JP2004166421A - ブラシ及びブラシ装置並びにモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】ブラシ寿命が短縮されるのを制限しつつ、モータ作動中に発生するブラシ自励振動による振動,騒音を、安価な手段により確実に抑制するブラシ及びブラシ装置並びにモータを提供する。
【解決手段】ブラシ収容部22に摺動可能に保持され、コイル状のスプリング26によって整流子16側へ付勢されるブラシ23であって、ブラシ23の整流子16と反対側の端部には、スプリング26端部の略全周と当接するテーパー状の傾斜部23bが形成され、傾斜部23bは、スプリング26の一端部と傾斜部23bとの当接部分からスプリング26の他端部を当止めする係止面22aまでの摺動方向の距離が、スプリング26の周方向において一方側が他方側よりも相対的に長くなるように形成された。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はブラシ及びブラシ装置並びにモータに係り、特にモータ作動中のブラシの自励振動及びこの振動による異音の発生を抑制する構造を備えたブラシ及びブラシ装置並びにモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
車室内に使用されるモータ、例えば空調用モータには、低騒音であること、異音を発生しないことが要求される。使用されるモータがブラシと整流子を備えた直流モータである場合、特に当該ブラシと整流子との摺接によって発生する騒音の低減が要求される。
【0003】
図10に従来例に係る一般的なブラシ保持構造の説明図を示す。図10に示すように、ブラシ53は、ブラシ収容部52内に摺動可能に保持され、整流子66との摺接面とは反対側の側面をコイルスプリング等の付勢手段56で付勢され、整流子66に圧接されている。ブラシ53の後端側の側面は、ブラシ53の摺動方向に対して略直角な面となっている。
【0004】
図10に示すように、先端にテーパー部が設けられたブラシ53は、モータ内に組み付けられた当初、テーパー部の先端部分と整流子66とが摺接する。このとき、ブラシ53は、テーパー部の先端部分と整流子66との当接部を中心として、整流子66と反対側の部分が、ブラシ収容部52内の摺動面から浮き上がった状態となることがある。
【0005】
ブラシ53は、モータが作動すると整流子66と摺接するが、種々の原因によりブラシ収容部52内で自励振動を起こす。この自励振動は、整流作用を悪化させるばかりでなく、異音を発生して使用者に不快感を与えるものである。
【0006】
自励振動が起こる原因としては、ブラシと整流子との間の摩擦力を含め、ブラシに加わる外力の総和にアンバランスが生じることにある。そのアンバランス発生の誘発原因の一つには、上述のようにブラシ53がブラシ収容部52の内面と面接触していない不安定な状態にあることが挙げられる。このような、不安定な状態は、上述のようにブラシ53の組み付け当初に起こり易いが、モータ作動後所定時間経過してブラシ53と整流子66が面接触にて摺接するようになった後にも種々の要因により発生する。
【0007】
このような自励振動を抑制するために、ブラシの後端面(モータ軸に対して径方向外側面)をブラシ摺動方向に対して所定角度の傾斜平面となるように形成し、この傾斜平面に付勢力を与えるように構成する技術が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0008】
このように構成すると、当該ブラシが付勢手段によって後部から付勢されることにより、傾斜平面にかかる付勢力はブラシ収容部内側面側への分力を有することになり、ブラシはその内側面に押付けられて摺動するようになる。したがって、モータ作動中、ブラシはブラシ収容部内側面と面接触して摺動し、ブラシ収容部内で自励振動を起こすことが抑制される。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−211748号公報(第4−5頁、第1図、第2図)
【0010】
【特許文献2】
特開平10−336974号公報(第3−5頁、第1−6図)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のようにブラシの後端側が摺動方向に対して平面状に斜めに切り落とされたように形成されると、ブラシの有効長が短くなる。したがって、このようなブラシはブラシ寿命が短くなってしまうので、長いブラシ寿命が要求されるモータには採用し難いという問題があった。すなわち、ブラシ後端の傾斜面のうち、整流子に近い辺を基準として、ブラシ寿命が計算されるので、当該ブラシの実質的な有効長は短いものとなってしまう。
【0012】
本発明の目的は、上記問題に鑑み、ブラシ寿命が短縮されるのを制限しつつ、モータ作動中に発生するブラシ自励振動による振動,騒音を、安価な手段により確実に抑制するブラシ,ブラシ装置及びモータを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、請求項1に記載のブラシによれば、ブラシ収容部に摺動可能に保持され、コイル状のスプリングによって整流子側へ付勢されるブラシであって、前記ブラシの前記整流子と反対側の端部には、前記スプリングによって前記ブラシとの当接部に前記ブラシの摺動方向に沿う中心線と略交わる方向へ付勢力を生じさせるように、前記当接部全周にわたって前記ブラシの摺動方向に対して所定の角度をなすテーパー状の傾斜部が形成され、前記当接部にかかる付勢力の前記ブラシの摺動方向と垂直な方向を向く分力の総和は、前記ブラシ収容部の所定の内側面側にかかることにより解決される。
【0014】
このように、ブラシのスプリングとの当接面側にブラシの摺動方向に沿う中心線と略交わる方向へ付勢力を発生させるような傾斜部が形成されることにより、スプリングによってブラシ全体には、ブラシ摺動方向とブラシ摺動方向と垂直な方向の分力が加わることになる。
【0015】
そして、ブラシ摺動方向と垂直な方向の分力が打ち消し合ってしまうことなく、その総和が所定方向にかかるように傾斜部が形成されることにより、ブラシはブラシ収容部内で所定の側面に押付けられる。これにより、ブラシはブラシ収容部の内側面と面接触して摺動するので、ブラシの自励振動を抑制することが可能となる。
【0016】
また、従来のようにブラシの後端側を傾斜平面とするよりも、ブラシの有効長が短くなる程度を抑えることができ、ブラシ寿命を確保することが可能となる。
【0017】
また、前記課題は、請求項2に記載のブラシによれば、ブラシ収容部に摺動可能に保持され、コイル状のスプリングによって整流子側へ付勢されるブラシであって、前記ブラシの前記整流子と反対側の端部には、前記スプリングの一端部の略全周と当接するテーパー状の傾斜部が形成され、該傾斜部は、前記スプリングの一端部と前記傾斜部との当接部分から前記スプリングの他端部を当止めする部分までの摺動方向の距離が、前記スプリングの周方向において一方側が他方側よりも相対的に長くなるように形成されることにより解決される。
【0018】
このように、ブラシのスプリングとの当接面側に、スプリング端部と略全周にわたって当接するテーパー状の傾斜部が形成され、かつ、傾斜部の一方側の方が他方側よりもスプリングの当止め部までの距離が長く形成されることにより、傾斜部の一方側と他方側にかかる付勢力には、ブラシ摺動方向と垂直な方向の分力において差が生じる。
【0019】
この分力の差によって、ブラシ全体としてブラシ摺動方向と垂直な方向に押圧力がかかることになる。これにより、ブラシはブラシ収容部の内側面と面接触して摺動することなるので、ブラシの自励振動を抑制することが可能となる。
【0020】
また、請求項3に記載のように、前記傾斜部は、前記ブラシの前記整流子と反対側の面内において一方側に偏心するように形成することができる。また、請求項4に記載のように、前記ブラシの前記整流子との摺接面側には、前記整流子の軸方向の一方側を鋭角としたテーパー部が形成され、該テーパー部の鋭角側は、前記スプリングの一端部と前記傾斜部との当接部分から前記スプリングの他端部を当止めする部分までの摺動方向の距離が前記スプリングの周方向において相対的に長くなる側に形成された場合でも、ブラシにはテーパー部が形成された側面がブラシ収容部の内面に押付けられるように分力がかかるので、ブラシがブラシ収容部内で浮き上がった状態とならないので好適である。
【0021】
また、請求項5に記載のブラシ装置のように、整流子を備えたモータ内に配設されるブラシ装置であって、前記ブラシが備えられれば好適である。前記ブラシがブラシ装置のブラシ収容部に配設されることにより、ブラシ装置からの騒音や異音の発生を抑制することができる。また、ブラシのスプリングとの当接面側の形状のみの変更によって、騒音等を抑制することが可能であるので好適である。
【0022】
また、請求項6に記載のモータのように、前記ブラシ装置を備えれば好適である。モータから発生する騒音や異音が抑制されるので、室内等の静かさが要求される箇所への使用に適合する。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は実施例のモータの断面説明図、図2は図1のブラシ装置の正面図、図3は図1のブラシ収容部の拡大図、図4は本実施例のブラシの平面図、図5は本実施例のブラシの背面図、図6は本実施例のブラシの後端側部分の部分断面拡大図、図7は別実施例のブラシの側面図、図8及び図9は別実施例のブラシの説明図である。以下に説明する配置、形状等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
【0024】
本発明を自動車に用いられるブロアモータを例にとって説明する。図1に示すように、本発明の実施例に係るモータMは、固定子11と、巻線12aを備えた回転子12と、回転子12に挿着された回転軸13を軸支する軸受14,15と、回転軸13に配設された整流子16と摺接するブラシ23等を備えるブラシ装置20と、これらを収容するモータハウジング40,エンドプレート41等、を備えている。
【0025】
図1及び図2に示すように、ブラシ装置20は、合成樹脂製のプレート部21の一方の面に、金属製のブラシ収容部22、ブラシ23、ピグテール24、ターミナル部材25等が配設された構成となっている。
【0026】
プレート部21の中央部には整流子16が挿通される開口部21aが形成されており、開口部21aを挟んで対向するように2つのブラシ収容部22が配設されている。ブラシ収容部22は、金属製の箱型に形成された部材であって、2つの側面の数箇所に形成された脚部がプレート部21に形成された取付孔に挿入されて嵌め込まれることにより、プレート部21に取付けられている。
【0027】
また、ブラシ収容部22の上面には、ピグテール24が移動可能なスリット22bが形成されている。ブラシ収容部22の後部には、ブラシ収容部22の上面に対して略垂直に折り曲げられて係止面22aが形成されており、係止面22aはスプリング26を当止めしている。
【0028】
ブラシ装置20は、蓋状のエンドプレート41とモータハウジング40に挟持されるように、ネジ17によって螺子留めして一体に固定されている。
【0029】
図3に示すように、ブラシ23はブラシ収容部22内に摺動可能に保持されており、ブラシ収容部22の係止面22aとブラシ23との間には、スプリング26が介装されている。スプリング26は、コイル状のスプリングであって、ブラシ23の後端面を押圧することにより、ブラシ23を整流子16側へ付勢している。
【0030】
ブラシ23の整流子16との摺接側はテーパー形状に形成されており、ブラシ23は、プレート部21側にテーパー形状の鋭角部23aが位置するように配置されている。また、ブラシ23の後端部には、面取りされたようなテーパー形状の傾斜部23bが形成されている。
【0031】
図4乃至図6に示すように、ブラシ23の後端部には、ブラシ23の摺動方向と略垂直な面である円形平面部23cが形成されている。円形平面部23cは、プレート部21(ブラシ23が摺接する面)とは反対側(図中上側)に偏心するように形成されている。円形平面部23cの周縁からブラシ23の4つの側面に向かって、円形平面部23cに対して一定の角度で曲面状の傾斜部23bが形成されている。
【0032】
なお、ブラシ23の後端部において、円形平面部23c及び傾斜部23bが形成されていない部分は、平面部23dとなっている。平面部23dは、円形平面部23cが上方に偏心している分、図3に示すように円形平面部23cに対して僅かに傾いた状態となっている。
【0033】
このように形成されたブラシ23がスプリング26によって後部から付勢される場合、図3に示すように、スプリング26は曲面状に形成された傾斜部23bの略全周にわたって当接する。上述のように円形平面部23cが上方に偏心されているので、傾斜部23bの上側と下側では、平面部23dまでの傾斜面の長さが相対的に異なる。そして、図3に示すように、ブラシ23のスプリング26との当接部分は、ブラシ23の上側よりも下側の方が相対的に係止面22aからの距離が長くなっている。
【0034】
したがって、ブラシ23の傾斜部23bの上側にかかるスプリング26による付勢力Aと傾斜部23bの下側にかかる付勢力Bとを比較すると、付勢力Aの方が付勢力Bよりも大きくなっている。そして、付勢力A,Bのかかる方向は、傾斜部23bが円形平面部23cに対して一定の角度をなすように形成されていることから、図3に示すようにブラシ23の摺動方向に沿う中心線C−Cと略交わる方向へ向くものとなる。
【0035】
傾斜部23bの全周にかかる付勢力に関しては、傾斜部23bの各部分にかかる付勢力は中心線C−Cと略交わる方向を向き、かつ、下側部分よりも上側部分にかかる付勢力の方が相対的に大きくなるようになっている。
【0036】
よって、スプリング26によってブラシ23に与えられる付勢力の総和は、整流子16側への分力と、図5に示すように下向き(プレート部21方向)の分力Xを有するものとなる。そして、下向きの分力Xによって、ブラシ23はプレート部21に押付けられる。
【0037】
これにより、モータMの作動中、ブラシ23はプレート部21に押付けられて面接触しながら摺動するので、ブラシ収容部22内で自励振動が誘発されることが抑えられ、モータMの振動や異音の発生を防止することが可能となる。
【0038】
上記のように、本実施の形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本例のブラシ23には、後端面に円形平面部23cの周縁からブラシ23の4つの側面方向にかけて、曲面からなる傾斜部23bが形成されている。円形平面部23cは、ブラシ23の上方に偏心した位置に形成されており、傾斜部23bは円形平面部23cの周縁から一定の角度をなすように形成されている。
【0039】
このため、傾斜部23bの上側傾斜面より下側傾斜面の長さの方が相対的に長くなっており、スプリング26がブラシ23と係止面22aとの間に配置されると、スプリング26は係止面22aからブラシ23との当接部分までの距離が上側よりも下側の方が長くなるような状態で、傾斜部23bの略全周にわたって当接する。
【0040】
したがって、傾斜部23bは下側よりも上側の方がスプリング26によって付勢される力が大きくなる。また、傾斜部23bはブラシ23の摺動方向に対して傾斜しているので、傾斜部23bには、ブラシ23の中心方向に向く付勢力がかかると共に、下側より上側の方が中心向きの力が大きいため、ブラシ23全体にかかる力としては下向きの分力を含むことになる。
【0041】
このため、ブラシ23は、スプリング26によってプレート部21側へ押付けられる力を受けることになり、モータMの作動中にブラシ23がブラシ収容部22内で自励振動することを抑制することができる。これにより、モータMに発生する騒音や異音を低減することが可能となる。
【0042】
(2)また、本例のブラシ23は、従来の制振構造を備えたブラシ、すなわち、後端面が摺動方向に対して所定の角度を有する傾斜平面となるように形成されたブラシと比べて、傾斜部23bの部分が削られたような形状に形成されただけなので、実質的なブラシの有効長を犠牲にする程度が小さく、長寿命を要求されるモータに適用することが可能となる。
【0043】
(3)また、本例のブラシ23は、スプリング26によってプレート部21側へ押付けられる分力を受けているので、ブラシ23をモータMに組み付けた当初に、テーパー形状の鋭角部23aと整流子16との当接箇所を中心として、ブラシ23がプレート部21から浮き上がった状態となることを防止することができる。このため、ブラシ23を、モータMの作動当初から安定した状態でブラシ収容部22内に保持することができるので、ブラシ23の自励振動を抑制することが可能となる。
【0044】
(4)また、本例のブラシ23にはスプリング26が傾斜部23bに嵌り込むようにして当接するので、ブラシ23とスプリング26との位置関係はモータMが作動することによってずれることがない。したがって、ブラシ23は、スプリング26から安定した付勢力を受けることができるので好適である。
【0045】
(5)また、本例のモータMでは、ブラシ23,スプリング26をブラシ収容部22内に組み付ける工程は従来のものと変わることがないので、組付の製造ラインに変更を加える必要がなく、また、ブラシ23の形状の変更のみでその他の構成部品の変更を伴うものではないため、製造コストを押し上げることがないので好適である。
【0046】
なお、本発明の実施の形態は、以下のように変更してもよい。
○上記実施の形態では、円形平面部23cの周縁から一定の角度で傾斜部23bが形成されており、平面部23dがブラシ23の摺動方向に直角な面に対してやや傾斜したものとなっているが、これに限らず、図7に示すように円形平面部23cの周縁から下側より上側の方が傾斜角度が大きくなるように形成して、平面部23dがブラシ23の摺動方向に対して略直角となるように形成してもよい。
【0047】
このように構成すると、傾斜部23bがスプリング26によって付勢される力は、係止面22aと当接部間の距離の違いにより、下側の付勢力Bよりも上側の付勢力Aの方がやや大きくなる。このとき、付勢力Aのかかる方向は、付勢力Bのかかる方向よりも摺動方向に対して垂直に近くなるため、垂直方向の分力は付勢力Bよりも付勢力Aの方が大きくなる。
【0048】
したがって、ブラシ23全体にかかる付勢力は、下側に向かう分力を有するものとなり、ブラシ23はスプリング26によってプレート部21側に押付けられることになる。よって、このように構成しても、ブラシ23がブラシ収容部22内で自励振動を発生することを抑制することができる。
【0049】
○また、上記実施の形態では、ブラシ23を下側に押付けるように構成するために、円形平面部23cを上方に偏心させていたが、これに限らず、例えば、左右方向や図8に示すように円形平面部23cを斜め上方に偏心させてもよい。
【0050】
整流子16が回転軸13を中心に図中R方向へ回転する場合、整流子16との摺接によって、ブラシ23もR方向へ押付けられる。このとき、同図(B)に示すように円形平面部23cが左斜め上に偏心された構成となっていれば、ブラシ23はスプリング26によって斜め下向きの分力Yを受けることになる。
【0051】
このように構成することにより、ブラシ23は分力Yによって、プレート部21に押付けられると共に、ブラシ収容部22の側面にも押付けられるので、ブラシ23がブラシ収容部22内で自励振動を発生することを抑制することができる。
【0052】
○また、上記実施の形態では、円形平面部23cを上方に偏心させていたが、これに限らず、図9に示すように円形平面部23cをブラシ23の側面の略中央に位置するように形成してもよい。この場合、円形平面部23cの上側の傾斜角度よりも下側の傾斜角度の方を大きく形成することにより、下側の傾斜面の長さを長く形成すればよい。
【0053】
このように形成すれば、スプリング26がブラシ23の上側よりも下側の方が、係止面22aからの距離が大きくなり、下側よりも上側に大きな付勢力がかかる。これにより、ブラシ23全体としては、同図(B)に示すように下向きの分力Xを受けることになる。この分力Xによりブラシ23は下側に押付けられるので、ブラシ23の自励振動を抑制することができる。
【0054】
○また、上記実施の形態では、傾斜部23bが曲面に形成されているが、これに限らず、複数の傾斜平面によって傾斜部23bが形成されるようにしてもよい。
【0055】
○また、上記実施の形態では、ブラシ収容部22の後部が、ブラシ収容部22の上面に対して略垂直に折り曲げられて係止面22aが形成されているが、これに限らず、係止面22aから傾斜部23bのスプリング26との当接部分までの距離が、ブラシ23が押付けられる側の方が押付けられない側よりも相対的に長くなるようにすればよい。
【0056】
【発明の効果】
以上のように、本発明のブラシ及びブラシ装置並びにモータによれば、ブラシの後端面を摺動方向に対して斜めに形成することによってブラシ収容部の側面に押付ける構成ではなく、ブラシ後端面の一部に所定の面取り状の傾斜面を形成してブラシ収容部の側面に押付ける構成としているので、従来に比してブラシの実質的有効長が小さくなる程度が低減され、かつ、モータ作動中に発生するブラシ自励振動による振動,騒音を安価な手段により確実に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のモータの断面説明図である。
【図2】図1のブラシ装置の正面図である。
【図3】図1のブラシ収容部の拡大図である。
【図4】本実施例のブラシの平面図である。
【図5】本実施例のブラシの背面図である。
【図6】本実施例のブラシの後端側部分の部分断面拡大図である。
【図7】別実施例のブラシの側面図である。
【図8】別実施例のブラシの説明図である。
【図9】別実施例のブラシの説明図である。
【図10】従来例のブラシ装置の説明図である。
【符号の説明】
11 固定子、12 回転子、12a 巻線、13 回転軸、14,15 軸受、16 整流子、17 ネジ、20 ブラシ装置、21 プレート部、21a 開口部、22 ブラシ収容部、22a 係止面、22b スリット、23 ブラシ、23a 鋭角部、23b 傾斜部、23c 円形平面部、23d 平面部、24 ピグテール、25 ターミナル部材、26 スプリング、40 モータハウジング、41 エンドプレート、52 ブラシ収容部、53 ブラシ、56 付勢手段、66 整流子、A,B 付勢力、M モータ、X,Y 分力

Claims (6)

  1. ブラシ収容部に摺動可能に保持され、コイル状のスプリングによって整流子側へ付勢されるブラシであって、
    前記ブラシの前記整流子と反対側の端部には、前記スプリングによって前記ブラシとの当接部に前記ブラシの摺動方向に沿う中心線と略交わる方向へ付勢力を生じさせるように、前記当接部全周にわたって前記ブラシの摺動方向に対して所定の角度をなすテーパー状の傾斜部が形成され、
    前記当接部にかかる付勢力の前記ブラシの摺動方向と垂直な方向を向く分力の総和は、前記ブラシ収容部の所定の内側面側にかかることを特徴とするブラシ。
  2. ブラシ収容部に摺動可能に保持され、コイル状のスプリングによって整流子側へ付勢されるブラシであって、
    前記ブラシの前記整流子と反対側の端部には、前記スプリングの一端部の略全周と当接するテーパー状の傾斜部が形成され、
    該傾斜部は、前記スプリングの一端部と前記傾斜部との当接部分から前記スプリングの他端部を当止めする部分までの摺動方向の距離が、前記スプリングの周方向において一方側が他方側よりも相対的に長くなるように形成されたことを特徴とするブラシ。
  3. 前記傾斜部は、前記ブラシの前記整流子と反対側の面内において一方側に偏心されていることを特徴とする請求項2に記載のブラシ。
  4. 前記ブラシの前記整流子との摺接面側には、前記整流子の軸方向の一方側を鋭角としたテーパー部が形成され、
    該テーパー部の鋭角側は、前記スプリングの一端部と前記傾斜部との当接部分から前記スプリングの他端部を当止めする部分までの摺動方向の距離が前記スプリングの周方向において相対的に長くなる側に形成されたことを特徴とする請求項2に記載のブラシ。
  5. 整流子を備えたモータ内に配設されるブラシ装置であって、
    請求項1乃至5のいずれか一項のブラシを備えたブラシ装置。
  6. 請求項5に記載のブラシ装置を備えたモータ。
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