JP2004142259A - カラーレジストレーションずれの測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高精度で安定したカラーレジストレーションずれの測定を行う。
【解決手段】主走査方向および副走査方向に、少なくとも1ライン分で数ドット幅からなり、各感熱発色層を最大濃度で発色させたテストパターン33を印画する。スキャナ31でテストパターン33を読み取り、演算装置32で読み取ったテストパターン33のライン幅方向の1ドット毎にRGB3色の輝度を測定する。この測定結果からライン幅方向の輝度の平均値を算出し、算出した輝度の平均値から1ドット毎のRGBの輝度比を算出する。輝度比の算出結果からカラーレジストレーションが発生した色を特定し、そのずれ方向およびずれ量を算出する。
【選択図】 図3
【解決手段】主走査方向および副走査方向に、少なくとも1ライン分で数ドット幅からなり、各感熱発色層を最大濃度で発色させたテストパターン33を印画する。スキャナ31でテストパターン33を読み取り、演算装置32で読み取ったテストパターン33のライン幅方向の1ドット毎にRGB3色の輝度を測定する。この測定結果からライン幅方向の輝度の平均値を算出し、算出した輝度の平均値から1ドット毎のRGBの輝度比を算出する。輝度比の算出結果からカラーレジストレーションが発生した色を特定し、そのずれ方向およびずれ量を算出する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラーレジストレーションのずれを測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
支持体上にシアン感熱発色層、マゼンタ感熱発色層、イエロー感熱発色層が層設されたカラー感熱記録紙に、サーマルヘッドで熱記録を施すカラー感熱プリンタが知られている。このカラー感熱プリンタには、記録紙を搬送する搬送ローラ対のスリップや、サーマルヘッドのアップダウンに伴う負荷変動、印画率によるサーマルヘッドと記録紙との動摩擦係数の変化などにより、各色における記録位置が1ライン上でずれるいわゆるカラーレジストレーションずれ(以下、レジずれと略記する)が発生するという問題がある。
【0003】
上記のような問題を解決するために、イエロー画像を記録する際、記録紙の記録エリアから外れた部分にレジスタマークを記録し、マゼンタおよびシアン画像の記録時にこのレジスタマークを検出することで、各色の記録開始位置を合わせるようにしたプリンタが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−192524号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来、プリンタの出荷時には、黒塗りで印画されたテストパターンを、作業者が顕微鏡で観察することでレジずれを測定していた。しかしながら、この測定方法では、測定値の精度が作業者の熟練度や体調に左右されやすく、高精度で安定したレジずれの測定を行うことができなかった。
【0006】
本発明は、常に高精度で安定した測定を行うことができるカラーレジストレーションずれの測定方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、支持体上に少なくともシアン感熱発色層、マゼンタ感熱発色層、イエロー感熱発色層が層設されたカラー感熱記録紙を用い、副走査方向に搬送される前記カラー感熱記録紙に対して、サーマルヘッドで主走査方向に1ラインずつ画像を記録するカラー感熱プリンタのカラーレジストレーションずれを測定する方法において、前記主走査方向および副走査方向に、少なくとも1ライン分で数ドット幅からなり、各感熱発色層を最大濃度で発色させたテストパターンを印画する工程と、前記テストパターンを読み取る工程と、読み取ったテストパターンのライン幅方向の1ドット毎にRGB3色の輝度を測定し、この測定結果からライン幅方向の輝度の平均値を算出する工程と、算出した輝度の平均値から1ドット毎のRGBの輝度比を算出する工程と、輝度比の算出結果からカラーレジストレーションが発生した色を特定し、そのずれ方向およびずれ量を算出する工程とを備えたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1において、カラー感熱プリンタ2では、記録媒体として長尺のカラー感熱記録紙(以下、単に記録紙という)10が用いられる。記録紙10は、ロール状に巻かれた記録紙ロール11の形態でカラー感熱プリンタ2にセットされる。記録紙ロール11は、外周に当接された給紙ローラ12によって回転され、これにより記録紙10の送り出しと巻き戻しとが行われる。
【0009】
記録紙ロール11の近傍には、記録紙10を挟み込んで搬送する搬送ローラ対13が配置されている。この搬送ローラ対13は、搬送用モータ14で回転駆動されるキャプスタンローラ15と、このキャプスタンローラ15に圧接するピンチローラ16とからなり、記録紙10を定着方向Aと、印画方向Bとに往復搬送する。
【0010】
記録紙10は、周知のように支持体上にシアン感熱発色層、マゼンタ感熱発色層、イエロー感熱発色層が順次層設されている。最上層となるイエロー感熱発色層は熱感度が最も高く、小さな熱エネルギーでイエローに発色する。最下層となるシアン感熱発色層は熱感度が最も低く、大きな熱エネルギーでシアンに発色する。イエロー感熱発色層は、420nmの近紫外線が照射されたときに発色能力が消失する。マゼンタ感熱発色層は、イエロー感熱発色層とシアン感熱発色層との中間程度の熱エネルギーでマゼンタに発色し、365nmの紫外線が照射されたときに発色能力が消失する。なお、上記の感熱発色層の他に、例えばブラック感熱発色層を設けて、記録紙10を4層構造としてもよい。
【0011】
搬送ローラ対13の定着方向Aの下流側には、サーマルヘッド17とプラテンローラ18とが、記録紙10の搬送経路を挟み込むように配置されている。サーマルヘッド17の記録紙10と対向する面には、多数の発熱素子が記録紙10の搬送方向と直交する方向(主走査方向)にライン状に形成された発熱素子アレイ19が設けられている。プラテンローラ18は、発熱素子アレイ19に対面する位置で搬送経路の下方に配置されている。このプラテンローラ18は、上下方向に移動自在となっており、図示しないバネによってサーマルヘッド17に圧接する方向に付勢されている。
【0012】
サーマルヘッド17は、搬送ローラ対13によって印画方向Bに搬送される記録紙10に圧接し、発熱素子アレイ19を所定の温度に発熱させて各感熱発色層を発色させる。プラテンローラ18は、記録紙10の搬送に応じて従動回転して、記録紙10と発熱素子との摺接を容易にする。
【0013】
サーマルヘッド17の定着方向Aの下流側には、光定着装置20が配置されている。この光定着装置20は、イエロー用定着ランプ21、マゼンタ用定着ランプ22、およびリフレクタ23から構成される。イエロー用定着ランプ21は、発光ピークが420nmの近紫外線を放射して、記録紙10のイエロー感熱発色層を定着する。マゼンタ用定着ランプ22は365nmの紫外線を放射して、マゼンタ感熱発色層を定着する。リフレクタ23は、各定着ランプ21、22から放射された紫外線を記録紙10に向けて反射させる。
【0014】
イエロー用定着ランプ21の定着方向Aの下流側には、長尺の記録紙10を記録エリア毎にカットするカッタ24が設けられている。カッタ24の下流側には、カットされたシート状の記録紙10を排出する排紙口25が設けられている。
【0015】
プリント指示がなされると、記録紙10が給紙ローラ12によって給紙され、搬送ローラ対13によって定着方向Aに搬送される。次に、搬送ローラ対13を逆転して記録紙10を印画方向Bに搬送する。この搬送中にイエロー感熱発色層に対してサーマルヘッド17によるイエロー画像の熱記録を行う。
【0016】
イエロー画像の熱記録後に、記録紙10を定着方向Aに搬送してイエロー用定着ランプ21を点灯し、これから放射された420nm付近に発光ピークを持つ近紫外線を記録紙10に照射して、イエロー感熱発色層に光定着を施す。
【0017】
再び記録紙10を定着方向Aに送ってから、印画方向Bに搬送しながらマゼンタ感熱発色層に対してサーマルヘッド17によるマゼンタ画像の熱記録を行う。マゼンタ画像の熱記録後に、記録紙10を定着方向Aに搬送してマゼンタ用定着ランプ22を点灯し、365nm付近に発光ピークを持つ紫外線を記録紙10に照射して、マゼンタ感熱発色層に光定着を施す。
【0018】
マゼンタ画像の光定着後、記録紙10を定着方向Aに送ってから、印画方向Bに搬送しながらシアン感熱発色層に対してシアン画像の熱記録を行う。シアン画像の熱記録後、記録紙10は定着方向Aに所定量搬送され、カッタ24により記録エリアをカットされる。この記録紙10の記録済み部分は、排紙口25から排出されて図示しない排紙トレイに順次積層される。
【0019】
カラー感熱プリンタ2の出荷時には、図2に示すレジずれ測定装置30を用いてレジずれの測定を行う。レジずれ測定装置30は、スキャナ31と演算装置32とから構成される。スキャナ31には、例えば解像度600dpi(ドットサイズ40μm)のものが用いられ、カラー感熱プリンタ2でプリントしたテストパターン33を読み取って、演算装置32に読み取ったテストパターン33の画像データを送信する。
【0020】
テストパターン33は、各感熱発色層を最大濃度で発色させた黒塗りの十字マークであり、主走査方向および副走査方向に1ライン分(ライン幅80μm)で数ドット幅からなる。なお、テストパターン33の形状としては、上記の十字型だけでなく、L字型やT字型などでもよい。また、印画するラインは複数であってもよい。
【0021】
演算装置32は、スキャナ31で読み取ったテストパターンのライン幅方向の1ドット毎にRGB3色の輝度を測定し、この測定結果からライン幅方向の輝度の平均値を算出する。そして、算出した輝度の平均値から1ドット毎のRGBの輝度比を算出する。演算装置32は、この輝度比の算出結果からカラーレジストレーションが発生した色を特定し、そのずれ方向およびずれ量を算出する。
【0022】
カラー感熱プリンタ2では、上記のように算出した結果に基づいたレジずれ補正命令を演算装置32から受信し、この補正命令をもとにレジずれの補正を行う。この補正は、全てのドットに亘ってずれ量が所定の閾値内(例えば±10μm)に収まるまで行われる。
【0023】
次に、上記実施形態による作用について、図3のフローチャートを参照して説明する。まず、カラー感熱プリンタ2の出荷時にレジずれを測定するにあたって、カラー感熱プリンタ2でテストパターン33を印画する。次に、このテストパターン33をスキャナ31で読み取り、読み取ったテストパターン33の画像データを演算装置32に送信する。
【0024】
演算装置32では、ライン幅方向の1ドット毎にRGB3色の輝度を測定し、この測定結果からライン幅方向の輝度の平均値を算出する。そして、算出した輝度の平均値から1ドット毎のRGBの輝度比を算出する。
【0025】
ここで、図4に示すように、シアン画像が主走査方向で下側にずれて印画された場合、テストパターン33のライン幅方向上側部分(破線で示す部分、YM)のRの輝度は、中央部分(実線で示す部分、YMC)よりも相対的に高くなり、下側部分(2点鎖線で示す部分、C)は相対的に低くなる。したがって、スキャナ31のドット座標(スキャンするラインの中心を0、ライン幅方向上側部分を負、下側部分を正とする)に対する輝度比G/RおよびB/Rは、図5および図6に示すような波形となる。この輝度比の算出結果から、カラーレジストレーションが発生した色がCであると特定され、そのずれ方向およびずれ量が算出される。カラー感熱プリンタ2では、演算装置32から送信される補正命令をもとにレジずれの補正を行う。補正後の輝度比G/RおよびB/Rは、図7および図8に示すような波形となる。
【0026】
なお、RGB3色の輝度比からずれ量を定量的に求め、これに基づいてレジずれを補正するようにしてもよい。このようにすると、解像度が低いスキャナを用いた場合でも、高い分解能で測定を行うことができる。
【0027】
上記実施形態では、1個のサーマルヘッドに対して記録紙を往復搬送させることでイエロー、マゼンタ、シアンの熱記録および定着を行う往復印画方式のカラー感熱プリンタを例に挙げて説明したが、複数個のサーマルヘッドに対して記録紙を1回通過させ、その間に各サーマルヘッドでイエロー、マゼンタ、シアンの熱記録を行ういわゆる1パス方式についても本発明を適用することができる。
【0028】
【発明の効果】
以上のように、本発明のカラーレジストレーションずれの測定方法によれば、主走査方向および副走査方向に、少なくとも1ライン分で数ドット幅からなり、各感熱発色層を最大濃度で発色させたテストパターンを印画する工程と、テストパターンを読み取る工程と、読み取ったテストパターンのライン幅方向の1ドット毎にRGB3色の輝度を測定し、この測定結果からライン幅方向の輝度の平均値を算出する工程と、算出した輝度の平均値から1ドット毎のRGBの輝度比を算出する工程と、輝度比の算出結果からカラーレジストレーションが発生した色を特定し、そのずれ方向およびずれ量を算出する工程とを備えたので、作業者の熟練度や体調に左右されることなく、常に安定した高精度な測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラー感熱プリンタの構成を示す概略図である。
【図2】レジずれ測定装置を示す図である。
【図3】レジずれ測定の手順を示すフローチャートである。
【図4】C画像がずれた場合のテストパターンを示す拡大図である。
【図5】スキャナのドット座標に対する補正前の輝度比G/Rを示すグラフである。
【図6】スキャナのドット座標に対する補正前の輝度比B/Rを示すグラフである。
【図7】スキャナのドット座標に対する補正後の輝度比G/Rを示すグラフである。
【図8】スキャナのドット座標に対する補正後の輝度比B/Rを示すグラフである。
【符号の説明】
2 カラー感熱プリンタ
10 カラー感熱記録紙
17 サーマルヘッド
30 レジずれ測定装置
31 スキャナ
32 演算装置
33 テストパターン
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラーレジストレーションのずれを測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
支持体上にシアン感熱発色層、マゼンタ感熱発色層、イエロー感熱発色層が層設されたカラー感熱記録紙に、サーマルヘッドで熱記録を施すカラー感熱プリンタが知られている。このカラー感熱プリンタには、記録紙を搬送する搬送ローラ対のスリップや、サーマルヘッドのアップダウンに伴う負荷変動、印画率によるサーマルヘッドと記録紙との動摩擦係数の変化などにより、各色における記録位置が1ライン上でずれるいわゆるカラーレジストレーションずれ(以下、レジずれと略記する)が発生するという問題がある。
【0003】
上記のような問題を解決するために、イエロー画像を記録する際、記録紙の記録エリアから外れた部分にレジスタマークを記録し、マゼンタおよびシアン画像の記録時にこのレジスタマークを検出することで、各色の記録開始位置を合わせるようにしたプリンタが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−192524号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来、プリンタの出荷時には、黒塗りで印画されたテストパターンを、作業者が顕微鏡で観察することでレジずれを測定していた。しかしながら、この測定方法では、測定値の精度が作業者の熟練度や体調に左右されやすく、高精度で安定したレジずれの測定を行うことができなかった。
【0006】
本発明は、常に高精度で安定した測定を行うことができるカラーレジストレーションずれの測定方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、支持体上に少なくともシアン感熱発色層、マゼンタ感熱発色層、イエロー感熱発色層が層設されたカラー感熱記録紙を用い、副走査方向に搬送される前記カラー感熱記録紙に対して、サーマルヘッドで主走査方向に1ラインずつ画像を記録するカラー感熱プリンタのカラーレジストレーションずれを測定する方法において、前記主走査方向および副走査方向に、少なくとも1ライン分で数ドット幅からなり、各感熱発色層を最大濃度で発色させたテストパターンを印画する工程と、前記テストパターンを読み取る工程と、読み取ったテストパターンのライン幅方向の1ドット毎にRGB3色の輝度を測定し、この測定結果からライン幅方向の輝度の平均値を算出する工程と、算出した輝度の平均値から1ドット毎のRGBの輝度比を算出する工程と、輝度比の算出結果からカラーレジストレーションが発生した色を特定し、そのずれ方向およびずれ量を算出する工程とを備えたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1において、カラー感熱プリンタ2では、記録媒体として長尺のカラー感熱記録紙(以下、単に記録紙という)10が用いられる。記録紙10は、ロール状に巻かれた記録紙ロール11の形態でカラー感熱プリンタ2にセットされる。記録紙ロール11は、外周に当接された給紙ローラ12によって回転され、これにより記録紙10の送り出しと巻き戻しとが行われる。
【0009】
記録紙ロール11の近傍には、記録紙10を挟み込んで搬送する搬送ローラ対13が配置されている。この搬送ローラ対13は、搬送用モータ14で回転駆動されるキャプスタンローラ15と、このキャプスタンローラ15に圧接するピンチローラ16とからなり、記録紙10を定着方向Aと、印画方向Bとに往復搬送する。
【0010】
記録紙10は、周知のように支持体上にシアン感熱発色層、マゼンタ感熱発色層、イエロー感熱発色層が順次層設されている。最上層となるイエロー感熱発色層は熱感度が最も高く、小さな熱エネルギーでイエローに発色する。最下層となるシアン感熱発色層は熱感度が最も低く、大きな熱エネルギーでシアンに発色する。イエロー感熱発色層は、420nmの近紫外線が照射されたときに発色能力が消失する。マゼンタ感熱発色層は、イエロー感熱発色層とシアン感熱発色層との中間程度の熱エネルギーでマゼンタに発色し、365nmの紫外線が照射されたときに発色能力が消失する。なお、上記の感熱発色層の他に、例えばブラック感熱発色層を設けて、記録紙10を4層構造としてもよい。
【0011】
搬送ローラ対13の定着方向Aの下流側には、サーマルヘッド17とプラテンローラ18とが、記録紙10の搬送経路を挟み込むように配置されている。サーマルヘッド17の記録紙10と対向する面には、多数の発熱素子が記録紙10の搬送方向と直交する方向(主走査方向)にライン状に形成された発熱素子アレイ19が設けられている。プラテンローラ18は、発熱素子アレイ19に対面する位置で搬送経路の下方に配置されている。このプラテンローラ18は、上下方向に移動自在となっており、図示しないバネによってサーマルヘッド17に圧接する方向に付勢されている。
【0012】
サーマルヘッド17は、搬送ローラ対13によって印画方向Bに搬送される記録紙10に圧接し、発熱素子アレイ19を所定の温度に発熱させて各感熱発色層を発色させる。プラテンローラ18は、記録紙10の搬送に応じて従動回転して、記録紙10と発熱素子との摺接を容易にする。
【0013】
サーマルヘッド17の定着方向Aの下流側には、光定着装置20が配置されている。この光定着装置20は、イエロー用定着ランプ21、マゼンタ用定着ランプ22、およびリフレクタ23から構成される。イエロー用定着ランプ21は、発光ピークが420nmの近紫外線を放射して、記録紙10のイエロー感熱発色層を定着する。マゼンタ用定着ランプ22は365nmの紫外線を放射して、マゼンタ感熱発色層を定着する。リフレクタ23は、各定着ランプ21、22から放射された紫外線を記録紙10に向けて反射させる。
【0014】
イエロー用定着ランプ21の定着方向Aの下流側には、長尺の記録紙10を記録エリア毎にカットするカッタ24が設けられている。カッタ24の下流側には、カットされたシート状の記録紙10を排出する排紙口25が設けられている。
【0015】
プリント指示がなされると、記録紙10が給紙ローラ12によって給紙され、搬送ローラ対13によって定着方向Aに搬送される。次に、搬送ローラ対13を逆転して記録紙10を印画方向Bに搬送する。この搬送中にイエロー感熱発色層に対してサーマルヘッド17によるイエロー画像の熱記録を行う。
【0016】
イエロー画像の熱記録後に、記録紙10を定着方向Aに搬送してイエロー用定着ランプ21を点灯し、これから放射された420nm付近に発光ピークを持つ近紫外線を記録紙10に照射して、イエロー感熱発色層に光定着を施す。
【0017】
再び記録紙10を定着方向Aに送ってから、印画方向Bに搬送しながらマゼンタ感熱発色層に対してサーマルヘッド17によるマゼンタ画像の熱記録を行う。マゼンタ画像の熱記録後に、記録紙10を定着方向Aに搬送してマゼンタ用定着ランプ22を点灯し、365nm付近に発光ピークを持つ紫外線を記録紙10に照射して、マゼンタ感熱発色層に光定着を施す。
【0018】
マゼンタ画像の光定着後、記録紙10を定着方向Aに送ってから、印画方向Bに搬送しながらシアン感熱発色層に対してシアン画像の熱記録を行う。シアン画像の熱記録後、記録紙10は定着方向Aに所定量搬送され、カッタ24により記録エリアをカットされる。この記録紙10の記録済み部分は、排紙口25から排出されて図示しない排紙トレイに順次積層される。
【0019】
カラー感熱プリンタ2の出荷時には、図2に示すレジずれ測定装置30を用いてレジずれの測定を行う。レジずれ測定装置30は、スキャナ31と演算装置32とから構成される。スキャナ31には、例えば解像度600dpi(ドットサイズ40μm)のものが用いられ、カラー感熱プリンタ2でプリントしたテストパターン33を読み取って、演算装置32に読み取ったテストパターン33の画像データを送信する。
【0020】
テストパターン33は、各感熱発色層を最大濃度で発色させた黒塗りの十字マークであり、主走査方向および副走査方向に1ライン分(ライン幅80μm)で数ドット幅からなる。なお、テストパターン33の形状としては、上記の十字型だけでなく、L字型やT字型などでもよい。また、印画するラインは複数であってもよい。
【0021】
演算装置32は、スキャナ31で読み取ったテストパターンのライン幅方向の1ドット毎にRGB3色の輝度を測定し、この測定結果からライン幅方向の輝度の平均値を算出する。そして、算出した輝度の平均値から1ドット毎のRGBの輝度比を算出する。演算装置32は、この輝度比の算出結果からカラーレジストレーションが発生した色を特定し、そのずれ方向およびずれ量を算出する。
【0022】
カラー感熱プリンタ2では、上記のように算出した結果に基づいたレジずれ補正命令を演算装置32から受信し、この補正命令をもとにレジずれの補正を行う。この補正は、全てのドットに亘ってずれ量が所定の閾値内(例えば±10μm)に収まるまで行われる。
【0023】
次に、上記実施形態による作用について、図3のフローチャートを参照して説明する。まず、カラー感熱プリンタ2の出荷時にレジずれを測定するにあたって、カラー感熱プリンタ2でテストパターン33を印画する。次に、このテストパターン33をスキャナ31で読み取り、読み取ったテストパターン33の画像データを演算装置32に送信する。
【0024】
演算装置32では、ライン幅方向の1ドット毎にRGB3色の輝度を測定し、この測定結果からライン幅方向の輝度の平均値を算出する。そして、算出した輝度の平均値から1ドット毎のRGBの輝度比を算出する。
【0025】
ここで、図4に示すように、シアン画像が主走査方向で下側にずれて印画された場合、テストパターン33のライン幅方向上側部分(破線で示す部分、YM)のRの輝度は、中央部分(実線で示す部分、YMC)よりも相対的に高くなり、下側部分(2点鎖線で示す部分、C)は相対的に低くなる。したがって、スキャナ31のドット座標(スキャンするラインの中心を0、ライン幅方向上側部分を負、下側部分を正とする)に対する輝度比G/RおよびB/Rは、図5および図6に示すような波形となる。この輝度比の算出結果から、カラーレジストレーションが発生した色がCであると特定され、そのずれ方向およびずれ量が算出される。カラー感熱プリンタ2では、演算装置32から送信される補正命令をもとにレジずれの補正を行う。補正後の輝度比G/RおよびB/Rは、図7および図8に示すような波形となる。
【0026】
なお、RGB3色の輝度比からずれ量を定量的に求め、これに基づいてレジずれを補正するようにしてもよい。このようにすると、解像度が低いスキャナを用いた場合でも、高い分解能で測定を行うことができる。
【0027】
上記実施形態では、1個のサーマルヘッドに対して記録紙を往復搬送させることでイエロー、マゼンタ、シアンの熱記録および定着を行う往復印画方式のカラー感熱プリンタを例に挙げて説明したが、複数個のサーマルヘッドに対して記録紙を1回通過させ、その間に各サーマルヘッドでイエロー、マゼンタ、シアンの熱記録を行ういわゆる1パス方式についても本発明を適用することができる。
【0028】
【発明の効果】
以上のように、本発明のカラーレジストレーションずれの測定方法によれば、主走査方向および副走査方向に、少なくとも1ライン分で数ドット幅からなり、各感熱発色層を最大濃度で発色させたテストパターンを印画する工程と、テストパターンを読み取る工程と、読み取ったテストパターンのライン幅方向の1ドット毎にRGB3色の輝度を測定し、この測定結果からライン幅方向の輝度の平均値を算出する工程と、算出した輝度の平均値から1ドット毎のRGBの輝度比を算出する工程と、輝度比の算出結果からカラーレジストレーションが発生した色を特定し、そのずれ方向およびずれ量を算出する工程とを備えたので、作業者の熟練度や体調に左右されることなく、常に安定した高精度な測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラー感熱プリンタの構成を示す概略図である。
【図2】レジずれ測定装置を示す図である。
【図3】レジずれ測定の手順を示すフローチャートである。
【図4】C画像がずれた場合のテストパターンを示す拡大図である。
【図5】スキャナのドット座標に対する補正前の輝度比G/Rを示すグラフである。
【図6】スキャナのドット座標に対する補正前の輝度比B/Rを示すグラフである。
【図7】スキャナのドット座標に対する補正後の輝度比G/Rを示すグラフである。
【図8】スキャナのドット座標に対する補正後の輝度比B/Rを示すグラフである。
【符号の説明】
2 カラー感熱プリンタ
10 カラー感熱記録紙
17 サーマルヘッド
30 レジずれ測定装置
31 スキャナ
32 演算装置
33 テストパターン
Claims (1)
- 支持体上に少なくともシアン感熱発色層、マゼンタ感熱発色層、イエロー感熱発色層が層設されたカラー感熱記録紙を用い、副走査方向に搬送される前記カラー感熱記録紙に対して、サーマルヘッドで主走査方向に1ラインずつ画像を記録するカラー感熱プリンタのカラーレジストレーションずれを測定する方法において、
前記主走査方向および副走査方向に、少なくとも1ライン分で数ドット幅からなり、各感熱発色層を最大濃度で発色させたテストパターンを印画する工程と、
前記テストパターンを読み取る工程と、
読み取ったテストパターンのライン幅方向の1ドット毎にRGB3色の輝度を測定し、この測定結果からライン幅方向の輝度の平均値を算出する工程と、
算出した輝度の平均値から1ドット毎のRGBの輝度比を算出する工程と、
輝度比の算出結果からカラーレジストレーションが発生した色を特定し、そのずれ方向およびずれ量を算出する工程とを備えたことを特徴とするカラーレジストレーションずれの測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002310104A JP2004142259A (ja) | 2002-10-24 | 2002-10-24 | カラーレジストレーションずれの測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002310104A JP2004142259A (ja) | 2002-10-24 | 2002-10-24 | カラーレジストレーションずれの測定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004142259A true JP2004142259A (ja) | 2004-05-20 |
Family
ID=32455723
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002310104A Pending JP2004142259A (ja) | 2002-10-24 | 2002-10-24 | カラーレジストレーションずれの測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004142259A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100417199C (zh) * | 2005-11-08 | 2008-09-03 | 普立尔科技股份有限公司 | 数字相机及其修正亮度的方法 |
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2002
- 2002-10-24 JP JP2002310104A patent/JP2004142259A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN100417199C (zh) * | 2005-11-08 | 2008-09-03 | 普立尔科技股份有限公司 | 数字相机及其修正亮度的方法 |
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