分と90度位相がずれた断面部分の外形及びこの断面部分の先端縁と相手面との摺接位置を表している。
【0051】
この様な本例の場合も、前述の図12に示した第11例の場合と同様に、上記摺接部のピッチ線Pを軸方向から見た場合の形状が非円形となっている。この為、上記外側シールリップ29cの先端縁が上記取付フランジ9の内側面を、径方向にt の大きさの範囲で、往復変位しつつ摺接する。従って、取付フランジ9の内側面に対する外側シールリップ29cの先端縁の締め代の減少量を抑える事ができ、シールリング及びこれを組み込んだシールリング付転がり軸受ユニットを、泥水等の異物に曝される様な厳しい環境下で使用する場合でも、良好なシール性能を長期間に亙り確保できる。又、上記締め代の設定値(初期締め代)を小さく設定できて、摩擦トルクの低減及び耐久性の向上を図れる。
その他の構成及び作用は、前述の図21、23に示した従来構造及び図12に示した第11例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0052】
尚、上述の図14〜15に示した第13〜14例の構造で、外側シールリップ22b、29cの先端縁と相手面との摺接部のピッチ線Pを軸方向から見た場合の形状を、前述の図13に示した第12例の場合と同様に、円周方向に関して交互に半径が拡縮した波形形状とする事もできる。又、上述の図12〜15に示した第11〜14例は、外側シールリップ22b、22c、29cの先端縁と相手面との摺接部のピッチ線Pを軸方向から見た場合の形状を、楕円形、又は円周方向に関して交互に半径が拡縮した波形形状とした場合に就いて説明した。但し、請求項2に記載したシールリングは、上記摺接部のピッチ線Pを軸方向から見た場合の形状を、この様な形状に限定するものではなく、他の非円形の形状とする事もできる。例えば、この形状を、角を丸めた三角形や、角を丸めた矩形、同じく六角形や八角形の如き多角形等とする事もできる。又、前述の図5〜11に示した第4〜10例で、側方に向いたシールリップの先端縁29a、29b、53、63と相手面との摺接部のピッチ線Pを軸方向から見た場合の形状を、上述の図12〜15に示した第11〜14例の場合と同様に非円形とする事もできる。
【0053】
又、シールリング付転がり軸受ユニットの基本構造に関しては、前述の図21に示した様な内輪回転の構造に限らず、外輪回転の構造に適用する事もできる。更には、上記図21に示した様な、ハブ本体4に直接内輪軌道7を形成した、所謂第3世代のハブユニットに限らず、図16に示す様な、所謂第1世代のハブユニット、図17〜19に示す様な第2世代のハブユニットにも適用できる。更には、転動体として玉を使用した構造に限らず、図20に示す様な、転動体に円すいころを用いたハブユニットにも適用できる。勿論、第1世代、第3世代のハブユニットで転動体を玉から円すいころに変えた構造にも、本発明は適用可能である。又、アンチロックブレーキシステム(ABS)等を設ける場合に、上述した各例の芯金又はスリンガに、車輪の回転速度を検出する為のエンコーダを結合固定する事もできる。
【0054】
又、上述した各例で、シール材に用いられるゴム材料の種類は問わない。例えば、シールリング付転がり軸受ユニット部分での放電を緩和してラジオノイズを防止する面から、導電性ゴム材料を使用する事もできる。
【0055】
又、上述した各例は、本発明のシールリング付転がり軸受ユニットを、車輪を支持する為のハブユニットに適用した場合に就いて説明したが、本発明は、その他の転がり軸受に適用する事もできる。又、本発明のシールリング及びシールリング付転がり軸受ユニットの用途は、上述した様な自動車用に限定するものでもない。例えば、建設機械や、鉄道車両等の、泥水に曝される環境下での耐アブレッシブ摩耗性を確保する事が要求される用途に使用する、シールリング付転がり軸受ユニットに本発明を適用する事もでき、その場合にも上述した優れた効果を得られる。
【0056】
【発明の効果】
本発明のシールリング及びシールリング付転がり軸受ユニットは、以上に述べた通り構成され作用して、泥水等の異物に曝される様な厳しい環境下で使用する場合でも、摩擦トルクを抑えつつ、良好なシール性能を長期間に亙り確保でき、更に、シールリングの耐久性の向上を図れる。この為、例えば、車両の車輪支持用のシールリング付転がり軸受ユニットに適用した場合に、燃費性能や加速性能を中心とする上記車両の走行性能を向上できると共に、シールリング付転がり軸受ユニットの保守・管理の簡略化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す、図22と同様の図。
【図2】スリンガのみを取り出して、図1の左方から見た図。
【図3】本発明の実施の形態の第2例を示す、図1と同様の図。
【図4】同第3例を示す、図23と同様の図。
【図5】同第4例を示す、図4と同様の図。
【図6】同第5例を示す、図4と同様の図。
【図7】同第6例を示す、図4と同様の図。
【図8】同第7例を示す、図4と同様の図。
【図9】同第8例を示す、シールリングの部分断面図。
【図10】同第9例を示す、シールリングの部分断面図。
【図11】同第10例を示す、シールリングの部分断面図。
【図12】同第11例を、(A)は断面で、(B)は外側シールリップの先端縁とスリンガの側面との摺接部のピッチ線を軸方向から見た状態で、それぞれ示す図。
【図13】同第12例を示す、図12と同様の図。
【図14】同第13例を示す、図1と同様の図。
【図15】同第14例を示す、図4と同様の図。
【図16】本発明の対象となるシールリング付転がり軸受ユニットの第2例を示す断面図。
【図17】同第3例を示す断面図。
【図18】同第4例を示す断面図。
【図19】同第5例を示す断面図。
【図20】同第6例を示す断面図。
【図21】本発明の対象となるシールリング付転がり軸受ユニットの第1例を示す断面図。
【図22】図21のC部に組み付けている従来のシールリングの断面図。
【図23】同じくD部に組み付けている従来のシールリングの部分拡大断面図。
【符号の説明】
1 外輪
2 ハブ
3 玉
4 ハブ本体
5 内輪素子
6 外輪軌道
7 内輪軌道
8 ナックル
9 取付フランジ
10 スプライン孔
11 等速ジョイント
12 スプライン軸
13 内部空間
14a、14b シールリング
15、15a 芯金
16、16a スリンガ
17 シール材
18 外径側円筒部
19 外側円輪部
20 内径側円筒部
21 内側円輪部
22、22a〜22c 外側シールリップ
23 中間シールリップ
24 内側シールリップ
25、25a 芯金
26 シール材
27 円筒部
28 支持板部
29、29a〜29c 外側シールリップ
30 中間シールリップ
31 内側シールリップ
34 嵌合部
35 嵌合部
37 嵌合部
39 円筒部
40 曲面部
41 副シールリップ
42 副シールリップ
43 突条
44 シールリング
45 芯金
46 芯金
47 シール材
48 シール材
49 シールリング
50 シールリング
51 シールリップ
52 内径側円筒部
53 シールリップ
54 シールリップ
55 外径側円筒部
56 外側円輪部
57 嵌合部
58 嵌合部
59 シールリング
60a、60b シールリング
61a、61b 芯金
62a、62b シール材
63 シールリップ
64 シールリップ
65 シールリップ
66 嵌合部
67 嵌合部

Claims (4)

  1. 外周端部又は内周端部に設けられた、他の部材に嵌合させる為の嵌合部と、弾性材により全体を円環状に造られたシールリップとを備え、このシールリップの先端縁を、側方に存在する相手面に全周に亙り摺接させるシールリングに於いて、これら先端縁と相手面との摺接部のピッチ線を軸方向から見た場合の形状を、上記嵌合部の外接円又は内接円に対し偏心した円とした事を特徴とするシールリング。
  2. 外周端部又は内周端部に設けられた、他の部材に嵌合させる為の嵌合部と、弾性材により全体を円環状に造られたシールリップとを備え、このシールリップの先端縁を、側方に存在する相手面に全周に亙り摺接させるシールリングに於いて、これら先端縁と相手面との摺接部のピッチ線を軸方向から見た場合の形状を非円形とした事を特徴とするシールリング。
  3. 内周面に外輪軌道を有する外輪相当部材と、外周面に内輪軌道を有する内輪相当部材と、これら外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、上記外輪相当部材の内周面と上記内輪相当部材の外周面との間に存在して上記各転動体を設置した空間の端部開口を塞ぐシールリングとを備えたシールリング付転がり軸受ユニットに於いて、このシールリングが、請求項1又は請求項2に記載したシールリングである事を特徴とするシールリング付転がり軸受ユニット。
  4. 外輪相当部材と内輪相当部材とのうちの一方の部材で使用時に回転する部材が、使用時に車輪を結合固定するハブであり、上記外輪相当部材と内輪相当部材とのうちの他方の部材で使用時にも回転しない部材が、懸架装置に支持される静止輪である、請求項3に記載したシールリング付転がり軸受ユニット。
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