JP2004167326A - 機能液供給装置およびこれを備えた液滴吐出装置、並びに電気光学装置、電気光学装置の製造方法および電子機器 - Google Patents

機能液供給装置およびこれを備えた液滴吐出装置、並びに電気光学装置、電気光学装置の製造方法および電子機器 Download PDF

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Masayuki Tashiro
雅之 田代
Takayuki Hayashi
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Abstract

【課題】機能液滴吐出ヘッドとサブタンクとの間の必要水頭を適切に維持し且つ機能液の変質を抑制しつつ、機能液をサブタンクに安定に補給することができる機能液供給装置およびこれを備えた液滴吐出装置を提供することを課題する。
【解決手段】機能液滴吐出ヘッド30に機能液を供給するサブタンク16と、サブタンク16に機能液を補給するメインタンク111と、メインタンク111からサブタンク16に機能液を送液する送液手段5と、サブタンク16の機能液の減水液位を検出する減水液位検出手段162と、減水液位検出手段162の検出結果に基づいて、サブタンク16の機能液が満水液位となるように送液手段5の駆動をタイマー制御する制御手段6と、を備えたものである。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メインタンクに貯留する機能液を、メインタンクからサブタンクを経て機能液滴吐出ヘッドに供給する機能液供給装置およびこれを備えた液滴吐出装置、並びに電気光学装置、電気光学装置の製造方法および電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラーフィルタの製造装置に適用した従来のインクジェット記録装置では、メインタンクに貯留するインク(機能液)を、メインタンクからサブタンクを経てインクジェットヘッドに供給するインク供給装置(機能液供給装置)が用いられている。このインク供給装置では、メインタンクに貯留するインクをサブタンクにポンプアップし、ここで圧力的に縁切りした後、インクジェットヘッドの吐出駆動に基づいて、サブタンクからインクジェットヘッドにインクを供給するようにしている。この場合、サブタンクに対するインクジェットヘッドの水頭(水頭差)は、インクジェットヘッドからインク垂れや吐出インクの量的な安定性を図るため、僅かにマイナス水頭となるように管理されている。
このため、上記のインク供給装置では、サブタンクにオーバーフローポートを設け、メインタンクから供給するインクを常にオーバーフローポートから溢れさせてメインタンクに戻すことにより、サブタンクの水位を一定に維持するようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−185395号公報(第10頁−11頁、図7)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の機能液供給装置(インク供給装置)では、サブタンク内の機能液(インク)を常にオーバーフローさせているため、機能液がメインタンクとサブタンクとの間で循環することになる。
ところで、インクジェット記録装置の広範な工業応用を考慮すると、機能液として変質(増粘を含む)し易いものを用いる可能性が高い。かかる場合に、従来の機能液供給装置では、サブタンクとインクジェットヘッドとの間の水頭(水頭差)を精度良く管理することができるものの、機能液がメインタンクとサブタンクとの間で循環するため、機能液が変質するおそれがある。
【0005】
本発明は、機能液滴吐出ヘッドとサブタンクとの間の必要水頭を適切に維持し且つ機能液の変質を抑制しつつ、機能液をサブタンクに安定に補給することができる機能液供給装置およびこれを備えた液滴吐出装置、並びに電気光学装置、電気光学装置の製造方法および電子機器を提供することをその課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の機能液供給装置は、機能液滴吐出ヘッドの吐出駆動に基づいて機能液滴吐出ヘッドに機能液を供給するサブタンクと、サブタンクに機能液を補給するメインタンクと、補給のためにメインタンクからサブタンクに機能液を送液する送液手段と、サブタンクの機能液の減水液位を検出する減水液位検出手段と、減水液位検出手段の検出結果に基づいて、サブタンクの機能液が満水液位となるように送液手段の駆動をタイマー制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、機能液滴吐出ヘッドの吐出駆動によりサブタンクの液位が下がり減水液位検出手段が減水液位を検出すると、送液手段が駆動しメインタンクからサブタンクへの機能液の送液(補給)が開始される。機能液の送液が開始された後、(より好ましくは減水液位検出手段が再度液位を検出した後)所定時間経過すると、送液手段が駆動停止し機能液の補給が終了する(タイマー制御)。この所定時間は、予めサブタンクの面積(大きさ)と送液手段の単位時間当たりの送液量から、サブタンクが満水液位となるように割り出した時間となる。これにより、機能液は、メインタンクからサブタンクを経て機能液吐出ヘッドに一方向に送液されることになる。また、上記の所定時間を短くすることで、機能液滴吐出ヘッドとサブタンクとの間の水頭をほぼ一定に維持することが可能となる。
【0008】
そして、機能液滴吐出ヘッドとサブタンクとの間の水頭をほぼ一定に維持するためには、減水液位と満水液位の水頭差を、略1mmとすることが、好ましい。
【0009】
これらの場合、サブタンクは、側壁の対向位置に一対の透光窓を有し、減水液位検出手段は、一対の透光窓に臨む透過型の光センサを有していることが、好ましい。
【0010】
この構成によれば、光センサにより、サブタンクの減水液位を直接検出することができる。また、光センサのスポット径を小さくすることにより、検出精度を向上させることができる。
【0011】
この場合、減水液位検出手段は、光センサの位置を上下方向に微調整可能なセンサ位置調整機構を有していることが、好ましい。
【0012】
この構成によれば、センサ位置調整機構を用いて光センサの位置を上下方向に微調整することにより、減水液位のレベルを変えることができ、ひいては、機能液滴吐出ヘッドとサブタンクとの間の水頭を、微妙に変更することができる。例えば、粘性の異なる機能液を扱う場合には、機能液の種別に応じて機能液吐出ヘッドの駆動電圧を変えることになるが、予め機能液滴吐出ヘッドとサブタンクとの間の水頭を変えておくことで駆動電圧の変更幅を小さくすることができ、機能液滴の吐出量を精度良く管理することができる。
【0013】
これらの場合、サブタンクの機能液の上限液位を検出する上限液位検出手段を、更に備えることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、タイマーや送液手段の故障等により、満水液位を越えて送液が続行している場合に、これを検出することができると共に最終的にサブタンクから機能液が溢れるのを、防止することができる。
【0015】
これらの場合、補給管路を介してメインタンクとサブタンクとが接続されており、補給管路の下流端は、サブタンクの機能液内に浸漬され、且つサブタンクの内壁面に近接した状態で対峙していることが、好ましい。
【0016】
この構成によれば、補給管路からサブタンクに流出する機能液が、サブタンクの内壁面に当たってその流速を減速されるため、サブタンクにおける液面の波立ちや泡立ちを防止することができる。このため、減水液位検出手段の液位検出にばらつきが生ずることがなく、減水液位を精度良く検出することができる。
【0017】
同様に、補給管路を介してメインタンクとサブタンクとが接続されており、補給管路の下流端部は、逆ロート状に拡開形成されると共に、サブタンクの機能液内に浸漬されていることが、好ましい。
【0018】
この構成によれば、補給管路からサブタンクに流出する機能液が、拡開形成された下流端部により、その流速を減速されるため、サブタンクにおける液面の波立ちや泡立ちを防止することができる。このため、減水液位検出手段の液位検出にばらつきが生ずることがなく、減水液位を精度良く検出することができる。
【0019】
これらの場合、供給管路を介してサブタンクと機能液滴吐出ヘッドが接続されており、供給管路の上流端部は、サブタンクの上壁を貫通してサブタンクの機能液内に浸漬されていることが、好ましい。
【0020】
サブタンクは、機能液滴吐出ヘッドとの間の水頭を維持すべく、上下方向の設置位置が規制される。また、サブタンクの側面に供給管路を接続する形態をとると、供給管路の取り回しおよびメンテナンス等の関係で、サブタンク自体の設置の自由度が、水平面内においても制約を受けることになる。この構成によれば、サブタンクの水平面内における設置の自由度が規制されることがなくなる。
【0021】
これらの場合、サブタンクは、複数の機能液滴吐出ヘッドに機能液を供給し、サブタンクと複数の機能液滴吐出ヘッドとは、複数本の供給管路により接続されていることが、好ましい。
【0022】
この構成によれば、各機能液滴吐出ヘッドの吐出駆動により機能液の送液が行われる供給管路において、管路抵抗による極端な圧力損失や各機能液滴吐出ヘッド相互間の水頭が不均一となるのを、有効に防止することができる。
【0023】
これらの場合、サブタンクは、機能液を貯留するタンク本体と、タンク本体を支持するタンクスタンドとを有し、タンクスタンドには、サブタンクの高さを調整する高さ調整機構が組み込まれていることが、好ましい。
【0024】
この構成によれば、上記のセンサ位置調整機構と同様に、高さ調整機構を用いて、減水液位の絶対値レベルを変えることができ、ひいては、機能液滴吐出ヘッドとサブタンクとの間の水頭を微妙に、変更することができる。例えば、粘性の異なる機能液を扱う場合には、機能液の種別に応じて機能液吐出ヘッドの駆動電圧を変えることになるが、予め機能液滴吐出ヘッドとサブタンクとの間の水頭を変えておくことで駆動電圧の変更幅を小さくすることができ、機能液滴の吐出量を精度良く調整することができる。なお、タンクスタンドを、相互に離間した2本の支柱で構成すれば、タンク本体の水平度も調整可能となる。
【0025】
これらの場合、サブタンクは、サブタンクから漏れた機能液を受ける機能液パンを、更に有していることが、好ましい。
【0026】
この構成によれば、サブタンクの破損や機能液のオーバーフローにより、サブタンクから機能液が漏れても、これを機能液パンで受けることができる。特に、機能液が高価である場合、また強酸性や強アルカリ性である場合には、機能液パンが有効に機能する。
【0027】
これらの場合、メインタンクは、密閉タンクで構成され、送液手段は、機能液を加圧送液するための圧縮気体供給源と、圧縮気体供給源とメインタンクの内部空間とを接続する加圧管路と、を有することが、好ましい。
【0028】
この構成によれば、ポンプ等を用いる場合のように、送液に際し脈動や気体の混入を伴うことがなく、機能液の溶存気体の量を増加させるなどの不具合が生ずることがない。特に、溶存気体が増加すると、これが機能液吐出ヘッド内で気泡となり、吐出不良の原因となる。
【0029】
この場合、圧縮気体が、不活性ガスであることが好ましい。
【0030】
この構成によれば、機能液の酸化等による変質を防止することができる。なお、不活性ガスとしては、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンおよびラドン等があるが、コストや取扱い性の点で窒素(窒素ガス)を用いることが好ましい。
【0031】
これらの場合、サブタンクと機能液滴吐出ヘッドとを接続する補給管路には、開閉弁が介設されており、制御手段は、開閉弁をタイマー制御することが、好ましい。
【0032】
この構成によれば、制御手段によるタイマー制御の制御動作は、結果的に開閉弁を開閉する動作となる。このため、制御系の構成を単純化することができると共に、駆動および駆動停止が頻繁に繰り返されことがあっても、追従性および耐久性に支障が生ずることがない。
【0033】
これらの場合、制御手段は、機能液滴吐出ヘッドが非吐出駆動時に、タイマー制御を行うことが好ましい。
【0034】
この構成によれば、機能液補給時に生ずるサブタンクの波立ちに対し、機能液滴吐出ヘッドの機能液吐出への影響を排除することができる。
【0035】
本発明の液滴吐出装置は、上記した機能液供給装置と、機能液供給装置から供給された機能液をワークに吐出する機能液滴吐出ヘッドと、を備えたことを特徴とする。
【0036】
この構成によれば、機能液供給装置により、サブタンクと機能液滴吐出ヘッドとの間の水頭を適切に維持しつつ、メインタンクからサブタンクを経て機能液滴吐出ヘッドに、機能液の供給を安定に行うことができるため、安定且つ高い描画精度を維持することができる。
【0037】
本発明の電気光学装置は、上記した液滴吐出装置を用い、機能液滴吐出ヘッドからワーク上に機能液滴を吐出して成膜部を形成したことを特徴とする。
【0038】
同様に、本発明の電気光学装置の製造方法は、上記した液滴吐出装置を用い、機能液滴吐出ヘッドからワーク上に機能液滴を吐出して成膜部を形成することを特徴とする。
【0039】
これらの構成によれば、安定且つ高い描画精度を維持することができる液滴吐出装置を用いて製造されるため、信頼性の高い電気光学装置製造することが可能となる。なお、電気光学装置としては、液晶表示装置、有機EL(Electro−Luminescence)装置、電子放出装置、PDP(Plasma Display Panel)装置および電気泳動表示装置等が考えられる。なお、電子放出装置は、いわゆるFED(Field Emission Display)装置を含む概念である。さらに、電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等の装置が考えられる。また、液晶表示装置等における透明電極(ITO)の形成のための装置も考えられる。
【0040】
本発明の電子機器は、上記した電気光学装置または上記した電気光学装置の製造方法により製造した電気光学装置を、搭載したことを特徴とする。
【0041】
この場合、電子機器としては、いわゆるフラットパネルディスプレイを搭載した携帯電話、パーソナルコンピュータの他、各種の電気製品がこれに該当する。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明を適用した液滴吐出装置の外観斜視図、図2は、本発明を適用した液滴吐出装置の正面図、図3は、本発明を適用した液滴吐出装置の右側面図である。詳細は後述するが、この液滴吐出装置は、特殊なインクや発光性の樹脂液等の機能液を機能液滴吐出ヘッドに導入して、基板等のワーク上に機能液滴による成膜部を形成するものである。
【0043】
図1ないし図3に示すように、液滴吐出装置1は、機能液を吐出するための吐出手段2と、吐出手段2のメンテナンスを行うメンテナンス手段3と、吐出手段2に機能液を供給すると共に不要となった機能液を回収する機能液供給回収手段4と、上記の各手段を駆動・制御するための圧縮気体を供給する圧縮気体供給手段5(加圧手段)と、を備えている。そして、これらの各手段は、制御手段6(図7参照)により、相互に関連付けられて制御される。
【0044】
図1ないし図5に示すように、吐出手段2およびメンテナンス手段3のフラッシングユニット25(後述する)は、アングル材を方形に組んで構成した架台11の上部に固定した石定盤12の上に配設されており、機能液供給回収手段4および圧縮気体供給手段5の大部分は、架台11に添設されたキャビネット形式の機台13に組み込まれている。機台13には、大小2つの収容室14、15が形成されており、大きいほうの収容室14には機能液供給回収手段4のタンク類が収容され、小さいほうの収容室15には圧縮気体供給手段5の主要部が収容されている。
【0045】
また、機台13上には、後述する機能液供給回収手段4のサブタンク16を載置するタンクベース17および機台13の長手方向(すなわちX軸方向)にスライド自在な移動テーブル18が設けられている。そして、移動テーブル18上には広い面積を持つ可動ベース19が固定されており、この可動ベース19には、メンテナンス手段3の主体を為す吸引ユニット21、ワイピングユニット22、ドット抜け検出ユニット23および重量測定ユニット24(いずれも後述する)が載置されている。
【0046】
メンテナンス手段3は、機能液滴吐出ヘッド30を保守して、機能液滴吐出ヘッド30が適切に機能液を吐出できるようにするものであり、後述するθテーブル43上に配設した一対のフラッシングボックス26,26を有するフラッシングユニット25を備えると共に、機台13上(可動ベース19上)に、吸引ユニット21、ワイピングユニット22およびドット抜け検出ユニット23を備えている。さらに、機台13上(可動ベース19上)には、吸引ユニット21およびワイピングユニット22と並ぶように配設した重量測定ユニット24が設けられている。
【0047】
一方、液滴吐出装置1の主体を為す吐出手段2は、機能液を吐出する機能液滴吐出ヘッド30を複数有するヘッドユニット31と、ヘッドユニット31を支持するメインキャリッジ32と、基板であるワークWを載置すると共にワークWを機能液滴吐出ヘッド30に対して相対的に走査させるX・Y移動機構33と、を備えている。
【0048】
X・Y移動機構33は、図1ないし図3に示すように、上記した石定盤12に固定され、ワークWを主走査(X軸方向に移動)させると共にメインキャリッジ32を介してヘッドユニット31を副走査(Y軸方向に移動)させるものであり、且つヘッドユニット31を副走査の延長上に移動させて機台13上のメンテナンス手段3に臨ませるものである。X・Y移動機構33は、石定盤12の長辺に沿う中心線に軸線を合致させて固定したX軸テーブル41と、X軸テーブル41を跨いで、石定盤12の短辺に沿う中心線に軸線を合致させたY軸テーブル51と、を有している。
【0049】
X軸テーブル41は、ワークWをエアー吸引により吸着セットする吸着テーブル42と、吸着テーブル42を支持するθテーブル43と、θテーブル43をX軸方向にスライド自在に支持するX軸エアースライダ44と、θテーブル43を介して吸着テーブル42上のワークWをX軸方向に移動させるX軸リニアモータ(図示省略)と、X軸エアースライダ44に併設したX軸リニアスケール45とで構成されている。機能液滴吐出ヘッド30の主走査は、X軸リニアモータの駆動により、ワークWを吸着した吸着テーブル42およびθテーブル43が、X軸エアースライダ44を案内にしてX軸方向に往復移動することにより行われる。
【0050】
Y軸テーブル51は、メインキャリッジ32を吊設するブリッジプレート52と、ブリッジプレート52を両持ちで且つY軸方向にスライド自在に支持する一対のY軸スライダ53,53と、Y軸スライダ53に併設したY軸リニアスケール54と、一対のY軸スライダ53,53を案内してブリッジプレート52をY軸方向に移動させるY軸ボールねじ55と、Y軸ボールねじ55を正逆回転させるY軸モータ(図示省略)とを備えている。Y軸モータはサーボモータで構成されており、Y軸モータが正逆回転すると、Y軸ボールねじ55を介してこれに螺合しているブリッジプレート52が一対のY軸スライダ53,53を案内にしてY軸方向に移動する。すなわち、ブリッジプレート52の移動に伴い、メインキャリッジ32(ヘッドユニット31)がY軸方向の往復移動を行い、機能液滴吐出ヘッド30の副走査が行われる。
【0051】
ここで、吐出手段2の一連の動作を簡単に説明する。まず、機能液を吐出する前の準備として、吸着テーブル42にセットされたワークWの位置補正およびヘッドユニット31の位置補正が行われる。次に、ワークWをX・Y移動機構33(X軸テーブル41)により主走査(X軸)方向に往復動させると共に、複数の機能液滴吐出ヘッド30を駆動させてワークWに対する機能液滴の選択的な吐出動作が行われる(描画動作)。
【0052】
そして、ワークWを復動させた後、ヘッドユニット31をX・Y移動機構33(Y軸テーブル51)により副走査(Y軸)方向に移動させ、再度ワークWの主走査方向への往復移動と機能液滴吐出ヘッド30の駆動が行われる。なお、本実施形態では、ヘッドユニット31に対して、ワークWを主走査方向に移動させるようにしているが、ヘッドユニット31を主走査方向に移動させる構成であってもよい。また、ヘッドユニット31を固定とし、ワークWを主走査方向および副走査方向に移動させる構成であってもよい。
【0053】
メインキャリッジ32は、上記のブリッジプレート52に下側から固定される外観「I」形の吊設部材61と、吊設部材61の下面に取り付けたθテーブル62と、θテーブル62の下方に吊設するよう取り付けたキャリッジ本体63と、で構成されている。キャリッジ本体63には、ヘッドユニット31を遊嵌するための方形の開口を有しており、ヘッドユニット31を位置決め固定するようになっている。
【0054】
図6に示すように、ヘッドユニット31は、複数(12個)の機能液滴吐出ヘッド30と、複数の機能液滴吐出ヘッド30を搭載するサブキャリッジ71と、各機能液滴吐出ヘッド30のノズル面(ノズル形成面)を下面に突出させてサブキャリッジ71に取り付けるための、複数(12個)のヘッド保持部材(図示省略)と、から構成されている。なお、実施形態の機能液滴吐出ヘッド30には、180個のノズルから成る2本のノズル列を形成したものが、用いられている。
【0055】
12個の機能液滴吐出ヘッド30は、6個ずつに二分され、ワークWに対して機能液の十分な塗布密度を確保するために所定角度傾けてサブキャリッジ71に配設されている。二分された6個の各機能液滴吐出ヘッド30は、副走査方向(Y軸方向)に対して相互に位置ずれして配設され、副走査方向において各機能液滴吐出ヘッド30のノズルが連続(一部重複)するようになっている。なお、機能液滴吐出ヘッド30を専用部品で構成するなどして、ワークWに対して機能液の十分な塗布密度を確保できる場合は、機能液滴吐出ヘッド30をあえて傾けてセットする必要はない。
【0056】
サブキャリッジ71は、一部が切り欠かれた本体プレート74と、本体プレート74の長辺方向の中間位置に設けた左右一対の基準ピン75,75と、本体プレート74の両長辺部分に取り付けたグリップ付きの左右一対の支持部材76,76と、を備えている。一対の基準ピン75,75は、画像認識を前提として、サブキャリッジ71(ヘッドユニット31)をX軸、Y軸、およびθ軸方向に位置決め(位置認識)するための基準となるものである。
【0057】
各支持部材76は、ヘッドユニット31をメインキャリッジ32に固定する際の固定部位となる。また、サブキャリッジ71には、各機能液滴吐出ヘッド30と中間タンク(図示省略)とを配管接続するための配管ジョイント77が設けられている。配管ジョイント77は、一端に各機能液滴吐出ヘッド30と接続した配管アダプタ78からのヘッド側配管部材を接続し、もう一端には上記のサブタンクからの装置側配管部材を接続するための12個のソケット79を有している。すなわち、機能液は、上記の機能液供給回収手段4に備えるメインタンク111からサブタンク16に供給され、このサブタンク16から分岐して各機能液滴吐出ヘッド30に供給される(図7参照)。
【0058】
次に、メンテナンス手段の各構成ユニットについて説明する。上述したように、メンテナンス手段3は、θテーブル43上のフラッシングユニット25と、移動テーブル(可動ベース19上)18上の吸引ユニット21、ワイピングユニット22、ドット抜け検出ユニット23および重量測定ユニット24とを備えている。図1および図5に示すように、フラッシングユニット25に対し、ヘッドユニット(機能液滴吐出ヘッド30)31は、その主走査時にこれに臨む。一方、吸引ユニット21、ワイピングユニット22、ドット抜け検出ユニット23および重量測定ユニット24に対し、ヘッドユニット(機能液滴吐出ヘッド30)31は、副走査範囲を越えて機台13上に移動した状態で、移動テーブル18によりこれらユニットを適宜、X軸方向に移動させることにより、これに臨む。
【0059】
吸引ユニット21は、機能液滴吐出ヘッド30から機能液を強制的に吸引すると共に、機能液滴吐出ヘッド30の全ノズルからの機能液の吐出を受けるフラッシングボックスの機能を有している。吸引ユニット21には、12個の機能液滴吐出ヘッド30に対応する12個のキャップ82を組み込んだキャップユニット81が、昇降自在に設けられている(主に図4および5参照)。
【0060】
ヘッドユニット31(の機能液滴吐出ヘッド30)に機能液の充填を行う場合や、機能液滴吐出ヘッド30内で増粘した機能液を除去する場合には、各キャップ82を各機能液滴吐出ヘッド30に密着させて、ポンプ吸引を行う。また、装置の非稼動時には、各キャップ82を各機能液滴吐出ヘッド30に密着させて、機能液滴吐出ヘッド30の保全(機能液の乾燥防止等)を行う。さらに、ワーク交換などの機能液の吐出を休止するときには、各キャップ82を各機能液滴吐出ヘッド30から僅かに離間させておいて、フラッシング(予備吐出)を行うようにしている。
【0061】
ワイピングユニット22は、機能液滴吐出ヘッド30の吸引(クリーニング)等により、機能液が付着して汚れた各機能液滴吐出ヘッド30のノズル面を拭き取るものであり、巻取りユニット84と拭取りユニット85とで構成されている(主に、図4および5参照)。巻取りユニット84から繰り出されたワイピングシート(図示省略)は、拭取りユニット85に導かれて各機能液滴吐出ヘッド30のノズル面を拭き取り、これを周回するようにして巻取りユニット84に巻き取られる。すなわち、ワイピングユニット22は、ワイピングシートを送りながら、機能液滴吐出ヘッド30のノズル面を拭き取るようになっている。なお、ワイピングシートには、拭取りを良好に行えるように、洗浄液(溶剤)が吹き付けられるようになっている。
【0062】
フラッシングユニット25は、(ワークWに対する)液滴吐出時に、複数(12個)の機能液滴吐出ヘッド30のフラッシング動作(予備吐出)により順に吐出される機能液を受けるためのものである。フラッシングユニット25は、X軸テーブル41の吸着テーブル42を挟んで、θテーブル43に固定された1対のフラッシングボックス26,26(図1では一方のみ図示)を備えており、描画動作において、相対的に移動してゆくフラッシングボックス26に対し、その直上部に臨んだ機能液吐出ヘッド30から順次フラッシング動作を行う。
【0063】
ドット抜け検出ユニット23は、機能液滴吐出ヘッド30の全ノズルから機能液滴が確実に吐出されているか否か、すなわち各機能液滴吐出ヘッド30にノズル詰まり等が生じているか否かを検出するものである。ドット抜け検出ユニット23は、6個ずつの二分した機能液滴吐出ヘッド(群)30に対応して、一対の検出ユニット87,87を有している(主に図4および5参照)。一対の検出ユニット87,87は、相互にY軸方向に位置ずれして配設されており、各検出ユニット87は発光素子(レーザ)88aと受光素子88bとを対向させ、その光路を吐出した機能液滴が遮断するか否かで、ドット抜け(吐出不良)を検出するようになっている。
【0064】
重量測定ユニット24は、機能液滴の吐出量(重量)を機能液滴吐出ヘッド30単位で測定し、機能液滴吐出ヘッド30における駆動電圧の適正化に資するものであり、且つ付随的に、機能液滴吐出ヘッド30の吐出不良(ドット抜け)を検出するものである。ただし、図示の重量測定ユニット24は、機能液滴吐出ヘッド30から吐出した機能液を受けるユニットであり、実際の重量測定を行う電子天秤を備えた測定装置は、装置外に用意されている。
【0065】
この重量測定ユニット24は、12個の機能液滴吐出ヘッド30の機能液を受ける12個の受け容器91と、これら受け容器91を載置した容器載置プレート92と、容器載置プレート92をX軸およびZ軸(上下)方向に移動させるX・Z軸テーブル93と、を備えている。X・Z軸テーブル93は、上面に容器載置プレート92を着脱自在に支持すると共に容器載置プレート92をX軸方向に移動させるX軸シリンダ95と、X軸シリンダ95を介して容器載置プレート92を上下動させるZ軸シリンダ96とで構成されている(主に図4および5参照)。
【0066】
上述した吸引ユニット21が下後端位置にあり、且つ吸引ユニット21の直上部(メンテナンス位置)にヘッドユニット31が移動してきている状態で、X軸シリンダ95を駆動し、容器載置プレート92をヘッドユニット31の直下に臨ませる。次に、Z軸シリンダ96を駆動して、ヘッドユニット31の各機能液滴吐出ヘッド30に対し、各受け容器91が近接するように容器載置プレート92を上動させる。ここで、重量測定用に各機能液滴吐出ヘッド30を駆動して機能液を各受け容器91に吐出させる(数万ショット)。その後、容器載置プレート92をホーム位置に戻してから、容器載置プレート92と共に12個の受け容器91を取り出して測定装置に持ち込むようにしている。
【0067】
次に、図7および図8を参照して、機能液供給回収手段4について説明する。機能液供給回収手段4は、ヘッドユニット31の各機能液滴吐出ヘッド30に機能液を供給する機能液供給系101(機能液供給装置)と、主にメンテナンス手段3の吸引ユニット21で吸引した機能液を回収する機能液回収系102と、ワイピングユニット22に機能材料の溶剤を洗浄用として供給する洗浄液供給系103と、主にフラッシングユニット25で受けた機能液を回収する廃液回収系104とで構成されている。
【0068】
そして、機台13の大きいほうの収容室14には、図8に示すように、図示右側から順に機能液供給系101のメインタンク111、機能液回収系102の再利用タンク112、洗浄液供給系103の洗浄液タンク113が横並びに配設されている。また、再利用タンク112および洗浄液タンク113の近傍には、小型に形成した廃液回収系104の廃液タンク114が配設されている。また、これら各タンク111,112,113,114は、引出し式の防液パン115上に設置されている。
【0069】
機能液回収系102は、吸引ユニット21で吸引した機能液を貯留するためのもので、吸引した機能液を貯留する再利用タンク112と、吸引ユニット21の機能液吸引ポンプ116に接続され、吸引した機能液を再利用タンク112へ導く回収用チューブ117と、を有している。
【0070】
洗浄液供給系103は、ワイピングユニット22のワイピングシートに洗浄液を供給するためのもので、洗浄液を貯留する洗浄液タンク113と、洗浄液タンク113の洗浄液を供給するための洗浄液供給チューブ119とを有している。洗浄液の供給は加圧供給であり、洗浄用加圧チューブ102を介して、洗浄液タンク113に圧縮気体供給手段5から圧縮気体(窒素ガス)を導入することにより為される。また、洗浄液には比較的揮発性の高い溶剤が用いられる。
【0071】
廃液回収系104は、フラッシングユニット25やドット抜け検出ユニット23で受けた機能液を回収するためのもので、回収した機能液を貯留する廃液タンク114と、フラッシングユニット25やドット抜け検出ユニット23に接続され、廃液タンク114に機能液を導く廃液ポンプ121および廃液用チューブ122とを有している。
【0072】
同様に、機能液供給系101は、大量(3L)の機能液を貯留するメインタンク111と、メインタンク111から送液された機能液を貯留すると共に、各機能液滴吐出ヘッド30に機能液を供給するサブタンク16と、を有している。メインタンク111とサブタンク16とは、1本の補給チューブ131接続され、サブタンク16と12個の機能液滴吐出ヘッド30は、下流端で2分岐する6本の供給チューブ132で接続されている。すなわち、6本の供給チューブ132は、その下流側で、それぞれT字継ぎ手133を介して2本宛計12本の分岐流路134に分岐され、上記のヘッドユニット26に設けた配管ジョイント77の12個の各ソケット79に接続されている(図6参照)。なお、詳細は後述するが、補給チューブ131には、圧縮気体で駆動する開閉弁135が介設されている。
【0073】
また、密閉タンクで構成したメインタンク111には、加圧チューブ(加圧管路)136を介して圧縮気体供給手段(送液手段)5に接続されており、圧縮気体供給手段5は、エアーポンプ等の圧縮気体供給源137と圧力調整用のレギュレータ138を有している。加圧チューブ136の下流端は、メインタンク111の内部空間に接続されており、メインタンク111内の機能液に、送液のための圧力を付与する。すなわち、圧縮気体供給手段5から導入される圧縮気体(不活性ガス:窒素ガス)により、補給チューブ131を介して貯留する機能液をサブタンク16に圧送(補給)するようになっている(詳細は後述する)。なお、圧縮気体として窒素ガスを用いることにより、機能液の変質等が防止される。
【0074】
サブタンク16は、上記したように機台13のタンクベース17上に固定されており、図9および図11に示すように、両側に透光窓142,142を有すると共にフランジ形式で閉蓋された矩形のタンク本体141と、両透光窓142,142に臨んで機能液の液位(水位)を検出する液位検出器143と、タンク本体141が載置される機能液パン144と、機能液パン144を介してタンク本体141を支持するタンクスタンド145と、を備えている。
【0075】
タンクスタンド145は、取付けプレート147と、取付けプレート147上に立設した2本の支柱状部材148,148とから成り、この2本の支柱状部材148の上下中間位置には、それぞれ組み込んだ高さ調整機構149,149が組み込まれている。高さ調整機構149は、ねじ機構等で構成されており、これによりタンク本体141の設置高さおよびその水平が微調節できるようになっている。
【0076】
タンクスタンド145とタンク本体141の間には、機能液パン144が介設されている。機能液パン144は、ステンレス等の耐薬品性を有する材料で箱状に形成され、底板151と、底板151の四周を囲む側板152とを有している。また、底板151には、タンク本体141を四隅で位置決めするための4つの位置決め片153が固定されている。この機能液パン144により、サブタンク16の破損や機能液のオーバーフローにより、サブタンク16から機能液が漏れても、これを受け得るようになっている。
【0077】
一方、タンク本体(の蓋体155)141の上面には、蓋体155を貫通する第1コネクタ(継手)156を介して、メインタンク111に連なる補給チューブ131が繋ぎこまれており、第1コネクタ156の下流側には、タンク本体141内に配設した補給パイプ157が接続されている。すなわち、補給チューブ131およびこの鉛直方向に延びる補給パイプ157により、請求項に言う補給管路が構成されている。補給パイプ157の下流端部157aは、タンク本体141に貯留されている機能液に浸漬され、且つ屈曲或いは湾曲形成されていて、タンク本体141の内周壁に近接した状態で斜めに対峙している(図10参照)。これにより、補給パイプ157から流出する機能液の流速を減じ、機能液の波立ちや泡立ちを抑制するようにしている。なお、補給パイプ157から流出する機能液の流速を減ずるべく、補給パイプ157の先端を逆ロート状に拡開形成し、或いは逆ロート状の短パイプを取り付けるようにしてもよい。
【0078】
同様に、タンク本体(の蓋体155)141の上面には、蓋体155を貫通する6個の第2コネクタ(継手)158を介して、機能液滴吐出ヘッド30に連なる6本の供給チューブ132が接続されている。この場合、各第2コネクタ158の下流側には、タンク本体141内に、その下流端部を機能液に浸漬するように配設した供給パイプ159が接続されている。すなわち、供給チューブ132およびこの鉛直方向に延びる供給パイプ159により、請求項に言う供給管路が構成されている。なお、図中の符号160は、サブタンク16を大気開放とするための第3コネクタである。
【0079】
液位検出器143は、上下に僅かに離間して配設した上限レベル検出器(上限液位検出手段)161および減水レベル検出器(減水液位検出手段)162と、これら検出器161,162を支持する検出器支持部材163とから成り、減水レベル検出器162は、サブタンク(タンク本体141)16の基準液位となる減水液位を検出するものであり、上限レベル検出器161は、サブタンク(タンク本体141)16の異常液位を検出するものである(詳細は後述する)。
【0080】
この上限レベル検出器161は、タンク本体141の両透光窓142,142に向かっての延びる「U」字状の上板状アーム165と、一方の上アーム片165aの先端部に取り付けた発光素子166と、他方の上アーム片165bの先端部に取り付けた受光素子167とで構成されている。発光素子166は一方の透光窓142に臨むと共に、受光素子167は他方の透光窓142に臨み、両透光窓142,142を介してサブタンク16内の異常液位を直接検出する。すなわち、この発光素子166と受光素子167とにより、透過型の液位センサ(光センサ)が構成されている。
【0081】
同様に、減水レベル検出器162は、タンク本体141の両透光窓142,142に向かっての延びる「U」字状の下板状アーム169と、一方の下アーム片169aの先端部に取り付けた発光素子170と、他方の下アーム片169bの先端部に取り付けた受光素子171とで構成されている。発光素子170は一方の透光窓142に臨むと共に、受光素子171は他方の透光窓142に臨み、両透光窓142,142を介してサブタンク16内の減水液位を直接検出する。すなわち、この発光素子170と受光素子171とにより、透過型の液位センサ(光センサ)が構成されている。
【0082】
検出器支持部材163は、機能液パン144の一方の端部に立設されており、上記の上板状アーム165を基部側で支持する上支持ブロック173と、下板状アーム169を基部側で支持する下支持ブロック174と、上支持ブロック173および下支持ブロック174を貫通した状態で支持する一対の支持ロッド175,175と、下支持ブロック174の中間位置に設けたサブロッド176と、を有している。一対の支持ロッド175,175およびサブロッド176は、機能液パン144の底板151に固定されており、一対の支持ロッド175,175には、上限レベル検出器161の高さを調整可能な上限レベル調整機構(ねじ機構)177が組み込まれ、サブロッド176には、減水レベル検出器162の高さを調整可能な減水レベル調整機構(ねじ機構)178が組み込まれている。
【0083】
このように構成された機能液供給系101では、機能液が所定圧でメインタンク111からサブタンク16に圧送されるが、サブタンク16では、このメインタンク111側の圧力が大気開放(第3コネクタ160)によりで圧力的に縁切りされ、上記液位の調整によって管理される僅かな水頭差(例えば25mm±0.5mm)で機能液滴吐出ヘッド30に機能液が供給される。これにより、機能液滴吐出ヘッド30の吐出駆動に(圧電素子の駆動)に応じて、サブタンク16から機能液滴吐出ヘッド30に機能液が無理なく供給され、且つ非吐出駆動状態における機能液滴吐出ヘッド30のノズルからの液垂れが防止される。
【0084】
一方、図7に示すように、サブタンク16に接続される補給チューブ131の上流側には、開閉弁135が介設されている。そして、この開閉弁135と、上記の上限レベル検出器161および減水レベル検出器162とは、タイマー181を組み込んだ制御手段6に接続されている。制御手段6は、各手段の動作を制御するための制御部を備えており、制御部は、制御プログラムや制御データを記憶していると共に、各種制御処理を行うための作業領域を有している。
【0085】
ここで、上記の制御手段6によるサブタンク16の液面制御について説明する。上述したようにサブタンク16と各機能液滴吐出ヘッド30(のノズル面)との間の水頭が管理されている(25mm±0.5mm)。そこで、実施形態のサブタンク16では、減水液位を24.5mmに、満水液位を25.5mmに設定し、減水液位Lを上記の減水レベル検出器162で検出すると共に、この検出から上記の開閉弁135を所定時間開弁し、満水液位Hを目標値として、メインタンク111から機能液を補給するようにしている。
【0086】
すなわち、減水レベル検出器162が減水液位Lを検出すると、開閉弁135が開弁すると同時に、タイマー181がカウントを開始し、液位が満水液位Hとなるように数秒間経過の後、開閉弁135が閉弁する。この減水液位Lから満水液位Hに達する時間は、サブタンク16の横断面積と、圧縮気体供給手段5の送液量(主に圧力)により決定されるが、実施形態のものでは2秒程度に設定されている。なお、このタイマー制御は、機能液滴吐出ヘッド30の非駆動時に行われるようになっており、図外のヘッドドライバからの信号により、機能液滴吐出ヘッド30の駆動時には、制御待機状態となる。
【0087】
一方、開閉弁135やタイマー181の作動不良により、サブタンク16内の液位が満水液位Hを越えて上昇してゆくと、やがて上限レベル検出器が異常液位NGを検出する。この場合には、開閉弁135の閉弁動作が再度行われるが、これと共にメインタンク111への圧縮気体の供給が停止される(圧縮気体供給手段5或いは供給バルブ閉)。また同時に、機能液供給系101の異常報知が為される。
【0088】
このように本実施形態では、サブタンク16の減水液位Lを検出し、この検出からサブタンク16への機能液の補給を開始し、満水液位Hとなるように補給時間を制御する(タイマー制御)するようにしているため、サブタンク16の液面制御を単純な構成で且つ精度良く行うことができる。これにより、サブタンク16の液位と各機能液滴吐出ヘッド30のノズル面との間の水頭を精度良く管理することができる。
【0089】
また、メインタンク111からサブタンク16への補給を、圧縮窒素ガスを用いて行うようにし且つ機能液を一方向に送液する構成であるため、機能液の変質や増粘を極力抑制することができる。また、減水レベル検出器162の位置(上下方向)を調整することができるため、機能液の性状に応じて上記の水頭も微調整することができる。
【0090】
ここで、上記の液滴吐出装置1を液晶表示装置の製造に適用した場合について、説明する。図12は、液晶表示装置301の断面構造を表している。同図に示すように、液晶表示装置301は、ガラス基板321を主体として対向面に透明導電膜(ITO膜)322および配向膜323を形成した上基板311および下基板312と、この上下両基板311,312間に介設した多数のスペーサ331と、上下両基板311,312間を封止するシール材332と、上下両基板311,312間に充填した液晶333とで構成されると共に、上基板311の背面に位相基板341および偏光板342aを積層し、且つ下基板312の背面に偏光板342bおよびバックライト343を積層して、構成されている。
【0091】
通常の製造工程では、それぞれ透明導電膜322のパターニングおよび配向膜323の塗布を行って上基板311および下基板312を別々に作製した後、下基板312にスペーサ331およびシール材332を作り込み、この状態で上基板311を貼り合わせる。次いで、シール材332の注入口から液晶333を注入し、注入口を閉止する。その後、位相基板341、両偏光板342a,342bおよびバックライト343を積層する。
【0092】
実施形態の液滴吐出装置1は、例えば、スペーサ331の形成や、液晶333の注入に利用することができる。具体的には、機能液としてセルギャップを構成するスペーサ材料(例えば、紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂)や液晶を導入し、これらを所定の位置に均一に吐出(塗布)させていく。先ずシール材332を環状に印刷した下基板312を吸着テーブル42にセットし、この下基板312上にスペーサ材料を粗い間隔で吐出し、紫外線照射してスペーサ材料を凝固させる。次に、下基板312のシール材332の内側に、液晶333を所定量だけ均一に吐出して注入する。その後、別途準備した上基板311と、液晶を所定量塗布した下基板312を真空中に導入して貼り合わせる。
【0093】
このように、上基板311と下基板312とを貼り合わせる前に、液晶333をセルの中に均一に塗布(充填)するようにしているため、液晶333がセルの隅など細部に行き渡らない等の不具合を解消することができる。
【0094】
なお、機能液(シール材用材料)として紫外線硬化樹脂或いは熱硬化樹脂を用いることで、上記のシール材332の印刷をこの液滴吐出装置1で行うことも可能である。同様に、機能液(配向膜材料)としてポリイミド樹脂を導入することで、配向膜323を液滴吐出装置1で作成することも可能である。
【0095】
このように、液晶表示装置301の製造においては多種の機能液を導入することが想定されるが、上記した液滴吐出装置1では、特殊形態の機能液滴吐出ヘッド30により機能液を精度良く吐出する(着弾させる)ことができるため、液晶表示装置301を精度良く且つ安定に製造することができる。
【0096】
ところで、上記した液滴吐出装置1は、携帯電話やパーソナルコンピュータ等の電子機器に搭載される上記の液晶表示装置301の他、各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることが可能である。すなわち、本実施形態の液滴吐出装置1は、有機EL装置、FED装置(電子放出装置)、PDP装置および電気泳動表示装置等の製造に適用することができる。
【0097】
有機EL装置の製造に、上記した液滴吐出装置1を応用した例を簡単に説明する。有機EL装置は、図13に示すように、有機EL装置401は、基板421、回路素子部422、画素電極423、バンク部424、発光素子425、陰極426(対向電極)、および封止用基板427から構成された有機EL素子411に、フレキシブル基板(図示省略)の配線および駆動IC(図示省略)を接続したものである。回路素子部422は基板421上に形成され、複数の画素電極423が回路素子部422上に整列している。そして、各画素電極423間にはバンク部424が格子状に形成されており、バンク部424により生じた凹部開口431に、発光素子425が形成されている。陰極426は、バンク部424および発光素子425の上部全面に形成され、陰極426の上には、封止用基板427が積層されている。
【0098】
有機EL装置401の製造工程では、予め回路素子部422上および画素電極423が形成されている基板421(ワークW)上の所定の位置にバンク部424が形成された後、発光素子425を適切に形成するためのプラズマ処理が行われ、その後に発光素子425および陰極426(対向電極)を形成される。そして、封止用基板427を陰極426上に積層して封止して、有機EL素子411を得た後、この有機EL素子411の陰極426をフレキシブル基板の配線に接続すると共に、駆動ICに回路素子部422の配線を接続することにより、有機EL装置401が製造される。
【0099】
液滴吐出装置1は、発光素子425の形成に用いられる。具体的には、機能液滴吐出ヘッド30に発光素子材料(機能液)を導入し、バンク部424が形成された基板421の画素電極423の位置に対応して、発光素子材料を吐出させ、これを乾燥させることで発光素子425を形成する。なお、上記した画素電極423や陰極426の形成等においても、それぞれに対応する液体材料を用いることで、液滴吐出装置1を利用して作成することも可能である。
【0100】
また例えば、電子放出装置の製造方法では、複数の機能液滴吐出ヘッド30にR、G、B各色の蛍光材料を導入し、複数の機能液滴吐出ヘッド30を主走査および副走査し、蛍光材料を選択的に吐出して、電極上に多数の蛍光体を形成する。
【0101】
PDP装置の製造方法では、複数の機能液滴吐出ヘッド30にR、G、B各色の蛍光材料を導入し、複数の機能液滴吐出ヘッド30を主走査および副走査し、蛍光材料を選択的に吐出して、背面基板上の多数の凹部にそれぞれ蛍光体を形成する。
【0102】
電気泳動表示装置の製造方法では、複数の機能液滴吐出ヘッド30に各色の泳動体材料を導入し、複数の機能液滴吐出ヘッド30を主走査および副走査し、泳動体材料を選択的に吐出して、電極上の多数の凹部にそれぞれ蛍光体を形成する。なお、帯電粒子と染料とからなる泳動体は、マイクロカプセルに封入されていることが好ましい。
【0103】
また、他の電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等の装置が考えられ、本実施形態の液滴吐出装置1は、これらの各種製造方法にも、適用可能である。
【0104】
例えば、金属配線形成方法では、複数の機能液滴吐出ヘッド30に液状金属材料を導入し、複数の機能液滴吐出ヘッド30を主走査および副走査し、液状金属材料を選択的に吐出して、基板上に金属配線を形成する。例えば、上記の液晶表示装置におけるドライバと各電極とを接続する金属配線や、上記有機EL装置におけるTFT等と各電極とを接続する金属配線に適用してこれらのデバイスを製造することができる。また、この種のフラットパネルディスプレイの他、一般的な半導体製造技術に適用できることは言うまでもない。
【0105】
レンズの形成方法では、複数の機能液滴吐出ヘッド30にレンズ材料を導入し、複数の機能液滴吐出ヘッド30を主走査および副走査し、レンズ材料を選択的に吐出して、透明基板上に多数のマイクロレンズを形成する。例えば、上記FED装置におけるビーム収束用のデバイスを製造する場合に適用可能である。また、各種光デバイスの製造技術にも適用可能である。
【0106】
レンズの製造方法では、複数の機能液滴吐出ヘッド30に透光性のコーティング材料を導入し、複数の機能液滴吐出ヘッド30を主走査および副走査し、コーティング材料を選択的に吐出して、レンズの表面にコーティング膜を形成する。
【0107】
レジスト形成方法では、複数の機能液滴吐出ヘッド30にレジスト材料を導入し、複数の機能液滴吐出ヘッド30を主走査および副走査し、レジスト材料を選択的に吐出して、基板上に任意形状のフォトレジストを形成する。例えば、上記の各種表示装置におけるバンクの形成はもとより、半導体製造技術の主体をなすフォトリソグラフィー法において、フォトレジストの塗布に広く適用可能である。
【0108】
光拡散体形成方法では、複数の機能液滴吐出ヘッド30に光拡散材料を導入し、複数の機能液滴吐出ヘッド30を主走査および副走査し、光拡散材料を選択的に吐出して、基板上に多数の光拡散体を形成する。この場合も、各種光デバイスに適用可能であることはいうまでもない。
【0109】
このように、液滴吐出装置1には、多種の機能液が導入される可能性があるが、上記した液滴吐出装置1を各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることにより、電気光学装置を精度良く且つ安定に製造することができる。
【0110】
【発明の効果】
以上のように、本発明の機能液供給装置および液滴吐出装置によれば、サブタンクにおいて、減水液位から満水液位に機能液を補給するときに、減水液位を検出してからタイマー制御により満水液位とするようにしているため、制御系を単純化することができると共に、減水液位と満水液位との差が僅かである場合にも高い精度の制御を行うことができる。このため、機能液滴吐出ヘッドとサブタンクとの間の水頭を精度良く管理することができる。また、機能液を、メインタンクからサブタンクを経て機能液吐出ヘッドに一方向に送液するようにしているため、機能液の変質を抑制しつつ、機能液を安定に供給することができる。
【0111】
本発明の電気光学装置、電気光学装置の製造方法、電子機器によれば、サブタンクと機能液滴吐出ヘッドとの間の水頭が適切に管理された状態で、機能液の供給を安定に行い得る液滴吐出装置により製造されるため、結果物である電気光学装置、その製造方法および電子機器の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る液滴吐出装置の外観斜視図である。
【図2】実施形態に係る液滴吐出装置の正面図である。
【図3】実施形態に係る液滴吐出装置の右側面図である。
【図4】液滴吐出装置におけるメンテナンス手段の主要部の斜視図である。
【図5】液滴吐出装置におけるメンテナンス手段の主要部の平面図である。
【図6】機能液滴吐出ヘッドを搭載したヘッドユニットの平面図である。
【図7】機能液供給系、機能液回収系、洗浄液供給系および廃液回収系を模式的に表した系統図である。
【図8】機台の収容室に収容された各種タンクの斜視図である。
【図9】機能液供給系に備えるサブタンクの外観斜視図である。
【図10】機能液供給系に備えるサブタンクの側面図である。
【図11】機能液供給系に備えるサブタンクの正面図である。
【図12】本発明の製造方法を用いて製造した液晶表示装置の断面図である。
【図13】本発明の製造方法を用いて製造した有機EL装置の断面図である。
【符号の説明】
1 液滴吐出装置 2 吐出手段
3 メンテナンス手段 4 機能液供給回収手段
5 圧縮気体供給手段 6 制御手段
16 サブタンク 30 機能液滴吐出ヘッド
31 ヘッドユニット 101 機能液供給系
111 メインタンク 131 補給チューブ
132 供給チューブ 135 開閉弁
136 加圧チューブ 137 圧縮気体供給源
141 タンク本体 142 透光窓
144 機能液パン 145 タンクスタンド
149 高さ調整機構 155 蓋体
157 補給パイプ 159 供給パイプ
161 上限レベル検出器 162 減水レベル検出器
170 発光素子 171 受光素子
178 減水レベル調整機構 181 タイマー
301 液晶表示装置 401 有機EL装置
W ワーク

Claims (19)

  1. 機能液滴吐出ヘッドの吐出駆動に基づいて当該機能液滴吐出ヘッドに機能液を供給するサブタンクと、
    前記サブタンクに機能液を補給するメインタンクと、
    補給のために前記メインタンクから前記サブタンクに機能液を送液する送液手段と、
    前記サブタンクの機能液の減水液位を検出する減水液位検出手段と、
    前記減水液位検出手段の検出結果に基づいて、前記サブタンクの機能液が満水液位となるように前記送液手段の駆動をタイマー制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする機能液供給装置。
  2. 前記減水液位と前記満水液位の水頭差が、略1mmであることを特徴とする請求項1に記載の機能液供給装置。
  3. 前記サブタンクは、側壁の対向位置に一対の透光窓を有し、
    前記減水液位検出手段は、前記一対の透光窓に臨む透過型の光センサを有していることを特徴とする請求項2に記載の機能液供給装置。
  4. 前記減水液位検出手段は、前記光センサの位置を上下方向に微調整可能なセンサ位置調整機構を有していることを特徴とする請求項1、2または3に記載の機能液供給装置。
  5. 前記サブタンクの機能液の上限液位を検出する上限液位検出手段を、更に備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の機能液供給装置。
  6. 補給管路を介して前記メインタンクと前記サブタンクとが接続されており、
    前記補給管路の下流端は、前記サブタンクの機能液内に浸漬され、且つ前記サブタンクの内壁面に近接した状態で対峙していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の機能液供給装置。
  7. 補給管路を介して前記メインタンクと前記サブタンクとが接続されており、
    前記補給管路の下流端部は、逆ロート状に拡開形成されると共に、前記サブタンクの機能液内に浸漬されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の機能液供給装置。
  8. 供給管路を介して前記サブタンクと前記機能液滴吐出ヘッドが接続されており、
    前記供給管路の上流端部は、前記サブタンクの上壁を貫通して前記サブタンクの機能液内に浸漬されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の機能液供給装置。
  9. 前記サブタンクは、複数の前記機能液滴吐出ヘッドに機能液を供給し、
    前記サブタンクと複数の前記機能液滴吐出ヘッドとは、複数本の供給管路により接続されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の機能液供給装置。
  10. 前記サブタンクは、機能液を貯留するタンク本体と、前記タンク本体を支持するタンクスタンドとを有し、
    前記タンクスタンドには、前記サブタンクの高さを調整する高さ調整機構が組み込まれていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の機能液供給装置。
  11. 前記サブタンクは、当該サブタンクから漏れた機能液を受ける機能液パンを、更に有していることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の機能液供給装置。
  12. 前記メインタンクは、密閉タンクで構成され、
    前記送液手段は、機能液を加圧送液するための圧縮気体供給源と、前記圧縮気体供給源と前記メインタンクの内部空間とを接続する加圧管路と、を有することを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の機能液供給装置。
  13. 前記圧縮気体が、不活性ガスであることを特徴とする請求項12に記載の機能液供給装置。
  14. 前記サブタンクと前記機能液滴吐出ヘッドとを接続する補給管路には、開閉弁が介設されており、
    前記制御手段は、前記開閉弁をタイマー制御することを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の機能液供給装置。
  15. 前記制御手段は、前記機能液滴吐出ヘッドが非吐出駆動時に、前記タイマー制御を行うことを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載の機能液供給装置。
  16. 請求項1ないし15のいずれかに記載の機能液供給装置と、
    前記機能液供給装置から供給された機能液をワークに吐出する機能液滴吐出ヘッドと、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  17. 請求項16に記載の液滴吐出装置を用い、前記機能液滴吐出ヘッドからワーク上に機能液滴を吐出して成膜部を形成したことを特徴とする電気光学装置。
  18. 請求項16に記載の液滴吐出装置を用い、前記機能液滴吐出ヘッドからワーク上に機能液滴を吐出して成膜部を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  19. 請求項17に記載の電気光学装置または請求項18に記載の電気光学装置の製造方法により製造した電気光学装置を、搭載したことを特徴とする電子機器。
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