JP2004167000A - 放射線治療装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】放射線治療装置は、X線(放射線)Rを出射する放射線発生装置と、放射線発生装置をX線Rの照射対象12に対して位置決めする制御装置とを備える。制御装置は、照射対象12にX線Rを照射する場合、照射対象12を内包する放射線治療の対象者(被照射体)Pを通過するX線Rの照射野19が、予め対象者Pの中に設定される非照射野16を横切らない方位に、照射対象12を中心に放射線発生装置2を位置決めさせる。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線の照射対象以外への線量が少ない放射線治療装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
放射線を出射する放射線発生装置と、放射線の照射対象となる放射線治療対象者の病巣を放射線の照射範囲に位置決めする寝台と、水平回転軸を中心に放射線発生装置を回転させて放射線の照射角度を変えるガントリとを備える放射線治療装置がある。この放射線治療装置は、水平回転軸と放射線の照射方光軸が交差するアイソセンタが設定される(例えば、特許文献1参照。)。この放射線治療装置は、ガントリと寝台を制御して、アイソセンタを中心に放射線を多方位から照射する。
【0003】
放射線に対する感受性は、組織及び器官によって異なる。中には、放射線をできるだけ照射したくない臓器や器官、例えば、神経節や脊柱などの非照射野がある。したがって、これらの非照射野を避けて照射対象に放射線を照射するように放射線照射計画が立てられる。
【0004】
治療対象者の病巣は、アイソセンタに位置決めされ、放射線照射計画に基づいて決められた方位から放射線を照射される。これにより、放射線治療装置は、照射対象に必要十分な放射線量を与えるとともに、照射対象以外の部分の放射線量を抑える。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−037467号公報(段落0012−0014、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、非照射野の外周に沿って照射対象がある場合、例えば、脊柱の周りに照射対象がある場合がある。このような場合、図7に示すように、放射線であるX線Rの照射軸Eがアイソセンタ51で交差する放射線治療装置は、放射線の照射方位を変えるにしたがって、非照射野52をX線Rから逃すために、照射対象、すなわち放射線治療の対象者である患者の位置を移動させなければならない。
【0007】
患者を移動させるためには、予め患者の体表面に位置決めのためのマーキングなどを施しておく必要がある。また、X線Rの照射方向を変える度に、患者の位置決めが必要となる。したがって、放射線治療にかかる時間が長くなり、患者に精神的及び身体的疲労を与えることとなる。
【0008】
そこで、本発明は、放射線治療に要する時間を短縮するとともに、放射線量を低減することのできる放射線治療装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る放射線治療装置は、放射線を出射する放射線発生装置と、放射線の照射対象に放射線を照射する場合に照射対象を内包する被照射体を通過する放射線の照射野が、予め被照射体の中に設定される非照射野を横切らない方位に、照射対象を中心に放射線発生装置を位置決めする制御装置とを備える。
【0010】
または、本発明に係る放射線治療装置は、放射線を出射する放射線発生装置と、互いに交差する2つの回動軸で放射線発生装置を枢支して球状面に沿って移動する可動部材と、球状面の任意の位置で位置決めされた放射線発生装置から出射される放射線が球状面の中心から外れる位置を通過する角度に回動軸を制御する制御装置とを備える。
【0011】
または、本発明に係る放射線治療装置は、放射線を出射する放射線発生装置と、互いに交差する2つの回動軸で放射線発生装置を枢支する可動部材と、アイソセンタを中心とする所定の半径の軌道に沿って可動部材を移動させるガイドと、アイソセンタを軌道と平行に通る傾倒軸を中心にガイドを回転させる支持部材と、放射線の照射対象を通るように放射線を照射することで照射対象の通過前と通過後にできる放射線の照射野が、予め設定される非照射野を横切らないように可動部材とガイドと支持部材とを制御する制御装置とを備える。
【0012】
または、本発明に係る放射線治療装置は、放射線を出射する放射線発生装置と、これを照射対象に対して位置決めする制御装置とを備えることを前提とする。制御装置は、放射線の照射対象と放射線の照射を回避すべき非照射野とを含む透視画像を基に、照射対象と非照射野が特定されることで、非照射野を避けて照射対象を含む照射帯を設定し、この照射帯の範囲内に放射線を照射する位置に放射線発生装置を位置決めする。
【0013】
この放射線治療装置において、制御装置は、放射線と互いに交差する2つの回動軸で放射線発生装置を枢支する可動部材と、アイソセンタを中心とする所定の半径の軌道に沿って可動部材を移動させるガイドと、軌道が形成する面と平行にアイソセンタを通る傾倒軸を中心にガイドを回転させる支持部材とを制御し、放射線発生装置を照射対象に対して位置決めする。
【0014】
また、制御装置は、照射対象に対して立体的に照射帯を設定するために、CT装置によって取得される照射対象と非照射野とを含む透視画像を基に照射帯を設定する。
【0015】
放射線治療装置に対して照射対象が正しく位置決めされていることを確認するために、制御装置は、透視画像の情報と、照射対象と非照射野を含む範囲に透視画像取得用の放射線を出射する放射線源とこの放射線源から出射された放射線を検出する検出器とを少なくとも1組具備するイメージャによって取得される情報とを照合する。
【0016】
放射線治療装置と照射対象との相対的位置を確認するために、放射線発生装置は、放射線を出射する照射軸と同軸に光軸が合わされるレーザ光線を出射するレーザ発振器を備える。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係る第1の実施形態の放射線治療装置1について、図1から図6を参照して説明する。図1に示すように、放射線治療装置1は、放射線発生装置2と、可動部材3と、ガイド4と、支持部材5と、制御装置6と、寝台7と、イメージャ8とを備える。
【0018】
放射線発生装置2は、電子銃から出射される電子を線形加速器で加速し、ターゲットに衝突させることによって、放射線であるX線Rを発生する。X線Rは、コリメータによって成形されて出射される。また、放射線発生装置2は、照準用のレーザ発振器22を内蔵している。レーザ発振器22から出射されるレーザ光線Lは、X線Rが出射される照射軸Eと同軸に光軸が合わされている。なお、線形加速器に供給されるマイクロ波は、放射線発生装置2にマイクロ波源を搭載して供給してもよいし、放射線発生装置2と別置にしたマイクロ波源から導波管を使って供給してもよい。
【0019】
可動部材3は、照射軸Eと互いに直交する2つの回動軸C,Dで放射線発生装置2を枢支している。回動軸Cは、放射線発生装置2を矢印U方向に傾け、回動軸Dは、放射線発生装置2を矢印V方向に傾ける。これにより、放射線発生装置2は、いわゆる首振り動作をする。また、可動部材3は、駆動装置を備えており、ガイド4に沿って移動する。
【0020】
ガイド4は、円弧状に形成されており、アイソセンタ9を通る回転軸10を中心に放射線発生装置2を搭載した可動部材3を所定の半径の軌道に沿って移動させる。支持部材5は、アイソセンタ9を通って回転軸10と直交する傾倒軸11を中心にガイド4を回転させる。支持部材5は、アイソセンタ9を挟む傾倒軸11上の両端にそれぞれ配置され、その一方にガイド4を傾倒させる駆動装置としてのサーボモータ5aを備えている。
【0021】
なお、本実施形態の放射線治療装置1において、傾倒軸11は、水平方向に、いわゆるΩ形に配置されているが、傾倒軸11を鉛直方向に、いわゆるC形に配置してもよい。また、ガイド4は、環状、すなわち、いわゆるO形に形成してもよい。支持部材5のそれぞれにサーボモータ5aを取付けると、傾倒軸11を中心とするガイド4の捩れを軽減する事ができる。また、ガイド4は、アイソセンタ9に対して偏心して配置されている。そこで、重心位置を傾倒軸11上に配置することでサーボモータ5aの負荷を軽減するために、カウンターウェイトを取付けてもよい。
【0022】
放射線発生装置2は、回転軸10を中心にガイド4に沿って移動する可動部材3に搭載されるとともに、ガイド4が傾倒軸11を中心に回転することで、アイソセンタ9を中心とする球状面に沿って移動する。アイソセンタ9は、放射線発生装置2を球状面に沿って移動させる場合、全方位に位置決めされた放射線発生装置2から延びる照射軸Eが1点で交わる点である。通常、回転軸10と傾倒軸11が交差する点をアイソセンタ9に設定している。したがって、制御装置6は、アイソセンタ9を中心とする極座標で可動部材3とガイド4と支持部材5とを取扱うと、放射線発生装置2の位置を制御しやすい。
【0023】
また、本実施形態の放射線治療装置1は、回動軸C,Dを備えているので、回動軸C,Dの可動範囲内であれば、任意の位置にアイソセンタ9を設定することが可能である。つまり、X線Rの照射対象12が複数点在する場合、一つ一つの照射対象12を移動させ、その都度アイソセンタ9に位置決めし直すのではなく、放射線治療装置1に対して相対的に位置決めされていれば、その都度放射線治療装置1の基準設定を変更して各照射対象12にアイソセンタ9を設定することで、照射対象12を移動させずに、X線Rを照射対象12に照射することができる。
【0024】
制御装置6は、制御盤13に内蔵されており、可動部材3とガイド4と支持部材5と寝台7とイメージャ8とに接続されている。制御装置6は、各可動部に設けられたロータリエンコーダやリニアスケールなどから信号を得るとともに、この信号を基に、放射線発生装置2の位置を制御する。制御盤13は、操作部14と画面15を備えている。操作部14は、放射線発生装置2の位置、照射角度、照射対象12及びX線Rを照射したくない非照射野16の位置、大きさ、形状、出射するX線の出力及び照射時間などの情報を入力したり、放射線治療装置1の各種設定を変更したりする。画面15は、放射線治療装置1の状態や入力された情報を表示する。なお、画面15にタッチパネルなどの入力装置を取付けると、入力操作がより簡易になる。
【0025】
寝台7は、スライドボード7aと駆動装置7bとを備えている。スライドボード7aは、放射線治療において被照射体となる対象者Pを傾倒軸11と直交する方向に寝かせる。駆動装置7bは、傾倒軸11と直交する方向及び傾倒軸11と平行な方向にスライドボード7aを水平移動させるとともに、鉛直方向にスライドボード7aを移動させ、対象者Pの体内にある照射対象12をX線Rの照射範囲内に位置決めする。
【0026】
イメージャ8は、照射対象12と非照射野16を含む範囲に透視画像取得用の放射線としてX線Rを出射するX線源17とこのX線源17から出射されたX線Rを検出する検出器18とを2組具備する。イメージャ8によって得られる情報は、放射線治療装置1に対して照射対象12が正しい位置に位置決めされていることを確認するために、制御装置6によって、X線Rの照射野19を通すことのできる照射帯20や放射線発生装置2の方位を設定したときに用いた透視画像の情報と比較される。
【0027】
以上のように構成された放射線治療装置1を利用して行なわれる放射線治療の流れについて、図2に示すフローチャートを参照して説明する。放射線治療の対象者Pは、照射対象(患部)12及び非照射野16を含む範囲の透視画像をCT装置で取得される(S1)。透視画像は、放射線治療装置1のアイソセンタ9に基準点を同期させたX線CT装置で取得されることが好ましい。
【0028】
取得された透視画像の情報は、制御装置6に取込まれる。取込まれた情報は、画面15に表示される。図3に示すように、表示された透視画像を基に、医師或いは放射線技師は、X線Rを照射する照射対象12の位置、大きさ、形状と、X線を照射したくない非照射野16の位置、大きさ、形状などを特定し、入力(S2)する。また、照射対象12に照射すべき総放射線量及び一方位から一度に照射してもよいX線Rの最大放射線量などを入力する(S3)。
【0029】
照射対象12と非照射野16に関するデータが入力されると、制御装置6は、図3に示すように、選択された方位に放射線発生装置2を位置決めすることで照射対象12をX線Rが通過することで照射対象12の通過前と通過後に想定される照射野19が非照射野16を横切らない照射帯20を設定する(S4)。そして、図4に示すように、この照射帯20の範囲内に照射野16が収まるように、総放射線量及び最大放射線量を基に、放射線発生装置2の方位及びその方位から出射されるX線Rの放射線量を決定する(S5)。設定された照射帯20及びその範囲内を通過する照射野19は、透視画像とともに画面15に表示される。また、設定されたX線Rの照射野19及び照射帯20に不都合がある場合、医師或いは放射線技師によってX線Rの照射方位及び線量などが修正される(S6)。
【0030】
以上のように、放射線治療装置1の設定が完了すると、対象者Pをスライドボード7aに寝かせ(S7)、予め対象者Pの体表面に施された位置決め用のマーキングと放射線発生装置から出射されるレーザ光線Lによって、照射対象12が所望する位置に配置されるように、対象者Pを位置決めする(S8)。さらに、イメージャ8によって取得される情報とCT装置で取得した透視画像の情報とを照合(S9)することで、照射対象12が正しい位置に位置決めされていることを確認(S10)する。位置ずれがある場合、放射線治療装置1において、制御装置6は、放射線発生装置2の位置設定を変更(S11)することで、位置ずれを補正する。
【0031】
照射対象12が位置決めされると、X線Rの変わりにレーザ光線Lを使ってシミュレーションが行なわれる(S12)。なお、シミュレーションにおいて不具合が見つかった場合は、その不具合が解消されるまで、修正と再シミュレーションを繰返す。また、シミュレーションは、ファントムを使って実施することも可能であるが、レーザ光線Lを使って実際の対象者Pに対して行なうほうが、より正確に不具合などを確認することができる。
【0032】
シミュレーションが完了すると、これに引き続きX線Rの照射を行なう(S13)。一つの照射対象12についてX線Rの照射が完了すると次の照射対象12があるかどうか確認(S14)する。他にも照射対象12がある場合、CT装置の透視画像の情報とイメージャ8の情報を用いて該当する照射対象12の位置ずれの照合(S9)を行なうところから繰返す。
【0033】
このように、放射線治療装置1は、放射線治療の対象者Pが位置決めされると、この対象者Pを移動させることなく、対象者Pの有する複数の照射対象12のそれぞれについて多方位からX線Rを照射することができる。また、対象者Pを移動させないので、各照射対象12について、その都度行なっていた位置決めに費やしていた時間を短縮することができるとともに、位置確認のためのX線Rを照射しないので、対象者Pに照射される放射線量を軽減することができる。
【0034】
また、放射線治療装置1は、回動軸C,Dにある一定の角度をつけた状態で、回転軸10周り、或いは傾倒軸11周りに放射線発生装置2を回転させることで、アイソセンタ9を外してX線Rを照射することができる。この機能は、X線Rを照射したくない非照射野16の近傍に沿って照射対象12が存在する場合に特に有効である。
【0035】
非照射野16の近傍に沿って照射対象12が存在する一例として、図5に示すように、放射線治療の対象者Pの脊柱に接近して照射対象12がある場合が想定される。図5において、対象者Pの脊柱は、非照射野16に設定され、アイソセンタ9を通るように配置されている。放射線発生装置2は、非照射野16から外れる位置まで、照射軸Eを回動軸Cに沿う方向に平行に偏らせている。つまり、回動軸Dを中心に放射線発生装置2を傾けた角度と同じ角度だけ回転軸10を中心に放射線発生装置2をガイド4に沿って移動させた状態である。この状態で回動軸C,Dを固定し、回転軸10を中心に放射線発生装置2を移動させることで、図6に示すように、アイソセンタ9に非照射野16を設定し、この非照射野16を移動させることなく、その周りに存在する照射対象12にX線Rを照射することができる。つまり、放射線治療装置1は、対象者Pを移動させることなく、非照射野16を回避して照射対象12にX線Rを照射することができる。したがって、非照射野16を回避するために対象者Pを移動させて再度位置決めを行なう度に費やされていた時間がなくなるので、治療時間を短縮することができる。また、移動させたことによって、再度照射位置を確認するためにその都度透視画像を取得しなくてもよい。したがって、放射線量を低減することができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明に係る放射線治療装置によれば、照射対象に放射線を照射する場合に照射対象を内包する被照射体を通過する放射線の照射野が、予め被照射体の中に設定される非照射野を横切らないように、照射対象を中心に放射線発生装置を移動させる制御装置を備える。この放射線治療装置は、照射対象と非照射対象の位置が放射線治療装置に対して予め設定されることで、照射対象を中心に放射線発生装置を移動させる。また、非照射野を通過するように放射線を出射しない。つまり、照射対象の位置を変えずに、非照射野を回避して照射対象に対して多方位から放射線を照射する。したがって、被照射体を移動させることで再度位置決めを行なうために費やしていた時間が節約され、放射線治療に要していた時間が短縮される。また、照射対象の位置を動かすことで再度確認のために取得していた透視画像が不要である。したがって、透視画像を取得するために照射されていた分の放射線量が、放射線治療全体で照射される放射線量から低減される。
【0037】
または、本発明に係る放射線治療装置は、互いに交差する2つの回動軸で放射線発生装置を枢支して球状面に沿って移動する可動部材と、球状面の任意の位置で位置決めされた放射線発生装置から出射される放射線が球状面の中心から外れる位置を通過する角度に回動軸を制御する制御装置とを備える。この放射線治療装置は、放射線発生装置が移動する球状面の中心に非照射野を配置することで、この非照射野を移動させることなく、その周りに存在する照射対象に放射線を照射することができる。つまり、放射線治療装置は、照射対象を移動させることなく、非照射野を回避して照射対象に放射線を照射することができる。したがって、非照射野を回避するために照射対象を移動させて再度位置決めを行なう度に費やされていた時間をなくすことで、治療時間を短縮することができる。また、照射対象を移動させないので、一度照射野の位置決めの確認が行なわれれば、その後、行なわなくてもよい。したがって、放射線量を低減することができる。
【0038】
または、本発明に係る放射線治療装置は、互いに交差する2つの回動軸で放射線発生装置を枢支する可動部材と、アイソセンタを中心とする所定の半径の軌道に沿って可動部材を移動させるガイドと、アイソセンタを軌道と平行に通る傾倒軸を中心にガイドを回転させる支持部材と、放射線の照射対象を通るように放射線を照射することで照射対象の通過前と通過後にできる放射線の照射野が、予め設定される非照射野を横切らないように可動部材とガイドと支持部材とを制御する制御装置とを備える。この放射線治療装置は、照射対象を移動させることなく、非照射野を回避して照射対象に放射線を多方位から照射することができる。したがって、照射対象を移動させたために再度位置決めにかかっていた時間を放射線治療全体で要していた時間から短縮することができる。また、照射対象を移動させないので、一度照射対象の位置決めを透視画像で確認すればよい。したがって、放射線治療全体で照射されるの放射線量を低減することができる。
【0039】
または、本発明に係る放射線治療装置は、放射線の照射対象と放射線の照射を回避すべき非照射野とを含む透視画像を基に、照射対象と非照射野が特定されることで、非照射野を避けて照射対象を含む照射帯を設定し、この照射帯の範囲内に放射線を照射する位置に放射線発生装置を位置決めする制御装置とを備える。この放射線治療装置は、透視画像を基に照射対象と非照射野を特定し、放射線発生装置から出射される放射線の照射野が、非照射野を横切らない照射帯の範囲内を通るように放射線発生装置を位置決めする。また、照射対象が放射線治療装置に対して位置決めされることで、照射対象を動かすことなく、非照射野を回避して放射線を照射野に多方位から照射することができる。したがって、照射対象に対して放射線の方位を変更する場合に、その都度行なわれていた照射対象の位置決めが不要である。したがって放射線治療全体で係る時間が短縮される。また、の確認のための透視画像は、照射対象を移動させないので、一度取得することで、その後は、不要である。したがって、透視画像を取得することによる放射線量の分、放射線治療全体で照射される放射線量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態の放射線治療装置を示す斜視図。
【図2】図1の放射線治療装置の動作を示すフローチャート。
【図3】図1の放射線治療装置において操作盤の画面に表示された透視画像を示す図。
【図4】図1の放射線治療装置において操作盤の画面に表示された立体的な透視画像を示す図。
【図5】図1の放射線治療装置において、非照射野をアイソセンタに位置決めし、非照射野の近傍にある照射野に放射線を照射する状態を模式的に示す斜視図。
【図6】図5中のF6−F6に沿ってアイソセンタ近傍を拡大して示す模式図。
【図7】従来の放射線治療装置で非照射野の近傍にある照射対象にX線を照射する状態を示す図。
【符号の説明】
1…放射線治療装置
2…放射線発生装置
3…可動部材
4…ガイド
5…支持部材
6…制御装置
9…アイソセンタ
11…傾倒軸
12…照射対象
16…非照射野
17…X線源(放射線源)
18…検出器
19…照射野
20…照射帯
22…レーザ発振器
C,D…回動軸
E…照射軸
P…対象者
L…レーザ光線
R…X線(放射線)
Claims (8)
- 放射線を出射する放射線発生装置と、
前記放射線の照射対象に前記放射線を照射する場合に前記照射対象を内包する被照射体を通過する前記放射線の照射野が、予め前記被照射体の中に設定される非照射野を横切らない方位に、前記照射対象を中心に前記放射線発生装置を位置決めする制御装置とを備えることを特徴とする放射線治療装置。 - 放射線を出射する放射線発生装置と、
互いに交差する2つの回動軸で前記放射線発生装置を枢支して球状面に沿って移動する可動部材と、
前記球状面の任意の位置で位置決めされた前記放射線発生装置から出射される放射線が前記球状面の中心から外れる位置を通過する角度に前記回動軸を制御する制御装置とを備えることを特徴とする放射線治療装置。 - 放射線を出射する放射線発生装置と、
互いに交差する2つの回動軸で前記放射線発生装置を枢支する可動部材と、
アイソセンタを中心とする所定の半径の軌道に沿って前記可動部材を移動させるガイドと、
前記アイソセンタを前記軌道と平行に通る傾倒軸を中心に前記ガイドを回転させる支持部材と、
前記放射線の照射対象を通るように前記放射線を照射することで前記照射対象の通過前と通過後にできる放射線の照射野が、予め設定される非照射野を横切らないように前記可動部材と前記ガイドと前記支持部材とを制御する制御装置とを備えることを特徴とする放射線治療装置。 - 放射線を出射する放射線発生装置と、
放射線の照射対象と放射線の照射を回避すべき非照射野とを含む透視画像を基に、前記照射対象と非照射野が特定されることで、前記非照射野を避けて前記照射対象を含む照射帯を設定し、この照射帯の範囲内に前記放射線を照射する位置に前記放射線発生装置を位置決めする制御装置とを備えることを特徴とする放射線治療装置。 - 前記制御装置は、
前記放射線と互いに交差する2つの回動軸で前記放射線発生装置を枢支する可動部材と、アイソセンタを中心とする所定の半径の軌道に沿って前記可動部材を移動させるガイドと、前記軌道が形成する面と平行に前記アイソセンタを通る傾倒軸を中心に前記ガイドを回転させる支持部材とを制御し、
前記放射線発生装置を前記照射対象に対して位置決めすることを特徴とする請求項4に記載の放射線治療装置。 - 前記透視画像の情報は、CT装置によって取得される前記照射対象と前記非照射野とを含む前記透視画像を基に前記照射帯を設定することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の放射線治療装置。
- 前記制御装置は、前記透視画像の情報と、前記照射対象と前記非照射野を含む範囲に透視画像取得用の放射線を出射する放射線源とこの放射線源から出射された放射線を検出する検出器とを少なくとも1組具備するイメージャによって取得される情報とを照合することを特徴とする請求項4から請求項6の内のいずれか1項に記載の放射線治療装置。
- 前記放射線発生装置は、前記放射線を出射する照射軸と同軸に光軸が合わされるレーザ光線を出射するレーザ発振器を備えることを特徴とする請求項4から請求項7の内のいずれか1項に記載の放射線治療装置。
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