JP2004165874A - 表面実装型sawフィルタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】平板状の絶縁基板3、絶縁基板の下部に設けた複数の外部電極4、及び上部電極5、を備えた実装基板2と、圧電基板11、圧電基板の下面に形成され且つ各上部電極上に導体バンプを介してフリップチップ実装される複数の接続パッド12、及び機能部パターン13、を備えたSAWチップ10と、SAWチップ外面全体を被覆する封止樹脂20と、を備え、絶縁基板上面の外周部には、接地用上部電極を包囲するようにインダクタンスを得るための環状の導体パターン30が形成され、該導体パターンは接地用上部電極5と導通接続されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、弾性表面波チップを平板状の実装基板上にバンプを用いてフェイスダウン搭載してから弾性表面波チップを樹脂にて封止した小型構造でありながら、金属キャップを用いたSAWフィルタと同等の減衰特性を得ることを可能にした表面実装型SAWフィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
弾性表面波フィルタ(SAWフィルタ)は、水晶、タンタル酸リチウム等の圧電基板上に櫛歯状の電極指から成るIDT電極(インターディジタルトランスジューサ)電極、反射器等の機能部パターンを配置した構成を備え、例えばIDT電極に高周波電界を印加することによって弾性表面波を励起し、弾性表面波を圧電作用によって高周波電界に変換することによってフィルタ特性を得るものである。
SAWフィルタは、高性能、小型、量産性等の優れた特徴を発揮するため、通信分野で広く利用されている。近年、通信端末の高性能化に伴い、SAWフィルタには更に小型かつ高減衰な特性が強く要求されている。
従来の表面実装型SAWフィルタ100として、例えば図6(a)に示すように、SAWチップ101を、パッケージ110の凹所116内に収容したものが知られている。即ち、このSAWチップ101は、圧電基板102の主面上に、櫛形電極としてのIDT電極及び反射器から成る機能部パターン103と、IDT電極の各端子と接続された接続パッド104と、を備えた構成を備えている。パッケージ110は、絶縁材料から成る底板111と、底板の上面周縁に沿って立設されることにより凹所116を形成する絶縁材料から成る外周壁112と、底板111の底面に配置した複数の外部電極113と、底板111の上面に配置され且つ各外部電極113と導通した複数の上部電極114と、外周壁113の上面に配置されて各上部電極114と導通したシールリング115と、シールリング115上に固定されることにより凹所116を気密封止する金属キャップ117と、を備えている。
このSAWフィルタ100にあっては、機能部パターン103が下向きになるようにSAWチップをフェイスダウン状態にし、この状態で、底板111上の上部電極114と接続パッド104とを導体バンプ141を介して接続してフリップチップ実装することによりSAWチップ101のマウントを行い、最後にシールリング115上に金属キャップ117を固着することにより気密構造が完成する。
【0003】
このように従来のSAWフィルタ100にあっては、圧電基板102やパッケージ110側の各パターンだけではなく、パッケージのシールリングや金属キャップも利用して所望の減衰特性を得ていた。すなわち、パッケージのシールリング115や金属キャップ117は、パッケージ上の複数の接地用上部電極114a、114b間にインダクタンスとして接続され、フィルタの減衰特性に影響を与えている。図6(b)はそのフィルタ特性例を示しており、良好な減衰特性が得られている。
しかしながら、このように外周壁112を備えたパッケージ構造では、SAWチップ101の周囲に外周壁112が存在することになるため、SAWフィルタ100の平面形状は必然的に大きくなり、市場の小型化の要求を満足できないという致命的欠点を持つこととなる。
特開平9−116377号公報(富士通)には、パッケージ側のGnd端子間をあるインピーダンスをもって接続した構造が開示されており、接続手段としては金属キャップを用いることが前提となっているため、SAWフィルタの大型化を回避することができない。
特開2000−49565公報(富士通)は、特開平9−116377号公報の場合と同様に、導電性キャップを用いることが前提となっているため、SAWフィルタの大型化を回避することができない。
これに対して、金属キャップを用いずに小型化の要求を満たしたSAWフィルタ130として、図7(a)に示すように、外周壁を有しない平板構造の実装基板131上に、SAWチップ101をフェイスダウン状態でフリップチップ搭載してから、SAWチップ外面を封止樹脂135を用いて気密封止するようにしたCSP(チップサイズパッケージ)タイプが知られている。
しかしながら、この構造にあっては、図6(a)に示したタイプのSAWフィルタとは異なり、シールリング115や金属キャップ117を、複数の接地用上部電極114a、114b間にインダクタンスとして接続しないため、図7(b)のフィルタ特性例の如く、SAWフィルタとしての減衰特性が著しく劣化する。
【0004】
また、図8(a)は図7(a)のSAWフィルタの変形例であり、実装基板131上の複数の接地用上部電極114a、114b間を、非常に小さい値のインダクタンスとなる短尺の金属配線140にて接続した構造を備えている。
図8(b)は図8(a)のSAWフィルタのフィルタ特性例を示しており、これによればフィルタの減衰特性が劣化していることが明らかである。即ち、実装基板131上の複数の接地用上部電極114a、114b間を接続する金属配線140が持つインダクタンスをある程度大きな値にしなければ、所望の減衰特性を得ることはできないことが明らかである。
特開2000−406400(京セラ)には、減衰特性向上のために圧電基板の下面もしくは外周部にGnd電極が励振電極を取り囲むように配置されたSAWフィルタが開示されている。しかし、後述するように、本発明においては、Gnd電極が励振電極を取り囲む必要はないので、本発明とは異なった発明である。
【特許文献1】特開平9−116377号公報
【特許文献2】特開2000−049565公報
【特許文献3】特開2000−406400公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、金属キャップを備えないCSP構造のSAWフィルタでありながら、金属キャップを用いた構造のSAWフィルタと同等の減衰特性を得ることが可能なSAWフィルタを提供することを目的としている。
即ち、平板構造の実装基板を備えたSAWフィルタにおいて、SAWフィルタの全体形状を大型化することなく、実装基板上の周縁に位置するスペースを活用してインダクタンスとして機能する導体パターンを配置することにより、複数の接地用上部電極間を十分に大きな値のインダクタンスとしての導体パターンを介して接続して、十分な減衰特性を得ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、平板状の絶縁基板、該絶縁基板の下部に設けた表面実装用の複数の外部電極、及び各外部電極と導通し且つ該絶縁基板の上部に設けた複数の上部電極、を備えた実装基板と、圧電基板、該圧電基板の下面に形成され且つ前記各上部電極上に導体バンプを介してフリップチップ実装される複数の接続パッド、及び該圧電基板の下面に形成され且つ該各接続パッドと導通接続された機能部パターン、を備えたSAWチップと、該SAWチップ下面と前記実装基板上面との間に気密空間を形成するようにSAWチップ外面全体を被覆する封止樹脂と、を備え、前記複数の接続パッドの内の接地用接続パッドが、前記複数の上部電極の内の接地用上部電極と導通接続された表面実装型SAWフィルタにおいて、前記絶縁基板上面の外周部には、前記接地用上部電極を包囲するようにインダクタンスを得るための環状の導体パターンが形成され、該導体パターンは前記接地用上部電極と導通接続されていることを特徴とする。
小型でかつ高減衰な特性のSAWフィルタを実現するために、本発明では外周壁のない平板構造のパッケージ(実装基板)を用い、金属キャップを用いずに封止樹脂を用いてSAWチップを気密封止する構造を得ると共に、所望の減衰特性を得るために実装基板上の複数の接地用上部電極間をある程度大きな値のインダクタンスで接続する。この際、インダクタンスとしての導体パターン(金属配線)を実装基板上面外周部に設けることにより、距離の長い導体パターン、即ち値の大きなインダクタンスが実現できる。
請求項2の発明では、請求項1において、前記実装基板上の導体パターンは、前記各接地用上部電極を包囲する連続環状体であり、該導体パターンと各接地用上部電極とを接続する各リードパターン間の距離は最も離間するように設定されていることを特徴とする。
請求項3の発明では、請求項1において、前記実装基板上の導体パターンは、前記各接地用上部電極を包囲する非連続環状体であり、該導体パターンと各接地用上部電極とを接続する各リードパターン間の距離は最も離間するように設定されていることを特徴とする。
【0007】
請求項4の発明では、請求項1において、前記実装基板上の導体パターンは、前記各接地用上部電極を包囲する非連続環状体であり、該導体パターンと各接地用上部電極とを接続する各リードパターンは導体パターンの両端部から各接地用上部電極に接続され、各リードパターン間の距離は最も接近するように設定されていることを特徴とする。
請求項2、3、4に記載の発明によれば、平板構造の実装基板外周部に設けた導体パターンの面積や形状を調整したり、導体パターンと各接地用上部電極との接続箇所を種々変更設定することにより、インダクタンスの値を容易に調整できるため、市場の要求に合わせて減衰特性を容易に調整できることとなる。
請求項5の発明は、請求項1、2、3、又は4において、前記機能部パターンは、IDT電極と反射器を縦結合二重モード構造とし、更に前記縦結合二重モード構造を2段縦続接続したことを特徴とする。
本発明はあらゆるタイプの機能部パターン構造を備えたSAWフィルタに適用可能である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて詳細に説明する。
図1(a)及び(b)は本発明に係るSAWフィルタの構造の一例を示す縦断面図及び実装基板の平面図である。
このSAWフィルタ1は、外周壁を有しない平板状の実装基板2上に、SAWチップ10をフェイスダウン状態でフリップチップ実装すると共に、SAWチップ10の下面と実装基板上面との間にSAW伝搬用の気密空間Sを形成するように封止樹脂20をSAWチップ10の外面に被覆形成した構成を備えている。
実装基板2は、平板状の絶縁基板3と、絶縁基板3の下部に設けた表面実装用の複数の外部電極4と、各外部電極4と導通し且つ絶縁基板3の上部に設けられた複数の上部電極5と、を備えている。
SAWチップ10は、水晶、或いはタンタル酸リチウム(LiTaO3)等の圧電材料から成る圧電基板11と、圧電基板下面に形成されて実装基板2側の上部電極5上に導体バンプ21を介してフリップチップ接続される複数の接続パッド12と、圧電基板下面に形成されて接続パッド12と導通接続された機能部パターン13と、を備えている。機能部パターン13は、後述するIDT電極(インターディジタルトランスジューサ)電極と、反射器等から構成されている。また、SAWチップ下面と実装基板上面との間に気密空間Sを形成するようにSAWチップ外面全体に封止樹脂20が被覆形成されている。
接続パッド12は、入力用、出力用の各接続パッド12i、12oの他に、接地用接続パッド12g、12g’を備えている。また、実装基板側の上部電極5も、入力用、出力用の上部電極5i、5oの他に、接地用上部電極5g、5g’を備えている。これらの接地用接続パッド12g、12g’が夫々接地用上部電極5g、5g’と、導体バンプ21によって導通接続されている。
【0009】
本発明の特徴的な構成は、実装基板2の上面周縁のデッドスペース内に、接地用の上部電極5g、5g’を包囲するようにインダクタンスを得るための環状の導体パターン30を形成し、導体パターン30を各接地用上部電極5g、5g’と導通接続している点にある。この実施形態に係る実装基板2は、平板状の絶縁基板3の上面外周縁部に沿って環状長尺の金属配線から成る導体パターン30を配置し、この導体パターン30をリードパターン31を介して接地用上部電極5g、5g’と接続することにより、接地用上部電極5g、5g’間に大きな値のインダクタンスを接続した構成を実現している。
図2は、図1のSAWフィルタ1のフィルタ特性例を示しており、導体パターン30が存在しない従来品と比較して、本発明のSAWフィルタにおいては減衰量が向上している。これは、上述の如く複数の接地用上部電極間に接続されて大きな値のインダクタンスとして機能する長尺の導体パターン30を設けたことによる本発明特有の効果である。
【0010】
次に、図3は、圧電基板11上の配線パターン(機能部パターン13及び接続パッド12)の詳細な構成を示しており、本実施形態例に係る機能部パターン13は、縦結合二重モードSAWフィルタを2段縦続接続した構造を備えている。圧電基板11にはタンタル酸リチウム(LiTaO3)を用い、この圧電基板11上に形成される一方(入力側)の機能部パターン13は、3個のIDT電極40a、40b、40cと、これらのIDT電極40a、40b、40cのSAW伝搬方向両側に夫々配置した反射器41a、41bを備えた構造となっている。また、他方(出力側)の機能部パターン13’は、3個のIDT電極40a’、40b’、40c’と、これらのIDT電極40a’、40b’、40c’のSAW伝搬方向両側に夫々配置した反射器41a’、41b’を備えた構造となっている。
各IDT電極40a、40b、40c、40a’、40b’、40c’は、それぞれ互いに交差した複数本の電極指を有する一対の櫛形電極により構成されている。中央のIDT電極40bに入力された信号は両側のIDT電極40a、40cから並列に出力され、1段の縦結合二重モードSAWフィルタとして機能する。本実施例ではこれを2段縦続接続しており、IDT電極40a、40cから並列に出力された信号は出力側のIDT電極40a’、40c’に入力され、IDT電極40b’から出力される。また、反射器41a、41b(出力側の反射器41a’、41b’も同様)はIDT電極からの漏洩弾性表面波を反射する機能を有し、IDT電極で励起される弾性表面波のエネルギーを両反射器間に閉じ込めることにより縦1次モードと縦3次モードを分離して励起し、この二つのモードの共振周波数差を利用して縦結合二重モードSAWフィルタを実現する。
接地用接続パッド12g、12g’は、導体バンプ21を介して図1(b)の平板構造の実装基板2上に接続される。即ち、接地用接続パッド12gは、接地用上部電極5gに、接地用接続パッド12gは接地用上部電極5gに夫々接続される。なお、他の2つの接地用接続パッド12g”は、夫々接地用上部電極5g、5g’と導体バンプにより接続される。
【0011】
従来例の説明中にて述べた通り、SAWフィルタの減衰特性を良好に維持するためには、接地用上部電極間インダクタンスはある程度大きな値でなければならない。本発明では、接地用上部電極間インダクタンスを得るための金属配線としての導体パターン30を平板構造の実装基板2の上面外周部に設けることで、距離の長い導体パターン30を実現している。しかも、接地用上部電極間インダクタンスを得るための導体パターン30を平板構造実装基板の上面外周部に設けることによる効果は、そのインダクタンスの値を大きくしやすいという点だけではなく、接地用上部電極間の導体パターン30と他の信号線との不要な電磁的結合を抑圧しやすく、しかもインダクタンスの値を調整して市場の多様な減衰特性要求に容易に対応できる、といった利点をも有する。
このことを図4に基づいて詳細に説明する。図4(a)〜(c)はいずれも平板構造の実装基板2上の導体パターン30の構成例を示しており、(a)は図1(b)と同一構造であり、(b)(c)は変形構造を示している。これらの実施形態では、いずれも絶縁基板3上に所定の間隔を隔てて対向配置された接地用上部電極5g、5g’を包囲するように環状(連続環状、或いは非連続環状)に導体パターン30が配置されてリードパターン31によって接続されているため、接地用上部電極5g、5g’間にインダクタンスとして動作する導体パターン30が接続された構造になっている。
具体的には、図4(a)においては、連続的な環状体としての導体パターン30が両接地用上部電極5g、5g’を完全に包囲するように配置され、各接地用上部電極5g、5g’と導体パターン30との間は、リードパターン31によって導通されている。2つのリードパターン31の位置は、最も離間した位置となるように矩形の導体パターン30の対角線に沿った位置に配置されている。
図4(b)の例では、導体パターン30は、連続した環状体ではなく、両接地用上部電極5g、5g’間の境界に相当する位置にて切断された非連続的な環状体である。リードパターン31の位置は図4(a)の例と同様である。
図4(c)の例では、導体パターン30は、図4(b)と同様に非連続的な環状体であるが、リードパターン31の位置は互いに最も接近した位置となるように設定されている。
上記各実施形態に係る実装基板2においては、いうまでもなく接地用上部電極間インダクタンスの大きさは、(a)<(b)<(c)の順となっており、そのインダクタンスの値は図4(a)の例が0.84nH、(b)の例が1.60nH、(c)の例が2.69nHである。
図5(a)〜(c)は、図4(a)〜(c)の各実施形態に係る実装基板を用いたSAWフィルタのフィルタ特性を示しており、いずれの減衰特性も接地用上部電極間インダクタンス接続が無い従来構造品と比べて大幅に改善され、しかも容易にその減衰特性を調整できることがわかる。本実施形態の場合、例えば通過帯域近傍減衰量を重視するならば、接地用上部電極間インダクタンスを大きくすればよい。すなわち図4(c)のような導体パターン構造にすればよい。
尚、本発明による効果は、各実施形態にて例示した縦結合二重モードSAWフィルタを2段縦続接続したような構造に限らず、例えばラダー型SAWフィルタ等でも得られることは自明である。
【0012】
本発明は以上説明したように、外壁のない平板構造の実装基板をパッケージとして用い、金属キャップを用いずに封止樹脂を用いてSAWチップの気密構造を実現するSAWフィルタにおいて、実装基板上の複数の接地用上部電極間をある程度大きなインダクタンスで接続するために、実装基板上面外周部のデッドスペースを利用してインダクタンスとしての導体パターン(金属配線)を設けた。このように、距離が長く面積が大きい導体パターン、すなわち値の大きなインダクタンスを接地用上部電極間に接続した構造とすることで、小型でかつ高減衰な特性のSAWフィルタを供給することが可能となる。しかも平板構造の実装基板外周部に設けた導体パターンの面積や形状を調整したり、導体パターンと各接地用上部電極との接続箇所を種々変更設定することにより、インダクタンスの値を容易に調整できるため、市場の要求に合わせて減衰特性を容易に調整できることとなる。
【0013】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、金属キャップを備えないCSP構造のSAWフィルタでありながら、金属キャップを用いた構造のSAWフィルタと同等の減衰特性を得ることが可能となる。即ち、平板構造の実装基板を備えたSAWフィルタにおいて、SAWフィルタの全体形状を大型化することなく、実装基板上の外周縁に位置するデッドスペース上に、インダクタンスとして機能する導体パターンを配置することにより、複数の接地用上部電極間を十分に大きな値のインダクタンスとしての導体パターンを介して接続して、十分な減衰特性を得ることができる。しかも、本発明では、インダクタンスの値を任意に調整することにより、任意の減衰量を得ることが可能となる。
即ち、請求項1の発明によれば、インダクタンスとしての導体パターン(金属配線)を実装基板上面外周部に設けることにより、パッケージを大型化することなく、距離の長い導体パターン、即ち値の大きなインダクタンスが実現でき、所望の減衰量を得ることができる。
請求項2、3、4に夫々記載された発明によれば、平板構造の実装基板外周部に設けた導体パターンの面積や形状を調整したり、導体パターンと各接地用上部電極との接続箇所を種々変更設定することにより、インダクタンスの値を容易に調整できるため、市場の要求に合わせて減衰特性を容易に調整できることとなる。
請求項5の発明のように、本発明はあらゆるタイプの機能部パターン構造を備えたSAWフィルタに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は本発明に係るSAWフィルタの構造の一例を示す縦断面図及び実装基板の平面図。
【図2】図1のSAWフィルタ1のフィルタ特性例を示す図。
【図3】圧電基板上の配線パターンの詳細な構成を示す図。
【図4】(a)〜(c)は平板構造の実装基板上の導体パターンの構成例を示す図。
【図5】(a)〜(c)は、図4(a)〜(c)の各実施形態に係る実装基板を用いたSAWフィルタのフィルタ特性を示す図。
【図6】(a)及び(b)は従来のSAWフィルタの構成を示す断面図、及びその減衰特性を示す図。
【図7】(a)及び(b)は他の従来例に係るSAWフィルタの構成を示す断面図、及びその減衰特性を示す図。
【図8】(a)及び(b)は他の従来例に係るSAWフィルタの構成を示す断面図、及びその減衰特性を示す図。
【符号の説明】
1 SAWフィルタ、2 実装基板、3 絶縁基板、4 外部電極、5 上部電極、5i、5o 上部電極、5g、5g’ 接地用上部電極、10 SAWチップ、11 圧電基板、12 接続パッド、12i、12o 接続パッド、12g、12g’ 接地用接続パッド、13 機能部パターン、S 気密空間、20封止樹脂、21 導体バンプ、30 導体パターン、31 リードパターン、40a、40b、40c 、40a’、40b’、40c’ IDT電極、41a、41b、41a’、41b’ 反射器。
Claims (5)
- 平板状の絶縁基板、該絶縁基板の下部に設けた表面実装用の複数の外部電極、及び各外部電極と導通し且つ該絶縁基板の上部に設けた複数の上部電極、を備えた実装基板と、
圧電基板、該圧電基板の下面に形成され且つ前記各上部電極上に導体バンプを介してフリップチップ実装される複数の接続パッド、及び該圧電基板の下面に形成され且つ該各接続パッドと導通接続された機能部パターン、を備えたSAWチップと、
該SAWチップ下面と前記実装基板上面との間に気密空間を形成するようにSAWチップ外面全体を被覆する封止樹脂と、を備え、
前記複数の接続パッドの内の接地用接続パッドが、前記複数の上部電極の内の接地用上部電極と導通接続された表面実装型SAWフィルタにおいて、
前記絶縁基板上面の外周部には、前記接地用上部電極を包囲するようにインダクタンスを得るための環状の導体パターンが形成され、該導体パターンは前記接地用上部電極と導通接続されていることを特徴とする表面実装型SAWフィルタ。 - 前記実装基板上の導体パターンは、前記各接地用上部電極を包囲する連続環状体であり、該導体パターンと各接地用上部電極とを接続する各リードパターン間の距離は最も離間するように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の表面実装型SAWフィルタ。
- 前記実装基板上の導体パターンは、前記各接地用上部電極を包囲する非連続環状体であり、該導体パターンと各接地用上部電極とを接続する各リードパターン間の距離は最も離間するように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の表面実装型SAWフィルタ。
- 前記実装基板上の導体パターンは、前記各接地用上部電極を包囲する非連続環状体であり、該導体パターンと各接地用上部電極とを接続する各リードパターンは導体パターンの両端部から各接地用上部電極に接続され、各リードパターン間の距離は最も接近するように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の表面実装型SAWフィルタ。
- 前記機能部パターンは、IDT電極と反射器を縦結合二重モード構造とし、更に前記縦結合二重モード構造を2段縦続接続したことを特徴とする請求項1、2、3、又は4の何れか一項に記載の表面実装型SAWフィルタ。
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