JP2004167760A - 機能液送液装置、液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、および電子機器 - Google Patents

機能液送液装置、液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】機能液中の気泡をトラップして、機能液滴吐出ヘッドに気泡が流入することを確実に防止することができると共に、トラップした気泡により機能液滴吐出ヘッドの吐出性能に悪影響を与えることがない機能液送液装置、液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、および電子機器を提供することを課題としている。
【解決手段】本発明は、機能液タンク152と機能液滴吐出ヘッド31とを接続する機能液流路154に、機能液流路154に連通する流入口252および流出口253と、流入口252および流出口253に連なり、流入した機能液中の気泡をトラップして貯留する貯留部254と、貯留部254のトラップエアーを排気する排気口255と、を備えた気泡トラップ251を介設し、排気口255を介して、貯留部内のトラップエアーを外部に排気する排気手段256を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、機能液タンクから機能液滴吐出ヘッドに送液する機能液中の気泡をトラップする気泡トラップを備えた機能液送液装置、液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、および電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液滴吐出装置の一種として知られるインクジェット式記録装置は、記録ヘッド(機能液滴吐出ヘッド)から微小なインク滴(機能液滴)をドット状に精度良く吐出できることから、各種製品の製造分野への応用が期待されている。ところで、記録ヘッドに気泡が流入すると印字品質の低下を招くことから、インクジェット式記録装置では、インクカートリッジ(機能液タンク)からのインクを流入させる記録ヘッドのインク供給口に気泡をトラップさせるフィルタを配設している(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−327929号公報(第3頁−第6頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようなインクジェット式記録装置では、次第に気泡がフィルタに蓄積して、フィルタの略全域が気泡で占有されるようになる。そして、蓄積した気泡により、記録ヘッドへのインクの送液が妨げられ、吐出性能が悪化する惧れが生じる。
【0005】
そこで、本発明は、機能液中の気泡をトラップして、機能液滴吐出ヘッドに気泡が流入することを確実に防止することができると共に、トラップした気泡により機能液滴吐出ヘッドの吐出性能に悪影響を与えることがない機能液送液装置、液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、および電子機器を提供することをその課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の機能液送液装置は、機能液タンクと機能液滴吐出ヘッドとを接続する機能液流路に介設され、機能液流路内の気泡を捕捉する気泡トラップと、気泡トラップ内のトラップエアーを外部に強制的に排気する排気手段と、を備え、気泡トラップは、機能液流路に連通する流入口および流出口と、流入口および流出口に連なり、流入した機能液中の気泡を流入口および流出口よりも上方でトラップして貯留する貯留部と、貯留部に連なり、貯留部のトラップエアーを排気する排気口と、を有していることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、機能液流路に滞留した気泡が機能液と共に送液されたとしても、気泡は気泡トラップを通過するに際に貯留部でトラップされるので、機能液滴吐出ヘッドに気泡が侵入することを防止できる。そして、貯留部に貯留されたトラップエアー(気泡)は、排気手段によって、排気口から外部に強制的に排気することができるので、貯留部内のトラップエアーによって機能液の送液が妨げられることがない。また、排気口からトラップエアーを排気できるので、トラップエアーが機能液滴吐出ヘッドに侵入することにより生じるドット抜けを防止できる。なお、この場合、「エアー」とは、空気をはじめ、不活性ガスを含む気体の意味で用いられるものである。
【0008】
この場合、排気手段は、排気口に接続した排気流路を介して、貯留部内のトラップエアーを吸引するエアー吸引機構を有していることが好ましい。
【0009】
この構成によれば、エアー吸引機構を駆動することにより、貯留部内のトラップエアーを外部に排気することができる。
【0010】
この場合、排気流路には、排気流路開閉弁が介設されていることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、エアー吸引機構の駆動と共に、排気流路開閉弁を開閉制御することにより、確実に貯留部の吸引を停止させることができ、装置の誤作動等に起因して貯留部の吸引が過剰に行われることを防止することができる。
【0012】
この場合、排気手段は、機能液流路に機能液を加圧送液して、貯留部のエアーを排気させる加圧機構を有していることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、加圧機構を駆動して、加圧送液した機能液を貯留部に流入させることにより、貯留部のトラップエアーを排気口から押し出すことができる。
【0014】
これらの場合、気泡トラップには、大気開放弁が設けられていることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、トラップエアーを排気するために気泡トラップの圧力を変化させても、大気開放弁を開放することにより気泡トラップを大気圧に戻すことができる。
【0016】
これらの場合、気泡トラップは、貯留部内のトラップエアーが所定量に達したことを検出するエアー量検出手段をさらに有しており、エアー量検出手段の検出結果に基づいて、排気手段の駆動を制御する第1制御手段をさらに備えることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、エアー量検出手段の検出結果に基づいて、排気手段を駆動することにより、貯留部内に貯留されたトラップエアーが所定量を超過すると当該貯留部のエアーを排気することができるので、エアーが過剰に貯留されることがない。したがって、貯留されたエアーにより機能液流路の流れが妨げられることがなく、機能液滴吐出ヘッドに対し、安定して機能液を送液することができる。
【0018】
この場合、第1制御手段は、機能液流路における圧力変動を吸収する量のトラップエアーを貯留部に残して、排気手段の駆動を停止させることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、貯留部に残されたトラップエアーが機能液流路における圧力変動を吸収するので、機能液送液中に生じる機能液流路の圧力変動に左右されることなく、機能液を適切に送液することができる。
【0020】
この場合、エアー量検出手段は、貯留部内の機能液の液位を検出する液位検出センサで構成されていることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、貯留部に流入する機能液の液位は、当該貯留部に貯留するトラップエアー量に応じて増減しているので、液位検出センサで貯留部内の機能液の液位を検出することにより、貯留部内のエアー量を検出することができる。
【0022】
この場合、気泡量検出手段は、フロートスイッチで構成されていることが好ましい。
【0023】
この構成によれば、気泡量検出手段がフロートスイッチで構成されており、貯留部内のエアー量に応じてフロートスイッチがON/OFFされるので、貯留部内のトラップエアー量が所定量に達したか否かを検出することができる。
【0024】
この場合、排気手段は、機能液滴吐出ヘッドの非駆動時にエアーを排気することが好ましい。
【0025】
この構成によれば、機能液滴吐出ヘッドの駆動時にエアーが排気されることがないので、機能液滴吐出中の機能液滴吐出ヘッドがエアー排気のために生じる圧力変動等の影響を受けることがなく、機能液滴吐出ヘッドからの機能液吐出結果を安定させることができる。
【0026】
この場合、気泡トラップと機能液滴吐出ヘッドとを接続する機能液流路を開閉する機能液流路開閉弁と、機能液流路開閉弁を開閉制御する第2制御手段と、を更に備え、第2制御手段は、排気手段の駆動と同期して前記機能液流路開閉弁を開閉制御することが好ましい。
【0027】
この構成によれば、第2制御手段が、排気手段の駆動と同期して機能液流路開閉弁を開閉制御するので、排気手段の駆動には機能液流路開閉弁を閉弁させることにより、機能液滴吐出ヘッドが排気の影響を受けることを防止することができる。すなわち、気泡トラップの排気時に、機能液滴吐出ヘッドのヘッド内流路から機能液が逆流したり、機能液滴吐出ヘッドのノズルから機能液が液垂れすることを防止することができる。
【0028】
本発明の電気光学装置の製造方法は、上記した液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液滴吐出ヘッドから吐出させた機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする。
【0029】
また、本発明の電気光学装置は、上記した液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液滴吐出ヘッドから吐出させた機能液滴による成膜部を形成したことを特徴とする。
【0030】
これらの構成によれば、機能液滴吐出ヘッドから機能液を効率よく吸引可能な液滴吐出装置を用いて製造されるため、電気光学装置を効率よく製造することが可能となる。なお、電気光学装置(デバイス)としては、液晶表示装置、有機EL(Electro−Luminescence)装置、電子放出装置、PDP(Plasma Display Panel)装置および電気泳動表示装置等が考えられる。なお、電子放出装置は、いわゆるFED(Field Emission Display)装置を含む概念である。さらに、電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等を包含する装置が考えられる。
【0031】
本発明の電子機器は、上記した電気光学装置を搭載したことを特徴とする。
【0032】
この場合、電子機器としては、いわゆるフラットパネルディスプレイを搭載した携帯電話、パーソナルコンピュータの他、各種の電気製品がこれに該当する。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明を適用した液滴吐出装置の外観斜視図、図2は、本発明を適用した液滴吐出装置の右側面図である。詳細は後述するが、この液滴吐出装置1は、特殊なインクや発光性の樹脂液等の機能液を機能液滴吐出ヘッド31に導入して、基板等のワークWに機能液滴による成膜部を形成するものである。
【0034】
両図に示すように、液滴吐出装置1は、機能液を吐出するための吐出手段2と、吐出手段2のメンテナンスを行うメンテナンス手段3と、各手段に液体(例えば、機能液)を供給すると共に不要となった液体を回収する液体供給回収手段4と、各手段を駆動・制御するための圧縮エアーを供給するエアー供給手段5と、を備えている。吐出手段2の主要部は、架台11上に設けた石定盤12上に配設され、これらと一体的に添設した共通機台13には、メンテナンス手段3、液体供給回収手段4、およびエアー供給手段5の主要部が配設されている。そして、これらの各手段は、制御手段6によって制御されている。以下、各手段について説明する。
【0035】
吐出手段2は、機能液を吐出する機能液滴吐出ヘッド31を有するヘッドユニット21と、ヘッドユニット21を支持するメインキャリッジ22と、メインキャリッジ22を介して、ヘッドユニット21(機能液滴吐出ヘッド31)をワークWに対して相対的に移動させるX・Y移動機構23と、を有している。
【0036】
図3に示すように、ヘッドユニット21は、12個の機能液滴吐出ヘッド31と、機能液滴吐出ヘッド31を搭載するサブキャリッジ32と、各機能液滴吐出ヘッド31をサブキャリッジ32に取り付けるためのヘッド保持部材33と、で構成されている。サブキャリッジ32には、12個の機能液滴吐出ヘッド31が6個ずつに二分され、ワークWへの十分な塗布密度を確保するために、所定角度傾けてサブキャリッジ32に固定されている。また、サブキャリッジ32には、各機能液滴吐出ヘッド31と給液タンク152(後述する)とを配管接続するための配管ジョイント43が設けられている。なお、機能液滴吐出ヘッド31の個数や配列は、上記したものに限られるものではなく任意であり、例えば、機能液滴吐出ヘッド31に利用目的に合わせた専用のものを用いれば、あえて機能液滴吐出ヘッド31を傾ける構成とする必要はない。
【0037】
図4に示すように、機能液滴吐出ヘッド31は、いわゆる2連のものであり、2連の接続針35を有する機能液導入部34と、機能液導入部34に連なる2連のヘッド基板36と、機能液導入部34の下方に連なり、内部に機能液で満たされるヘッド内流路が形成されたヘッド本体37と、を備えている。各接続針35は、配管アダプタ42を介して後述の給液タンク152に接続されており、機能液導入部34は、各接続針35から機能液の供給を受けるようになっている。ヘッド本体37は、2連のポンプ部38と、多数の吐出ノズル41を形成したノズル形成プレート39と、を有しており、機能液滴吐出ヘッド31では、ポンプ部38の作用により吐出ノズル41から機能液滴を吐出するようになっている。なお、ノズル形成プレート39の下面は、ノズル形成面40(ノズル面)となっており、機能液滴吐出ヘッド31は、ノズル形成面40を下方に突出させるように、ヘッド保持部材33を介してサブキャリッジ32に固定されている(図4参照)。
【0038】
図2に示すように、メインキャリッジ22は、後述するY軸テーブル55に下側から固定される外観「I」形の吊設部材51と、吊設部材51の下面に取り付けられ、(ヘッドユニット21の)θ方向に対する位置補正を行うためのθテーブル52と、θテーブル52の下方に吊設するよう取り付けたキャリッジ本体53と、で構成されている。キャリッジ本体53には、ヘッドユニット21を遊嵌するための方形の開口を有しており、ヘッドユニット21を位置決め固定するようになっている。なお、キャリッジ本体53には、ワークWを認識するためのワーク認識カメラ(図示省略)が配設されている。
【0039】
X・Y移動機構23は、ワークWを吸着(固定)する吸着テーブル56を有し、吸着テーブル56を介してワークWをX軸方向(主走査方向)に移動させるX軸テーブル54と、メインキャリッジ22を介してヘッドユニット21をY軸方向(副走査方向)に移動させるY軸テーブル55と、を備えている。X・Y移動機構23は、上記した石定盤12上に配設されており、ワークWの平坦度を維持すると共に、ヘッドユニット21を正確に移動させることができるようになっている。
【0040】
ここで、吐出手段2の一連の動作を簡単に説明する。まず、機能液を吐出する前の準備として、ヘッドユニット21およびセットされたワークWの位置補正がなされる。次に、X・Y移動機構23(X軸テーブル54)が、ワークWを主走査(X軸)方向に往復動させる。ワークWの往復動と同期して、複数の機能液滴吐出ヘッド31が駆動し、ワークWに対する機能液滴の選択的な吐出動作が行われる。ワークWが一往復動すると、X・Y移動機構23(Y軸テーブル55)は、ヘッドユニット21を副走査(Y軸)方向に移動させる。そして、ワークWの主走査方向へ往復動と機能液滴吐出ヘッド31の駆動が再び行われる。なお、本実施形態では、ヘッドユニット21に対して、ワークWを主走査方向に移動させるようにしているが、ヘッドユニット21を主走査方向に移動させる構成であってもよい。また、ヘッドユニット21を固定とし、ワークWを主走査方向および副走査方向に移動させる構成であってもよい。
【0041】
次に、メンテナンス手段3について説明する。メンテナンス手段3は、機能液滴吐出ヘッド31を保守して、機能液滴吐出ヘッド31が適切に機能液を吐出できるようにするもので、フラッシングユニット61、吸引ユニット62、およびワイピングユニット63を備えている(図1参照)。
【0042】
フラッシングユニット61は、液滴吐出時における複数(12個)の機能液滴吐出ヘッド31のフラッシング動作、すなわち全吐出ノズル41からの予備吐出(無駄打ち)、により順に吐出される機能液を受けるためのものである。フラッシングユニット61は、吐出させる機能液を受ける1対のフラッシングボックス71を有しており、1対のフラッシングボックス71は、吸着テーブル56を挟んでX軸テーブル54に固定されている。フラッシングボックス71は、主走査に伴いワークWと共にヘッドユニット21へ向かって移動していくので、フラッシングボックス71に臨んだ機能液滴吐出ヘッド31の吐出ノズル41から順次フラッシング動作を行うことができる。そして、フラッシングボックス71で受けた機能液は、後述する廃液タンク241に貯留される。なお、本実施形態のフラッシング動作では、全吐出ノズル41からの予備吐出を行う構成であるが、例えば、使用する吐出ノズル41のみに予備吐出をさせるといったように、一部の吐出ノズル41だけに予備吐出を行わせる構成としてもよい。
【0043】
吸引ユニット62は、上記した共通機台13上に設けられており、機能液滴吐出ヘッド31に機能液を充填する場合や、機能液滴吐出ヘッド31内で増粘した機能液を除去するためのクリーニングを行う場合のように、機能液滴吐出ヘッド31の全吐出ノズル41から機能液を吸引するためのものである。
【0044】
図5に示すように、吸引ユニット62は、各機能液滴吐出ヘッド31に密着させる12個のキャップ91を有したキャップユニット81と、キャップユニット81を昇降させることにより、キャップ91を機能液滴吐出ヘッド31に離接させる昇降機構82と、キャップ91を介して、機能液滴吐出ヘッド31の全吐出ノズル41から機能液を吸引すると共に、吸引した機能液を再利用タンク221に送液するための吸引ポンプ83と、各キャップ91と吸引ポンプ83を接続する吸引用チューブ84と、キャップユニット81を支持する支持部材85と、を有している。なお、各キャップ91と吸引ポンプ83とを接続する吸引用チューブ84には、機能液の有無を検出する(12個の)機能液検出センサ123が介設されている(図6および図7参照)。
【0045】
ワイピングユニット63は、吸引ユニット62と同じく共通機台13上に設けられ、機能液滴吐出ヘッド31のクリーニング等の後、機能液が付着して汚れた各機能液滴吐出ヘッド31のノズル形成面40をX軸方向に移動しながら拭き取るものである。図1に示すように、ワイピングユニット63は、拭き取り用のワイピングシート(図示省略)を繰り出しながら巻き取っていく巻取りユニット132と、ワイピングシートをノズル形成面40に接触させるための拭き取りローラ(図示省略)を有する拭き取りユニット133と、で構成されている。なお、繰り出されたワイピングシートには、後述する洗浄液供給系143から洗浄液が供給されており、機能液滴吐出ヘッド31に付着した機能液を効率よく拭き取れるようになっている。
【0046】
次に、液体供給回収手段4について説明する。液体供給回収手段4は、ヘッドユニット21の各機能液滴吐出ヘッド31に機能液を供給する機能液供給系141と、メンテナンス手段3の吸引ユニット62で吸引した機能液を回収する機能液回収系142と、ワイピングユニット63に機能材料の溶剤を洗浄用として供給する洗浄液供給系143と、フラッシングユニット61で受けた機能液を回収する廃液回収系144と、で構成されている。そして、図2に示すように、共通機台13の収容室14には、図示右側から順に機能液供給系141の加圧タンク151、機能液回収系142の再利用タンク221、洗浄液供給系143の洗浄液タンク231が横並びに配設されている。そして、再利用タンク221および洗浄液タンク231の近傍には、小型に形成した廃液回収系144の廃液タンク241が設けられている。
【0047】
機能液供給系141は、大量(3L)の機能液を貯留する加圧タンク151と、加圧タンク151から送液された機能液を貯留すると共に、各機能液滴吐出ヘッド31に機能液を供給する給液タンク152と、加圧タンク151から機能液滴吐出ヘッド31まで機能液を給液するための給液通路を形成する給液チューブ154と、で構成されている。加圧タンク151に貯留された機能液は、機能液滴吐出ヘッド31の非吐出時に、後述するエアー供給手段5から導入される圧縮エアー(不活性ガス)により、一定圧力で給液タンク152に圧送される。
【0048】
給液タンク152は、上記した共通機台13に配設したタンクベース161上に固定されている。図1および図2に示すように、給液タンク152は、機能液を貯留すると共に、フランジ形式で閉蓋された矩形のタンク本体162と、タンク本体162に貯留されている機能液の液位を検出する液位検出器163と、タンク本体162を載置するパン166と、パン166を介してタンク本体162を支持するタンクスタンド167と、を備えている。
【0049】
両図に示すように、加圧タンク151と給液タンク152とを接続する給液チューブ154は、給液タンク152の上面に繋ぎ込まれている。そして、給液タンク152と加圧タンク151とを接続する給液チューブ154には、加圧タンク151からの機能液の送液を調節するための液位調節バルブ212が介設されている(図6参照)。液位調節バルブ212は、液位検出器163の検出結果に基づいて開閉制御されており、給液タンク152に貯留する機能液の液位が、常に管理液位の範囲内にあるように調整されている。
【0050】
また、給液タンク152の上面には、ヘッドユニット21側に延びる給液チューブ154用の6つのコネクタ172と1つの大気開放用のコネクタ173が設けられている。給液タンク152から機能液滴吐出ヘッド31に延びる6本の給液チューブ154は、それぞれT字継手213を介して2本に分岐され、計12本の分岐給液チューブ211を形成している。12本の分岐給液チューブ211は、ヘッドユニット21に設けた上記の配管ジョイント43を介し、各機能液滴吐出ヘッド31に機能液を供給している。また、各分岐給液チューブ211には、分岐給液チューブ211を開閉するためのヘッド側供給バルブ214(機能液流路開閉弁)が介設されており、制御手段6により開閉制御されている。なお、大気開放用のコネクタ173には、大気開放弁174が設けられ、給液タンク152内の圧力を大気開放するようになっている。
【0051】
機能液回収系142は、吸引ユニット62の吸引ポンプ83で吸引した機能液を貯留するためのもので、吸引した機能液を貯留する再利用タンク221と、吸引ポンプ83に接続され、吸引した機能液を再利用タンク221へ導く回収用チューブ(図示省略)と、を有している。
【0052】
洗浄液供給系143は、ワイピングユニット63のワイピングシートに洗浄液を供給するためのもので、洗浄液を貯留する洗浄液タンク231と、洗浄液タンク231の洗浄液を供給するための洗浄液供給チューブ(図示省略)とを有している。なお、洗浄液の供給は、洗浄液タンク231にエアー供給手段5から圧縮エアーを導入することにより為される。また、洗浄液には、比較的揮発性の高い機能液の溶剤が用いられ、機能液滴吐出ヘッド31に付着した機能液を効率よく拭き取れるようになっている。
【0053】
廃液回収系144は、フラッシングユニット61に吐出した機能液を回収するためのもので、回収した機能液を貯留する廃液タンク241と、フラッシングユニット61(フラッシングボックス71)と廃液タンク241とを接続する廃液用チューブ(図示省略)と、廃液用チューブに介設され、フラッシングボックス71へ吐出された機能液を廃液タンク241に導く廃液ポンプ242と、を有している。
【0054】
次に、エアー供給手段5について説明する。図6に示すように、エアー供給手段5は、不活性ガス(N)を圧縮した圧縮エアーを加圧タンク151等の各部に供給するためもので、不活性ガスを圧縮するエアーポンプ181(コンプレッサー)と、エアーポンプ181からの圧縮エアーを供給先に応じて一定圧力に保つレギュレータ182と、エアーポンプ181と各部とを配管接続して、圧縮エアーを各部に供給するエアー供給チューブ183と、を備えている。また、エアーポンプ181とレギュレータ182とを接続するエアー供給チューブ183には、圧縮エアー(機能液)中のごみを除去するためのエアー(液体)フィルタ184および油分を除去するためのセパレータ185が介設されている。
【0055】
次に制御手段6について説明する。制御手段6は、各手段の動作を制御するための制御部を備えており、制御部は、制御プログラムや制御データを記憶していると共に、各種制御処理を行うための作業領域を有している。そして、制御手段6は、上記した各手段と接続され、装置全体を制御している。
【0056】
ところで、機能液滴吐出ヘッド31(のヘッド内流路)に気泡が流入すると機能液の吐出結果に悪影響を及ぼすため(いわゆるドット抜け)、この液滴吐出装置1には、機能液滴吐出ヘッド31(のヘッド内流路)に気泡が流入することを防止するための(12個の)気泡トラップ251が、各機能液滴吐出ヘッド31に至る各分岐給液チューブ211の略直上部に設けられている(図6参照)。なお、効率よく気泡をトラップすると共に、気泡が機能液滴吐出ヘッド31内に侵入することを確実に防止するために、気泡トラップ251の配設位置は、可能な限り装置の上方部分、かつ機能液滴吐出ヘッド31の近傍であることが好ましい。
【0057】
気泡トラップ251は、分岐給液チューブ211に接続され、機能液を流出入させる流入口252および流出口253と、流入口252および流出口253に連なり、流入した機能液中の気泡をトラップして流入口252および流出口253よりも上方に貯留する貯留部254と、を備えている。そして、貯留部254に貯留する(トラップ)エアー(気泡)の量が増加すると、エアーによって貯留部254の(機能液の)液面が押下げられ、貯留部254の液位は低下していく。
【0058】
貯留部254の上部には、貯留部254内のエアー(気泡)を排気するための排気口255が設けられ、排気口255には、エアー排気用チューブ257(排気流路)を介して、貯留部254のエアーを排気させる排気手段となるエアー吸引ポンプ256(エアー吸引機構)が接続されている。そして、エアー吸引ポンプ256を駆動して貯留部254内のエアーを排気口255から排気し、貯留部254の液位を調整できるようになっている。なお、エアー吸引ポンプ256の駆動は、後述の気泡トラップ液位検出器259の検出結果に基づいて制御されている。また、エアー排気用チューブ257には、エアー吸引ポンプ256の駆動と同期して開閉制御されるエアー排気用バルブ258(排気流路開閉弁)が介設されている。エアー排気用バルブ258は、大気開放ポートを有する三方弁で構成され、貯留部254を大気開放できるようになっている。なお、エアー排気用バルブ258を二方弁で構成し、貯留部254には大気開放弁を設ける構成とすることも可能である。
【0059】
気泡トラップ251には、貯留部254内に流入する機能液の液位を検出する気泡トラップ液位検出器259(エアー量検出手段)が設けられている。気泡トラップ液位検出器259は、液位の上限レベルを検出する上限レベル検出センサ260と液位の下限レベルを検出する下限レベル検出センサ261とで構成されている。そして、エアー吸引ポンプ256を駆動して、貯留部254の液位を上限レベルと下限レベルとの間に調整することにより、機能液滴吐出ヘッド31に適切に機能液を送液できるようになっている。なお、この気泡トラップ251は、機能液送液中に生じる圧力変動を吸収するダンパーとしても機能しており、貯留部254の液位が上限レベルに達しても、貯留部254には圧力変動を吸収するために十分な量のエアーが確保されている。
【0060】
ここで、液滴吐出装置1を新設したときのように、機能液滴吐出ヘッド31に機能液を充填する場合について説明する。この場合、先ず、ヘッドユニット21を共通機台13上に配設された吸引ユニット62に臨ませ、次いで昇降機構82を駆動して、機能液滴吐出ヘッド31に対応するキャップ91を密着させる。次に、吸引ポンプ83を駆動して、キャップ91を介して機能液滴吐出ヘッド31の全吐出ノズル41から吸引を行い、給液タンク152から機能液滴吐出ヘッド31(のヘッド内流路)に機能液を充填していく。
【0061】
キャップ91に吸引した機能液が到達し、上記した機能液検出センサ123により機能液が検出されると、吸引ポンプ83を停止させると共に、ヘッド側供給バルブ214を閉弁させる。そして、エアー排気用バルブ258を開弁させた後、エアー吸引ポンプ256を駆動して、貯留部254内のエアーを排気し、貯留部254内に流入する機能液の液位を上昇させる。貯留部254の液位が上記した上限レベルに達すると、エアー吸引ポンプ256の駆動を停止させると共に、エアー排気用バルブ258を閉弁して、エアーの排気を停止する。そして、再びヘッド側供給バルブ214を開弁すると共に、吸引ポンプ83を駆動させ、機能液滴吐出ヘッド31のヘッド内流路から気泡を排気させる。このように、本実施形態では、機能液滴吐出ヘッド31に機能液を充填する際に、気泡トラップ251の液位を上限レベルに調整して、機能液滴吐出ヘッド31の駆動時に送液される機能液中の気泡を適切にトラップできるようにしている。
【0062】
次に、貯留部254の液位を調整する際の一連の動作、すなわち貯留部254から(トラップ)エアーを排気する際の一連の動作、について説明する。給液タンク152から機能液滴吐出ヘッド31に機能液の送液が為されるに伴い、貯留部254でトラップされた気泡(エアー)が増加して、貯留部254の液位が下限レベルを下回ると、下限レベル検出センサ261がこれを検出し、検出信号を制御手段6に送信する。下限レベル検出センサ261からの検出信号を受けた制御手段6は、先ず、機能液滴吐出ヘッド31が駆動中であるか否か、すなわち機能液滴吐出ヘッド31がワークWに対して機能液を吐出中であるか否か、を確認する。そして、機能液滴吐出ヘッド31が駆動中であれば、機能液滴吐出ヘッド31の駆動が終了するまで待機する。
【0063】
機能液滴吐出ヘッド31が駆動中でないことを確認すると、エアーの排気に際し、機能液滴吐出ヘッド31から機能液が逆流することを防止するため、上記したヘッド側供給バルブ214を閉弁させる。続いて、エアー排気用バルブ258を開弁すると共にエアー吸引ポンプ256を駆動させ、貯留部254内のエアーを排気(吸引)する。貯留部254からエアーが排気されるに伴い、貯留部254の液位が上昇して上限レベルに達すると、上限レベル検出センサ260が制御手段6に検出信号を送信する。これを受けて、制御手段6は、エアー吸引ポンプ256の駆動を停止させると共に、エアー排気用バルブ258を閉弁させ、エアーの排気を停止させる。そして、エアー排気用バルブ258を大気開放ポートに切り替え、貯留部254内の圧力を大気開放する。大気開放により、排気のための貯留部254におけるエアー吸引の影響を排除して、機能液滴吐出ヘッド31に対し、適切に機能液を送液可能な状態とすることができる。
【0064】
このように、貯留部254内のエアー量をコントロールすることで、機能液の送液を適切に行うことができると共に、送液する機能液にトラップした気泡が再び混入することを防止することができる。また、機能液滴吐出ヘッド31を介さず、エアーを排気しているので、エアー排気の際に機能液滴吐出ヘッド31のヘッド内流路に気泡が侵入することがない。さらに、機能液滴吐出ヘッド31の非駆動時にエアーの排気を行うようにし、機能液滴の吐出結果にエアーの排気による悪影響が生じないようにしている。さらに、エアー排気用バルブ258を設け、エアー吸引ポンプ256と同期して開閉させることで、より確実に貯留部254の吸引を停止させることができるようになっている。
【0065】
また、本実施形態では、貯留部254の液位を検出する気泡トラップ液位検出器259の検出結果に基づいてエアーの排気を行うようにしているが、検出手段はこれに限られるものではない。例えば、貯留部254内のエアー量によってON/OFFするフロートスイッチを検出手段として用い、フロートスイッチのON/OFFに基づいてエアーの排気を行うようにしてもよい。具体的には、貯留部254に所定量のエアーが貯留すると、フロートスイッチがONとなるようにし、フロートスイッチのON信号によりエアーの排気を行うようにする。また、検出手段として、貯留部254に流入する機能液の圧力を検出する圧力検出センサを用いることも可能である。
【0066】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態の液滴吐出装置1の基本構成は、上述した第1実施形態と略同様であるが、気泡トラップ251の排気口255にエアー吸引ポンプ256が接続されておらず、給液タンク152から機能液を圧送することにより貯留部254内のエアーを排気するようになっている点で異なっている(図7参照)。
【0067】
図7に示すように、本実施形態の液滴吐出装置1では、給液タンク152にエアー供給手段5(加圧機構)が接続され、圧縮エアーにより給液タンク152内の機能液を圧送可能に構成されている。給液タンク152とエアー供給手段5とを接続するエアー供給チューブ183には、大気開放ポートを有する三方弁で構成されたエアー供給バルブ186が介設されている。また、排気口255には、大気開放弁271が設けられている。
【0068】
機能液滴吐出ヘッド31に機能液を充填する場合、および気泡トラップ251からエアーを排気する場合について説明する。機能液を充填する場合、先ず、ヘッド側供給バルブ214を閉弁させ、次に気泡トラップ251の大気開放弁271を大気開放させる。そして、エアー供給バルブ186を開弁して、エアー供給手段5から圧縮エアーを給液タンク152に導入する。これにより、給液タンク152内の機能液は圧送され、給液チューブ154および気泡トラップ251の貯留部254に機能液が満たされていくと共に、給液チューブ154および気泡トラップ251のエアーが排気口255から排気されていく。そして、貯留部254の液位が上限レベルに達すると、ヘッド側供給バルブ214を開弁すると共に、大気開放弁271を閉弁させ、機能液滴吐出ヘッド31のヘッド内流路に機能液を充填していく。機能液の充填が終了すると、エアー供給バルブ186を切替えて、エアー供給チューブ183を閉塞すると共に、給液タンク152を大気開放する。
【0069】
貯留部254の液位が下限レベルに達して、気泡トラップ251からエアーを排気する場合、機能液滴吐出ヘッド31からの機能液の液垂れを防止するため、先ず、ヘッド側供給バルブ214を閉弁させる。そして、気泡トラップ251の大気開放弁271を開弁して大気開放した後、エアー供給バルブ186を開弁させ、圧縮エアーを給液タンク152に供給する。給液タンク152から圧送された機能液は、貯留部254の液位を上昇させながら、貯留部254内に貯留するエアーを排気口255から押し出していく。貯留部254の液位が上限レベルに達すると、エアー供給バルブ186を切替えて、エアー供給チューブ183を閉塞し、給液タンク154を大気開放する。そして、大気開放弁271を閉弁すると共に、ヘッド側供給バルブ214を開弁する。
【0070】
このように、本実施形態でも、第1実施形態の液滴吐出装置1と同様に、気泡トラップ液位検出器259の検出結果に基づいて、気泡トラップ251からエアーを排気するようになっている。
【0071】
次に、上記の液滴吐出装置1を液晶表示装置の製造に適用した場合について説明する。図8は、液晶表示装置301の断面構造を表している。同図に示すように、液晶表示装置301は、ガラス基板321を主体として対向面に透明導電膜(ITO膜)322および配向膜323を形成した上基板311および下基板312と、この上下両基板311,312間に介設した多数のスペーサ331と、上下両基板311,312間を封止するシール材332と、上下両基板311、312間に充填した液晶333とで構成されると共に、上基板311の背面に位相基板341および偏光板342aを積層し、且つ下基板312の背面に偏光板342bおよびバックライト343を積層して、構成されている。
【0072】
通常の製造工程では、それぞれ透明導電膜322のパターニングおよび配向膜323の塗布を行って上基板311および下基板312を別々に作製した後、下基板312にスペーサ331およびシール材332を作り込み、この状態で上基板311を貼り合わせる。次いで、シール材332の注入口から液晶333を注入し、注入口を閉止する。その後、位相基板341、両偏光板342a,342bおよびバックライト343を積層する。
【0073】
上記した液滴吐出装置1は、例えば、スペーサ331の形成や、液晶333の注入に利用することができる。具体的には、機能液としてセルギャップを構成するスペーサ材料(例えば、紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂)や液晶を導入し、これらを所定の位置に均一に吐出(塗布)させていく。先ずシール材332を環状に印刷した下基板312を吸着テーブルにセットし、この下基板312上にスペーサ材料を粗い間隔で吐出し、紫外線照射してスペーサ材料を凝固させる。次に、下基板312のシール材332の内側に、液晶333を所定量だけ均一に吐出して注入する。その後、別途準備した上基板311と、液晶を所定量塗布した下基板312を真空中に導入して貼り合わせる。
【0074】
このように、上基板311と下基板312とを貼り合わせる前に、液晶333をセルの中に均一に塗布(充填)するようにしているため、液晶333がセルの隅など細部に行き渡らない等の不具合を解消することができる。
【0075】
なお、機能液(シール材用材料)として紫外線硬化樹脂或いは熱硬化樹脂を用いることで、上記のシール材332の印刷をこの液滴吐出装置1で行うことも可能である。同様に、機能液(配向膜材料)としてポリイミド樹脂を導入することで、配向膜323を液滴吐出装置1で作成することも可能である。
【0076】
上記した液滴吐出装置1は、機能液中の気泡を効率良くトラップすることができると共に、トラップした気泡が再び混入することがないので、気泡による機能液滴吐出ヘッド31の吐出不良を減少させることができ、効率よく液晶表示装置301を製造することができる。また、気泡による吐出不良を回復させるために行うクリーニングの回数を減少させることができると共に、クリーニングによって消費する機能液量を削減できるので、生産性を向上させることができる。
【0077】
ところで、上記した液滴吐出装置1は、携帯電話やパーソナルコンピュータ等の電子機器に搭載される上記の液晶表示装置301の他、各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることが可能である。すなわち、有機EL装置、FED装置、PDP装置および電気泳動表示装置等の製造に適用することができ、これらを効率よく製造することが可能である。
【0078】
有機EL装置の製造に、上記した液滴吐出装置1を応用した例を簡単に説明する。有機EL装置は、図9に示すように、有機EL装置401は、基板421、回路素子部422、画素電極423、バンク部424、発光素子425、陰極426(対向電極)、および封止用基板427から構成された有機EL素子411に、フレキシブル基板(図示省略)の配線および駆動IC(図示省略)を接続したものである。回路素子部422は基板421上に形成され、複数の画素電極423が回路素子部422上に整列している。そして、各画素電極423間にはバンク部424が格子状に形成されており、バンク部424により生じた凹部開口431に、発光素子425が形成されている。陰極426は、バンク部424および発光素子425の上部全面に形成され、陰極426の上には、封止用基板427が積層されている。
【0079】
有機EL装置401の製造工程では、予め回路素子部422上および画素電極423が形成されている基板421(ワークW)上の所定の位置にバンク部424が形成された後、発光素子425を適切に形成するためのプラズマ処理が行われ、その後に発光素子425および陰極426(対向電極)を形成される。そして、封止用基板427を陰極426上に積層して封止して、有機EL素子411を得た後、この有機EL素子411の陰極426をフレキシブル基板の配線に接続すると共に、駆動ICに回路素子部422の配線を接続することにより、有機EL装置401が製造される。
【0080】
液滴吐出装置1は、発光素子425の形成に用いられる。具体的には、機能液滴吐出ヘッド31に発光素子材料(機能液)を導入し、バンク部424が形成された基板421の画素電極423の位置に対応して、発光素子材料を吐出させ、これを乾燥させることで発光素子425を形成する。なお、上記した画素電極423や陰極426の形成等においても、それぞれに対応する液体材料を用いることで、液滴吐出装置1を利用して作成することも可能である。
【0081】
また、他の電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等の他、上記したプレパラート形成を包含する装置が考えられる。上記した液滴吐出装置1を各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることにより、各種の電気光学装置を効率的に製造することが可能である。
【0082】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の機能液送液装置によれば、機能液滴吐出ヘッドと機能液タンクとを接続する機能液流路に気泡トラップを設けているので、機能液タンクから送液中の機能液に含まれる気泡を確実にトラップすることができ、機能液滴吐出ヘッドに機能液が侵入することにより生じるドット抜け等の吐出不良を防止することができる。そして、気泡トラップの貯留部に貯留されたトラップエアーは、排気手段により、排気口から排気することができるので、貯留部内に過剰なトラップエアーが貯留されることなく、トラップエアーにより機能液の送液が妨げられず、適切に機能液を送液することが可能である。また、過剰に貯留されたトラップエアーが再び機能液滴吐出ヘッドに送液される機能液中に混入することを防止することができる。更に、本発明は、排気口を介して、気泡トラップの貯留部から直接トラップエアーを排気することができるので、気泡トラップから排気を行う際に機能液滴吐出ヘッドにエアー(気泡)を侵入させることがない。
【0083】
本発明の液滴吐出装置は、上記した機能液送液装置を備えているので、機能液滴吐出ヘッドに気泡を侵入させることがなく、気泡による機能液滴吐出ヘッドの吐出不良を防止することができる。また、気泡による吐出不良を減少させることができるので、吐出不良を起こした機能液滴吐出ヘッドを回復させるために行うクリーニングの回数を削減できると共に、クリーニングで消費する機能液の量も削減することができる。
【0084】
本発明の電気光学装置の製造方法、電気光学装置、および電子機器は、上記した液滴吐出装置を用いて製造されるので、効率よくこれらを製造することができる。すなわち、製造時間を短縮することが可能であると共に生産コストを削減することができ、生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における機能液滴吐出装置の外観斜視図である。
【図2】本実施形態における機能液滴吐出装置の右側面図である。
【図3】ヘッドユニットの平面図である。
【図4】(a)は機能液滴吐出ヘッドの外観斜視図、(b)は機能液滴吐出ヘッドを配管アダプタに装着したときの断面図である。
【図5】吸引ユニットの外観斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態における機能液供給系および吸引ユニット廻りの模式図である。
【図7】本発明の第2実施形態における機能液供給系および吸引ユニット廻りの模式図である。
【図8】本発明の製造方法を用いて製造した液晶表示装置の断面図である。
【図9】本発明の製造方法を用いて製造した有機EL装置の断面図である。
【符号の説明】
1 液滴吐出装置 2 吐出手段
3 メンテナンス手段 4 機能液供給回収手段
5 エアー供給手段 6 制御手段
31 機能液滴吐出ヘッド 154 給液チューブ
211 分岐給液チューブ 214 ヘッド側供給バルブ
251 気泡トラップ 252 流入口
253 流出口 254 貯留部
255 排気口 256 エアー吸引ポンプ
257 エアー排気用チューブ 258 エアー排気用バルブ
259 気泡トラップ液位検出器 260 上限レベル検出センサ
261 下限レベル検出センサ 271 大気開放弁

Claims (15)

  1. 機能液タンクと機能液滴吐出ヘッドとを接続する機能液流路に介設され、前記機能液流路内の気泡を捕捉する気泡トラップと、
    前記気泡トラップ内のトラップエアーを外部に強制的に排気する排気手段と、を備え、
    前記気泡トラップは、前記機能液流路に連通する流入口および流出口と、
    前記流入口および前記流出口に連なり、流入した前記機能液中の気泡を前記流入口および前記流出口よりも上方でトラップして貯留する貯留部と、
    前記貯留部に連なり、前記貯留部のトラップエアーを排気する排気口と、を有していることを特徴とする機能液送液装置。
  2. 前記排気手段は、前記排気口に接続した排気流路を介して、前記貯留部内のトラップエアーを吸引するエアー吸引機構を有していることを特徴とする請求項1に記載の機能液送液装置。
  3. 前記排気流路には、排気流路開閉弁が介設されていることを特徴とする請求項2に記載の機能液送液装置。
  4. 前記排気手段は、前記機能液流路に前記機能液を加圧送液して、前記貯留部内のトラップエアーを排気させる加圧機構を有していることを特徴とする請求項1に記載の機能液送液装置。
  5. 前記気泡トラップには、大気開放弁が設けられていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の機能液送液装置。
  6. 前記気泡トラップは、前記貯留部内のトラップエアーが所定量に達したことを検出するエアー量検出手段をさらに有しており、
    前記エアー量検出手段の検出結果に基づいて、前記排気手段の駆動を制御する第1制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の機能液送液装置。
  7. 前記第1制御手段は、前記機能液流路における圧力変動を吸収する量のトラップエアーを前記貯留部に残して、前記排気手段の駆動を停止させることを特徴とする請求項6に記載の機能液送液装置。
  8. 前記エアー量検出手段は、前記貯留部内の機能液の液位を検出する液位検出センサで構成されていることを特徴とする請求項6または7に記載の機能液送液装置。
  9. 前記エアー量検出手段は、フロートスイッチで構成されていることを特徴とする請求項6または7に記載の機能液送液装置。
  10. 前記排気手段は、前記機能液滴吐出ヘッドの非駆動時にトラップエアーを排気することを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の機能液送液装置。
  11. 前記気泡トラップと前記機能液滴吐出ヘッドとを接続する前記機能液流路を開閉する機能液流路開閉弁と、
    前記機能液流路開閉弁を開閉制御する第2制御手段と、を更に備え、
    前記第2制御手段は、前記排気手段の駆動と同期して前記機能液流路開閉弁を開閉制御することを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の機能液送液装置。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載の機能液送液装置と、
    ワークに機能液を吐出する機能液滴吐出ヘッドと、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  13. 請求項12に記載の液滴吐出装置を用い、前記ワーク上に機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  14. 請求項12に記載の液滴吐出装置を用い、前記ワーク上に機能液滴による成膜部を形成したことを特徴とする電気光学装置。
  15. 請求項14に記載の電気光学装置を搭載したことを特徴とする電子機器。
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