JP2004167916A - カラーレジストレーションずれの測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクの滲みに左右されない、常に適正なレジずれ量を測定する。
【解決手段】マゼンタのラインを印画した基準位置から記録紙を所定量搬送した測定位置に、シアン、マゼンタ、イエローの各色のラインをそれぞれ印画したテストパターンを取得する。各色のラインから濃度分布を測定し、各色の左側及び右側座標を特定する。基準位置の基準座標Pと、特定した各色の左側及び右側座標の距離を算出し、算出した距離からマゼンタラインの左側及び右側座標と、シアン、イエローの各色のラインの左側及び右側座標のずれ量を算出する。ここで、シアン及びイエローの各ラインの最高濃度値を境にした左側の濃度分布と右側の濃度分布が非対称であった場合には、落ち込んでいる側のずれ量に補正係数を乗じてそのずれ量を補正し、基準色とその他の色のずれ量を算出する。
【選択図】 図8
【解決手段】マゼンタのラインを印画した基準位置から記録紙を所定量搬送した測定位置に、シアン、マゼンタ、イエローの各色のラインをそれぞれ印画したテストパターンを取得する。各色のラインから濃度分布を測定し、各色の左側及び右側座標を特定する。基準位置の基準座標Pと、特定した各色の左側及び右側座標の距離を算出し、算出した距離からマゼンタラインの左側及び右側座標と、シアン、イエローの各色のラインの左側及び右側座標のずれ量を算出する。ここで、シアン及びイエローの各ラインの最高濃度値を境にした左側の濃度分布と右側の濃度分布が非対称であった場合には、落ち込んでいる側のずれ量に補正係数を乗じてそのずれ量を補正し、基準色とその他の色のずれ量を算出する。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー画像における各色の画像のずれ量を測定するカラーレジストレーションずれの測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
支持体上にシアン感熱発色層、マゼンタ感熱発色層、イエロー感熱発色層が層設されたカラー感熱記録紙に、サーマルヘッドで熱記録を施すカラー感熱プリンタが知られている。このカラー感熱プリンタには、記録紙を搬送する搬送ローラ対のスリップや、サーマルヘッドのアップダウンに伴う負荷変動、サーマルヘッドと記録紙との動摩擦係数の変化等により、各色における記録位置が1ライン上でずれるいわゆるカラーレジストレーションずれ(以下、レジずれと略記する)が発生するという問題がある。
【0003】
上記のようなレジずれ量を測定するには、テストパターンとして印画された線画像の幅方向に走査を行って、各色の線画像の濃度分布を取得し、これらの濃度分布を基に各色の線画像の中央位置を決定して、各色のうち選択された1つの基準色の線画像の中央位置と他の色の中央位置との距離を算出する方法がある。上述した各色の線画像の中央位置は、図9に示すように、濃度分布から得られる最高濃度Dmaxと最低濃度Dminの中央の濃度Dmidに対応する位置A, Bの中央の位置Cとする(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平6−261156号公報
【発明が解決しようとする課題】
実際に人が認識するレジずれは、プリンタの精度のみならず記録紙の画質にも起因しており、記録紙の材料、及び印画時の気温及び湿度の変化に伴い、インクの滲み量が変化して各色の線の太さが異なってしまう。このような場合に、特許文献1の方法を用いて、最高濃度と最低濃度の中央の濃度に対応する2つの位置を求め、これらの位置の中央を線画像の中央位置として各色の画像のずれ量を算出しても、図10に示すように、線画像の濃度分布がインクの滲みによって左右非対称である場合は、線画像の中央位置Fが定まらず、適正なレジずれ量を測定することはできない。
【0005】
本発明は、常に適正なレジずれ量を測定することができるカラーレジストレーションずれの測定方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のカラーレジストレーションずれの測定方法は、支持体上に異なる色に発色する複数の感熱発色層を備えたカラー感熱記録紙を副走査方向に搬送させながら、主走査方向に延びたサーマルヘッドにより各色の画像をライン記録することによりカラー画像を得るカラー感熱プリンタに対するものであり、前記カラー感熱記録紙を基準位置から所定量搬送した測定位置に、各色のライン画像をそれぞれ印画してテストパターンを得る第1ステップと、前記各色のライン画像の幅方向の濃度分布をそれぞれ測定する第2ステップと、前記各色の濃度分布に基づいて、前記各色のうち選択された1つの基準色のライン画像と、他の色のライン画像との印画位置のずれ量Gを算出する第3ステップとからなり、前記第3ステップは、各色の濃度分布に基づいて、その濃度分布の最高値からY%下降した濃度値に対応し前期最高値の座標を境にして左右に位置する左側座標及び右側座標を特定する第1サブステップと、特定された基準色の左側及び右側座標と他の色の左側及び右側座標の差から左側ずれ量GLと右側ずれ量GRとをそれぞれ求める第2サブステップと、前記最高値を境にした左側の濃度分布と右側の濃度分布の状況に応じて前記左側及び右側の各ずれ量GL,GRを補正する補正係数をα, βとした時に、前記ずれ量Gを、次式
G=(GL×α+GR×β)/2
によって算出する第3サブステップとからなることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明で使用されるカラー感熱プリンタ2の概要を示す概略図である。カラー感熱プリンタ2では、記録媒体として長尺のカラー感熱記録紙(以下、単に記録紙という)10が用いられる。記録紙10は、ロール状に巻かれた記録紙ロール11の形態でカラー感熱プリンタ2にセットされる。記録紙ロール11は、外周に当接された給紙ローラ12によって回転され、これにより記録紙10の送り出しと巻き戻しとが行われる。
【0008】
記録紙ロール11の近傍には、記録紙10を挟み込んで搬送する搬送ローラ対13が配置されている。この搬送ローラ対13は、搬送用モータ14で回転駆動されるキャプスタンローラ15と、このキャプスタンローラ15に圧接するピンチローラ16とからなり、記録紙10を搬送方向と、戻し方向とに往復搬送する。
【0009】
記録紙10は、周知のように支持体上にシアン感熱発色層、マゼンタ感熱発色層、イエロー感熱発色層が順次層設されている。最上層となるイエロー感熱発色層は熱感度が最も高く、小さな熱エネルギーでイエローに発色する。最下層となるシアン感熱発色層は熱感度が最も低く、大きな熱エネルギーでシアンに発色する。イエロー感熱発色層は、420nmの近紫外線が照射されたときに発色能力が消失する。マゼンタ感熱発色層は、イエロー感熱発色層とシアン感熱発色層との中間程度の熱エネルギーでマゼンタに発色し、365nmの紫外線が照射されたときに発色能力が消失する。なお、上記の感熱発色層の他に、例えばブラック感熱発色層を設けて、記録紙10を4層構造としてもよい。
【0010】
搬送ローラ対13の搬送方向の下流側には、サーマルヘッド17とプラテンローラ18とが、記録紙10の搬送経路を挟み込むように配置されている。サーマルヘッド17の記録紙10と対向する面には、多数の発熱素子が搬送方向と直交する方向(主走査方向)にライン状に形成された発熱素子アレイ19が設けられている。プラテンローラ18は、発熱素子アレイ19に対面する位置で搬送経路の下方に配置されている。このプラテンローラ18は、上下方向に移動自在となっており、図示しないバネによってサーマルヘッド17に圧接する方向に付勢されている。
【0011】
サーマルヘッド17は、搬送ローラ対13によって戻し方向に搬送される記録紙10に圧接し、発熱素子アレイ19を所定の温度に発熱させて各感熱発色層を発色させる。プラテンローラ18は、記録紙10の搬送に応じて従動回転して、記録紙10と発熱素子との摺接を容易にする。
【0012】
サーマルヘッド17の搬送方向の下流側には、光定着装置20が配置されている。この光定着装置20は、イエロー用定着ランプ21、マゼンタ用定着ランプ22、およびリフレクタ23から構成される。イエロー用定着ランプ21は、発光ピークが420nmの近紫外線を放射して、記録紙10のイエロー感熱発色層を定着する。マゼンタ用定着ランプ22は365nmの紫外線を放射して、マゼンタ感熱発色層を定着する。リフレクタ23は、各定着ランプ21、22から放射された紫外線を記録紙10に向けて反射させる。
【0013】
イエロー用定着ランプ21の搬送方向の下流側には、長尺の記録紙10を記録エリア毎にカットするカッタ24が設けられている。カッタ24の下流側には、カットされたシート状の記録紙10を排出する排紙口25が設けられている。
【0014】
プリント指示がなされると、記録紙10が給紙ローラ12によって給紙され、搬送ローラ対13によって搬送方向に搬送される。次に、搬送ローラ対13を逆転して記録紙10を戻し方向に搬送する。この搬送中にイエロー感熱発色層に対してサーマルヘッド17によるイエロー画像の熱記録を行う。
【0015】
イエロー画像の熱記録後に、記録紙10を搬送方向に搬送してイエロー用定着ランプ21を点灯し、これから放射された420nm付近に発光ピークを持つ近紫外線を記録紙10に照射して、イエロー感熱発色層に光定着を施す。
【0016】
再び記録紙10を搬送方向に送ってから、戻し方向に搬送しながらマゼンタ感熱発色層に対してサーマルヘッド17によるマゼンタ画像の熱記録を行う。マゼンタ画像の熱記録後に、記録紙10を搬送方向に搬送してマゼンタ用定着ランプ22を点灯し、365nm付近に発光ピークを持つ紫外線を記録紙10に照射して、マゼンタ感熱発色層に光定着を施す。
【0017】
マゼンタ画像の光定着後、記録紙10を搬送方向に送ってから、戻し方向に搬送しながらシアン感熱発色層に対してシアン画像の熱記録を行う。シアン画像の熱記録後、記録紙10は搬送方向に所定量搬送され、カッタ24により記録エリアをカットされる。この記録紙10の記録済み部分は、排紙口25から排出されて図示しない排紙トレイに順次積層される。
【0018】
図2は、本発明を実施したレジずれ量測定装置30の概要を示すブロック図である。レジずれ量測定装置30は、スキャナ32と濃度測定部33とレジずれ量算出部34とから構成されている。
【0019】
カラー感熱プリンタ2は、テストパターン31の画像データを印画する命令を受信すると、通常のカラー画像と同様に、イエロー、マゼンタ、シアンの各感熱発色層に対して熱記録及び光定着を行ってテストパターン31を印画する。
【0020】
スキャナ32は、カラー感熱プリンタ2が印画したテストパターン31を読み取って、濃度測定部33に読み取った画像データを送信する。スキャナ32は、例えば解像度600dpi(ドットサイズ40μm)のものが用いられる。
【0021】
濃度測定部33は、スキャナ32で読み取ったテストパターン31の各色のライン画像に対して、その幅方向に走査を行って濃度分布を測定し、レジずれ量算出部34に測定した濃度分布を送信する。
【0022】
レジずれ量算出部34は、濃度測定部33が測定した濃度分布に基づいて、基準色のライン画像と他の色のライン画像との印画位置のずれ量を算出する。
【0023】
次に、本発明のレジストレーションずれの測定方法について詳細に説明する。図3は、テストパターン31を示す説明図である。テストパターン31は、基準色とするマゼンタの線分を印画した基準ライン35と、この基準ライン35の印画位置から所定量搬送した位置にシアン、マゼンタ、イエローの各色の線分36a〜36cをそれぞれ印画した測定ライン36とからなる。各ライン35, 36は、各色の最高濃度で1ライン分(例えばライン幅80μm)を印画したものである。
【0024】
レジずれ量測定装置30は、カラー感熱プリンタ2で印画されたテストパターン31をスキャナ32で読み取り、濃度測定部33に読み取った画像データを入力する(図2参照)。濃度測定部33は、図4(a)に示すように、各色のライン35, 36a〜36cの幅方向の濃度分布を測定する。図4(b)に示すように、各ラインの中央部では濃度が高く、その中央部の両側部では濃度が低くなっており、滲みが発生していることが分かる。測定した各ラインの濃度分布は、レジずれ量算出部34に入力される。
【0025】
レジずれ量算出部34は、図4(b)に示すように、入力された濃度分布に基づいて、その濃度分布の最高値XからY%下降した濃度値Dstdに対応し、その最高値の座標を境に左右に位置する左側座標X1及び右側座標X2を特定する。ここで、シアン、マゼンタ、イエローの各ライン36a〜36cの濃度分布の最高値C, M, YからY%下降した濃度値Dstd(c), Dstd(m), Dstd(y)に対応し、それらの最高値C, M, Yを境に左右に位置する左側及び右側座標をC1, C2, M1, M2, Y1, Y2とする。
【0026】
また、図5に示すように、基準ライン35の濃度分布の最高値OからY%下降した濃度値Dstd(o)に対応し、その最高値Oを境に左右に位置する左側及び右側座標をO1、O2とした時に、基準ライン35の位置を示す基準座標Pを下記の式により求める。
(1)P=(O1+O2)/2
【0027】
レジずれ量算出部34は、図6に示すように、(1)式により求めた基準座標Pと、シアン、マゼンタ、イエローの各ライン36a〜36cの左側及び右側座標C1, C2, M1, M2, Y1, Y2との間の距離Clp, Crp, Mlp, Mrp, Ylp, Yrpを下記の式により求める。
(2)Clp=C1−P, Crp=C2−P
Mlp=M1−P, Mrp=M2−P
Ylp=Y1−P, Yrp=Y2−P
【0028】
(2)式により求めた距離Clp, Crp, Mlp, Mrp, Ylp, Yrpから、基準とするマゼンタライン36bの左側及び右側座標M1, M2と、シアン及びイエローの各ライン36a, 36cの左側及び右側座標C1, C2, Y1, Y2の各ずれ量Clm, Crm, Ylm, Yrmを下記の式により求める。
(3)Clm=Clp−Mlp, Crm=Crp−Mrp
Ylm=Ylp−Mlp, Yrm=Yrp−Mrp
【0029】
(3)式により求めた左側及び右側座標の各ずれ量Clm, Crm, Ylm, Yrmから、マゼンタライン36bに対するシアン及びイエローの各ライン36a, 36cのずれ量Gc,Gyを求める。ここで、シアン及びイエローの各ライン36a, 36cの最高濃度値C, Yを境にした左側の濃度分布と右側の濃度分布の状況に応じて、左側及び右側座標の各ずれ量Clm, Crm, Ylm, Yrmを補正する。例えば、図7(a)に示すように、シアンライン36aの濃度分布の左側がその右側に比べて落ち込んでいる場合に、マゼンタライン36bの左側座標M1と、シアンライン36aの左側座標C1のずれ量Clmに所定の補正係数を乗じる。この所定の補正係数は、例えば(4)式により求められる。
(4)補正係数=1.3×平均濃度(od)
【0030】
(4)式により求めた補正係数をずれ量Clmに乗じることにより、図7(b)に示すように、シアンライン36aの左側座標C1がC3の位置に移動される。これにより、シアンライン36の濃度分布は左右対称になるので、滲みに左右されない濃度分布からレジずれ量を算出することが分かる。ずれ量Clm, Crmに乗じる補正係数をα1, β1、ずれ量Ylm, Yrmに乗じる補正係数をα2, β2とする時、マゼンタライン36bに対するシアン及びイエローの各ライン36a, 36cのずれ量Gc, Gyを下記の式により求める。なお、最高濃度値を境にして左側の濃度分布と右側の濃度分布が対称であった場合には、左側又は右側座標のずれ量を補正する必要はないので、左側及び右側座標の各ずれ量に乗じる補正係数は「1」となる。
(5)Gc=(Clm×α1+Crm×β1)/2
Gy=(Ylm×α2+Yrm×β2)/2
【0031】
(5)式により求めたずれ量Gc, Gyは、各色の濃度分布に基づいて、左側座標及び右側座標を特定し、基準色の左側及び右側座標と他の色の左側及び右側座標のずれ量を求め、他の色の濃度分布の状況に応じて左側又は右側座標のずれ量を補正して算出するようにしたから、滲みに左右されない常に適正なずれ量であることが分かる。
【0032】
次に、本発明の作用について、図8のフローチャートを参照して説明する。まず、カラー感熱プリンタ2を用いて、テストパターン31を印画する。印画されたテストパターン31は、スキャナ32で読み取られ、濃度測定部33で各色のライン35, 36a〜36cの幅方向の濃度分布が測定される。測定された濃度分布は、レジずれ量算出部34に入力される。
【0033】
レジずれ量算出部34は、シアン、マゼンタ、イエローの各ライン36a〜36cの濃度分布の最高値C,M,YからY%下降した濃度値Dstd(c), Dstd(m), Dstd(d)に対応し、それらの最高値C, M, Yを境に左右に位置する左側及び右側座標C1, C2, M1, M2, Y1, Y2を求める。また、基準ライン35の濃度分布の最高値OからY%下降した濃度値Dstd(o)に対応し、その最高値Oを境に左右に位置する左側及び右側座標O1, O2を求めて、(1)式により基準ライン35の基準座標Pを求める。
【0034】
レジずれ量算出部34は、(1)式により求めた基準座標Pと、シアン、マゼンタ、イエローの各ライン36a〜36cの左側及び右側座標C1, C2, M1, M2, Y1, Y2との間の距離Clp, Crp, Mlp, Mrp, Ylp, Yrpを(2)式により算出する。
【0035】
(2)式により算出した距離Clp, Crp, Mlp, Mrp, Ylp, Yrpから、基準とするマゼンタライン36bの左側及び右側座標M1, M2と、シアン及びイエローの各ライン36a, 36cの左側及び右側座標C1, C2, M1, M2, Y1, Y2の各ずれ量Clm, Crm, Ylm, Yrmを(3)式により算出する。
【0036】
(3)式により算出した左側及び右側座標の各ずれ量Clm, Crm, Ylm, Yrmから、マゼンタライン36bに対するシアン及びイエローの各ライン36a, 36cのずれ量Gc,Gyを算出する。ここで、シアン及びイエローの各ライン36a, 36cの最高濃度値C, Yを境にした左側の濃度分布と右側の濃度分布が非対称であった場合には、落ち込んでいる側のずれ量に(4)式による補正係数を乗じて補正を行う。また、左側の濃度分布と右側の濃度分布が対称であった場合には、左側及び右側座標の各ずれ量に補正係数「1」を乗じる。
【0037】
そして、マゼンタライン36bに対するシアン及びイエローの各ライン36a, 36cのずれ量Gc, Gyを(5)式により算出する。
【0038】
上述したように、基準色に対する他の色の濃度分布が左右非対称であった場合には、所定の補正係数を乗じて左側又は右側座標のずれ量を補正するから、滲みに左右されない常に適正なレジずれ量を算出することができる。
【0039】
上記実施形態によれば、カラー感熱プリンタ2を用いてテストパターン31の印画を行い、レジずれ量測定装置30を用いてレジずれ量を算出したが、カラー感熱プリンタ側にレジずれ量を測定する機能を持たせてもよい。
【0040】
上記実施形態によれば、テストパターン31の形態として、基準ライン35としてマゼンタの線分を印画したが、他の色でもよい。また、基準ライン35として1ライン分を印画したが、基準ライン35から求められる基準座標Pは、各色のライン36a〜36cの基準となればよいので、特に定義する必要はない。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、カラー感熱記録紙を基準位置から所定量搬送した測定位置に、各色のライン画像をそれぞれ印画してテストパターンを取得し、取得したテストパターンの各色のライン画像の幅方向の濃度分布を測定し、それらの各色の濃度分布に基づいて、その濃度分布の最高値からY%下降した濃度値に対応し、その最高値の座標を境に左右に位置する左側及び右側座標を特定し、基準色の左側及び右側座標と他の色の左側及び右側座標の差から左側ずれ量GLと右側ずれ量GRとを求め、他の色の濃度分布の最高値を境にした左側の濃度分布と右側の濃度分布の状況に応じて左側及び右側の各ずれ量GL, GRを補正する補正係数をα, βとした時に、次式
G=(GL×α+GR×β)/2
によって基準色のライン画像と、他の色のライン画像との印画位置のずれ量Gを算出するから、滲みに左右されない常に適正なレジずれ量を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラー感熱プリンタの概要を示す概略図である。
【図2】本発明を実施したレジずれ量測定装置の概略を示すブロック図である。
【図3】テストパターンを示す説明図である。
【図4】濃度分布に基づく左側及び右側座標を示す説明図である。
【図5】基準ラインの基準座標Pを示す説明図である。
【図6】基準座標Pと、各色ラインの左側及び右側座標との距離を説明するための説明図である。
【図7】補正を行った前後の濃度分布を示す説明図である。
【図8】レジずれ量を測定する処理を示すフローチャートである。
【図9】線画像の中央位置Cを示す説明図である。
【図10】左右非対称な濃度分布に基づく中央位置を示す説明図である。
【符号の説明】
2 カラー感熱プリンタ
10 カラー感熱記録紙
17 サーマルヘッド
30 レジずれ量測定装置
31 テストパターン
32 スキャナ
33 濃度測定部
34 レジずれ量算出部
35 基準ライン
36 測定ライン
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー画像における各色の画像のずれ量を測定するカラーレジストレーションずれの測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
支持体上にシアン感熱発色層、マゼンタ感熱発色層、イエロー感熱発色層が層設されたカラー感熱記録紙に、サーマルヘッドで熱記録を施すカラー感熱プリンタが知られている。このカラー感熱プリンタには、記録紙を搬送する搬送ローラ対のスリップや、サーマルヘッドのアップダウンに伴う負荷変動、サーマルヘッドと記録紙との動摩擦係数の変化等により、各色における記録位置が1ライン上でずれるいわゆるカラーレジストレーションずれ(以下、レジずれと略記する)が発生するという問題がある。
【0003】
上記のようなレジずれ量を測定するには、テストパターンとして印画された線画像の幅方向に走査を行って、各色の線画像の濃度分布を取得し、これらの濃度分布を基に各色の線画像の中央位置を決定して、各色のうち選択された1つの基準色の線画像の中央位置と他の色の中央位置との距離を算出する方法がある。上述した各色の線画像の中央位置は、図9に示すように、濃度分布から得られる最高濃度Dmaxと最低濃度Dminの中央の濃度Dmidに対応する位置A, Bの中央の位置Cとする(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平6−261156号公報
【発明が解決しようとする課題】
実際に人が認識するレジずれは、プリンタの精度のみならず記録紙の画質にも起因しており、記録紙の材料、及び印画時の気温及び湿度の変化に伴い、インクの滲み量が変化して各色の線の太さが異なってしまう。このような場合に、特許文献1の方法を用いて、最高濃度と最低濃度の中央の濃度に対応する2つの位置を求め、これらの位置の中央を線画像の中央位置として各色の画像のずれ量を算出しても、図10に示すように、線画像の濃度分布がインクの滲みによって左右非対称である場合は、線画像の中央位置Fが定まらず、適正なレジずれ量を測定することはできない。
【0005】
本発明は、常に適正なレジずれ量を測定することができるカラーレジストレーションずれの測定方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のカラーレジストレーションずれの測定方法は、支持体上に異なる色に発色する複数の感熱発色層を備えたカラー感熱記録紙を副走査方向に搬送させながら、主走査方向に延びたサーマルヘッドにより各色の画像をライン記録することによりカラー画像を得るカラー感熱プリンタに対するものであり、前記カラー感熱記録紙を基準位置から所定量搬送した測定位置に、各色のライン画像をそれぞれ印画してテストパターンを得る第1ステップと、前記各色のライン画像の幅方向の濃度分布をそれぞれ測定する第2ステップと、前記各色の濃度分布に基づいて、前記各色のうち選択された1つの基準色のライン画像と、他の色のライン画像との印画位置のずれ量Gを算出する第3ステップとからなり、前記第3ステップは、各色の濃度分布に基づいて、その濃度分布の最高値からY%下降した濃度値に対応し前期最高値の座標を境にして左右に位置する左側座標及び右側座標を特定する第1サブステップと、特定された基準色の左側及び右側座標と他の色の左側及び右側座標の差から左側ずれ量GLと右側ずれ量GRとをそれぞれ求める第2サブステップと、前記最高値を境にした左側の濃度分布と右側の濃度分布の状況に応じて前記左側及び右側の各ずれ量GL,GRを補正する補正係数をα, βとした時に、前記ずれ量Gを、次式
G=(GL×α+GR×β)/2
によって算出する第3サブステップとからなることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明で使用されるカラー感熱プリンタ2の概要を示す概略図である。カラー感熱プリンタ2では、記録媒体として長尺のカラー感熱記録紙(以下、単に記録紙という)10が用いられる。記録紙10は、ロール状に巻かれた記録紙ロール11の形態でカラー感熱プリンタ2にセットされる。記録紙ロール11は、外周に当接された給紙ローラ12によって回転され、これにより記録紙10の送り出しと巻き戻しとが行われる。
【0008】
記録紙ロール11の近傍には、記録紙10を挟み込んで搬送する搬送ローラ対13が配置されている。この搬送ローラ対13は、搬送用モータ14で回転駆動されるキャプスタンローラ15と、このキャプスタンローラ15に圧接するピンチローラ16とからなり、記録紙10を搬送方向と、戻し方向とに往復搬送する。
【0009】
記録紙10は、周知のように支持体上にシアン感熱発色層、マゼンタ感熱発色層、イエロー感熱発色層が順次層設されている。最上層となるイエロー感熱発色層は熱感度が最も高く、小さな熱エネルギーでイエローに発色する。最下層となるシアン感熱発色層は熱感度が最も低く、大きな熱エネルギーでシアンに発色する。イエロー感熱発色層は、420nmの近紫外線が照射されたときに発色能力が消失する。マゼンタ感熱発色層は、イエロー感熱発色層とシアン感熱発色層との中間程度の熱エネルギーでマゼンタに発色し、365nmの紫外線が照射されたときに発色能力が消失する。なお、上記の感熱発色層の他に、例えばブラック感熱発色層を設けて、記録紙10を4層構造としてもよい。
【0010】
搬送ローラ対13の搬送方向の下流側には、サーマルヘッド17とプラテンローラ18とが、記録紙10の搬送経路を挟み込むように配置されている。サーマルヘッド17の記録紙10と対向する面には、多数の発熱素子が搬送方向と直交する方向(主走査方向)にライン状に形成された発熱素子アレイ19が設けられている。プラテンローラ18は、発熱素子アレイ19に対面する位置で搬送経路の下方に配置されている。このプラテンローラ18は、上下方向に移動自在となっており、図示しないバネによってサーマルヘッド17に圧接する方向に付勢されている。
【0011】
サーマルヘッド17は、搬送ローラ対13によって戻し方向に搬送される記録紙10に圧接し、発熱素子アレイ19を所定の温度に発熱させて各感熱発色層を発色させる。プラテンローラ18は、記録紙10の搬送に応じて従動回転して、記録紙10と発熱素子との摺接を容易にする。
【0012】
サーマルヘッド17の搬送方向の下流側には、光定着装置20が配置されている。この光定着装置20は、イエロー用定着ランプ21、マゼンタ用定着ランプ22、およびリフレクタ23から構成される。イエロー用定着ランプ21は、発光ピークが420nmの近紫外線を放射して、記録紙10のイエロー感熱発色層を定着する。マゼンタ用定着ランプ22は365nmの紫外線を放射して、マゼンタ感熱発色層を定着する。リフレクタ23は、各定着ランプ21、22から放射された紫外線を記録紙10に向けて反射させる。
【0013】
イエロー用定着ランプ21の搬送方向の下流側には、長尺の記録紙10を記録エリア毎にカットするカッタ24が設けられている。カッタ24の下流側には、カットされたシート状の記録紙10を排出する排紙口25が設けられている。
【0014】
プリント指示がなされると、記録紙10が給紙ローラ12によって給紙され、搬送ローラ対13によって搬送方向に搬送される。次に、搬送ローラ対13を逆転して記録紙10を戻し方向に搬送する。この搬送中にイエロー感熱発色層に対してサーマルヘッド17によるイエロー画像の熱記録を行う。
【0015】
イエロー画像の熱記録後に、記録紙10を搬送方向に搬送してイエロー用定着ランプ21を点灯し、これから放射された420nm付近に発光ピークを持つ近紫外線を記録紙10に照射して、イエロー感熱発色層に光定着を施す。
【0016】
再び記録紙10を搬送方向に送ってから、戻し方向に搬送しながらマゼンタ感熱発色層に対してサーマルヘッド17によるマゼンタ画像の熱記録を行う。マゼンタ画像の熱記録後に、記録紙10を搬送方向に搬送してマゼンタ用定着ランプ22を点灯し、365nm付近に発光ピークを持つ紫外線を記録紙10に照射して、マゼンタ感熱発色層に光定着を施す。
【0017】
マゼンタ画像の光定着後、記録紙10を搬送方向に送ってから、戻し方向に搬送しながらシアン感熱発色層に対してシアン画像の熱記録を行う。シアン画像の熱記録後、記録紙10は搬送方向に所定量搬送され、カッタ24により記録エリアをカットされる。この記録紙10の記録済み部分は、排紙口25から排出されて図示しない排紙トレイに順次積層される。
【0018】
図2は、本発明を実施したレジずれ量測定装置30の概要を示すブロック図である。レジずれ量測定装置30は、スキャナ32と濃度測定部33とレジずれ量算出部34とから構成されている。
【0019】
カラー感熱プリンタ2は、テストパターン31の画像データを印画する命令を受信すると、通常のカラー画像と同様に、イエロー、マゼンタ、シアンの各感熱発色層に対して熱記録及び光定着を行ってテストパターン31を印画する。
【0020】
スキャナ32は、カラー感熱プリンタ2が印画したテストパターン31を読み取って、濃度測定部33に読み取った画像データを送信する。スキャナ32は、例えば解像度600dpi(ドットサイズ40μm)のものが用いられる。
【0021】
濃度測定部33は、スキャナ32で読み取ったテストパターン31の各色のライン画像に対して、その幅方向に走査を行って濃度分布を測定し、レジずれ量算出部34に測定した濃度分布を送信する。
【0022】
レジずれ量算出部34は、濃度測定部33が測定した濃度分布に基づいて、基準色のライン画像と他の色のライン画像との印画位置のずれ量を算出する。
【0023】
次に、本発明のレジストレーションずれの測定方法について詳細に説明する。図3は、テストパターン31を示す説明図である。テストパターン31は、基準色とするマゼンタの線分を印画した基準ライン35と、この基準ライン35の印画位置から所定量搬送した位置にシアン、マゼンタ、イエローの各色の線分36a〜36cをそれぞれ印画した測定ライン36とからなる。各ライン35, 36は、各色の最高濃度で1ライン分(例えばライン幅80μm)を印画したものである。
【0024】
レジずれ量測定装置30は、カラー感熱プリンタ2で印画されたテストパターン31をスキャナ32で読み取り、濃度測定部33に読み取った画像データを入力する(図2参照)。濃度測定部33は、図4(a)に示すように、各色のライン35, 36a〜36cの幅方向の濃度分布を測定する。図4(b)に示すように、各ラインの中央部では濃度が高く、その中央部の両側部では濃度が低くなっており、滲みが発生していることが分かる。測定した各ラインの濃度分布は、レジずれ量算出部34に入力される。
【0025】
レジずれ量算出部34は、図4(b)に示すように、入力された濃度分布に基づいて、その濃度分布の最高値XからY%下降した濃度値Dstdに対応し、その最高値の座標を境に左右に位置する左側座標X1及び右側座標X2を特定する。ここで、シアン、マゼンタ、イエローの各ライン36a〜36cの濃度分布の最高値C, M, YからY%下降した濃度値Dstd(c), Dstd(m), Dstd(y)に対応し、それらの最高値C, M, Yを境に左右に位置する左側及び右側座標をC1, C2, M1, M2, Y1, Y2とする。
【0026】
また、図5に示すように、基準ライン35の濃度分布の最高値OからY%下降した濃度値Dstd(o)に対応し、その最高値Oを境に左右に位置する左側及び右側座標をO1、O2とした時に、基準ライン35の位置を示す基準座標Pを下記の式により求める。
(1)P=(O1+O2)/2
【0027】
レジずれ量算出部34は、図6に示すように、(1)式により求めた基準座標Pと、シアン、マゼンタ、イエローの各ライン36a〜36cの左側及び右側座標C1, C2, M1, M2, Y1, Y2との間の距離Clp, Crp, Mlp, Mrp, Ylp, Yrpを下記の式により求める。
(2)Clp=C1−P, Crp=C2−P
Mlp=M1−P, Mrp=M2−P
Ylp=Y1−P, Yrp=Y2−P
【0028】
(2)式により求めた距離Clp, Crp, Mlp, Mrp, Ylp, Yrpから、基準とするマゼンタライン36bの左側及び右側座標M1, M2と、シアン及びイエローの各ライン36a, 36cの左側及び右側座標C1, C2, Y1, Y2の各ずれ量Clm, Crm, Ylm, Yrmを下記の式により求める。
(3)Clm=Clp−Mlp, Crm=Crp−Mrp
Ylm=Ylp−Mlp, Yrm=Yrp−Mrp
【0029】
(3)式により求めた左側及び右側座標の各ずれ量Clm, Crm, Ylm, Yrmから、マゼンタライン36bに対するシアン及びイエローの各ライン36a, 36cのずれ量Gc,Gyを求める。ここで、シアン及びイエローの各ライン36a, 36cの最高濃度値C, Yを境にした左側の濃度分布と右側の濃度分布の状況に応じて、左側及び右側座標の各ずれ量Clm, Crm, Ylm, Yrmを補正する。例えば、図7(a)に示すように、シアンライン36aの濃度分布の左側がその右側に比べて落ち込んでいる場合に、マゼンタライン36bの左側座標M1と、シアンライン36aの左側座標C1のずれ量Clmに所定の補正係数を乗じる。この所定の補正係数は、例えば(4)式により求められる。
(4)補正係数=1.3×平均濃度(od)
【0030】
(4)式により求めた補正係数をずれ量Clmに乗じることにより、図7(b)に示すように、シアンライン36aの左側座標C1がC3の位置に移動される。これにより、シアンライン36の濃度分布は左右対称になるので、滲みに左右されない濃度分布からレジずれ量を算出することが分かる。ずれ量Clm, Crmに乗じる補正係数をα1, β1、ずれ量Ylm, Yrmに乗じる補正係数をα2, β2とする時、マゼンタライン36bに対するシアン及びイエローの各ライン36a, 36cのずれ量Gc, Gyを下記の式により求める。なお、最高濃度値を境にして左側の濃度分布と右側の濃度分布が対称であった場合には、左側又は右側座標のずれ量を補正する必要はないので、左側及び右側座標の各ずれ量に乗じる補正係数は「1」となる。
(5)Gc=(Clm×α1+Crm×β1)/2
Gy=(Ylm×α2+Yrm×β2)/2
【0031】
(5)式により求めたずれ量Gc, Gyは、各色の濃度分布に基づいて、左側座標及び右側座標を特定し、基準色の左側及び右側座標と他の色の左側及び右側座標のずれ量を求め、他の色の濃度分布の状況に応じて左側又は右側座標のずれ量を補正して算出するようにしたから、滲みに左右されない常に適正なずれ量であることが分かる。
【0032】
次に、本発明の作用について、図8のフローチャートを参照して説明する。まず、カラー感熱プリンタ2を用いて、テストパターン31を印画する。印画されたテストパターン31は、スキャナ32で読み取られ、濃度測定部33で各色のライン35, 36a〜36cの幅方向の濃度分布が測定される。測定された濃度分布は、レジずれ量算出部34に入力される。
【0033】
レジずれ量算出部34は、シアン、マゼンタ、イエローの各ライン36a〜36cの濃度分布の最高値C,M,YからY%下降した濃度値Dstd(c), Dstd(m), Dstd(d)に対応し、それらの最高値C, M, Yを境に左右に位置する左側及び右側座標C1, C2, M1, M2, Y1, Y2を求める。また、基準ライン35の濃度分布の最高値OからY%下降した濃度値Dstd(o)に対応し、その最高値Oを境に左右に位置する左側及び右側座標O1, O2を求めて、(1)式により基準ライン35の基準座標Pを求める。
【0034】
レジずれ量算出部34は、(1)式により求めた基準座標Pと、シアン、マゼンタ、イエローの各ライン36a〜36cの左側及び右側座標C1, C2, M1, M2, Y1, Y2との間の距離Clp, Crp, Mlp, Mrp, Ylp, Yrpを(2)式により算出する。
【0035】
(2)式により算出した距離Clp, Crp, Mlp, Mrp, Ylp, Yrpから、基準とするマゼンタライン36bの左側及び右側座標M1, M2と、シアン及びイエローの各ライン36a, 36cの左側及び右側座標C1, C2, M1, M2, Y1, Y2の各ずれ量Clm, Crm, Ylm, Yrmを(3)式により算出する。
【0036】
(3)式により算出した左側及び右側座標の各ずれ量Clm, Crm, Ylm, Yrmから、マゼンタライン36bに対するシアン及びイエローの各ライン36a, 36cのずれ量Gc,Gyを算出する。ここで、シアン及びイエローの各ライン36a, 36cの最高濃度値C, Yを境にした左側の濃度分布と右側の濃度分布が非対称であった場合には、落ち込んでいる側のずれ量に(4)式による補正係数を乗じて補正を行う。また、左側の濃度分布と右側の濃度分布が対称であった場合には、左側及び右側座標の各ずれ量に補正係数「1」を乗じる。
【0037】
そして、マゼンタライン36bに対するシアン及びイエローの各ライン36a, 36cのずれ量Gc, Gyを(5)式により算出する。
【0038】
上述したように、基準色に対する他の色の濃度分布が左右非対称であった場合には、所定の補正係数を乗じて左側又は右側座標のずれ量を補正するから、滲みに左右されない常に適正なレジずれ量を算出することができる。
【0039】
上記実施形態によれば、カラー感熱プリンタ2を用いてテストパターン31の印画を行い、レジずれ量測定装置30を用いてレジずれ量を算出したが、カラー感熱プリンタ側にレジずれ量を測定する機能を持たせてもよい。
【0040】
上記実施形態によれば、テストパターン31の形態として、基準ライン35としてマゼンタの線分を印画したが、他の色でもよい。また、基準ライン35として1ライン分を印画したが、基準ライン35から求められる基準座標Pは、各色のライン36a〜36cの基準となればよいので、特に定義する必要はない。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、カラー感熱記録紙を基準位置から所定量搬送した測定位置に、各色のライン画像をそれぞれ印画してテストパターンを取得し、取得したテストパターンの各色のライン画像の幅方向の濃度分布を測定し、それらの各色の濃度分布に基づいて、その濃度分布の最高値からY%下降した濃度値に対応し、その最高値の座標を境に左右に位置する左側及び右側座標を特定し、基準色の左側及び右側座標と他の色の左側及び右側座標の差から左側ずれ量GLと右側ずれ量GRとを求め、他の色の濃度分布の最高値を境にした左側の濃度分布と右側の濃度分布の状況に応じて左側及び右側の各ずれ量GL, GRを補正する補正係数をα, βとした時に、次式
G=(GL×α+GR×β)/2
によって基準色のライン画像と、他の色のライン画像との印画位置のずれ量Gを算出するから、滲みに左右されない常に適正なレジずれ量を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラー感熱プリンタの概要を示す概略図である。
【図2】本発明を実施したレジずれ量測定装置の概略を示すブロック図である。
【図3】テストパターンを示す説明図である。
【図4】濃度分布に基づく左側及び右側座標を示す説明図である。
【図5】基準ラインの基準座標Pを示す説明図である。
【図6】基準座標Pと、各色ラインの左側及び右側座標との距離を説明するための説明図である。
【図7】補正を行った前後の濃度分布を示す説明図である。
【図8】レジずれ量を測定する処理を示すフローチャートである。
【図9】線画像の中央位置Cを示す説明図である。
【図10】左右非対称な濃度分布に基づく中央位置を示す説明図である。
【符号の説明】
2 カラー感熱プリンタ
10 カラー感熱記録紙
17 サーマルヘッド
30 レジずれ量測定装置
31 テストパターン
32 スキャナ
33 濃度測定部
34 レジずれ量算出部
35 基準ライン
36 測定ライン
Claims (1)
- 支持体上に異なる色に発色する複数の感熱発色層を備えたカラー感熱記録紙を副走査方向に搬送させながら、主走査方向に延びたサーマルヘッドにより各色の画像をライン記録することによりカラー画像を得るカラー感熱プリンタのレジストレーションずれの測定方法において、
前記カラー感熱記録紙を基準位置から所定量搬送した測定位置に、各色のライン画像をそれぞれ印画してテストパターンを得る第1ステップと、
前記各色のライン画像の幅方向の濃度分布をそれぞれ測定する第2ステップと、
前記各色の濃度分布に基づいて、前記各色のうち選択された1つの基準色のライン画像と、他の色のライン画像との印画位置のずれ量Gを算出する第3ステップとからなり、
前記第3ステップは、各色の濃度分布に基づいて、その濃度分布の最高値からY%下降した濃度値に対応し前期最高値の座標を境にして左右に位置する左側座標及び右側座標を特定する第1サブステップと、特定された基準色の左側及び右側座標と他の色の左側及び右側座標の差から左側ずれ量GLと右側ずれ量GRとをそれぞれ求める第2サブステップと、前記最高値を境にした左側の濃度分布と右側の濃度分布の状況に応じて前記左側及び右側の各ずれ量GL,GRを補正する補正係数をα, βとした時に、前記ずれ量Gを、次式
G=(GL×α+GR×β)/2
によって算出する第3サブステップとからなることを特徴とするカラーレジストレーションずれの測定方法。
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