JP2004290742A - 機能液廃棄装置、液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、および電子機器 - Google Patents

機能液廃棄装置、液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】廃液タンクの廃液量を直接検出することにより、廃液タンクの廃液量をより正確に検出し、効率よく廃液タンクを利用できると共に交換可能である機能液廃棄装置、液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、および電子機器を提供することを課題としている。
【解決手段】ヘッドキャップ111に受けた機能液を廃液タンク201に導く機能液廃棄装置において、廃液タンク201に設けられ、当該廃液タンク201の満液状態を検出するための第1検出手段241を備え、第1検出手段241は、機能液の付着により共振周波数が変化する第1圧電素子242aと、第1圧電素子を発振させる発振手段243と、第1圧電素子242aの共振周波数の変化を検出する検出手段2と、を有し、第1圧電素子242aは、満液状態にある廃液タンク201の液位に対応して配設されていることを特徴とする。
【選択図】 図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機能液滴吐出ヘッドに離接するヘッドキャップで受けた機能液を廃液タンクに廃棄する機能液廃棄装置、液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、および電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液滴吐出装置の一種として従来から知られているインクジェット式記録装置では、インク(機能液)の固化や気泡の混入等により印刷不良が生じることを防止するために、記録ヘッド(機能液滴吐出ヘッド)のノズル面にキャップを密着させ、キャップを介して吸引ポンプで記録ヘッド内のインクを吸引することにより、記録ヘッドのノズルからインクを強制的に排出させるクリーニング動作を行っている。そして、クリーニング動作およびフラッシング動作により、キャップを介して吸引されたインク(廃液)は、吸引ポンプの排出口に連なる廃液カートリッジ(廃液タンク)に廃棄されるようになっている。また、キャップに対して、記録ヘッドからインクを予備吐出させるフラッシング動作を定期的に行うことにより、印刷不良を防止できるようになっており、フラッシング動作で予備吐出されたインクも廃液カートリッジに廃棄されるようになっている。
【0003】
各クリーニング動作で廃棄される廃液量は、予め設定された吸引ポンプの吸引量および駆動時間に基づいて、廃液量演算手段により算出されている。同様に、各フラッシング動作で廃棄される廃液量も、予め設定された記録ヘッドの駆動回数および1回の駆動による機能液の吐出量に基づいて、廃液量演算手段により算出されている。一方、廃液カートリッジには、各動作が行われる毎に、廃液量演算手段により算出された廃液量を累積してカウントする廃液量積算カウンタが配設されており、廃液カートリッジに廃棄された廃液貯留量を把握することが可能となっている。そして、廃液量積算カウンタのカウンタ値に基づいて、廃液カートリッジの満液状態を検出し、廃液カートリッジの交換が為されるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−29065号公報(第3頁−第8頁、第3図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、各クリーニング動作または各フラッシング動作により排出される廃液量は、常に一定しているわけではない。例えば、クリーニング動作においては、吸引ポンプにエアーがかむとポンプが空転して吸引量が低下する。また、フラッシング動作においては、時間の経過に伴ってインクが増粘すると、インクの吐出量が少なくなる。このため、上記のように演算処理によって廃液量を算出する場合、実際の廃液量と演算された廃液量とに誤差を生じ、廃液カートリッジにおける正確な廃液貯留量を把握できないという問題が生じる。また、廃液カートリッジから廃液が溢れ出すことを防止するために、廃液量を多めに算出される傾向が強く、算出された廃液量を積算していった結果、実際の廃液貯留量と演算された廃液貯留量との誤差が次第に大きくなり、廃液カートリッジに貯留されている廃液量が実際の廃液カートリッジの容量に満たない場合でも、廃液カートリッジの満液状態が検出され、廃液カートリッジを交換しなければならないという問題が生じうる。
【0006】
そこで、本発明は、廃液タンクの廃液量を直接検出することにより、廃液タンクの廃液量をより正確に検出し、効率よく廃液タンクを利用できると共に交換可能である機能液廃棄装置、液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、および電子機器を提供することをその目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、機能液タンクから機能液滴吐出ヘッドに送液された機能液を、機能液滴吐出ヘッドに離接するヘッドキャップで受け、ヘッドキャップから廃液タンクに導く機能液廃棄装置において、廃液タンクに設けられ、当該廃液タンクの満液状態を検出するための第1検出手段を備え、第1検出手段は、機能液の付着により共振周波数が変化する第1圧電素子と、第1圧電素子を発振させる発振手段と、第1圧電素子の共振周波数の変化を検出する検出手段と、を有し、第1圧電素子は、満液状態にある廃液タンクの液位に対応して配設されていることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、機能液の付着により変化する、第1圧電素子の共振周波数に基づいて、第1検出手段は廃液タンクの満液状態を検出することが可能である。すなわち、第1圧電素子は、満液状態にある廃液タンクの液位に対応して配設されており、廃液タンクが満液状態になると第1圧電素子に機能液が付着するので、第1圧電素子の共振周波数の変化を検出することにより、廃液タンクの満液状態を検出できる。
【0009】
この場合、第1圧電素子を保持する第1保持部材を更に備え、第1保持部材は、廃液タンクに、第1圧電素子を液密に封止することが好ましい。
【0010】
この構成によれば、第1圧電素子を保持する第1保持部材によって、第1圧電素子は廃液タンクに液密に封止されるので、廃液タンクから機能液漏れが生じることがない。
【0011】
これらの場合、第1検出手段により、廃液タンクの満液状態が検出されたことを報知する第1報知手段を更に備えることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、廃液タンクが満液になると、第1報知手段により報知されるので、ユーザは廃液タンクが満液状態に達したことを容易に認識できる。したがって、ユーザは、第1報知手段に基づいて、満液状態の廃液タンクに適切な処置を施すことができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0013】
この場合、廃液タンクが、満液状態に近い準満液状態であることを検出するための第2検出手段を更に備え、第2検出手段は、機能液の付着により共振周波数が変化する第2圧電素子と、第2圧電素子を発振させる発振手段と、第2圧電素子の共振周波数の変化を検出する検出手段と、を有し、第2圧電素子は、準満液状態にある廃液タンクの液位に対応して配設されていることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、第2検出手段は、第2圧電素子の共振周波数を検出することにより、廃液タンクの準満液状態を検出することが可能である。また、満液状態を検出するための圧電素子と準満液状態を検出する圧電素子とを別個に設けることにより、1個の圧電素子を用いて満液状態および準満液状態を検出しようとする場合に比して検出を容易に行うことが可能である。すなわち、各圧電素子の共振周波数に変化が生じたか否かのみを検出すれば足りる。
【0015】
この場合、第2圧電素子を保持する第2保持部材を更に備え、第2保持部材は、廃液タンクに、第2圧電素子を液密に封止することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、第2圧電素子を保持する第2保持部材により、第2圧電素子は液密に封止されているので、第2圧電素子を配設したことに起因して、廃液タンクに漏れが生じることがない。
【0017】
この場合、第2検出手段により、廃液タンクの準満液状態が検出されたことを報知する報知手段を更に備えることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、廃液タンクが準満液状態になると報知されるため、ユーザは、満液状態が近いことを認知可能である。したがって、ユーザは、新たな廃液タンクの準備をするなどのように、装置を効率的に利用するための準備を行うことができる。
【0019】
これらの場合、第1検出手段および第2検出手段を制御する制御手段を更に備え、制御手段は、第2検出手段が準満液状態を検出した後に、第1検出手段による検出を開始することが好ましい。
【0020】
この構成によれば、第2検出手段が準満液状態を検出した後に、第1検出手段による検出が開始されるので、検出を効率よく行うことができる。すなわち、準満液状態が検出されなければ満液状態が検出されることはないので、第2検出手段が準満液状態を検出した後に、第1検出手段による検出が開始すればよい。なお、第1検出手段および第2検出手段は、機能液が圧電素子に付着したか否かを検出するものであるため、第2検出手段により準満液状態が第2検出手段による検出を停止させるようにしても良い。
【0021】
本発明の液滴吐出装置は、上記の機能液廃棄装置と、ワークに機能液を吐出する機能液滴吐出ヘッドと、ヘッドキャップと廃液タンクとの間に介設され、ヘッドキャップを介して機能液滴吐出ヘッド内の機能液を吸引する吸引手段と、吸引手段を制御する吸引制御手段と、を備え、吸引制御手段は、第1検出手段により、廃液タンクの満液状態が検出されると、吸引手段の駆動を停止させることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の液滴吐出装置は、上記の機能液廃棄装置と、ワークに機能液を吐出する機能液滴吐出ヘッドと、機能液滴吐出ヘッドに機能液を加圧送液することにより、当該機能液滴吐出ヘッドから機能液を強制吐出させる加圧手段と、加圧手段を制御する加圧制御手段と、を備え、加圧制御手段は、第1検出手段により、廃液タンクの満液状態が検出されると、加圧手段の駆動を停止させることを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、第1検出手段により廃液タンクの満液状態が検出されると、吸引手段または加圧手段の駆動が停止されるので、満液状態検出後は吸引手段または加圧手段により機能液が排出されることがなく、停止廃液タンクから機能液が溢れ出すことを防止することができる。
【0024】
本発明の液滴吐出装置は、請求項6に記載の機能液廃棄装置と、ワークに機能液を吐出する機能液滴吐出ヘッドと、ヘッドキャップと廃液タンクとの間に介設され、ヘッドキャップを介して機能液滴吐出ヘッド内の機能液を吸引する吸引手段と、を備え、制御手段は、吸引手段の駆動と同期して、第1検出手段または第2検出手段による検出を行うことを特徴とする。
【0025】
また、本発明の液滴吐出装置は、請求項6に記載の機能液廃棄装置と、ワークに機能液を吐出する機能液滴吐出ヘッドと、機能液滴吐出ヘッドに機能液を加圧送液することにより、当該機能液滴吐出ヘッドから機能液を強制吐出させる加圧手段と、を備え、制御手段は、加圧手段の駆動と同期して、第1検出手段または第2検出手段による検出を行うことを特徴とする。
【0026】
この構成によれば、ヘッドキャップを介して機能液が排出される、吸引手段または加圧手段の駆動時に第1検出手段または第2検出手段による検出が行われるため、効率的な検出を行うことが可能である。
【0027】
本発明の電気光学装置の製造方法は、上記した液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液滴吐出ヘッドから吐出させた機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする。
【0028】
また、本発明の電気光学装置は、上記した液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液滴吐出ヘッドから吐出させた機能液滴による成膜部を形成したことを特徴とする。
【0029】
これらの構成によれば、機能液滴吐出ヘッドから機能液を効率よく吸引可能な液滴吐出装置を用いて製造されるため、電気光学装置を効率よく製造することが可能となる。なお、電気光学装置(デバイス)としては、液晶表示装置、有機EL(Electro−Luminescence)装置、電子放出装置、PDP(Plasma Display Panel)装置および電気泳動表示装置等が考えられる。なお、電子放出装置は、いわゆるFED(Field Emission Display)装置を含む概念である。さらに、電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等を包含する装置が考えられる。
【0030】
本発明の電子機器は、上記した電気光学装置を搭載したことを特徴とする。
【0031】
この場合、電子機器としては、いわゆるフラットパネルディスプレイを搭載した携帯電話、パーソナルコンピュータの他、各種の電気製品がこれに該当する。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、本発明の第一実施形態について説明する。図1は、本発明を適用した液滴吐出装置の外観斜視図、図2は、本発明を適用した液滴吐出装置の右側面図である。詳細は後述するが、この液滴吐出装置1は、特殊なインクや発光性の樹脂液等の機能液を機能液滴吐出ヘッド41に導入してこれを吐出させ、基板等のワークWに描画を行うものである。
【0033】
両図に示すように、液滴吐出装置1は、機能液を吐出するための吐出手段11と、吐出手段11のメンテナンスを行うメンテナンス手段12と、各手段に液体(例えば、機能液)を供給すると共に不要となった液体を回収する液体供給回収手段13と、各手段を駆動・制御するための圧縮エアーを供給するエアー供給手段14と、を備えている。吐出手段11の主要部は、架台21上に設けた石定盤22上に配設され、これらと一体的に添設した共通機台23には、メンテナンス手段12、液体供給回収手段13、およびエアー供給手段14の主要部が配設されている。そして、両図に示すように、液滴吐出装置1は制御PC2に接続されており、液滴吐出装置1の各手段は、制御PC2によって制御されている。
【0034】
吐出手段11は、機能液を吐出する機能液滴吐出ヘッド41を有するヘッドユニット31と、ヘッドユニット31を支持するメインキャリッジ32と、メインキャリッジ32を介して、ヘッドユニット31(機能液滴吐出ヘッド41)をワークWに対して相対的に移動させるX・Y移動機構33と、を有している。
【0035】
図3および図4に示すように、ヘッドユニット31は、12個の機能液滴吐出ヘッド41と、機能液滴吐出ヘッド41を搭載するサブキャリッジ42と、各機能液滴吐出ヘッド41をサブキャリッジ42に取り付けるためのヘッド保持部材43と、で構成されている。機能液滴吐出ヘッド41は、2連の接続針52を有し、給液タンク182(後述する)から機能液の供給を受ける機能液導入部51と、機能液導入部51の下方に連なり、2連のポンプ部54、および多数(180個)の吐出ノズル57を形成したノズルプレート55からなるヘッド本体53と、で構成されている。そして、機能液滴吐出ヘッド41は、ポンプ部54の作用により、機能液導入部51から供給された機能液を吐出ノズル57から吐出するようになっている。なお、ノズルプレート55の下面は、ノズル面56となっており、機能液滴吐出ヘッド41は、ノズル面56を下方に突出させるようにサブキャリッジ42に固定されている。
【0036】
サブキャリッジ42は、一部が切り欠かれた略方形の、ステンレス等の厚板で構成されている。サブキャリッジ42には、12個の機能液滴吐出ヘッド41を位置決め・固定するための装着開口(図示省略)が形成されており、12個の機能液滴吐出ヘッド41を6個ずつに二分し、所定角度傾けて固定可能となっている。なお、機能液滴吐出ヘッド41の個数や配列は、上記したものに限られるものではなく任意であり、例えば、利用目的に合わせた専用の機能液滴吐出ヘッド41を用いれば、あえて機能液滴吐出ヘッド41を傾ける構成とする必要はない。
【0037】
ヘッド保持部材43は、機能液滴吐出ヘッド41のノズル面56を下方に突出させて、サブキャリッジ42に安定に取り付けるための媒介金具であり、ヘッド保持部材43の中央には、機能液滴吐出ヘッド41のヘッド本体53が挿通する方形の挿通開口(図示省略)が形成されている。
【0038】
図2に示すように、メインキャリッジ32は、後述するY軸テーブル73に下側から固定される外観「I」形の吊設部材61と、吊設部材61の下面に取り付けられ、(ヘッドユニット31の)θ方向に対する位置補正を行うためのθテーブル62と、θテーブル62の下方に吊設するよう取り付けたキャリッジ本体63と、で構成されている。キャリッジ本体63には、ヘッドユニット31を遊嵌するための方形の開口(図示省略)を有しており、ヘッドユニット31を位置決め固定するようになっている。なお、図示省略したが、キャリッジ本体63には、ワークWを認識するためのワーク認識カメラが配設されている。
【0039】
X・Y移動機構33は、ワークWを吸着(固定)する吸着テーブル72を有し、吸着テーブル72を介してワークWをX軸方向(主走査方向)に移動させるX軸テーブル71と、X軸テーブル71と直交し、メインキャリッジ32を介してヘッドユニット31をY軸方向(副走査方向)に移動させるY軸テーブル73と、を備えている。X・Y移動機構33は、上記した石定盤22上に配設されており、ワークWの平坦度を維持すると共に、ヘッドユニット31を正確に移動させることができるようになっている。
【0040】
吐出手段2の一連の動作を簡単に説明する。ヘッドユニット31およびセットされたワークWの位置補正がなされ、機能液を吐出する準備が終了すると、先ず、X・Y移動機構33(X軸テーブル71)が、ワークWを主走査(X軸)方向に往復動させる。ワークWの往復動と同期して、複数の機能液滴吐出ヘッド41が駆動し、ワークWに対する機能液滴の選択的な吐出動作が行われる。ワークWが一往復動すると、X・Y移動機構33(Y軸テーブル73)は、ヘッドユニット31を副走査(Y軸)方向に移動させる。そして、ワークWの主走査方向へ往復動と機能液滴吐出ヘッド41の駆動が再び行われる。なお、本実施形態では、ヘッドユニット31に対して、ワークWを主走査方向に移動させるようにしているが、ヘッドユニット31を主走査方向に移動させる構成であってもよい。また、ヘッドユニット31を固定とし、ワークWを主走査方向および副走査方向に移動させる構成であってもよい。
【0041】
次に、メンテナンス手段12について説明する。メンテナンス手段12は、機能液滴吐出ヘッド41を保守して、機能液滴吐出ヘッド41が適切に機能液を吐出できるようにするもので、フラッシングユニット81、吸引ユニット82、およびワイピングユニット83を備えている。
【0042】
フラッシングユニット81は、液滴吐出時における複数(12個)の機能液滴吐出ヘッド41のフラッシング動作、すなわち全吐出ノズル57からの予備吐出(無駄打ち)、により順に吐出される機能液を受けるためのものである。フラッシングユニット81は、吐出させる機能液を受ける一対のフラッシングボックス91を有しており、一対のフラッシングボックス91は、吸着テーブル72を挟んでX軸テーブル71に固定されている(図1参照)。すなわち、フラッシングボックス91は、主走査に伴いワークWと共にヘッドユニット31へ向かって移動する構成となっており、ワークWへの描画中に機能液滴吐出ヘッド41の吐出ノズル57に順次臨んで、フラッシング動作により吐出される機能液をフラッシングボックス91で受けられるようになっている。なお、本実施形態のフラッシング動作は、全吐出ノズル57からの予備吐出を行う構成であるが、例えば、使用する吐出ノズル57のみに予備吐出をさせるといったように、一部の吐出ノズル57だけに予備吐出を行わせる構成としてもよい。
【0043】
また、機能液滴吐出ヘッド41に導入した機能液が乾燥により増粘して、吐出ノズル57に目詰りを生じさせることを防止するために、フラッシング動作は、ワークWへの描画時だけではなく、ワークWの入れ替え時等のような描画待機中にも行う必要がある。かかる場合、ヘッドユニット31を吸引ユニット82のキャップユニット101(後述する)の直上部まで移動させ、キャップユニット101の各キャップ111に向けてフラッシングを行うようになっている。
【0044】
吸引ユニット82は、機能液滴吐出ヘッド41に機能液を充填する場合や、機能液滴吐出ヘッド41内で増粘した機能液を除去するためのクリーニングを行う場合のように、機能液滴吐出ヘッド41の全吐出ノズル57から機能液を吸引し、機能液滴吐出ヘッド41を保守するためのものである。
【0045】
図5に示すように、吸引ユニット82は、上記した共通機台23に載置されており、共通機台23に配設された移動テーブル24を介して、共通機台23の長手方向、すなわちX軸方向、にスライド自在に構成されている。吸引ユニット82は、12個のキャップ111を有するキャップユニット101と、キャップ111を介して機能液の吸引を行う吸引ポンプ102と、各キャップ111と吸引ポンプ102を接続する吸引用チューブユニット103と、キャップユニット101を支持する支持部材104と、支持部材104を介してキャップユニット101を昇降させる昇降機構105とを有している。
【0046】
キャップユニット101は、図5に示すように、ヘッドユニット31に搭載された12個の機能液滴吐出ヘッド41の配置に対応させて、12個のキャップ111をキャップベース112に配設したものであり、対応する各機能液滴吐出ヘッド41に各キャップ111を密着可能に構成されている。
【0047】
図6に示すように、キャップ111は、キャップ本体113と、キャップホルダ114と、で構成されている。キャップ本体113は、2つのばね115で上方に付勢され、かつわずかに上下動可能な状態でキャップホルダ114に保持されている。キャップ本体113の上面には、機能液滴吐出ヘッド41の吐出ノズル57を包含する凹部121が形成され、凹部121の周縁部にはシールパッキン122が取り付けられている。そして、凹部121の底部には、吸収材123が押え枠124によって押し付けられた状態で敷設されている。機能液滴吐出ヘッド41を吸引するときは、機能液滴吐出ヘッド41のノズル面56にシールパッキン122を押し付けて密着させ、吐出ノズル57を包含するようにノズル面56を封止する。また、凹部121の底部には、大気開放のための小孔125が形成されていると共に、各キャップ111には、大気開放弁126が設けられており、凹部121の底面側で小孔125を介して大気開放できるようになっている。そして、大気開放弁126を開弁させることにより、吸収材123に含浸されている機能液も吸引できるようになっている。
【0048】
吸引ポンプ102は、各キャップ111を介して機能液滴吐出ヘッド41に吸引力を作用させると共に、吸引した機能液を再利用タンク201へ導くためのものである。本実施形態では、メンテナンス性を考慮して吸引ポンプ102をピストンポンプで構成している。なお、吸引ポンプ102は、クリーニング動作時だけではなく、待機中に行うフラッシング動作とも同期して駆動され、キャップ111に対し、フラッシングで吐出された機能液も再利用タンク201へ導くようになっている。
【0049】
吸引用チューブユニット103は、一端を吸引ポンプ102に接続され、他端を再利用タンク201に接続された吸引チューブ131と、各キャップ111に接続される複数(12本)の吸引分岐チューブ132と、吸引チューブ131と吸引分岐チューブ132とを接続するためのヘッダパイプ133、とで構成されている。すなわち、吸引チューブ131および吸引分岐チューブ132により、キャップ111と吸引ポンプ102とを接続する吸引管路が形成されている。そして、同図に示すように、各吸引分岐チューブ132には、キャップ111側から順に、機能液の有無を検出するも液体センサ134、吸引分岐チューブ132内の圧力を検出するキャップ側圧力センサ135、および吸引分岐チューブ132を開閉させる吸引用バルブ136が設けられている(図13参照)。
【0050】
図5に示すように、支持部材104は、上端にキャップユニット101を支持する支持プレート142を有する支持部材本体141と、支持部材本体141を上下方向にスライド自在に支持するスタンド143とを備えている。支持プレート142の長手方向の両側下面には一対のエアーシリンダ144が固定されており、支持プレート142上にはこの一対のエアーシリンダ144により昇降する操作プレート146が配設されている。そして、操作プレート146上には、各キャップ111の大気開放弁126(の操作部127)に係合するフック(図示省略)が取り付けられており、操作プレート146の昇降に伴って、フックが大気開放弁126(の操作部127)を上下させることにより、上記した大気開放弁126は開閉される。
【0051】
図5に示すように、昇降機構105は、エアーシリンダからなる2つの昇降シリンダ、すなわちスタンド143のベース部に立設した下段の昇降シリンダ152と、下段の昇降シリンダ152により昇降する昇降プレート153上に立設した上段の昇降シリンダ151と、を備えており、支持プレート142上には、上段の昇降シリンダ151のピストンロッドが連結されている。両昇降シリンダ151、152のストロークは互いに異なっており、両昇降シリンダ151、152の選択作動でキャップユニット101の上昇位置を比較的高い第1位置と比較的低い第2位置とに切換え自在としている。
【0052】
キャップユニット101が第1位置にあるときは、各機能液滴吐出ヘッド41に各キャップ111が密着し、キャップユニット101が第2位置にあるときは、各機能液吐出ヘッド41と各キャップ111との間に僅かな間隙が生じるようになっている。そして、機能液滴吐出ヘッド41のヘッド内流路に機能液を充填するときや、機能液滴吐出ヘッド41のクリーニングを行うときのように、各キャップ111を介して機能液滴吐出ヘッド41の機能液を吸引する場合には、第1位置にキャップユニット101を移動させて、各キャップ111を各機能液滴吐出ヘッド41に密着させ、機能液滴吐出ヘッド41がフラッシングを行う場合には、第2位置にキャップユニット101を移動させるようになっている。
【0053】
ワイピングユニット83は、吸引ユニット82と同じく共通機台23上に設けられており、機能液滴吐出ヘッド41のクリーニング等の後に、機能液が付着して汚れた各機能液滴吐出ヘッド41のノズル面56をX軸方向に移動しながら拭き取るものである。図1および図2に示すように、ワイピングユニット83は、拭き取り用のワイピングシート(図示省略)を繰り出しながら巻き取っていく巻取りユニット161と、ワイピングシートをノズル面56に接触させるための拭き取りローラ(図示省略)を有する拭き取りユニット162と、で構成されている。なお、繰り出されたワイピングシートには、後述する洗浄液供給系173から洗浄液が供給されており、機能液滴吐出ヘッド41に付着した機能液を効率よく拭き取れるようになっている。
【0054】
次に、液体供給回収手段13について説明する。液体供給回収手段13は、ヘッドユニット31の各機能液滴吐出ヘッド41に機能液を供給する機能液供給系171と、メンテナンス手段12の吸引ユニット82で吸引した機能液を回収する機能液回収系172と、ワイピングユニット83に機能液の溶剤を洗浄用として供給する洗浄液供給系173と、フラッシングユニット81で受けた機能液を回収する廃液回収系174と、で構成されている。そして、図2に示すように、共通機台23に設けられた収容室25には、引き出し形式の防液パン175が収容されており、防液パン175上には、図示右側から順に機能液供給系171の加圧タンク181、機能液回収系172の再利用タンク201、洗浄液供給系173の洗浄液タンク211が横並びに配設されている。そして、再利用タンク201および洗浄液タンク211の近傍には、小型に形成した廃液回収系174の廃液タンク221が設けられている。なお、再利用タンク201および廃液タンク221を併せて、請求項にいう廃液タンクが構成されている。
【0055】
機能液供給系171は、大量(3L)の機能液を貯留する加圧タンク181と、加圧タンク181から送液された機能液を貯留すると共に、各機能液滴吐出ヘッド41に機能液を供給する給液タンク182と、加圧タンク181から機能液滴吐出ヘッド41まで機能液を給液するための給液通路を形成する給液チューブ183と、で構成されている。加圧タンク181に貯留された機能液は、機能液滴吐出ヘッド41の非描画時に、エアー供給手段14から導入される圧縮エアー(不活性ガス)により、一定圧力で給液タンク182に圧送される。なお、図示省略したが、給液タンク182には、大気開放弁が設けられ、給液タンク182内の圧力を大気開放可能に構成されている。
【0056】
給液タンク182は、上記した共通機台23に配設したタンクベース191上に固定されている。図1および図2に示すように、給液タンク182は、機能液を貯留すると共に、フランジ形式で閉蓋された矩形のタンク本体192と、タンク本体192に貯留されている機能液の液位を検出する液位検出器193と、タンク本体192を載置するパン194と、パン194を介してタンク本体192を支持するタンクスタンド195と、を備えている。給液タンク182と加圧タンク181とを接続する給液チューブ183には、加圧タンク181からの機能液の送液を調節するための液位調節バルブ186が介設されており、液位調節バルブ186は、給液タンク182に貯留する機能液の液位が常に管理液位の範囲内にあるように、液位検出器193の検出結果に基づいて開閉制御されている(図13参照)。
【0057】
また、給液タンク182には、機能液滴吐出ヘッド41に延びる6本の給液チューブ183が接続されている。6本の給液チューブ183は、それぞれT字継手188を介して2本に分岐されており、計12本の分岐給液チューブ184を形成している。12本の分岐給液チューブ184は、それぞれ、ヘッドユニット31の各機能液滴吐出ヘッド41に対応しており、各機能液滴吐出ヘッド41に機能液を供給している。また、各分岐給液チューブ184には、当該分岐給液チューブ184を開閉するためのヘッド側供給バルブ187が介設されている。
【0058】
機能液回収系172は、吸引ユニット82のキャップ111に排出された機能液、すなわち、吸引ユニット82で吸引した機能液および描画待機中に行われるフラッシングで排出された機能液、を貯留するためのものであり、吸引した機能液を貯留する再利用タンク201(廃液タンク)と、吸引ポンプ102に接続され、吸引した機能液を再利用タンク201へ導く回収用チューブ202と、で構成されている。そして、キャップ111に排出された機能液は、吸引ポンプ102により、再利用タンク201に導かれるようになっている。なお、詳細は後述するが、再利用タンク201には、機能液検出装置241の水晶振動子242が配設されており、再利用タンク201の満液状態を検出して、再利用タンク201に貯留する機能液が溢れることを防止している。
【0059】
洗浄液供給系173は、ワイピングユニット83のワイピングシートに洗浄液を供給するためのもので、洗浄液を貯留する洗浄液タンク211と、洗浄液タンク211の洗浄液を供給するための洗浄液供給チューブ212とを有している。なお、洗浄液の供給は、洗浄液タンク211にエアー供給手段14から圧縮エアーを導入することにより為される。また、洗浄液には比較的揮発性の高い溶剤が用いられる。
【0060】
廃液回収系174は、フラッシングユニット81(フラッシングボックス91)に吐出した機能液を回収するためのもので、回収した機能液を貯留する廃液タンク221と、フラッシングユニット81に接続され、フラッシングユニット81へ吐出された機能液を、廃液タンク221に導く廃液用チューブ222とを有している。廃液用チューブ222には、廃液ポンプ223が介設されており、廃液ポンプ223を介して機能液が廃液タンク221に回収される。なお、廃液タンク221にも、再利用タンク201と同様に、機能液検出装置241の水晶振動子242が配設されており、廃液タンク221の満液状態を検出可能となっている(詳細は後述する)。
【0061】
次に、エアー供給手段14について説明する。エアー供給手段14は、不活性ガス(N)を圧縮した圧縮エアーを吸着テーブル72等の各部に供給するためものである。エアー供給手段14は、不活性ガスを圧縮するエアーポンプ(コンプレッサー)273と、エアーポンプ273からの圧縮エアーを供給先に応じて一定圧力に保つレギュレータ274と、エアーポンプ273と各部とを配管接続して、圧縮エアーを各部に供給するエアー供給チューブ271と、を備えている(図13参照)。
【0062】
次に、液滴吐出装置1の制御方法について説明する。液滴吐出装置1は、上記したように、制御PC2によって制御されており、制御PC2は、一時的に記憶可能な記憶領域を有し、制御処理のための作業領域として使用されるRAM231と、各種記憶領域を有し、制御プログラムや各種データを記憶するハードディスク232と、ハードディスク232に記憶されたプログラム等に基づいて、各種データを演算処理するCPU233と、を備えている(図7参照)。また、制御PC2は、各種データやメッセージ等を表示し、ユーザの視認に用いられるモニタディスプレイ234を備えている。
【0063】
ところで、本実施形態の液滴吐出装置1には、再利用タンク201および廃液タンク221に貯留する機能液の貯留状態を検出するための機能液検出装置241が接続されており、両タンク内に貯留する機能液の貯留量を把握して、適宜メンテナンスを行えるようになっている。機能液検出装置241は、いわゆるQCM(Quarts Crystal Microbalance:水晶微量天秤)を応用したもので、機能液検出装置241を用いてタンク内に貯留する機能液の液位を検出することにより、制御PC2は、タンクに貯留する液量を判断できるようになっている。
【0064】
図7に示すように、機能液検出装置241は、検出部253を有する水晶振動子242と、水晶振動子を発振させると共に、その発振周波数を測定する発振・測定回路243と、を備えている。同図に示すように、水晶振動子242は、水晶を薄い板状にカット(ATカット)した水晶片251と、水晶片251の両面に取り付けた一対の電極252と、を有している。電極252は、金や銀等で構成された薄膜電極であり、機能液に対する耐食性が考慮されている。水晶振動子242は、片側の面を除いて後述の保持部材255で覆われており(モールドされており)、保持部材255に覆われていない電極252部分が検出部253となっている。そして、検出部253に機能液が接触(付着)すると、水晶振動子242の発振周波数(共振周波数)が変化する構成となっている。なお、保持部材255は絶縁体で構成されており、水晶振動子242の電極252から液滴吐出装置1の他の部分に通電することを防止可能となっている。また、検出部253となる電極252以外の部分を保持部材255で全て覆うようにしても良い。
【0065】
一対の電極252には、発振・測定回路243が接続されている(図7参照)。発振・測定回路243は、接続された電極252に所定の交流電圧を印加することで、水晶振動子242を発振させる発振手段(図示省略)と、水晶振動子242の共振周波数を測定する共振周波数測定回路(図示省略)と、を有している。発振・測定回路243は、制御PC2に接続されており、共振周波数測定回路により測定した共振周波数は、制御PC2に送信されるようになっている。なお、発振・測定回路243により、請求項にいう発振手段が構成されている。
【0066】
廃液タンク221における水晶振動子242の配設方法およびタンク内の機能液を検出する際の一連の動作は、再利用タンク201と同様であるので、ここでは、再利用タンク201に配設される水晶振動子242を例に説明する。図8および図9に示すように、再利用タンク242の側面部には、2個の水晶振動子242a、242bが配設されている。本実施形態では、再利用タンク201が満液状態のときの液位および満液状態に近い準満液状態のときの液位が予め規定されており、一方の水晶振動子242aは満液状態時の液位に、他方の水晶振動子242bは準満液状態時の液位に対応して配設されている。したがって、再利用タンク201が満液状態(または準満液状態)に達すると、満液状態(準満液状態)の液位に達した機能液が水晶振動子242a(242b)に付着して、水晶振動子242a(242b)の共振周波数が変化するようになっている。言い換えれば、水晶振動子242の変化を検出することにより、水晶振動子242に機能液が付着しているか否か、すなわち、水晶振動子242の検出部253に機能液が達しているか否か、を検出し、再利用タンク201の状態を把握できるようになっている。
【0067】
なお、本実施形態では、水晶振動子242に何も付着していない状態における共振周波数が予め測定されており、この測定値に基づいて設定された基準値が制御PC2に記憶されている。そして、発振・測定回路243により測定された共振周波数と制御PC2に記憶された基準値とを比較することにより、水晶振動子242の共振周波数の変化を検出している。
【0068】
再利用タンク201に配設する水晶振動子242は、図8のように、再利用タンク201の側面部から水晶振動子242の検出部253を突出させるように取り付けても良いし、図9のように、再利用タンク201の側面部に水晶振動子242の検出部253を埋め込むように取り付けても良い。なお、両図に示すように、水晶振動子242は、上記した保持部材255を介し、水晶振動子242を配設するための媒介部材である取付け部材256により再利用タンク201に固定されており、保持部材255および取付け部材256により、請求項にいう(第1・第2)保持部材が構成されている。
【0069】
前者の場合に用いる取付け部材256は、図8に示すように、雄ねじ状の部材257と雌ねじ状の部材258とで構成されており、雄ねじ状の部材257には、機能液に耐食性を有する接着剤等の固定剤259で保持部材255が固定されるようになっている。また、再利用タンク201の水晶振動子242の取付け位置(満液状態時または準満液状態時の液位位置)には、取付け孔203が設けられており、雄ねじ状の部材257を取付け孔203に貫通させ、雌ねじ状の部材258でねじ止めするようになっている。また、ねじ止めが緩むことを防止すると共に、水晶振動子242を再利用タンク201内に液密に封止するために、雄ねじ状の部材257の座面と再利用タンク201との間には、Oリング260が介設されている。
【0070】
後者の場合、図9に示すように、断面略「U」字状の取付け部材256により、水晶振動子242は再利用タンク201に固定されており、再利用タンク201の水晶振動子242の取付け位置には、取付け部材256を取り付けるための取付け開口204が設けられている。取付け部材256は、保持部材255を介して水晶振動子242を収容する収容部261と、再利用タンク201に固定するための固定部262と、を有している。同図に示すように、収容部261には、水晶振動子242の検出部253がタンク内部を向くように保持部材255が接着剤等で固定されている。また、固定部262と再利用タンク201との間には、機能液に耐食性を有するシール部材263が設けられており、取付け開口204から機能液がもれることを防止している。なお、水晶振動子242の取付け方法は一例に過ぎず、上記したものに限定されるものではない。
【0071】
次に、機能液検出装置241を用い、再利用タンク201の機能液を検出するときの、制御PC2の制御による一連の動作について説明する。上述したように、再利用タンク201には、吸引ユニット82で吸引した機能液および描画待機中のフラッシングでキャップ111に排出された機能液が貯留されるため、機能液検出装置241による検出は、吸引ユニット82による吸引動作または描画待機中のフラッシング動作と同期して行われるようになっている。なお、吸引動作時およびフラッシング動作時に行われる一連の処理は略同様であるため、ここでは吸引動作時における一連の動作についてのみ説明する。
【0072】
図10に示すように、吸引動作の開始命令が為される(S1)と、吸引動作(S4)に先立ち、機能液検出装置241による第1検出が行われる(S3)。第1検出は、吸引動作が行われることにより、再利用タンク201に貯留する機能液が溢れることを防止するために、吸引動作が行われる前に、再利用タンク201に貯留する機能液の液位を確認するためのものである。
【0073】
また、吸引動作が開始される(S4)と、t秒毎に吸引動作が終了したか否かにつき確認が行われ(S6)、吸引動作が終了していなければ(S6:NO)、機能液検出装置241による第2検出(S7)が行われるようになっている。このように、吸引動作中も定期的に再利用タンク201の機能液の液位が確認することで、再利用タンク201の液位を適切に保つことができるようになっている。なお、第2検出が行われる頻度、すなわちtの値は、実状に合わせて任意に設定可能である。
【0074】
ここで、図10および図11を参照して、第1検出(S3)における一連の動作について説明する。両図に示すように、吸引動作命令がなされる(S1)と、再利用タンク201が準満液状態であることを判別するためのフラグの値Fが初期化される(すなわちF=0にする)(S2)。そして、フラグの初期化が終了し、第1検出が開始される(S3)と、先ず、準満液状態検出が行われ(S11)、再利用タンク201が準満液状態であるか否かが検出される。準満液状態検出では、発振・測定回路243により準満液状態の液位に対応して配設された水晶振動子242(以下、第2水晶振動子242bとする)を発振させ、発振・測定回路243によりその共振周波数が測定される。測定結果は、制御PC2に送信され、測定された共振周波数と基準値との比較が為される。この時、測定された共振周波数≧基準値ならば、第2水晶振動子242bに機能液が付着していない、すなわち再利用タンク201が準満液状態に達していない、と判断して(S11:No)、吸引動作(吸引ポンプ102の駆動)を開始させる(S4)。
【0075】
一方、測定された共振周波数<基準値ならば、第2水晶振動子242bに機能液が付着している、すなわち準満液状態に達している、と判断し(S11:Yes)、続けて、再利用タンク201が満液状態であるか否かを確認するための満液状態検出が行われる(S12)。満液状態検出が開始されると、発振・測定回路243により、満液状態の液位に対応して配設された水晶振動子242a(以下、第1水晶振動子242aとする)を発振させ、その共振周波数を発振・測定回路243で測定する。そして、準満液状態検出と同様に、測定された共振周波数と基準値を比較し、満液状態の判断を行う。具体的には、測定された共振周波数≧基準値ならば、満液状態に達していないと判断し(S12:No)、測定された共振周波数<基準値ならば、満液状態に達していると判断する(S12:Yes)。
【0076】
そして、満液状態に達していないと判断する(S12:No)と、制御PC2のモニタディスプレイ234に準満液状態であることを表示させる(S14)と共に、吸引動作を開始させるか否かをユーザに選択させるための選択画面を表示させる。ここで、吸引動作の開始が選択される(S15:Yes)と、フラグの値をF=1に書き替えられる(S16)と共に、吸引動作が開始される(S4)。また、ここで吸引動作の開始が選択されなければ(S15:No)、吸引動作の開始命令を保留して、一連の動作を終了させる。一方、満液状態に達していると判断する(S12:Yes)と、吸引動作で排出された機能液により、再利用タンク201が溢れることを防止するために、吸引動作の開始命令を保留して一連の動作を保留すると共に、再利用タンク201が満液状態であることをモニタディスプレイ234に表示させ(S13)、再利用タンク234の交換をユーザに促す。
【0077】
なお、準満液状態で吸引動作が行われなかった場合、および満液状態である場合でも、吸引動作の開始命令が保留されているので、再利用タンク201の交換が為されると、再び第1検出(S3)を経て、吸引動作が行われる(S4)ようになっている。
【0078】
次に第2検出について説明する。第2検出は、吸引動作中、t秒毎に定期的に行われる(図10参照)。図10および図12を参照して説明すると、第1検出を経て(S3)、吸引動作が開始される(S4)と、制御PC2によりt秒間のカウントが為される(S5)。続いて、吸引動作が終了したか、すなわち吸引動作中か否か、が確認され(S6)、吸引動作が終了していなければ第2検出が開始される(S7)。
【0079】
第2検出では、先ず、フラグの値が確認される(S21)。F=0ならば(S21:No)、すなわち第1検出で再利用タンク201が準満液状態に達していないと判断されていれば、第1検出と同様に準満液状態検出が開始される(S22)。また、F=1ならば(S21:Yes)、第1検出により既に準満液状態に達しているが検出されているので、準満液状態検出を行わずに、吸引動作を停止させ(S24)、満液状態検出を開始させる(S25)。このように、第2検出では、フラグの値に基づいて検出を行うことにより、準満液状態が検出された後に、繰り返し準満液状態検出が行われることがなく、効率よく検出が行えるようになっている。
【0080】
準満液状態検出において、測定した第2水晶振動子242bの共振周波数が、共振周波数≧基準値であれば、再利用タンク201が準満液状態ではないと判断して(S22:No)、制御PC2により再びt秒間のカウントを行い(S5)、上記の動作を繰り返し行う。
【0081】
また、測定された共振周波数<基準値ならば、フラグの値をF=1に書き替える(S23)と共に、吸引動作を停止させる(S24)。そして、満液状態検出を開始させ(S25)、第1水晶振動子242aの共振周波数と基準値の比較を行う。ここで、測定された第1水晶振動子242aの共振周波数≧基準値なら(S25:No)、モニタディスプレイ234に再利用タンク201が準満液状態に達したことを表示させる(S27)と共に、吸引動作を続行するか否かを確認する確認画面を表示させる。そして、ユーザが吸引動作の続行を選択する(S28:Yes)と、吸引動作を再開させる(S29)と共に、再びt秒間のカウントが行い(S5)、吸引動作開始後の一連の動作を繰り返す。一方、測定された第1水晶振動子242aの共振周波数<基準値なら、第1検出のときと同様に、再利用タンク201は満液状態と判断し、モニタディスプレイ234に再利用タンク201が満液状態である旨の表示をさせる。
【0082】
なお、第2検出により、再利用タンク201の満液状態または準満液状態が検出され、再利用タンク201の交換が為されたときには、フラグの値を初期化した後、再び第1検出からの動作が行われるようになっている。
【0083】
また、本実施形態では、水晶振動子242の共振周波数が変化したかを検出できれば良いので、所定の条件を満たせば、第1検出および第2検出で用いられる全ての基準値に共通の値を用いることが可能である。
【0084】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態の液滴吐出装置1は、第1実施形態と略同様の構成であるが、吸引ユニット82の吸引ポンプ102が配設されていない点で異なっている。したがって、ここでは、第1実施形態の液滴吐出装置と異なる点について説明する。図13に示すように、本実施形態の給液タンク182には、上記した大気開放弁(図示省略)の代わりに、エアー供給手段14に接続されたエアー供給チューブ271が繋ぎ込まれている。なお、給液タンク182とエアー供給手段14とを接続するエアー供給チューブ271には、大気開放ポートを有する三方弁272が介設されており、ワークWへの描画するときには、給液タンク182内を大気開放可能に構成されている。
【0085】
第1実施形態では、吸引ポンプ102を駆動させ、吸引動作を行うことにより、機能液滴吐出ヘッド41のクリーニングや初期充填を行うようになっていたが、本実施形態の液滴吐出装置1では、エアー供給手段14から圧縮エアーを給液タンク182に供給することにより、機能液滴吐出ヘッド41のクリーニングや初期充填を行っている。すなわち、クリーニングや初期充填のときには、機能液滴吐出ヘッド41をキャップ111に密着させた後、給液タンク182内の機能液を給液タンク182に加圧送液し、機能液滴吐出ヘッド41から機能液を強制的に排出させると共に再利用タンク201に機能液を廃棄するようになっている。
【0086】
そこで、第2実施形態では、エアー供給手段14によるエアー供給と同期させながら、機能液検出装置241を用いた再利用タンク201の検出を行っている。ただし、検出に関する一連の動作は略同様であり、第1実施形態における吸引動作をエアー供給と読み替えれば本実施形態における一連の動作となるので、詳細な動作の説明は省略する。
【0087】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態の液滴吐出装置も、上述した第1および第2実施形態の液滴吐出装置1と略同様の構成である。しかし、再利用タンク201および廃液タンク221には、それぞれ1個の水晶振動子242しか配設されていない点で異なっている(図14参照)。
【0088】
これは、水晶振動子242の共振周波数が、タンク内に貯留する機能液の液位により水晶振動子242に付着する機能液量が異なると共に、当該水晶振動子242に付着する機能液量(機能液の質量)と比例することを利用したものである。そこで、本実施形態では、準満液状態に対応する水晶振動子242の共振周波数および満液状態に対応する水晶振動子242の共振周波数が実験的に求められており、予め基準値として制御PC2に記憶されている。なお、本実施形態の水晶振動子242は、水晶振動子242の検出部253が準満液状態時および満液状態時にタンクの機能液と接触する位置に取り付けられている。そして、図14に示すように、タンクにおける取付け位置は、タンクの側面部に限定されるものではなく、タンクの蓋部分(上面部分)でも良い。
【0089】
ここで、機能液検出装置241を用いた再利用タンク201(および廃液タンク221)の検出に関する一連の動作のうち、第1実施形態と異なる点について説明する。第1実施形態では、満液状態検出に用いられる水晶振動子242と準満液状態検出に用いられる水晶振動子242が異なっているために、満液状態検出時には新たに(第1)水晶振動子242の共振周波数を測定し、これを基準値と比較することにより満液状態の判断を行っているが、本実施形態では、1個の水晶振動子242を共用して、満液状態検出および準満液状態検出を行っているために、満液状態検出時にも、準満液状態検出で測定した共振周波数を用いて判断を行っている。また、このことと関連するが、第1実施形態では、検出に用いられる基準値は共通のものであったが、本実施形態では、それぞれの検出に対応する基準値が用いられる点も異なっている。
【0090】
第1検出を例に具体的に説明すると、本実施形態では、準満液状態検出が開始されると、水晶振動子242の共振周波数が測定され、測定された共振周波数と準満液状態に対応する基準値との比較が行われる。そして、測定された共振周波数<基準値、すなわち再利用タンク201の準満液状態、が検出され、満液状態検出が行われると、準満液状態検出で測定された共振周波数と満液状態に対応する基準値との比較が行われ、満液状態の判断が行われる。
【0091】
なお、本実施形態においても、準満液状態および満液状態の判断がなされた後の一連の動作は、第1実施形態と同様である。また、本実施形態では、機能液検出装置241の検出子として水晶振動子242を使用しているが、水晶振動子242に代えて、圧電セラミック発振子やSAWデバイス等の圧電素子を用いることも可能である。
【0092】
このように、第1および第2実施形態では、再利用タンク201の満液状態時の液位および準満液状態時の液位に対応させて、機能液検出装置241の水晶振動子242を配設しており、水晶振動子242の共振周波数(または発振周波数)が変化したか否かを検出することにより、再利用タンク201(廃液タンク221)の満液状態および準満液状態を検出することができる。したがって、水晶振動子242の共振周波数が変化したかのみを検出できればよいため、高い分解能を有する水晶振動子242を用いる必要がなく、水晶振動子242のコストを抑えることが可能である。また、第1ないし第3実施形態の液滴吐出装置では、水晶振動子242に機能液を付着させることにより、再利用タンク201(廃液タンク221)の液位を直接検出しているので、精度良く再利用タンク201の満液状態および準満液状態を検出することが可能であり、適切なメンテナンスを行うことができる。また、準満液状態の検出、満液状態の検出の順に検出を行うことにより、効率よく再利用タンク201(廃液タンク221)の検出を行うことができる。
【0093】
次に、上記の液滴吐出装置1を液晶表示装置の製造に適用した場合について説明する。図15は、液晶表示装置301の断面構造を表している。同図に示すように、液晶表示装置301は、ガラス基板321を主体として対向面に透明導電膜(ITO膜)322および配向膜323を形成した上基板311および下基板312と、この上下両基板311,312間に介設した多数のスペーサ331と、上下両基板311,312間を封止するシール材332と、上下両基板311、312間に充填した液晶333とで構成されると共に、上基板311の背面に位相基板341および偏光板342aを積層し、且つ下基板312の背面に偏光板342bおよびバックライト343を積層して、構成されている。
【0094】
通常の製造工程では、それぞれ透明導電膜322のパターニングおよび配向膜323の塗布を行って上基板311および下基板312を別々に作製した後、下基板312にスペーサ331およびシール材332を作り込み、この状態で上基板311を貼り合わせる。次いで、シール材332の注入口から液晶333を注入し、注入口を閉止する。その後、位相基板341、両偏光板342a,342bおよびバックライト343を積層する。
【0095】
上記した液滴吐出装置1は、例えば、スペーサ331の形成や、液晶333の注入に利用することができる。具体的には、機能液としてセルギャップを構成するスペーサ材料(例えば、紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂)や液晶を導入し、これらを所定の位置に均一に吐出(塗布)させていく。先ずシール材332を環状に印刷した下基板312を吸着テーブルにセットし、この下基板312上にスペーサ材料を粗い間隔で吐出し、紫外線照射してスペーサ材料を凝固させる。次に、下基板312のシール材332の内側に、液晶333を所定量だけ均一に吐出して注入する。その後、別途準備した上基板311と、液晶を所定量塗布した下基板312を真空中に導入して貼り合わせる。
【0096】
このように、上基板311と下基板312とを貼り合わせる前に、液晶333をセルの中に均一に塗布(充填)するようにしているため、液晶333がセルの隅など細部に行き渡らない等の不具合を解消することができる。
【0097】
なお、機能液(シール材用材料)として紫外線硬化樹脂或いは熱硬化樹脂を用いることで、上記のシール材332の印刷をこの液滴吐出装置1で行うことも可能である。同様に、機能液(配向膜材料)としてポリイミド樹脂を導入することで、配向膜323を液滴吐出装置1で作成することも可能である。
【0098】
このように、再利用タンク201および廃液タンク221内の満液状態および準満液状態を正確に検出できる上記の液滴吐出装置1を用いているので、液晶表示装置301の製造を効率的に行うことが可能である。
【0099】
ところで、上記した液滴吐出装置1は、携帯電話やパーソナルコンピュータ等の電子機器に搭載される上記の液晶表示装置301の他、各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることが可能である。すなわち、有機EL装置、FED装置、PDP装置および電気泳動表示装置等の製造に適用することができ、これらを効率よく製造することが可能である。
【0100】
有機EL装置の製造に、上記した液滴吐出装置1を応用した例を簡単に説明する。有機EL装置は、図16に示すように、有機EL装置401は、基板421、回路素子部422、画素電極423、バンク部424、発光素子425、陰極426(対向電極)、および封止用基板427から構成された有機EL素子411に、フレキシブル基板(図示省略)の配線および駆動IC(図示省略)を接続したものである。回路素子部422は基板421上に形成され、複数の画素電極423が回路素子部422上に整列している。そして、各画素電極423間にはバンク部424が格子状に形成されており、バンク部424により生じた凹部開口431に、発光素子425が形成されている。陰極426は、バンク部424および発光素子425の上部全面に形成され、陰極426の上には、封止用基板427が積層されている。
【0101】
有機EL装置401の製造工程では、予め回路素子部422上および画素電極423が形成されている基板421(ワークW)上の所定の位置にバンク部424が形成された後、発光素子425を適切に形成するためのプラズマ処理が行われ、その後に発光素子425および陰極426(対向電極)を形成される。そして、封止用基板427を陰極426上に積層して封止して、有機EL素子411を得た後、この有機EL素子411の陰極426をフレキシブル基板の配線に接続すると共に、駆動ICに回路素子部422の配線を接続することにより、有機EL装置401が製造される。
【0102】
液滴吐出装置1は、発光素子425の形成に用いられる。具体的には、機能液滴吐出ヘッド31に発光素子材料(機能液)を導入し、バンク部424が形成された基板421の画素電極423の位置に対応して、発光素子材料を吐出させ、これを乾燥させることで発光素子425を形成する。なお、上記した画素電極423や陰極426の形成等においても、それぞれに対応する液体材料を用いることで、液滴吐出装置1を利用して作成することも可能である。
【0103】
また、他の電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等の他、上記したプレパラート形成を包含する装置が考えられる。上記した液滴吐出装置1を各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることにより、各種の電気光学装置を効率的に製造することが可能である。
【0104】
【発明の効果】
以上のように、本発明の機能液廃棄装置および液滴吐出装置によれば、廃液タンクに貯留する機能液の液位を直接検出しているので、廃液タンクの満液状態(または準満液状態)を正確に判断することができる。したがって、廃液タンクに最大限の廃液を貯留させることができ、効率よく廃液タンクを利用することができると共に、廃液タンク交換等のメンテナンスを適切に行うことができる。
【0105】
また、本発明の電気光学装置の製造方法、電気光学装置、および電子機器は、効率よく廃液タンクのメンテナンスが可能な上記の液滴吐出装置を用いているので、廃液タンクのメンテナンスに要する時間を削減でき、効率的な製造が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における機能液滴吐出装置の外観斜視図である。
【図2】本実施形態における機能液滴吐出装置の右側面図である。
【図3】ヘッドユニットの平面図である。
【図4】(a)は機能液滴吐出ヘッドの外観斜視図、(b)は機能液滴吐出ヘッドを配管アダプタに装着したときの断面図である。
【図5】吸引ユニットの外観斜視図である。
【図6】吸引ユニットのキャップ廻りの断面図である。
【図7】機能液検出装置の模式図である。
【図8】水晶振動子廻りを説明した模式図である。
【図9】水晶振動子廻りを説明した模式図である。
【図10】機能液検出装置を用いて行われる、再利用タンク内に貯留する機能液の検出を行うときの一連の動作について説明したフローチャートである。
【図11】機能液の検出における一連の動作のうち、第1検出について説明したフローチャートである。
【図12】機能液の検出における一連の動作のうち、第2検出について説明したフローチャートである。
【図13】本発明の第2実施形態における機能液滴吐出ヘッド、これに接続される機能液供給系、エアー供給手段、および吸引ユニットの模式図である。
【図14】本発明の第3実施形態における、水晶振動子の取付け例を示した図である。
【図15】本発明の製造方法を用いて製造した液晶表示装置の断面図である。
【図16】本発明の製造方法を用いて製造した有機EL装置の断面図である。
【符号の説明】
1 液滴吐出装置 2 制御PC
41 機能液滴吐出ヘッド 111 キャップ
102 吸引ポンプ 182 給液タンク
201 再利用タンク 241 機能液検出装置
242 水晶振動子 243 発振・測定回路
252 電極 253 検出部
255 保持部材 273 エアーポンプ

Claims (14)

  1. 機能液タンクから機能液滴吐出ヘッドに送液された機能液を、前記機能液滴吐出ヘッドに離接するヘッドキャップで受け、前記ヘッドキャップから廃液タンクに導く機能液廃棄装置において、
    前記廃液タンクに設けられ、当該廃液タンクの満液状態を検出するための第1検出手段を備え、
    前記第1検出手段は、前記機能液の付着により共振周波数が変化する第1圧電素子と、
    前記第1圧電素子を発振させる発振手段と、
    前記第1圧電素子の共振周波数の変化を検出する検出手段と、を有し、
    前記第1圧電素子は、満液状態にある前記廃液タンクの液位に対応して配設されていることを特徴とする機能液廃棄装置。
  2. 前記第1圧電素子を保持する第1保持部材を更に備え、
    前記第1保持部材は、前記廃液タンクに、前記第1圧電素子を液密に封止することを特徴とする請求項1に記載の機能液廃棄装置。
  3. 前記第1検出手段により、前記廃液タンクの満液状態が検出されたことを報知する第1報知手段を更に備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の機能液廃棄装置。
  4. 前記廃液タンクが、前記満液状態に近い準満液状態であることを検出するための第2検出手段を更に備え、
    前記第2検出手段は、前記機能液の付着により共振周波数が変化する第2圧電素子と、
    前記第2圧電素子を発振させる発振手段と、
    前記第2圧電素子の共振周波数の変化を検出する検出手段と、を有し、
    前記第2圧電素子は、準満液状態にある前記廃液タンクの液位に対応して配設されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の機能液廃棄装置。
  5. 前記第2圧電素子を保持する第2保持部材を更に備え、
    前記第2保持部材は、前記廃液タンクに、前記第2圧電素子を液密に封止することを特徴とする請求項4に記載の機能液廃棄装置。
  6. 前記第2検出手段により、前記廃液タンクの準満液状態が検出されたことを報知する第2報知手段を更に備えたことを特徴とする請求項4または5に記載の機能液廃棄装置。
  7. 前記第1検出手段および前記第2検出手段を制御する制御手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記第2検出手段が前記準満液状態を検出した後に、前記第1検出手段による検出を開始することを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載の機能液廃棄装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の機能液廃棄装置と、
    ワークに機能液を吐出する機能液滴吐出ヘッドと、
    前記ヘッドキャップと前記廃液タンクとの間に介設され、前記ヘッドキャップを介して前記機能液滴吐出ヘッド内の機能液を吸引する吸引手段と、
    前記吸引手段を制御する吸引制御手段と、を備え、
    前記吸引制御手段は、前記第1検出手段により、前記廃液タンクの満液状態が検出されると、前記吸引手段の駆動を停止させることを特徴とする液滴吐出装置。
  9. 請求項7に記載の機能液廃棄装置と、
    ワークに機能液を吐出する機能液滴吐出ヘッドと、
    前記ヘッドキャップと前記廃液タンクとの間に介設され、前記ヘッドキャップを介して前記機能液滴吐出ヘッド内の機能液を吸引する吸引手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記吸引手段の駆動と同期して、前記第1検出手段または第2検出手段による検出を行うことを特徴とする液滴吐出装置。
  10. 請求項1ないし7のいずれかに記載の機能液廃棄装置と、
    ワークに機能液を吐出する機能液滴吐出ヘッドと、
    前記機能液滴吐出ヘッドに機能液を加圧送液することにより、当該機能液滴吐出ヘッドから前記機能液を強制吐出させる加圧手段と、
    前記加圧手段を制御する加圧制御手段と、を備え、
    前記加圧制御手段は、前記第1検出手段により、前記廃液タンクの満液状態が検出されると、前記加圧手段の駆動を停止させることを特徴とする液滴吐出装置。
  11. 請求項7に記載の機能液廃棄装置と、
    ワークに機能液を吐出する機能液滴吐出ヘッドと、
    前記機能液滴吐出ヘッドに機能液を加圧送液することにより、当該機能液滴吐出ヘッドから前記機能液を強制吐出させる加圧手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記加圧手段の駆動と同期して、前記第1検出手段または第2検出手段による検出を行うことを特徴とする液滴吐出装置。
  12. 請求項8ないし11のいずれかに記載の液滴吐出装置を用い、前記ワーク上に機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  13. 請求項8ないし11のいずれかに記載の液滴吐出装置を用い、前記ワーク上に機能液滴による成膜部を形成したことを特徴とする電気光学装置。
  14. 請求項13に記載の電気光学装置を搭載したことを特徴とする電子機器。
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