JP2004166114A - クロック生成回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】デジタルPLL回路において発振周波数が所望値に到達するまでの時間を短縮する。
【解決手段】書き換え可能なメモリ120内に信号240b,240cの値(リングオシレータ110の発振周波数と所望の周波数との差分量に関する情報を与える)に関連づけられた複数の調整量(増加量及び減少量)が格納されている。制御回路131は信号240b,240cの値に応じてメモリ120内から1つの調整量を選択し、カウンタ132の値を選択した調整量だけ増減する。カウンタ132の値によって発振周波数が調整される。
【選択図】 図2
【解決手段】書き換え可能なメモリ120内に信号240b,240cの値(リングオシレータ110の発振周波数と所望の周波数との差分量に関する情報を与える)に関連づけられた複数の調整量(増加量及び減少量)が格納されている。制御回路131は信号240b,240cの値に応じてメモリ120内から1つの調整量を選択し、カウンタ132の値を選択した調整量だけ増減する。カウンタ132の値によって発振周波数が調整される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はクロック生成回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のデジタル方式のPLL(Phase Locked Loop)回路では、入力クロックの位相とリングオシレータによる発振クロックの位相とを位相比較器が比較し、その比較結果に基づいて位相比較器がリングオシレータの遅延量を制御する。詳細には、発振クロックの位相が入力クロックの位相よりも早い場合、すなわち発振周波数が所望の周波数(入力クロックの周波数の逓倍比倍の周波数)よりも高い場合、位相比較器はリングオシレータの遅延量を制御するための、すなわち発振周波数を制御するためのカウンタの値を減らす。逆に、発振クロックの位相が入力クロックの位相よりも遅い場合、すなわち発振周波数が所望の周波数よりも低い場合、位相比較器は上記カウンタの値を増やす。このとき、従来のPLL回路では位相比較器がカウント値”1”(回路的に(ハードウェア的に)固定されている)ずつカウンタの値を増減する。
【0003】
なお、デジタルPLL回路は例えば次の文献において紹介されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−220365号公報
【特許文献2】
特開平8−316826号公報
【特許文献3】
米国特許第6,225,840号明細書
【特許文献4】
米国特許第6,049,238号明細書
【特許文献5】
米国特許第6,157,226号明細書
【特許文献6】
米国特許第6,366,150号明細書
【非特許文献1】
Michel Combes,Karim Dioury, and Alain Greiner,A Portable Clock Multiplier Generator Using Digital CMOS Standard Cells,”IEEE JOURNAL OF SOLID−STATE CIRCUITS, VOL.31, NO.7, JULY 1996”,p.958−965
【非特許文献2】
石見幸一、澤井克典、清水一禎,低電圧化に向けたフルデジタルPLLの開発,信学技報,社団法人電子情報通信学会,vol.97, No.166, p.29−36, 1997/6
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のデジタルPLL回路では位相比較器がリングオシレータの遅延量をカウント値”1”ずつ増減するので、発振周波数が所望値に到達するまでの時間、すなわち出力クロックが安定するまでの時間(ロック時間)が長くかかるという問題がある。また、トランジスタの微細化に伴ってトランジスタの特性のばらつきが大きくなる傾向にあり、そのようなばらつきがPLL回路の安定性を低くするという問題がある。
【0006】
この発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、従来の回路に比べてロック時間が短縮化され且つ安定化されたクロック生成回路を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明によれば、クロック生成回路は、入力クロックの周波数を逓倍して所望の周波数を有するクロックを出力するものであり、リングオシレータと、書き換え可能なメモリと、判定部と、遅延制御部と、を含んでいる。リングオシレータは、遅延量をデジタル的に調整する可変遅延回路を含むループによって構成されている。メモリは上記遅延量を調整するための複数の調整量を格納する。ここで、上記複数の調整量は、遅延量を減少させてリングオシレータの発振周波数を増加させるための少なくとも1つの第1調整量と、遅延量を増加させて発振周波数を減少させるための少なくとも1つの第2調整量と、を含む。判定部は、所望の周波数に対する発振周波数の高低を判定するように構成されている。遅延制御部は、判定部による判定結果に基づいてメモリ内の複数の調整量のうちの1つを選択し、選択した調整量で以て発振周波数と所望の周波数との差が解消する方向に遅延量を制御するように構成されている。
【0008】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1に実施の形態1に係るクロック生成回路100を説明するためのブロック図を示す。クロック生成回路100はデジタル方式のPLL(Phase Locked Loop)回路101及びバッファ104を含んでおり、PLL回路101は逓倍回路102及び位相同期回路103を含んでいる。
【0009】
逓倍回路102は、入力クロック(又はリファレンスクロック)INの周波数を所望の逓倍比Nで以て逓倍して逓倍クロックN−OUT(又は211)を生成し出力するように構成されている。位相同期回路103は、逓倍クロックN−OUTをある遅延量(遅延時間)をもって遅延させてPLLクロック(又はPLL出力クロック)PLL−OUTとして出力するように構成されている。PLLクロックPLL−OUTは、バッファ104を通じて、クロック生成回路100の出力クロックPHIとして出力される。出力クロックPHIは、これに同期して動作する他の回路へ供給されると共に、位相同期回路103へフィードバックされる。位相同期回路103は、入力クロックINとフィードバックされた出力クロックPHIとの位相を比較し、それらの位相差を解消するように逓倍クロックN−OUTに対する出力クロックPLL−OUTの遅延量を決定するように構成されている。
【0010】
これにより、クロック生成回路100は、入力クロックINの周波数を逓倍して所望の周波数を有し、しかも入力クロックINに同期した、クロックPHIを生成し出力する。なお、上述の逓倍処理は逓倍回路102によって行われるので、少なくとも逓倍回路102を含んだ回路を、入力クロックINの周波数を逓倍して所望の周波数を有するクロックを出力する「クロック生成回路」と呼ぶことができる。例えば逓倍回路102のみを「クロック生成回路」と呼ぶことができ、このとき逓倍回路102からの出力クロックN−OUTが該「クロック生成回路」の出力クロックにあたる。また、例えばPLL回路101のみを「クロック生成回路」と呼ぶことができ、このときPLL回路101からの出力クロックPLL−OUTが該「クロック生成回路」の出力クロックにあたる。
【0011】
次に、図2のブロック図を参照して逓倍回路102を詳述する。図2に示すように、逓倍回路102は、リングオシレータ110と、メモリ120と、遅延制御部130と、パルスカウンタ140と、位相比較器(ないしは判定部)150と、を含んでいる。なお、逓倍比N等の各種の値は例えばキーボードやタッチパネル等の入力手段160を介して逓倍回路102へ与えられ(上記値そのものが与えられる場合及び逓倍回路102用のプログラム内に含めて与えられる場合を含む)、例えばレジスタ等の不図示のメモリ内に格納される。
【0012】
リングオシレータ110はデジタルディレイライン(ないしは可変遅延回路)111及びNAND回路112を含んでおり、NAND回路112の出力がディレイライン111を介して当該NAND回路112の一方の入力に接続されている。すなわち、リングオシレータ110はディレイライン111及びNAND回路112が成すループ(説明のため太線で図示している)によって構成されている。このとき、リングオシレータ110は、信号がループを一巡する間にそのレベルが反転するように、負のフィードバックループとして構成されており、これによりリングオシレータ110は発振する。なお、ディレイライン111からの出力信号(ないしは発振クロック)211は後述のようにして逓倍比倍に調整されて逓倍クロックN−OUTとして取り出される。
【0013】
ディレイライン111は遅延量をデジタル的に(換言すれば段階的に又は離散的に)調整可能に構成された可変遅延回路である。より具体的には、ディレイライン111は選択自在に縦属接続可能な複数の遅延素子を含んでおり、それの遅延量は、縦属接続される遅延素子の個数に比例してデジタル的に変えることが可能となっている。なお、ディレイライン111の極性は正極牲である。このような構成によりリングオシレータ110では遅延量が可変であり、リングオシレータ110の発振周期の半分すなわち半周期が、信号が一巡する間の遅延量に一致する。
【0014】
ディレイライン111の遅延量は、制御回路131及び遅延制御用カウンタ132を含んだ遅延量制御部130によって制御される。具体的には、ディレイライン111の遅延量はカウンタ132に設定された値に対応し、ディレイライン111はカウンタ132の値が大きいほど遅延量が小さく設定されるように構成されている。遅延量が小さいほどリングオシレータ110の発振周期は短くなるすなわち発振周波数が高くなる。すなわち、カウンタ132の値が大きいほど発振周波数が高くなる、換言すればカウンタ132の値の増減(大小)は発振周波数の増減(大小)に対応する。カウンタ132の値は、制御回路131からの信号231で以て制御され、信号232で以てカウンタ132からディレイライン111へ伝えられる。なお、遅延制御部130については後に詳述する。
【0015】
次に、図3のブロック図を参照してパルスカウンタ140を説明する。パルスカウンタ140は、ワンショット回路141と(第1及び第2)カウンタ142b,142cと比較器143とを含んでおり、入力クロックIN及びリングオシレータ110のNAND回路112の出力信号(ないしは発振クロック)212を利用して信号240a,240b,240cを生成する。
【0016】
なお、ここでは、後述の図4及び図5に示すように入力クロックINの1周期はパルスの立ち上がりエッジ(LowレベルからHighレベルへの遷移開始時)間の期間の場合を説明するが、例えばパルスの立ち下がりエッジ(HighレベルからLowレベルへの遷移開始時)間の期間を1周期に設定するように逓倍回路102を構成することも可能である。
【0017】
ワンショット回路141は入力クロックINの立ち上がりエッジに同期してワンショット信号241を生成するように構成されている。なお、当該ワンショット信号241はいわゆるクロック信号又はインパルス信号である。ワンショット信号241はカウンタ142bへ伝えられる。
【0018】
カウンタ142bは、ワンショット信号241及び発振クロック212を取得し、ワンショット信号241毎にリセットされ、発振クロック212のパルス数をカウントするように、構成されている。すなわち、カウンタ142bは、入力クロックINの1周期内における、リングオシレータ110の発振クロック212のパルス数をカウントする。そして、カウンタ142bはカウントした値を信号240bで以て出力する。図2及び図3に示すように逓倍回路102では信号240bは制御回路131及び比較器143へ伝えられる。
【0019】
他方、カウンタ142cは、入力クロックIN及び発振クロック212を取得し、入力クロックINのHighレベルの期間によってカウント値がリセットされ、入力クロックINのLowレベルの期間内において発振クロック212のパルス数をカウントするように、構成されている。すなわち、カウンタ242は、入力クロックINの1周期の後半における、リングオシレータ110の発振クロック212のパルス数をカウントする。そして、カウンタ142cはカウントした値を信号240cで以て出力する。図2及び図3に示すように逓倍回路102では信号240cは制御回路131へ伝えられる。
【0020】
なお、信号(線)240bは複数の信号(線)の集まりであるが、図2等には1本の信号(線)で以て簡略に図示しており、信号(線)240cについても同様である。
【0021】
また、比較器143は、カウンタ142bからの出力信号240b及び逓倍比Nを取得し、信号240bが示す値が逓倍比Nと一致した場合にLowレベルの信号240aを出力し、上述以外の場合にはHighレベルの信号240aを出力するように、構成されている。図2に示すように、信号240aはリングオシレータ110のNAND回路112の他方の入力及び位相比較器150へ伝えられる。
【0022】
リングオシレータ110のNAND回路112がHighレベルの信号240aを取得した場合、NAND回路112はフィードバックされた信号211をレベル反転して出力し、リングオシレータ110の発振は持続する。これに対して、信号240aがLowレベルの場合、NAND回路112の出力はフィードバックされた信号211に依らず常時Highレベルになるので、NAND回路112は発振を停止する。
【0023】
図2に戻り、位相比較器150は、入力クロックINと、ディレイライン111の出力信号211と、パルスカウンタ140からの信号240aとを利用して、所望の周波数に対する発振クロック211の周波数(発振周波数)の高低を判定するように構成されている。そして、位相比較器150は、判定の結果、発振周波数が所望の周波数よりも低ければ周波数アップ信号又はカウントアップ信号250uを出力し、発振周波数が所望の周波数よりも高ければ周波数ダウン信号又はカウントダウン信号250dを出力するように構成されている。
【0024】
具体的には、パルスカウンタ140からの信号240aがHighレベルの場合、上述のようにカウンタ142bからの出力信号240bが示す値すなわち発振クロック212のパルス数は逓倍比Nに達していない。つまり発振周波数は所望の周波数よりも低いので、位相比較器150は周波数の高低の判定結果として周波数アップ信号250uを出力する。
【0025】
これに対して、信号240aがLowレベルの場合、すなわち発振クロック212のパルス数が逓倍比Nに一致した場合、位相比較器150は発振クロック211の位相と入力クロックINの位相とを比較する。位相比較器150に入力される発振クロック211は信号240aを発生させるための発振クロック212よりも遅延しているので、信号240aがLowレベルになった以降に発振クロック211のパルス数が逓倍比Nに達する(発振クロック211のN番目のパルスが遷移する)。このため、信号240aがLowレベルになった以降の発振クロック211の位相(すなわち発振クロック211のN番目のパルスの位相)が入力クロックINの位相よりも早ければ、発振周波数は所望の周波数よりも高いので、位相比較器150は周波数の高低の判定結果として周波数ダウン信号250dを出力する。逆に、発振クロック211の位相が入力クロックINの位相よりも遅ければ、発振周波数は所望の周波数よりも低いので、位相比較器150は周波数の高低の判定結果として周波数アップ信号250uを出力する。これらの信号250u,250dは制御回路131へ送られる。
【0026】
そして、制御回路131は周波数アップ信号250uを受信したならば遅延制御用カウンタ132の値を信号231によって増加させ、周波数ダウン信号250dを受信したならばカウンタ132の値を信号231によって減少させる。なお、両クロックIN,211の位相すなわち上記両周波数が一致する場合(このとき両信号250u,250dは共に例えばLowレベル)、制御回路131はカウンタ132の値を増減せず、これによりカウンタ132の値は一定に保持される。
【0027】
このとき特に、制御回路131は、パルスカウンタ140から受信した信号240b,240cに基づいて遅延制御用カウンタ132の値を制御する。かかる制御を、逓倍比N=20の場合を例に挙げ、図4〜図6の模式図を参照して説明する。
【0028】
まず、図4に示すように、発振クロック212(又は211,N−OUT)の周波数が所望値よりも低い場合、入力クロックINの1周期内における発振クロック212のパルス数は逓倍比20よりも少なく、図4の例では18個である。他方、図5に示すように、発振周波数が所望の周波数よりも高い場合、入力クロックINの後半における発振クロック212のパルス数は逓倍比Nの半分である10よりも少なく、図5の例では5個である。このとき、入力クロックINの1周期内及び後半内の各パルス数と逓倍比Nとの差分量は発振周波数と所望の周波数との差分量にあたり、従って各パルス数換言すれば対応の信号240b,240cの各値は発振周波数と所望の周波数との差分量に関する情報を提供することがわかる。
【0029】
かかる点に鑑みて制御回路131は図6に示す処理を行う。すなわち、制御回路131は、まず、信号240bの値と逓倍比N=20とを比較する(処理51)。この比較の結果、信号240bの方が小さければメモリ120内のデータないしは情報を参照して遅延制御用カウンタ132の増加量(ないしは第1調整量)を選択し、選択した増加量だけカウンタ132の値を増やす(処理53)。特にメモリ120内には、4つの増加量m1,m2,m3,m4(なお、1<m1<m2<m3<m4。例えばm1=2,m2=3,m3=4,m4=5)が、発振周波数と所望の周波数との差分量に関する情報としての信号240bの値に関連付けられて格納されており、信号240bの値が小さいほどすなわち発振周波数と所望の周波数との差分量が大きいほど、より大きい増加量が準備されている。そして、制御回路131は信号240bの値に応じた増加量m1,m2,m3又はm4を選択する。
【0030】
上記比較処理51の結果、信号240bが逓倍比N=20よりも小さくない場合、制御回路131は次に信号240cの値と逓倍比N=20の1/2の値である10とを比較する(処理52)。この比較の結果、信号240cの方が小さければメモリ120内のデータないしは情報を参照して遅延制御用カウンタ132の減少量(ないしは第2調整量)を選択し、選択した減少量だけカウンタ132の値を減らす(処理53)。上述の増加量m1,m2,m3,m4と同様に、メモリ120内には、4つの減少量n1,n2,n3,n4(なお、1<n1<n2<n3<n4。例えばn1=2,n2=3,n3=4,n4=5)が、発振周波数と所望の周波数との差分量に関する情報としての信号240cの値に関連付けられて格納されており、信号240cの値が小さいほどすなわち発振周波数と所望の周波数との差分量が大きいほど、より大きい減少量が準備されている。そして、制御回路131は信号240bc値に応じた増加量n1,n2,n3又はn4を選択する。
【0031】
また、上記比較処理52の結果、信号240cがN/2=10よりも小さくない場合、制御回路131はカウンタ132の値を1増やす又は減らす(処理54)。
【0032】
なお、処理51,52はいずれを先に実行しても構わない。
【0033】
遅延制御用カウンタ132の更新されたカウンタ値で以てディレイライン111の遅延量が調整されて(減らされて又は増やされて)リングオシレータ110の発振周波数が調整される(増加する又は減少する)。つまり、上記4つの増加量m1,m2,m3,m4はディレイライン111の遅延量を減少させてリングオシレータ110の発振周波数を増加させるための(第1)調整量であり、上記4つの減少量n1,n2,n3,n4はディレイライン111の遅延量を増加させてリングオシレータ110の発振周波数を減少させるための(第2)調整量である。これにより逓倍回路102は発振周波数と所望の周波数との差が解消する方向に向かう。
【0034】
例えば制御回路131にマイクロコンピュータを用いれば、上述の動作はプログラムによって実現可能である。また、メモリ120は書き換え可能なメモリ、例えばフリップフロップ等によるレジスタや、DRAM(Dynamic Random Access Memory)や、フラッシュメモリ等で構成されており、このためメモリ120内に格納された増加量m1,m2,m3,m4及び減少量n1,n2,n3,n4は例えば入力手段160を介して又は制御回路131のプログラムを介して変更可能である。なお、上記処理54での増減量”1”もメモリ120内に格納するように逓倍回路102を構成しても構わない。
【0035】
既述の従来のPLL回路ではリングオシレータの遅延量をカウント値”1”ずつ増減するのに対して、逓倍回路102ではそれよりも大きい増加量m1,m2,m3,m4及び減少量n1,n2,n3,n4を利用可能なので、発振周波数が所望の周波数に到達するまでの時間(ロック時間)を従来の回路に比して短くすることができる、すなわち安定した出力をより早く得ることができる。しかもこのとき、発振周波数と所望の周波数との差分量が大きいときには大きい増加量又は減少量を用いるので速やかに差分量を減少させることができるし、差分量が小さいときには小さい増加量又は減少量を用いるので細やかに調整ができる。つまり、逓倍回路102によれば、ロック時間の短縮と出力の安定とを両立することができる。
【0036】
また、ディレイライン111の遅延量を調整するための調整量m1,m2,m3,m4,n1,n2,n3,n4は書き換え可能なメモリ120内に格納されているので、これらの値を容易に変更可能である。従って、固定のカウント値”1”で以て遅延量を調整する従来の回路に比べて、種々の状況に対して、例えば逓倍比の大小に応じて、柔軟に対応できる。また、製造プロセスのばらつきに起因してトランジスタの特性にばらつきが生じえ、トランジスタの微細化に伴い特性のばらつきが大きくなる傾向にある。そのような場合であっても、例えばトランジスタ特性を測定するテスト回路をもつ半導体チップないしは半導体装置においてトランジスタ特性をもとにして上記調整量m1,m2,m3,m4,n1,n2,n3,n4を設定することにより、上述の製造プロセスのばらつきに依存しないように対応できる。つまり安定性が向上する。
【0037】
逓倍回路102を含んだPLL回路101及びクロック生成回路100も同様の効果を奏することは言うまでもない。
【0038】
なお、増加量及び減少量の個数は上述の例に限定されるものではない。
【0039】
また、図4及び図5には入力クロックINのデューティファクタ(duty factor)すなわち1周期に対するHighレベル期間の割合が50%の場合を図示しているが、デューティファクタは該値に限られない。例えばデューティファクタが25%の場合、カウンタ142cは1周期のうちで周期開始時点から1/4周期を除いた(換言すれば周期開始時点から1/4周期経過後の)残り3/4周期内における、発振クロックのパルス数をカウントすることになる。このとき、上記残りの3/4周期内のパルス数が15個(=逓倍比20×3/4)よりも少なければ発振周波数が所望の周波数よりも高いという判定は可能である。
【0040】
実施の形態2.
図7に実施の形態2に係る逓倍回路102Bを説明するためのブロック図を示す。なお、逓倍回路102Bは逓倍回路102に代えてクロック生成回路100に適用可能である(図1参照)。
【0041】
逓倍回路102Bは、図2の逓倍回路102においてメモリ120、遅延制御部130及びパルスカウンタ140をメモリ120B、遅延制御部130B及びパルスカウンタ140Bに変えた構成を有している。なお、逓倍回路102Bのその他の構成は基本的に図2の逓倍回路102と同様である。
【0042】
詳細には、パルスカウンタ140Bは、図8のブロック図に示すように、図3のパルスカウンタ140からカウンタ142cを取り除いた構成を有しており、比較器143からの信号240aのみを出力するように構成されている。すなわち、図2の逓倍回路102とは異なり、図7の逓倍回路102Bではパルスカウンタ140Bから遅延制御部130Bへは信号が送られない。このため、遅延制御部130Bの制御回路131Bは、図2の制御回路131とは異なる後述の動作を行う。なお、遅延制御部130Bは図2の遅延制御用カウンタ132を含んでいる。
【0043】
メモリ120Bは図2のメモリ120と同様に書き換え可能であり、特にメモリ120B内には1つの増加量m及び1つの減少量nが格納されている。なお、メモリ120B内の増加量m及び減少量nの値は例えば入力手段160を介して又は制御回路131Bのプログラムを介して変更可能である。
【0044】
そして、図9の模式図に示すように、制御回路131Bは、位相比較器150から周波数アップ信号250uを受信すると(処理51B)、メモリ120内のデータを参照して増加量mを取得し、カウンタ132の値を増加量mだけ増やす(処理53B)。他方、制御回路131Bは、位相比較器150から周波数ダウン信号250dを受信すると(処理52B)、メモリ120内のデータを参照して減少量nを取得し、カウンタ132の値を減少量nだけ減らす(処理53B)。なお、処理51B,52Bはいずれを先に実行しても構わない。
【0045】
逓倍回路102Bによれば、調整量m,nは書き換え可能なメモリ120B内に格納されているので、これらの値を容易に変更可能である。従って、逓倍回路102と同様に種々の状況に対して柔軟に対応できる。なお、逓倍回路102Bを含んだPLL回路101及びクロック生成回路100も同様の効果を奏することは言うまでもない。
【0046】
実施の形態3.
図10に実施の形態3に係る逓倍回路102Cを説明するためのブロック図を示す。逓倍回路102Cは、図7の逓倍回路102Bのパルスカウンタ140Bを図2のパルスカウンタ140に変えた構成を有している。更に、逓倍回路102Cは、パルスカウンタ140からの信号240b,240c(既述のように発振周波数と所望の周波数との差分量に関する情報を提供する)を外部回路190Cへ出力するように且つ外部回路190Cがメモリ120Bへアクセスできるように、構成されている。なお、逓倍回路102のその他の構成は基本的に図7の逓倍回路102Bと同様である。
【0047】
外部回路190Cは、制御回路191C及びメモリ192Cを含んでおり、信号240b,240cを受信して図11の模式図に示す処理を実行する。なお、ここでは、逓倍比N=20の場合を例に挙げる。
【0048】
図11に示すように、メモリ192C内には既述のメモリ120(図2及び図6参照)と同様のデータが格納されている。そして、制御回路191Cはパルスカウンタ140からの信号240b,240cを受信し、図2の逓倍回路102と同様に処理51,52,54を実行して1つの増加量m1,m2,m3もしくはm4又は1つの減少量n1,n2,n3もしくはn4を選択するように構成されている。その後、制御回路191Cは選択した増加量又は減少量を信号290Cで以て逓倍回路102Cのメモリ120Bへ格納し(書き換え)、これによりメモリ120B内の増加量m又は減少量nを更新する(処理53C)。
【0049】
なお、外部回路190Cのメモリ192Cを書き換え可能なメモリで構成することにより、入力手段160や不図示の入力手段を介してメモリ192C内の調整量m1,m2,m3,m4,n1,n2,n3,n4を書き換えられることは言うまでもない。
【0050】
そして、逓倍回路102Cの制御回路131Bはメモリ120B内のデータを参照して図9の処理を実行する。
【0051】
逓倍回路102Cは逓倍回路102に代えてクロック生成回路100に適用可能であり(図1及び図12参照)。このとき、図12のブロック図に示すように外部回路190Cとして例えばクロック生成回路100の外部に設けられて出力クロックPHIを受信する回路を利用することができる。このとき、逓倍回路102Cが適用されたクロック生成回路100と、外部回路190Cの制御回路191C及びメモリ192Cと、を含む構成をクロック生成システム300と呼ぶことにする。
【0052】
逓倍回路102Cによっても既述の逓倍回路102,102Bと同様の効果が得られる。このとき、メモリ120Bが書き換え可能なメモリだからこそ、外部の制御回路191Cが発振周波数と所望の周波数との差分量の大小に応じて柔軟に書き換えることできる。
【0053】
更に、逓倍回路102は、図2の逓倍回路102において処理の一部を外部の制御回路191Cに分担させた構成にあたるので、逓倍回路102よりも回路規模が小さく、従って小型である。
【0054】
なお、逓倍回路102Cを含んだPLL回路101及びクロック生成回路100も同様の効果を奏することは言うまでもない。
【0055】
実施の形態4.
図13に実施の形態4に係る逓倍回路102Dを説明するためのブロック図を示す。逓倍回路102Dは、図7の逓倍回路102Bにおいてパルスカウンタ140Bをパルスカウンタ140Dに変えた構成を有している。更に、逓倍回路102Dは、パルスカウンタ140Dからの信号240dを外部回路190Dへ出力するように且つ外部回路190Dがメモリ120Bへアクセスできるように、構成されている。なお、逓倍回路102Dのその他の構成は基本的に図7の逓倍回路102Bと同様である。
【0056】
図14のブロック図に示すように、パルスカウンタ140Dは図3のパルスカウンタ140に差分量判定回路144を追加した構成を有しており、差分量判定回路144はカウンタ142b,142cからの信号240b,240c及び逓倍比Nを利用して、発振周波数と所望の周波数との差分量が所定値以上の場合に信号240dを出力するように、構成されている。例えば逓倍比N=20の例において、カウンタ142bからの信号240bの値が16以下の場合、差分量判定回路144は発振周波数が所望の周波数よりも低いという情報を信号240dで以て出力する。同様に、差分量判定回路144は、カウンタ142cからの信号240cの値が6以下の場合、発振周波数が所望の周波数よりも高いという情報を信号240dで以て出力する。
【0057】
外部回路190Dは制御回路191Dを含んでおり、図15の模式図に示す処理を実行する。具体的には、制御回路191Dは発振周波数が所望の周波数よりも低いことを示す信号240dを受信したならば(処理61)、逓倍回路102Dのメモリ120B内の増加量mを信号290Dで以てより大きい値に書き換える(処理62)。その後、制御回路191Dは一定時間の経過後に増加量m又は減少量を信号290Dで以て変更前の値又は初期値に戻す(処理63)。信号240dが発振周波数が所望の周波数よりも高いことを示す場合も制御回路191Dは同様に動作する。
【0058】
そして、逓倍回路102Dの制御回路131Bはメモリ120B内のデータを参照して図9の処理を実行する。
【0059】
逓倍回路102Dは逓倍回路102に代えてクロック生成回路100に適用可能である(図1参照)。また、逓倍回路102D及び外部回路190Dを逓倍回路102C及び外部回路190Cに代えてクロック生成システム300に適用するこも可能である(図12参照)。
【0060】
逓倍回路102Dによれば既述の逓倍回路102Cと同様の効果が得られる。また、逓倍回路102Cを含んだPLL回路101及びクロック生成回路100も同様の効果を奏する。
【0061】
【発明の効果】
この発明によれば、遅延量を調整するための複数の調整量を書き換え可能なメモリ内に格納するので、調整量を容易に変更可能である。従って、固定値で以て遅延量を調整する従来のクロック生成回路に比べて、種々の状況に対して(例えば逓倍比の大小に応じて又は発振周波数と所望の周波数との差分量の大小に応じて又はトランジスタの特性ばらつきに応じて)柔軟に対応できる。このとき、従来の固定値よりも大きい調整量をメモリ内に格納することにより、発振周波数が所望の周波数に到達するまでの時間(ロック時間)を従来のクロック生成回路に比して短くすることができる、すなわち安定した出力をより早く得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係るクロック生成回路を説明するためのブロック図である。
【図2】実施の形態1に係る逓倍回路を説明するためのブロック図である。
【図3】実施の形態1に係るパルスカウンタを説明するためのブロック図である。
【図4】実施の形態1に係る逓倍回路の動作を説明するための模式図である。
【図5】実施の形態1に係る逓倍回路の動作を説明するための模式図である。
【図6】実施の形態1に係る制御回路の動作を説明するための模式図である。
【図7】実施の形態2に係る逓倍回路を説明するためのブロック図である。
【図8】実施の形態2に係るパルスカウンタを説明するためのブロック図である。
【図9】実施の形態2に係る制御回路の動作を説明するための模式図である。
【図10】実施の形態3に係る逓倍回路を説明するためのブロック図である。
【図11】実施の形態3に係る外部回路の動作を説明するための模式図である。
【図12】実施の形態3に係るクロック生成システムを説明するためのブロック図である。
【図13】実施の形態4に係る逓倍回路を説明するためのブロック図である。
【図14】実施の形態4に係るパルスカウンタを説明するためのブロック図である。
【図15】実施の形態4に係る外部回路の動作を説明するための模式図である。
【符号の説明】
100 クロック生成回路、101 デジタルPLL回路(クロック生成回路)、102,102B〜102D 逓倍回路(クロック生成回路)、110 リングオシレータ、111 ディレイライン(可変遅延回路)、120,120Bメモリ、130,130B 遅延制御部、142b,142c (第1,第2)カウンタ、144 差分量判定回路、150 位相比較器(判定部)、191C,191D 外部の制御回路、212,211,N−OUT 発振クロック、240b,240c 信号(カウント値)、240d 信号、250d 周波数ダウン信号(判定結果)、250u 周波数アップ信号(判定結果)、300 クロック生成システム、IN 入力クロック、N 逓倍比、PHI,PLL−OUT,N−OUT,211 出力クロック(発振クロック)、212 発振クロック、m1−m4,m 増加量((第1)調整量)、n1−n4,n 減少量((第2)調整量)。
【発明の属する技術分野】
この発明はクロック生成回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のデジタル方式のPLL(Phase Locked Loop)回路では、入力クロックの位相とリングオシレータによる発振クロックの位相とを位相比較器が比較し、その比較結果に基づいて位相比較器がリングオシレータの遅延量を制御する。詳細には、発振クロックの位相が入力クロックの位相よりも早い場合、すなわち発振周波数が所望の周波数(入力クロックの周波数の逓倍比倍の周波数)よりも高い場合、位相比較器はリングオシレータの遅延量を制御するための、すなわち発振周波数を制御するためのカウンタの値を減らす。逆に、発振クロックの位相が入力クロックの位相よりも遅い場合、すなわち発振周波数が所望の周波数よりも低い場合、位相比較器は上記カウンタの値を増やす。このとき、従来のPLL回路では位相比較器がカウント値”1”(回路的に(ハードウェア的に)固定されている)ずつカウンタの値を増減する。
【0003】
なお、デジタルPLL回路は例えば次の文献において紹介されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−220365号公報
【特許文献2】
特開平8−316826号公報
【特許文献3】
米国特許第6,225,840号明細書
【特許文献4】
米国特許第6,049,238号明細書
【特許文献5】
米国特許第6,157,226号明細書
【特許文献6】
米国特許第6,366,150号明細書
【非特許文献1】
Michel Combes,Karim Dioury, and Alain Greiner,A Portable Clock Multiplier Generator Using Digital CMOS Standard Cells,”IEEE JOURNAL OF SOLID−STATE CIRCUITS, VOL.31, NO.7, JULY 1996”,p.958−965
【非特許文献2】
石見幸一、澤井克典、清水一禎,低電圧化に向けたフルデジタルPLLの開発,信学技報,社団法人電子情報通信学会,vol.97, No.166, p.29−36, 1997/6
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のデジタルPLL回路では位相比較器がリングオシレータの遅延量をカウント値”1”ずつ増減するので、発振周波数が所望値に到達するまでの時間、すなわち出力クロックが安定するまでの時間(ロック時間)が長くかかるという問題がある。また、トランジスタの微細化に伴ってトランジスタの特性のばらつきが大きくなる傾向にあり、そのようなばらつきがPLL回路の安定性を低くするという問題がある。
【0006】
この発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、従来の回路に比べてロック時間が短縮化され且つ安定化されたクロック生成回路を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明によれば、クロック生成回路は、入力クロックの周波数を逓倍して所望の周波数を有するクロックを出力するものであり、リングオシレータと、書き換え可能なメモリと、判定部と、遅延制御部と、を含んでいる。リングオシレータは、遅延量をデジタル的に調整する可変遅延回路を含むループによって構成されている。メモリは上記遅延量を調整するための複数の調整量を格納する。ここで、上記複数の調整量は、遅延量を減少させてリングオシレータの発振周波数を増加させるための少なくとも1つの第1調整量と、遅延量を増加させて発振周波数を減少させるための少なくとも1つの第2調整量と、を含む。判定部は、所望の周波数に対する発振周波数の高低を判定するように構成されている。遅延制御部は、判定部による判定結果に基づいてメモリ内の複数の調整量のうちの1つを選択し、選択した調整量で以て発振周波数と所望の周波数との差が解消する方向に遅延量を制御するように構成されている。
【0008】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1に実施の形態1に係るクロック生成回路100を説明するためのブロック図を示す。クロック生成回路100はデジタル方式のPLL(Phase Locked Loop)回路101及びバッファ104を含んでおり、PLL回路101は逓倍回路102及び位相同期回路103を含んでいる。
【0009】
逓倍回路102は、入力クロック(又はリファレンスクロック)INの周波数を所望の逓倍比Nで以て逓倍して逓倍クロックN−OUT(又は211)を生成し出力するように構成されている。位相同期回路103は、逓倍クロックN−OUTをある遅延量(遅延時間)をもって遅延させてPLLクロック(又はPLL出力クロック)PLL−OUTとして出力するように構成されている。PLLクロックPLL−OUTは、バッファ104を通じて、クロック生成回路100の出力クロックPHIとして出力される。出力クロックPHIは、これに同期して動作する他の回路へ供給されると共に、位相同期回路103へフィードバックされる。位相同期回路103は、入力クロックINとフィードバックされた出力クロックPHIとの位相を比較し、それらの位相差を解消するように逓倍クロックN−OUTに対する出力クロックPLL−OUTの遅延量を決定するように構成されている。
【0010】
これにより、クロック生成回路100は、入力クロックINの周波数を逓倍して所望の周波数を有し、しかも入力クロックINに同期した、クロックPHIを生成し出力する。なお、上述の逓倍処理は逓倍回路102によって行われるので、少なくとも逓倍回路102を含んだ回路を、入力クロックINの周波数を逓倍して所望の周波数を有するクロックを出力する「クロック生成回路」と呼ぶことができる。例えば逓倍回路102のみを「クロック生成回路」と呼ぶことができ、このとき逓倍回路102からの出力クロックN−OUTが該「クロック生成回路」の出力クロックにあたる。また、例えばPLL回路101のみを「クロック生成回路」と呼ぶことができ、このときPLL回路101からの出力クロックPLL−OUTが該「クロック生成回路」の出力クロックにあたる。
【0011】
次に、図2のブロック図を参照して逓倍回路102を詳述する。図2に示すように、逓倍回路102は、リングオシレータ110と、メモリ120と、遅延制御部130と、パルスカウンタ140と、位相比較器(ないしは判定部)150と、を含んでいる。なお、逓倍比N等の各種の値は例えばキーボードやタッチパネル等の入力手段160を介して逓倍回路102へ与えられ(上記値そのものが与えられる場合及び逓倍回路102用のプログラム内に含めて与えられる場合を含む)、例えばレジスタ等の不図示のメモリ内に格納される。
【0012】
リングオシレータ110はデジタルディレイライン(ないしは可変遅延回路)111及びNAND回路112を含んでおり、NAND回路112の出力がディレイライン111を介して当該NAND回路112の一方の入力に接続されている。すなわち、リングオシレータ110はディレイライン111及びNAND回路112が成すループ(説明のため太線で図示している)によって構成されている。このとき、リングオシレータ110は、信号がループを一巡する間にそのレベルが反転するように、負のフィードバックループとして構成されており、これによりリングオシレータ110は発振する。なお、ディレイライン111からの出力信号(ないしは発振クロック)211は後述のようにして逓倍比倍に調整されて逓倍クロックN−OUTとして取り出される。
【0013】
ディレイライン111は遅延量をデジタル的に(換言すれば段階的に又は離散的に)調整可能に構成された可変遅延回路である。より具体的には、ディレイライン111は選択自在に縦属接続可能な複数の遅延素子を含んでおり、それの遅延量は、縦属接続される遅延素子の個数に比例してデジタル的に変えることが可能となっている。なお、ディレイライン111の極性は正極牲である。このような構成によりリングオシレータ110では遅延量が可変であり、リングオシレータ110の発振周期の半分すなわち半周期が、信号が一巡する間の遅延量に一致する。
【0014】
ディレイライン111の遅延量は、制御回路131及び遅延制御用カウンタ132を含んだ遅延量制御部130によって制御される。具体的には、ディレイライン111の遅延量はカウンタ132に設定された値に対応し、ディレイライン111はカウンタ132の値が大きいほど遅延量が小さく設定されるように構成されている。遅延量が小さいほどリングオシレータ110の発振周期は短くなるすなわち発振周波数が高くなる。すなわち、カウンタ132の値が大きいほど発振周波数が高くなる、換言すればカウンタ132の値の増減(大小)は発振周波数の増減(大小)に対応する。カウンタ132の値は、制御回路131からの信号231で以て制御され、信号232で以てカウンタ132からディレイライン111へ伝えられる。なお、遅延制御部130については後に詳述する。
【0015】
次に、図3のブロック図を参照してパルスカウンタ140を説明する。パルスカウンタ140は、ワンショット回路141と(第1及び第2)カウンタ142b,142cと比較器143とを含んでおり、入力クロックIN及びリングオシレータ110のNAND回路112の出力信号(ないしは発振クロック)212を利用して信号240a,240b,240cを生成する。
【0016】
なお、ここでは、後述の図4及び図5に示すように入力クロックINの1周期はパルスの立ち上がりエッジ(LowレベルからHighレベルへの遷移開始時)間の期間の場合を説明するが、例えばパルスの立ち下がりエッジ(HighレベルからLowレベルへの遷移開始時)間の期間を1周期に設定するように逓倍回路102を構成することも可能である。
【0017】
ワンショット回路141は入力クロックINの立ち上がりエッジに同期してワンショット信号241を生成するように構成されている。なお、当該ワンショット信号241はいわゆるクロック信号又はインパルス信号である。ワンショット信号241はカウンタ142bへ伝えられる。
【0018】
カウンタ142bは、ワンショット信号241及び発振クロック212を取得し、ワンショット信号241毎にリセットされ、発振クロック212のパルス数をカウントするように、構成されている。すなわち、カウンタ142bは、入力クロックINの1周期内における、リングオシレータ110の発振クロック212のパルス数をカウントする。そして、カウンタ142bはカウントした値を信号240bで以て出力する。図2及び図3に示すように逓倍回路102では信号240bは制御回路131及び比較器143へ伝えられる。
【0019】
他方、カウンタ142cは、入力クロックIN及び発振クロック212を取得し、入力クロックINのHighレベルの期間によってカウント値がリセットされ、入力クロックINのLowレベルの期間内において発振クロック212のパルス数をカウントするように、構成されている。すなわち、カウンタ242は、入力クロックINの1周期の後半における、リングオシレータ110の発振クロック212のパルス数をカウントする。そして、カウンタ142cはカウントした値を信号240cで以て出力する。図2及び図3に示すように逓倍回路102では信号240cは制御回路131へ伝えられる。
【0020】
なお、信号(線)240bは複数の信号(線)の集まりであるが、図2等には1本の信号(線)で以て簡略に図示しており、信号(線)240cについても同様である。
【0021】
また、比較器143は、カウンタ142bからの出力信号240b及び逓倍比Nを取得し、信号240bが示す値が逓倍比Nと一致した場合にLowレベルの信号240aを出力し、上述以外の場合にはHighレベルの信号240aを出力するように、構成されている。図2に示すように、信号240aはリングオシレータ110のNAND回路112の他方の入力及び位相比較器150へ伝えられる。
【0022】
リングオシレータ110のNAND回路112がHighレベルの信号240aを取得した場合、NAND回路112はフィードバックされた信号211をレベル反転して出力し、リングオシレータ110の発振は持続する。これに対して、信号240aがLowレベルの場合、NAND回路112の出力はフィードバックされた信号211に依らず常時Highレベルになるので、NAND回路112は発振を停止する。
【0023】
図2に戻り、位相比較器150は、入力クロックINと、ディレイライン111の出力信号211と、パルスカウンタ140からの信号240aとを利用して、所望の周波数に対する発振クロック211の周波数(発振周波数)の高低を判定するように構成されている。そして、位相比較器150は、判定の結果、発振周波数が所望の周波数よりも低ければ周波数アップ信号又はカウントアップ信号250uを出力し、発振周波数が所望の周波数よりも高ければ周波数ダウン信号又はカウントダウン信号250dを出力するように構成されている。
【0024】
具体的には、パルスカウンタ140からの信号240aがHighレベルの場合、上述のようにカウンタ142bからの出力信号240bが示す値すなわち発振クロック212のパルス数は逓倍比Nに達していない。つまり発振周波数は所望の周波数よりも低いので、位相比較器150は周波数の高低の判定結果として周波数アップ信号250uを出力する。
【0025】
これに対して、信号240aがLowレベルの場合、すなわち発振クロック212のパルス数が逓倍比Nに一致した場合、位相比較器150は発振クロック211の位相と入力クロックINの位相とを比較する。位相比較器150に入力される発振クロック211は信号240aを発生させるための発振クロック212よりも遅延しているので、信号240aがLowレベルになった以降に発振クロック211のパルス数が逓倍比Nに達する(発振クロック211のN番目のパルスが遷移する)。このため、信号240aがLowレベルになった以降の発振クロック211の位相(すなわち発振クロック211のN番目のパルスの位相)が入力クロックINの位相よりも早ければ、発振周波数は所望の周波数よりも高いので、位相比較器150は周波数の高低の判定結果として周波数ダウン信号250dを出力する。逆に、発振クロック211の位相が入力クロックINの位相よりも遅ければ、発振周波数は所望の周波数よりも低いので、位相比較器150は周波数の高低の判定結果として周波数アップ信号250uを出力する。これらの信号250u,250dは制御回路131へ送られる。
【0026】
そして、制御回路131は周波数アップ信号250uを受信したならば遅延制御用カウンタ132の値を信号231によって増加させ、周波数ダウン信号250dを受信したならばカウンタ132の値を信号231によって減少させる。なお、両クロックIN,211の位相すなわち上記両周波数が一致する場合(このとき両信号250u,250dは共に例えばLowレベル)、制御回路131はカウンタ132の値を増減せず、これによりカウンタ132の値は一定に保持される。
【0027】
このとき特に、制御回路131は、パルスカウンタ140から受信した信号240b,240cに基づいて遅延制御用カウンタ132の値を制御する。かかる制御を、逓倍比N=20の場合を例に挙げ、図4〜図6の模式図を参照して説明する。
【0028】
まず、図4に示すように、発振クロック212(又は211,N−OUT)の周波数が所望値よりも低い場合、入力クロックINの1周期内における発振クロック212のパルス数は逓倍比20よりも少なく、図4の例では18個である。他方、図5に示すように、発振周波数が所望の周波数よりも高い場合、入力クロックINの後半における発振クロック212のパルス数は逓倍比Nの半分である10よりも少なく、図5の例では5個である。このとき、入力クロックINの1周期内及び後半内の各パルス数と逓倍比Nとの差分量は発振周波数と所望の周波数との差分量にあたり、従って各パルス数換言すれば対応の信号240b,240cの各値は発振周波数と所望の周波数との差分量に関する情報を提供することがわかる。
【0029】
かかる点に鑑みて制御回路131は図6に示す処理を行う。すなわち、制御回路131は、まず、信号240bの値と逓倍比N=20とを比較する(処理51)。この比較の結果、信号240bの方が小さければメモリ120内のデータないしは情報を参照して遅延制御用カウンタ132の増加量(ないしは第1調整量)を選択し、選択した増加量だけカウンタ132の値を増やす(処理53)。特にメモリ120内には、4つの増加量m1,m2,m3,m4(なお、1<m1<m2<m3<m4。例えばm1=2,m2=3,m3=4,m4=5)が、発振周波数と所望の周波数との差分量に関する情報としての信号240bの値に関連付けられて格納されており、信号240bの値が小さいほどすなわち発振周波数と所望の周波数との差分量が大きいほど、より大きい増加量が準備されている。そして、制御回路131は信号240bの値に応じた増加量m1,m2,m3又はm4を選択する。
【0030】
上記比較処理51の結果、信号240bが逓倍比N=20よりも小さくない場合、制御回路131は次に信号240cの値と逓倍比N=20の1/2の値である10とを比較する(処理52)。この比較の結果、信号240cの方が小さければメモリ120内のデータないしは情報を参照して遅延制御用カウンタ132の減少量(ないしは第2調整量)を選択し、選択した減少量だけカウンタ132の値を減らす(処理53)。上述の増加量m1,m2,m3,m4と同様に、メモリ120内には、4つの減少量n1,n2,n3,n4(なお、1<n1<n2<n3<n4。例えばn1=2,n2=3,n3=4,n4=5)が、発振周波数と所望の周波数との差分量に関する情報としての信号240cの値に関連付けられて格納されており、信号240cの値が小さいほどすなわち発振周波数と所望の周波数との差分量が大きいほど、より大きい減少量が準備されている。そして、制御回路131は信号240bc値に応じた増加量n1,n2,n3又はn4を選択する。
【0031】
また、上記比較処理52の結果、信号240cがN/2=10よりも小さくない場合、制御回路131はカウンタ132の値を1増やす又は減らす(処理54)。
【0032】
なお、処理51,52はいずれを先に実行しても構わない。
【0033】
遅延制御用カウンタ132の更新されたカウンタ値で以てディレイライン111の遅延量が調整されて(減らされて又は増やされて)リングオシレータ110の発振周波数が調整される(増加する又は減少する)。つまり、上記4つの増加量m1,m2,m3,m4はディレイライン111の遅延量を減少させてリングオシレータ110の発振周波数を増加させるための(第1)調整量であり、上記4つの減少量n1,n2,n3,n4はディレイライン111の遅延量を増加させてリングオシレータ110の発振周波数を減少させるための(第2)調整量である。これにより逓倍回路102は発振周波数と所望の周波数との差が解消する方向に向かう。
【0034】
例えば制御回路131にマイクロコンピュータを用いれば、上述の動作はプログラムによって実現可能である。また、メモリ120は書き換え可能なメモリ、例えばフリップフロップ等によるレジスタや、DRAM(Dynamic Random Access Memory)や、フラッシュメモリ等で構成されており、このためメモリ120内に格納された増加量m1,m2,m3,m4及び減少量n1,n2,n3,n4は例えば入力手段160を介して又は制御回路131のプログラムを介して変更可能である。なお、上記処理54での増減量”1”もメモリ120内に格納するように逓倍回路102を構成しても構わない。
【0035】
既述の従来のPLL回路ではリングオシレータの遅延量をカウント値”1”ずつ増減するのに対して、逓倍回路102ではそれよりも大きい増加量m1,m2,m3,m4及び減少量n1,n2,n3,n4を利用可能なので、発振周波数が所望の周波数に到達するまでの時間(ロック時間)を従来の回路に比して短くすることができる、すなわち安定した出力をより早く得ることができる。しかもこのとき、発振周波数と所望の周波数との差分量が大きいときには大きい増加量又は減少量を用いるので速やかに差分量を減少させることができるし、差分量が小さいときには小さい増加量又は減少量を用いるので細やかに調整ができる。つまり、逓倍回路102によれば、ロック時間の短縮と出力の安定とを両立することができる。
【0036】
また、ディレイライン111の遅延量を調整するための調整量m1,m2,m3,m4,n1,n2,n3,n4は書き換え可能なメモリ120内に格納されているので、これらの値を容易に変更可能である。従って、固定のカウント値”1”で以て遅延量を調整する従来の回路に比べて、種々の状況に対して、例えば逓倍比の大小に応じて、柔軟に対応できる。また、製造プロセスのばらつきに起因してトランジスタの特性にばらつきが生じえ、トランジスタの微細化に伴い特性のばらつきが大きくなる傾向にある。そのような場合であっても、例えばトランジスタ特性を測定するテスト回路をもつ半導体チップないしは半導体装置においてトランジスタ特性をもとにして上記調整量m1,m2,m3,m4,n1,n2,n3,n4を設定することにより、上述の製造プロセスのばらつきに依存しないように対応できる。つまり安定性が向上する。
【0037】
逓倍回路102を含んだPLL回路101及びクロック生成回路100も同様の効果を奏することは言うまでもない。
【0038】
なお、増加量及び減少量の個数は上述の例に限定されるものではない。
【0039】
また、図4及び図5には入力クロックINのデューティファクタ(duty factor)すなわち1周期に対するHighレベル期間の割合が50%の場合を図示しているが、デューティファクタは該値に限られない。例えばデューティファクタが25%の場合、カウンタ142cは1周期のうちで周期開始時点から1/4周期を除いた(換言すれば周期開始時点から1/4周期経過後の)残り3/4周期内における、発振クロックのパルス数をカウントすることになる。このとき、上記残りの3/4周期内のパルス数が15個(=逓倍比20×3/4)よりも少なければ発振周波数が所望の周波数よりも高いという判定は可能である。
【0040】
実施の形態2.
図7に実施の形態2に係る逓倍回路102Bを説明するためのブロック図を示す。なお、逓倍回路102Bは逓倍回路102に代えてクロック生成回路100に適用可能である(図1参照)。
【0041】
逓倍回路102Bは、図2の逓倍回路102においてメモリ120、遅延制御部130及びパルスカウンタ140をメモリ120B、遅延制御部130B及びパルスカウンタ140Bに変えた構成を有している。なお、逓倍回路102Bのその他の構成は基本的に図2の逓倍回路102と同様である。
【0042】
詳細には、パルスカウンタ140Bは、図8のブロック図に示すように、図3のパルスカウンタ140からカウンタ142cを取り除いた構成を有しており、比較器143からの信号240aのみを出力するように構成されている。すなわち、図2の逓倍回路102とは異なり、図7の逓倍回路102Bではパルスカウンタ140Bから遅延制御部130Bへは信号が送られない。このため、遅延制御部130Bの制御回路131Bは、図2の制御回路131とは異なる後述の動作を行う。なお、遅延制御部130Bは図2の遅延制御用カウンタ132を含んでいる。
【0043】
メモリ120Bは図2のメモリ120と同様に書き換え可能であり、特にメモリ120B内には1つの増加量m及び1つの減少量nが格納されている。なお、メモリ120B内の増加量m及び減少量nの値は例えば入力手段160を介して又は制御回路131Bのプログラムを介して変更可能である。
【0044】
そして、図9の模式図に示すように、制御回路131Bは、位相比較器150から周波数アップ信号250uを受信すると(処理51B)、メモリ120内のデータを参照して増加量mを取得し、カウンタ132の値を増加量mだけ増やす(処理53B)。他方、制御回路131Bは、位相比較器150から周波数ダウン信号250dを受信すると(処理52B)、メモリ120内のデータを参照して減少量nを取得し、カウンタ132の値を減少量nだけ減らす(処理53B)。なお、処理51B,52Bはいずれを先に実行しても構わない。
【0045】
逓倍回路102Bによれば、調整量m,nは書き換え可能なメモリ120B内に格納されているので、これらの値を容易に変更可能である。従って、逓倍回路102と同様に種々の状況に対して柔軟に対応できる。なお、逓倍回路102Bを含んだPLL回路101及びクロック生成回路100も同様の効果を奏することは言うまでもない。
【0046】
実施の形態3.
図10に実施の形態3に係る逓倍回路102Cを説明するためのブロック図を示す。逓倍回路102Cは、図7の逓倍回路102Bのパルスカウンタ140Bを図2のパルスカウンタ140に変えた構成を有している。更に、逓倍回路102Cは、パルスカウンタ140からの信号240b,240c(既述のように発振周波数と所望の周波数との差分量に関する情報を提供する)を外部回路190Cへ出力するように且つ外部回路190Cがメモリ120Bへアクセスできるように、構成されている。なお、逓倍回路102のその他の構成は基本的に図7の逓倍回路102Bと同様である。
【0047】
外部回路190Cは、制御回路191C及びメモリ192Cを含んでおり、信号240b,240cを受信して図11の模式図に示す処理を実行する。なお、ここでは、逓倍比N=20の場合を例に挙げる。
【0048】
図11に示すように、メモリ192C内には既述のメモリ120(図2及び図6参照)と同様のデータが格納されている。そして、制御回路191Cはパルスカウンタ140からの信号240b,240cを受信し、図2の逓倍回路102と同様に処理51,52,54を実行して1つの増加量m1,m2,m3もしくはm4又は1つの減少量n1,n2,n3もしくはn4を選択するように構成されている。その後、制御回路191Cは選択した増加量又は減少量を信号290Cで以て逓倍回路102Cのメモリ120Bへ格納し(書き換え)、これによりメモリ120B内の増加量m又は減少量nを更新する(処理53C)。
【0049】
なお、外部回路190Cのメモリ192Cを書き換え可能なメモリで構成することにより、入力手段160や不図示の入力手段を介してメモリ192C内の調整量m1,m2,m3,m4,n1,n2,n3,n4を書き換えられることは言うまでもない。
【0050】
そして、逓倍回路102Cの制御回路131Bはメモリ120B内のデータを参照して図9の処理を実行する。
【0051】
逓倍回路102Cは逓倍回路102に代えてクロック生成回路100に適用可能であり(図1及び図12参照)。このとき、図12のブロック図に示すように外部回路190Cとして例えばクロック生成回路100の外部に設けられて出力クロックPHIを受信する回路を利用することができる。このとき、逓倍回路102Cが適用されたクロック生成回路100と、外部回路190Cの制御回路191C及びメモリ192Cと、を含む構成をクロック生成システム300と呼ぶことにする。
【0052】
逓倍回路102Cによっても既述の逓倍回路102,102Bと同様の効果が得られる。このとき、メモリ120Bが書き換え可能なメモリだからこそ、外部の制御回路191Cが発振周波数と所望の周波数との差分量の大小に応じて柔軟に書き換えることできる。
【0053】
更に、逓倍回路102は、図2の逓倍回路102において処理の一部を外部の制御回路191Cに分担させた構成にあたるので、逓倍回路102よりも回路規模が小さく、従って小型である。
【0054】
なお、逓倍回路102Cを含んだPLL回路101及びクロック生成回路100も同様の効果を奏することは言うまでもない。
【0055】
実施の形態4.
図13に実施の形態4に係る逓倍回路102Dを説明するためのブロック図を示す。逓倍回路102Dは、図7の逓倍回路102Bにおいてパルスカウンタ140Bをパルスカウンタ140Dに変えた構成を有している。更に、逓倍回路102Dは、パルスカウンタ140Dからの信号240dを外部回路190Dへ出力するように且つ外部回路190Dがメモリ120Bへアクセスできるように、構成されている。なお、逓倍回路102Dのその他の構成は基本的に図7の逓倍回路102Bと同様である。
【0056】
図14のブロック図に示すように、パルスカウンタ140Dは図3のパルスカウンタ140に差分量判定回路144を追加した構成を有しており、差分量判定回路144はカウンタ142b,142cからの信号240b,240c及び逓倍比Nを利用して、発振周波数と所望の周波数との差分量が所定値以上の場合に信号240dを出力するように、構成されている。例えば逓倍比N=20の例において、カウンタ142bからの信号240bの値が16以下の場合、差分量判定回路144は発振周波数が所望の周波数よりも低いという情報を信号240dで以て出力する。同様に、差分量判定回路144は、カウンタ142cからの信号240cの値が6以下の場合、発振周波数が所望の周波数よりも高いという情報を信号240dで以て出力する。
【0057】
外部回路190Dは制御回路191Dを含んでおり、図15の模式図に示す処理を実行する。具体的には、制御回路191Dは発振周波数が所望の周波数よりも低いことを示す信号240dを受信したならば(処理61)、逓倍回路102Dのメモリ120B内の増加量mを信号290Dで以てより大きい値に書き換える(処理62)。その後、制御回路191Dは一定時間の経過後に増加量m又は減少量を信号290Dで以て変更前の値又は初期値に戻す(処理63)。信号240dが発振周波数が所望の周波数よりも高いことを示す場合も制御回路191Dは同様に動作する。
【0058】
そして、逓倍回路102Dの制御回路131Bはメモリ120B内のデータを参照して図9の処理を実行する。
【0059】
逓倍回路102Dは逓倍回路102に代えてクロック生成回路100に適用可能である(図1参照)。また、逓倍回路102D及び外部回路190Dを逓倍回路102C及び外部回路190Cに代えてクロック生成システム300に適用するこも可能である(図12参照)。
【0060】
逓倍回路102Dによれば既述の逓倍回路102Cと同様の効果が得られる。また、逓倍回路102Cを含んだPLL回路101及びクロック生成回路100も同様の効果を奏する。
【0061】
【発明の効果】
この発明によれば、遅延量を調整するための複数の調整量を書き換え可能なメモリ内に格納するので、調整量を容易に変更可能である。従って、固定値で以て遅延量を調整する従来のクロック生成回路に比べて、種々の状況に対して(例えば逓倍比の大小に応じて又は発振周波数と所望の周波数との差分量の大小に応じて又はトランジスタの特性ばらつきに応じて)柔軟に対応できる。このとき、従来の固定値よりも大きい調整量をメモリ内に格納することにより、発振周波数が所望の周波数に到達するまでの時間(ロック時間)を従来のクロック生成回路に比して短くすることができる、すなわち安定した出力をより早く得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係るクロック生成回路を説明するためのブロック図である。
【図2】実施の形態1に係る逓倍回路を説明するためのブロック図である。
【図3】実施の形態1に係るパルスカウンタを説明するためのブロック図である。
【図4】実施の形態1に係る逓倍回路の動作を説明するための模式図である。
【図5】実施の形態1に係る逓倍回路の動作を説明するための模式図である。
【図6】実施の形態1に係る制御回路の動作を説明するための模式図である。
【図7】実施の形態2に係る逓倍回路を説明するためのブロック図である。
【図8】実施の形態2に係るパルスカウンタを説明するためのブロック図である。
【図9】実施の形態2に係る制御回路の動作を説明するための模式図である。
【図10】実施の形態3に係る逓倍回路を説明するためのブロック図である。
【図11】実施の形態3に係る外部回路の動作を説明するための模式図である。
【図12】実施の形態3に係るクロック生成システムを説明するためのブロック図である。
【図13】実施の形態4に係る逓倍回路を説明するためのブロック図である。
【図14】実施の形態4に係るパルスカウンタを説明するためのブロック図である。
【図15】実施の形態4に係る外部回路の動作を説明するための模式図である。
【符号の説明】
100 クロック生成回路、101 デジタルPLL回路(クロック生成回路)、102,102B〜102D 逓倍回路(クロック生成回路)、110 リングオシレータ、111 ディレイライン(可変遅延回路)、120,120Bメモリ、130,130B 遅延制御部、142b,142c (第1,第2)カウンタ、144 差分量判定回路、150 位相比較器(判定部)、191C,191D 外部の制御回路、212,211,N−OUT 発振クロック、240b,240c 信号(カウント値)、240d 信号、250d 周波数ダウン信号(判定結果)、250u 周波数アップ信号(判定結果)、300 クロック生成システム、IN 入力クロック、N 逓倍比、PHI,PLL−OUT,N−OUT,211 出力クロック(発振クロック)、212 発振クロック、m1−m4,m 増加量((第1)調整量)、n1−n4,n 減少量((第2)調整量)。
Claims (5)
- 入力クロックの周波数を逓倍して所望の周波数を有するクロックを出力するクロック生成回路であって、
遅延量をデジタル的に調整する可変遅延回路を含むループによって構成されたリングオシレータと、
前記遅延量を調整するための複数の調整量を格納する書き換え可能なメモリと、を備え、
前記複数の調整量は、
前記遅延量を減少させて前記リングオシレータの発振周波数を増加させるための少なくとも1つの第1調整量と、
前記遅延量を増加させて前記発振周波数を減少させるための少なくとも1つの第2調整量と、を含み、
前記クロック生成回路は、
前記所望の周波数に対する前記発振周波数の高低を判定するように構成された判定部と、
前記判定部による判定結果に基づいて前記メモリ内の前記複数の調整量のうちの1つを選択し、選択した調整量で以て前記発振周波数と前記所望の周波数との差が解消する方向に前記遅延量を制御するように構成された遅延制御部と、を更に備える、
クロック生成回路。 - 請求項1に記載のクロック生成回路であって、
前記少なくとも1つの第1調整量は、前記発振周波数と前記所望の周波数との差分量に関する情報に関連づけられた複数の第1調整量を含み、
前記少なくとも1つの第2調整量は、前記差分量に関する前記情報に関連づけられた複数の第2調整量を含み、
前記遅延制御部は、前記差分量に関する前記情報に応じて前記複数の調整量のうちの1つを選択するように構成されている、
クロック生成回路。 - 請求項1に記載のクロック生成回路であって、
前記少なくとも1つの第1調整量は、1つの第1調整量であり、
前記少なくとも1つの第2調整量は、1つの第2調整量であり、
前記クロック生成回路は、前記発振周波数と前記所望の周波数との差分量に関する情報を外部の制御回路へ出力するように構成されていると共に、前記外部の制御回路が前記差分量に関する前記情報に基づいて前記メモリ内の前記1つの第1調整量又は前記1つの第2調整量を書き換えられるように構成されている、
クロック生成回路。 - 請求項2又は請求項3に記載のクロック生成回路であって、
前記入力クロックの1周期内における、前記リングオシレータの発振クロックのパルス数をカウントする第1カウンタと、
前記入力クロックの前記1周期のうちで周期開始時点から所定期間を除いた残り期間内における、前記発振クロックの前記パルス数をカウントする第2カウンタと、を更に備え、
前記差分量に関する前記情報は、前記第1及び第2カウンタによるカウント値を含む、
クロック生成回路。 - 請求項1に記載のクロック生成回路であって、
前記入力クロックの1周期内における、前記リングオシレータの発振クロックのパルス数をカウントする第1カウンタと、
前記入力クロックの前記1周期のうちで周期開始時点から所定期間を除いた残り期間内における、前記発振クロックの前記パルス数をカウントする第2カウンタと、
前記第1及び第2カウンタによるカウント値及び逓倍比を用いて前記発振周波数と前記所望の周波数との差分量を取得し、前記差分量が所定値以上の場合に信号を出力するように構成された差分量判定回路と、を更に備え、
前記少なくとも1つの第1調整量は、1つの第1調整量であり、
前記少なくとも1つの第2調整量は、1つの第2調整量であり、
前記クロック生成回路は、前記差分量判定回路からの前記信号を外部の制御回路へ出力するように構成されていると共に、前記外部の制御回路が前記信号の受信により前記メモリ内の前記1つの第1調整量又は前記1つの第2調整量を書き換えられるように構成されている、
クロック生成回路。
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