JP2004294113A - 機能液滴吐出ヘッドの機能液充填方法、機能液充填装置およびこれを備えた液滴吐出装置、プローブ担体の製造方法、プローブ担体および分析装置、並びに電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器 - Google Patents

機能液滴吐出ヘッドの機能液充填方法、機能液充填装置およびこれを備えた液滴吐出装置、プローブ担体の製造方法、プローブ担体および分析装置、並びに電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器 Download PDF

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【課題】本発明は、初期充填において、機能液の無駄な消費を極力少なくすることができる機能液滴吐出ヘッドの機能液充填方法、機能液充填装置およびこれを備えた液滴吐出装置等を提供することを目的とする。
【解決手段】機能液導入口52からヘッド内流路に導入した機能液を、ノズル面63に形成したノズル64から吐出する機能液滴吐出ヘッド51に対し、機能液を満たす機能液充填装置5において、機能液を貯留する機能液貯留手段71と、機能液貯留手段71と機能液滴吐出ヘッド51とを相対的に移動させて、ノズル面63を機能液貯留手段71の機能液に浸漬させる浸漬手段81と、機能液導入口52に連なる吸引手段91と、を備えたものである。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機能液滴吐出ヘッドのヘッド内流路に機能液を初期充填する機能液滴吐出ヘッドの機能液充填方法、機能液充填装置およびこれを備えた液滴吐出装置、プローブ担体の製造方法、プローブ担体および分析装置、並びに電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば基板等のワークに対し、インクジェットヘッドに代表される機能液滴吐出ヘッドにより機能液の吐出を行う液滴吐出装置において、装置の新設当初や、新たな機能液滴吐出ヘッドを導入した場合等には、ヘッドキャップを機能液滴吐出ヘッドに接合させてヘッドキャップに接続した吸引手段(吸引ポンプ)を駆動させる方法や、給液タンクに接続された加圧送液手段を駆動させる方法等によって、機能液をヘッド内流路に充填している。すなわち、吸引手段や加圧送液手段等を駆動させることにより、給液タンクに貯留された機能液を機能液導入口からヘッド内流路に導入している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−248794号公報(第3頁、第4頁、第7頁、図1、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような機能液充填方法では、給液タンクから機能液滴吐出ヘッドに至る流路において、流路内のエアーを排除するように機能液が流れて充填が行われるが、機能液が重力方向の上から下に向かって流れる流路部分において、比重の大きい機能液がエアーに先んじて機能液滴吐出ヘッドに向かって流れようとするため、流れている機能液の先端とエアーの後端とが混ざり合ってしまうことにより、エアーを含んだ状態の機能液がヘッド内流路に充填されていた。
この結果、ヘッド流路内のエアーがすべて排出されるまで吸引や加圧等を行って機能液をヘッド内流路に送液する必要があり、機能液を無駄に消費していた。
【0005】
本発明は、初期充填において、機能液の無駄な消費を極力少なくすることができる機能液滴吐出ヘッドの機能液充填方法、機能液充填装置およびこれを備えた液滴吐出装置、プローブ担体の製造方法、プローブ担体および分析装置、並びに電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の機能液滴吐出ヘッドの機能液充填方法は、機能液導入口からヘッド内流路に導入した機能液を、ノズル面に形成したノズルから吐出する機能液滴吐出ヘッドに対し、機能液を初期充填する機能液滴吐出ヘッドの機能液充填方法において、機能液滴吐出ヘッドのノズル面を機能液に浸漬する浸漬工程と、ノズル面を機能液に浸漬した状態で、機能液導入口に連なる吸引手段により、機能液をノズルから吸引してヘッド内流路に満たす吸引工程と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、浸漬工程により機能液滴吐出ヘッドのノズル面を機能液に浸漬することで、ノズルから機能液を導入可能となる。そして、吸引工程により機能液導入口側から吸引することで機能液をノズルからヘッド内流路に導入することができる。ノズルからヘッド内流路の間においては、機能液が重力方向の下から上に向かって流れることから、比重の大きい機能液が空気に先んじて吸引手段に向かって流れることがないため、気−液が分離された状態を維持しつつ機能液をヘッド内流路に充填することができる。したがって、エアーを排出するために大量の機能液をヘッド内流路に送液する必要がなく、機能液を無駄に消費することがない。
なお、ヘッド内流路の全体積が機能液で満たされている必要はなく、少なくとも、ヘッド内流路に臨む圧電素子によるポンプ作用を受けて機能液をノズルから吐出する加圧室内が機能液で満たされていればよい。
【0008】
本発明の他の機能液滴吐出ヘッドの機能液充填方法は、機能液導入口からヘッド内流路に導入した機能液を、ノズル面に形成したノズルから吐出する機能液滴吐出ヘッドに対し、機能液を初期充填する機能液滴吐出ヘッドの機能液充填方法において、ノズル面を上向きに保持するとともに、ノズルが浸漬されるようにノズル面上に機能液を滴下する滴下工程と、機能液導入口に連なる吸引手段により、機能液をノズルから吸引してヘッド内流路に満たす吸引工程と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、滴下工程により上向きに保持されたノズル面上にノズルが浸漬されるように機能液を滴下することで、ノズルから機能液を導入可能となる。そして、吸引工程により機能液導入口側から吸引することで機能液をノズルからヘッド内流路に充填することができる。したがって、エアーを排出するために大量の機能液をヘッド内流路に送液する必要がない。また、ワークに対して微少量の機能液を吐出する場合に、その微少量分だけの機能液をヘッド内流路に満たすことができる。したがって、機能液のヘッド内流路への充填において、機能液を無駄に消費することがない。
【0010】
本発明の機能液充填装置は、機能液導入口からヘッド内流路に導入した機能液を、ノズル面に形成したノズルから吐出する機能液滴吐出ヘッドに対し、機能液を満たす機能液充填装置において、機能液を貯留する機能液貯留手段と、機能液貯留手段と機能液滴吐出ヘッドとを相対的に移動させて、ノズル面を機能液貯留手段の機能液に浸漬させる浸漬手段と、機能液導入口に連なる吸引手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、浸漬手段によりノズル面を機能液貯留手段に貯留された機能液に浸漬し、吸引手段により機能液導入口側から吸引することで、機能液をノズルからヘッド内流路に導入することができ、気−液が分離された状態を維持しつつ機能液をヘッド内流路に充填することができる。したがって、エアーを排出するために大量の機能液をヘッド内流路に送液する必要がなく、機能液を無駄に消費することがない。
なお、この場合も、ヘッド内流路の全体積が機能液で満たされている必要はなく、少なくとも、加圧室内が機能液で満たされていればよい。
【0012】
この場合、機能液貯留手段の底面には、機能液に浸漬した機能液滴吐出ヘッドのノズル面との間に間隙を維持するための凸部が設けられていることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、凸部により機能液容器の底面とノズル面との間に機能液の流路となる間隙が維持されるので、ノズル面が機能液容器の底面に密着することなく、安定して機能液を吸引することができる。
【0014】
これらの場合、機能液を機能液滴吐出ヘッドに供給するための給液タンクをさらに備え、給液タンクは、機能液滴吐出ヘッドと吸引手段とを連結する給液管路に介設されていることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、吸引手段により機能液滴吐出ヘッドのノズルから機能液を吸引することで、機能液を給液タンクに容易に貯留させることができる。したがって、吐出動作における機能液滴吐出ヘッドは、給液タンクから機能液の供給を受けて機能液滴を吐出することができる。
【0016】
この場合、給液タンクには、機能液を機能液滴吐出ヘッドに供給するときに開放され、吸引手段によりノズルから機能液を吸引するときに閉塞される大気開放弁が設けられていることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、大気開放弁を閉塞させて給液タンク内が負圧となるように吸引手段を駆動することで、機能液をノズルから給液タンクに効率よく貯留させることができるとともに、大気開放弁を開放させて負圧となった給液タンク内を大気開放することで、機能液滴吐出ヘッドの本来の吐出動作において機能液を安定して吐出させることができる。
【0018】
これらの場合、給液タンク内の機能液と機能液滴吐出ヘッドのノズル面との間の水頭差が一定になるように給液タンクを昇降自在に支持する液位調整手段を、さらに備えたことが好ましい。
【0019】
この構成によれば、液位調整手段により機能液滴吐出ヘッドと給液タンクとの水頭差が常に所定の範囲内になるように設定されるので、機能液滴吐出ヘッドのノズル面において水頭を一定に保つことができ、ノズルからの液だれ等を防止することができると共に、安定して機能液滴吐出ヘッドから吐出させることができる。
【0020】
これらの場合、給液タンクと吸引手段とを接続する吸引管路に、大気開放ポートを有する三方弁が設けられていることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、大気開放ポートを有する三方弁を切り替えることにより、吸引手段により吸引した給液タンクの圧力を大気に開放して、機能液の吸引を速やかに停止させることができる。
【0022】
この場合、給液タンク内の機能液の液位を検出する検出手段と、検出手段の検出結果に基づいて、三方弁を切り替え制御する制御手段と、をさらに備えたことが好ましい。
【0023】
この構成によれば、機能液の液位に応じて三方弁の切り替えを制御することができるので、機能液の吸引を適切なタイミングで停止させることができる。また、吸引手段側への機能液の流入を確実に防止することができる。
【0024】
本発明の液滴吐出装置は、上記した機能液充填装置と、ワークに対し機能液滴吐出ヘッドを相対的に移動させながら機能液滴を吐出させる描画装置と、を備えたことを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、機能液を無駄に消費することのない機能液充填装置を備えているので、液滴吐出装置のランニングコストを削減することができるとともに、微少量の機能液を用いて液滴を吐出させることができる。
【0026】
本発明のプローブ担体の製造方法は、上記した液滴吐出装置を用い、ワーク上にプローブ液滴によるプローブ・アレイを形成することを特徴とする。
【0027】
また、本発明のプローブ担体は、上記した液滴吐出装置を用い、ワーク上にプローブ液滴によるプローブ・アレイを形成したことを特徴とする。
【0028】
この構成によれば、機能液を無駄に消費することがない液滴吐出装置を用いて製造されるため、微少量のプローブ液を用いてプローブ・アレイを製造することが可能となる。なお、プローブ・アレイに用いられるプローブとしては、特定の標識物質に対して特異的に結合可能なものであればよく、例えば、DNA、RNA、cDNA(コンプリメンタリーDNA)、PNA、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、その他の核酸、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質、酵素、酵素に対する基質、交代、交代に対するエピトープ、抗原、ホルモン、ホルモンレセプター、リガンド、リガンドレセプター、オリゴ糖、ポリ糖、およびこれらの組み合わせ等が考えられる。
【0029】
本発明の分析装置は、上記したプローブ担体の製造方法により製造したプローブ担体または上記したプローブ担体を搭載したことを特徴とする。
【0030】
この場合、分析装置としては、いわゆるDNAチップを搭載した遺伝子分析装置、スクリーニング装置の他、各種の分析装置がこれに該当する。
【0031】
本発明の電気光学装置の製造方法は、上記した液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする。
【0032】
また、本発明の電気光学装置は、上記した液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする。
【0033】
これらの構成によれば、機能液を無駄に消費することがない液滴吐出装置を用いて製造されるため、電気光学装置を効率よく製造することが可能となる。なお、電気光学装置(デバイス)としては、液晶表示装置、有機EL(Electro−Luminescence)装置、電子放出装置、PDP(Plasma Display Panel)装置および電気泳動表示装置等が考えられる。なお、電子放出装置は、いわゆるFED(Field Emission Display)装置を含む概念である。さらに、電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等を包含する装置が考えられる。
【0034】
本発明の電子機器は、上記した電気光学装置を搭載したことを特徴とする。
【0035】
この場合、電子機器としては、いわゆるフラットパネルディスプレイを搭載した携帯電話、パーソナルコンピュータの他、各種の電気製品がこれに該当する。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。本発明の第1実施形態を適用した液滴吐出装置は、機能液滴吐出ヘッドを用い、ワークである基板にプローブ溶液等の機能液滴を吐出し、基板上に所望のプローブ・アレイや成膜部を形成(ワーク処理)するものである(詳細は後述する)。
【0037】
図1の平面模式図に示すように、第1実施形態の液滴吐出装置1は、機台2と、機台2上の全域に広く載置された描画装置3と、機台2上の端部に載置されたヘッド機能回復装置4と、ヘッド機能回復装置4と隣接するように機台2上の端部に載置された機能液供給機構5を有し、機能液供給機構5により描画装置3に機能液を供給して描画装置3によりワークW上に機能液による描画を行うと共に、ヘッド機能回復装置4により適宜、描画装置3に備える機能液滴吐出ヘッド51の機能回復処理(メンテナンス)を行うようにしている。さらに、図1では省略したが、この液滴吐出装置1には、上記の描画装置3や機能液供給機構5等の構成装置を統括制御する制御手段7等が組み込まれている。
【0038】
描画装置3は、X軸テーブル12およびX軸テーブル12に直交するY軸テーブル13からなる移動機構11と、Y軸テーブル13に移動自在に取り付けたメインキャリッジ14と、メインキャリッジ14に垂設したヘッドユニット15とを備えている。そして、ヘッドユニット15には、サブキャリッジ16を介して、機能液滴吐出ヘッド51が搭載されている。この場合、基板であるワークWは、X軸テーブル12の端部に臨む一対のワーク認識カメラ18,18により、X軸テーブル12に位置決めされた状態で搭載されている。なお、図示のサブキャリッジ16には、1つの機能液滴吐出ヘッド51が搭載されているが、これが複数であってもよい。
【0039】
図2に示すように、機能液滴吐出ヘッド51は、いわゆる2連のものであり、2連の接続針53を有する機能液導入部52と、機能液導入部52に連なる2連のヘッド基板54と、機能液導入部52の下方に連なり、内部に機能液で満たされるヘッド内流路が形成されたヘッド本体55と、を備えている。各接続針53は、配管アダプタ56を介して機能液を貯留する給液タンク101に接続されており、機能液導入部52は、各接続針53から機能液の供給を受けるようになっている。ヘッド本体55は、2連のポンプ部61と、多数の吐出ノズル64を形成したノズル面63を有するノズル形成プレート62と、を有しており、機能液滴吐出ヘッド51では、ポンプ部61の作用により吐出ノズル64から機能液滴を吐出するようになっている。
【0040】
図1に示すように、ヘッド機能回復装置4は、機台2上に載置した移動テーブル21と、移動テーブル21上に載置した保管ユニット22、吸引ユニット23およびワイピングユニット24とを備えている。保管ユニット22は、装置の稼動停止時に、機能液滴吐出ヘッド51の吐出ノズル64の乾燥を防止すべくこれを封止する。吸引ユニット23は、機能液滴吐出ヘッド51から機能液を強制的に吸引すると共に、機能液滴吐出ヘッド51の全吐出ノズル64らの機能液の吐出を受けるフラッシングボックスの機能を有している。ワイピングユニット24は、主に、機能液吸引を行った後の機能液滴吐出ヘッド51のノズル面63をワイピング(拭き取り)する。
【0041】
保管ユニット22には、例えば機能液滴吐出ヘッド51に対応する封止キャップ26が昇降自在に設けられており、装置の稼動停止にヘッドユニット(の機能液滴吐出ヘッド51)15に臨んで上昇し、機能液滴吐出ヘッド51のノズル面63に封止キャップ26を密接させて、これを封止する。これにより、機能液滴吐出ヘッド51のノズル面63における機能液の気化が抑制され、いわゆるノズル詰まりが防止される。
【0042】
同様に、吸引ユニット23には、例えば機能液滴吐出ヘッド51に対応する吸引キャップ27が、昇降自在に設けられており、ヘッドユニット(の機能液滴吐出ヘッド51)15に機能液の充填を行う場合や、機能液滴吐出ヘッド51内で増粘した機能液を除去する場合に、吸引キャップ27を機能液滴吐出ヘッド51に密着させて、ポンプ吸引を行う。また、機能液の吐出(描画)を休止するときには、吸引キャップ27を機能液滴吐出ヘッド51から僅かに離間させておいて、フラッシング(捨て吐出)を行う。これにより、ノズル詰まりが防止され或いはノズル詰まりの生じた機能液滴吐出ヘッド51の機能回復が図られる。
【0043】
ワイピングユニット24には、例えば、ワイピングシート28が繰出し且つ巻取り自在に設けられており、繰り出したワイピングシート28を送りながら、かつ移動テーブル21によりワイピングユニット24をX軸方向に移動させながら、機能液滴吐出ヘッド51のノズル面63を拭き取るようになっている。これにより、機能液滴吐出ヘッド51のノズル面63に付着した機能液が取り除かれ、機能液吐出時の飛行曲がり等が防止される。
【0044】
図1を参照して、第1実施形態の液滴吐出装置1の一連の動作について簡単に説明する。X軸テーブル12は、X軸方向の駆動系を構成するモータ駆動のX軸スライダ31を有し、これに吸着テーブル33およびθテーブル34等から成るセットテーブル32を移動自在に搭載して、構成されている。同様に、Y軸テーブル13は、Y軸方向の駆動系を構成するモータ駆動のY軸スライダ36を有し、これにθテーブル37を介して上記のメインキャリッジ14を移動自在に搭載して、構成されている。
【0045】
この場合、X軸テーブル12は、機台2上に直接支持される一方、Y軸テーブル13は、機台2上に立設した左右の支柱38,38に支持されている。X軸テーブル12とヘッド機能回復装置4とは、X軸方向に相互に平行に配設されており、Y軸テーブル13は、X軸テーブル12とヘッド機能回復装置4の移動テーブル21とを跨ぐように延在している。
【0046】
そして、Y軸テーブル13は、これに搭載したヘッドユニット(機能液滴吐出ヘッド51)15を、ヘッド機能回復装置4の直上部に位置する機能回復充填エリア41と、X軸テーブル12の直上部に位置する描画エリア42との相互間で、適宜移動させる。すなわち、Y軸テーブル13は、機能液滴吐出ヘッド51の機能回復や初期充填を行う場合には、ヘッドユニット15を機能回復充填エリア41に臨ませ、またX軸テーブル12に導入したワークWに描画を行う場合には、ヘッドユニット15を描画エリア42に臨ませる。
【0047】
一方、X軸テーブル12の一方の端部は、ワークWをX軸テーブル12にセット(載せ代える)するための移載エリア43となっており、移載エリア43には、上記一対のワーク認識カメラ18,18が配設されている。そして、この一対のワーク認識カメラ18,18により、吸着テーブル33上に供給されたワークWの2箇所の基準マークが同時に認識され、この認識結果に基づいて、ワークWのアライメントが為される。
【0048】
第1実施形態の液滴吐出装置1では、X軸方向へのワークWの移動を主走査とし、Y軸方向への機能液滴吐出ヘッド(ヘッドユニット15)51の移動を副走査として、上記の制御手段7に記憶する吐出パターンデータに基づいて描画が行われる。
【0049】
描画エリア42に導入したワークWに描画を行う場合には、機能液滴吐出ヘッド(ヘッドユニット15)51を描画エリア42に臨ませておいて、X軸テーブル12による主走査(ワークWの往復移動)に同期して、機能液滴吐出ヘッド51を吐出駆動(機能液滴の選択的吐出)させる。また、Y軸テーブル13により適宜、副走査(ヘッドユニット15の移動)が行われる。この一連の動作により、ワークWに所望の機能液滴の選択的吐出、すなわち描画が行われる。
【0050】
また、機能液滴吐出ヘッド51の機能回復を行う場合には、移動テーブル21により吸引ユニット23を機能回復充填エリア41に移動させると共に、Y軸テーブル13によりヘッドユニット15を機能回復充填エリア41に移動させ、機能液滴吐出ヘッド51のフラッシング或いはポンプ吸引を行う。また、ポンプ吸引を行った場合には、続いて移動テーブル21によりワイピングユニット24を機能回復充填エリア41に移動させ、機能液滴吐出ヘッド51のワイピングを行う。同様に、作業が終了して装置の稼動を停止する時には、保管ユニット22により、機能液滴吐出ヘッド51にキャッピングが行われる。
【0051】
図3に示すように、機能液供給機構5は、機能液滴吐出ヘッド51に機能液を供給すると共に機能液滴吐出ヘッド51に機能液を初期充填するためのものであり、機能液を貯留する機能液タンク71と、機能液タンク71を昇降自在に支持する機能タンク保持装置81と、機能液滴吐出ヘッド51の機能液導入部52に連なる吸引ポンプ91と、機能液滴吐出ヘッド51の機能液導入部52と吸引ポンプ91とを連結する吸引チューブ92に介設された給液タンク101と、給液タンク101を昇降自在に支持する上下動機構121と、を備えている。
【0052】
機能液タンク71は、移動テーブル21上に固定された機能液タンク保持装置81上に載置されており、平面視方形のステンレス製タンクで構成されている。機能液タンク71の底面には、機能液タンク71に浸漬した機能液滴吐出ヘッド51のノズル面63の長手方向両端部が着座する一対の凸状のスペーサ72、72が設けられており、ノズル面63と機能液タンク71の底面との間に機能液が自由に流れる間隙を構成するようにしている。
【0053】
機能液タンク保持装置81は、機能回復充填エリア41に臨んだ機能液滴吐出ヘッド51に対し機能液タンク71を離接させるためのものであり、機能液タンク71を直接載置する載置テーブル82と、複数の圧縮ばね83、83を介して載置テーブル82を昇降自在に支持する昇降機構84と、を有している。昇降機構84は、断面「コ」字状の昇降テーブル85と、上下のベース86、86間に昇降テーブル85の昇降動をガイドする4本のガイドロッドを備えた支持フレーム87と、上下のベース86、86間に回動自在に取り付けたボールねじ88と、ボールねじ88の一端に連結した昇降モータ89と、で構成されている。昇降テーブル85の上プレートには、上記の圧縮ばね83、83を介して載置テーブル82が取り付けられており、下プレートには、ボールねじ88が螺合する雌ねじ部材90が取り付けられている。
【0054】
昇降モータ89が正逆回転するとボールねじ88が正逆回転し、雌ねじ部材90を介して昇降テーブル85が昇降する。また、図示では省略したが、昇降テーブル85の上昇端位置(機能液滴吐出ヘッド51がスペーサ72、72に当接する位置)を検出するセンサが設けられており、上昇時において、センサが載置テーブル82の上昇端位置を検出すると、制御手段7は昇降モータ89を停止させるようになっている。なお、この昇降モータ89の停止時に機能液滴吐出ヘッド51がスペーサ72、72に突き当たることがあっても、その衝撃は圧縮ばね83、83により吸収される。また、機能液タンク71を機能液滴吐出ヘッド51に離接させるためには、メインキャリッジ14にヘッドユニット15を昇降させる昇降機構(Z軸テーブル)を設けた構成であってもよい。
【0055】
真空ポンプで構成された吸引ポンプ91には、給液タンク101に連なる吸引チューブ92が接続され、吸引チューブ92には、大気開放ポートを有する三方弁93が介設されている。そして、三方弁93を開閉制御することにより、給液タンク101に貯留する機能液の液位が、オーバーフローとならないように調整されている。
【0056】
給液タンク101は、機台2上の端部に固定された上下動機構121上に載置されており、両側に液位窓(図示省略)を有すると共に、両液位窓に臨んで機能液の液位(水位)を検出する液位検出器102と、大気開放用の大気開放弁103と、を備えている。大気開放弁103の開閉動作は制御手段7によって制御され、機能液を機能液滴吐出ヘッド51に供給するときに開放され、吸引ポンプ91により機能液滴吐出ヘッド51の吐出ノズル64から機能液を吸引するときに閉塞される。
【0057】
液位検出器102は、機能液の上限、すなわちオーバーフロー、を検出する上限レベル検出器104、および適切な水頭圧を維持するために機能液の管理液位を検出する管理液位レベル検出器105から成り立っている。
【0058】
給液タンク101には、機能液滴吐出ヘッド51に延びる給液チューブ111が接続されている。また、給液チューブ111は、機能液滴吐出ヘッド51の配管アダプタ56に接続されている。
【0059】
上下動機構121は、給液タンク101を昇降させるためのものであって、昇降機構84と略同様の構成であり、断面「コ」字状の上下動テーブル122と、上下のベース123、123間に上下動テーブル122の上下動をガイドする4本のガイドロッドを備えた支持フレーム124と、上下のベース123、123間に回動自在に取り付けたボールねじ125と、ボールねじ125の一端に連結した上下動モータ126と、で構成されている。上下動テーブル122の上プレートの上面には、給液タンク101が直接載置されており、上下動テーブル122の下プレートには、ボールねじ125が螺合する雌ねじ部材126が取り付けられている。
【0060】
ここで、機能液タンク71の機能液を吐出ノズル64から吸引してヘッド内流路に充填すると共に給液タンク101に貯留する充填動作、および給液タンク101の機能液を機能液滴吐出ヘッド51に供給する(通常の液滴吐出時)供給動作について詳細に説明する。まず、充填動作において、制御手段7は、移動機構11を駆動して、ヘッドユニット15を機能回復充填エリア41に臨ませる。相前後して移動テーブル21により機能液タンク71を機能回復充填エリア41に移動させ、ヘッドユニット15を機能液タンク71上に臨ませる。そして、機能液タンク保持装置81の昇降モータ89を駆動して載置テーブル82を上昇させ、機能液滴吐出ヘッド51のノズル面63の長手方向両端部がスペーサ72、72に接触するまで機能液タンク71を上昇させる。すなわち、機能液タンク71の機能液に機能液滴吐出ヘッド51のノズル面63を浸漬させる。なお、機能液滴吐出ヘッド51を機能液タンク71の機能液に浅く漬けた状態で吸引ポンプ91の駆動(後述する)を開始し、機能液の液位の下降に応じてタンク71を上昇させることにより、機能液滴吐出ヘッド51が機能液タンク71の機能液に常時浅く漬かるようにしてもよい。
【0061】
次に、吸引チューブ92に介設された三方弁93を開弁すると共に、給液タンク101の大気開放弁103を閉弁して、吸引ポンプ91を駆動する。これにより、機能液タンク71に貯留していた機能液が吐出ノズル64から機能液滴吐出ヘッド51に吸引され、ヘッド内流路が機能液で充填される。吐出ノズル64からヘッド内流路の間においては、機能液が重力方向の下から上に向かって流れることから、比重の大きい機能液が空気に先んじて給液タンク101に向かって流れることがないため、気−液が分離された状態を維持しつつ機能液をヘッド内流路に充填することができる。したがって、エアーを排出するために大量の機能液をヘッド内流路に送液する必要がなく、機能液を無駄に消費することがない。
【0062】
吐出ノズル64から機能液滴吐出ヘッド51に吸引された機能液は、ヘッド内流路を充填した後、さらに、給液チューブ111を介して給液タンク101に送られ、給液タンク101に貯留する。給液タンク101の上限レベル検出器104により給液タンク101のオーバーフローが検出されると、制御手段7が、三方弁93を切り替え制御して吸引チューブ92を閉塞すると共に、大気開放ポートを開弁させることにより、供給タンク101への機能液の供給を停止し、給液タンク101に供給される機能液の充填量を制御するようになっている。なお、機能液の充填量を上記検出器102によらず、タイマーで制御することも可能である。この場合には、吐出する機能液の量が少なく機能液的吐出ヘッド51のヘッド内流路から給液チューブ111までの流路を満たす程度の液量を充填する場合であっても、機能液の充填量を適切に制御することができる。
【0063】
次に、供給動作について説明する。充填動作において給液タンク101への機能液の貯留が終了した後、給液タンク101では、大気開放弁103を開弁することにより吸引ポンプ91側の負圧が大気開放で縁切りされる。続いて、液位検出器102が、給液タンク101の液位を検出する。その結果に基づいて、制御手段7が、上下動機構121の上下動モータ126を駆動して給液タンク101を昇降させ、機能液滴吐出ヘッド51と給液タンク101との水頭差を調整する。この調整によって管理される僅かな水頭圧(例えば25mm±0.5mm)で、機能液滴吐出ヘッド51に機能液が供給される。なお、この水頭差は、液位検出器102によるセンシングと上下動機構121による昇降を継続することで、機能液滴吐出ヘッド51からの機能液の吐出時において常時管理される。
【0064】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図4は、本発明の第2実施形態を適用した機能液供給機構5の正面模式図である。第2実施形態の機能液供給機構5は、機能液滴吐出ヘッド51と、吸引チューブ92を介して機能液滴吐出ヘッド51の機能液導入部52に接続されたシリンジ131と、により構成されている。
【0065】
まず、機能液滴吐出ヘッド51を保持台(図示省略)に取り付けてノズル面63を上向きに保持する。次に、ピペット131等を用いて吐出ノズル64が浸漬されるように機能液をノズル面63上に滴下する。続いて、シリンジ131により機能液を吐出ノズル64から吸引してヘッド内流路に満たす。
【0066】
このように第2実施形態では、上向きに保持されたノズル面63上に吐出ノズル64が浸漬されるように機能液を滴下し、機能液を吐出ノズル64から吸引してヘッド内流路に満たすことで、ワークWに対して微少量の機能液を吐出する場合に、その微少量分だけの機能液をヘッド内流路に満たすことができる。したがって、機能液のヘッド内流路への充填において、機能液を無駄に消費することがない。
【0067】
そして、第2実施形態によりヘッド内流路にプローブ溶液や特殊なインク等の機能液を導入した機能液滴吐出ヘッド51を、上記第1実施形態の液滴吐出装置1に組み込むことにより、上記第1実施形態の液滴吐出装置1と同様にして、基板等のワークWに機能液滴によるプローブ・アレイや成膜部を形成することができる。
【0068】
ここで、プローブ担体の製造に、上記した液滴吐出装置1を応用した例を簡単に説明する。図5に示すように、プローブ担体201は、複数種のプローブを、それぞれ独立した領域、例えばドット状スポットとして担体表面に固定したものであり、DNAチップ、DNAマクロアレイと一般的に呼ばれている分析用のチップやプレートが含まれる。そして、プローブ担体201上に保持されるプローブ・アレイ231は、プローブのスポットの多数が平面状に配列された、すなわち二次元アレイ上に配列されたものである。
【0069】
本発明のプローブ担体201に用いられるプローブは、その使用目的に応じて、適宜選択されるものであるが、例えば、DNA、RNA、cDNA(コンプリメンタリーDNA)、PNA、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、その他の核酸、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質、酵素、酵素に対する基質、交代、交代に対するエピトープ、抗原、ホルモン、ホルモンレセプター、リガンド、リガンドレセプター、オリゴ糖、ポリ糖、およびこれらの組み合わせ等が考えられる。
【0070】
プローブ担体201には、基板211上に予めプローブを付与するウェル221を形成しておく。例えば、隣り合うウェル221の間に、表面がプローブ溶液に対する親和性の低いマトリクス222を設けておいた場合、プローブ溶液のウェル221への付与にあたって多少の位置ずれが生じたとしても所望のウェル221にスムーズにプローブ溶液を付与することができる。
【0071】
プローブ担体201の製造工程では、実施形態の液滴吐出装置1の機能液滴吐出ヘッド51にプローブ溶液を導入し、ウェル221が形成された基板211の所望の位置に対応して、プローブ溶液を吐出させ、プローブ・アレイ231を形成する。
【0072】
以上のように、液滴吐出装置1を用いてプローブ担体201の製造をする場合、上記した液滴吐出装置1では、機能液滴吐出ヘッド51の吐出ノズル64から機能液をヘッド内流路に導入することにより、機能液を充填する際に消費する機能液量を削減することができるので、効率的にプローブ担体201を製造することができる。
【0073】
ところで、上記した液滴吐出装置1は、遺伝子分析装置やスクリーニング装置等の分析装置に搭載される上記のプローブ担体201の他、各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることが可能である。すなわち、本実施形態の液滴吐出装置1は、液晶表示装置、有機EL装置、FED装置(電子放出装置)、PDP装置および電気泳動表示装置等の製造に適用することができる。また、液晶表示装置や有機EL装置等のカラーフィルタの製造に適用することができる。
【0074】
ここで、上記の液滴吐出装置1を液晶表示装置の製造に適用した場合について、説明する。図6は、液晶表示装置301の断面構造を表している。同図に示すように、液晶表示装置301は、ガラス基板321を主体として対向面に透明導電膜(ITO膜)322および配向膜323を形成した上基板311および下基板312と、この上下両基板311,312間に介設した多数のスペーサ331と、上下両基板311,312間を封止するシール材332と、上下両基板311,312間に充填した液晶333とで構成されると共に、上基板311の背面に位相基板341および偏光板342aを積層し、且つ下基板312の背面に偏光板342bおよびバックライト343を積層して、構成されている。
【0075】
通常の製造工程では、それぞれ透明導電膜322のパターニングおよび配向膜323の塗布を行って上基板311および下基板312を別々に作製した後、下基板312にスペーサ331およびシール材332を作り込み、この状態で上基板311を貼り合わせる。次いで、シール材332の注入口から液晶333を注入し、注入口を閉止する。その後、位相基板341、両偏光板342a、342bおよびバックライト343を積層する。
【0076】
実施形態の液滴吐出装置1は、例えば、スペーサ331の形成や、液晶333の注入に利用することができる。具体的には、機能液としてセルギャップを構成するスペーサ材料(例えば、紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂)や液晶を導入し、これらを所定の位置に均一に吐出(塗布)させていく。まずシール材332を環状に印刷した下基板312を吸着テーブル33にセットし、この下基板312上にスペーサ材料を粗い間隔で吐出し、紫外線照射してスペーサ材料を凝固させる。次に、下基板312のシール材332の内側に、液晶333を所定量だけ均一に吐出して注入する。その後、別途準備した上基板311と、液晶を所定量塗布した下基板312を真空中に導入して貼り合わせる。
【0077】
このように、上基板311と下基板312とを貼り合わせる前に、液晶333をセルの中に均一に塗布(充填)するようにしているため、液晶333がセルの隅など細部に行き渡らない等の不具合を解消することができる。
【0078】
なお、機能液(シール材用材料)として紫外線硬化樹脂或いは熱硬化樹脂を用いることで、上記のシール材332の印刷をこの液滴吐出装置1で行うことも可能である。同様に、機能液(配向膜材料)としてポリイミド樹脂を導入することで、配向膜323を液滴吐出装置1で作成することも可能である。
【0079】
このように、液晶表示装置301の製造においては多種の機能液を導入することが想定されるが、上記した液滴吐出装置1では、機能液の機能液滴吐出ヘッド51への初期充填において、機能液を無駄に消費することがないので、液晶表示装置301の製造コストを削減することができる。
【0080】
また、他の電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等の装置が考えられ、本実施形態の液滴吐出装置1は、これらの各種製造方法にも、適用可能である。
【0081】
例えば、金属配線形成方法では、機能液滴吐出ヘッド51に液状金属材料を導入し、機能液滴吐出ヘッド51を主走査および副走査し、液状金属材料を選択的に吐出して、基板上に金属配線を形成する。上記の液晶表示装置におけるドライバと各電極とを接続する金属配線や、上記有機EL装置におけるTFT等と各電極とを接続する金属配線に適用してこれらのデバイスを製造することができる。
また、この種のフラットパネルディスプレイの他、一般的な半導体製造技術に適用できることは言うまでもない。さらに、機能液滴吐出ヘッド51に微少量の液状金属材料を導入し、ICタグやICカードにおけるICチップとアンテナとの接続部分に液状金属材料を吐出して、これらを電気的に接続することもできる。
【0082】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の機能液充填装置および液滴吐出装置によれば、機能液滴吐出ヘッドのヘッド内流路に機能液を初期充填するときに、機能液をノズルから機能液滴吐出ヘッドのヘッド内流路に満たすことで、初期充填における機能液の無駄な消費を防ぐことができる。
【0083】
また、本発明のプローブ担体の製造方法、プローブ担体および分析装置、並びに電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器では、上記した液滴吐出装置を用いて製造されているため、機能液を初期充填するために必要な機能液量を削減することができるので、製造コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る液滴吐出装置を模式的に表した平面図である。
【図2】(a)は機能液滴吐出ヘッドの外観斜視図、(b)は機能液滴吐出ヘッドを配管アダプタに装着したときの断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る機能液供給機構の模式図である。
【図4】(a)は本発明の第2実施形態に係る機能液供給機構の模式図、(b)本発明の第2実施形態に係る機能液供給機構においてノズル面に機能液を滴下した機能液滴吐出ヘッドの平面図である。
【図5】(a)は本発明の液滴吐出装置により製造したプローブ担体の平面図、(b)は本発明の液滴吐出装置により製造したプローブ担体の断面図である。
【図6】本発明の液滴吐出装置により製造した液晶表示装置の断面図である。
【符号の説明】
1 液滴吐出装置 3 描画手段
5 機能液供給機構 7 制御手段
11 移動機構 15 ヘッドユニット
16 サブキャリッジ 21 移動テーブル
51 機能液滴吐出ヘッド 63 ノズル面
64 吐出ノズル 71 機能液タンク
72 スペーサ 81 機能液タンク保持装置
84 昇降機構 91 吸引ポンプ
92 吸引チューブ 93 三方弁
101 給液タンク 102 液位検出器
103 大気開放弁 111 給液チューブ
121 上下動機構 131 シリンジ
201 プローブ担体 301 液晶表示装置
W ワーク

Claims (16)

  1. 機能液導入口からヘッド内流路に導入した機能液を、ノズル面に形成したノズルから吐出する機能液滴吐出ヘッドに対し、機能液を初期充填する機能液滴吐出ヘッドの機能液充填方法において、
    前記機能液滴吐出ヘッドの前記ノズル面を機能液に浸漬する浸漬工程と、
    前記ノズル面を機能液に浸漬した状態で、前記機能液導入口に連なる吸引手段により、機能液を前記ノズルから吸引して前記ヘッド内流路に満たす吸引工程と、を備えたことを特徴とする機能液滴吐出ヘッドの機能液充填方法。
  2. 機能液導入口からヘッド内流路に導入した機能液を、ノズル面に形成したノズルから吐出する機能液滴吐出ヘッドに対し、機能液を初期充填する機能液滴吐出ヘッドの機能液充填方法において、
    前記ノズル面を上向きに保持するとともに、前記ノズルが浸漬されるように前記ノズル面上に機能液を滴下する滴下工程と、
    前記機能液導入口に連なる吸引手段により、機能液を前記ノズルから吸引して前記ヘッド内流路に満たす吸引工程と、を備えたことを特徴とする機能液滴吐出ヘッドの機能液充填方法。
  3. 機能液導入口からヘッド内流路に導入した機能液を、ノズル面に形成したノズルから吐出する機能液滴吐出ヘッドに対し、機能液を満たす機能液充填装置において、
    機能液を貯留する機能液貯留手段と、
    前記機能液貯留手段と前記機能液滴吐出ヘッドとを相対的に移動させて、前記ノズル面を前記機能液貯留手段の機能液に浸漬させる浸漬手段と、
    前記機能液導入口に連なる吸引手段と、を備えることを特徴とする機能液充填装置。
  4. 前記機能液貯留手段の底面には、機能液に浸漬した前記機能液滴吐出ヘッドの前記ノズル面との間に間隙を維持するための凸部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の機能液充填装置。
  5. 機能液を前記機能液滴吐出ヘッドに供給するための給液タンクを、さらに備え、
    前記給液タンクは、前記機能液導入口と前記吸引手段とを連結する給液管路に介設されていることを特徴とする請求項3または4に記載の機能液充填装置。
  6. 前記給液タンクには、機能液を前記機能液滴吐出ヘッドに供給するときに開放され、前記吸引手段により前記ノズルから機能液を吸引するときに閉塞される大気開放弁が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の機能液充填装置。
  7. 前記給液タンク内の機能液と前記機能液滴吐出ヘッドの前記ノズル面との間の水頭差が一定になるように前記給液タンクを昇降自在に支持する液位調整手段を、さらに備えたことを特徴とする請求項5または6に記載の機能液充填装置。
  8. 前記給液タンクと前記吸引手段とを接続する吸引管路に、大気開放ポートを有する三方弁が設けられていることを特徴とする請求項5、6または7に記載の機能液充填装置。
  9. 前記給液タンク内の機能液の液位を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記三方弁を切り替え制御する制御手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項8に記載の機能液充填装置。
  10. 請求項3ないし9のいずれかに記載の機能液充填装置と、ワークに対し前記機能液滴吐出ヘッドを相対的に移動させながら機能液滴を吐出させる描画装置と、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  11. 請求項10に記載の液滴吐出装置を用い、ワーク上にプローブ液滴によるプローブ・アレイを形成することを特徴とするプローブ担体の製造方法。
  12. 請求項10に記載の液滴吐出装置を用い、ワーク上にプローブ液滴によるプローブ・アレイを形成したことを特徴とするプローブ担体。
  13. 請求項11に記載のプローブ担体の製造方法により製造したプローブ担体または請求項12に記載のプローブ担体を搭載したことを特徴とする分析装置。
  14. 請求項10に記載の液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  15. 請求項10に記載の液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液滴による成膜部を形成したことを特徴とする電気光学装置。
  16. 請求項14に記載の電気光学装置の製造方法により製造した電気光学装置または請求項15に記載の電気光学装置を搭載したことを特徴とする電子機器。
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