JP2004209429A - 液滴吐出システム、液滴吐出ヘッドの吐出量測定方法、液滴吐出ヘッドの吐出量適正化方法、電気光学装置、電気光学装置の製造方法および電子機器 - Google Patents

液滴吐出システム、液滴吐出ヘッドの吐出量測定方法、液滴吐出ヘッドの吐出量適正化方法、電気光学装置、電気光学装置の製造方法および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】液滴吐出ヘッドの液滴吐出量を正確に調整することができる液滴吐出システム、液滴吐出ヘッドの吐出量測定方法、液滴吐出ヘッドの吐出量適正化方法、かかる液滴吐出システムを用いて製造される電気光学装置、かかる液滴吐出システムを用いる電気光学装置の製造方法、および、かかる電気光学装置を備える電子機器を提供すること。
【解決手段】本発明の液滴吐出システム10は、液滴吐出装置1と、これを収容するチャンバ91とを備える。液滴吐出装置1は、ワークとしての基板に対して液滴を吐出する複数の液滴吐出ヘッドを有するヘッドユニット11と、液滴吐出ヘッドの液滴の吐出量を測定するために液滴吐出ヘッドが吐出した液滴を受ける吐出量測定用液受け部を有する吐出量測定用ユニット84とを備える。チャンバ91の内部は、環境条件としての温度および湿度が調整される。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液滴吐出システム、液滴吐出ヘッドの吐出量測定方法、液滴吐出ヘッドの吐出量適正化方法、電気光学装置、電気光学装置の製造方法および電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンターのインクジェット方式(液滴吐出方式)を応用して、例えば液晶表示装置におけるカラーフィルタや有機EL表示装置等を製造したり、基板上に金属配線を形成したりするのに使用する産業用の液滴吐出装置(インクジェット描画装置)が提案されている。
【0003】
このような液滴吐出装置では、液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)から吐出される液滴の量を適正な値(予め設定した値)に正確に管理(調整)しないと、形成(描画)するパターンの精度に悪影響を及ぼす。そこで、従来の液滴吐出装置では、液滴吐出ヘッドから吐出した液滴の重量を測定し、その測定値に基づいて液滴吐出ヘッドが吐出する液滴の量を調整している(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような液滴吐出装置には、近年、より微細な(高密度の)パターンを形成(描画)することが要求されており、精度のさらなる向上が求められている。このため、液滴吐出ヘッドの吐出量についてもより正確に調整することが必要とされている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−248925号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、液滴吐出ヘッドの液滴吐出量を正確に調整することができる液滴吐出システム、液滴吐出ヘッドの吐出量測定方法、液滴吐出ヘッドの吐出量適正化方法、かかる液滴吐出システムを用いて製造される電気光学装置、かかる液滴吐出システムを用いる電気光学装置の製造方法、および、かかる電気光学装置を備える電子機器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の液滴吐出システムは、ワークに対して液滴を吐出する少なくとも1つの液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッドの液滴の吐出量を測定するために前記液滴吐出ヘッドが吐出した液滴を受ける吐出量測定用液受け部とを有する液滴吐出装置と、
前記液滴吐出装置を収容し、その内部の環境条件を調整可能なチャンバとを備えることを特徴とする。
これにより、液滴吐出ヘッドの液滴吐出量を予め正確に測定することが可能となり、その結果、液滴吐出量を適正な値に正確に調整することができる液滴吐出システムを提供することができる。
【0007】
本発明の液滴吐出システムでは、前記環境条件は、雰囲気の温度および湿度の少なくとも一方を含むことが好ましい。
これにより、液滴吐出ヘッドの液滴吐出量をより正確に測定することができる。
本発明の液滴吐出システムは、前記チャンバ内部の環境条件を管理した状態で前記液滴吐出ヘッドが前記ワークに対し液滴の吐出を行うことが好ましい。
これにより、ワークに対する吐出液滴によるパターンの形成(描画)を高い精度で行うことができる。
【0008】
本発明の液滴吐出システムは、前記液滴吐出ヘッドが前記吐出量測定用液受け部に対して液滴を吐出する際、前記チャンバ内の環境条件を、前記ワークに対して液滴を吐出する際に管理するのと同様の環境条件に管理して行うことが好ましい。
これにより、液滴吐出ヘッドの液滴吐出量を予め正確に測定することが可能となる。
本発明の液滴吐出システムは、前記チャンバ内の環境条件を調節する空調装置をさらに備えることが好ましい。
これにより、ワークに対する吐出液滴によるパターンの形成(描画)を高い精度で行うことができる。
【0009】
本発明の液滴吐出システムでは、前記液滴吐出ヘッドの液滴の吐出量の測定は、前記吐出量測定用液受け部で受けた液滴の重量を測定することにより行われるものであることが好ましい。
これにより、液滴吐出ヘッドの液滴吐出量を容易かつ正確に測定することができる。
【0010】
本発明の液滴吐出システムでは、前記吐出量測定用液受け部は、受けた液滴を吸収し得る液体吸収体を有することが好ましい。
これにより、液滴吐出ヘッドの液滴吐出量をより正確に測定することができるとともに、吐出量測定用液受け部内の液体をこぼすようなおそれがなく、取り扱いが容易となる。
【0011】
本発明の液滴吐出システムでは、前記液滴吐出装置は、前記液滴吐出ヘッドを複数個有し、
前記各液滴吐出ヘッドに対しそれぞれ前記吐出量測定用液受け部が設けられていることが好ましい。
これにより、各液滴吐出ヘッドの液滴吐出量を個別に測定することができる。
本発明の液滴吐出システムでは、前記吐出量測定用液受け部は、着脱可能に設置されていることが好ましい。
これにより、吐出量測定用液受け部を取り外して、受けた液体の量を液滴吐出システムの外部で測定することができる。
【0012】
本発明の液滴吐出システムは、複数個の前記吐出量測定用液受け部をまとめて支持する着脱可能に設置された支持体をさらに備え、
前記複数個の吐出量測定用液受け部を前記支持体ごと着脱可能であることが好ましい。
これにより、複数個の吐出量測定用液受け部をまとめて着脱することができ、作業を容易かつ迅速に行うことができる。
【0013】
本発明の液滴吐出システムでは、前記吐出量測定用液受け部は、その高さを調整可能に設置されていることが好ましい。
これにより、液滴吐出ヘッドと吐出量測定用液受け部との距離を適切に調整することができ、その結果、液滴が周囲に飛散するのを確実に防止することができる。
【0014】
本発明の液滴吐出システムでは、前記液滴吐出装置は、装置本体と、
ワークが載置されるワーク載置部と、
前記液滴吐出ヘッドと前記ワーク載置部とを相対的に移動させる相対移動機構とをさらに有することが好ましい。
これにより、目的に合わせてワーク上に多彩なパターンを形成(描画)することができる。
【0015】
本発明の液滴吐出システムでは、前記装置本体は、定盤を有し、前記ワーク載置部および前記相対移動機構は、前記定盤に支持されていることが好ましい。
これにより、吐出液滴によるパターンの形成(描画)をさらに高い精度で行うことができる。
本発明の液滴吐出システムでは、前記吐出量測定用液受け部は、前記定盤の外部に設置されていることが好ましい。
これにより、定盤のコスト低減および重量軽減が図れる。
【0016】
本発明の液滴吐出システムでは、前記相対移動機構は、前記ワーク載置部を前記装置本体に対し水平な一方向(以下、「Y軸方向」と言う)に移動させるY軸方向移動機構と、前記液滴吐出ヘッドを前記装置本体に対し前記Y軸方向に垂直かつ水平な方向(以下、「X軸方向」と言う)に移動させるX軸方向移動機構とで構成されることが好ましい。
これにより、目的に合わせてワーク上に多彩なパターンを形成(描画)することができる。
【0017】
本発明の液滴吐出システムは、前記ワーク載置部と前記液滴吐出ヘッドとを相対的に移動させつつ前記液滴吐出ヘッドから液滴を吐出することにより、前記ワークに所定のパターンを形成することが好ましい。
これにより、目的に合わせてワーク上に多彩なパターンを形成(描画)することができる。
【0018】
本発明の液滴吐出ヘッドの吐出量測定方法は、ワークに対して液滴を吐出する液滴吐出ヘッドの吐出量を、ワークに対して液滴を吐出する前に予め測定する液滴吐出ヘッドの吐出量測定方法であって、
前記液滴吐出ヘッドの前記ワークに対する液滴の吐出は、環境条件を管理した雰囲気中で行うものであり、
前記ワークに対して液滴を吐出する際に管理するのと同様の環境条件に管理した雰囲気中で前記液滴吐出ヘッドから液滴を吐出し、このときに吐出された液滴の量を測定することを特徴とする。
これにより、ワークに対する液滴吐出ヘッドからの液滴吐出量を予め正確に測定することができる。
【0019】
本発明の液滴吐出ヘッドの吐出量測定方法は、前記液滴吐出ヘッドから吐出された液滴を液受け部で受けて、前記液受け部が受けた液滴の重量を測定することが好ましい。
これにより、液滴吐出ヘッドの液滴吐出量を容易かつ正確に測定することができる。
【0020】
本発明の液滴吐出ヘッドの吐出量適正化方法は、本発明の液滴吐出ヘッドの吐出量測定方法によって得られた測定値に基づいて、前記液滴吐出ヘッドの液滴の吐出量を調整して適正化することが好ましい。
これにより、液滴吐出ヘッドの液滴吐出量を適正な値に正確に調整することができ、ひいては、ワークに形成(描画)するパターンの高精度化に寄与する。
本発明の電気光学装置は、本発明の液滴吐出システムを用いて製造されたことを特徴とする。
これにより、高い精度でパターンが形成(描画)された高性能の部品を備えるとともに、製造コストの低い電気光学装置を提供することができる。
【0021】
本発明の電気光学装置の製造方法は、本発明の液滴吐出システムを用いることを特徴とする。
これにより、ワークに対するパターンの形成(描画)を高い精度で行うことができるとともに、製造コストの低減が図れる電気光学装置の製造方法を提供することができる。
本発明の電子機器は、本発明の電気光学装置を備えることを特徴とする。
これにより、高い精度でパターンが形成(描画)された高性能の部品を備えるとともに、製造コストの低い電子機器を提供することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の液滴吐出システム、液滴吐出ヘッドの吐出量測定方法および液滴吐出ヘッドの吐出量適正化方法を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1および図2は、それぞれ、本発明の液滴吐出システムの実施形態を示す平面図および側面図である。なお、以下では、説明の便宜上、水平な一方向(図1および図2中の左右方向に相当する方向)を「Y軸方向」と言い、このY軸方向に垂直であって水平な方向(図1中の上下方向に相当する方向)を「X軸方向」と言う。また、Y軸方向であって図1および図2中の右方向への移動を「Y軸方向に前進」、Y軸方向であって図1および図2中の左方向への移動を「Y軸方向に後退」と言い、X軸方向であって図1中の下方向への移動を「X軸方向に前進」、X軸方向であって図1中の上方向への移動を「X軸方向に後退」と言う。
図1および図2に示す液滴吐出システム(液滴吐出系)10は、液滴吐出ヘッド111を有する液滴吐出装置(インクジェット描画装置)1と、この液滴吐出装置1を収容するチャンバ(チャンバルーム)91とを備えている。
【0023】
液滴吐出装置1は、ワークとしての基板Wに対し、例えばインクや、目的とする材料を含む機能液等の液体(吐出液)をインクジェット方式(液滴吐出方式)により微小な液滴の状態で吐出して所定のパターンを形成(描画)する装置であり、例えば液晶表示装置におけるカラーフィルタや有機EL表示装置等を製造したり、基板上に金属配線を形成したりするのに用いることができるものである。液滴吐出装置1が対象とする基板Wの素材は、特に限定されず、板状の部材であればいかなるものでもよいが、例えば、ガラス基板、シリコン基板、フレキシブル基板等を対象とすることができる。
【0024】
また、本発明で対象とするワークは、板状の部材に限らず、底面が平らな部材であればいかなるものでもよい。例えば、本発明は、レンズをワークとし、このレンズに液滴を吐出することにより光学薄膜等のコーティングを形成する液滴吐出装置などにも適用することができる。また、本発明は、比較的大型のワーク(例えば、長さ、幅がそれぞれ数十cm〜数m程度のもの)にも対応することができる比較的大型の液滴吐出装置1に特に好ましく適用することができる。
【0025】
この液滴吐出装置1は、装置本体2と、ワーク載置部としての基板搬送テーブル(基板搬送ステージ)3と、複数の液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)111を有するヘッドユニット11と、装置本体2の側方に設置された付帯装置(メンテナンス装置)12と、タンクユニット13と、基板Wにガスを吹き付けるブロー装置14と、基板搬送テーブル3の移動距離を測定するレーザー測長器15と、ドット抜け検出ユニット19とを備えている。
【0026】
液滴吐出ヘッド111から吐出する液体としては、特に限定されず、カラーフィルタのフィルタ材料を含むインクの他、例えば以下のような各種の材料を含む液体(サスペンション、エマルション等の分散液を含む)とすることができる。
・有機EL(electroluminescence)装置におけるEL発光層を形成するための発光材料。・電子放出装置における電極上に蛍光体を形成するための蛍光材料。・PDP(Plasma Display Panel)装置における蛍光体を形成するための蛍光材料。・電気泳動表示装置における泳動体を形成する泳動体材料。・基板Wの表面にバンクを形成するためのバンク材料。・各種コーティング材料。・電極を形成するための液状電極材料。・2枚の基板間に微小なセルギャップを構成するためのスペーサを構成する粒子材料。・金属配線を形成するための液状金属材料。・マイクロレンズを形成するためのレンズ材料。・レジスト材料。・光拡散体を形成するための光拡散材料。
【0027】
図2に示すように、装置本体2は、床上に設置された架台21と、架台21上に設置された石定盤(定盤)22とを有している。石定盤22の上には、基板搬送テーブル3が装置本体2に対しY軸方向に移動可能に設置されている。基板搬送テーブル3は、リニアモータ51の駆動により、Y軸方向に前進・後退する。基板Wは、基板搬送テーブル3上に載置される。
【0028】
液滴吐出装置1では、基板搬送テーブル3と同程度の大きさの比較的大型の基板Wから、基板搬送テーブル3より小さい比較的小型の基板Wまで、様々な大きさおよび形状の基板Wを対象にすることができる。基板Wは、原則としては基板搬送テーブル3と中心を一致させるように位置決めした状態で液滴吐出動作をすることが好ましいが、比較的小型の基板Wの場合には、基板搬送テーブル3の端に寄せた位置に位置決めして液滴吐出動作をしてもよい。
【0029】
図1に示すように、基板搬送テーブル3のX軸方向に沿った2つの辺の付近には、それぞれ、基板Wに対する液滴吐出(描画)前に液滴吐出ヘッド111から捨て吐出(予備吐出、フラッシング、または捨て打ちとも呼ばれる)された液滴を受ける描画前フラッシングユニット104が設置されている。描画前フラッシングユニット104には、吸引チューブ(図示せず)が接続されており、捨て吐出された吐出液は、この吸引チューブを通って回収され、タンクユニット13に設置された排液タンク内に貯留される。
【0030】
基板搬送テーブル3のY軸方向の移動距離は、移動距離検出手段としてのレーザー測長器15により測定される。レーザー測長器15は、装置本体2側に設置されたレーザー測長器センサヘッド151、ミラー152およびレーザー測長器本体153と、基板搬送テーブル3側に設置されたコーナーキューブ154とを有している。レーザー測長器センサヘッド151からX軸方向に沿って出射したレーザー光は、ミラー152で屈曲してY軸方向に進み、コーナーキューブ154に照射される。コーナーキューブ154での反射光は、ミラー152を経て、レーザー測長器センサヘッド151に戻る。液滴吐出装置1では、このようなレーザー測長器15によって検出された基板搬送テーブル3の移動距離(現在位置)に基づいて、液滴吐出ヘッド111からの吐出タイミングが生成される。
【0031】
装置本体2には、ヘッドユニット11を支持するメインキャリッジ61が、基板搬送テーブル3の上方空間においてX軸方向に移動可能に設置されている。複数の液滴吐出ヘッド111を有するヘッドユニット11は、リニアモータとガイドとを備えたリニアモータアクチュエータ62の駆動により、メインキャリッジ61とともにX軸方向に前進・後退する。
【0032】
本実施形態の液滴吐出装置1では、液滴吐出ヘッド111のいわゆる主走査は、基板搬送テーブル3をY軸方向に移動しつつ、レーザー測長器15を用いて生成した吐出タイミングに基づいて、液滴吐出ヘッド111の駆動(吐出液滴の選択的吐出)を行う。また、これに対応して、いわゆる副走査は、ヘッドユニット11(液滴吐出ヘッド111)のX軸方向への移動により行われる。
【0033】
また、装置本体2には、基板W上に吐出された液滴を半乾燥させるブロー装置14が設置されている。ブロー装置14は、X軸方向に沿ってスリット状に開口するノズルを有しており、基板Wを基板搬送テーブル3によりY軸方向に搬送しつつ、このノズルより基板Wへ向けてガスを吹き付ける。本実施形態の液滴吐出装置1では、Y軸方向に互いに離れた個所に位置する2個のブロー装置14が設けられている。
【0034】
ドット抜け検出ユニット19は、石定盤22上における基板搬送テーブル3の移動領域と重ならない場所であって、ヘッドユニット11の移動領域の下方に位置する場所に固定的に設置されている。ドット抜け検出ユニット19は、液滴吐出ヘッド111のノズルの目詰まりが原因となって生じるドット抜けを検出するものであり、例えばレーザー光を投光・受光する投光部および受光部を備えている。
【0035】
ドット抜け検出を行う際には、ヘッドユニット11がドット抜け検出ユニット19の上方空間をX軸方向に移動しつつ、各ノズルから液滴を捨て吐出し、ドット抜け検出ユニット19は、この捨て吐出された液滴に対し投光・受光を行って、目詰まりしているノズルの有無および個所を光学的に検出する。この際に液滴吐出ヘッド111から吐出された吐出液は、ドット抜け検出ユニット19が備える受け皿に溜まり、この受け皿の底部に接続された吸引チューブ(図示せず)を通って回収され、タンクユニット13に設置された排液タンク内に貯留される。
【0036】
タンクユニット13には、液滴吐出ヘッド111へ供給される吐出液を貯留する吐出液タンク(一次タンク)、洗浄液タンク、再利用タンクおよび排液タンク(いずれも図示せず)がそれぞれ設置されている。前記洗浄液タンクには、後述するクリーニングユニット81へ供給される洗浄液が貯留される。前記再利用タンクには、後述するキャッピングユニット83から回収された吐出液が貯留される。前記排液タンクには、描画前フラッシングユニット104、ドット抜け検出ユニット19および後述する定期フラッシングユニット82からそれぞれ回収された吐出液が貯留される。
また、前記吐出液タンクおよび洗浄液タンク内は、それぞれ、液滴吐出装置1の近傍(好ましくは後述するチャンバ91の外)に設置された図示しない加圧気体供給源から供給された例えば窒素ガス等の加圧気体により加圧され、この圧力によって、吐出液および洗浄液が送出される。
【0037】
液滴吐出装置1の近傍には、制御装置(制御手段)16が設けられている。制御装置16は、液滴吐出装置1の各部の作動を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)と、液滴吐出装置1の制御動作を実行するためのプログラム等の各種プログラムおよび各種データを記憶(格納)する記憶部とを有している。図示の構成では、制御装置16は、後述するチャンバ91の外部に設置されている。
【0038】
このような液滴吐出装置1は、チャンバ装置9により、雰囲気の温度および湿度が管理された環境下で基板Wに対する液滴の吐出(描画)を行う。チャンバ装置9は、液滴吐出装置1を収容(収納)するチャンバ91と、チャンバ91の外部に設置された空調装置92とを有している。空調装置92は、公知のエアーコンディショナー装置を内蔵しており、空気の温度および湿度を調節(調整)して、この空気を導入ダクト93を介してチャンバ91の天井裏911に送り込む。空調装置92から天井裏911に送り込まれた空気は、天井に設置されたフィルタ912を透過して、チャンバ91の主室913に導入される。
【0039】
チャンバ91内には、主室913のほかに、隔壁914、915により副室916が設けられており、タンクユニット13は、この副室916内に設置されている。隔壁914には、主室913と副室916とを連通する連通部(開口)917が形成されている。
副室916には、チャンバ91の外部に対する開閉扉(開閉部)918が設けられている(図1参照)。なお、副室916の開閉部は、開閉扉918のような開き戸に限らず、引き戸、シャッターなどでもよい。
また、副室916には、副室916内の気体を排出する排気口が形成され、この排気口には、外部へ伸びる排気ダクト94が接続されている。主室913内の空気は、連通部917を通過して副室916に流入した後、排気ダクト94を通過してチャンバ装置9の外部に排出される。
【0040】
このようなチャンバ装置9によって液滴吐出装置1の周囲の温度および湿度が管理されることにより、温度変化による基板Wや装置各部の膨張・収縮が原因となって誤差が生じるのを防止することができ、基板W上に吐出液滴によって描画(形成)されるパターンの精度をより高くすることができる。また、タンクユニット13も温度および湿度が管理された環境に置かれるので、吐出液の粘度等の特性も安定し、吐出液滴によるパターンの形成(描画)をより高い精度で行うことができる。また、チャンバ91内へのチリ、ホコリ等の侵入を防止することができ、基板Wを清浄に維持することができる。
なお、チャンバ91内には、空気以外のガス(例えば窒素、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等の不活性ガスなど)を空調して供給・充填し、このガスの雰囲気中で液滴吐出装置1を稼動することとしてもよい。
【0041】
また、このような液滴吐出システム10では、開閉扉918を開くことにより、主室913を外部に開放することなく、タンクユニット13にアクセスすることができる。これにより、タンクユニット13へのアクセス時に液滴吐出装置1の周囲(環境)の管理された温度および湿度を乱すことがないので、タンクの交換、液体の補充または回収を行った直後でも、高い精度でパターンの形成(描画)を行うことができる。また、タンクの交換、液体の補充または回収を行った後でも、主室913内の温度や液滴吐出装置1の各部の温度が管理された値に戻るのを待たずに済むので、スループット(生産能率)の向上が図れる。このようなことから、基板W等のワークを高い精度で量産するのに極めて有利であり、製造コスト低減が図れる。
【0042】
図3は、図1および図2に示す液滴吐出装置における架台、石定盤および基板搬送テーブルを示す平面図、図4は、図1および図2に示す液滴吐出装置における架台、石定盤および基板搬送テーブルを示す側面図である。
図3および図4に示すように、石定盤22の上には、基板搬送テーブル3と、基板搬送テーブル3をY軸方向に移動させるY軸方向移動機構5とが設置されている。図3に示すように、基板搬送テーブル3には、載置された基板Wを吸着して固定するための複数の吸引口(吸引部)332が形成されている。
【0043】
図4に示すように、Y軸方向移動機構5は、リニアモータ51と、エアスライダ52とを有している。エアスライダ52は、石定盤22上でY軸方向に沿って延在するスライドガイド521と、このスライドガイド521に沿って移動するスライドブロック522とを有している。スライドブロック522は、スライドガイド521との間に空気を吹き出す吹き出し口を有しており、この吹き出し口から吹き出す空気をスライドガイド521との間に介在させることにより、円滑に移動可能になっている。
【0044】
スライドブロック522上には、ベース108が固定され、このベース108の上に、基板搬送テーブル3がθ軸回転機構105を介して固定されている。このようにして、基板搬送テーブル3は、エアスライダ52によってY軸方向に円滑に移動可能に支持され、リニアモータ51の駆動によりY軸方向に移動するようになっている。また、基板搬送テーブル3は、θ軸回転機構105により、基板搬送テーブル3の中心を通る鉛直なθ軸を回転中心として所定範囲で回動可能になっている。
【0045】
Y軸方向移動機構5の上方には、例えばステンレス鋼等の金属材料で構成された一対の帯状の薄板101がY軸方向移動機構5を上側から覆うように張り渡されている。薄板101は、ベース108の上面に形成された凹部(溝)内を通ってベース108とθ軸回転機構105との間を挿通している。この薄板101が設けられていることにより、液滴吐出ヘッド111から吐出された吐出液がY軸方向移動機構5に付着するのを防止することができ、Y軸方向移動機構5を保護することができる。
【0046】
石定盤22は、無垢の石材で構成され、その上面は、高い平面度を有している。この石定盤22は、環境温度変化に対する安定性、振動に対する減衰性、経年変化(劣化)に対する安定性、吐出液に対する耐食性等の各種の特性に優れている。本実施形態では、このような石定盤22によってY軸方向移動機構5および後述するX軸方向移動機構6を支持したことにより、環境温度変化、振動、経年変化(劣化)等の影響による誤差が少なく、基板搬送テーブル3とヘッドユニット11(液滴吐出ヘッド111)との相対的な移動に高い精度が得られるとともに、その高い精度を常に安定して維持することができる。その結果、吐出液滴によるパターンの形成(描画)をより高い精度で、かつ常に安定して行うことができる。
石定盤22を構成する石材は、特に限定されないが、ベルファストブラック、ラステンバーグ、クルヌールおよびインディアンブラックのいずれかであるのが好ましい。これにより、石定盤22の上記の各特性をより優れたものとすることができる。
【0047】
このような石定盤22は、架台21に支持されている。架台21は、アングル材等を方形に組んで構成された枠体211と、枠体211の下部に分散配置された複数の支持脚212とを有している。架台21は、好ましくは空気バネまたはゴムブッシュ等による防振構造を有しており、床からの振動を石定盤22に極力伝達しないように構成されている。
また、石定盤22は、好ましくは架台21と非締結状態(非固定状態)で架台21に支持(載置)されている。これにより、架台21に生じる熱膨張等が石定盤22に影響するのを回避することができ、その結果、吐出液滴によるパターンの形成(描画)をさらに高い精度で行うことができる。
【0048】
また、本実施形態では、石定盤22は、平面視で、Y軸方向に長い長方形をなすY軸方向移動機構支持部221と、このY軸方向移動機構支持部221の長手方向の途中の部分からX軸方向に両側にそれぞれ突出する支柱支持部222および223とで構成されており、その結果、石定盤22の形状は、平面視で十字状をなしている。換言すれば、石定盤22は、平面視で、長方形から4つの隅部付近を除去したような形状をなしている。支柱支持部222および223上には、後述する4本の支柱23が設置される。すなわち、石定盤22は、平面視で、長方形から、Y軸方向移動機構5および支柱23を設置しない部分を除去したような形状をなすものとなっている。
【0049】
これにより、石定盤22の重量を軽減することができ、また、石定盤22が占める領域を少なくできるので、液滴吐出装置1の据え付け場所への輸送が容易になるとともに、工場の据え付け場所の床の耐荷重も小さくて済み、また、工場内での液滴吐出システム10の占有面積を小さくすることができる。なお、このような本実施形態における石定盤22は、1個の石材で構成されていても、複数個の石材を組み合わせて構成されていてもよい。
【0050】
図5は、図1および図2に示す液滴吐出装置におけるヘッドユニットおよびX軸方向移動機構を示す平面図、図6は、図5中の矢印A方向から見た側面図、図7は、図5中の矢印B方向から見た正面図である。
図6および図7に示すように、石定盤22(支柱支持部222および223)の上には、Y軸方向移動機構5を挟んで2本ずつ対峙する計4本の支柱23と、これらの支柱23に支持されたX軸方向に沿って延びる互いに平行な2本の桁(梁)24および25とが設置されている。基板搬送テーブル3は、この桁24および25の下を通過可能になっている。
【0051】
液滴吐出ヘッド111(ヘッドユニット11)をX軸方向に移動させるX軸方向移動機構6は、桁24および25を介して、4本の支柱23に支持されている。図5に示すように、X軸方向移動機構6は、ヘッドユニット11を支持するメインキャリッジ(ヘッドユニット支持体)61と、桁24上に設置され、メインキャリッジ61をX軸方向に案内するとともに駆動するリニアモータアクチュエータ62と、桁25上に設置され、メインキャリッジ61をX軸方向に案内するガイド63とを有している。メインキャリッジ61は、リニアモータアクチュエータ62とガイド63との間に架け渡されるようにして設置されている。
なお、本実施形態では、Y軸方向移動機構5とX軸方向移動機構6とで、基板搬送テーブル3と液滴吐出ヘッド111(ヘッドユニット11)とを相対的に移動させる相対移動機構が構成される。
【0052】
ヘッドユニット11は、メインキャリッジ61に対し着脱可能に支持されている。ヘッドユニット11がメインキャリッジ61とともにX軸方向に移動することにより、液滴吐出ヘッド111の副走査が行われる。
図5および図7に示すように、リニアモータアクチュエータ62およびガイド63は、支柱23を超えてさらに外側に延長して設けられている。これにより、ヘッドユニット11は、後述する付帯装置12の上方にまで移動することができるようになっている。
【0053】
リニアモータアクチュエータ62とガイド63との間には、さらに、カメラキャリッジ106が架け渡されるようにして設置されている。カメラキャリッジ106は、リニアモータアクチュエータ62およびガイド63をメインキャリッジ61と共用するとともに、メインキャリッジ61と独立してX軸方向に移動する。
カメラキャリッジ106には、基板Wの所定の個所に設けられたアライメントマークを画像認識するための認識カメラ107が設置されている。認識カメラ107は、カメラキャリッジ106から下方に吊り下げられた状態で支持されている。なお、認識カメラ107は、他の用途に用いてもよい。
【0054】
図6に示すように、メインキャリッジ61上には、二次タンク412が設置されており、この二次タンク412には、タンクユニット13に設置された吐出液タンク(一次タンク)から延びる給液配管411が接続されている。給液配管411は、可撓性を有するチューブで構成されている。この給液配管411の途中には、メインキャリッジ61とともに移動する二次タンク412の移動に合わせて給液配管411の二次タンク412側の部分が移動可能となるように給液配管411を中継する中継部413が設けられている。
【0055】
二次タンク412には、ヘッドユニット11が備える12個の液滴吐出ヘッド111の各々に対応する12本の分岐配管414の一端がそれぞれ接続されており、これらの分岐配管414の他端は、ヘッドユニット11に設けられた、各液滴吐出ヘッド111に対応する12個の流入口112にそれぞれ接続されている。なお、図6中では、見易くするため、12本の分岐配管414のうちの2本のみを図示する。
【0056】
各分岐配管414の途中には、遮断弁415が設けられている。給液配管411を通った吐出液は、二次タンク412に流入し、二次タンク412内で圧力調整された後、各分岐配管414を通って各液滴吐出ヘッド111に供給される。遮断弁415は、二次タンク412内の圧力を調整する負圧制御ユニットが何らかの原因で機能しない場合、分岐配管414の流路を遮断し、二次タンク412より低い位置にある液滴吐出ヘッド111に二次タンク412から吐出液が流れ続けて液滴吐出ヘッド111から漏出するのを防止する。
【0057】
図8は、図1および図2に示す液滴吐出装置におけるパターン形成動作(描画動作)を説明するための模式図である。図8に示すように、ヘッドユニット11には、液滴吐出ヘッド111が複数個(本実施形態では12個)設置されている。各液滴吐出ヘッド111のノズル形成面には、液滴を吐出する多数の吐出ノズル(開口)が一列または二列以上に並んで形成されている。ヘッドユニット11において、12個の液滴吐出ヘッド111は、6個ずつ二列に副走査方向(X軸方向)に並んで配置されるとともに、各液滴吐出ヘッド111は、そのノズル列が副走査方向に対し傾斜した姿勢になっている。
【0058】
液滴吐出ヘッド111には、各吐出ノズルに対し、それぞれ、駆動素子としての図示しない圧電素子(ピエゾ素子)を有する駆動部が設けられている。前記制御装置16は、各液滴吐出ヘッド111に対し、それぞれ、図示しないドライバを介して前記各駆動部の駆動を制御する。これにより、各液滴吐出ヘッド111は、所定の液滴吐出ヘッド111の所定の吐出ノズルからそれぞれ液滴を吐出する。この場合、例えば、圧電素子に所定の電圧が印加されると、その圧電素子が変形(伸縮)し、これにより対応する圧力室(液室)内が加圧され、対応する吐出ノズル(当該圧力室に連通する吐出ノズル)から所定量の液滴が吐出される。なお、本発明では、液滴吐出ヘッド111は、上記のような構成に限らず、例えば、吐出液を駆動素子としてのヒータで加熱して沸騰させ、その圧力によって液滴を吐出ノズルから吐出するように構成されたようなものであってもよい。
【0059】
また、ヘッドユニット11における各液滴吐出ヘッド111の上述した配列パターンは一例であり、例えば、各ヘッド列における隣接する液滴吐出ヘッド111同士を90°の角度を持って配置(隣接ヘッド同士が「ハ」字状)したり、各ヘッド列間における液滴吐出ヘッド111を90°の角度を持って配置(列間ヘッド同士が「ハ」字状)したりしてもよい。いずれにしても、複数個の液滴吐出ヘッド111の全吐出ノズルによるドットが副走査方向において連続していればよい。
【0060】
さらに、液滴吐出ヘッド111は、副走査方向に対し傾斜した姿勢で設置されていなくてもよく、また、複数個の液滴吐出ヘッド111が千鳥状、階段状に配設されていてもよい。また、所定長さのノズル列(ドット列)を構成できる限り、これを単一の液滴吐出ヘッド111で構成してもよい。また、メインキャリッジ61に複数のヘッドユニット11が設置されていてもよい。
【0061】
次に、制御装置16の制御による液滴吐出装置1の全体の作動について簡単に説明する。基板搬送テーブル3上に基板Wが給材され、液滴吐出装置1が備える基板位置決め装置(説明省略)の作動により基板搬送テーブル3上で所定の位置に位置決め(プリアライメント)されると、基板搬送テーブル3の各吸引口332からのエアー吸引により、基板Wは、基板搬送テーブル3に吸着・固定される。次いで、基板搬送テーブル3およびカメラキャリッジ106がそれぞれ移動することにより、認識カメラ107が基板Wの所定の個所(1箇所または複数箇所)に設けられたアライメントマークの上方に移動し、このアライメントマークを認識する。この認識結果に基づいて、θ軸回転機構105が作動して基板Wのθ軸回りの角度が補正されるとともに、基板WのX軸方向およびY軸方向の位置補正がデータ上で行われる(本アライメント)。
以上のような基板Wのアライメント作業が完了すると、液滴吐出装置1は、基板W上に所定のパターンを形成(描画)する動作を開始する。この動作は、液滴吐出ヘッド111(ヘッドユニット11)を基板Wに対し主走査および副走査することにより行われる。
【0062】
本実施形態の液滴吐出装置1では、主走査は、ヘッドユニット11を装置本体2に対し停止した(移動しない)状態で、基板搬送テーブル3の移動により基板WをY軸方向に移動させながら、基板Wに対し各液滴吐出ヘッド111から液滴を吐出することにより行う。すなわち、本実施形態では、Y軸方向が主走査方向となる。
【0063】
この主走査は、基板搬送テーブル3の前進(往動)中に行っても、後退(復動)中に行っても、前進および後退の両方(往復)で行ってもよい。また、基板搬送テーブル3を複数回往復させて、複数回繰り返し行ってもよい。このような主走査により、基板W上の、所定の幅(ヘッドユニット11により吐出可能な幅)で主走査方向に沿って延びる領域に、液滴の吐出が終了する。
【0064】
このような主走査の後、副走査を行う。副走査は、液滴の非吐出時に、メインキャリッジ61の移動により、ヘッドユニット11を前記所定の幅の分だけX軸方向に移動させることにより行う。すなわち、本実施形態では、X軸方向が副走査方向となる。
このような副走査の後、前記と同様の主走査を行う。これにより、前回の主走査で液滴が吐出された領域に隣接する領域に対し、液滴が吐出される。
このようにして、主走査と副走査とを交互に繰り返し行うことにより、基板Wの全領域に対して液滴が吐出され、基板W上に、吐出された液滴(液体)による所定のパターンを形成(描画)することができる。
【0065】
なお、本発明では、主走査方向と副走査方向とは、上述したのと逆になっていてもよい。すなわち、基板W(基板搬送テーブル3)を停止させた状態で液滴吐出ヘッド111(ヘッドユニット11)をX軸方向に移動させながら基板Wに対して液滴を吐出することによって主走査を行い、液滴の非吐出時に基板W(基板搬送テーブル3)をY軸方向に移動させることによって副走査を行うように構成されていてもよい。
【0066】
図9は、図1および図2に示す液滴吐出システムの液滴吐出装置における付帯装置を示す斜視図、図10および図11は、それぞれ、図9に示す付帯装置における吐出量測定用ユニットを示す斜視図である。
付帯装置12は、装置本体2の架台21および石定盤22の側方(装置本体2に対しX軸方向前方側)に設置されている。図9に示すように、この付帯装置12は、クリーニングユニット(ワイピングユニット)81と、定期フラッシングユニット82と、キャッピングユニット83と、吐出量測定用ユニット(重量測定用ユニット)84とを有している。
【0067】
ヘッドユニット11は、例えば基板Wの給材時および除材時などには、付帯装置12の上方の位置で待機する。そして、この待機中には、各液滴吐出ヘッド111のノズル形成面の清掃(クリーニング)やキャッピングを行ったり、定期的な捨て吐出(定期フラッシング)を行ったりする。以下、付帯装置12が備える各ユニットについて順次説明するが、吐出量測定用ユニット84については別途後述する。
【0068】
クリーニングユニット81は、洗浄液を含ませたワイピングシートをローラーにより走行させ、このワイピングシートにより各液滴吐出ヘッド111のノズル形成面を拭き取るよう作動する。このクリーニングユニット81によって液滴吐出ヘッド111のノズル形成面に付着した吐出液を拭い去ることにより、各吐出ノズルからの液滴の吐出方向(飛ばす方向)にヨレ(乱れ)を生じるようなことが防止され、真っ直ぐに液滴を飛ばすことができるので、基板Wに対するパターンの形成(描画)を高い精度を維持して行うことができる。
【0069】
定期フラッシングユニット82は、液滴吐出ヘッド111が捨て吐出した液滴を受ける液受け部を有しており、ヘッドユニット11の待機時のフラッシングに使用される。定期フラッシングユニット82には、吸引チューブ(図示せず)が接続されており、捨て吐出された吐出液は、この吸引チューブを通って回収され、タンクユニット13に設置された排液タンク内に貯留される。
【0070】
キャッピングユニット83は、各液滴吐出ヘッド111に対応するように配置された複数のキャップとこれらキャップを昇降させる昇降機構とを有している。各キャップには、吸引チューブ(図示せず)が接続されており、キャッピングユニット83は、各キャップで各液滴吐出ヘッド111のノズル形成面を覆うとともに、各吐出ノズルから吐出液を吸引することができるようになっている。このようなキャッピングユニット83によるキャッピングを行うことにより、液滴吐出ヘッド111のノズル形成面が乾燥するのを防止したり、ノズル詰まりを回復(解消)したりすることができる。
【0071】
このキャッピングは、ヘッドユニット11の待機時のほか、ヘッドユニット11に吐出液を初期充填する際、吐出液を異種のものに交換する場合にヘッドユニット11から吐出液を排出する際、洗浄液によって流路を洗浄する際などにも行われる。
キャッピングユニット83によるキャッピング中に液滴吐出ヘッド111から排出された吐出液は、前記吸引チューブを通ってタンクユニット13に設置された再利用タンク内に流入し貯留される。この貯留された液体は、回収され、再利用に供される。ただし、流路の洗浄時に回収した洗浄液は再利用しない。
【0072】
付帯装置12は、床上に設置された基台85と、基台85上でY軸方向に移動可能な移動台86とをさらに備えている。基台85は、Y軸方向に長い形状をなしており、その上部には、移動台86をY軸方向に案内する一対のガイド(レール)851が設けられている。また、基台85の上部には、ボールねじ852を有する駆動機構が設置されており、移動台86は、この駆動機構に駆動され、ガイド851に沿ってY軸方向に移動する。
【0073】
クリーニングユニット81、定期フラッシングユニット82、キャッピングユニット83および吐出量測定用ユニット84は、上述した移動台86上にY軸方向に並んで設置されている。そして、ヘッドユニット11が付帯装置12の上方に位置した状態で移動台86がY軸方向に移動することにより、クリーニングユニット81、定期フラッシングユニット82、キャッピングユニット83および吐出量測定用ユニット84のいずれかをヘッドユニット11の下方に位置決めできるようになっている。これにより、ヘッドユニット11は、上述したノズル形成面の清掃、定期フラッシング、キャッピング、および、後述する吐出量測定用ユニット84への液滴の吐出のいずれかを、選択的に行うことができる。
【0074】
次に、図10および図11に基づいて、吐出量測定用ユニット84について説明する。
吐出量測定用ユニット84は、基板Wに対する液滴の吐出前(パターン形成動作前)の準備段階として、液滴吐出ヘッド111の液滴の吐出量(一滴の量)を測定するのに利用されるものである。液滴吐出システム10では、各液滴吐出ヘッド111の液滴吐出量を予め測定し、この測定結果に基づいて各液滴吐出ヘッド111の液滴吐出量を適正な値(予め設定した値)に調整(適正化)した後、基板Wに対して液滴吐出動作を行う。これにより、パターンの形成(描画)を高い精度で行うことができる。
液滴吐出ヘッド111の液滴吐出量の測定および調整を行う時期は、いつでもよく、液滴吐出システム10が初めて稼動するときや、吐出液の種類を変更したときに行うのはもちろん、定期的に行ってもよいし、1枚1枚の基板Wに対する液滴吐出動作前に行ってもよい。
【0075】
図10に示すように、吐出量測定用ユニット84は、ヘッドユニット11の各液滴吐出ヘッド111のそれぞれに対応する複数(液滴吐出ヘッドと同数)の吐出量測定用液受け部(吐出量測定用受け皿)841と、これらの吐出量測定用液受け部841をまとめて支持する板状の支持体842と、移動台86上に固定され、支持体842を保持する基部843とを有している。
【0076】
吐出量測定用液受け部841は、液滴吐出ヘッド111が吐出した液滴を受け、この受けた液体を保持(貯留)する。図11に示すように、各吐出量測定用液受け部841は、それぞれ、支持体842に対し着脱可能になっている。支持体842の上面には、各吐出量測定用液受け部842の底部が挿入する凹部844がそれぞれ形成されており、各吐出量測定用液受け部842を各液滴吐出ヘッド111と同様の配置で位置決めして支持することができるようになっている。
支持体842は、基部843に対し固定部材としての2個の蝶ねじ845によって固定されており、着脱可能になっている。これにより、12個の吐出量測定用液受け部841をまとめて支持体842ごと着脱可能になっており、着脱作業を容易かつ迅速に行うことができる。
【0077】
液滴吐出ヘッド111の液滴吐出量の測定を行う際には、ヘッドユニット11が吐出量測定用ユニット84の上方に位置する状態として、各液滴吐出ヘッド111を駆動し、対応する吐出量測定用液受け部841に対し、各吐出ノズルより液滴を吐出させる。このとき、各吐出ノズルが吐出する液滴の数は、予め定められており、通常は、1〜100000個程度、より好ましくは25000〜50000個程度に設定されるが、何個でもよい。
【0078】
本実施形態では、液滴吐出ヘッド111の液滴吐出量の測定は、吐出量測定用液受け部841で受けた液体(全液滴)の重量を測定することにより行われる。すなわち、液滴を受ける前・後の吐出量測定用液受け部841の重量をそれぞれ測定し、その差をもって、吐出量測定用液受け部841が受けた全液滴の重量とする。そして、この重量を吐出量測定用液受け部841が受けた液滴の数で除算することにより、各吐出ノズルから吐出される一滴の重量が得られる。
【0079】
吐出量測定用液受け部841の重量を測定する際には、12個の吐出量測定用液受け部841を支持体842ごと取り外し、液滴吐出システム10の外部に設けられた図示しない重量測定装置にかける。この重量測定装置は、電子天秤等の重量計を備え、各吐出量測定用液受け部841の重量をそれぞれ好ましくは自動的に測定する。
【0080】
本実施形態では、吐出量測定用液受け部841の重量を液滴吐出システム10の外部で測定することにより、吐出量測定用ユニット84の構造を簡素化することができる。また、複数の液滴吐出システム10を稼動させる場合、前記重量測定装置をこれらの液滴吐出システム10で共用することができ、全体としてコスト低減が図れる。
なお、このような構成と異なり、吐出量測定用ユニット84に重量計を設け、その重量計で各吐出量測定用液受け部841の重量を測定することとしてもよい。
【0081】
液滴吐出システム10では、上記のようにして各液滴吐出ヘッド111の液滴吐出量を測定したら、その測定値に基づいて、各液滴吐出ヘッド111の液滴吐出量を調整する。液滴吐出ヘッド111の液滴吐出量の調整は、液滴吐出ヘッド111が備える前記駆動素子(圧電素子)に対する印加電圧(パルス状印加電圧)の大きさ、周波数および駆動波形形状の少なくとも1つを変化させることにより行うことができる。この調整は、制御手段16の操作パネル(図示せず)を操作して行う。
【0082】
各液滴吐出ヘッド111の液滴吐出量を調整したら、各液滴吐出ヘッド111の液滴吐出量を再度測定して、その測定値が適正な値になっているかどうかを確認してもよい。このようにして、液滴吐出システム10では、液滴吐出ヘッド111の液滴吐出量の測定と調整とを必要に応じて繰り返し行うことにより、液滴吐出ヘッド111の液滴吐出量を適正化する。
【0083】
さて、このような液滴吐出システム10では、前述したように、基板Wに対する液滴吐出動作(パターン形成動作)を、環境条件としての温度および湿度を管理した雰囲気中で行う。一般に、液滴吐出ヘッド111の液滴吐出量は、駆動素子に対する駆動条件が同じでも、雰囲気の温度、湿度、ガスの組成、気圧等の環境条件によって変動する。このため、液滴吐出ヘッド111の液滴吐出量を測定しても、測定時の環境条件が基板Wに対して液滴吐出動作を行うときの環境条件と異なると、その測定値には、実際に基板Wに対して液滴吐出動作を行うときの液滴吐出量に対し誤差が生じてしまう。よって、この測定値に基づいて液滴吐出量を適正化しても、精度の向上に限界がある。
【0084】
このようなことに鑑み、液滴吐出システム10では、液滴吐出ヘッド111が液滴吐出量を測定するために液滴を吐出する際、すなわち吐出量測定用液受け部841に対して液滴を吐出する際、チャンバ91内の温度および湿度(環境条件)を調整することにより、基板Wに対する液滴吐出動作の際に管理するのと同様の温度および湿度(環境条件)に管理(調整)した雰囲気中でこれを行う。
【0085】
これにより、液滴吐出システム10では、液滴吐出量の測定を、実際に基板Wに対して液滴吐出動作を行うときの液滴吐出量との誤差を生じることなく、より正確に行うことができる。そして、液滴吐出システム10では、この正確な測定値に基づいて液滴吐出量を調整して適正化することにより、実際に基板Wに対して液滴吐出動作を行うときの液滴吐出量を適正な値により正確に(高い精度で)近づける(調整する)ことができ、ひいては、基板Wに対するパターンの形成(描画)をより高い精度で正確に行うことができる。
【0086】
本実施形態では、上述したように環境条件として温度および湿度を管理するが、本発明では、吐出量測定用液受け部841に対する液滴吐出時に、環境条件として、雰囲気の温度、湿度、ガスの組成、気圧のうちの少なくとも1つを、基板Wに対する液滴吐出動作の際と同様になるように管理(調整)すればよい。すなわち、基板Wに対する液滴吐出動作時に気圧を管理して行う場合には、吐出量測定用液受け部841に対する液滴吐出時に同様に気圧を管理するのが好ましい。また、基板Wに対する液滴吐出動作時に前述したような空気以外のガスの雰囲気中で行う場合には、吐出量測定用液受け部841に対する液滴吐出時に同様の組成のガスをチャンバ91内に充填して行うのが好ましい。
ただし、上述した環境条件の各項目の間には、液滴吐出量に対する影響度に違いがあり、温度および湿度が最もこの影響度が高いので、本実施形態のように、吐出量測定用液受け部841に対する液滴吐出時の環境条件として温度および湿度の一方または両方を管理するのが好ましい。
【0087】
本実施形態では、吐出量測定用液受け部841は、受けた液滴(液体)を吸収し得る例えばスポンジのような液体吸収体846をその内部に有している。これにより、吐出量測定用液受け部841は、液滴吐出ヘッド111から受ける液滴を周囲に飛散させることなく確実にその内部に保持することができるので、測定誤差を生じることなく、より正確な測定を行うことができる。また、受けた液体が液体吸収体846に吸収されるので、重量測定のために吐出量測定用液受け部841を着脱する際、揺らしても液体をこぼすような心配がなく、取り扱いが容易である。
なお、吐出量測定用液受け部841は、このような構成に限らず、例えば、受ける吐出液より比重の小さい不揮発性液体を予め入れておき、この不揮発性液体中に液滴を受けるように構成されたようなものでもよい。
【0088】
また、本実施形態では、基部843は、支持体842の高さをネジにより調整する高さ調整機構を備えている。これにより、各吐出量測定用液受け部841は、図10に示す下降した位置と、図11に示す上昇した位置との間で、一体となって高さを調整可能になっている。この高さ調整機構によって、液滴吐出ヘッド111と吐出量測定用液受け部841との距離を適切に調整することにより、液滴が周囲に飛散するのをより確実に防止することができる。
なお、各吐出量測定用液受け部841の高さ調整機構は、例えば空気圧シリンダ等の作動により自動で高さを調整可能に構成されていてもよい。
【0089】
また、本実施形態では、吐出量測定用液受け部841を含めた吐出量測定ユニット84は、前述したように装置本体2と別個の付帯装置12に属している。すなわち、吐出量測定ユニット84は、石定盤22の外部に設置されている。これにより、吐出量測定ユニット84を石定盤22上に設置した場合よりも石定盤22の大きさを小さくすることができるので、高価な石定盤22に掛かるコストを低減することができ、また、液滴吐出装置1全体としての重量軽減も図れる。ここで、吐出量測定ユニット84(吐出量測定用液受け部841)は、その位置精度の要求が比較的低いので、石定盤22上に設置しなくても、精度上の問題は生じない。また、本実施形態では、上述したようなことはクリーニングユニット81、定期フラッシングユニット82およびキャッピングユニット83についても同様であり、これにより、さらなるコスト低減および重量軽減が図れる。
【0090】
以上、本発明の液滴吐出システム、液滴吐出ヘッドの吐出量測定方法および液滴吐出ヘッドの吐出量適正化方法を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。また、液滴吐出システムを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0091】
また、本発明では、吐出量の測定は、重量を測定することに限らず、吐出量測定用液受け部で受けた液体の体積を測定してもよい。また、吐出ノズルから吐出された液滴に対しレーザー光などを利用した飛行形状測定を行い、液滴一滴の体積を算出するような方法によって行うものであってもよい。
また、Y軸方向移動機構、X軸方向移動機構は、リニアモータを利用するもの代えて、例えばボールねじ(送りねじ)など利用するものでもよい。
【0092】
さらに、本発明の液滴吐出システムにおける液滴吐出装置は、ヘッドユニット(液滴吐出ヘッド)を装置本体に対し固定とし、ワーク(ワーク載置部)をY軸方向およびX軸方向にそれぞれ移動させることにより、主走査および副走査を行うよう構成されたものでもよい。また、これと逆に、ワーク(ワーク載置部)を装置本体に対し固定とし、ヘッドユニット(液滴吐出ヘッド)をY軸方向およびX軸方向にそれぞれ移動させることにより、主走査および副走査を行うよう構成されたものでもよい。すなわち、本発明における液滴吐出装置は、ワーク載置部と液滴吐出ヘッドとを相対的に移動させる相対移動機構を備えるものであればよい。
また、本発明の電気光学装置は、以上説明したような本発明の液滴吐出システムを用いて製造されたことを特徴とする。本発明の電気光学装置の具体例としては、特に限定されないが、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置などが挙げられる。
【0093】
また、本発明の電気光学装置の製造方法は、本発明の液滴吐出システムを用いることを特徴とする。本発明の電気光学装置の製造方法は、例えば、液晶表示装置の製造方法に適用することができる。すなわち、各色のフィルタ材料を含む液体を本発明の液滴吐出装置を用いて基板に対し選択的に吐出することにより、基板上に多数のフィルタエレメントを配列してなるカラーフィルタを製造し、このカラーフィルタを用いて液晶表示装置を製造することができる。この他、本発明の電気光学装置の製造方法は、例えば、有機EL表示装置の製造方法に適用することができる。すなわち、各色の発光材料を含む液体を本発明の液滴吐出装置を用いて基板に対し選択的に吐出することにより、EL発光層を含む多数の絵素ピクセルを基板上に配列してなる有機EL表示装置を製造することができる。
また、本発明の電子機器は、前述したようにして製造された電気光学装置を備えることを特徴とする。本発明の電子機器の具体例としては、特に限定されないが、前述したようにして製造された液晶表示装置や有機EL表示装置を搭載したパーソナルコンピュータや携帯電話機などが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液滴吐出システムの実施形態を示す平面図。
【図2】本発明の液滴吐出システムの実施形態を示す側面図。
【図3】架台、石定盤および基板搬送テーブルを示す平面図。
【図4】架台、石定盤および基板搬送テーブルを示す側面図。
【図5】ヘッドユニットおよびX軸方向移動機構を示す平面図。
【図6】図5中の矢印A方向から見た側面図。
【図7】図5中の矢印B方向から見た正面図。
【図8】パターン形成動作(描画動作)を説明するための模式図。
【図9】液滴吐出装置における付帯装置を示す斜視図。
【図10】吐出量測定用ユニットを示す斜視図。
【図11】吐出量測定用ユニットを示す斜視図。
【符号の説明】
10……液滴吐出システム、1……液滴吐出装置、2……装置本体、24……桁、25……桁、3……基板テーブル、51……リニアモータ、52……エアスライダ、61……メインキャリッジ、9……チャンバ装置、91……チャンバ、913……主室、914……隔壁、915……隔壁、916……副室、917……連通部、918……開閉扉、92……空調装置、94……排気ダクト、11……ヘッドユニット、12……付帯装置、81……クリーニングユニット、82……定期フラッシングユニット、83……キャッピングユニット、84……吐出量測定用ユニット、86……移動台、13……タンク収納部、15……レーザー測長器、151……レーザー測長器センサヘッド、152……ミラー、153……レーザー測長器本体、154……コーナーキューブ、16……制御装置、19……ドット抜け検出ユニット、104……描画前フラッシングユニット、106……カメラキャリッジ

Claims (22)

  1. ワークに対して液滴を吐出する少なくとも1つの液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッドの液滴の吐出量を測定するために前記液滴吐出ヘッドが吐出した液滴を受ける吐出量測定用液受け部とを有する液滴吐出装置と、
    前記液滴吐出装置を収容し、その内部の環境条件を調整可能なチャンバとを備えることを特徴とする液滴吐出システム。
  2. 前記環境条件は、雰囲気の温度および湿度の少なくとも一方を含む請求項1に記載の液滴吐出システム。
  3. 前記チャンバ内部の環境条件を管理した状態で前記液滴吐出ヘッドが前記ワークに対し液滴の吐出を行う請求項1または2に記載の液滴吐出システム。
  4. 前記液滴吐出ヘッドが前記吐出量測定用液受け部に対して液滴を吐出する際、前記チャンバ内の環境条件を、前記ワークに対して液滴を吐出する際に管理するのと同様の環境条件に管理して行う請求項3に記載の液滴吐出システム。
  5. 前記チャンバ内の環境条件を調節する空調装置をさらに備える請求項1ないし4のいずれかに記載の液滴吐出システム。
  6. 前記液滴吐出ヘッドの液滴の吐出量の測定は、前記吐出量測定用液受け部で受けた液滴の重量を測定することにより行われるものである請求項1ないし5のいずれかに記載の液滴吐出システム。
  7. 前記吐出量測定用液受け部は、受けた液滴を吸収し得る液体吸収体を有する請求項1ないし6のいずれかに記載の液滴吐出システム。
  8. 前記液滴吐出装置は、前記液滴吐出ヘッドを複数個有し、
    前記各液滴吐出ヘッドに対しそれぞれ前記吐出量測定用液受け部が設けられている請求項1ないし7のいずれかに記載の液滴吐出システム。
  9. 前記吐出量測定用液受け部は、着脱可能に設置されている請求項1ないし8のいずれかに記載の液滴吐出システム。
  10. 複数個の前記吐出量測定用液受け部をまとめて支持する着脱可能に設置された支持体をさらに備え、
    前記複数個の吐出量測定用液受け部を前記支持体ごと着脱可能である請求項1ないし9のいずれかに記載の液滴吐出システム。
  11. 前記吐出量測定用液受け部は、その高さを調整可能に設置されている請求項1ないし10のいずれかに記載の液滴吐出システム。
  12. 前記液滴吐出装置は、装置本体と、
    ワークが載置されるワーク載置部と、
    前記液滴吐出ヘッドと前記ワーク載置部とを相対的に移動させる相対移動機構とをさらに有する請求項1ないし11のいずれかに記載の液滴吐出システム。
  13. 前記装置本体は、定盤を有し、前記ワーク載置部および前記相対移動機構は、前記定盤に支持されている請求項12に記載の液滴吐出システム。
  14. 前記吐出量測定用液受け部は、前記定盤の外部に設置されている請求項13に記載の液滴吐出システム。
  15. 前記相対移動機構は、前記ワーク載置部を前記装置本体に対し水平な一方向(以下、「Y軸方向」と言う)に移動させるY軸方向移動機構と、前記液滴吐出ヘッドを前記装置本体に対し前記Y軸方向に垂直かつ水平な方向(以下、「X軸方向」と言う)に移動させるX軸方向移動機構とで構成される請求項12ないし14のいずれかに記載の液滴吐出システム。
  16. 前記ワーク載置部と前記液滴吐出ヘッドとを相対的に移動させつつ前記液滴吐出ヘッドから液滴を吐出することにより、前記ワークに所定のパターンを形成する請求項12ないし15のいずれかに記載の液滴吐出システム。
  17. ワークに対して液滴を吐出する液滴吐出ヘッドの吐出量を、ワークに対して液滴を吐出する前に予め測定する液滴吐出ヘッドの吐出量測定方法であって、
    前記液滴吐出ヘッドの前記ワークに対する液滴の吐出は、環境条件を管理した雰囲気中で行うものであり、
    前記ワークに対して液滴を吐出する際に管理するのと同様の環境条件に管理した雰囲気中で前記液滴吐出ヘッドから液滴を吐出し、このときに吐出された液滴の量を測定することを特徴とする液滴吐出ヘッドの吐出量測定方法。
  18. 前記液滴吐出ヘッドから吐出された液滴を液受け部で受けて、前記液受け部が受けた液滴の重量を測定する請求項17に記載の液滴吐出ヘッドの吐出量測定方法。
  19. 請求項17または18に記載の液滴吐出ヘッドの吐出量測定方法によって得られた測定値に基づいて、前記液滴吐出ヘッドの液滴の吐出量を調整して適正化する液滴吐出ヘッドの吐出量適正化方法。
  20. 請求項1ないし16のいずれかに記載の液滴吐出システムを用いて製造されたことを特徴とする電気光学装置。
  21. 請求項1ないし16のいずれかに記載の液滴吐出システムを用いることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  22. 請求項20に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
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