JP2004209412A - 液滴吐出装置、電気光学装置、電気光学装置の製造方法および電子機器 - Google Patents

液滴吐出装置、電気光学装置、電気光学装置の製造方法および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】液滴吐出装置の開発に要する期間の短縮、液滴吐出装置の小型化および構造の簡素化、液滴吐出装置の製造コストの低減、液滴吐出装置を使用する際の調整作業の負担軽減が図れる液滴吐出装置、かかる液滴吐出装置を用いて製造される電気光学装置、かかる液滴吐出装置を用いる電気光学装置の製造方法、および、かかる電気光学装置を備える電子機器を提供すること。
【解決手段】本発明の液滴吐出装置は、液滴吐出ヘッドにキャップ87を接触させた状態で吸引力発生手段600を作動して流体を吸引するキャッピング吸引動作を実行可能な液滴吐出装置であって、吐出対象液を初期充填する第1のキャッピング吸引動作と、吐出ノズルの詰まりを解消する第2のキャッピング吸引動作と、吐出対象液を排出する第3のキャッピング吸引動作と、液滴吐出ヘッド内および吐出対象液の流路内を洗浄する第4のキャッピング吸引動作とを行う。
【選択図】図17

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液滴吐出装置、電気光学装置、電気光学装置の製造方法および電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンターのインクジェット方式(液滴吐出方式)を応用して、例えば液晶表示装置におけるカラーフィルタや有機EL表示装置等を製造したり、基板上に金属配線を形成したりするのに使用する産業用の液滴吐出装置(インクジェット描画装置)が提案されている。
【0003】
液滴吐出装置における液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)には、インク等の吐出対象液の増粘作用によって吐出ノズルが詰まる現象を生じる。このノズル詰まりを解消するために、液滴吐出装置には、液滴吐出ヘッドに接触(密着)し得るキャップと、このキャップに接続された吸引ポンプとが設けられており、このキャップを液滴吐出ヘッドに接触させた状態で吸引ポンプを作動し、その吸引力によって液滴吐出ヘッドから液体を吸引することにより、ノズル詰まりを解消するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ところで、産業用の液滴吐出装置では、このようなノズル詰まり解消のためのキャッピングユニットに加えて、吐出対象液を液滴吐出ヘッドに初期充填するためのユニット(装置)や、吐出対象液の種類を交換する場合または生産を一旦終了する場合などに液滴吐出ヘッドから吐出対象液を排出させるためのユニットや、吐出対象液の排出後に液滴吐出ヘッド内および流路内に洗浄液を流通(通過)させて洗浄するためのユニットをそれぞれ必要とする。従来の液滴吐出装置では、これらの各ユニットをそれぞれ別々に設ける必要があるために、液滴吐出装置の大型化および構造の複雑化を生じ、液滴吐出装置の開発に要する期間が増大したり、液滴吐出装置の製造コストが増大したり、液滴吐出装置を使用する準備段階における各ユニットの調整作業の負担が増大したりするという問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特開平3−164564号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、液滴吐出装置の開発に要する期間の短縮、液滴吐出装置の小型化および構造の簡素化、液滴吐出装置の製造コストの低減、液滴吐出装置を使用する際の調整作業の負担軽減が図れる液滴吐出装置、かかる液滴吐出装置を用いて製造される電気光学装置、かかる液滴吐出装置を用いる電気光学装置の製造方法、および、かかる電気光学装置を備える電子機器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の液滴吐出装置は、ワークに対して吐出対象液の液滴を吐出する少なくとも1つの液滴吐出ヘッドを有するヘッドユニットと、
前記液滴吐出ヘッドに対応して設けられたキャップと、
前記キャップでの吸引力を発生する吸引力発生手段と、
前記ヘッドユニットと前記キャップとを相対的に移動させ、前記液滴吐出ヘッドに前記キャップを接触させるように作動可能なヘッド−キャップ相対移動機構と、
前記吸引力発生手段および前記ヘッド−キャップ相対移動機構の作動を制御する制御手段とを備え、
前記液滴吐出ヘッドに前記キャップを接触させた状態で前記吸引力発生手段を作動し、その吸引力により前記液滴吐出ヘッドの吐出ノズルから流体を吸引するキャッピング吸引動作を実行可能な液滴吐出装置であって、
前記液滴吐出ヘッド内に吐出対象液を初期充填する際に前記液滴吐出ヘッド内に吐出対象液が充満するように前記キャッピング吸引動作を行う第1のキャッピング吸引動作と、前記液滴吐出ヘッドの吐出ノズルの詰まりを解消するように前記キャッピング吸引動作を行う第2のキャッピング吸引動作と、前記液滴吐出ヘッド内から吐出対象液を排出するように前記キャッピング吸引動作を行う第3のキャッピング吸引動作と、前記液滴吐出ヘッドへ供給された洗浄液を吸引して前記液滴吐出ヘッド内および吐出対象液の流路内を洗浄するように前記キャッピング吸引動作を行う第4のキャッピング吸引動作とのうちの少なくとも2つのキャッピング吸引動作を行うように構成されていることを特徴とする。
これにより、液滴吐出装置の開発に要する期間の短縮、液滴吐出装置の小型化および構造の簡素化、液滴吐出装置の製造コストの低減、液滴吐出装置を使用する際の調整作業の負担軽減が図れる液滴吐出装置を提供することができる。
【0008】
本発明の液滴吐出装置は、前記第1のキャッピング吸引動作、前記第2のキャッピング吸引動作、前記第3のキャッピング吸引動作および前記第4のキャッピング吸引動作のうちの少なくとも3つのキャッピング吸引動作を行うように構成されていることが好ましい。
これにより、液滴吐出装置の開発に要する期間のさらなる短縮、液滴吐出装置のさらなる小型化および構造の簡素化、液滴吐出装置の製造コストのさらなる低減、液滴吐出装置を使用する際の調整作業のさらなる負担軽減が図れる。
【0009】
本発明の液滴吐出装置は、前記第1のキャッピング吸引動作、前記第2のキャッピング吸引動作、前記第3のキャッピング吸引動作および前記第4のキャッピング吸引動作の各キャッピング吸引動作を行うように構成されていることが好ましい。
これにより、液滴吐出装置の開発に要する期間のさらなる短縮、液滴吐出装置のさらなる小型化および構造の簡素化、液滴吐出装置の製造コストのさらなる低減、液滴吐出装置を使用する際の調整作業のさらなる負担軽減が図れる。
【0010】
本発明の液滴吐出装置は、実行するキャッピング吸引動作の種類を前記制御手段に入力する入力手段をさらに備えることが好ましい。
これにより、実行するキャッピング吸引動作の種類を容易に選択することができる。
本発明の液滴吐出装置では、前記ヘッドユニットは、複数の前記液滴吐出ヘッドを有し、これらの各液滴吐出ヘッドに対応する複数の前記キャップを備えることが好ましい。
これにより、1つのワークの処理(製造)に要するサイクルタイムの短縮が図れるので、スループット(生産能率)が向上し、ワークの製造コストの低減が図れる。
【0011】
本発明の液滴吐出装置は、前記液滴吐出ヘッドのドット抜け検査を行うドット抜け検出ユニットをさらに備え、前記ドット抜け検査を行った結果、詰まっている前記吐出ノズルがあった場合、当該吐出ノズルが属する液滴吐出ヘッドに対し前記第2のキャッピング吸引動作を行うように作動することが好ましい。
これにより、液滴吐出ヘッドに詰まっている吐出ノズルがあるのが検出された場合、このノズル詰まりを迅速に解消することができるので、サイクルタイムの短縮が図れる。また、オペレーターの負担を軽減することもできる。
【0012】
本発明の液滴吐出装置は、前記キャップへの吸引流路内の圧力を検出する圧力検出手段をさらに備えることが好ましい。
これにより、圧力検出手段の検出結果を、例えば各キャップにおける吸引エラーの検知や、各吸引力発生手段の作動制御に利用することができる。
本発明の液滴吐出装置は、前記キャッピング吸引動作によって吸引した吐出対象液を回収して貯留する液体回収手段をさらに備えることが好ましい。
これにより、キャッピング吸引動作において回収した吐出対象液の再利用が可能となり、吐出対象液の消費量を削減することができる。
【0013】
本発明の液滴吐出装置は、前記液体回収手段は前記第4のキャッピング吸引動作において回収した洗浄液と、他のキャッピング吸引動作において回収した吐出対象液とを別個に貯留することが好ましい。
これにより、キャッピング吸引動作において回収した吐出対象液と、洗浄液とが混合するのを防止することができるので、回収した吐出対象液を良好な状態で容易に再利用することができる。
【0014】
本発明の液滴吐出装置は、装置本体と、ワークが載置されるワーク載置部と、前記ヘッドユニットと前記ワーク載置部とを相対的に移動させる相対移動機構とをさらに備えることが好ましい。
これにより、目的に合わせてワーク上に多彩なパターンを形成(描画)することができる。
【0015】
本発明の液滴吐出装置では、前記相対移動機構は、前記ワーク載置部を前記装置本体に対し水平な一方向(以下、「Y軸方向」と言う)に移動させるY軸方向移動機構と、前記ヘッドユニットを前記装置本体に対し前記Y軸方向に垂直かつ水平な方向(以下、「X軸方向」と言う)に移動させるX軸方向移動機構とで構成されることが好ましい。
これにより、目的に合わせてワーク上に多彩なパターンを形成(描画)することができる。
【0016】
本発明の液滴吐出装置は、前記ワーク載置部と前記へッドユニットとを相対的に移動させつつ前記液滴吐出ヘッドから液滴を吐出することにより、前記ワークに所定のパターンを形成することが好ましい。
これにより、目的に合わせてワーク上に多彩なパターンを形成(描画)することができる。
【0017】
本発明の電気光学装置は、本発明の液滴吐出装置を用いて製造されたことを特徴とする。
これにより、高い精度でパターンが形成(描画)された高性能の部品を備えるとともに、製造コストの低い電気光学装置を提供することができる。
本発明の電気光学装置の製造方法は、本発明の液滴吐出装置を用いることを特徴とする。
これにより、ワークに対するパターンの形成(描画)を高い精度で行うことができるとともに、製造コストの低減が図れる電気光学装置の製造方法を提供することができる。
本発明の電子機器は、本発明の電気光学装置を備えることを特徴とする。
これにより、高い精度でパターンが形成(描画)された高性能の部品を備えるとともに、製造コストの低い電子機器を提供することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の液滴吐出装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1および図2は、それぞれ、本発明の液滴吐出装置の第1実施形態を示す平面図および側面図、図9は、図1および図2に示す液滴吐出装置におけるタンク収納部を示す斜視図、図18は、図1および図2に示す液滴吐出装置のブロック図である。なお、以下では、説明の便宜上、水平な一方向(図1および図2中の左右方向に相当する方向)を「Y軸方向」と言い、このY軸方向に垂直であって水平な方向(図1中の上下方向に相当する方向)を「X軸方向」と言う。また、Y軸方向であって図1および図2中の右方向への移動を「Y軸方向に前進」、Y軸方向であって図1および図2中の左方向への移動を「Y軸方向に後退」と言い、X軸方向であって図1中の下方向への移動を「X軸方向に前進」、X軸方向であって図1中の上方向への移動を「X軸方向に後退」と言う。
【0019】
図1および図2に示す液滴吐出システム(液滴吐出系)10は、液滴吐出ヘッド111を有する液滴吐出装置(インクジェット描画装置)1と、この液滴吐出装置1を収容するチャンバ(チャンバルーム)91とを備えている。
液滴吐出装置1は、ワークとしての基板Wに対し、例えばインクや、目的とする材料を含む機能液等の液体(吐出対象液)をインクジェット方式(液滴吐出方式)により微小な液滴の状態で吐出して所定のパターンを形成(描画)する装置であり、例えば液晶表示装置におけるカラーフィルタや有機EL表示装置等を製造したり、基板上に金属配線を形成したりするのに用いることができるものである。液滴吐出装置1が対象とする基板Wの素材は、特に限定されず、板状の部材であればいかなるものでもよいが、例えば、ガラス基板、シリコン基板、フレキシブル基板等を対象とすることができる。
【0020】
また、本発明で対象とするワークは、板状の部材に限らず、底面が平らな部材であればいかなるものでもよい。例えば、本発明は、レンズをワークとし、このレンズに液滴を吐出することにより光学薄膜等のコーティングを形成する液滴吐出装置などにも適用することができる。また、本発明は、比較的大型のワーク(例えば、長さ、幅がそれぞれ数十cm〜数m程度のもの)にも対応することができる比較的大型の液滴吐出装置1に特に好ましく適用することができる。
【0021】
この液滴吐出装置1は、装置本体2と、ワーク載置部としての基板搬送テーブル(基板搬送ステージ)3と、複数の液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)111を有するヘッドユニット11と、装置本体2の側方に設置された付帯装置(メンテナンス装置)12と、タンク収納部13と、基板Wにガスを吹き付けるブロー装置14と、基板搬送テーブル3の移動距離を測定するレーザー測長器15と、ドット抜け検出ユニット19とを備えている。
【0022】
液滴吐出ヘッド111から吐出する吐出対象液としては、特に限定されず、カラーフィルタのフィルタ材料を含むインクの他、例えば以下のような各種の材料を含む液体(サスペンション、エマルション等の分散液を含む)とすることができる。・有機EL(electroluminescence)装置におけるEL発光層を形成するための発光材料。・電子放出装置における電極上に蛍光体を形成するための蛍光材料。・PDP(Plasma Display Panel)装置における蛍光体を形成するための蛍光材料。・電気泳動表示装置における泳動体を形成する泳動体材料。・基板Wの表面にバンクを形成するためのバンク材料。・各種コーティング材料。・電極を形成するための液状電極材料。・2枚の基板間に微小なセルギャップを構成するためのスペーサを構成する粒子材料。・金属配線を形成するための液状金属材料。・マイクロレンズを形成するためのレンズ材料。・レジスト材料。・光拡散体を形成するための光拡散材料。
【0023】
図2に示すように、装置本体2は、床上に設置された架台21と、架台21上に設置された石定盤(定盤)22とを有している。石定盤22の上には、基板搬送テーブル3が装置本体2に対しY軸方向に移動可能に設置されている。基板搬送テーブル3は、リニアモータ51の駆動により、Y軸方向に前進・後退する。基板Wは、基板搬送テーブル3上に載置される。
【0024】
液滴吐出装置1では、基板搬送テーブル3と同程度の大きさの比較的大型の基板Wから、基板搬送テーブル3より小さい比較的小型の基板Wまで、様々な大きさおよび形状の基板Wを対象にすることができる。基板Wは、原則としては基板搬送テーブル3と中心を一致させるように位置決めした状態で液滴吐出動作をすることが好ましいが、比較的小型の基板Wの場合には、基板搬送テーブル3の端に寄せた位置に位置決めして液滴吐出動作をしてもよい。
【0025】
図1に示すように、基板搬送テーブル3のX軸方向に沿った2つの辺の付近には、それぞれ、基板Wに対する液滴吐出(描画)前に液滴吐出ヘッド111から捨て吐出(捨て打ち、予備吐出またはフラッシングとも呼ばれる)された液滴を受ける描画前フラッシングユニット104が設置されている。描画前フラッシングユニット104には、吸引チューブ(図示せず)が接続されており、捨て吐出された吐出対象液は、この吸引チューブを通り、後述する排液装置18により回収・貯留される。
【0026】
基板搬送テーブル3のY軸方向の移動距離は、移動距離検出手段としてのレーザー測長器15により測定される。レーザー測長器15は、装置本体2側に設置されたレーザー測長器センサヘッド151、ミラー152およびレーザー測長器本体153と、基板搬送テーブル3側に設置されたコーナーキューブ154とを有している。レーザー測長器センサヘッド151からX軸方向に沿って出射したレーザー光は、ミラー152で屈曲してY軸方向に進み、コーナーキューブ154に照射される。コーナーキューブ154での反射光は、ミラー152を経て、レーザー測長器センサヘッド151に戻る。液滴吐出装置1では、このようなレーザー測長器15によって検出された基板搬送テーブル3の移動距離(現在位置)に基づいて、液滴吐出ヘッド111からの吐出タイミングが生成される。
【0027】
装置本体2には、ヘッドユニット11を支持するメインキャリッジ61が、基板搬送テーブル3の上方空間においてX軸方向に移動可能に設置されている。複数の液滴吐出ヘッド111を有するヘッドユニット11は、リニアモータとガイドとを備えたリニアモータアクチュエータ62の駆動により、メインキャリッジ61とともにX軸方向に前進・後退する。
【0028】
本実施形態の液滴吐出装置1では、液滴吐出ヘッド111のいわゆる主走査は、基板搬送テーブル3をY軸方向に移動しつつ、レーザー測長器15を用いて生成した吐出タイミングに基づいて、液滴吐出ヘッド111の駆動(液滴の選択的吐出)を行う。また、これに対応して、いわゆる副走査は、ヘッドユニット11(液滴吐出ヘッド111)のX軸方向への移動により行われる。
【0029】
また、装置本体2には、基板W上に吐出された液滴を半乾燥させるブロー装置14が設置されている。ブロー装置14は、X軸方向に沿ってスリット状に開口するノズルを有しており、基板Wを基板搬送テーブル3によりY軸方向に搬送しつつ、このノズルより基板Wへ向けてガスを吹き付ける。本実施形態の液滴吐出装置1では、Y軸方向に互いに離れた個所に位置する2個のブロー装置14が設けられている。
【0030】
装置本体2および付帯装置12の近傍には、ラック(棚)131を有するタンク収納部13が設置されている。図9に示すように、タンク収納部13のラック131には、第1の一次タンク(吐出対象液タンク)401、第2の一次タンク(吐出対象液タンク)402、第1の洗浄液タンク501、第2の洗浄液タンク502、第1の再利用タンク(再利用貯留部)171、第2の再利用タンク(再利用貯留部)172、第1の排液タンク181および第2の排液タンク182がそれぞれ設置(収納)されている(第1の排液タンク181および第2の排液タンク182は、図9中では図示を省略)。なお、本実施形態では、上述したように、同種のタンクを2個ずつ備えているが、1個ずつでも3個以上ずつでもよい。
【0031】
第1の一次タンク401および第2の一次タンク402は、液滴吐出ヘッド111から吐出するための吐出対象液を貯留する。第1の洗浄液タンク501および第2の洗浄液タンク502は、後述するクリーニングユニット81に供給するための洗浄液を貯留する。第1の再利用タンク171および第2の再利用タンク172は、後述するキャッピングユニット83から回収された吐出対象液を貯留する。第1の排液タンク181および第2の排液タンク182は、描画前フラッシングユニット104、後述する定期フラッシングユニット82および後述するドット抜け検出ユニット19において液滴吐出ヘッド111より吐出された吐出対象液を貯留する。
【0032】
第1の一次タンク401、第2の一次タンク402は、それぞれ、空になったときに吐出対象液を補充したり、満杯になっているタンクに交換したりすることができるようになっている。なお、第1の一次タンク401および第2の一次タンク402は、交換(着脱)と、吐出対象液の補充との少なくとも一方が行えるようになっていればよい。
【0033】
同様に、第1の洗浄液タンク501、第2の洗浄液タンク502も、それぞれ、交換または洗浄液の補充を行うことができるようになっている。また、第1の再利用タンク171、第2の再利用タンク172、第1の排液タンク181および第2の排液タンク182は、それぞれ、満杯になったときに空のタンクへの交換または内部の液体の抜き取りを行うことができるようになっている。
【0034】
図1に示すように、ドット抜け検出ユニット19は、石定盤22上における基板搬送テーブル3の移動領域と重ならない場所であって、ヘッドユニット11の移動領域の下方に位置する場所に固定的に設置されている。ドット抜け検出ユニット19は、液滴吐出ヘッド111の吐出ノズルの詰まりが原因となって生じるドット抜けの有無を検査(検出)するドット抜け検査(吐出確認検査)を行うものである。ドット抜け検出ユニット19は、例えばレーザー光を投光・受光する投光部および受光部と、ドット抜け検査用液受け部とを備えている。
【0035】
ドット抜け検査を行う際には、ヘッドユニット11がドット抜け検出ユニット19の上方空間をX軸方向に移動しつつ、各液滴吐出ヘッド111の各吐出ノズルから液滴を吐出する。ドット抜け検出ユニット19は、この吐出された液滴に対し投光・受光を行って、目詰まりしている吐出ノズルの有無および個所を光学的に検出する。このドット抜け検査の際に液滴吐出ヘッド111から吐出された液体(液滴)は、ドット抜け検査用液受け部で受けられる。
【0036】
ドット抜け検査用液受け部の底部には、吸引チューブ(図示せず)が接続されており、ドット抜け検査用液受け部が受けた液体は、この吸引チューブを通って後述する排液装置18により回収され、前記第1の排液タンク181および第2の排液タンク182内に貯留される。
なお、ドット抜け検出ユニット19を用いたドット抜け検査は、具体的には例えば特開2002−192740号公報に記載された方法によって行うことができるが、これに限定されず、いかなる方法で行うものでもよい。
【0037】
このような液滴吐出装置1は、液滴吐出装置1の各部の作動をそれぞれ制御する制御装置(制御手段)16を備えている(図1参照)。図示の構成では、制御装置16は、後述するチャンバ91の外部に設置されている。図18に示すように、制御装置16は、CPU(Central Processing Unit)161と、液滴吐出装置1の制御動作を実行するためのプログラム等の各種プログラムおよび各種データを記憶(格納)する記憶部162とを有している。制御装置16には、後述するX軸方向移動機構6、保守ユニット移動機構854、キャップ昇降機構833、吐出対象液供給装置4、液体回収装置17、吸引力発生手段600、操作パネル100、各圧力センサ884、各切り替え弁883の切り替えを行う駆動手段898がそれぞれ電気的に接続されている。さらに、制御装置16には、図18に示す以外にも液滴吐出装置1の各部が電気的に接続されているが、図18中では図示を省略する。
【0038】
図1に示すように、制御装置16の近傍には、操作パネル(入力手段)100が設置されている。液滴吐出装置1のオペレーター(操作者)は、この操作パネル100を操作して、実行させる動作を選択したり、各種条件等のデータの入力を行ったりする。
図1および図2に示すように、このような液滴吐出装置1(制御装置16を除く)は、好ましくは、チャンバ装置9により、雰囲気の温度および湿度が管理された環境下で基板Wに対する液滴の吐出(描画)を行う。チャンバ装置9は、液滴吐出装置1を収容(収納)するチャンバ91と、チャンバ91の外部に設置された空調装置92とを有している。空調装置92は、公知のエアーコンディショナー装置を内蔵しており、空気の温度および湿度を調節(調整)して、この空気を導入ダクト93を介してチャンバ91の天井裏911に送り込む。空調装置92から天井裏911に送り込まれた空気は、天井に設置されたフィルタ912を透過して、チャンバ91の主室913に導入される。
【0039】
チャンバ91内には、主室913のほかに、隔壁914、915により副室916が設けられており、タンク収納部13は、この副室916内に設置されている。隔壁914には、主室913と副室916とを連通する連通部(開口)917が形成されている。
副室916には、チャンバ91の外部に対する開閉扉(開閉部)918が設けられている(図1参照)。なお、副室916の開閉部は、開閉扉918のような開き戸に限らず、引き戸、シャッターなどでもよい。
また、副室916には、副室916内の気体を排出する排気口が形成され、この排気口には、外部へ伸びる排気ダクト94が接続されている。主室913内の空気は、連通部917を通過して副室916に流入した後、排気ダクト94を通過してチャンバ装置9の外部に排出される。
【0040】
このようなチャンバ装置9によって液滴吐出装置1の周囲の温度および湿度が管理されることにより、温度変化による基板Wや装置各部の膨張・収縮が原因となって誤差が生じるのを防止することができ、基板W上に液滴によって描画(形成)されるパターンの精度をより高くすることができる。また、タンク収納部13も温度および湿度が管理された環境に置かれるので、吐出対象液の粘度等の特性も安定し、液滴によるパターンの形成(描画)をより高い精度で行うことができる。また、チャンバ91内へのチリ、ホコリ等の侵入を防止することができ、基板Wを清浄に維持することができる。
なお、チャンバ91内には、空気以外のガス(例えば窒素、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等の不活性ガスなど)を空調して供給・充填し、このガスの雰囲気中で液滴吐出装置1を稼動することとしてもよい。
【0041】
また、このような液滴吐出システム10では、開閉扉918を開くことにより、主室913を外部に開放することなく、タンク収納部13にアクセスすることができる。これにより、タンク収納部13へのアクセス時に液滴吐出装置1の周囲(環境)の管理された温度および湿度を乱すことがないので、タンクの交換、液体の補充または回収を行った直後でも、高い精度でパターンの形成(描画)を行うことができる。また、タンクの交換、液体の補充または回収を行った後でも、主室913内の温度や液滴吐出装置1の各部の温度が管理された値に戻るのを待たずに済むので、スループット(生産能率)の向上が図れる。このようなことから、基板W等のワークを高い精度で量産するのに極めて有利であり、製造コスト低減が図れる。
【0042】
図3は、図1および図2に示す液滴吐出装置における架台、石定盤および基板搬送テーブルを示す平面図、図4は、図1および図2に示す液滴吐出装置における架台、石定盤および基板搬送テーブルを示す側面図である。
図3および図4に示すように、石定盤22の上には、基板搬送テーブル3と、基板搬送テーブル3をY軸方向に移動させるY軸方向移動機構5とが設置されている。図3に示すように、基板搬送テーブル3には、載置された基板Wを吸着して固定するための複数の吸引口(吸引部)332が形成されている。
【0043】
図4に示すように、Y軸方向移動機構5は、リニアモータ51と、エアスライダ52とを有している。エアスライダ52は、石定盤22上でY軸方向に沿って延在するスライドガイド521と、このスライドガイド521に沿って移動するスライドブロック522とを有している。スライドブロック522は、スライドガイド521との間に空気を吹き出す吹き出し口を有しており、この吹き出し口から吹き出す空気をスライドガイド521との間に介在させることにより、円滑に移動可能になっている。
【0044】
スライドブロック522上には、ベース108が固定され、このベース108の上に、基板搬送テーブル3がθ軸回転機構105を介して固定されている。このようにして、基板搬送テーブル3は、エアスライダ52によってY軸方向に円滑に移動可能に支持され、リニアモータ51の駆動によりY軸方向に移動するようになっている。また、基板搬送テーブル3は、θ軸回転機構105により、基板搬送テーブル3の中心を通る鉛直なθ軸を回転中心として所定範囲で回動可能になっている。
【0045】
Y軸方向移動機構5の上方には、例えばステンレス鋼等の金属材料で構成された一対の帯状の薄板101がY軸方向移動機構5を上側から覆うように張り渡されている。薄板101は、ベース108の上面に形成された凹部(溝)内を通ってベース108とθ軸回転機構105との間を挿通している。この薄板101が設けられていることにより、液滴吐出ヘッド111から吐出された吐出対象液がY軸方向移動機構5に付着するのを防止することができ、Y軸方向移動機構5を保護することができる。
【0046】
石定盤22は、無垢の石材で構成され、その上面は、高い平面度を有している。この石定盤22は、環境温度変化に対する安定性、振動に対する減衰性、経年変化(劣化)に対する安定性、吐出対象液に対する耐食性等の各種の特性に優れている。本実施形態では、このような石定盤22によってY軸方向移動機構5および後述するX軸方向移動機構6を支持したことにより、環境温度変化、振動、経年変化(劣化)等の影響による誤差が少なく、基板搬送テーブル3とヘッドユニット11(液滴吐出ヘッド111)との相対的な移動に高い精度が得られるとともに、その高い精度を常に安定して維持することができる。その結果、液滴によるパターンの形成(描画)をより高い精度で、かつ常に安定して行うことができる。
石定盤22を構成する石材は、特に限定されないが、ベルファストブラック、ラステンバーグ、クルヌールおよびインディアンブラックのいずれかであるのが好ましい。これにより、石定盤22の上記の各特性をより優れたものとすることができる。
【0047】
このような石定盤22は、架台21に支持されている。架台21は、アングル材等を方形に組んで構成された枠体211と、枠体211の下部に分散配置された複数の支持脚212とを有している。架台21は、好ましくは空気バネまたはゴムブッシュ等による防振構造を有しており、床からの振動を石定盤22に極力伝達しないように構成されている。
また、石定盤22は、好ましくは架台21と非締結状態(非固定状態)で架台21に支持(載置)されている。これにより、架台21に生じる熱膨張等が石定盤22に影響するのを回避することができ、その結果、液滴によるパターンの形成(描画)をさらに高い精度で行うことができる。
【0048】
また、本実施形態では、石定盤22は、平面視で、Y軸方向に長い長方形をなすY軸方向移動機構支持部221と、このY軸方向移動機構支持部221の長手方向の途中の部分からX軸方向に両側にそれぞれ突出する支柱支持部222および223とで構成されており、その結果、石定盤22の形状は、平面視で十字状をなしている。換言すれば、石定盤22は、平面視で、長方形から4つの隅部付近を除去したような形状をなしている。支柱支持部222および223上には、後述する4本の支柱23が設置される。すなわち、石定盤22は、平面視で、長方形から、Y軸方向移動機構5および支柱23を設置しない部分を除去したような形状をなすものとなっている。
【0049】
これにより、石定盤22の重量を軽減することができ、また、石定盤22が占める領域を少なくできるので、液滴吐出装置1の据え付け場所への輸送が容易になるとともに、工場の据え付け場所の床の耐荷重も小さくて済み、また、工場内での液滴吐出システム10の占有面積を小さくすることができる。なお、このような本実施形態における石定盤22は、1個の石材で構成されていても、複数個の石材を組み合わせて構成されていてもよい。
【0050】
図5は、図1および図2に示す液滴吐出装置におけるヘッドユニットおよびX軸方向移動機構を示す平面図、図6は、図5中の矢印A方向から見た側面図、図7は、図5中の矢印B方向から見た正面図である。
図6および図7に示すように、石定盤22(支柱支持部222および223)の上には、Y軸方向移動機構5を挟んで2本ずつ対峙する計4本の支柱23と、これらの支柱23に支持されたX軸方向に沿って延びる互いに平行な2本の桁(梁)24および25とが設置されている。基板搬送テーブル3は、この桁24および25の下を通過可能になっている。
【0051】
液滴吐出ヘッド111(ヘッドユニット11)をX軸方向に移動させるX軸方向移動機構6は、桁24および25を介して、4本の支柱23に支持されている。図5に示すように、X軸方向移動機構6は、ヘッドユニット11を支持するメインキャリッジ(ヘッドユニット支持体)61と、桁24上に設置され、メインキャリッジ61をX軸方向に案内するとともに駆動するリニアモータアクチュエータ62と、桁25上に設置され、メインキャリッジ61をX軸方向に案内するガイド63とを有している。メインキャリッジ61は、リニアモータアクチュエータ62とガイド63との間に架け渡されるようにして設置されている。
なお、本実施形態では、Y軸方向移動機構5とX軸方向移動機構6とで、基板搬送テーブル3と液滴吐出ヘッド111(ヘッドユニット11)とを相対的に移動させる相対移動機構が構成される。
【0052】
ヘッドユニット11は、メインキャリッジ61に対し着脱可能に支持されている。ヘッドユニット11がメインキャリッジ61とともにX軸方向に移動することにより、液滴吐出ヘッド111の副走査が行われる。
また、ヘッドユニット11は、メインキャリッジ61に対するヘッドユニット11の高さを調整するヘッドユニット高さ調整機構20を介してメインキャリッジ61に支持されている。これにより、基板Wの厚さに合わせて、液滴吐出ヘッド111のノズル形成面と基板Wとの隙間を調整することができる。ヘッドユニット高さ調整機構20は、例えば、ボールねじとこれを回転駆動するモータとを備えた構成になっている。
図7に示すように、リニアモータアクチュエータ62およびガイド63は、支柱23を超えてさらに外側に延長して設けられている。これにより、ヘッドユニット11は、後述する付帯装置12の上方にまで移動することができるようになっている。
【0053】
リニアモータアクチュエータ62とガイド63との間には、さらに、カメラキャリッジ106が架け渡されるようにして設置されている。カメラキャリッジ106は、リニアモータアクチュエータ62およびガイド63をメインキャリッジ61と共用するとともに、メインキャリッジ61と独立してX軸方向に移動する。
カメラキャリッジ106には、基板Wの所定の個所に設けられたアライメントマークを画像認識するための認識カメラ107が設置されている。認識カメラ107は、カメラキャリッジ106から下方に吊り下げられた状態で支持されている。なお、認識カメラ107は、他の用途に用いてもよい。
【0054】
図8は、図1および図2に示す液滴吐出装置におけるパターン形成動作(描画動作)を説明するための模式図である。図8に示すように、ヘッドユニット11には、液滴吐出ヘッド111が複数個(本実施形態では12個)設置されている。各液滴吐出ヘッド111のノズル形成面には、液滴を吐出する多数の吐出ノズル(開口)が一列または二列以上に並んで形成されている。ヘッドユニット11において、12個の液滴吐出ヘッド111は、6個ずつ二列に副走査方向(X軸方向)に並んで配置されるとともに、各液滴吐出ヘッド111は、そのノズル列が副走査方向に対し傾斜した姿勢になっている。
【0055】
液滴吐出ヘッド111には、各吐出ノズルに対し、それぞれ、駆動素子としての図示しない圧電素子(ピエゾ素子)を有する駆動部が設けられている。前記制御装置16は、各液滴吐出ヘッド111に対し、それぞれ、図示しないドライバを介して前記各駆動部の駆動を制御する。これにより、各液滴吐出ヘッド111は、所定の液滴吐出ヘッド111の所定の吐出ノズルからそれぞれ液滴を吐出する。この場合、例えば、圧電素子に所定の電圧が印加されると、その圧電素子が変形(伸縮)し、これにより対応する圧力室(液室)内が加圧され、対応する吐出ノズル(当該圧力室に連通する吐出ノズル)から所定量の液滴が吐出される。
なお、本発明では、液滴吐出ヘッド111は、上記のような構成に限らず、例えば、吐出対象液を駆動素子としてのヒータで加熱して沸騰させ、その圧力によって液滴を吐出ノズルから吐出するように構成されたようなものであってもよい。
【0056】
また、ヘッドユニット11における各液滴吐出ヘッド111の上述した配列パターンは一例であり、例えば、各ヘッド列における隣接する液滴吐出ヘッド111同士を90°の角度を持って配置(隣接ヘッド同士が「ハ」字状)したり、各ヘッド列間における液滴吐出ヘッド111を90°の角度を持って配置(列間ヘッド同士が「ハ」字状)したりしてもよい。いずれにしても、複数個の液滴吐出ヘッド111の全吐出ノズルによるドットが副走査方向において連続していればよい。
【0057】
さらに、液滴吐出ヘッド111は、副走査方向に対し傾斜した姿勢で設置されていなくてもよく、また、複数個の液滴吐出ヘッド111が千鳥状、階段状に配設されていてもよい。また、所定長さのノズル列(ドット列)を構成できる限り、これを単一の液滴吐出ヘッド111で構成してもよい。また、メインキャリッジ61に複数のヘッドユニット11が設置されていてもよい。
【0058】
次に、制御装置16の制御による液滴吐出装置1の全体の作動について簡単に説明する。基板搬送テーブル3上に基板Wが給材され、液滴吐出装置1が備える基板位置決め装置(説明省略)の作動により基板搬送テーブル3上で所定の位置に位置決め(プリアライメント)されると、基板搬送テーブル3の各吸引口332からのエアー吸引により、基板Wは、基板搬送テーブル3に吸着・固定される。次いで、基板搬送テーブル3およびカメラキャリッジ106がそれぞれ移動することにより、認識カメラ107が基板Wの所定の個所(1箇所または複数箇所)に設けられたアライメントマークの上方に移動し、このアライメントマークを認識する。この認識結果に基づいて、θ軸回転機構105が作動して基板Wのθ軸回りの角度が補正されるとともに、基板WのX軸方向およびY軸方向の位置補正がデータ上で行われる(本アライメント)。
【0059】
以上のような基板Wのアライメント作業が完了すると、液滴吐出装置1は、基板W上に所定のパターンを形成(描画)する動作を開始する。この動作は、液滴吐出ヘッド111(ヘッドユニット11)を基板Wに対し主走査および副走査することにより行われる。
本実施形態の液滴吐出装置1では、主走査は、ヘッドユニット11を装置本体2に対し停止した(移動しない)状態で、基板搬送テーブル3の移動により基板WをY軸方向に移動させながら、基板Wに対し各液滴吐出ヘッド111から液滴を吐出することにより行う。すなわち、本実施形態では、Y軸方向が主走査方向となる。
【0060】
この主走査は、基板搬送テーブル3の前進(往動)中に行っても、後退(復動)中に行っても、前進および後退の両方(往復)で行ってもよい。また、基板搬送テーブル3を複数回往復させて、複数回繰り返し行ってもよい。このような主走査により、基板W上の、所定の幅(ヘッドユニット11により吐出可能な幅)で主走査方向に沿って延びる領域に、液滴の吐出が終了する。
【0061】
このような主走査の後、副走査を行う。副走査は、液滴の非吐出時に、メインキャリッジ61の移動により、ヘッドユニット11を前記所定の幅の分だけX軸方向に移動させることにより行う。すなわち、本実施形態では、X軸方向が副走査方向となる。
このような副走査の後、前記と同様の主走査を行う。これにより、前回の主走査で液滴が吐出された領域に隣接する領域に対し、液滴が吐出される。
このようにして、主走査と副走査とを交互に繰り返し行うことにより、基板Wの全領域に対して液滴が吐出され、基板W上に、吐出された液滴(液体)による所定のパターンを形成(描画)することができる。
【0062】
なお、本発明では、主走査方向と副走査方向とは、上述したのと逆になっていてもよい。すなわち、基板W(基板搬送テーブル3)を停止させた状態で液滴吐出ヘッド111(ヘッドユニット11)をX軸方向に移動させながら基板Wに対して液滴を吐出することによって主走査を行い、液滴の非吐出時に基板W(基板搬送テーブル3)をY軸方向に移動させることによって副走査を行うように構成されていてもよい。
【0063】
図10および図11は、それぞれ、図1および図2に示す液滴吐出装置における付帯装置を示す斜視図および側面図である。以下、これらの図に基づいて、液滴吐出装置1の付帯装置12について説明する。
ヘッドユニット11は、例えば基板Wの給材時および除材時などには、付帯装置12の上方の位置で待機する。そして、この待機中には、各液滴吐出ヘッド111のノズル形成面の清掃(クリーニング)や後述するキャッピング吸引動作を行ったり、定期的な捨て吐出(定期フラッシング)を行ったりする。
【0064】
付帯装置12は、装置本体2の架台21および石定盤22の側方(装置本体2に対しX軸方向前方側)に設置されている。図10に示すように、この付帯装置12は、床上に設置された付属台85と、付属台85上でY軸方向に移動可能な移動台86と、クリーニングユニット(液滴吐出ヘッド清掃装置)81と、定期フラッシングユニット82と、キャッピングユニット83と、吐出量測定用ユニット(重量測定用ユニット)84とを有している。
【0065】
クリーニングユニット81、定期フラッシングユニット82、キャッピングユニット83および吐出量測定用ユニット84は、それぞれ、液滴吐出ヘッド111の機能維持、機能回復、調整または検査のために使用される液滴吐出ヘッド保守ユニットの一種である。本実施形態では、これらのクリーニングユニット81、定期フラッシングユニット82、キャッピングユニット83および吐出量測定用ユニット84(以下、総称して「四種の液滴吐出ヘッド保守ユニット」とも言う)は、保守ユニット設置部(保守ユニット設置領域)としての移動台86上にまとめて(ひとまとまりに)配置されている。
【0066】
付帯装置12の付属台85は、Y軸方向に長い形状をなしており、その上部(上面)には、保守ユニット移動機構854が設置されている。保守ユニット移動機構854は、移動台86をY軸方向に案内する一対のガイド(レール)851と、ボールねじ852と、このボールねじ852を回転駆動するモータ853とを有しており、移動台86をY軸方向に移動(前進・後退)させることができる。
【0067】
図11に示すように、移動台86は、上段861と、下段862と、ボールねじを用いた昇降機構(高さ調整機構)863と、昇降ハンドル864とを有している。上段861は、下段862に対し昇降機構863により昇降可能になっており、昇降ハンドル864を回して昇降機構863を作動させることにより、上段861の高さを調整可能になっている。なお、昇降機構863は、上記のように手動で作動させる構成に限らず、モータ等の駆動源を設けて自動で作動するように構成してもよい。
【0068】
移動台86の上段861上には、クリーニングユニット81、定期フラッシングユニット82、キャッピングユニット83および吐出量測定用ユニット84が、Y軸方向に沿って一列に並んで設置されている。よって、移動台86がY軸方向に移動することにより、ヘッドユニット11が付帯装置12の上方に位置したとき、これら四種の液滴吐出ヘッド保守ユニットのいずれかをヘッドユニット11の下方に選択的に位置決めでき、その選択した液滴吐出ヘッド保守ユニットによる保守を行うことができるようになっている。
【0069】
例えば、移動台86の位置が図1に示す状態では、ヘッドユニット11が付帯装置12の上方に移動した場合、ヘッドユニット11の各液滴吐出ヘッド111の下方にキャッピングユニット83が位置するので、キャッピングを行うことができる。そして、移動台86の位置を変更することにより、クリーニングユニット81を用いた液滴吐出ヘッド111のノズル形成面の清掃や、定期フラッシングユニット82を用いた捨て吐出や、吐出量測定用ユニット84への液滴の吐出をそれぞれ行うことができる。
【0070】
また、本実施形態では、ヘッドユニット高さ調整機構20によって基板Wの厚さに応じて液滴吐出ヘッド111(ヘッドユニット11)の高さが変更された場合、昇降機構863によって上段861上に設置された各液滴吐出ヘッド保守ユニットの高さをこれに合わせて調整することができ、製造する基板Wの厚さの変更に伴う液滴吐出ヘッド111の高さの変更に容易に対応することができる。また、各液滴吐出ヘッド保守ユニットと液滴吐出ヘッド111との高さの調整(高さ合わせ)は、ヘッドユニット高さ調整機構20によるヘッドユニット11の上下動によって行ってもよい。
【0071】
以下、クリーニングユニット81、定期フラッシングユニット82および吐出量測定用ユニット84について順次説明する。キャッピングユニット83については別途後述する。
図10に示すように、クリーニングユニット81は、ワイピングシート供給ユニット150と、ローラユニット160とを有している。ワイピングシート供給ユニット150は、ワイピングシート(図示せず)を巻き出して供給する巻き出しローラ78と、各ノズル形成面を拭った後のワイピングシートを巻き取る巻き取りローラ79と、該巻き取りローラ79を回転駆動する電動モータとを備えている。ローラユニット160は、巻き出しローラ78から巻き出されたワイピングシートを各ノズル形成面に押し付けるローラ76を有している。
【0072】
このようなクリーニングユニット81によれば、ワイピングシートの新しい清掃面を絶えず各液滴吐出ヘッド111のノズル形成面に対して供給することができるようになっている。しかも、ローラ76の押し付け力によりワイピングシートを各ノズル形成面に押し付ける構成であるため、各ノズル形成面に対して清掃面を確実に当てることもできるようになっている。
【0073】
ローラ76の近傍には、各ノズル形成面を拭う前のワイピングシートへ向けて洗浄液を噴射する複数の噴射口(ノズル)を備えたノズルユニット164が設置されている。ノズルユニット164は、その上(または下)を通過していくワイピングシートに対し、その裏面(または表面)側から、各噴射口より洗浄液を噴射する。これにより、各ノズル形成面を拭う直前のワイピングシートが洗浄液を吸収し、ワイピングシートを湿らせることができる。なお、洗浄液としては、特に限定されないが、例えば各種洗浄剤や有機溶剤などを使用することができる。ノズルユニット164の各噴射口には、後述する洗浄液供給装置50により、洗浄液が供給される。
【0074】
このようなクリーニングユニット81によって、定期的または随時に、液滴吐出ヘッド111のノズル形成面に付着した吐出対象液を拭い去ることにより、各吐出ノズルからの液滴の吐出方向(飛ばす方向)にヨレ(乱れ)を生じるようなことが防止され、真っ直ぐに液滴を飛ばすことができるので、基板Wに対するパターンの形成(描画)を高い精度を維持して行うことができる。
【0075】
図10に示すように、定期フラッシングユニット82は、液滴吐出ヘッド111が捨て吐出した液滴を受ける液受け部821を有している。ヘッドユニット11は、待機時において、定期的または随時に、各液滴吐出ヘッド111から液受け部821に対し液滴を捨て吐出する。このような動作を行う目的は、次のようなものである。
【0076】
一般に、液滴吐出ヘッド111は、液滴の吐出を休止してから吐出を再開するまでの時間が長くなると、液滴の吐出方向が乱れる、吐出量が多くなり過ぎる、吐出量が少なくなり過ぎる等の現象が起こり易くなり、液滴吐出動作が不安定になる傾向がある。すなわち、液滴吐出ヘッド111は、液滴の吐出を開始した直後は、吐出状態が安定せずにまっすぐ飛びにくい、吐出量が安定しない等の傾向がある。このため、待機時にも、液受け部821に捨て吐出を行うことにより、液滴吐出ヘッド111が適正に液滴を吐出することができる状態を維持する。
【0077】
液受け部821には、好ましくは、例えばスポンジなどで構成された液体吸収体が設置されている。液受け部821に捨て吐出された液滴は、まず、この液体吸収体に吸収される。これにより、捨て吐出された液滴が周囲に飛散するのをより確実に防止することができる。また、液受け部821には、吸引チューブ(図示せず)が接続されており、液受け部821に溜まった吐出対象液は、この吸引チューブを通って回収され、後述する排液装置18により、回収・貯留される。
【0078】
吐出量測定用ユニット84は、基板Wに対する液滴吐出動作の準備段階として、液滴吐出ヘッド111からの1回の液滴吐出量(重量)を測定するのに利用するものである。すなわち、基板Wに対する液滴吐出動作前、ヘッドユニット11は、吐出量測定用ユニット84の上方に移動し、各液滴吐出ヘッド111の全吐出ノズルから1回または複数回液滴を吐出量測定用ユニット84に対し吐出する。吐出量測定用ユニット84は、吐出された液滴を受ける着脱可能な液受け部を備えており、この液受け部で受けた液体の重量を液滴吐出システム10の外部に設置された電子天秤等の重量計で計測する。または、吐出量測定用ユニット84に重量計を設け、ここで重量を計測してもよい。制御装置16は、この重量計測結果に基づいて、吐出ノズルから吐出される1滴の液滴の量(重量)を算出し、その算出値が予め定められた設計値に等しくなるように、液滴吐出ヘッド111を駆動するヘッドドライバの印加電圧を補正する。
【0079】
図12は、図1および図2に示す液滴吐出装置における吐出対象液供給装置、洗浄液供給装置および排液装置を示す配管系統図、図13は、液量検出手段の構成を模式的に示す図である。以下、これらの図および図6に基づいて、液滴吐出装置1における吐出対象液供給装置4、洗浄液供給装置50、排液装置18について説明する。
【0080】
まず、各液滴吐出ヘッド111から吐出する吐出対象液を供給する吐出対象液供給装置4について説明する。
図12に示すように、吐出対象液供給装置4は、吐出対象液を貯留する一次タンク系40と、この一次タンク系40と後述する二次タンク412とを接続する1本の一次流路411とを有している。一次タンク系40は、前記タンク収納部13に設置された第1の一次タンク401および第2の一次タンク402と、第1の一次タンク401に接続された流出配管403と、第2の一次タンク402に接続された流出配管404と、三方弁(流路切り替え手段)405とを有している。三方弁405には、一次流路411と、流出配管403および404とがそれぞれ接続されている。吐出対象液供給装置4は、制御装置16の制御に基づき三方弁405にて流路を切り替えることにより、第1の一次タンク401および第2の一次タンク402のいずれかから選択的に吐出対象液を一次流路411に供給することができる。
【0081】
また、吐出対象液供給装置4は、第1の一次タンク401および第2の一次タンク402内に加圧気体を供給する加圧手段406と、第1の一次タンク401および第2の一次タンク402にそれぞれ接続された加圧配管407および408と、加圧手段406からの配管410と、これら3つの配管が接続された三方弁(加圧経路切り替え手段)409とをさらに有している。加圧手段406としては、例えば、加圧された窒素ガス等の気体を供給する加圧気体供給源が使用される。吐出対象液供給装置4は、制御装置16の制御に基づき三方弁409にて流路を切り替えることにより、第1の一次タンク401および第2の一次タンク402のいずれかの内部を加圧手段406により選択的に加圧し、その圧力により吐出対象液を送出する。
【0082】
図6に示すように、二次タンク412は、メインキャリッジ102に対し固定的に設置されている。すなわち、二次タンク412は、メインキャリッジ102とともにX軸方向移動する。二次タンク412には、三方弁405から伸びる一次流路411の他端が接続されており、一次タンク系40の吐出対象液は、一次流路411を通って二次タンク412内に流入する。
一次流路411は、好ましくは可撓性を有するチューブで構成されている。この一次流路411の途中には、メインキャリッジ102とともに移動する二次タンク412の移動に合わせて一次流路411の二次タンク412側の部分が移動可能となるように一次流路411を中継する中継部413が設けられている。
【0083】
二次タンク412とヘッドユニット11との間は、ヘッドユニット11が備える12個の液滴吐出ヘッド111の各々に対応する12本の二次流路414によって接続されている。すなわち、ヘッドユニット11には、各液滴吐出ヘッド111に対応する12個の流入口(接続口)112が設けられており、二次タンク412から伸びる12本の二次流路414の他端は、それぞれ、各流入口112に接続されている。なお、図6中では、見易くするため、12本の二次流路414のうちの2本のみを図示する。図示の構成では、二次流路414は、可撓性を有するチューブで構成されているが、これに限らず、硬質な管体で構成されていてもよい。また、以下では、一次流路411、二次タンク412および二次流路414を総称して「吐出対象液の流路」と呼ぶことがある。
【0084】
二次タンク412内は、図示しない圧力制御ユニット(負圧制御ユニット)によって、圧力が制御され、負圧になっている。二次タンク412内で圧力制御された吐出対象液は、各二次流路414を通って各液滴吐出ヘッド111に供給される。これにより、各液滴吐出ヘッド111に供給される吐出対象液の圧力が制御され、各液滴吐出ヘッド111の各ノズルにおいて良好な液滴吐出状態が得られる。
【0085】
各二次流路414の途中には、流路を遮断可能な遮断弁415が設けられている。遮断弁415は、前記圧力制御ユニットが何らかの原因で機能しない場合、二次流路414の流路を遮断し、二次タンク412より低い位置にある液滴吐出ヘッド111に二次タンク412から吐出対象液が流れ続けて液滴吐出ヘッド111から漏出するのを防止する。
【0086】
図13(a)に示すように、吐出対象液供給装置4は、第1の一次タンク401の内部の液量を検出する液量検出手段416をさらに有している。液量検出手段416は、第1の一次タンク401の外部において鉛直方向に沿って設けられ、その内腔が第1の一次タンク401内に連通した光透過性を有するチューブ417と、第1の一次タンク401の底部付近においてチューブ417を挟んで対向するように設置された投光部418および受光部419とで構成されている。この液量検出手段416は、受光部419での受光光量の変化により、第1の一次タンク401内の液量が減少して所定の下限レベルE(空の状態)になったとき、これを検出することができる。液量検出手段416の検出結果は、制御装置16に入力される。
【0087】
また、吐出対象液供給装置4は、第2の一次タンク402の内部の液量を検出する同様の液量検出手段420を有している。液量検出手段420は、第2の一次タンク402内の液量が減少して所定の下限レベルEになったとき、これを検出し、その検出結果を制御装置16に入力する。
このような吐出対象液供給装置4は、図12に示す状態では、加圧手段406により第1の一次タンク401内が加圧され、この圧力により第1の一次タンク401内の吐出対象液は、流出配管403および一次流路411内を通って送出され、二次タンク412および二次流路414を経て、液滴吐出ヘッド111に供給される。
【0088】
そして、第1の一次タンク401内の吐出対象液が消費されていき、液量検出手段416が第1の一次タンク401が空になったのを検出すると、制御装置16は、その検出結果に基づいて、三方弁405および三方弁409をそれぞれ切り替える。これにより、加圧手段406が第2の一次タンク402内を加圧するとともに、この圧力により第2の一次タンク402内の吐出対象液が、流出配管404および一次流路411内を通って送出され、液滴吐出ヘッド111に供給される状態に切り替わる。
【0089】
第2の一次タンク402から吐出対象液が供給されている間に、作業者は、空になった第1の一次タンク401をラック131から取り外し、吐出対象液を再充填した後、ラック131に戻す。その後、液量検出手段420が第2の一次タンク402が空になったのを検出すると、制御装置16は、三方弁405および三方弁409をそれぞれ切り替え、第1の一次タンク401から吐出対象液を供給する状態に切り替える。そして、第1の一次タンク401から吐出対象液が供給されている間に、作業者は、空になった第2の一次タンク402をラック131から取り外して吐出対象液を再充填する。
【0090】
制御装置16は、第1の一次タンク401が空になったとき、および、第2の一次タンク402が空になったときには、それぞれ、その旨を報知し、タンクの交換(吐出対象液の補充)を作業者に促すのが好ましい。この報知の方法としては、操作パネル100に文字または図形などを表示したり、音または音声を出したりする方法が挙げられる。また、第1の一次タンク401が空になったときと、第2の一次タンク402が空になったときとで、報知のための文字、図形、音または音声等を異ならせ、いずれの一次タンクが空になったのかが分かるようにするのが好ましい。
【0091】
以上説明したような本実施形態の吐出対象液供給装置4は、第1の一次タンク401、第2の一次タンク402の2つを切り替えながら使用するので、全体として大容量化が図れ、液滴吐出装置1の大型化に伴う吐出対象液消費量の増大に有効に対応することができる。また、第1の一次タンク401、第2の一次タンク402の各々の容量を過大にすることなく、全体の大容量化が図れるので、第1の一次タンク401、第2の一次タンク402の重量(特に充填時の重量)が重くなり過ぎるのを回避することができ、タンク交換作業時の作業者の負担を軽減することができる。
【0092】
次に、クリーニングユニット81で用いる洗浄液を供給する洗浄液供給装置50について説明するが、前記吐出対象液供給装置4と同様の事項については説明を省略する。図12に示すように、洗浄液供給装置50は、前記タンク収納部13に設置された第1の洗浄液タンク501および第2の洗浄液タンク502と、第1の洗浄液タンク501に接続された流出配管503と、第2の洗浄液タンク502に接続された流出配管504と、流出配管503および504とクリーニングユニット81への給液配管511とがそれぞれ接続された三方弁(流路切り替え手段)505と、第1の洗浄液タンク501および第2の一次タンク502内に加圧気体を供給する加圧手段506と、第1の洗浄液タンク501に接続された加圧配管507と、第2の洗浄液タンク502に接続された加圧配管508と、加圧配管507および508と加圧手段506からの配管(経路)510とがそれぞれ接続された三方弁(加圧経路切り替え手段)509と、第1の洗浄液タンク501および第2の洗浄液タンク502の残液量を検出する液量検出手段(図示せず)とを有している。
【0093】
次に、描画前フラッシングユニット104、定期フラッシングユニット82およびドット抜け検出ユニット19において液滴吐出ヘッド111より捨て吐出された排液(吐出対象液)を回収する排液装置18について説明するが、後述する液体回収装置17と同様の事項については説明を省略する。
図12に示すように、排液装置18は、前記タンク収納部13に設置された(図9中には表れていない)第1の排液タンク181および第2の排液タンク182と、第1の排液タンク181に接続された流入配管183と、第2の排液タンク182に接続された流入配管184と、三方弁(流路切り替え手段)185とを有している。
【0094】
三方弁185には、描画前フラッシングユニット104、定期フラッシングユニット82およびドット抜け検出ユニット19からの吸引チューブ(図示せず)が合流した排液配管186と、流入配管183および184とがそれぞれ接続されている。また、第1の排液タンク181および第2の排液タンク182には、それぞれ、後述する液量検出手段177a、177bと同様の液量検出手段(図示せず)が設けられている。
【0095】
本実施形態では、このような排液装置18により、描画前フラッシングユニット104、定期フラッシングユニット82およびドット抜け検出ユニット19から排出された吐出対象液を回収してこれらを共通して貯留する。これらの各ユニットから回収した吐出対象液は、各ユニットの液受け部において一旦外部に露出したものであるので、異物(ゴミ)が混入していたり、外気に触れて溶媒が蒸発して濃度が変化していたりするため、通常は廃棄される。本実施形態では、これらの廃棄すべき液体が共通に第1の排液タンク181および第2の排液タンク182に貯留されるので、液体を廃棄する作業が1回で済み、オペレーターの労力の軽減に寄与する。
【0096】
なお、排液装置18によって回収された吐出対象液は、廃棄せずに、液滴吐出ヘッド111から吐出する吐出対象液として再利用してもよい。これにより、吐出対象液の無駄な消費量を削減することができるので、基板Wの製造コストのさらなる低減が図れる。排液装置18によって回収された吐出対象液を再利用する場合には、第1の一次タンク401または第2の一次タンク402に戻す前に、後述するような不純物除去処理、脱気処理や、濃度調整などの各種の処理を施すことが好ましい。
【0097】
図14および図15は、それぞれ、図10および図11に示す付帯装置におけるキャッピングユニットを示す斜視図および側面図、図16は、液滴吐出ヘッドにキャップが接触した状態を示す断面図、図17は、キャッピングユニットの各キャップへの吸引配管系統図、図19は、液滴吐出装置が稼動するときの工程の流れを示すフローチャートである。以下、これらの図および図18に基づいて、キャッピングユニット83、その吸引配管系統およびキャッピング吸引動作について説明する。
【0098】
図14に示すように、キャッピングユニット83は、ベースプレート831と、このベースプレート831上に配設された12個のキャップ87とを有している。12個のキャップ87は、それぞれ、ヘッドユニット11に搭載された12個の液滴吐出ヘッド111に対応するものであり、液滴吐出ヘッド111と同様の配置パターンで配置されている。これにより、各キャップ87は、それぞれ、対応する液滴吐出ヘッド111の吐出ノズル形成面に接触(密着)することができる。
【0099】
図15に示すように、キャッピングユニット83は、移動台86上に固定された支持部832を有し、ベースプレート831は、この支持部832によって支持されている。支持部832には、ベースプレート831を上下方向に昇降させる空気圧シリンダを有するキャップ昇降機構833が設けられている。このキャップ昇降機構833の作動により、各キャップ87は、一体となって昇降可能になっている。キャップ昇降機構833は、その空気圧シリンダのピストンロッドのストッパ位置調整を行うことにより、昇降ストロークを調整可能になっている。
【0100】
図16に示すように、キャップ87は、キャップ本体871と、キャップホルダ872とを有し、キャップ本体871は、2つのコイルバネ873により上方に付勢されるとともに、一定の範囲で上下動可能な状態でキャップホルダ872に保持されている。キャップ本体871の上面には、液滴吐出ヘッド111に形成された吐出ノズル群を包含し得る凹部874が形成され、凹部874の周縁部には、液滴吐出ヘッド111に密着し得るシールパッキン(シール部材)875が設置されている。
【0101】
凹部874の底部には、液体を吸収し得る例えばスポンジのような吸収材876が枠状の押さえ部材877により上から押さえられた状態で設置されている。また、凹部874の底部には、液滴吐出ヘッド111から吸引した流体を排出する排出口878が形成され、この排出口878は、L字継ぎ手879に連通している。L字継ぎ手879には、後述する吸引流路882を構成する図示しない配管(チューブ)が接続される。
【0102】
各キャップ87には、開放弁880が設けられており、凹部874の底面側で外部に開放できるようになっている。開放弁880は、コイルバネ881で上方の閉じ側に付勢されており、キャッピング吸引動作の最終段階で、開放弁880を引き下げて開弁することにより、吸収材876に含浸している液体をも吸引することができる。
【0103】
液滴吐出装置1は、上述したような各キャップ87での(各キャップ87内に)吸引力(負圧)を発生する吸引力発生手段600を備えている。吸引力発生手段600は、3台の吸引ポンプ(吸引力発生源)601、602および603を有しており、これらの各吸引ポンプは、図11に示すように、移動台86の下段862に設置されている。本実施形態では、吸引ポンプ601、602および603は、それぞれ、ピストンポンプで構成されているが、吸引力発生源としては、他の形式のポンプまたはエジェクタ(真空エジェクタ)などを用いてもよい。
【0104】
制御装置16は、各液滴吐出ヘッド111に各キャップ87を接触(密着)させた状態で吸引力発生手段600を作動し、その吸引力により各液滴吐出ヘッド111の各吐出ノズルから流体を吸引する動作(以下、「キャッピング吸引動作」と言う)を実行するように制御を行うことが可能とされている。
図18に示すように、本実施形態では、前述したX軸方向移動機構6と、保守ユニット移動機構854と、キャップ昇降機構833とで、各液滴吐出ヘッド111に各キャップ87を接触(密着)させるように作動可能なヘッド−キャップ相対移動機構300が構成される。
【0105】
キャッピング吸引動作においては、制御装置16は、各部を以下のように作動させる。制御装置16は、まず、保守ユニット移動機構854を作動させてキャッピングユニット83をヘッドユニット11の移動領域の下方の位置(図1に示す位置)に移動させるとともに、X軸方向移動機構6を作動させてヘッドユニット11を付帯装置12の上方の位置に移動させる。これにより、キャッピングユニット83の上方にヘッドユニット11が位置決めされる。次いで、キャップ昇降機構833を作動させて各キャップ87を上昇させることにより、各液滴吐出ヘッド111のノズル形成面に各キャップ87を接触(密着)させる。次いで、制御装置16は、吸引ポンプ601、602および603を作動させて、この吸引力により、各液滴吐出ヘッド111の各吐出ノズルから流体(気体および液体)を吸引する。
【0106】
なお、各液滴吐出ヘッド111のノズル形成面に各キャップ87を接触させる動作は、キャップ昇降機構833を作動させて各キャップ87を上昇させることに代えて、ヘッドユニット高さ調整機構20を作動させてヘッドユニット11を下降させることで行ってもよい。すなわち、ヘッドユニット高さ調整機構20がヘッド−キャップ相対移動機構300の一部を構成してもよい。
【0107】
液滴吐出装置1では、このようなキャッピング吸引動作は、定期的にまたは随時に行われるが、本発明の液滴吐出装置1では、次のような4つの目的に適用される4種のキャッピング吸引動作を行う。
第1のキャッピング吸引動作は、各液滴吐出ヘッド111内に吐出対象液を初期充填する際に、液滴吐出ヘッド111内に吐出対象液を充満させる目的で行われるものである。
第2のキャッピング吸引動作は、各液滴吐出ヘッド111の各吐出ノズルの詰まりを解消し、適正な吐出状態を回復する目的で行われるものである。
【0108】
第3のキャッピング吸引動作は、各液滴吐出ヘッド111内および吐出対象液の流路内から吐出対象液を排出する目的で行われるものである。すなわち、第3のキャッピング吸引動作は、使用する吐出対象液を種類の異なるものに交換する場合や、基板Wの生産を一旦終了する場合に、各液滴吐出ヘッド111内および吐出対象液の流路内から吐出対象液を排出し切る(抜き取る)場合に行われる。この第3のキャッピング吸引動作を行う際には、吐出対象液供給装置4は、各液滴吐出ヘッド111への吐出対象液の供給を停止する。
【0109】
第4のキャッピング吸引動作は、各液滴吐出ヘッド111へ供給された洗浄液を吸引して各液滴吐出ヘッド111内および吐出対象液の流路内を洗浄する(以下、単に「流路内洗浄」とも言う)目的で行われるものである。第4のキャッピング吸引動作を行う際には、タンク収納部13の第1の一次タンク401または第2の一次タンク402を取り外し、代わりに洗浄液(例えばブチルアルコール等の溶剤など)を貯留した洗浄液タンクを載せ換え、この洗浄液タンクから一次流路411、二次タンク412および二次流路414を経て、各液滴吐出ヘッド111内に洗浄液を貯留する。なお、この洗浄液タンクは、初めからタンク収納部13に設置しておき、洗浄を行うときに流路を切り替えて洗浄液を供給するように構成されていてもよい。
また、これらの各キャッピング吸引動作では、液滴吐出ヘッド111のノズル形成面が乾燥するのを防止する効果も得られる。
【0110】
制御装置16は、前記第1〜第4の各キャッピング吸引動作に対応する第1モード、第2モード、第3モードおよび第4モードの各制御モードを有している。オペレーターは、操作パネル100を操作して第1〜第4モードのいずれかを選択し、実行するキャッピング吸引動作の種類を入力する。制御装置16は、第1〜第4のキャッピング吸引動作のうち、選択(入力)されたモードに対応するキャッピング吸引動作を実行するように各部の制御を行う。
【0111】
以下、図19に基づいて、液滴吐出装置1が稼動するときの工程の流れの一例を説明する。液滴吐出装置1の稼動を開始する際には、稼動前の準備作業の1つとして、第1モードによる第1のキャッピング吸引動作を行い、吐出対象液の初期充填を行う(ステップS1)。吐出対象液の初期充填その他の準備作業が完了したら、基板Wに対して液滴吐出動作を行い、パターンを形成(描画)する(ステップS2)。
【0112】
基板Wに対するパターンの形成(描画)を終了し(ステップS3)、さらに基板Wの生産を継続する場合には(ステップS4)、ドット抜け検出ユニット19を用いてドット抜け検査を行い、各液滴吐出ヘッド111の各吐出ノズルに詰まりが生じていないかどうかを検査する(ステップS5)。ドット抜け検査の結果、いずれの吐出ノズルにもノズル詰まりを生じていない場合には、ステップS2に戻り、新たな基板Wに対するパターンの形成(描画)を再開する。
【0113】
ドット抜け検査の結果、ノズル詰まりを生じている吐出ノズルがある場合には、第2モードによる第2のキャッピング吸引動作を行い、吐出ノズルの詰まりを解消し、適正状態を回復する(ステップS6)。この場合、詰まっている吐出ノズルが属する液滴吐出ヘッド111のみから吸引してもよく、また、全液滴吐出ヘッド111から吸引してもよい。第2のキャッピング吸引動作を終えたら、クリーニングユニット81を用いて各液滴吐出ヘッド111のノズル形成面の清掃を行う(ステップS7)。そして、ステップS5に戻り、再度ドット抜け検査を行う。
【0114】
ステップS4において、基板Wの生産を継続しない場合(吐出対象液を種類の異なるものに交換する場合や、基板Wの生産を一旦終了する場合等)には、第3モードによる第3のキャッピング吸引動作を行い、各液滴吐出ヘッド111内および吐出対象液の流路内から吐出対象液を排出する(ステップS8)。次いで、第4モードによる第4のキャッピング吸引動作を行い、各液滴吐出ヘッド111内および吐出対象液の流路内に洗浄液を流通させて吐出対象液を洗い流し、清浄な状態にする(ステップS9)。基板Wの生産を再開する場合には、ステップ1に戻り、吐出対象液の初期充填から開始する。
なお、上述したような図19に示す一連の工程は、制御装置16の制御により、全自動で行われるように構成されていてもよい。
【0115】
以下、各キャップ87への吸引配管系統について説明する。本実施形態では、キャッピングユニット83における12個のキャップ87は、4個ずつ3つの組(グループ)に分かれている。すなわち、図14の紙面中の上側に位置する4個のキャップ87が第1組701を構成し、図14の紙面中の上下方向中央付近に位置する4個のキャップ87が第2組702を構成し、図14の紙面中の下側に位置する4個のキャップ87が第3組703を構成する。
【0116】
図17に示すように、吸引ポンプ601、602および603は、それぞれ、第1組701、第2組702および第3組703に対応している。すなわち、吸引ポンプ601が第1組701のキャップ87での吸引力を発生し、吸引ポンプ602が第2組702のキャップ87での吸引力を発生し、吸引ポンプ603が第3組703のキャップ87での吸引力を発生するよう構成されている。このような構成により、12個の液滴吐出ヘッド111に対し、これらを3組に分け、3台の吸引ポンプ601、602および603により、3組で平行して吸引を行うことができるので、キャッピング吸引動作を迅速に行うことができる。これにより、サイクルタイム(基板W1枚当たりの処理時間)を短縮することができるので、生産効率(能率)が向上し、基板Wの製造コストの低減が図れる。
【0117】
各キャップ87には、それぞれ、吸引流路882が接続されており、各吸引流路882は、各組ごとに合流して、対応する吸引ポンプ601、602または603の吸入口にそれぞれ接続されている。
各吸引流路882の途中には、それぞれ、当該流路を遮断可能な切り替え弁(流路切り替え手段)883が設置されている。切り替え弁883は、アクチュエータにより自動で切り替え可能になっており、制御装置16の制御に基づいて切り替わる。
【0118】
さらに、各吸引流路882の途中には、それぞれ、当該流路内の圧力を検出する圧力センサ(圧力検出手段)884が設置されている。この圧力センサ884の検出結果は、制御装置16に入力され、この検出結果に基づいて、各キャップ87における吸引エラー等を検知して報知したり、各吸引ポンプの作動を制御したりすることができる。
【0119】
キャッピング吸引動作では、第1組701、第2組702および第3組703の各組において、それぞれ、切り替え弁883の切り替えにより、当該組から選択される1個のキャップ87以外のキャップ87からの吸引流路882を遮断した状態として、この選択した1個のキャップ87から吸引する。そして、切り替え弁883を切り替えていき、各組の4個のキャップ87に対し、順次1個ずつ吸引する。
【0120】
このようにして、本実施形態では、第1組701、第2組702および第3組703の各組に対応する4個の液滴吐出ヘッド111に対し、1個ずつ順次吸引を行うように作動する。これにより、1台の吸引ポンプで複数の液滴吐出ヘッド111から同時に吸引する場合と比べ、各液滴吐出ヘッド111に対する吸引力にムラが出るようなことがないので、全部の液滴吐出ヘッド111に対して、第1〜第4のキャッピング吸引動作による吐出ノズル詰まり解消、吐出対象液の充填、吐出対象液の排出、流路内洗浄をより確実に(より効果的に)行うことができる。
【0121】
また、1台の吸引ポンプで12個の液滴吐出ヘッド111に対し1個ずつ順次吸引していくと、時間がかかるが、本実施形態では、3組に分けて3台の吸引ポンプ601、602および603で平行して行うので、キャッピング吸引動作を迅速に(1台の場合の3分の1の時間で)行うことができる。
キャッピング吸引動作において、各組内で吸引対象とするキャップ87を順次切り替えていく場合、その切り替えのタイミングは、例えば、予め設定した一定の時間が経過するのを待って切り替えていくものとすることができる。あるいは、圧力センサ884の検出結果に基づいて切り替えていってもよいし、これらを組み合わせたような方法でもよい。
【0122】
ここで、前記第1〜第4のキャッピング吸引動作における吸引条件(例えば、吸引ポンプ601、602および603の吸引力や、吸引時間等)は、それぞれの目的に合わせ、互いに異なる条件に設定されているのが好ましい。これにより、第1〜第4のキャッピング吸引動作をそれぞれの目的に最適な条件で、より確実に(より効果的に)行うことができる。なお、第1〜第4のキャッピング吸引動作における吸引条件は、互いに同じでもよい。
【0123】
図17に示すように、吸引ポンプ601、602および603の各排出口に接続された配管は、互いに合流して一本の排出流路885となり、三方弁(流路切り替え手段)886に接続されている。三方弁886の下流側は、排出流路176と、排出流路887とに分岐しており、排出流路176は、三方弁(流路切り替え手段)175に接続され、排出流路887は、廃液タンク(廃液貯留部)888に接続されている。三方弁886および三方弁175は、それぞれ、アクチュエータにより自動で切り替え可能になっており、制御装置16の制御に基づいて切り替わる。
【0124】
前述したように、第4のキャッピング吸引動作により各液滴吐出ヘッド111内および吐出対象液の流路内を洗浄する際には、各液滴吐出ヘッド111に洗浄液が供給されるが、このときには、三方弁886の切り替え状態が、排出流路885から排出流路887へと流れる状態にされ、各液滴吐出ヘッド111から排出された洗浄液は、廃液タンク888に流入し貯留される。
【0125】
これに対し、ヘッドユニット11の各液滴吐出ヘッド111に吐出対象液が供給されているときに行われる第1〜第3のキャッピング吸引動作の場合には、三方弁886の切り替え状態が、排出流路885から排出流路176へと流れる状態にされ、各液滴吐出ヘッド111から排出された吐出対象液は、三方弁175側に向かって流れる。
【0126】
三方弁175の下流側は、流入流路173と、流入流路174とに分岐しており、流入流路173は、第1の再利用タンク171に接続されており、流入流路174は、第2の再利用タンク172に接続されている。第1の再利用タンク171および第2の再利用タンク172は、前述したようにタンク収納部13に設置されている。
【0127】
排出流路176を流れてきた吐出対象液は、三方弁175の切り替えにより、第1の再利用タンク171または第2の再利用タンク172内に導入され、貯留される。
本実施形態では、上述した第1の再利用タンク171、第2の再利用タンク172、流入流路173、流入流路174、三方弁175、排出流路176、排出流路885、三方弁886、排出流路887および廃液タンク888により、液体回収装置(液体回収手段)17が構成される。
【0128】
このように、液体回収装置17は、第1〜第3のキャッピング吸引動作において各液滴吐出ヘッド11から排出された吐出対象液を移送し、これを他の液体(例えば、描画前フラッシングユニット104、定期フラッシングユニット82およびドット抜け検出ユニット19で受けた吐出対象液や、各液滴吐出ヘッド111内および流路内の洗浄に用いた洗浄液など)と混合することなく、専用の第1の再利用タンク171および第2の再利用タンク172に貯留する。また、本実施形態の液体回収装置17は、各組のキャップ87を介して吸引した吐出対象液を共通して第1の再利用タンク171および第2の再利用タンク172に貯留する。
【0129】
第1の再利用タンク171および第2の再利用タンク172に回収された吐出対象液は、液滴吐出ヘッド111より排出されてから第1の再利用タンク171または第2の再利用タンク172に移送されてくるまでの間、外部に露出しておらず、外気にも接触していないので、ゴミ等の異物の混入が無いかあっても僅かであり、溶媒が蒸発して濃度が変化しているようなこともない。また、上述したように他の液体も混入していないので、変質・劣化・異物混入などのない、良好な状態の吐出対象液である。よって、第1の再利用タンク171および第2の再利用タンク172に回収された吐出対象液は、第1の一次タンク401または第2の一次タンク402に戻して、液滴吐出ヘッド111から吐出する吐出対象液として再利用することができる。これにより、吐出対象液の無駄な消費量を大幅に削減することができるので、基板Wの製造コストの低減が図れる。
【0130】
第1の再利用タンク171および第2の再利用タンク172に回収された吐出対象液に対しては、再利用する前(第1の一次タンク401または第2の一次タンク402に戻す前)に、その中の不純物を除去する処理(例えば、フィルターによるろ過などの処理)や、その中に溶解した気体を除去する脱気処理(例えば、減圧環境下に置いて、溶解した気体を発泡させるなどの処理)を施すことが好ましい。これにより、回収した吐出対象液をより良好な状態にして再利用することができる。
【0131】
本実施形態の液体回収装置17では、第1の再利用タンク171、第2の再利用タンク172の2つを切り替えながら使用するので、全体として大容量化が図れ、液滴吐出装置1の大型化に伴うキャッピング時の吸引量の増大に有効に対応することができる。また、第1の再利用タンク171、第2の再利用タンク172の各々の容量を過大にすることなく全体の大容量化が図れるので、第1の再利用タンク171、第2の再利用タンク172の重量(特に満杯時の重量)が重くなり過ぎるのを回避することができ、タンク交換作業時の作業者の負担を軽減することができる。また、第1の再利用タンク171、第2の再利用タンク172の交換(回収)を交互に行うことにより、液滴吐出装置1の稼動を停止することなく、吐出対象液を回収することができる。よって、生産効率の向上が図れ、高い生産量(スループット)が得られる。
【0132】
図13(b)に示すように、液体回収装置17は、第1の再利用タンク171の内部の液量を検出する液量検出手段177aをさらに有している。液量検出手段177aは、第1の再利用タンク171の外部において鉛直方向に沿って設けられ、その内腔が第1の再利用タンク171内に連通した光透過性を有するチューブ178と、第1の再利用タンク171の頂部付近においてチューブ178を挟んで対向するように設置された投光部179および受光部170とで構成されている。この液量検出手段177aは、受光部170での受光光量の変化により、第1の再利用タンク171内の液量が増大して所定の上限レベルF(満杯の状態)になったとき、これを検出することができる。液量検出手段177aの検出結果は、制御装置16に入力される。また、液体回収装置17は、第2の再利用タンク172の内部の液量を検出する前記液量検出手段177aと同様の液量検出手段177bをさらに有している。
【0133】
このような液体回収装置17では、図17に示す状態では、キャッピングユニット83から吸引された吐出対象液は、第1の再利用タンク171内に導入される。そして、第1の再利用タンク171内に吐出対象液が蓄積していき、液量検出手段177aが第1の再利用タンク171が満杯になったのを検出すると、制御装置16は、その検出結果に基づいて、三方弁175を切り替え、吐出対象液が第2の再利用タンク172内に導入される状態に切り替える。
【0134】
制御装置16は、第1の再利用タンク171が満杯になったとき、および、第2の再利用タンク172が満杯になったときには、それぞれ、その旨を例えば前記と同様の方法で報知し、タンクの交換(吐出対象液の回収)を作業者に促すのが好ましい。
なお、本実施形態の液体回収装置17では、上述したように再利用タンクが2個設けられているが、再利用タンクの設置個数は、1個でも、3個以上でもよい。
【0135】
以上説明したように、液滴吐出装置1では、前記第1〜第4のキャッピング吸引動作を行うように構成されていることにより、1つのキャッピングユニット83を用いて、吐出対象液の初期充填、吐出ノズル詰まり解消、吐出対象液の排出、および、流路内洗浄のそれぞれを行うことができ、これらの4つの目的ごとにそれぞれ別のユニット(装置)を設ける必要がない。よって、液滴吐出装置1の開発(設計・試作・実験等)に要する期間(時間)を短縮したり、液滴吐出装置1を小型化したり、液滴吐出装置1の構造を簡素化したり、液滴吐出装置1の製造コストを低減したりすることができる。また、液滴吐出装置1を稼動させる際の準備作業としての調整作業(例えばキャップ昇降機構833の昇降ストローク調整など)も1つのキャッピングユニット83に対してのみ行えばよいので、この調整作業量を少なくすることができ、オペレーターの負担を軽減することができる。このようなことから、液滴吐出装置1では、生産する基板Wの製造コストの低減にも寄与する。
【0136】
なお、本発明の液滴吐出装置は、前記第1〜第4のキャッピング吸引動作のうちの少なくとも2つのキャッピング吸引動作を行うように構成されていればよいが、前記第1〜第4のキャッピング吸引動作のうちの少なくとも3つのキャッピング吸引動作を行うように構成されていることが好ましく、本実施形態のように、前記第1〜第4のキャッピング吸引動作の各キャッピング吸引動作をすべて行うように構成されていることがより好ましい。
【0137】
図20は、本発明の第2実施形態におけるキャッピングユニットの各キャップへの吸引配管系統図である。以下、同図に基づいて本発明の第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様に事項についてはその説明を省略する。
前記第1実施形態は、ヘッドユニット11の各液滴吐出ヘッド111から同じ種類の吐出対象液の液滴を吐出する場合であったが、本実施形態では、ヘッドユニット11における液滴吐出ヘッド111は、次に述べるように、複数組に分かれ、これらの各組が互いに種類の異なる吐出対象液の液滴を吐出する。
【0138】
すなわち、第1組701のキャップ87に対応する4個の液滴吐出ヘッド111は、図示しない第1の吐出対象液供給装置により供給されるR色の吐出対象液を吐出する。第2組702のキャップ87に対応する4個の液滴吐出ヘッド111は、図示しない第2の吐出対象液供給装置により供給されるG色の吐出対象液を吐出する。そして、第3組703のキャップ87に対応する4個の液滴吐出ヘッド111は、図示しない第3の吐出対象液供給装置により供給されるB色の吐出対象液を吐出する。
【0139】
このように、本実施形態では、互いに異なる種類の吐出対象液を吐出する複数組の液滴吐出ヘッド111に対しては、各組毎に専用の吸引ポンプ601、602または603でキャッピング吸引動作を行う。そして、前記第1〜第3のキャッピング吸引動作を行う場合には、これらの各組毎に、吐出対象液の粘度等の特性に合わせて、吸引ポンプ601、602または603の吸引力をそれぞれ調整することができる。第1〜第3のキャッピング吸引動作では、吐出対象液の粘度等の特性に合わせて吸引力を調整しないと、吸引力が弱すぎて吐出ノズル詰まり解消、吐出対象液の充填、排出を確実に行えなかったり、逆に吸引力が強すぎて液滴吐出ヘッド111内や吐出対象液の流路内に気泡が生じたりするという不都合を生じやすいが、本実施形態では、このようなことを有効に防止することができる。
【0140】
本実施形態の液体回収装置17’は、R色用再利用タンク系801と、G色用再利用タンク系802と、B色用再利用タンク系803とを有している。これらの各再利用タンク系は、それぞれ、前記第1実施形態と同様の第1の再利用タンク171、第2の再利用タンク172、流入流路173、流入流路174、三方弁175および排出流路176で構成されている。
【0141】
第1組701用の吸引ポンプ601の排出口に接続された排出流路889は、三方弁(流路切り替え手段)890に接続され、三方弁890の下流側は、R色用再利用タンク系801への排出流路176と、廃液タンク888への排出流路891とに分岐している。
第2組702用の吸引ポンプ602の排出口に接続された排出流路892は、三方弁(流路切り替え手段)893に接続され、三方弁893の下流側は、G色用再利用タンク系802への排出流路176と、廃液タンク888への排出流路894とに分岐している。
第3組703用の吸引ポンプ603の排出口に接続された排出流路895は、三方弁(流路切り替え手段)896に接続され、三方弁896の下流側は、B色用再利用タンク系803への排出流路176と、廃液タンク888への排出流路897とに分岐している。
【0142】
このような構成により、本実施形態の液体回収装置17’は、第1組701、第2組702および第3組703の各組のキャップ87を介して吸引した吐出対象液を別々に、すなわち種類別に、かつ他の液体と混合することなく、R色用再利用タンク系801、G色用再利用タンク系802およびB色用再利用タンク系803にそれぞれ貯留する。これにより、回収した各種類の吐出対象液を種類別にそれぞれ再利用することができる。
【0143】
以上、本発明の液滴吐出装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。また、液滴吐出装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、前述した実施形態におけるキャッピングユニットの複数のキャップは、3組に分かれているが、2組に分かれていても、4組以上に分かれていてもよく、複数組に分かれることなく、1個の吸引力発生源によって全キャップから吸引するように構成されていてもよい。また、複数組に分かれる場合には、各組のキャップの個数は、何個でもよく、1個でもよい。すなわち、キャップ1個毎にそれぞれ吸引力発生源を設けてもよい。
【0144】
また、液体回収手段は、回収した吐出対象液を、異物除去処理および脱気処理を必要に応じて行った後、吐出対象液タンク(一次タンク)内に自動的に戻すように構成されていてもよい。
また、Y軸方向移動機構、X軸方向移動機構は、リニアモータを利用するものに代えて、例えばボールねじ(送りねじ)などを利用するものでもよい。
【0145】
さらに、本発明の液滴吐出装置は、ヘッドユニット(液滴吐出ヘッド)を装置本体に対し固定とし、ワーク(ワーク載置部)をY軸方向およびX軸方向にそれぞれ移動させることにより、主走査および副走査を行うよう構成されたものでもよい。また、これと逆に、ワーク(ワーク載置部)を装置本体に対し固定とし、ヘッドユニット(液滴吐出ヘッド)をY軸方向およびX軸方向にそれぞれ移動させることにより、主走査および副走査を行うよう構成されたものでもよい。すなわち、本発明における液滴吐出装置は、ワーク載置部と液滴吐出ヘッドとを相対的に移動させる相対移動機構を備えるものであればよい。
また、本発明の電気光学装置は、以上説明したような本発明の液滴吐出装置を用いて製造されたことを特徴とする。本発明の電気光学装置の具体例としては、特に限定されないが、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置などが挙げられる。
【0146】
また、本発明の電気光学装置の製造方法は、本発明の液滴吐出装置を用いることを特徴とする。本発明の電気光学装置の製造方法は、例えば、液晶表示装置の製造方法に適用することができる。すなわち、各色のフィルタ材料を含む液体を本発明の液滴吐出装置を用いて基板に対し選択的に吐出することにより、基板上に多数のフィルタエレメントを配列してなるカラーフィルタを製造し、このカラーフィルタを用いて液晶表示装置を製造することができる。この他、本発明の電気光学装置の製造方法は、例えば、有機EL表示装置の製造方法に適用することができる。すなわち、各色の発光材料を含む液体を本発明の液滴吐出装置を用いて基板に対し選択的に吐出することにより、EL発光層を含む多数の絵素ピクセルを基板上に配列してなる有機EL表示装置を製造することができる。
また、本発明の電子機器は、前述したようにして製造された電気光学装置を備えることを特徴とする。本発明の電子機器の具体例としては、特に限定されないが、前述したようにして製造された液晶表示装置や有機EL表示装置を搭載したパーソナルコンピュータや携帯電話機などが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液滴吐出装置の第1実施形態を示す平面図。
【図2】本発明の液滴吐出装置の第1実施形態を示す側面図。
【図3】架台、石定盤および基板搬送テーブルを示す平面図。
【図4】架台、石定盤および基板搬送テーブルを示す側面図。
【図5】ヘッドユニットおよびX軸方向移動機構を示す平面図。
【図6】図5中の矢印A方向から見た側面図。
【図7】図5中の矢印B方向から見た正面図。
【図8】パターン形成動作(描画動作)を説明するための模式図。
【図9】タンク収納部を示す斜視図。
【図10】液滴吐出装置における付帯装置を示す斜視図。
【図11】液滴吐出装置における付帯装置を示す側面図。
【図12】吐出対象液供給装置、洗浄液供給装置および排液装置を示す配管系統図。
【図13】液量検出手段の構成を模式的に示す図。
【図14】付帯装置におけるキャッピングユニットを示す斜視図。
【図15】付帯装置におけるキャッピングユニットを示す側面図。
【図16】液滴吐出ヘッドにキャップが接触した状態を示す断面図。
【図17】キャッピングユニットの各キャップへの吸引配管系統図。
【図18】図1および図2に示す液滴吐出装置のブロック図。
【図19】液滴吐出装置が稼動するときの工程の流れを示すフローチャート。
【図20】本発明の第2実施形態におけるキャッピングユニットの各キャップへの吸引配管系統図。
【符号の説明】
1……液滴吐出装置、10……液滴吐出システム、100……操作パネル、101……薄板、105……θ軸回転機構、104……描画前フラッシングユニット、106……カメラキャリッジ、107……認識カメラ、108……ベース、11……ヘッドユニット、111……液滴吐出ヘッド、112……流入口、12……付帯装置、13……タンク収納部、14……ブロー装置、15……レーザー測長器、151……レーザー測長器センサヘッド、152……ミラー、153……レーザー測長器本体、154……コーナーキューブ、16……制御装置、161……CPU、162……記憶部、17……液体回収装置、17’……液体回収装置、171……第1の再利用タンク、172……第2の再利用タンク、173……流入流路、174……流入流路、175……三方弁、176……排出流路、177a……液量検出手段、177b……液量検出手段、178……チューブ、179……投光部、170……受光部、18……排液装置、181……第1の排液タンク、182……第2の排液タンク、183……流入配管、184……流入配管、185……三方弁、186……排液配管、19……ドット抜け検出ユニット、20……ヘッドユニット高さ調整機構、2……装置本体、21……架台、211……枠体、212……支持脚、22……石定盤、221……Y軸方向移動機構支持部、222……支柱支持部、223……支柱支持部、23……支柱、24……桁、25……桁、3……基板搬送テーブル、332……吸引口、4……吐出対象液供給装置、40……一次タンク系、401……第1の一次タンク、402……第2の一次タンク、403……流出配管、404……流出配管、405……三方弁、406……加圧ポンプ、407……加圧配管、408……加圧配管、409……三方弁、410……配管、411……一次流路、412……二次タンク、413……中継部、414……二次流路、415……遮断弁、416……液量検出手段、417……チューブ、418……投光部、419……受光部、420……液量検出手段、5……Y軸方向移動機構、51……リニアモータ、52……エアスライダ、521……スライドガイド、522……スライドブロック、6……X軸方向移動機構、61……メインキャリッジ、62……リニアモータアクチュエータ、63……ガイド、81……クリーニングユニット、82……定期フラッシングユニット、821……液受け部、83……キャッピングユニット、831……ベースプレート、832……支持部、833……キャップ昇降機構、84……吐出量測定用ユニット、85……付属台、851……ガイド、852……ボールねじ、853……モータ、854……保守ユニット移動機構、86……移動台、861……上段、862……下段、863……昇降機構、864……昇降ハンドル、87……キャップ、871……キャップ本体、872……キャップホルダ、873……コイルバネ、874……凹部、875……シールパッキン、876……吸収材、877……押さえ部材、878……排出口、879……L字継ぎ手、880……開放弁、881……コイルバネ、882……吸引流路、883……切り替え弁、884……圧力センサ、885……排出流路、886……三方弁、887……排出流路、888……廃液タンク、889……排出流路、890……三方弁、891……排出流路、892……排出流路、893……三方弁、894……排出流路、895……排出流路、896……三方弁、897……排出流路、898……駆動手段、50……洗浄液供給装置、501……第1の洗浄液タンク、502……第2の洗浄液タンク、503……流出配管、504……流出配管、505……三方弁、506……加圧ポンプ、507……加圧配管、508……加圧配管、509……三方弁、510……配管、511……給液配管、300……ヘッド−キャップ相対移動機構、600……吸引力発生手段、601……吸引ポンプ、602……吸引ポンプ、603……吸引ポンプ、701……第1組、702……第2組、703……第3組、801……R色用再利用タンク系、802……G色用再利用タンク系、803……B色用再利用タンク系、W……基板

Claims (15)

  1. ワークに対して吐出対象液の液滴を吐出する少なくとも1つの液滴吐出ヘッドを有するヘッドユニットと、
    前記液滴吐出ヘッドに対応して設けられたキャップと、
    前記キャップでの吸引力を発生する吸引力発生手段と、
    前記ヘッドユニットと前記キャップとを相対的に移動させ、前記液滴吐出ヘッドに前記キャップを接触させるように作動可能なヘッド−キャップ相対移動機構と、
    前記吸引力発生手段および前記ヘッド−キャップ相対移動機構の作動を制御する制御手段とを備え、
    前記液滴吐出ヘッドに前記キャップを接触させた状態で前記吸引力発生手段を作動し、その吸引力により前記液滴吐出ヘッドの吐出ノズルから流体を吸引するキャッピング吸引動作を実行可能な液滴吐出装置であって、
    前記液滴吐出ヘッド内に吐出対象液を初期充填する際に前記液滴吐出ヘッド内に吐出対象液が充満するように前記キャッピング吸引動作を行う第1のキャッピング吸引動作と、前記液滴吐出ヘッドの吐出ノズルの詰まりを解消するように前記キャッピング吸引動作を行う第2のキャッピング吸引動作と、前記液滴吐出ヘッド内から吐出対象液を排出するように前記キャッピング吸引動作を行う第3のキャッピング吸引動作と、前記液滴吐出ヘッドへ供給された洗浄液を吸引して前記液滴吐出ヘッド内および吐出対象液の流路内を洗浄するように前記キャッピング吸引動作を行う第4のキャッピング吸引動作とのうちの少なくとも2つのキャッピング吸引動作を行うように構成されていることを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 前記第1のキャッピング吸引動作、前記第2のキャッピング吸引動作、前記第3のキャッピング吸引動作および前記第4のキャッピング吸引動作のうちの少なくとも3つのキャッピング吸引動作を行うように構成されている請求項1に記載の液滴吐出装置。
  3. 前記第1のキャッピング吸引動作、前記第2のキャッピング吸引動作、前記第3のキャッピング吸引動作および前記第4のキャッピング吸引動作の各キャッピング吸引動作を行うように構成されている請求項1に記載の液滴吐出装置。
  4. 実行するキャッピング吸引動作の種類を前記制御手段に入力する入力手段をさらに備える請求項1ないし3のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  5. 前記ヘッドユニットは、複数の前記液滴吐出ヘッドを有し、これらの各液滴吐出ヘッドに対応する複数の前記キャップを備える請求項1ないし4のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  6. 前記液滴吐出ヘッドのドット抜け検査を行うドット抜け検出ユニットをさらに備え、前記ドット抜け検査を行った結果、詰まっている前記吐出ノズルがあった場合、当該吐出ノズルが属する液滴吐出ヘッドに対し前記第2のキャッピング吸引動作を行うように作動する請求項1ないし5のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  7. 前記キャップへの吸引流路内の圧力を検出する圧力検出手段をさらに備える請求項1ないし6のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  8. 前記キャッピング吸引動作によって吸引した吐出対象液を回収して貯留する液体回収手段をさらに備える請求項1ないし7のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  9. 前記液体回収手段は前記第4のキャッピング吸引動作において回収した洗浄液と、他のキャッピング吸引動作において回収した吐出対象液とを別個に貯留する請求項8に記載の液滴吐出装置。
  10. 装置本体と、ワークが載置されるワーク載置部と、前記ヘッドユニットと前記ワーク載置部とを相対的に移動させる相対移動機構とをさらに備える請求項1ないし9のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  11. 前記相対移動機構は、前記ワーク載置部を前記装置本体に対し水平な一方向(以下、「Y軸方向」と言う)に移動させるY軸方向移動機構と、前記ヘッドユニットを前記装置本体に対し前記Y軸方向に垂直かつ水平な方向(以下、「X軸方向」と言う)に移動させるX軸方向移動機構とで構成される請求項10に記載の液滴吐出装置。
  12. 前記ワーク載置部と前記へッドユニットとを相対的に移動させつつ前記液滴吐出ヘッドから液滴を吐出することにより、前記ワークに所定のパターンを形成する請求項10または11に記載の液滴吐出装置。
  13. 請求項1ないし12のいずれかに記載の液滴吐出装置を用いて製造されたことを特徴とする電気光学装置。
  14. 請求項1ないし12のいずれかに記載の液滴吐出装置を用いることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  15. 請求項13に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
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