JP2005185321A - コリメータ及び放射線治療装置及び放射線治療システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 放射線の照射野及び照射放射線量を個別に制御することなく一度に制御することにより、オペレータの作業効率を向上させる放射線治療装置及び放射線治療システムを提供する。
【解決手段】 固有の放射線透過率を有し、柱形状をなす複数の放射線透過体91を断面形状がアレイ状となるように束ねてなる放射線透過体ユニット9を有し、被検体の病変部に照射する放射線の放射線量毎の照射領域及び各放射線透過体91の放射線透過率に応じて、前記放射線透過体が移動可能とされたことを特徴とする。
【選択図】 図3
【解決手段】 固有の放射線透過率を有し、柱形状をなす複数の放射線透過体91を断面形状がアレイ状となるように束ねてなる放射線透過体ユニット9を有し、被検体の病変部に照射する放射線の放射線量毎の照射領域及び各放射線透過体91の放射線透過率に応じて、前記放射線透過体が移動可能とされたことを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
本発明は、癌等の病変部に放射線を照射して治療を行なうための放射線治療装置に関し、特に、病変部の形状に合わせて放射線の照射範囲を定めるコリメータを備えたコリメータ及び放射線治療装置及び放射線治療システムに関する。
癌等の病変部に対し放射線を照射して治療を行なう放射線治療は、化学治療と異なり病変部そのものを治療する根治療法であり、近年、その意義が見直されつつある。特に、早期肺癌や早期乳癌等では、放射線治療が最も有効であるとの認識が得られつつあり、注目を集めている。
このような放射線治療において、安全性等の面から特に重要なことは、放射線を病変部の形状に合わせて照射し、重要臓器等の他の正常組織には極力照射をさけることである。このため、放射線治療装置では、放射線の体表上での照射範囲(病変部上での照射範囲に相当、以下、照射野という)を病変部の形状に合わせて生成する必要がある。この照射野の生成には、従来複数の鉛製のブロック(以下、隠蔽ブロックともいう)を所要の形状に組み合わせて放射線パス中に置く方法があるが、現在では、絞り(開口ともいう)の開度を自動的に調節可能な絞り装置(コリメータともいう)を放射線パス中に設置して照射野を生成するのが一般的である。ここで、コリメータを用いて照射野を生成する手順の一例を図10及び図11を用いて説明する。
図10は放射線治療装置の主要部である。この放射線治療装置100は、放射線照射機能を有する電子ビーム発生部101、電子ビーム偏向部102、ターゲット103を備え、また、絞りを有するコリメータ104、この絞りの開度を調節する機能を有するコンソール105を備えている。
さらに、放射線治療装置100は、被検体の病変部を含む照射領域(以下、照射野ともいう)を認識するためのランプ等の可視光源106、ハーフミラー107を備えている。
この放射線治療装置(以下、治療装置ともいう)100において照射野を定めるには、オペレータは、予めX線シミュレータで透視を行ないながらシャドウトレイ上の鉛線を移動させ照射領域を決定し、X線の写真をとる。
そして、X線源から投光し、鉛線の影、すなわち、照射領域の形状を体表にマーキングする。
続いて、治療を行なう際には、放射線治療装置100の寝台108に被検体Hを載置し、オペレータは、可視光源106から光を被検体Hの上に投光し、被検体Hの体表面を見ながらコンソール105によりコリメータ104の絞りの開度を調整する。そして、コリメータ104の絞りを通して被検体Hの体表面に投光された光による照射領域と同じく体表面に描かれたマーク内の領域とを一致させる。そして、コリメータ104を通した体表面上での照射領域、すなわち放射線の照射野を定めていた。
そして、治療の際には、必要に応じて治療用の放射線により写真を撮影し、この写真と前記X線写真と比較する等して照射領域の位置の確認を行なっていた。最近では、コリメータの中でも多分割原体絞りを備えたマルチ・リーフ・コリメータ;Multi−Leaf Collimeter 以下、MLCという)を用いる例が増えている。
しかしながら、このようなMLCを用いた放射線治療装置による放射線の照射野の生成には、次のような問題が生じていた。
(1)オペレータは、被検体の体表面を見ながら、つまり目測で体表面上での照射領域と被検体Hのマーク内の領域とを一致させるようにコリメータの絞り開口を調整していた。したがって、オペレータは、コリメータの開度の制御に基づくコンソール操作と被検体の体表面の認識とを逐一行なわなければならず、コリメータの絞り開口、つまり放射線の照射野の形成に多大な手間と時間がかかった。
(2)ターゲット内の正常組織を遮蔽する際、オペレータは、その正常組織の大きさに合わせた鉛ブロックを手作業でシャドウトレイや体表上に置いていたため、その置く位置が厳密に正確ではない場合があり、放射線を照射したい部位に照射できず、また、照射したくない部位に照射してしまう可能性が生じていた。
このため、治療の効果を減じ、さらに他の正常組織へ影響を及ぼす可能性が生じ問題であった。また、異なるターゲット内に異なる大きさの正常組織が存在する場合、その正常組織の大きさに合わせて1回1回重い遮蔽体を運んで交換しなければならず、オペレータの過大な負担となっていた。
(3)MLCを用いて照射野を生成する場合でも、予め設定したMLCの回転角度により誤差面積が変化してしまうことがある。これは、MLCの各リーフの絞り面の形状が矩形のため、ターゲット形状の外形のラインが曲線の部分に特に顕著に現れる。
(3)MLCを用いて照射野を生成する場合でも、予め設定したMLCの回転角度により誤差面積が変化してしまうことがある。これは、MLCの各リーフの絞り面の形状が矩形のため、ターゲット形状の外形のラインが曲線の部分に特に顕著に現れる。
このようにMLCの回転角度により誤差面積が変化することは、治療の効果及び安全性の面から見ても重大な問題であるため、誤差面積が最小になる、つまり最適な治療効果を得ることができる回転角度を設定することが望まれていた。
そこで、最適な治療効果を得ることができる回転角度を簡単に設定でき、オペレータへの負担を軽減する放射線治療計画装置、放射線治療装置及び放射線治療方法を提供する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の技術は、図11に示すように、誤差面積が最小となるようにコリメータの回転角度を自動的に選択可能としたことにより、オペレータの負担等を大幅に削減するものであるが、この技術は、照射放射線の照射野を如何に適正に設定するかに特化したものであって、照射量の設定については、放射線フィルタ等によって照射領域の設定は別々に制御する必要があった。すなわち、照射放射線の照射野及び照射量の制御がそれぞれ独立して行われていたので、照射放射線の照射野及び照射量の制御を相互的に行うことができれば、オペレータの負担をさらに軽減し、作業効率を高める余地はあった。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、放射線の照射野及び照射放射線量を個別に制御することなく一度に制御することにより、オペレータの作業効率を向上させるコリメータ及び放射線治療装置及び放射線治療システムを提供することにある。
本発明は、コリメータで放射線を絞りながら病変部に放射線を照射して治療を行なう際に用いるものである。なお、ここでは、コリメータとして、固有の放射線透過率を有する部材にて形成された複数枚のリーフを独立して駆動できるマルチリーフ型のコリメータを用いていることとして説明する。また、前記リーフのうち、放射線パス方向の同一列には放射線を遮蔽するリーフが2つ以上構成されていないこととする。これは、本発明が、放射線を遮蔽する遮蔽部材として機能するリーフを用いて照射野を設定するのではなく、固有の放射線透過率を有するリーフを用いると共に、それらリーフの重ね合わせによって照射野及び照射量を相互に制御することを目的としているからである。
上記課題を解決するための、請求項1記載の発明に係るコリメータは、線源から被検体の病変部に向けて放射された放射線の照射方向に沿って重なる位置に固有の放射線透過率を有する放射線透過体が複数配置され、それら各放射線透過体が、前記放射線の一部を遮るように独立して移動可能とされたことを特徴とする。
かかる構成とすることにより、固有の放射線透過率を有する放射線透過体を重ね合わせて、放射線を透過又は遮蔽する領域を複数形成することができるコリメータを提供でき、このコリメータを放射線治療装置に採用することによって、放射線の照射野及び照射放射線量を個別に制御することなく一度に制御することができ、オペレータの作業効率を向上させることができる。
上記課題を解決するための、請求項2記載の発明に係る放射線治療装置は、線源から被検体の病変部に向けて放射された放射線の一部を遮るように放射線透過体が設置されたコリメータを備え、前記病変部の放射線量毎の照射領域に応じて前記放射線透過体の厚さが変化していることを特徴とする。
かかる構成とすることにより、放射線に対する遮蔽材としてのリーフではなく、表面及び/又は裏面の断面形状を波状にするなどして厚さを変化させた透過性を有するリーフを用いるので、放射線量毎の領域が複合した照射野を形成することができ、放射線の照射野及び照射放射線量を個別に制御することなく一度に制御することができる。そして結果として、オペレータの作業負担を減じることができる。
上記課題を解決するための、請求項3記載の発明に係る放射線治療装置は、固有の放射線透過率を有する複数の放射線透過体が線源から被検体の病変部に向けて放射された放射線の一部を前記放射線の照射方向に沿って重なって遮るように独立して移動可能とされたコリメータを備え、被検体の病変部の所望の放射線量毎の照射領域及び各放射線透過体の放射線透過率に応じて前記放射線透過体を移動させて放射線治療を行うことを特徴とする。
かかる構成とすることにより、透過性を有するリーフの厚さを変化させた構成の一手段として、独立に移動可能な複数の放射線透過体を採用したので、放射線量毎の領域が複合した照射野を形成することができ、放射線の照射野及び照射放射線量を個別に制御することなく一度に制御することができ、オペレータの作業負担を減じることができる。
なお、本発明におけるリーフは、放射線を遮蔽するためのものとして用いるわけではない。これは、放射線を遮蔽するリーフを用いない、ということではなく、本発明におけるリーフは、少なくとも、固有の放射線透過率を利用して、放射線照射領域を特定すると共に当該放射線照射領域内における放射線量の分布をも実現するものである。従って、従来見られたような、放射線照射領域を策定し、当該領域における放射線量を改めて策定するような労力をオペレータにかけることがない。
上記課題を解決するための、請求項4記載の発明に係る放射線治療装置は、固有の放射線透過率を有し、柱状をなす複数の放射線透過体を断面形状がアレイ状となるように束ねてなる放射線透過体ユニットを有し、被検体の病変部に照射する放射線の放射線量毎の照射領域及び各放射線透過体の放射線透過率に応じて、前記放射線透過体が移動可能とされたことを特徴とする。
かかる構成は、柱状をなす前記放射線透過体を、断面形状がアレイ状になるように同一方向に配置して放射線透過体ユニットを構成すると共に、各放射線透過体が移動可能であることを示すものである。従って、移動可能な放射線透過体は隣接する放射線透過体に対して摺動するように動くため、放射線透過体の制御を簡単かつ的確に行うことができる。また、固有の放射線透過率を有する放射線透過体を、所望の放射線量毎の照射領域を形成するように移動させて、重ね合わされた複数の放射線透過体に対して放射線が透過することにより、目的とする放射線量毎の照射領域を一度に形成して放射線治療を行うことができ、結果としてオペレータの作業負担を減じることができる。
上記課題を解決するための、請求項5記載の発明に係る放射線治療装置は、請求項4に記載の放射線治療装置において、前記放射線透過体ユニットが複数設けられ、前記放射線のパスを挟んで対向するように設置されたことを特徴とする。
上記課題を解決するための、請求項6記載の発明に係る放射線治療装置は、請求項4に記載の放射線治療装置において、一の前記放射線透過体ユニットの前記放射線透過体と他の前記放射線透過体ユニットとが重畳するように前記複数の放射線透過体ユニットを配設したことを特徴とする。
上記課題を解決するための、請求項7記載の発明に係る放射線治療装置は、請求項3〜6の何れかに記載の放射線治療装置において、前記放射線透過体の放射線透過率が略均一であることを特徴とする。
上記課題を解決するための、請求項8記載の発明に係る放射線治療システムは、固有の放射線透過率を有する複数の放射線透過体が線源から被検体の病変部に向けて放射された放射線の一部を前記放射線の照射方向に沿って重なって遮るように独立して移動可能とされたコリメータと、被検体に放射線を照射する病変部の放射線量毎の照射領域に関する照射情報及び各放射線透過体の照射線透過率に関する放射線透過体情報が予め蓄積された蓄積手段と、前記照射情報及び放射線透過体情報に基づいて各放射線透過体を移動させる制御手段とを備え、その制御手段によって透過率が制御された前記コリメータを介して放射線が照射されることにより被検体の病変部に所望の放射線量毎の照射領域を形成して放射線治療を行うことを特徴とする。
かかる構成のように、透過性を有し、独立に移動可能な複数の放射線透過体を採用したので、放射線量毎の領域が複合した照射野を形成することができ、放射線の照射野及び照射放射線量を個別に制御することなく一度に制御することができ、オペレータの作業負担を減じることができる。また、本発明に係る放射線治療システムでは、放射線透過体情報、照射情報及び放射線透過体制御情報を蓄積手段に蓄積し、それらを参照して制御手段が放射線透過体の動作を制御することができるので、再現性を有し、効率的な放射線治療を提供することができる。
上記課題を解決するための、請求項9記載の発明に係る放射線治療システムは、固有の放射線透過率を有し、柱状をなす複数の放射線透過体を断面形状がアレイ状となるように束ねてなる放射線透過体ユニットを有するコリメータと、被検体に放射線を照射する病変部の放射線量毎の照射領域に関する照射情報及び各放射線透過体の照射線透過率に関する放射線透過体情報が予め蓄積された蓄積手段と、前記照射情報及び放射線透過体情報に基づいて各放射線透過体を移動させる制御手段と、その制御手段によって透過率が制御された前記コリメータを介して放射線が照射されることにより被検体の病変部に所望の放射線量毎の照射領域を形成して放射線治療を行うことを特徴とする。
かかる構成は、柱状をなす前記放射線透過体を、断面形状がアレイ状になるように同一方向に配置して放射線透過体ユニットを構成すると共に、各放射線透過体が移動可能であることを示すものである。従って、移動可能な放射線透過体は隣接する放射線透過体に対して摺動するように動くため、放射線透過体の制御を簡単かつ的確に行うことができる。また、固有の放射線透過率を有する放射線透過体を、所望の放射線量毎の照射領域を形成するように移動させて、重ね合わされた複数の放射線透過体に対して放射線が透過することにより、目的とする放射線量毎の照射領域を一度に形成して放射線治療を行うことができ、結果としてオペレータの作業負担を減じることができる。また、本発明に係る放射線治療システムでは、放射線透過体情報、照射情報及び放射線透過体制御情報を蓄積手段に蓄積し、それらを参照して制御手段が放射線透過体の動作を制御することができるので、再現性を有し、効率的な放射線治療を提供することができる。
上記課題を解決するための、請求項10記載の発明に係る放射線治療システムは、請求項9に記載の放射線治療システムにおいて、前記放射線透過体ユニットが複数設けられ、前記放射線のパスを挟んで対向するように設置されたことを特徴とする。
上記課題を解決するための、請求項11記載の発明に係る放射線治療システムは、請求項9に記載の放射線治療システムにおいて、一の前記放射線透過体ユニットの前記放射線透過体と他の前記放射線透過体ユニットとが重畳するように前記複数の放射線透過体ユニットを配設したことを特徴とする。
上記課題を解決するための、請求項12記載の発明に係る放射線治療システムは、請求項8〜11の何れかに記載の放射線治療システムにおいて、前記放射線透過体の放射線透過率が略均一であることを特徴とする。
本発明によれば、固有の放射線透過率を有する放射線透過体を重ね合わせて、放射線を透過又は遮蔽する領域を複数形成するような構成を採用したので、放射線の照射野及び照射放射線量を個別に制御することなく一度に制御することができ、オペレータの作業効率を向上させるコリメータ及び放射線治療装置及び放射線治療システムを提供することができる。
以下、本発明に係るコリメータ及び放射線治療装置及び放射線治療システムの実施形態につき図面を参照して説明する。なお、本発明の説明においては、オペレータが手動によっても操作することができる放射線治療装置をシステム化した放射線治療システムに関して説明する。
図1は、本発明に係る放射線治療システムの一実施形態における構成を示すブロック図であり、図2は、本実施形態における放射線治療装置の構成を示す斜視図である。
本実施形態における放射線治療システムは、放射線治療装置1を備えている。この放射線治療装置1は、本実施形態ではX線を使って治療するもので、図1及び図2に示すように、被検体Hを載置する寝台2と、被検体Hの体軸(Z)方向を回転軸として回転可能な架台3と、この架台3を回転可能に支持する架台支持体4と、コンソール5とを備えている。
寝台2は、その上側に被検体載置用の天板2aを備えている。また、この寝台2には、その内部に寝台駆動部6が備えられている。寝台駆動部6は、天板2aの上下動(Y軸方句)及びその長手方向(X方向)への移動を行なう機能を有すると共に、天板支柱回転及びアイソセンタを中心とした回転移動を行なう機能を有している。これらの寝台2の動作は、被検体Hの天板2a上での位置決め及び放射線照射のときに必要であり、コンソール5からの制御信号により制御される。
一方、架台3は、クライストロンや放射線源等からなる放射線発生部7を照射ヘッド3aに備えている。この放射線発生部7は、クライストロンからの加速電子を偏向して放射線源に当て、そこから発生するX線ビームを被検体Hに照射するようになっている。また、照射ヘッド3aには、放射線源と照射口との間に、被検体Hの体表上での照射野を決めるコリメータが内蔵されている。このコリメータとして、本実施形態では、多分割原体絞りの構造を有したマルチ・リーフ・コリメータ(Multi−Leaf Collimator 以下、MLCという)8を搭載している。
このMLC8の構成を図3に示す。図3(a)は、MLC8の全体構成を示す斜視図であり、図3(b)は、MLC8のうち、本発明の主要部分としてリーフユニット9の部分を示した斜視図である。図3に示すように、このMLC8は、略柱状をなし、固有の放射線透過率を有する放射線透過体としてのリーフ91が長辺方向(図中X方向)に規則正しく積み重ねられてなるリーフユニット9によって構成されたマルチ・リーフ型をなす。そして、一対のリーフユニット9A,9Bが放射線のパスを挟んで対向して配設されている。各リーフユニット9A,9Bを構成するリーフ91は、リードスクリュー10及びステップモータ11を組み合わせたリーフ駆動部12を個別に装備しており、ステップモータ11に供給される制御信号によって駆動する。したがって、ステップモータ11を回転させることにより、各リーフ91は、X方向(図3中)に沿って独立して移動できる。また、リーフユニット9A,9Bを挟んで一対の上絞り(リーフ)13,13が立設され、この上絞り13,13は、同様のリーフ駆動部12によってZ方向(図3中)に移動可能になっている。ここで、リーフ91は、固有の放射線透過率を有するものであればどのような素材でもいいというわけではなく、元来、放射線を遮蔽する部材として使用されてきた鉛(Pb)やタングステン(W)を素材として、放射線照射方向の厚さを任意に加工調節して固有の放射線透過率を有するようにしたものであることが望ましい。また、リーフ91の機械的強度を増すために、アンチモン(Sb)、錫(Sn)、銅(Cu)などを添加した鉛(Pb)を採用してもよい。また、リーフユニット9を構成する各リーフ91は、放射線パス方向に全てのリーフ91が重なった部分では放射線を透過しない(遮蔽する)厚さになるように設定されている。
リーフ駆動部12はコンソール5から供給される制御信号に応じて駆動し、2つのリーフ群9A、9Bで形成される照射開口の大きさ、形状(すなわち、体表上の照射野の大きさ、形状に相当)をリアルタイムに変更できるようになっている。
また、MLC8には、例えばステッピングモータ等からなる回転駆動部14が接続されている。MLC8は、回転駆動部14の駆動により、図2及び図3に示すm方向に所定の回転角度(以下、MLC8の回転角度という)θずつ回転するようになっている。なお、図3に示すように、その各リーフ91の移動方向が図3中のz軸と直交する方向に位置している場合、MLC8の回転角度は0°、つまり初期位置としている。
更に、架台支持台4はその内蔵する架台駆動部15によって架台3全体を時計回り、反時計回りの何れにも回転可能になっている。この架台駆動部15の動作はコンソール5からの制御信号に基づいて行なわれる。
コンソール5は、図1及び図2に示す如く、放射線治療装置1全体を管理する主制御部16の他、この主制御部16の指示のもとに個々に割り当てられた処理を行なう照射制御部17、寝台制御部18、架台制御部19、コリメータ制御部20、及び投光器駆動部21を有する。投光器駆動部21は、架台3に取り付けられている3個の投光器(図示せず)を駆動させる。この3個の投光器が指示する位置と被検体Hの体表にマークされたアイソセンタを表す例えば十字のマーカーの位置とが一致するように天板2a上の被検体Hを位置決めすることにより、アイソセンタが放射線治療装置1の回転中心に一致することになる。
各制御部は例えば1台のコンピュータで機能的に構成され、そのメモリに予め内蔵されたプログラムに従って処理を行なう。主制御部16はまた、インターフェース回路(以下、I/F回路という)22を介して後述する治療計画装置に接続されており、これにより治療する照射野の形状に基づく照射野データを受けとることができるようになっている。主制御部16は、更に、キーボード等の入力器23及びCRTからなる表示器24に接続されているほか、手持操作器25に接続されている。手持操作器25は寝台2付近に吊持され、操作性の向上が図られている。
照射制御部17は、ゲート信号のON/OFFにより放射線治療装置1からの放射線照射タイミングを制御するようになっている。また、架台制御部18は、架台駆動部15のステッピングモータの回転位置、回転スピード等を制御して架台3の回転速度や回転量等を制御するようになっている。さらに、寝台制御部19は、寝台駆動部6に制御信号を送り、該寝台駆動部6による天板2aの上下動並びに長手方向の移動量、及び支柱回転量並びにアイソセンタ回転量を制御する機能を備えている。
コリメータ制御部20は、リーフ駆動部12及び回転駆動部14に制御信号を送り、各リーフ91の移動位置及びMLC8の回転角度を制御可能に構成されている。
一方、この放射線治療装置1で放射線治療をするに際しては、治療計画データが必要である。本実施形態では、図1に示すように、放射線治療用CT装置(以下、単にCT装置という)30と、放射線治療計画装置(以下、単に治療計画装置という)31と、X線シミュレータ32とを備え、上記治療計画データを放射線治療装置1に供給可能になっている。
CT装置30は、通常のCTスキャナである。また、放射線治療計画装置31は、CT装置30で得られた画像データに基づいて放射線治療計画を行なうために使用するもので、コンピュータ機能を備えているものである。すなわち、図2に示すように、CRTを有した表示部33と、矩形ROI、ポリライン、クロスROIやキーボード、トラックボール等の入力器を有した入力部34と、全体を統括して制御すると共に、後述する図4の処理を行なう制御部35と、この制御部35で行なわれる処理の手順やその処理に必要なデータ等が予め記憶されていると共に、制御部35により計算されたデータを一時的に記憶しておくための記憶部36とを備えている。ここで、本発明において、制御部35は請求項7及び請求項8記載の制御手段を形成し、記憶部36が請求項7及び請求項8記載の蓄積手段を形成する。
この記憶部36には、照射野の形状を示す画像情報としての照射野情報と、各リーフ91の放射線透過率に関する情報であるリーフ情報と、係るリーフ情報を基に、過去の照射野情報(過去に特定した照射野の形状に関する画像情報)によって各リーフ91をどの程度移動させたかという各リーフ91の位置を特定した位置情報としてのリーフ制御情報が蓄積されている。従って、1つの照射野情報には、放射線治療を行う際の1つの特定されたリーフ情報を基にした1つのリーフ制御情報が特定されることになる。また一方、1つのリーフ情報からは、様々な照射野情報及び前記リーフ形状と前記照射野の形状とから特定されたリーフ制御情報が対応して蓄積されているのである。
このように、前記照射野情報及び前記リーフ情報を基に複数のリーフ91をどのように重ね合わせるかによって、複数の放射線量毎の照射野を一度に設定するリーフ制御情報が特定されるのである。ここで、前記複数の放射線量毎の照射野とは、例えば地図の等高線のように、複数の照射野が放射線量毎に段階的に形成されるような放射線の照射野を指すものであり、単一の放射線量でまかなうことができる照射野ではなく、このように複合した照射野に対する放射線治療が要求される場合に有効である。
また、X線シミュレータ32は、治療装置33で設定されたアイソセンタの位置データに基づいて体表上でマーキングを行なう機能、及び照射野の形状をフィルムに撮影する機能等を有するものである。
次に、本発明に係る放射線治療装置の一実施形態における全体の動作について説明する。
放射線治療を開始するにあたり、オペレータは、まず、入力装置34又は本発明の放射線治療装置1にネットワーク接続された他の装置等から患者情報が入力され、係る患者情報に該当する被検体HをCT装置30の寝台2に載置し、CT装置30を駆動させてその被検体Hのスキャノ像及びアキシャル像等を撮影する。ここで、各リーフ91のリーフ情報の初期的な情報が予め記憶装置36に蓄積されていることを前提とするが、リーフ91の構成が変更されたとき(放射線透過率が異なるリーフ91の入れ替えが行われたとき)は、このとき該当するリーフ情報が入力装置34によって入力される。
このスキャノ像及びアキシャル像等に基づく画像データは、治療計画装置31に送られる。治療計画装置31では、この画像データに基づく画像(スキャノ像、アキシャル像)が表示部33のCRTに表示される。このスキャノ像には、被検体Hの病変部が現れている。
オペレータは、このCRTを見ながら、その病変部及びセイフティーマージンを考慮した照射野の形状及びその位置を、例えば入力部34のポリラインにより指定する。
このようにしてオペレータが指定したターゲット形状及び位置データ(以下、単にターゲット形状データという)は、制御部35に送られる。ここで、本発明における「ターゲット形状」とは、被検体の病変部の照射野の形状(範囲)を指し、当該「ターゲット形状」を基にリーフの移動によって形成された放射線照射予定の範囲を「照射野形状」として説明する。
このとき制御部35及び記憶部36は、図4に示す処理を行なう。なお、記憶部36はメモリやハードディスク等の記憶手段とそれらに対して各種情報を読み書きするCPUとからなり、制御部35は例えば記憶部36等の外部の装置のCPUに対して各種情報の制御を要求するCPUを有するものとして説明する。
すなわち、制御部35は、入力部34から送信された患者情報及びターゲット形状データを受信した(S1)後、当該患者情報及びターゲット形状データ(前記スキャノ像及びアキシャル像)を記憶部36に送信する(S2)。そのターゲット形状データは、例えば図5に示すように、放射線量毎に複合した領域をなして得られるものであり、この時点で、放射線発生部7から出た放射線の放射線量に対して、所定の透過率(図中100%、50%、25%、12.5%、6.25%、0%)毎に占められる領域(図中ハッチングで表示)を個別に入力部34によって指定することができるようになっている。なお、前述したように、リーフユニット9を構成する各リーフ91は、放射線パス方向に全てのリーフ91が重なった部分では放射線を透過しない(遮蔽する)厚さになるように設定されているので、5つのリーフ91を透過した領域は放射線の透過率が0%の領域である。
一方、現在のリーフ情報を更新した(S3)記憶部36は、送信された患者情報及びターゲット形状データのうち、当該ターゲット形状データと同様の照射野情報が蓄積されているか否かを記憶部36のCPUに対して検索要求する(S4)。記憶部36の記憶手段内に当該ターゲット形状データと同様の照射野情報が存在した場合(S4−Yes)には、当該照射野情報に関連付けられたリーフ情報が現在のリーフ情報(S2で更新したリーフ情報)と同じか否かを判別する(S5)。制御部35から送信されたターゲット形状データ及び現在のリーフ情報と同様の照射野情報及びリーフ情報が、予め記憶部36に記憶されていた場合(S5−Yes)、記憶部36は、その該当する照射野情報に関連付けられたリーフ制御情報を制御部35に送信する(S6)。
一方、送信されたターゲット形状データと同様の照射野情報が予め記憶部36に記憶されていなかった場合(S4−No)又は、送信されたターゲット形状データと同様の照射野情報が予め記憶部36に記憶されているが、その予め蓄積されていた照射野情報に関連付けられたリーフ情報が現在のリーフ情報とは異なる場合(S5−No)、記憶部36のCPUは、現在のリーフ情報を制御部35に送信する(S7)。
制御部35は、リーフ情報又はリーフ制御情報が記憶部36から送信されたことを契機にして、リーフ情報が送信された場合(S8−Yes)、S1で得たターゲット形状データ及び送信されたリーフ情報を基にリーフ制御情報を演算し(S9)、演算されたリーフ制御情報を記憶部36に送信する(S10)。なお、ここで演算されたリーフ制御情報は、いわゆるビルドダウンも考慮して演算されることが望ましい。
ここで例えば、リーフ情報として各リーフの放射線透過率が全て50%であった場合、制御部35は、図5に示したターゲット形状データに応じて図6に示すようなリーフユニット9を構成するリーフ91の各段の配置設定に関する情報(リーフ制御情報)を演算するのであり、具体的には、各リーフ91をX方向にどれだけ動かせばターゲット形状データに近似する照射野を形成できるかを演算し、その変位をターゲット形状データ及びリーフ情報に関連したリーフ制御情報として記憶部36に記憶するのである。なお、図6では、リーフ91を同一方向に5(Z方向)×5(Y方向)に束ねたリーフユニット9A,9Bが対向した態様を示した上面図であり、図6(a)が線源に近い側であり、順次図6(e)までY方向に重ねられているものとするが、図6(a)〜図6(e)の各段の配列順序は変更されてもよい。そして、図6(a)〜図6(e)に示す各段のリーフ91群毎の放射線の透過領域をそれぞれ対応させて示した図が図7である。
また、制御部35によるリーフ制御情報の演算(S9)には、MLC8の回転も考慮される。具体的には、仮想的にMLC8の回転角度を0°、つまり初期位置に設定した状態から、MLC8の回転角度を予め決められたステップθ°(例えば1°)だけ増やし、MLC8の回転角度が360°、つまりMLC8が仮想的に一回転するまでの個別の誤差面積(MLCの回転角度が1°、2°、3°、…毎にそれぞれの誤差面積S1、S2、S3…)を制御部35が求め、記憶部36に記憶すると共に、記憶部36に記憶された誤差面積S1〜S360の中から、最小となる誤差面積Sminを選択するのである。
次いで制御部35は、照射野形状データ(選択されたMLCの回転角度が選択されていればそれも反映させる)を図8に示すように作成し、この照射野形状をターゲット形状Tと重ねて表示部33のCRTに表示させる。
このとき、オペレータは、CRTを見ながら、図8に示すように作成された照射野形状が図5に示すようなターゲット形状Tに適しているか否かを判断する。この結果、例えばあるひとつのリーフ91の位置が適していないと思われる場合トラックボール等を用いてそのリーフの指定、及び移動させたい位置等の信号(微調整信号)を制御部35に送る。また、適していると判断した場合は、その旨を表す信号(以下、OK信号という)を例えばキーボードにより送る。
制御部35は、この微調整信号が送られるか否かを待っており、微調整信号が送られた場合は、この微調整信号を読み込んで対応する処理を行なう。また、この微調整が行なわれた後、あるいは直接キーボードからOK信号が入力された場合は、もう微調整は行なわないと判断する。
微調整は行なわないと判断した場合、制御部35は、作成された照射野形状でよいかどうか判断する。この結果、他にもっと最適な照射野形状があると判断した場合は、新たにオペレータから指定される開度設定モードにしたがって、上述した処理を繰り返す。一方、この照射野形状でよいと判断した場合は、演算処理を終了する。
その後、記憶部36は、制御部35からリーフ制御情報が送信されたか否かを判定(S11)し、リーフ制御情報が送信された場合(S11−Yes)には、当該リーフ制御情報を患者情報及び/又はリーフ情報に関連付けて新たなリーフ制御情報として保存する(S12)。このようにしてリーフ制御情報が制御部35から送信されなかった場合(S11−No)、すなわち、予め蓄積されたリーフ制御情報で間に合ったか、制御部35からリーフ制御情報が送信され(S11−Yes)、当該リーフ制御情報を患者情報及び/又はリーフ情報に関連付けて新たなリーフ制御情報として保存した(S12)後に、再びリーフ情報の更新(S3)が作業者によって行われるまで待機状態(A)となる。
このように治療計画がされた(記憶部36からリーフ情報が送信されない(S8−No)か又は、記憶部36にリーフ制御情報を送信した(S10))後、例えば一週間経過した後で放射線治療が行なわれる。この治療に際して、放射線治療装置1のコンソール5の入力器23を使って主制御部16を起動させると、主制御部16は、それまでに治療計画装置31の記憶部36に記憶されていたリーフ制御情報を読み出す。このリーフ制御情報をコリメータ制御部20に渡すと、コリメータ制御部20は、そのリーフ制御情報に従って各リーフが重畳する態様をなすようにリーフ駆動部12を制御する(S13)。
そして、リーフ制御情報によるリーフ駆動部12(及び回転駆動部14)の駆動により、MLC8の各リーフ9は、治療計画装置31で計画された位置に移動し、また、MLC8全体は、治療計画装置31で計画された位置まで回転する。従って、放射線発生部7から出た放射線は、MLC8の照射開口に沿って絞られ、最終的には、放射線量毎に複合した照射野に対する放射線照射作業を多段階で行うことなく、最適な当該照射野に対して一度で放射線治療作業を行えるので、オペレータの作業効率を軽減した効果的な治療が行なわれることになる。
また、本実施形態において、ターゲット形状の指定をポリラインによって行なったが、本発明はこれに限定されるものではなく、上述した矩形ROIやボクセルデータ等を用いて指定してもよい。
また、本実施形態では、上述した図4の処理を放射線治療装置1で行なっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、治療計画装置31で図4の処理を仮想的に行ない、この結果を放射線治療装置1に送るように構成してもよい。
また、本実施形態では、放射線治療システムを、放射線治療装置1、CT装置30、治療計画装置31、X線シミュレータ32から構成したが、本発明は、これに限定されるものではなく、放射線治療システムとして、放射線治療装置1と、CT装置30、治療計画装置31、及びX線シミュレータ32の機能を兼ね備えたX線CTシミュレータとから構成してもよい。
さらに、上記説明では、2つのリーフユニット9を対向させた構成について説明したが、本実施形態では、図9に示すように、対向した2つのリーフユニット9が直交するように、2対のリーフユニット9を構成してもよい。このような構成を採用することにより、リーフ91の移動方向が増える(1方向→直交する2方向)ので、対向した2つのリーフユニット9によって形成される照射野よりも複雑な照射野を形成することができる。
さらに、上記説明では、2つのリーフユニット9を対向させた構成について説明したが、一のリーフユニット9を構成する各段のリーフ91群が他のリーフユニット9を構成する各段のリーフ91群に対して重なるように配置してもよいし、リーフユニット9の断面がアレイ状になるように、リーフ91を同一方向に規則正しく束ねることによって生じうる放射線の漏れを防ぐために、同一のリーフユニット9を構成する各段のリーフ91群がリーフ91間の間隙を覆うように互い違いに設置されてもよい。
加えて、本実施形態では、MLC8自体を回転可能とした構成を採用したが、当該回転機構は必ず採用されなければならないものではない。なぜなら、本発明におけるリーフは、放射線を遮蔽する遮蔽材として照射野のみを形成する従来のリーフとは異なり、放射線に対して固有の透過率を有し、略柱状をなすリーフ91が同一方向に束ねられるなどして、放射線を所望の強度毎に領域を形成するように透過する構成を有することが特徴だからである。そこでむしろ、本発明では、主要部であるリーフユニット9自体を回転可能としたり、リーフユニット9を構成するリーフ91の各段が個別に回転可能となるように構成することによって照射野の形状を多様化させることもできる。
(他の実施形態)
また、本発明に係る放射線治療装置の他の実施形態として、複数のリーフ91がリーフユニット9を構成するのではなく、個々のリーフ91が独立して駆動させるようにしてもよい。すなわち、リーフ91が各々同じ方向に束ねられてなるリーフユニット9を採用した場合には、リーフ91の個々の形状(例えば矩形)に依存して照射野が決定されるので、その自由度を高めるために、個々のリーフ91の駆動方向をリーフユニット9に制限させることなく構成したものである。そして、前述の実施形態のように、リーフユニット9の各リーフ91同士を対向させて配置するのではなく、放射線に対してリーフ91が重畳するように配置したものである。
また、本発明に係る放射線治療装置の他の実施形態として、複数のリーフ91がリーフユニット9を構成するのではなく、個々のリーフ91が独立して駆動させるようにしてもよい。すなわち、リーフ91が各々同じ方向に束ねられてなるリーフユニット9を採用した場合には、リーフ91の個々の形状(例えば矩形)に依存して照射野が決定されるので、その自由度を高めるために、個々のリーフ91の駆動方向をリーフユニット9に制限させることなく構成したものである。そして、前述の実施形態のように、リーフユニット9の各リーフ91同士を対向させて配置するのではなく、放射線に対してリーフ91が重畳するように配置したものである。
なお、本実施形態では、各リーフ91が独立した方向に設置されているので、リーフ情報にリーフ91の各々が予め配置された位置情報を含め、リーフ制御情報には、前述の実施形態のように各リーフをX方向にどの程度移動させればよいかという情報だけでなく、当該リーフ91が移動させる変位を示す変位情報を含めることが必要である。
さらに、本発明に係る放射線治療装置の他の実施形態として、複数のリーフ91がリーフユニット9を構成するのではなく、前記ターゲット形状に応じて凹凸部が表面に形成された厚さが不均一のリーフ91を採用してもよい。
上述の各実施形態は、本発明の一例であり、本発明は各実施の形態に限定されることはない。また、この他であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
1 放射線治療装置
2 寝台
2a 天板
3 架台
4 架台支持体
5 コンソール
6 寝台駆動部
7 放射線発生部
8 MLC
9 リーフユニット
12 リーフ駆動部
14 回転駆動部
16 主制御部
17 照射制御部
20 コリメータ制御部
30 CT装置
31 治療計画装置
32 X線シミュレータ
33 表示部
34 入力部
35 制御部
36 記憶部
91 リーフ
2 寝台
2a 天板
3 架台
4 架台支持体
5 コンソール
6 寝台駆動部
7 放射線発生部
8 MLC
9 リーフユニット
12 リーフ駆動部
14 回転駆動部
16 主制御部
17 照射制御部
20 コリメータ制御部
30 CT装置
31 治療計画装置
32 X線シミュレータ
33 表示部
34 入力部
35 制御部
36 記憶部
91 リーフ
Claims (12)
- 線源から被検体の病変部に向けて放射された放射線の照射方向に沿って重なる位置に複数の放射線透過体が配置され、それらの放射線透過体が、前記放射線の一部を遮るように独立して移動可能とされたことを特徴とするコリメータ。
- 線源から被検体の病変部に向けて放射された放射線の一部を遮るように放射線透過体が設置されたコリメータを備え、
前記病変部の放射線量毎の照射領域に応じて前記放射線透過体の厚さが変化していることを特徴とする放射線治療装置。 - 固有の放射線透過率を有する複数の放射線透過体が線源から被検体の病変部に向けて放射された放射線の一部を遮るように独立して移動可能とされたコリメータを備え、被検体の病変部の所望の放射線量毎の照射領域及び各放射線透過体の放射線透過率に応じて前記放射線透過体を移動させて放射線治療を行うことを特徴とする放射線治療装置。
- 固有の放射線透過率を有し、柱形状をなす複数の放射線透過体を断面形状がアレイ状となるように束ねてなる放射線透過体ユニットを有し、被検体の病変部に照射する放射線の放射線量毎の照射領域及び各放射線透過体の放射線透過率に応じて、前記放射線透過体が移動可能とされたことを特徴とする放射線治療装置。
- 前記放射線透過体ユニットが複数設けられ、前記放射線のパスを挟んで対向するように設置されたことを特徴とする請求項4に記載の放射線治療装置。
- 一の前記放射線透過体ユニットの前記放射線透過体と他の前記放射線透過体ユニットとが重畳するように前記複数の放射線透過体ユニットを配設したことを特徴とする請求項4に記載の放射線治療装置。
- 前記放射線透過体の放射線透過率が略均一であることを特徴とする請求項3〜6の何れかに記載の放射線治療装置。
- 固有の放射線透過率を有する複数の放射線透過体が線源から被検体の病変部に向けて放射された放射線の一部を遮るように独立して移動可能とされたコリメータと、被検体に放射線を照射する病変部の放射線量毎の照射領域に関する照射情報及び各放射線透過体の照射線透過率に関する放射線透過体情報が予め蓄積された蓄積手段と、前記照射情報及び放射線透過体情報に基づいて各放射線透過体を移動させる制御手段とを備え、その制御手段によって透過率が制御された前記コリメータを介して放射線が照射されることにより被検体の病変部に所望の放射線量毎の照射領域を形成して放射線治療を行うことを特徴とする放射線治療システム。
- 固有の放射線透過率を有する複数の放射線透過体を断面形状がアレイ状となるように重畳させてなる放射線透過体ユニットを有するコリメータと、被検体に放射線を照射する病変部の放射線量毎の照射領域に関する照射情報及び各放射線透過体の照射線透過率に関する放射線透過体情報が予め蓄積された蓄積手段と、前記照射情報及び放射線透過体情報に基づいて各放射線透過体を移動させる制御手段と、その制御手段によって透過率が制御された前記コリメータを介して放射線が照射されることにより被検体の病変部に所望の放射線量毎の照射領域を形成して放射線治療を行うことを特徴とする放射線治療システム。
- 前記放射線透過体ユニットが複数設けられ、前記放射線のパスを挟んで対向するように設置されたことを特徴とする請求項9に記載の放射線治療システム。
- 一の前記放射線透過体ユニットの前記放射線透過体と他の前記放射線透過体ユニットとが重畳するように前記複数の放射線透過体ユニットを配設したことを特徴とする請求項9に記載の放射線治療システム。
- 前記放射線透過体の放射線透過率が略均一であることを特徴とする請求項8〜11の何れかに記載の放射線治療システム。
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JP2003427169A JP2005185321A (ja) | 2003-12-24 | 2003-12-24 | コリメータ及び放射線治療装置及び放射線治療システム |
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2003
- 2003-12-24 JP JP2003427169A patent/JP2005185321A/ja active Pending
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