JP2004167913A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吐出回復時に既に固着してしまったインクを再度元のインクで再溶解してからワイピングすることで、記録ヘッドを確実に良好な状態に保つことが出来るようにすること。
【解決手段】キャッピングした状態でヘッドの全ノズルから吐出し、ノズル面をインクで濡らし、その直後にワイピングすることで固着したインクを完全に除去し元の状態に回復させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置において、記録データによってはある吐出口で長時間吐出が行われない場合や、装置自体が長期間使用されない場合には、吐出口や吐出口に連通する液路内のインクが水分蒸発によって増粘することがある。このような増粘インクが充填される等によって液路内が吐出に適さない状態にあると、液路に配置される吐出エネルギ発生素子を所定の条件で駆動しても吐出されるインク量が一定しなくなり、記録される画像品位が低下するおそれがある。また、このようなインクの増粘によって吐出不良が生じたり、さらには固化が生じて不吐出が発生するおそれもある。
【0003】
また、インクジェット記録装置においては、インク吐出口が設けられた記録ヘッドの面(吐出口形成面)にインク滴,水滴,塵埃等が付着すると、これら付着物によって吐出されるインクが引張られ、その吐出方向が偏向して画像品位が低下するおそれもある。
【0004】
記録剤に液体であるインクを用いることに起因したこれら不都合を解消すべく、インクジェット記録装置においては他の記録装置に見られない固有の構成、すなわち液路内をリフレッシュしたり、吐出口形成面を良好な状態にする手段、所謂記録ヘッドの吐出回復系が設けられている。
【0005】
これら吐出回復系には種々の構成のものがあり、まず液路内をリフレッシュするものとして、記録時以外に吐出エネルギ発生素子を駆動して所定のインク受容媒体にインク吐出を行わせるもの(予備吐出または空吐出とも呼ばれる)がある。また、インク供給系を加圧したり、あるいはインクの吐出口より吸引を行う等、液路に所定の圧力を作用させてインクを吐出口より強制的に排出させるようにしたものもある。
【0006】
また、吐出口形成面をリフレッシュして吐出方向の偏向を予防するものとしては、吐出口形成面と接触するワイピング部材を設け、両者を相対移動させることにより吐出口近傍に付着したインク滴,塵埃等を拭う(ワイピング)するものがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、特に吐出口形成面をリフレッシュするための吐出回復系の改良に係るもので、当該吐出回復処理時に既に固着してしまったインクを再度元のインクで再溶解してからワイピングすることで、記録ヘッドを確実に良好な状態に保つことができるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明は、インクを吐出するために利用されるエネルギを発生する吐出エネルギ発生素子が配設された液路と、液路に連通する開口が配された開口面と、開口面に接合し、開口に対応して配設される吐出口を有した吐出口形成部材と、吐出口形成部材の接合を保持するため、吐出口形成部材の少なくとも吐出口が配設された第1部位を除いた第2部位を覆う押え部材とを有した記録ヘッドと、第2部位を覆われた状態で全ノズルから吐出する手段を備えた記録ヘッドで、記録ヘッドを所定方向に走査させる走査手段と、当該走査の過程で記録ヘッドの吐出口が存在する面と係合してこれをワインピングするワイピング部材とを備えたことを特徴とする。
【0009】
(作用)
本発明によれば、記録ヘッドの吐出口が存在する面(吐出口形成面)をワイピングするときに、吐出口が存在する面上に固着してしまったインク滴が存在することを想定し、ワイピングの直前にキャッピングをした状態でインクの全吐出を行い、吐出口の存在する面をインクで濡らし、前記固着インクを溶解しておく。この後ワイピング処理をすることで、表面のインクをすべて除去可能とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0011】
(1)カートリッジ
まず、図1は本実施例に係るインクジェット記録装置のキャリッジ(図3につき後述する)に搭載可能なカートリッジCの一構成例を示す。本例に係るカートリッジCは、上方にインクタンク部、下方に記録ヘッド86を有しており、さらに記録ヘッド86を駆動するための信号等を受容するとともにインク残量検知の出力を行うためのヘッド側コネクタ85を、インクタンク部80に並ぶ位置に設けてある。従って、このカートリッジCを後述のキャリッジに装填した際に、その高さHを低く押えることができる。また、カートリッジの走査方向の厚みWを薄形化することで、図2につき後述するようにカートリッジCを並べて配置するときにキャリッジを小さく構成することが可能である。
【0012】
83はタンク外壁と一体に形成したコネクタカバーであり、コネクタ85への不用意な接触を防止している。また81は位置決め部であり、2方向の突き当て面81a・81bが形成されている。これらの位置決め面と、記録ヘッド86上に設けられる位置決め用突き当て面と十分な距離をとることにより、後述の押しピンによる斜面84部への加圧で確実な記録ヘッドの位置決め固定が可能となる。さらに、82はつまみであり、カートリッジCを装填部に対して着脱する際等に用いる。また、82aは前につまみ82に設けられ、インクタンク部80内部を大気と連通させるための大気連通孔である。さらに82aは切り欠き部、83bはガイドであって、ともにカートリッジCを装填部に装填する際のガイドとなる。
【0013】
本例に係る記録ヘッド86は、図中底面側に開口した複数の吐出口を有し、その吐出口に連通した液路部分にインク吐出に利用されるエネルギを発生する吐出エネルギ発生素子が配置される。この吐出エネルギ発生素子としては、吐出口ないし液路の高集積化が可能なことから、熱エネルギ発生素子を用いるのが好適である。
【0014】
図2(A)および(B)は、それぞれ、記録ヘッド86の吐出方向前方より見た正面図および側断面図を示す。
【0015】
図2(A)および(B)において、101は記録ヘッド86のベース板であり、Alにより形成されている。基板101上にはSi等で形成される基板(ヒータボード)102が接着されている。ヒータボード102にはその表面には熱エネルギ発生素子としての電気熱変換体(不図示)やこの電気熱変換体を駆動するための機能素子としてのダイオード等が形成されている。103はオリフィスプレート(吐出口形成部材)であり、ここでは、インク液室を形成するための溝を設けた天板103Aと一体成形されている、
このオリフィスプレート103における吐出口の形成は、例えばエキシマレーザ孔の照射やフォトエッチング工程によって精度よく行うことができ、これにより複数の吐出口全体にわたって精度の高い形状を得ることができる。また、このオリフィスプレート103は、吐出口形成面に複数の異種材料が露出する場合には、これら材料間の濡れ性の違いによって生じる吐出方向の偏向を防止する意味でも用いられるものである。
【0016】
104はフィルタであり、チップタンク105から共通液室106に至るインク供給口に設けられる。フィルタ104は図中矢印のごとく流れてくるインクの不純物や塵埃などを取り除く。フィルタ104を通過したインクは共通液室106に流れ込み、この液室に連通する複数のインク液路107の各々にその吐出に応じて供給される。109はオリフィスプレート103をその弾性力等で押え、開口面(ここでは特にヒータボード102の端面)に対して密着させる押え部材である。本例では押え部材109としてSUSを用いている。
【0017】
以上の構成において、記録ヘッド86に一体化されているインクタンク部80からチップタンク105にインクを供給し、その後図示した矢印のごとくインクが流れる。まず、フィルタ104を通過することでインク中の塵埃や不純物が除去され、共通液室106に至りそこから液路107に導かれる。そして液路107内に配設された電気熱変換体を駆動することによりインク中に気泡を発生させ、この気泡の状態変化によって吐出口108を介してインクを吐出する。
【0018】
(2)キャリッジ
図3および図4は、それぞれ、図1に示すカートリッジCを装着可能なインクジェット記録装置のキャリッジ周辺の構成例を示す斜視図および平面図である。これら図は、キャリッジ2上に4個のカートリッジC1・C2・C3・C4(それぞれ異なった色のインクを収容しており、例えばイエロー,マゼンタ,シアン,ブラック等)を位置決めして装填する例を示している。
【0019】
保持部材としてのコネクタホルダ40上には、4個の押しピン10(押しピンA〜D)が係合しており、バネ10a(バネA〜D)によって図4中左方向に付勢されている。ここで、保持部材としてのコネクタホルダ40は、軸20(軸I・軸II)を介してリンク21(リンクI・リンクII)と係合し、更にこのリンク21に係合する操作レバー7の回転動作(時計方向・反時計方向)に従って図4中左右方向に移動可能であって、右方向に移動して加圧を解除してカートリッジの交換を可能とし、一方左方向に移動してカートリッジの装填を受容する構成になっている。
【0020】
そこでカートリッジCを装填部2fに装填する際には、まずカートリッジCの記録ヘッド部86を装填部2fの先端凹部2f1に上方から落し込む。この際にカートリッジCのガイド83b間にキャリッジ2側の矩形部2hが係合して大略位置決めされる。そして、操作レバー7を軸9を中心に時計方向へ回動させれば、ホルダ40が進んできてカートリッジCの切り欠き部83aにキャリッジ2側のガイド54に侵入するとともに、ピン10がカートリッジCと係合してカートリッジCは装填部2fに装填される。59はバネであってキャリッジ2側に設けられており、装填部2fに装填されたカートリッジCを後方に押圧して位置決めをより精度良く行うための付勢力を発生する。そして押しピン10の先端部10bはそれぞれ4個のカートリッジCの突き当て面1dに当接し、カートリッジを押圧する。また、押しピン10の外周面10cはキャリッジ2の突き当て面2Sに当接し、発生する押しピン軸と直角方向のスラスト力をそれぞれ独立に受ける構造になっている。従って、保持部材40はバネ10a(バネA〜D)の反力のみを受けるだけであって、スラスト力が作用しないために、複数のカートリッジを同時に解除するときも解除レバー7を小さな操作力で操作して着脱動作が可能となる。
【0021】
次にカートリッジC側のヘッドコネクタ85と、これに係合させるべく本体側に設けたコネクタ(本体コネクタ)6との嵌合および離脱のための機構ないし動作について説明する。
【0022】
本体コネクタ6がヘッドコネクタ85に挿入されるときは、本体コネクタ6と一体の係合軸6aが引張りバネ41(図5参照)の弾性力によってコネクタホルダ40の係合穴嵌合部40bに嵌合した状態でレバー7を操作すると、本体コネクタ6とコネクタホルダ40とが一体となって移動する。そしてキャリッジ2の装填部2fに装填されたカートリッジCが装填されることによって大略位置決めされているヘッドコネクタ85と、係合軸6aが嵌合部40bに嵌合することによって大略位置決めされている本体コネクタ6とが出会い、本体コネクタ6の斜面(図示せず)に案内されて本体コネクタ6がヘッドコネクタ85と嵌合(結合)する。この後、コネクタホルダ40は図3中奥側に所定距離lだけ右方に移動する(この移動はレバー7の回転によって行われる)。ここで、この所定距離とは、係合軸6aが嵌合部40bから離れる距離であって本体コネクタ6を位置決め状態から可動な可動(解放)状態にするためのコネクタホルダ40の移動距離である。
【0023】
そして本体コネクタ6は、ヘッドコネクタ85と上記引張りバネ41よりも強い力で結合しているので、本体コネクタ6はコネクタホルダ40から解放される。即ち係合が離れる。ここで係合穴40aの大径部は、本体コネクタ6の係合軸6aよりも径が大きいので両者の間にはギャップが生じる。従って、本体コネクタ6とヘッドコネクタ85の嵌合(結合)時は、本体コネクタ6はコネクタホルダ40に対し遊離状態になるので、カートリッCはキャリッジ2に対し、押しピン10による押圧力のみで位置決めされる事となり、記録ヘッド86のキャリッジ2に対する正確な位置決めが確保されるわけである。
【0024】
次に、カートリッジCを取り外す(解放する)ときには、レバー7を立てた位置から横にした位置(図3の位置)へ反時計方向へ回動させる。すると、係合軸6aはヘッドコネクタ85と強い力で結合しているが、コネクタホルダ40が右方に移動するにつれて、係合穴40aの大径部側面が係合軸6aに突き当たり、図3中奥方向に係合軸6aを押しながら、本体コネクタ6をヘッドコネクタ8から離脱(解放)させる。同時に押しピン10もコネクタホルダ40と一体となって移動し、記録ヘッド86より離れることになる。
【0025】
なお、図3または図4において、11はキャリッジ2の主走査方向に延在し、キャリッジ2を摺動自在に支持する走査レール、11aは軸受、51はコネクタを介しカートリッジCとの間で種々の信号を授受するためのフレキシブルケーブル、52はキャリッジ2を往復動させるための駆動力を伝達するベルトである。また、17,18および15,16は、記録ヘッド86による記録位置の前後に配置されて記録媒体の挟持搬送を行うためのローラ対、50は記録媒体の被記録面を平坦に規制するプラテンである。
【0026】
(3)記録装置の概略
図5は以上の構成を適用したプリンタまたは複写機,ファクシミリ等の記録装置の概略図を示している。
【0027】
記録装置本体1000は、操作側手前が開閉可能なカバー1101を有している。このカバー1101が回転中心軸を中心として開状態にされると、本体内部を開放する。この開放によって、前述したレバー7の回転動作が可能となり、カートリッジC1〜C4の装置本体に対する着脱操作を可能とする。図中の実線表示のレバー7は図1に示すカートリッジを装着可能とする位置を示し、この位置では、カバー1101の閉状態への移動を阻止する。なお、図中の破線表示のカートリッジは装着動作中のものを示し、実線表示のカートリッジは装置本体に位置決めされて記録可能な所定位置にある。このときカートリッジの記録ヘッド86の吐出口形成面は、プラテン50の案内面に平行に対向し、突出した記録ヘッド部はキャリッジから下方へ突出して、記録媒体搬送用ローラ16,18間に位置している。102は電気配線部のフレキシブルシートを示し、12は前述したレール11とともにキャリッジ2を支持して案内するためのレールである。
【0028】
コネクタホルダ40は、カートリッジが装着された後に、レバー7を破線の状態にしてカートリッジのキャリッジに対する固定を完了した後の状態として図示されている。20,202は、前述したコネクタホルダ40のキャリッジに対する相対移動方向に関して両側面側に設けられている軸であり、互いに位置レベルが同一の位置に並置されている。この軸は、キャリッジの両側側面の一直線上にその中心長軸を有する2つの長穴の内部内で移動可能な円柱形状である。図中、軸20,202は、実線で示す位置で実線図示のレバー7に対応している。これらの軸20,202はコネクタホルダの平行移動を一層確実なものにしている。本例では、軸20,202をコネクタ本体以外に設け、記録ヘッド位置決め用押しピン10の上方近傍に配置しているので、記録ヘッド位置決め用押しピン10の位置精度が向上する。なお、軸20,202と同様な軸をコネクタ本体に設けて、コネクタ本体の平行移動を安定化し、しかもコネクタ接続後は前後方向、側板との間隙部の左右方向の自由度を与えるように構成することもできる。本実施例では、軸202用の長穴を、コネクタ本体がコネクタ接続をした後には軸202を前後方向には固定せずに位置決め用押しピン10の位置決めは軸20にのみ支配的になるようにすることが好ましい。
【0029】
図6はレバー7と軸20との係合関係を側面から見た図で、図4の側面図に相当する。図4で説明したように、リンク21はレバー7と軸20とを連結している。なお、本図では上記装置本体を複写機に適用したものとして図示しており、この構成について簡単に説明しておくと、上方の原稿圧着板および原稿台ガラスの下方に位置する光学系読み取り手段,読み取り情報を電気信号に変換する手段212が設けられ、この信号はフレキシブルシート1102を介して記録ヘッドの駆動信号に変換されて、フルカラーインク画像を形成する。210は排出トレイ213側から本体下部に挿入されて、記録媒体をこの挿入方向とは逆方向に搬出するためのカセット、211はカセットの記録媒体搬出部に対応して設けられた給送ローラである。
【0030】
(4)回復系ユニットの概要
次に本例に係る回復系ユニットについて説明する。
【0031】
図7はその回復系ユニットの配設部位および概略構成を説明するための模式図であり、本例においては回復系ユニットを図3の左側にあるホームポジション側に配設してある。
【0032】
回復系ユニットにおいて、300は記録ヘッド86を有する複数のカートリッジCにそれぞれ対応して設けたキャップユニットであり、キャリッジ2の移動に伴って図中左右方向にスライド可能であるとともに、上下方向に昇降可能である。そしてキャリッジ2がホールポジションにあるときには、記録ヘッド部86と接合してこれをキャッピングする。このキャップユニット300の詳細な構成については図8につき後述する。
【0033】
また、回復系ユニットにおいて、401および402は、それぞれワイピング部材としての第1および第2ブレード、403は第1ブレード401をクリーニングするために、例えば吸収体でなるブレードクリーナである。本例においては、キャリッジ2の移動によって駆動されるブレード昇降機構により第1ブレード401を保持させ、これにより第1ブレード401を記録ヘッド86の吐出口形成面のうち露出したオリフィスプレート103の表面をワイピングすべく突出(上昇)した位置と、これと干渉しないように後退(下降)した位置とに設定可能とする。そして本例では、記録ヘッド86は図2(A)における幅bを有する部分が図7中左側にあるように取付けられているものとし、キャリッジ2が図中左側より右側に移動するときに第1ブレード401によるワイピングがなされるようにする。これにより、露出しているオリフィスプレート103の面は、図2(A)に示した吐出口の配設位置によって区画される狭い部分側(幅aの部分)から広い部分側(幅bの部分)に向けてのみワイピングがなされる。これら第1ブレード401の昇降機構ないしその動作等については図9〜図11につき後述する。なお、第2ブレード402については、第1ブレード401によってワイピングされない記録ヘッド86の吐出口形成面、すなわち図2(A)における露出したオリフィスプレート表面の両側部分にある押え部材109の表面をワインピングする位置に固定してある。
【0034】
さらに、回復系ユニットにおいて、500はキャップユニット300に連通したポンプユニットであり、キャップユニット300を記録ヘッド86を接合させて行う吸引処理等に際してそのための負圧を生じさせるのに用いる。このポンプユニット500の構成,動作等については図8および図12につき後述する。
【0035】
(4.1)キャップユニット
図8(A),(B)および(C)は、回復系ユニットの詳細な構成例を示すそれぞれ正面図,平面図および側面図である。
【0036】
まずキャップユニット300は、記録ヘッド86の吐出口のまわりに密着するキャップ302と、これを支持するホルダ303と、空吐出処理および吸引処理に際してインクを受容する吸収体306と、この受容されたインクを吸引するための吸引チューブ304と、さらにポンプユニット500に連通した接続チューブ305等を有している。このキャップユニット300はカートリッジCのそれぞれに対応した位置に同個数(本例では4個)だけ設けられ、キャップホルダ330により支持されている。
【0037】
332および334はキャップホルダ330から突設したピンであり、固定の回復系ベース350に設けられてキャップホルダ330を図8(A)中左右方向かつ上下方向に案内するためのカム溝352および354にそれぞれ係合している。キャップホルダ330の一方のピン334と回復系ベース350の立ち上げ部364との間にはばね360を張架し、これによりキャップホルダ330に同図示の位置、すなわちキャップホルダが右端位置かつ下降位置に保持されるように付勢力を与えている。なお、この位置にあるキャップホルダ330ないしキャップユニット300に対して、キャリッジ2上に搭載されたカートリッジCの記録ヘッド86が対向した位置が、1スキャンの記録処理時におけるキャリッジ2のスタートポジション(SP)である。
【0038】
342はキャップホルダ330から立ち上げられ、スタートポジションより左方の位置においてキャリッジ2と係合する係合部である。キャリッジ2がスタートボジションより図8(A)中さらに左方に移動すると、これに伴って係合部342によりキャップホルダ330はばね360の付勢力に抗して移動する。このときキャップホルダ330はピン332および334を介してカム溝352および354に沿って案内され、左方かつ上方に変位する。従ってキャップ302が記録ヘッド86の吐出口の周囲と密着し、キャッピングが施される。なお、このキャッピングがなされるときのキャリッジ2の位置をホームポジションとする。
【0039】
次に、図8(A)および(B)を用いて本例に係るキャップユニット300の構成および動作を説明する。なお、図では吸収体306を省略してある。
【0040】
キャップ302は弾性体からなり、ホルダ303への接合固定部302aと、この固定部302aに管状構造302bを張設するための縁部302cとからなり、これらが一体成型されている。
【0041】
キャップ302は、例えばシリコンゴム,ブチルゴム等の弾性体から形成することができる。
【0042】
同図(B)に示したtの部分(縁部302c)の厚さをできるだけ薄くすることにより、記録ヘッドの吐出口配列面に対するキャップ302の追従性を向上させることができる。縁部302cの厚さtは、好ましくは0.4mm以上、1mm以下とされるのが望ましい。
【0043】
このような構造によって、キャップ302の管状構造302bは、該吐出口密閉手段の吐出口配置面への当接方向において弾性を有し、該弾性を利用して該キャップの吐出口配置面へのイコライズが達成される。なお、キャップユニット300の吐出口形成面への当接(同図(A)から(B)の状態への移行)は、キャップホルダ330の回復系ベース350に対する移動により行われる。このとき接続チューブ304と後端側を大気に開放して当接を行えば、キャップ内空間が減少してもキャップ内は大気圧に保持され、吐出口内部のインクメニスカスが後退することはない。
【0044】
この状態で全ノズルからインクを吐出させることにより、インク滴は閉空間302d内に散乱し、吐出口面全体をインクで濡らして、固着したインクの染料、または顔料を溶解させ、次のブレードによるワイピングに備える。
【0045】
次にキャップを離脱させるときには、同図(A)と(B)との比較からわかるように、キャップ内の空間は、キャップ302が記録ヘッド86に当接させている際に大幅に減少しているので、離脱動作に伴うキャップの復元によるポンプ作用(負圧作用)が生じ、従ってキャップ内へのインクの保持が容易となる。すなわち、キャップが記録ヘッドから離脱する際に、収縮したキャップが元の状態にもどるからである。さらにキャップが離脱すると、キャップ内が負圧条件から大気圧状態に向って変化するので、キャップ内からインクがこぼれることが防止され、インクを引続きキャップ内に保持できる。この作用は、ホルダ303のキャップ直下のキャップ内径よりも広い空間の設定でより効果的に得られる。
【0046】
(4.2)ブレード昇降機構等
次に第1ブレード401の昇降機構について説明する。
【0047】
再び図8(A)〜(C)を参照するに、410は昇降可能なブレードホルダであり、その上部に取付け具411により第1ブレード401を取付けてある。412はブレードホルダ410を下降位置に向けて付勢するためのホルダ復帰ばねである。
【0048】
430はブレードホルダ410に突設したピン414のまわりに回動可能で、ストッパ432の上面部と係合することによりブレードホルダ410をその上昇位置においてロックするためのロックレバーであり、ばね434により図8(A)中反時計方向に付勢されている。また、同図示の状態ではブレードホルダ410に突設した部分416に係合し、図示の位置に保持される。
【0049】
440はブレードホルダ410から突設したピン418のまわりに回動可能で、ブレードホルダ410の上昇位置におけるロックレバー430のロック状態を解除するための解除レバーであり、ピン418のまわりに図8(A)中反時計方向に回動することによって当該ロックの解除を行う。すなわち、解除レバー440にはロックレバー430と係合するピン442を立設してあり、解除レバー440がピン418のまわりに同図中反時計方向に回動すると、ピン442はロックレバー430をピン414のまわりに回動させ、ロックレバー430とストッパ432の上面部との係合を解除させる。
【0050】
450はキャリッジ2の移動に伴ってブレードホルダ410を上昇させるための駆動力を伝達するカム部材であり、回復系ベース350に突設したピン370のまわりに回動可能に保持されている。
【0051】
図9を用いてかかるブレード昇降機構の動作を説明する。
【0052】
キャリッジ2がスタートポジションよりさらに左方へホームポジションに向けて移動すると、上述のようにキャップホルダ330は係合部342を介して同方向へ移動させられる(図中▲1▼)。するとキャップホルダ330より突設した部分344がカム部材450の第1アーム452と係合し、移動に伴ってこれをピン370のまわりに反時計方向に回動させる(図中▲2▼)。ブレードホルダ410はこれに設けてある係合部420を介してカム部材の第2アーム454と係合しており、従って当該回動によりカム部材454の第2アーム454はブレードホルダ410を上昇させる(図中▲3▼)。
【0053】
このとき、解除レバー440は、ブレードホルダ410より突設したピン418に支持されているために一体に上昇する。また、ロックレバー430は、同じくピン414に回動可能に支持されるとともにばね434により付勢されているために、ピン414のまわり反時計方向に回動しつつストッパ432の斜面部に沿って上昇する。やがてロックレバー430はストッパ432の斜面部を越え、ばね434の付勢力により反時計方向に回動してストッパ432の上面部と係合する。これによりブレードホルダ410は上昇位置にロックされ、このとき第1ブレード401が記録ヘッド86の吐出口形成面とオーバラップする位置に保持される。また、解除レバー440は図中破線で示す位置に設定され、キャリッジ2と係合可能となる。
【0054】
その後、キャリッジ2が図中右方向に移動するときには、解除レバー440はこれに押されて時計方向に回動するが、同方向の回動時にはロックレバー430と何らの係合もなされず、従ってロック状態は解除されない(図中▲5▼)。従って、当該キャリッジ2の移動中に第1ブレード401が記録ヘッド86の吐出口形成面をワイピングすることになる。
【0055】
逆に、キャリッジ2が記録領域側(図9の右方)から移動してくるときには、解除レバー440がピン418を中心として反時計方向に回動する(図中▲5▼)。するとこのとき解除レバー440はロックレバー430はピン414のまわりに時計方向に回動させられ、ロックレバー430のストッパ432の上面部との係合が解かれる。これによりブレードホルダ410はばね412(図8(C)参照)の付勢力により速やかに下降し、各部は図9示の状態に復帰する。従って、キャリッジ2の左方向への移動時には、記録ヘッド86が第1ブレード401に至る前に第1ブレード401が下降しているので、第1ブレード401によるワイピングは行われない。
【0056】
図10(A)はブレード401がワイピングを行うときの詳細を示す側断面図であり、同図に示すように、本例においては吐出口から段差部までの幅が狭い方から広い方にのみワイピングされる。すなわち、吐出口配列がオリフィスプレート103において偏倚した方向にワイピングがなされる。こうすることで、吐出口近傍が濡れたり、塵埃等が付着しても、ワイピングによってきれいな吐出口面が再現して良好な吐出状態を保つことが可能となる。
【0057】
逆に、吐出口から段差部までの距離が広い方から狭い方にワイピングした場合、狭い方の段差部に、除去し切れず残ったインクや塵埃が溜り、この結果距離が近いためオリフィスを塞いでしまう可能性があるため好ましくない。
【0058】
しかし、本実施例では第1ブレードを上述の如く適切に昇降させることによって段差部までの距離が狭い方から広い方にワイピングされ、最悪の場合でも図10(B)に示すようにインクや塵埃が吐出口8の位置には至らない状態となるため、吐出口に影響を与えることなく、安定した吐出状態を維持することが可能となる。
【0059】
ところで、本例にあっては図10のようにワイピング方向が規定されるために、当該ワイピングの速度すなわちキャリッジ2の移動速度に何ら考慮を払わないとすると、ブレード401の材質や形状等によって定まる諸因子(弾性係数等)により、吐出口形成面の凹凸への追従性に問題が生じる場合がある。すなわち、第1ブレード401が段差部に追従できず、これが復元したときには既に吐出口108を飛越してしまっているような不都合が生じるからである。そこで本例では、それら諸因子を考慮し、ワイピング時には通常走査時よりキャリッジ2を緩速で異動するようになして、吐出口付近が確実にワイピングされるようにする。
【0060】
図11(A)および(B)はブレード401のクリーニングの態様を説明するための図である。上述のようにキャップユニット300のスライドに伴いブレード401が上昇し(同図(A))、その後キャリッジ2の右方への移動に伴ってワイピングが行われる。このとき本例ではワイピングされてブレード401に受容されたインクはブレード401の表面を伝ってのみ流れ、装置内に滴下することはない。
【0061】
そして、同図(B)に示すようにキャリッジ2が右方から移動してくるときにブレード401は下降する。ブレードクリーナ403は、これがキャップユニット300に取付けられたものであっても、既にキャップユニット300が元の位置に復帰しているためブレード401に接触している。従って、ブレード401の下降に伴い、その表面に付着しているインク等はすべて吸収体形態のクリーナ403に受容され、ブレード401が確実に拭われることになる。
【0062】
(4.3)ポンプユニット
図8(B)および(C)を参照してポンプユニット500について説明する。
【0063】
ここで、502は半円筒面状に設けた回復系ベースの規制面であり、ここに少なくともその規制面上では可撓性を有する部材として構成したチューブ304を這い回す。510はチューブ304を規制面50に対して押付けながらポンプ軸504のまわりに回転する加圧コロであり、図中矢印方向にチューブ304を押潰しつつ回転することによりキャップユニット300に至る空間に負圧を生じさせ、吐出口からのインク吸引等を行う。
【0064】
520は加圧コロ510を回転させるためのガイドローラであり、ポンプ軸504に軸支されている。522は加圧コロ510の軸512をガイドローラ520に取付けるための保持具である。524はガイドローラ520に一体に設けられ、チューブ304群のおとりを抑制して各別に分離させておくためのガイド用隔壁である。526はガイドローラ520に一体化され、これを回転させるための駆動力の伝達を受けるポジションカムである。528はポンプ駆動ギアであり記録媒体搬送(副走査)用ローラ15の軸に設けられたギヤ15Aと、ポジションカム526に一体に設けたギアとに噛合するギアを有する。すなわち、本例ではポンプ駆動(加圧コロの回転)のための駆動力はローラ15より受けるものである。
【0065】
530はコロ位置を認識するために設けた検知手段としてのリーフスイッチであり、ポンプ軸504のまわりなガイドローラ520と一体に回転するカム532によりスイッチングされる。
【0066】
(5)記録装置のシーケンス
(5.1)加圧コロの位置設定
まず記録ヘッド86よりインクを強制排出させるべく吸引力を作用させるためのポンプユニット500の加圧コロの位置の設定について説明する。
【0067】
図12はその説明図であり、K〜Mが加圧コロ510の設定位置である。また、図において反時計方向(吸引を行う方向)を「+」とし、時計方向を「−」とする。
【0068】
まず位置Mは加圧コロ510がチューブ304を潰していない状態であり、この状態ではキャッピング時であってもキャップ内ないしインク吸引系が大気と連通している。位置L,Mは加圧コロ510が規制面502に沿ってチューブ304を押し潰しつつ+回転した後に停止される位置であり、これらの設定位置ではチューブ304が押し潰されているためにキャッピング時にはキャップ内なし吸引系が大気と密閉されている。
【0069】
本例においては、インク吸引による回復処理の形態は2通りある。1つは装置の比較的長期間にわたる休止後や、空吐出,ワイピグその他による他の回復処理によってもインク吐出状態が良好とならないとき等に、スイッチ等適宜の操作手段の操作により、もしくは自動的に行われるものである。このときはインクが増粘その他によって排出されにくい状態となっているので、キャップ内の吐出口の大きな吸引力を作用せしめ、すなわち流速を高めて急激にインク排出を行わせる(以下これを大回復という)。他方は所定量の記録動作直後においてリフレッシュないし冷却等により吐出状態を良好にすべく行うものである。特に吐出エネルギに熱エネルギを用いる本例のような装置では、このときはインク温度がある程度高く、従って粘性が小となっており、インクが比較的排出され易い状態となっているので、大回復時より小さい吸引力を作用せしめてインク排出を行わせる(以下これを小回復という)。
【0070】
これら大回復時および小回復時に、本例では、+回転させた加圧コロ510を、それぞれ位置LおよびMに設定して所定時間保持する。作用する吸引力および吸引量は、インク吸引系の内容積の増加、すなわち+回転した加圧コロ510がチューブ304を押潰し始める位置から停止位置までの長さに対応した内容積によって定まるために、位置Mに停止させたときには位置Lの場合よりも吸引力が小となる。これによると、小回復時には大回復時よりインクが吐出口から緩やかに引かれることになる。従って流れの状態が安定し、吐出口内方に存在しうる微細気泡等、すなわち吸引力が大であって流れの状態が安定しない場合には乱流や渦の発生によって除去できないような微細気泡等も確実に排除できることになる。また、このとき吸引されるインク量も少なくなるために、インクが必要以上に消費されることもない。
【0071】
なお、主としてインク消費量の低減化を図るのであれば、小回復時にも位置Mに設定し、ここに停止させておく時間を大回復時より小とすればよい。また、主として微細気泡等の除去を確実化するのであれば、小回復時には加圧コロ510の回転速度を落とし、緩かにインク吸引が行われるようにしてもよい。さらにこの場合停止位置を適切に定めれば、インク消費量の低減化も達成できる。
【0072】
インクを強制排出するための手段としては、吸引ポンプに他の形態のものを用いたり、あるいは吐出口に至るインク供給系を加圧して行うものでもよいが、本例のようなポンプユニット500を用いれば上記ような制御ないし調整が容易となる。
【0073】
(5.2)キャリッジの位置設定
図13を用いてキャリッジ2の位置設定態様等について説明する。なお、図中のA〜Dは最も記録領域側に位置するヘッドを基準とした位置である。
【0074】
まず、同図(A)はワイピング時の反転ポジションを示す。さらに本例ではこの位置をキャッピングを施す場合またはブレード401を上昇させる場合に設定される位置とする。本例ではこれらキャッピングやブレード突出のための動作がキャリッジ2の移動に伴って行われるために、キャリッジ2からはある程度以上大きな力の伝達が必要である。そこで、キャリッジ2を適切な位置Aに設定し、この位置から移動を行わせることによりその慣性を利用すれば、キャリッジ2の駆動源たるモータの大型化や駆動電力の増大をもたらすことなく、上記機構を駆動するに必要十分な量の駆動力が得られることになる。
【0075】
次に、同図(B)の位置Bは記録動作の開始ポジションおよび記録動作中の反転ポジションであるスタートポジションを示す。このときには各ヘッド86と各キャップ300とがそれぞれ対向するが、キャップホルダ330およびブレードホルダ410は駆動されておらず、従ってキャップ300はヘッド86と離隔した位置にあり、かつブレード401も上昇していない。空吐出はこの位置で行われる。
【0076】
次に、同図(C)に示す位置Cはブレードホルダ410の上昇が起動される位置である。キャッピングを行う場合あるいはワイピングを行う場合にはこの位置を通過し、あるいはこの位置に設定される。また、同図(D)の位置Dはキャップホルダ330が上昇してキャッピングが施される位置であり、この位置で大回復や小回復が行われたり、記録休止時の待機等が行われる。
【0077】
(5.3)動作シーケンスのまとめ
図14(A)〜(E)は本例の動作シーケンスをまとめたものである。これらにおいて、“1”は加圧コロ510の位置を示す欄、“2”はキャリッジ2の位置を示す欄である。また、K〜Mは図12示のコロ位置、A〜Dは図13(A)〜(D)に示したキャリッジ位置と同一である。
【0078】
同図(A)は電源投入後の初期処理時を示すもので、加圧コロやキャリッジの位置のイニシャライズが行われる。同図(B)はコピーボタンの押下等により記録開始の指令が与えられときの状態を示すもので、この後にカセット給紙または手差し給紙による記録媒体の送給が行われる。同図(C)は記録処理時において適宜のタイミング(例えば5〜10ラインの記録走査毎)で行われるワイピングないし空吐出時の処理である。同図(D)は所定量(本例では1ページ分の記録媒体への記録)終了直後に行うようにした小回復処理を含む記録終了処理を示すものである。また、同図(E)は大回復時の処理である。
【0079】
これらの詳細については図16および図17とともに説明する。
【0080】
(5.4)制御系の構成
図15は本実施例の制御系の構成例を示す。
【0081】
ここで、800は主制御部をなすコントローラであり、図16および図17に示す手順を実行する例えばマイクロコンピュータ形態のCPU801、その手順に対応したプログラムやその他の固定データを格納したROM803、および画像データを展開する領域や作業用の領域等を設けたRAM805等を有する。810は画像データの供給源をなすホスト装置(リーダ部、すなわち図6の手段212等であってもよい)であり、画像データその他コマンド,ステータス信号等はインターフェースを(I/F)812を介してコントローラと送受信される。
【0082】
820は電源スイッチ822、記録(コピー)開始を指令するためのコピースイッチ824および大回復の起動を指示するための大回復スイッチ826等、操作者による指令入力を受容するスイッチ群である。830はホームポジションやスタートポジション等キャリッジ2の位置を検出するためのセンサ832、およびリーフスイッチ530を含みポンプ位置検出のために用いるセンサ834等、装置状態を検出するためのセンサ群である。
【0083】
840は記録データ等に応じて記録ヘッド86の吐出エネルギ発生素子(本例では電気熱変換体)を駆動するためのヘッドドライバである。850はキャリッジ2を主走査方向(図7の左右方向)に移動させるための主走査モータ、852はそのドライバである。860は副走査モータであり、記録媒体を搬送(副走査)するために用いられるとともに、本例ではローラ15を介して加圧コロ510の駆動を行う。862はそのドライバである。
【0084】
(5.5)制御手順
図16は本例による記録処理手順の概略フローチャートである。
【0085】
電源スイッチ822が操作されて電源投入がされると本手順が起動し、まずステップSAにて初期処理(図16(A))を行う。次にステップS1にてコピースイッチ824の操作、またはホスト装置810からの指令、あるいは所謂手差し給紙時における給紙信号等、記録開始の指令信号を待機する。ホスト装置810からの画像データの入力に伴ってこれが指示されると、ステップS13にて記録準備処理(図16(B))を行う。
【0086】
その後ステップS3にて所定ライン数(本例では5〜10の複数ライン)の記録を行い、ステップS5にて1頁分の記録が終了したか否かを判定する。ここで否定判定であればステップSCの記録時回復処理(図16(C))を行い、すなわち所定ライン数の記録終了毎に1回の回復処理を行い、一方肯定判定であればステップSDにて記録終了処理(図16(D))を行った後にステップS1に移行する。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、記録ヘッドの吐出口が存在する面(吐出口形成面)をワイピングするときには、万が一インク滴が固着していてもワイピングの前にインクで吐出口面を濡らすので、固着インクを溶解し、確実なワイピングが行われることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係るインクジェット記録装置のキャリッジに搭載可能なカートリッジCの一構成例を示す図である。
【図2】(A)および(B)は、それぞれ、記録ヘッド86の吐出方向前方より見た正面図および側断面図を示す。
【図3】図1に示すカートリッジCを装着可能なインクジェット記録装置のキャリッジ周辺の構成例を示す斜視図である。
【図4】図1に示すカートリッジCを装着可能なインクジェット記録装置のキャリッジ周辺の構成例を示す平面図である。
【図5】以上の構成を適用したプリンタまたは複写機,ファクシミリ等の記録装置の概略図である。
【図6】レバー7と軸20との係合関係を側面から見た図で、図4の側面図に相当する。
【図7】その回復系ユニットの配設部位および概略構成を説明するための模式図である。
【図8】回復系ユニットの詳細な構成例をそれぞれ示す説明図である。
【図9】ブレード昇降機構の動作を説明する図である。
【図10】(A)はブレード401がワイピングを行うときの詳細を示す側断面図である。
【図11】(A)および(B)はブレード401のクリーニングの態様を説明するための図である。
【図12】記録ヘッド86よりインクを強制排出させるべく吸引力を作用させるためのポンプユニット500の加圧コロの位置の設定について説明する図である。
【図13】キャリッジ2の位置設定態様等について説明する図である。
【図14】(A)〜(E)は本例の動作シーケンスをまとめた図である。
【図15】本実施例の制御系の構成例を示す図である。
【図16】本例による記録処理手順の概略フローチャートである。
【図17】本例による記録処理手順の概略フローチャートである。

Claims (3)

  1. インクを吐出するために利用されるエネルギを発生する吐出エネルギ発生素子が配設された液路と、該液路に連通する開口が配された開口面と、該開口面に接合し、前記開口に対応して配設される吐出口を有した吐出口形成部材と、該吐出口形成部材の前記接合を保持するため、前記吐出口形成部材の少なくとも前記吐出口が配設された第1部位を除いた第2部位を覆う押え部材とを有した記録ヘッドと、第2部位を覆われた状態で全ノズルから吐出する手段を備えた記録ヘッドで、該記録ヘッドを所定方向に走査させる走査手段と、当該走査の過程で前記記録ヘッドの前記吐出口が存在する面と係合してこれをワイピングするワイピング部材とを具えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記第1ワイピング部材を前記第1部位の表面と係合する位置と係合しない位置とに移動可能に保持する保持手段を具えたことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記吐出エネルギ発生素子は、前記エネルギとして熱エネルギを発生する電気熱変換体を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかの項に記載のインクジェット記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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