JP2004165681A - 多層配線板用接着フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 成形性、特に積層時の加熱加圧工程でのキャビティ部への樹脂浸出量が少なく、安定した多層配線板用接着フィルムを提供する。
【解決手段】 少なくとも2枚以上の基板を多層化積層して作製する多層配線板に用いる接着フィルムにおいて、加熱積層プレス時の最低粘度が3×104〜1×105Pa・sの範囲である多層配線板用接着フィルム。加熱積層プレス時の昇温速度が5〜10℃/分で、また前記昇温速度と保持温度170〜180℃で前記最低粘度範囲の多層配線板用接着フィルム。このような粘度特性は、特定の共重合体であるエポキシ基含有アクリルゴムを必須成分として含有する多層配線板用接着フィルムで得られる。

Description

本発明は、多層配線板用接着フィルムに関する。
近年、電子機器の発達にともない、配線板に対する配線の高密度化の要求はますます厳しくなっている。特にPGAやBGA等の半導体パッケージに用いられる多層配線板では出力信号線数の増大に伴い、半導体素子との接合に用いられるワイヤボンディング用パッド数が増大している。そのため、多段のキャビティを形成するなど、複雑な形状加工が必要となってきている。
このような多段のキャビティを持つ半導体パッケージ用配線板の多層化用接着材料としては、ガラス繊維を補強材とするプリプレグや、ポリイミド樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、ゴム−エポキシ樹脂系接着剤などが知られている。
この中でプリプレグは、キャビティ形成などの複雑な形状加工を必要とする配線板に用いた場合、キャビティ部を設ける加工の際に発生した樹脂粉が多層化積層時にワイヤボンディング用パッドに付着してワイヤボンディング工程での接続不良を起こしやすい。さらに、積層時の加熱加圧工程での樹脂流動性の制御が困難である。樹脂流動性が高いと、キャビティ部への浸出量が増大し、ワイヤボンデイング用パッドを樹脂が被覆することになり接続不良が増加する。また、樹脂流動量が少ないとキャビティ部への浸出量が少なく良好となるが、内層回路の銅箔パターン側面に空隙が発生しやすくなり、絶縁信頼性が低下する。このように、プリプレグを用いると歩留まりが低く生産効率に劣る欠点があった。このような加工性等の問題を解決するために、近年、層間接着剤として、発塵がなく流動量制御が容易な、織布状もしくは不織布状の補強材を含まない、接着フィルムの使用の要望が多くなってきた。
しかし、多層配線板を作製する場合に、どのような接着フィルムを用いてもよいというわけにはいかない。接着フィルムは、プリプレグよりも高分子量樹脂が多いために、積層時の加熱加圧工程で樹脂流動量の制御、すなわち、キャビティ部への樹脂浸出量の抑制と内層回路の銅箔パターン側面の空隙の発生を抑制することは比較的容易となった。しかし、工業製品として安定した歩留りを確保するためには、接着フィルムの物性と成形性との関係を把握する必要があり、製造設備に対応した接着フィルムおよびその物性管理手段が求められていた。
従来技術では、複雑な構造を形成するための成形性、特に加熱プレス積層時の加熱加圧工程でキャビティ部への樹脂浸出量のバラツキがなく安定した多層化用接着材料はなかった。本発明は、成形性、特に積層時の加熱加圧工程でのキャビティ部への樹脂浸出量の安定した多層化用接着材料を提供するものである。
本発明は、キャビティが形成され、予め回路加工して接続端子とワイヤボンディング用パッドを形成した少なくとも2枚以上の基板を多層化積層して作製する多層配線板に用いる接着フィルムにおいて、加熱積層プレス時の最低粘度が3×104〜1×105Pa・sの範囲であり、接着フィルムのキャビティ部分への浸出量が0〜300μmであることを特徴とする多層配線板用接着フィルムである。また、加熱積層プレス時の昇温速度が5〜10℃/分であり、その際の最低粘度が3×104〜1×105Pa・sの範囲であり、接着フィルムのキャビティ部分への浸出量が0〜300μmであることを特徴とする多層配線板用接着フィルムである。さらに、加熱積層プレス時の昇温速度が5〜10℃/分で、保持温度170〜180℃であり、その際の最低粘度が3×104〜1×105Pa・sの範囲であり、接着フィルムのキャビティ部分への浸出量が0〜300μmであることを特徴とする多層配線板用接着フィルムである。
このような特性を有する多層配線板用接着フィルムは、アクリロニトリル18〜40重量%、官能基モノマーとしてグリシジル(メタ)アクリレート2〜6重量%及び残部がエチル(メタ)アクリレート若しくはブチル(メタ)アクリレートまたは両者の混合物から得られる共重合体で、Tg(ガラス転移点)が−10℃以上でかつ重量平均分子量が10万以上であるエポキシ基含有アクリルゴムを必須成分として含有すると好ましい。 そして、(a)アクリロニトリル18〜40重量%、官能基モノマーとしてグリシジル(メタ)アクリレート2〜6重量%及び残部がエチル(メタ)アクリレート若しくはブチル(メタ)アクリレートまたは両者の混合物から得られる共重合体で、Tg(ガラス転移点)が−10℃以上でかつ重量平均分子量が10万以上であるエポキシ基含有アクリルゴム30〜100重量部、(b)エポキシ樹脂及びその硬化剤を合わせて50〜70重量部、(c)エポキシ樹脂と相溶性でありかつ重量平均分子量3万以上の高分子量樹脂10〜60重量部及び(d)硬化促進剤0.1〜5重量部を含む多層配線板用接着フィルムであると好ましいものである。 そして、さらに(a)アクリロニトリル18〜40重量%、官能基モノマーとしてグリシジル(メタ)アクリレート2〜6重量%及び残部がエチル(メタ)アクリレート若しくはブチル(メタ)アクリレートまたは両者の混合物から得られる共重合体で、Tg(ガラス転移点)が−10℃以上でかつ重量平均分子量が10万以上であるエポキシ基含有アクリルゴム30〜100重量部、(b)エポキシ樹脂及びその硬化剤を合わせて50〜70重量部、(c)エポキシ樹脂と相溶性でありかつ重量平均分子量3万以上の高分子量樹脂10〜60重量部、(d)硬化促進剤0.1〜5重量部及び(e)無機フィラーを全接着剤組成物の10〜60体積%含む多層配線板用接着フィルムであると好ましいものである。そして、本発明は、上記のような多層配線板用接着フィルムに、カップリング剤0.5〜10重量部及び無機イオン吸着剤0.5〜10重量部、または、カップリング剤0.5〜10重量部及び銅害防止剤0.5〜10重量部を含むと好ましいものである。
以上説明したように、本発明による多層配線板用接着フィルムは、加熱積層時におけるキャビティ部への浸出量が小さく安定しており、かつ回路充填性にも優れている。
本発明による多層配線板用接着フィルムを用いた多層配線板の例を図1に示す。図1は、本発明の多層配線板用接着フィルム1を用いた例であり、予め回路加工して接続端子5、ワイヤボンディング用パッド4を形成した基板2、2にキャビティ3を形成し、多層配線板用接着フィルム1を介して多層化して得られた半導体パッケージ用多層配線板である。本発明は、少なくとも2枚以上の基板を多層化積層して作製する多層配線板に用いる接着フィルムにおいて、加熱積層プレス時の最低粘度が3×104〜1×105Pa・sの範囲であることを特徴とする多層配線板用接着フィルムである。
接着フィルムを構成する接着剤の流動量を制御するためには、流動性の尺度を示すパラメータの制御が必要である。発明者らはそのパラメータとして粘度に注目した。すなわち、粘度が高い接着剤は流動量が小さく、粘度が低い接着剤は流動量が大きい。この粘度は、接着剤組成、硬化状態、温度によって決まるものである。接着剤組成の面では、高分子鎖をもつ樹脂が多く添加されているほど粘度は高くなる。これは、樹脂の分子運動が制限されるためである。また、フィラーなどの充填材を添加する場合でも、フィラーの形状により、流動粘度が異なることが半導体パッケージ用封止材では公知となっている。硬化状態については、硬化反応が進むほど、粘度は高くなる。これは硬化が進むにつれて分子鎖が結合していくために分子運動が制限されていくためである。また、硬化状態が同じ場合には、高い温度の方が粘度は低くなる。これは高い温度の方が分子運動が活発となるためである。
一般的に熱硬化型接着フィルムは半硬化状態のものが積層に用いられる。この半硬化状態のものは加熱すると最初粘度が低下し、硬化が進むにつれて上昇する特性を示す。その例を図2に示す。
一般的に急激に加温すると、粘度も急激に低下する。これは、その接着剤の硬化反応による粘度上昇よりも、温度上昇による粘度低下が支配的となるためである。最低粘度の低下は、流動量の増大を招く。したがって、温度上昇による粘度低下と接着剤の硬化反応による粘度上昇のバランスをとって流動量を制御するために、温度勾配を設定して加熱積層することが望ましい。温度勾配を設ける場合、積層プレス設備の能力、積層する際に用いる緩衝材(紙やプラスチックフィルムなど)の影響、積層時間を考慮すると実測で5〜10℃/分が実用的である。また、汎用配線板に用いられているガラスエポキシ材料を用いる場合、エポキシ樹脂の反応温度との関係から170〜180℃で積層プレスするのが一般的であり、汎用配線板の積層プレス設備の能力もこれに準じているものが多い。
これまで、接着フィルムや積層プレス条件の検討により、樹脂流動量の制御を図ってきているが、樹脂流動量と相関性のある接着フィルム特性の定量化と適正範囲の把握、そしてそれを満足する接着フィルムの開発が課題であった。
発明者らは、まず樹脂流動量と相関性のある接着フィルム特性について鋭意検討を重ね、樹脂流動量と粘度、特に最低粘度が相関性のあることを明らかにした。すなわち、最低粘度が低すぎると流動性が良いためにキャビティ部分への浸出量が大きくなってしまう。また、最低粘度が高すぎると流動性が悪く、信号回路を形成している銅箔パターン側面に気泡が残ってしまい、絶縁信頼性が低下する。発明者らは、浸出量が0〜300μmかつ35μm銅箔回路の充填性に問題ないことを満足するためには最低粘度が3×104〜1×105Pa・sの範囲であることが望ましいことを明らかにした。最低粘度が3×104Pa・s未満であると樹脂流動量(浸出量)が300μmを超えてしまい、1×105Pa・sを超えると35μm銅箔パターン側面に気泡が発生することがわかった。
また、多層配線板用接着フィルムの組成としては、アクリロニトリル18〜40重量%、官能基モノマーとしてグリシジル(メタ)アクリレート2〜6重量%及び残部がエチル(メタ)アクリレート若しくはブチル(メタ)アクリレートまたは両者の混合物から得られる共重合体で、Tg(ガラス転移点)が−10℃以上でかつ重量平均分子量が10万以上であるエポキシ基含有アクリルゴムを必須成分として含み、この(a)エポキシ基含有アクリルゴム30〜100重量部、(b)エポキシ樹脂及びその硬化剤を合わせて50〜70重量部、(c)エポキシ樹脂と相溶性でありかつ重量平均分子量3万以上の高分子量樹脂10〜60重量部及び(d)硬化促進剤0.1〜5重量部を配合した接着剤を用いることが好ましい。また、上記(a)〜(d)に加えて(e)無機フィラーを全接着剤組成物の10〜60体積%含むことが好ましい。さらに、本発明では、上記の(a)〜(d)に(f)エポキシ樹脂と非相溶性である重量平均分子量3万以上の高分子量樹脂を0〜50重量部配合すると好ましい。
なおここでの粘度は、約1mmの厚みの試料を、動的粘弾性測定装置で測定した時に得られた値である。
本発明で使用する(a)のアクリロニトリル18〜40重量%、官能基モノマーとしてグリシジル(メタ)アクリレート2〜6重量%及び残部がエチル(メタ)アクリレート若しくはブチル(メタ)アクリレートまたは両者の混合物から得られる共重合体で、Tg(ガラス転移点)が−10℃以上でかつ重量平均分子量が10万以上であるエポキシ基含有アクリルゴムは、市販品を使用することができ例えば、帝国化学産業株式会社から市販されている商品名HTR−860P−3を使用することができる。官能基モノマーが、カルボン酸タイプのアクリル酸や、水酸基タイプのヒドロキシメチル(メタ)アクリレートを用いると、架橋反応が進行しやすく、ワニス状態でのゲル化、Bステージ状態での硬化度の上昇による接着力の低下等の問題があるため好ましくない。また、官能基モノマーとして用いるグリシジル(メタ)アクリレートの量は、2〜6重量%の共重合体比とする。接着力を得るため、2重量%以上とし、ゴムのゲル化を防止するために6重量以下とされる。残部はエチル(メタ)アクリレート若しくはブチル(メタ)アクリレートまたは両者の混合物を用いるが、混合比率は、共重合体のTgを考慮して決定する。Tgが−10℃未満であるとBステージ状態での接着フィルムのタック性が大きくなり取扱性が悪化するので,−10℃以上とされる。重合方法はパール重合、乳化重合等が挙げられ、これらにより得ることができる。
エポキシ基含有アクリルゴム中のアクリロニトリル量は18〜40重量%であることが必要である。各種後工程において接着剤が溶剤におかされてしまうという耐溶剤性から18重量%以上とされ、また、他成分との相溶性や重合の困難性から40重量%以下とされる。エポキシ基含有アクリルゴムの重量平均分子量は10万以上とされ、好ましくは80万以上とされる。この範囲では、シート状、フィルム状での強度や可とう性の低下やタック性の増大がなく、フロー性が大きくなりすぎてしまい浸出量の制御が困難になるのを抑制できるからである。また、分子量が大きくなるにつれフロー性が小さく、回路充填性が低下してくるので、エポキシ基含有アクリルゴムの重量平均分子量は200万以下であることが望ましい。
本発明において使用される(b)のエポキシ樹脂は、硬化して接着作用を呈するものであればよく、二官能以上で、分子量が5,000未満、好ましくは3,000未満のエポキシ樹脂が使用される。特に分子量が500以下のビスフェノールA型またはF型液状樹脂を用いると、積層時の流動性を向上することができて好ましい。
分子量が500以下のビスフェノールA型またはF型液状樹脂は、油化シェルエポキシ株式会社から、エピコート807、エピコート827、エピコート828という商品名で市販されている。また、ダウケミカル日本株式会社からは、D.E.R.330、D.E.R.331、D.E.R.361という商品名で市販されている。さらに、東都化成株式会社から、YD8125、YDF170という商品名で市販されている。また、難燃化をはかることを目的に、Br化エポキシ樹脂、非ハロゲン系の難燃性エポキシ樹脂等を使用してもよい。このようなものとして例えば住友化学工業株式会社からESB400という商品名で市販されている。
低熱膨張化、高Tg化を目的に多官能エポキシ樹脂を加えてもよい。多官能エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂が例示される。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂は、日本化薬株式会社から、EPPN−201という商品名で市販されている。また、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂は住友化学工業株式会社から、EOCN1012、EOCN1025、EOCN1027という商品名で市販されている。さらに、大日本インキ化学工業株式会社からN−673−80Mという商品名で市販されている。また、ナフタレン型エポキシ樹脂は大日本インキ化学工業株式会社からHP−4032という商品名で市販されている。また、サリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂は日本化薬株式会社からEPPN502という商品名で市販されている。
エポキシ樹脂の硬化剤は、フェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する化合物である、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、サリチルアルデヒドノボラック樹脂を用いるのが好ましい。吸湿時の耐電食性に優れるからである。
このような硬化剤は、大日本インキ化学工業株式会社から、フェノライトLF2882、バ−カムTD−2090、バ−カムTD−2149、フェノライトVH4150、フェノライトVH4170という商品名で市販されている。
本発明で用いる(c)エポキシ樹脂と相溶性でありかつ重量平均分子量が3万以上の高分子量樹脂としては、フェノキシ樹脂、平均分子量が3万〜8万の高分子量エポキシ樹脂、平均分子量が8万より大きい超高分子量エポキシ樹脂、極性の大きい官能基含有反応性ゴムなどが挙げられる。極性の大きい官能基含有反応性ゴムは、アクリロニトリル−ブタジエンゴムやアクリルゴムに、カルボキシル基のような極性が大きい官能基を付加したゴムであり、例えばカルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴムなどである。
フェノキシ樹脂は、東都化成株式会社から、フェノトートYP−40、フェノトートYP−50という商品名で市販されている。高分子量エポキシ樹脂は、分子量が3〜8万の高分子量エポキシ樹脂、さらには、分子量が8万を越える超高分子量エポキシ樹脂があり、いずれも日立化成工業株式会社でHMEという商品名で市販している。カルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエンゴムは、日本合成ゴムから、PNR−1という商品名で、また、日本ゼオン株式会社から、ニポール1072という商品名で市販されている。カルボキシル基含有アクリルゴムは、帝国化学産業株式会社から、HTR−860Pという商品名で市販されている。
本発明で配合すると好ましい、(f)エポキシ樹脂と非相溶性でありかつ重量平均分子量が3万以上の高分子量樹脂としては、未変性アクリルゴム、極性の小さい官能基含有ゴムなどがある。極性の小さい官能基含有反応性ゴムは、アクリロニトリル−ブタジエンゴムやアクリルゴムにエポキシのような極性が小さい官能基を付加したゴムである。
(c)エポキシ樹脂と相溶性である高分子量樹脂および(f)エポキシ樹脂と非相溶性である高分子量樹脂の平均分子量は、いずれも3万以上である必要がある。エポキシ樹脂と相溶性の分子とエポキシ樹脂と非相溶性の分子とが互いに絡み合うことにより、相分離を防ぐためである。
(c)のエポキシ樹脂と相溶性のよい高分子量樹脂の配合量は10〜60重量部とする。エポキシ樹脂と相溶性のよい高分子量樹脂が10重量部未満であると、エポキシ樹脂を主成分とする相(以下、エポキシ樹脂相という)の可とう性が不足し取扱性が低下する。60重量部を超えると、柔軟相が多くなり、エポキシ樹脂相が少なくなるため、熱膨張率の上昇、高温での絶縁信頼性の低下、取扱性の低下が起こるため不適当である。
(f)のエポキシ樹脂と非相溶性の高分子量樹脂の配合量は0〜50重量部とする。エポキシ樹脂と非相溶性の高分子量樹脂が50重量部を超えると、柔軟相が多くなり、エポキシ樹脂相が少なくなるため、熱膨張率の上昇、高温での絶縁信頼性の低下、取扱性の低下が起こるため不適当である。
本発明の(d)硬化促進剤としては、各種イミダゾール類を用いるのが好ましい。イミダゾールとしては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート等が挙げられる。イミダゾール類は、四国化成工業株式会社から、2E4MZ、2PZ−CN、2PZ−CNSという商品名で市販されている。
本発明では、熱膨張率の制御および、弾性率の制御のために(e)無機フィラーを全接着剤組成物100に対して10〜60体積%配合することもできる。10体積%未満では、配合効果に乏しく、60体積%を超えると接着剤の弾性率が高くなりすぎ好ましくない。配合比率は、接着剤の弾性率、熱膨張率を考慮して決定する。
無機フィラーとしては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、結晶性シリカ、非晶性シリカ、ほう酸アルミウイスカなどが挙げられる。
接着フィルムとして、異種材料間の界面結合をよくするために、カップリング剤を配合することが好ましい。カップリング剤としては、シランカップリング剤が好ましい。シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
前記したシランカップリング剤は、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランがNUC A−187、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランがNUC A−189、γ−アミノプロピルトリエトキシシランNUC A−1100、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシランがNUC A−1160、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランがNUC A−1120という商品名で、いずれも日本ユニカー株式会社から市販されている。
カップリング剤の配合量は、0.5〜10重量部とする。好ましくは0.5〜5重量部である。0.5重量部未満では配合の効果に乏しく、10重量部を超えると、耐熱性の低下、コストの上昇などをまねく。
さらに、カップリング剤とともにイオン性不純物を吸着して、吸湿時の絶縁信頼性をよくするために、無機イオン吸着剤を配合してもよい。無機イオン吸着剤の配合量は、0.5〜10重量部が好ましい。より好ましくは0.5〜5重量部である。0.5重量部未満では配合の効果に乏しく、10重量部を超えると、耐熱性の低下、コストの上昇などをまねく。
無機イオン吸着剤は、単にイオンを吸着するものと、イオン交換反応を示す無機イオン交換体と、この両者の性質を併せ持つものとがある。無機イオン吸着剤は、多孔性固体の吸着性を利用して液体、固体から物質移動を行いイオンを分離する無機物質であり、耐熱性、耐薬品性に優れた活性炭、天然及び合成ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナ、活性白土などが挙げられる。無機イオン交換体は、イオン交換反応により液体、固体からイオンを分離するものであり、合成アルミノケイ酸塩例えば合成ゼオライト、金属の含水酸化物例えば水和五酸化アンチモン、多価金属の酸性塩例えばリン酸ジルコニウム、などが挙げられる。シリカゲルや活性白土も無機イオン交換体として作用する。ハイドロタルサイトは、ハロゲンを捕捉することが知られており、無機イオン交換体の一種である。
無機イオン吸着剤としては、ジルコニウム系化合物を成分とするものがIXE−100、アンチモンビスマス系化合物を成分とするものがIXE−600、マグネシウムアルミニウム系化合物を主成分とするものがIXE−700という商品名で、いずれも東亜合成化学工業株式会社から市販されている。また、ハイドロタルサイトは、協和化学工業株式会社から、DHT−4Aという商品名で市販されている。
本発明では、カップリング剤と共に、銅がイオン化して溶け出すのを防止するため、銅害防止剤0.5〜10重量部配合することが好ましい。0.5重量部未満では配合の効果に乏しく、10重量部を超えると、耐熱性の低下、コストの上昇などをまねく。銅害防止剤は、例えば、トリアジンチオール化合物、ビスフェノール系還元剤が例示され、ビスフェノール系還元剤としては、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−第3−ブチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル−6−第3−ブチルフェノール)が挙げられる。
トリアジンチオール化合物を成分とする銅害防止剤は、三協製薬株式会社から、ジスネットDBという商品名で市販されている。またビスフェノール系還元剤を成分とする銅害防止剤は、吉富製薬株式会社から、ヨシノックスBBという商品名で市販されている。
本発明の接着フィルムは、各成分を溶剤に溶解・分散してワニスとし、基材フィルム上に塗布し、加熱して溶剤を除去して使用する。また、接着フィルムの保護を目的に基材フィルムと接する接着フィルム面と反対側の面に、カバーフィルムを使用してもよい。基材フィルム及びカバーフィルムに用いるフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルムなどが使用される。プラスチックフィルムは接着剤の使用時に剥離される。
プラスチックフィルムは、ポリイミドフィルムがカプトン(東レ、デュポン社製)、アピカル(鐘淵化学工業株式会社製)等の商品名で、ポリエチレンテレフタレートフィルムがルミラー(東レ、デュポン社製)、ピューレックス(帝人株式会社製)等の商品名でそれぞれ市販されている。
ワニス化の溶剤は、比較的低沸点の、メチルエチルケントン、アセトン、メチルイソブチルケトン、2−エトキシエタノール、トルエン、ブチルセルソルブ、メタノール、エタノール、2−メトキシエタノールなどを用いるのが好ましい。また接着フィルムの塗膜性を向上するなどの目的で、高沸点溶剤を加えてもよい。高沸点溶剤としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、メチルピロリドン、シクロヘキサンなどが挙げられる。
ワニスの製造法は、各樹脂を混合できる方法であれば特に制限が無く、プロペラ攪拌等の方法が挙げられる。また、無機フィラーを添加する場合には、無機フィラーの分散を十分に行なうことができる混練法ならばどのような方法でもよい。らいかい機、3本ロール及びビーズミルなどを組み合わせて行なうことができる。フィラーと低分子量成分とをあらかじめ混合した後、高分子量成分を配合することにより、混合に要する時間を短縮することが可能である。これらのワニスを作製した後、真空脱気により、ワニス中の気泡を除去することが望ましい。以下本発明を実施例により具体的に説明する。
1)多層配線板用接着フィルムの作製以下の手法により多層配線板用接着フィルムを作製した。
(多層配線板用接着フィルム1)
(a)アクリロニトリル18〜40重量%、官能基モノマーとしてグリシジル(メタ)アクリレート2〜6重量%及び残部がエチル(メタ)アクリレート若しくはブチル(メタ)アクリレートまたは両者の混合物から得られる共重合体で、Tg(ガラス転移点)が−10℃以上でかつ重量平均分子量が10万以上であるエポキシ基含有アクリルゴムとして、 HTR−860P−3(分子量100万、帝国化学産業株式会社製商品名)32重量部、(b)のエポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂エピコート828(油化シェルエポキシ株式会社製商品名、エポキシ当量200)30重量部及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂であるESCN001(住友化学工業株式会社製商品名、エポキシ当量220)10重量部、エポキシ樹脂の硬化剤として、ビスフェノールAノボラック樹脂であるフェノライトLF2882(大日本インキ化学工業株式会社製商品名)24重量部、(c)のエポキシ樹脂と相溶性でありかつ重量平均分子量3万以上の高分子量樹脂として、フェノキシ樹脂であるフェノトートYP−50(東都化成株式会社製商品名、分子量5万)10重量部、及び(d)硬化促進剤として1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾールであるキュアゾール2PZ−CN(四国化成工業株式会社製商品名)0.5重量部から成る接着剤組成物に、メチルエチルケトンを加えた。これを混合、真空脱気し接着剤ワニスを調整した。このワニスを基材フィルムとなる厚さ50μmポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人株式会社製のS−31を使用した)に塗布し、140℃で5分間、加熱乾燥させることにより、厚さ100μmの多層配線板用接着フィルム1を得た。
(多層配線板用接着フィルム2)
多層配線板用接着フィルム1の作製において、(a)のエポキシ基含有アクリルゴムであるHTR−860P−3の配合量、32重量部を96重量部としたこと以外同様にして行い厚さ100μmの多層配線板用接着フィルム2を得た。
(多層配線板用接着フィルム3)
(a)エポキシ基含有アクリルゴムであるHTR−860P−3(帝国化学産業株式会社製商品名、分子量100万)96重量部、(b)エポキシ樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂エピコート828(油化シェルエポキシ株式会社製商品名、エポキシ当量200)30重量部及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂であるESCN001(住友化学工業株式会社製商品名、エポキシ当量220)10重量部に硬化剤であるビスフェノールAノボラック樹脂フェノライトLF2882(大日本インキ化学工業株式会社製商品名)24重量部、(c)エポキシ樹脂と相溶性でありかつ重量平均分子量3万以上の高分子量樹脂としてフェノキシ樹脂であるフェノトートYP−50(東都化成株式会社製商品名、分子量5万)10重量部そして(e)無機フィラーとしてアルミナフィラー72重量部から成る組成物にメチルエチルケトンを加え予めビーズミルで混練したものに、(d)硬化促進剤として1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾールであるキュアゾール2PZ−CN(四国化成工業株式会社製商品名)0.5重量部を混合し、真空脱気しワニスを調整した。この接着剤用ワニスを基材フィルムとなる厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人株式会社製商品名、S−31)に塗布し、140℃で5分間、加熱乾燥させることにより、厚さ100μmの多層配線板用接着フィルム3を得た。
(多層配線板用接着フィルム4)
多層配線板用接着フィルム1の作製において、(a)のエポキシ基含有アクリルゴムであるHTR−860P−3の配合量、32重量部を10重量部としたこと以外同様にして行い厚さ100μmの多層配線板用接着フィルム4を得た。
2)キャビティ構造多層配線板の作製
(実施例1)
厚さ0.6mmで両面銅箔張ガラスエポキシ積層板MCL−E−679(日立化成工業株式会社製商品名、銅箔厚み35μm)の表面にエッチングレジストを形成し、不要な銅箔をエッチング除去して、回路パターンを有する回路板を作製した。この回路板にキャビティとなる部分(1辺が17mmの正方形)を数値制御のルーターを用いてキャビティを形成し、回路基材Aを得た。同様にして、回路基材B(キャビティは1辺が15mmの正方形)を作製した。多層配線板用接着フィルム1を1辺が17mmの正方形の刃が回路基材Aと同じ座標に配置された刃型を用いて打抜き、回路基材Aと同じ形状のキャビティを有する多層配線板用接着フィルムAを作製した。同様にして、多層配線板用接着フィルムB(キャビティは1辺が15mmの正方形)を作製した。さらに、多層配線板用接着フィルムC(キャビティは1辺が13mmの正方形)も作製した。 黒化処理を施した前記回路基材A、回路基材Bおよび厚さ0.4mmの片面銅張積層板MCL−E−679(日立化成工業株式会社製商品名)2枚(基板は1枚は最下層で1枚は最上層、銅箔はいずれも最外層)で、図3のような構成で、昇温速度5℃/分、保持温度170℃、圧力3MPa、高温保持時間60分間のプレス条件で加熱積層プレスし積層一体化した。この基板に、0.5mmのドリルで穴明けをし、洗浄、触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、スルーホール内壁と銅箔表面に約20μmの無電解銅めっき層を形成した。この基板表面のパッドや回路パターンなど必要な箇所にエッチングレジストを形成し、不要な銅をエッチング除去した。さらに、キャビティを覆う部分の基材を数値制御のルーターを用いて除去してキャビティ構造の多層配線板を得た。
(実施例2)
加熱積層プレス時の昇温速度を10℃/分とした他は実施例1と同様の条件でキャビティ構造の多層配線板を作製した。
(実施例3)
多層配線板用接着フィルム1を多層配線板用接着フィルム2とした他は実施例1と同様の条件でキャビティ構造の多層配線板を作製した。
(実施例4)
多層配線板用接着フィルム1を多層配線板用接着フィルム2とした他は実施例2と同様の条件でキャビティ構造の多層配線板を作製した。
(実施例5)
多層配線板用接着フィルム1を多層配線板用接着フィルム3とした他は実施例1と同様の条件でキャビティ構造の多層配線板を作製した。
(実施例6)
多層配線板用接着フィルム1を多層配線板用接着フィルム3とした他は実施例2と同様の条件でキャビティ構造の多層配線板を作製した。
(比較例1)
多層配線板用接着フィルム1を多層配線板用接着フィルム4とした他は実施例1と同様の条件でキャビティ構造の多層配線板を作製した。
(比較例2)
多層配線板用接着フィルム1を多層配線板用接着フィルム4とした他は実施例2と同様の条件でキャビティ構造の多層配線板を作製した。
(比較例3)
加熱積層プレス時の昇温速度を3℃/分とした他は実施例3と同様の条件でキャビティ構造の多層配線板を作製した。このようにして得られたキャビティ構造の多層配線板と多層配線板用接着フィルム1〜4について下記のような評価方法で最低粘度、キャビティ浸出量、回路充填性について測定しその結果を表1に示した。
評価方法は以下の通りである。
最低粘度:株式会社レオロジ製MR−500ソリッドマータを用い、パラレルプレートモードで動的粘弾性率を測定した。加熱積層プレス時の昇温速度と同じ昇温速度で加熱して、粘度の最低値を求めた。
キャビティ浸出量:倍率200倍の顕微鏡にビデオスケーラーを取り付け、5μm以下の精度でガラスエポキシ基材で作製した回路板のキャビティ部端部からの樹脂浸出量を測定した。キャビティ4辺それぞれの浸出量を評価し、最大、最小、平均を求めた。キャビティの評価数は20とした。
回路充填性:基板断面をエポキシ樹脂で注型研磨し、倍率500倍の顕微鏡で内層回路の銅箔パターン側面に空隙が発生していないかを観察した。
[表1]
─────────────────────────────────────
項目 最低粘度(Pa・s) 浸出量 回路充填性
─────────────────────────────────────
最大 最小 平均
─────────────────────────────────────
実施例1 7.70×104 225 120 173 空隙なし
─────────────────────────────────────
実施例2 3.10×104 290 171 220 空隙なし
─────────────────────────────────────
実施例3 9.00×104 140 20 82 空隙なし
─────────────────────────────────────
実施例4 4.10×104 240 85 181 空隙なし
─────────────────────────────────────
実施例5 1.00×105 120 15 78 空隙なし
─────────────────────────────────────
実施例6 8.80×104 165 55 119 空隙なし
─────────────────────────────────────
比較例1 1.80×104 315 215 271 空隙なし
─────────────────────────────────────
比較例2 1.00×104 445 385 412 空隙なし
─────────────────────────────────────
比較例3 3.00×105 95 10 42 空隙あり
─────────────────────────────────────
実施例1〜6は、加熱積層時の多層配線板用接着フィルムの最低粘度が3×104〜1×105Pa・sであり、何れも、最大浸出量が300μm未満で、かつ回路充填性に問題なく、本発明による多層配線板用接着フィルムはキャビティ形成性に優れていることがわかる。
また、比較例1および2は、加熱積層時の多層配線板用接着フィルムの最低粘度が3×104Pa・s未満であり、浸出量が多く、比較例3では、加熱積層時の最低粘度が1×105Pa・sを超えており、回路充填性が悪い。
図1は本発明による多層配線板用接着フィルムを用いたキャビティ構造の多層配線板を示す斜視図。 図2は多層配線板用接着フィルムの加熱時における動的粘弾性率測定による粘度の経時変化の一例を示す。 図3は実施例のキャビティ構造の多層配線板を加熱積層プレスするときの基板構成を表わす図である。
符号の説明
1…多層配線板用接着フィルム
2…基材
3…キャビティ
4…ワイヤボンディング用パッド
5…接続端子

Claims (9)

  1. キャビティが形成され、予め回路加工して接続端子とワイヤボンディング用パッドを形成した少なくとも2枚以上の基板の両側に少なくとも片面に銅箔を有する基板を銅箔が外側になるように配置し、加熱積層プレス時の最低粘度が3×104〜1×105Pa・sの範囲であり、接着フィルムのキャビティ部分への浸出量が0〜300μmである接着フィルムを各基板間に介在させて加熱積層プレスして積層一体化し、キャビティを覆う部分の基板を除去することを特徴とするキャビティ構造を有する多層配線板の製造方法。
  2. 接着フィルムが、加熱積層プレス時の昇温速度が5〜10℃/分であり、その際の最低粘度が3×104〜1×105Pa・sの範囲であり、接着フィルムのキャビティ部分への浸出量が0〜300μmである請求項1記載のキャビティ構造を有する多層配線板の製造方法。
  3. 接着フィルムが、加熱積層プレス時の昇温速度が5〜10℃/分で、保持温度170〜180℃であり、その際の最低粘度が3×104〜1×105Pa・sの範囲であり、接着フィルムのキャビティ部分への浸出量が0〜300μmである請求項1記載のキャビティ構造を有する多層配線板の製造方法。
  4. 接着フィルムが、アクリロニトリル18〜40重量%、官能基モノマーとしてグリシジル(メタ)アクリレート2〜6重量%及び残部がエチル(メタ)アクリレート若しくはブチル(メタ)アクリレートまたは両者の混合物から得られる共重合体で、Tg(ガラス転移点)が−10℃以上でかつ重量平均分子量が10万以上であるエポキシ基含有アクリルゴムを必須成分として含有する請求項1ないし請求項3にいずれかに記載のキャビティ構造を有する多層配線板の製造方法。
  5. 接着フィルムが、(a)アクリロニトリル18〜40重量%、官能基モノマーとしてグリシジル(メタ)アクリレート2〜6重量%及び残部がエチル(メタ)アクリレート若しくはブチル(メタ)アクリレートまたは両者の混合物から得られる共重合体で、Tg(ガラス転移点)が−10℃以上でかつ重量平均分子量が10万以上であるエポキシ基含有アクリルゴム30〜100重量部、(b)エポキシ樹脂及びその硬化剤を合わせて50〜70重量部、(c)エポキシ樹脂と相溶性でありかつ重量平均分子量3万以上の高分子量樹脂10〜60重量部及び(d)硬化促進剤0.1〜5重量部を含む請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のキャビティ構造を有する多層配線板の製造方法。
  6. 接着フィルムが、(a)アクリロニトリル18〜40重量%、官能基モノマーとしてグリシジル(メタ)アクリレート2〜6重量%及び残部がエチル(メタ)アクリレート若しくはブチル(メタ)アクリレートまたは両者の混合物から得られる共重合体で、Tg(ガラス転移点)が−10℃以上でかつ重量平均分子量が10万以上であるエポキシ基含有アクリルゴム30〜100重量部、(b)エポキシ樹脂及びその硬化剤を合わせて50〜70重量部、(c)エポキシ樹脂と相溶性でありかつ重量平均分子量3万以上の高分子量樹脂10〜60重量部、(d)硬化促進剤0.1〜5重量部及び(e)無機フィラーを全接着剤組成物の10〜60体積%含む請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のキャビティ構造を有する多層配線板の製造方法。
  7. 接着フィルムが、カップリング剤0.5〜10重量部及び無機イオン吸着剤0.5〜10重量部を含む請求項4ないし請求項6のいずれかに記載のキャビティ構造を有する多層配線板の製造方法。
  8. 接着フィルムが、カップリング剤0.5〜10重量部及び銅害防止剤0.5〜10重量部を含む請求項4ないし請求項6のいずれかに記載のキャビティ構造を有する多層配線板の製造方法。
  9. エポキシ樹脂と相溶性でありかつ重量平均分子量3万以上の高分子量樹脂が、フェノキシ樹脂、カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム、重量平均分子量が3万〜8万の高分子量エポキシ樹脂及び重量平均分子量が8万より大きい超高分子量エポキシ樹脂から選ばれた1種以上である請求項5ないし請求項8のいずれかに記載のキャビティ構造を有する多層配線板の製造方法。
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