JP2004165461A - 面発光レーザ、電子機器及び面発光レーザの製造方法 - Google Patents

面発光レーザ、電子機器及び面発光レーザの製造方法 Download PDF

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光成 星
Akio Furukawa
昭夫 古川
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智 佐々木
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Abstract

【課題】簡単な構造で閾値電流を低減化できる面発光レーザ、その面発光レーザを備える電子機器及びその面発光レーザの製造方法を提供すること。
【解決手段】半導体層上面から光の共振方向に沿って電流が注入される第1の領域の外側に第1の領域を取り囲むように、電流の拡散を規制する規制領域を具備することとしたので、第1の領域に注入された電流は第1の領域の外には漏れにくく確実にレーザ光の発振に作用することとなり、閾値電流を低減化できる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば垂直共振器型として用いられる面発光レーザ、その面発光レーザを備える電子機器及びその面発光レーザの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、面発光レーザ例えば垂直共振器型面発光レーザ(以下「VCSEL」(Vertical Cvity Surface Emitting Laser)という。)では、酸化狭窄方式等により電流をうまく絞り込んで活性層に注入することによってその閾値電流を低減することが行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、酸化狭窄方式は確立された技術であるが、酸化熱処理の時間が少し長いと例えば活性層の中心近くまで酸化され、また酸化熱処理の時間が短いと径が大きくなり電流をうまく絞り込めなくなってしまう。
【0004】
更に発明者等は活性層等に、発振領域を取り囲みその発振領域の屈折率より僅かに小さい屈折率を有する領域を設けることによって、大出力でありながら出射されるレーザ光の横モードが単一化することができるVCSELを提案しているが、このようなVCSELには酸化狭窄方式は屈折率が大きく変化するため使用できないといった問題がある。また、発明者等はリング電極を使用することによって、大出力でありながら出射されるレーザ光の横モードが単一化することができるVCSELでの閾値電流の低減化を提案しているが、更なる閾値電流の低減化が求められている。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされるもので、簡単な構造で閾値電流を低減化できる面発光レーザ、その面発光レーザを備える電子機器及びその面発光レーザの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の主たる観点に係る面発光レーザは、第1の屈折率を有し光を共振する第1の領域を有する半導体層と、前記第1の領域に電流を注入する電極と、前記電極に接する半導体層上面から光の共振方向に沿って前記第1の領域を取り囲み、前記第1の領域外への電流の拡散を規制する規制領域とを具備することを特徴とする。
【0007】
ここで半導体層とは、例えば活性層、クラッド層及び半導体多層膜DBR(Distributed Bragg Reflector)ミラー等をいう。
【0008】
本発明では、半導体層上面から光の共振方向に沿って電流が注入される第1の領域の外側に第1の領域を取り囲むように、電流の拡散を規制する規制領域を具備することとしたので、第1の領域に注入された電流は第1の領域の外には漏れにくく確実にレーザ光の発振に作用することとなり、閾値電流を低減化できる。
【0009】
本発明の一の形態によれば、前記規制領域は、前記半導体層の活性層を貫通して形成されていることを特徴とする。これにより、光を発生させる活性層に効率良く電流を注入でき、閾値電流を低減化できる。
【0010】
本発明の一の形態によれば、前記規制領域は、空気層により形成されていることを特徴とする。これにより、エッチングにより簡単に空気層を形成できるので製造コストの低減を図りながら、空気層により確実に電流の拡散を規制でき閾値電流の低減化ができる。
【0011】
本発明の一の形態によれば、前記電極は、前記第1の領域により発振されたレーザ光の出射口を囲むリング状領域で前記第1の領域と接触するように形成されていることを特徴とする。これにより、空気層により確実に電流の拡散を規制でき閾値電流の低減化を図りながら、最もレーザ光の発振領域に近いところで電流を注入できるので、更に発振領域への電流の効果的注入が可能となる。
【0012】
本発明の一の形態によれば、前記半導体層は、前記空気層を含み光の共振方向に沿って前記第1の領域を取り囲み、前記第1の屈折率とは実効的な屈折率が異なり、かつ、その差が僅かな第2の屈折率を有する第2の領域を具備することを特徴とする。これにより、面発光レーザは規制領域の空気層により確実に電流の拡散を規制でき閾値電流の低減化を図りながら、高次の横モードの光は第1の領域を導波されずに単一モードの光は第1の領域に閉じ込められ導波し、レーザ光として出射される横モードを大口径による高出力にもかかわらず、単一化させることができる。
【0013】
ここで、実効的な屈折率(又は実効屈折率)とは、不均一な屈折率を持つ領域を屈折率が均一な領域で置換して光学特性を近似した場合の均一な屈折率のことであり、例えば活性層に空孔が設けられた領域のその領域としての屈折率をいう。
【0014】
本発明の一の形態によれば、前記第2の領域は、前記第1の領域の部材に光の共振方向に前記活性層を貫通して形成された複数の空孔及び前記空気層が形成されたものであることを特徴とする。これにより、規制領域の空気層により確実に電流の拡散を規制でき閾値電流の低減化を図りながら、例えば第1の領域の媒質に屈折率1の空気の空孔の大きさや数量等を調節して形成し、容易に第1の屈折率より僅かに小さい所望の実効的な屈折率を得ることができる。
【0015】
また、例えばエッチング等により電流の拡散を規制する空気層と、単一モードの光を第1の領域に閉じ込め導波するための空孔とを同時に形成でき、製造コストの大幅な軽減を図ることができる。
【0016】
更に活性層に空孔及び空気層を貫通して形成したので、最も効果的に閾値電流の低減化を図り、高出力にかかわらず横モードを単一化できる。
【0017】
本発明の一の形態によれば、前記空気層は、光の共振方向に直交する面内では前記リング状領域の外側で、前記第1の領域に最も近接して取り囲む空孔を繋ぐように形成されていることを特徴とする。これにより、最もレーザ光の発振領域に近いところで電流を注入し、その注入された電流の抵抗を大きくせずに効率的に拡散を防止して、閾値電流の更なる低減化を図ることができる。
【0018】
また、繋がれた空孔自体も規制領域として働くので空気層を形成したことによる影響を極力減ずることができる。
【0019】
本発明の一の形態によれば、前記空気層及び空孔は、密閉されていることを特徴とする。これにより、空気層及び空孔の内壁にゴミ等の不純物が付くことを防止でき、面発光レーザの劣化を防止できる。
【0020】
本発明の一の形態によれば、前記空気層は、光の共振方向に直交する面内では前記リング状領域の外側で、円周状に形成されていることを特徴とする。これにより、空気層により等方的に電流の拡散を規制でき閾値電流の低減化を図りながら、最もレーザ光の発振領域に近いところで電流を注入できるので、更に発振領域への電流の効果的注入が可能となる。
【0021】
本発明の一の形態によれば、前記半導体層は、前記空気層を含み光の共振方向に沿って前記第1の領域を取り囲み、前記第1の屈折率とは実効的な屈折率が異なり、かつ、その差が僅かな第2の屈折率を有する第2の領域を具備することを特徴とする。これにより、面発光レーザは規制領域の空気層により等方的に電流の拡散を規制でき閾値電流の低減化を図りながら、高次の横モードの光は第1の領域を導波されずに単一モードの光は第1の領域に閉じ込められ導波し、レーザ光として出射される横モードを大口径による高出力にもかかわらず、単一化させることができる。
【0022】
本発明の一の形態によれば、前記第2の領域は、前記第1の領域の部材に光の共振方向に前記活性層を貫通して形成された複数の空孔及び前記空気層が形成されたものであることを特徴とする。これにより、規制領域の空気層により等方的に電流の拡散を規制でき閾値電流の低減化を図りながら、例えば第1の領域の媒質に屈折率1の空気の空孔の大きさや数量等を調節して形成し、容易に第1の屈折率より僅かに小さい所望の実効的な屈折率を得ることができる。
【0023】
また、例えばエッチング等により等方的に電流の拡散を規制する空気層と、単一モードの光を第1の領域に閉じ込め導波するための空孔とを同時に形成でき、製造コストの大幅な軽減を図ることができる。
【0024】
更に活性層に空孔及び空気層を貫通して形成したので、最も効果的に閾値電流の低減化を図り、高出力にかかわらず横モードを単一化できる。
【0025】
本発明の一の形態によれば、前記空気層は、光の共振方向に直交する面内では前記第1の領域に最も近接して取り囲む空孔を繋ぐように形成されていることを特徴とする。これにより、最もレーザ光の発振領域に近いところで電流を注入し、その注入された電流の抵抗を大きくせずに効率的に拡散を等方的に防止して、閾値電流の更なる低減化を図ることができる。
【0026】
また、繋がれた空孔自体も規制領域として働くので空気層を形成したことによる影響を極力減ずることができる。
【0027】
本発明の一の形態によれば、前記空気層及び空孔は、密閉されていることを特徴とする。これにより、空気層及び空孔の内壁にゴミ等の不純物が付くことを防止でき、面発光レーザの劣化を防止できる。
【0028】
本発明の一の形態によれば、前記空気層は、光の共振方向に直交する面内では前記リング状領域の外側で長軸と短軸とを有する楕円状に形成されていることを特徴とする。これにより、空気層により確実に電流の拡散を規制でき閾値電流の低減化を図りながら、最もレーザ光の発振領域に近いところで電流を注入できるので、更に発振領域への電流の効果的注入が可能となる。
【0029】
また、レーザ光の出射光側から見て楕円状に形成された空気層の長軸方向に電流の分布を誘導できるので、その方向に線偏光を揃え制御できることとなる。
【0030】
本発明の一の形態によれば、前記半導体層は、前記空気層を含み光の共振方向に沿って前記第1の領域を取り囲み、前記第1の屈折率とは実効的な屈折率が異なり、かつ、その差が僅かな第2の屈折率を有する第2の領域を具備することを特徴とする。これにより、面発光レーザは規制領域の空気層により確実に電流の拡散を規制でき閾値電流の低減化を図り且つその長軸方向に線偏光を揃えながら、高次の横モードの光は第1の領域を導波されずに単一モードの光は第1の領域に閉じ込められ導波し、レーザ光として出射される横モードを大口径による高出力にもかかわらず、単一化させることができる。
【0031】
本発明の一の形態によれば、前記第2の領域は、前記第1の領域の部材に光の共振方向に前記活性層を貫通して形成された複数の空孔及び前記空気層が形成されたものであることを特徴とする。これにより、規制領域の空気層により確実に電流の拡散を規制でき閾値電流の低減化を図り且つその長軸方向に線偏光を揃えながら、例えば第1の領域の媒質に屈折率1の空気の空孔の大きさや数量等を調節して形成し、容易に第1の屈折率より僅かに小さい所望の実効的な屈折率を得ることができる。
【0032】
また、例えばエッチング等により確実に電流の拡散を規制し、その長軸方向に線偏光を揃える空気層と、単一モードの光を第1の領域に閉じ込め導波するための空孔とを同時に形成でき、製造コストの大幅な軽減を図ることができる。
【0033】
更に活性層に空孔及び空気層を貫通して形成したので、最も効果的に閾値電流の低減化を図り、高出力にかかわらず横モードを単一化できる。
【0034】
本発明の一の形態によれば、前記空気層は、光の共振方向に直交する面内では前記第1の領域に最も近接して取り囲む空孔を繋ぐように形成されていることを特徴とする。これにより、最もレーザ光の発振領域に近いところで電流を注入し、その注入された電流の抵抗を大きくせずに効率的に拡散を防止して、閾値電流の更なる低減化を図り、その長軸方向に線偏光を揃えることができる。
【0035】
また、繋がれた空孔自体も規制領域として働くので空気層を形成したことによる影響を極力減ずることができる。
【0036】
本発明の一の形態によれば、前記空気層及び空孔は、密閉されていることを特徴とする。これにより、空気層及び空孔の内壁にゴミ等の不純物が付くことを防止でき、面発光レーザの劣化を防止できる。
【0037】
本発明の他の観点に係る電子機器は、第1の屈折率を有し光を共振する第1の領域と、その共振方向に沿って前記第1の領域を取り囲み前記第1の屈折率とは実効的な屈折率が異なり、かつその差が僅かな第2の屈折率を有する第2の領域とを有する半導体層と、前記第1の領域に電流を注入する電極と、前記電極に接する半導体層上面から光の共振方向に沿って前記第1の領域を取り囲み、前記第1の領域外への電流の拡散を空気層により規制するように前記第2の領域に形成された規制領域とを具備する面発光レーザを備えることを特徴とする。
【0038】
本発明では、光を共振する第1の領域と、その共振方向に沿って第1の領域を取り囲みその領域の屈折率とは実効的な屈折率が異なり、かつその差が僅かな第2の屈折率を有する第2の領域とを有する半導体層と、第1の領域に電流を注入する電極と、電流が注入される第1の領域の半導体層上面から光の共振方向に沿って外側に第1の領域を取り囲み、電流の拡散を規制するように第2の領域に形成された規制領域とを具備する面発光レーザを備えるので、大口径による高出力レーザ光で横モードを単一化できると共に、第1の領域に注入された電流は第1の領域の外には漏れにくく確実にレーザ光の発振に作用することとなり、閾値電流を低減化でき、面発光レーザの発熱を抑え安定してレーザ光を出射でき、例えば光ディスクの高回転・高転送速度での書き込み等が可能となると共に、電子機器の信頼性の更なる向上を図ることができる。
【0039】
本発明の他の観点に係る面発光レーザの製造方法は、第1の屈折率を有し光を共振する第1の領域を有する半導体層を形成する工程と、前記第1の領域に電流を注入する電極を形成する工程と、前記電極に接する半導体層上面から光の共振方向に沿って前記第1の領域を取り囲み、前記第1の領域外への電流の拡散を空気層により規制する規制領域を形成する工程とを具備することを特徴とする。
【0040】
本発明では、光を共振する第1の領域を有する半導体層を形成する工程と、その第1の領域に電流を注入する電極を形成する工程と、電極に接する半導体層上面から光の共振方向に沿って第1の領域を取り囲み、第1の領域外への電流の拡散を空気層により規制する規制領域を形成する工程とを具備するので、第1の領域に注入された電流は第1の領域の外には漏れにくく確実にレーザ光の発振に作用し、閾値電流を低減化できる面発光レーザを簡単に製造できる。
【0041】
また、第1の領域外への電流の拡散を空気層により規制する規制領域を形成することとしたので、エッチング等により簡単に形成でき製造工程を少なくさせることができる。
【0042】
本発明の一の形態によれば、前記規制領域を形成する工程は、前記空気層と、光の共振方向に沿って前記第1の領域を取り囲み前記第1の屈折率とは実効的な屈折率が異なりその差が僅かな第2の屈折率を有するように光の共振方向に貫通させた空孔とを、有する第2の領域を前記半導体層に形成するものであることを特徴とする。これにより、第1の領域に注入された電流は第1の領域の外には漏れにくく確実にレーザ光の発振に作用し、閾値電流を低減化できると共に、僅かな屈折率差で安定的にレーザ光を閉じ込めることができ、高出力でも容易にレーザ光の横モードを単一化できる面発光レーザを簡単に製造できることとなる。
【0043】
また、第2の領域の空孔と空気層とを同時にエッチング等により形成できるので、製造工程を少なくさせコストの低減及び製品の信頼性が図れることとなる。
【0044】
本発明の一の形態によれば、前記規制領域を形成する工程は、前記空気層及び空孔を形成後直ちにその開口部を密閉部材により覆うものであることを特徴とする。これにより、空気層及び空孔の内壁にゴミ等の不純物が付くことを防止でき、面発光レーザの劣化を防止できる。
【0045】
本発明の一の形態によれば、前記規制領域を形成する工程は、前記開口部を覆う密閉部材にポリイミド或いはフォトレジストを用いることを特徴とする。これにより、簡単に開口部を覆うことができ製造コストの軽減等が図れる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。尚、以下に実施形態を説明するにあたっては、面発光レーザの例として発振波長850nmのVCSEL(垂直共振器型面発光半導体レーザ)で用いられるAlGaAs系を中心に説明するが、これに限られるものではない。
【0047】
また、以下の図面各部のサイズや空孔の個数等はその説明の都合上現したもので実際の寸法や個数を表すわけでは無く、かつ各図面相互で必ずしも一致しないものとする。
【0048】
図1は本発明の第1の実施形態に係るVCSELの概略斜視図、図2は図1のAA´方向の断面図、図3は空孔の配列及び空気層を説明する図であって例えば活性層を上方から見た説明図、図4はVCSELのメサ構造の概略斜視図及び図5は図4のポリイミド或いはフォトレジストを取り除いて上から見た電極接触領域の説明図である。
【0049】
図1及び図2に示すように、VCSEL1は、結晶成長の種結晶である例えばGaAsから形成される基板2、その基板2に結晶成長され活性層等を挟んで光のフィードバックのための半導体多層膜DBR(Distributed Bragg Reflector)ミラー3の内の基板側の例えばAlGaAs層とAlAs層との組み合わせにより形成される下部DBRミラー3a、また下部DBRミラー3aに結晶成長され活性層を挟む一対の例えばAlGaAsから形成されるクラッド層4の内の基板側の下部クラッド層4a、そのクラッド層4に挟まれ光を発生する例えばAlGaAs層とGaAs層との組み合わせにより形成される活性層5、その活性層5に結晶成長される上部クラッド層4b、その上部クラッド層4bに結晶成長される例えばAlGaAs層とAlAs層との組み合わせにより形成される上部DBRミラー3b、更に上部DBRミラー3bに結晶成長され後述する上部電極と半導体とのコンタクト抵抗を下げる等のキャップ層6、その上部電極が効率良く電流をキャップ層6に注入できるようにキャップ層6の一部を覆う絶縁層7、そしてその絶縁層7及び一部のキャップ層6に蒸着等により形成された上部電極8、更に基板2のクラッド層4と反対側に蒸着等により形成された下部電極9及び上部DBRミラー3bからレーザ光を出射するためのキャップ層6、絶縁層7及び上部電極8に開けられた出射口10等を具備する。
【0050】
ここで、基板2は半導体多層膜DBRミラー3やクラッド層4等を結晶成長させるためのものであり、規則正しい格子をきれいに保ち原子同士をしっかり形成しながら積み重ねるためのものである。
【0051】
また、下部DBRミラー3aは屈折率の異なる膜を交互に積み重ねて反射鏡ができる性質を半導体に応用したもので、上述のように例えばAlGaAs層とAlAs層とを交互に積層し活性層5で発生した光を反射するものである。
【0052】
その反射率が最大となる膜厚は、波長λと屈折率nとの関係がλ/4nであり、その全体の厚さは例えば略3.9μmになるように形成されている。
【0053】
同様に、上部DBRミラー3bも例えばAlGaAs層とAlAs層とを交互に積層し活性層5で発生した光を反射するものであるが、下部DBRミラー3aと違ってその全体の厚さは略2.6μmに形成されており、AlGaAs層とAlAs層とのペア数を下部DBRミラー3aより少なくして、上部DBRミラー3b側に設けられた出射口10よりレーザ光を出射できるようになっている。
【0054】
更にクラッド層4は、例えばAlGaAsから形成されておりその下部クラッド層4aと上部クラッド層4bとで図2に示すように、活性層5を挟むように積層されておりキャリア等を閉じ込めるものである。
【0055】
また、活性層5は例えばAlGaAs層とGaAs層との組み合わせにより多重量子井戸構造を形成しており、活性層5と下部クラッド層4a及び上部クラッド層4bとでその厚さが全体で略0.3μmに形成されている。
【0056】
ここで、例えば図2及び図3に示すようにキャップ層6から基板2に向かってキャップ層6、上部DBRミラー3b、上部クラッド層4b、活性層5及び下部クラッド層4aにかけて空孔11及び空気層14が光の共振方向に沿って貫通して形成されており、下部クラッド層4a側である下部DBRミラー3aの上方部分にもその空孔11及び空気層14が光の共振方向に沿って続けて形成され、その空孔11及び空気層14の共振方向の全長は例えば4μmに形成されている。これにより、発生した光は反射により何度も空孔11からの作用を受け、更により長い距離で空孔11による高次モードの抑制効果を十分に得ることができると共に、注入された電流の拡散を空気層14により規制することができることとなる。
【0057】
また、キャップ層6と光が反射され共振し増幅され発振される上部DBRミラー3bから下部DBRミラー3aまでとの領域を第1の領域とし、空孔11及び空気層14が形成された領域を第2の領域とすると、その第2の領域は図2及び例えば活性層5を上方から見た説明図である図3に示すように光の共振方向に沿ってその第1の領域を取り囲むように貫通された空孔11及び空気層14が形成されている。
【0058】
更に空孔11の配列は、例えば図3に示すように上方から見たときに最隣接する空孔中心同士が正三角形となるように三角格子状に規則的に配列されており、その夫々の空孔11の形状は同じ大きさに形成されている。
【0059】
また、図3に示すようにその三角格子から一点だけ空孔を抜いた領域が第1の領域となり、その領域からレーザ光が発振することとなる。尚第1の領域を円とするとその直径は空孔11を円としたときの直径dとして、図3より分かるように略2Λ−dとなる。
【0060】
但し、第2の領域に空孔11と共に空気層14を形成するのでその影響を相殺できるように、例えば第1の領域に最も近接して取り囲む空孔11の直径等を他の空孔と変えて補正することが必要となる。
【0061】
例えば活性層5にGaAsを使った発振波長850nmのVCSEL1で、第1の領域に最も近接して取り囲む空孔11を除き、全ての空孔11の直径dを0.9μm、全ての空孔中心間距離Λを9μmとする。これにより、レーザ光は発振領域となる第1の領域に閉じ込められると共に、高出力でありながら横モードを単一化できることとなる。なお、第1の領域に最も近接して取り囲む空孔11については、例えば直径を他の空孔より小さくする等の補正をする。
【0062】
また、空孔11の直径dである0.9μmは量産性に優れる紫外線露光装置でも十分パターニング可能な寸法である。
【0063】
更に空気層14は、第1の領域外への電流の拡散を規制する領域として働き、例えば図3に示すように活性層5を上から見ると、第1の領域に最も近接して取り囲む空孔11を繋ぐように円周状に幅の狭い溝を形成すると共に、光の共振方向に沿って第1の領域を取り囲み上下方向に貫通するように形成し、更にその中に空気を充填して空気層14が形成されている。
【0064】
これによって、例えば空孔11に空気が充填されていると、空気層14に繋げられた空孔11自体が規制領域としても働くので、空気層14を形成することによる第2の領域の実効的な屈折率の変化を極力抑えることができると共に、第1の領域に近接しているので無駄なく電流の拡散を規制できる。
【0065】
なお、空孔11の形状は円形に限られるものではなく例えば円形以外の菱形等であってもよい。この場合はその菱形の面積に相当する円の直径をdとする。
【0066】
また、例えば図4に示すようにキャップ層6、上部DBRミラー3b、上部クラッド層4b、活性層5及び下部クラッド層4aにかけて、空孔11及び空気層14が形成された第2の領域及びその第2の領域によって囲まれる第1の領域を含むように、直径が略150μmのメサ12が形成されている。
【0067】
更に絶縁層7は、ポリイミド或いはフォトレジストにより図1及び図2に示すように出射口10及び上部電極8がキャップ層6に接触する部分を残し、空孔11及び空気層14の上部開口部を塞ぐようにメサ12を覆いかつメサ12の周辺を埋め込んで上面をやや平坦化するように形成されている。これにより、効率良く電流を閉じ込めることが可能となる他、空孔11及び空気層14の内壁にゴミ等の不純物が着くことを防止できる。
【0068】
また、上部電極8及び下部電極9はGaAs等との合金化が容易なAuを中心にした材料を用いており、上部電極8は図2及び図5に示すように絶縁層7の上面全面と、第1の領域上で絶縁層7の上部に開けられた開口部内で例えば外側直径が略14μm、内側直径が略10μmのリング状にキャップ層6上面とに一体的に形成されており、その厚さは略1μmとされている。
【0069】
これにより、図5に示すように上部電極8はキャップ層6とは例えば外側直径が略14μm、内側直径が略10μmのリング状の領域でのみ接触することなり、効率的に電流を発振領域に注入し、閾値電流を低減することができる。
【0070】
ここで、図5に示すように上部電極8がキャップ層6と接触するリング状の領域を電極接触領域とすると、その電極接触領域があまり狭いと抵抗が大きくなり、また広すぎると空孔11が形成された第2の領域が発振領域から離れすぎて、レーザ光を閉じ込め横モードを単一化するという作用を十分果たせなくなる。その間で適切な電極接触領域の例として上述のように、外側直径が略14μm、内側直径が略10μmのリング状の領域でのみ接触することとしたものである。
【0071】
更に出射口10は、キャップ層6も除去し直径10μmで形成されており、VCSEL1に上部電極8及び下部電極9を介して所定の電流が注入されると、その出射口10からレーザ光が出射されることとなる。
【0072】
次に、このように構成されたVCSEL1の動作について簡単に説明する。
【0073】
まず、所定の電流が上部電極8に注入されるとその電流は絶縁層7により規制され、図5に示すように第1の領域上のリング状に形成されたキャップ層6と上部電極8との接触領域からのみ、キャップ層6等に進入することとなる。この結果、効率的に電流を発振領域に注入でき、VCSEL1の閾値電流を低減することができる。
【0074】
更に注入された電流は、第1の領域に最も近接して取り囲む空孔11を繋ぐように形成された空気層14によって規制され、その空気層14より外への電流の拡散が阻止されることとなる。これにより、リング状に形成された電極の接触領域から効率的に注入された電流はその拡散が規制され、更に閾値電流を低減化できることとなる。
【0075】
また、効率的に注入され拡散を規制された電流によって活性層5で光が発生するが、光の共振方向に直交する面内方向(横方向、図1及び図2のXZ面方向)では、空孔11及び空気層14が形成されていない領域である第1の領域とその外側で空孔11及び空気層14が形成されている領域の第2の領域とで僅かに第2の領域の実効的な屈折率のほうが小さいので、第1の領域内にレーザ光が閉じ込められることとなる。
【0076】
すなわち、第2の領域は中に空気が充填された空孔11をまばらに配置することによってその第2の領域の実効的な屈折率が僅かに第1の領域より低くなり、面内方向(図1及び図2のXZ面方向)のいわばクラッド層として機能することになる。
【0077】
これによって、第1の領域で発生した光は導波路の幅が広いにもかかわらずその僅かな屈折率差により、単一横モードの光が第1の領域と第2の領域との境界付近で全反射され、全体として光の共振方向(図1及び図2のY方向)に光が導波され、活性層5等を上下に挟む半導体多層膜DBRミラー3により反射されて共振し、更に増幅されてレーザ光として発振し、出射口10より出射することとなる。
【0078】
また、上述のように空孔11の配列により実現する第2の領域の屈折率である実効的な屈折率と第1の領域の屈折率との差は非常に小さく、この構造によって弱い閉じ込め力が安定して得られるので、屈折率差の大きい酸化狭窄等の手段では不可能な共振方向から見た第1の領域の径が大きい場合でも、単一横モードのレーザ光の発振が可能となる。
【0079】
次に、このように構成されたVCSEL1の製造方法について説明する。
【0080】
図6は本実施形態に係るVCSELの製造方法のフローチャート図、図7は本実施形態に係るVCSELの製造プロセスのうち結晶成長工程の説明図、図8は図7の次の工程である空孔及び空気層の形成工程の説明図、図9は図8の次の工程である空孔及び空気層の閉じ込め工程の説明図、図10は図9の次の工程であるメサの形成工程の説明図、図11は図10の次の工程である絶縁層の形成工程の説明図、図12は図11の次の工程である上部電極の形成工程の説明図、図13は図12の上部電極を上から見たときの説明図、図14は図12の次の工程である出射口の形成工程の説明図及び図15は図14の次の工程である下部電極の形成工程である。
【0081】
まず、図7に示すように例えば十分に洗浄した種結晶である厚さLが略525μmのGaAs基板2を用意し、この上にAlGaAs層とAlAs層との組み合わせにより形成される下部DBRミラー3aを、例えば化学的反応を利用した成長法であるMOCVD(Metal Organic Chemical Vapour Deposition)法等により結晶成長させ、その厚さKを略3.9μmに形成する。以下同様に、例えば下部DBRミラー3aの上にAlGaAsから形成される下部クラッド層4a、その上にAlGaAs層とGaAs層とから形成される活性層5、更にその上にAlGaAsから形成される上部クラッド層4b、その上にAlGaAs層とAlAs層との組み合わせにより形成される厚さIが略2.6μmの上部DBRミラー3b、更にその上に厚さHが略0.2μmのキャップ層6を結晶成長させる(ST101)。なお、下部クラッド層4a、活性層5及び上部クラッド層4bの全体の厚さJは例えば略0.3μmとする。
【0082】
次に、図3及び図8に示すように例えばフォトレジストでパターニングし、第2の領域中にキャップ層6から下部DBRミラー3aの上部にかけて、直径dが略0.9μmで空孔中心間距離Λが略9μmである円形の空孔11を、最隣接する空孔中心同士が正三角形となるように三角格子状に規則的に片側8列配した空孔列(図3では4列に表示されているが)と、上から見て第1の領域に最も近接して取り囲む空孔11を繋ぐように円周状に空気層14となる幅の狭い溝とを、光の共振方向に沿って第1の領域を取り囲み上下方向に貫通するように同時に、Cl系ガスを用いる反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)の手法により、深さM略4μm程度に形成する(ST102)。
【0083】
これにより、空孔11と規制領域としての空気層14を同時に形成できるので製造工程を新たに設ける必要がなく、製造コストの低減を図ることができる。
【0084】
また、空孔11及び空気層14を形成した後直ちに、図9に示すように例えば空孔11及び空気層14が形成されたキャップ層6の上面にポリイミド或いはフォトレジスト13aを略0.5μmの厚さにスピンコーティングし、空孔11及び空気層14によりキャップ層6上面に形成された開口部を塞ぎ、そのポリイミド或いはフォトレジスト13aのハードキュアを行い硬化させて、以後の工程でも空孔11及び空気層14を塞いでいるポリイミド或いはフォトレジスト13aは除去しない(ST103)。
【0085】
これにより、RIEにより形成された空孔11及び空気層14が直ちに塞がれるので、空孔11及び空気層14の内壁にゴミ等の不純物が付くことを防止でき、VCSEL1の劣化を防ぐことができる。なお、フォトレジスト等の粘度やスピンコート条件は、空孔11及び空気層14にフォトレジスト等がなるべく入り込まないものが選択される。
【0086】
次に、再び例えばフォトレジストでパターニングし、空孔11及び空気層14が形成された第2の領域の外周部をCl系ガスRIEにより図10に示すようにエッチングし、メサ12を形成する(ST104)。このエッチング深さNは例えば下部DBRミラー3a表面まで届く程度で3.6μm程度であり、エッチングにより形成されるメサ12の直径は例えば略150μmである。
【0087】
再び、図11に示すようにST104で形成されたメサ12を覆い、かつメサ12の周辺を埋め込むようにポリイミド或いはフォトレジスト13bをスピンコーティングし、メサ12の段差を略平坦化させ、その後ハードキュアを行いポリイミド或いはフォトレジスト13bを硬化させる。
【0088】
更に例えばフォトレジストでパターニングしエッチングを行い、キャップ層6の上面のポリイミド或いはフォトレジスト13a及び13bに、第1の領域内で例えば直径(以下「狭窄直径」という。)が14μmとなるように円形の開口部を図11に示すように形成する。
【0089】
なお、ポリイミド或いはフォトレジスト13a及び13bにより形成された部分は、次の工程で形成される上部電極8からの電流を絞り込み、効率良く発振領域である第1の領域に電流を注入できる絶縁層7(電流狭窄層)となる(ST105)。
【0090】
次に、ST105で形成された絶縁層7及びキャップ層6の上面全面に電極材料、例えばGaAsとの合金化が容易なAuを中心にした材料を成膜し、その上にフォトレジストでパターニングし、絶縁層7の上部開口部(狭窄直径)内に例えば直径が10μmの円形のフォトレジストの窓を形成する。
【0091】
その後、図12及び図13に示すようにイオンビームエッチング等によりフォトレジスト外(直径10μmの円形窓の部分)の電極材を除去し、フォトレジストを剥離して、第1の領域上の絶縁層7の上部開口部(狭窄直径)内に直径が10μmの円形の窓が形成され厚さが1μm程度となるように上部電極8を形成する(ST106)。
【0092】
これにより、図12及び図13に示すように上部電極8はキャップ層6とは例えば外側直径が略14μm、内側直径が略10μmのリング状の領域(電極接触領域)でのみ接触することなり、効率的に電流を発振領域に注入し、閾値電流を低減することができる。
【0093】
ここで、上述の上部電極8の形成はエッチング法によったがリフトオフ法でも良い。リフトオフ法とは、例えばフォトレジストで所望する形状の反転パターンを形成し電極材を成膜し、フォトレジスト及びフォトレジスト上の電極を溶剤で除去することで所望のパターンを得る方法で、エッチング法に比べ工程が簡単である。
【0094】
次に、図14に示すようにST106で形成された上部電極8をマスクとして、ウエットエッチングによりキャップ層6を上部電極8の円形窓に合わせて一部除去し、レーザ光の出射口10を形成する(ST107)。なお、そのウエットエッチングにより除去された後のキャップ層6の開口部直径は例えば10μmでその深さが0.2μm程度となるものとし、エッチング液としてはアンモニア過水を用いる。
【0095】
また、基板2を下部DBRミラー3a側と反対側(図14中の下方の側)の面より研磨し厚さを100μm程度にし、研磨表面をエッチング等で綺麗に整え電極層を厚さ1μm程度に蒸着して図15に示すように下部電極9を形成する(ST108)。
【0096】
以上で半導体レーザとしての積層構造は略できあがったが、VCSELとして製品化するためには、例えば素子ごとのチップにへき開する工程やステム(足つきのマウント)にダイ・ボンドする工程、更に表面の電極とステムをワイヤーボンドする工程及び外気と遮断するキャップ・シール等の工程が必要である。
【0097】
このように本実施形態によれば、半導体層上面から光の共振方向に沿って電流が注入される第1の領域の外側に第1の領域を取り囲むように、電流の拡散を規制する規制領域を具備することとしたので、第1の領域に注入された電流は第1の領域の外には漏れにくく確実にレーザ光の発振に作用することとなり、閾値電流を低減化できる。
【0098】
また、規制領域を例えば空気層により形成することとしたのでエッチングにより簡単に形成でき、製造コストの低減を図りながら確実に電流の拡散を規制できる。
【0099】
更に例えば、上部電極8を出射口10を囲むリング状領域でキャップ層6に接触するように形成したので、空気層14により確実に電流の拡散を規制でき閾値電流の低減化を図りながら、最もレーザ光の発振領域に近いところで電流を注入できるので、発振領域への電流の効果的注入が可能となる。
【0100】
また、第1の領域を光の共振方向に沿って取り囲み、その第1の領域の屈折率と実効的な屈折率との差が僅かなものになるような第2の領域に、電流の拡散を規制する規制領域として空気層14を形成したので、面発光レーザは規制領域の空気層により確実に電流の拡散を規制でき閾値電流の低減化を図りながら、高次の横モードの光は第1の領域を導波されずに単一モードのレーザ光は第1の領域に閉じ込められ導波し、レーザ光として出射される横モードを大口径による高出力にもかかわらず、単一化させることができる。
【0101】
具体的には、キャップ層6と上部DBRミラー3bから下部DBRミラー3aの上部まで、光の共振方向に沿って第1領域を取り囲むように貫通された空気が充填された複数の空孔11及び空気層14を形成したので、エッチング等により空孔11の大きさや数量等を調節して容易に、第1の領域の屈折率より僅かに小さい所望の実効的な屈折率を得ることができ、レーザ光として出射される横モードは大口径による高出力にもかかわらず単一化され、かつ空気層14により第1の領域からの電流の拡散を規制し、VCSEL1の閾値電流を低減化することができる。
【0102】
また、空気層14を第1の領域に最も近接して取り囲む空孔11を繋ぐように、上部電極8とキャップ層6とのリング状の接触領域と同心円状に形成したので、最も効果的に第1の領域からの電流の拡散を等方的に規制できると共に、繋がれた空孔11自体も電流の拡散を規制することとなり、空気層14を設けることによる実効的な屈折率への影響を極力少なくできることとなる。
【0103】
更に一部の空孔11、例えば空気層14に繋がれた第1の領域に最も近接して取り囲む空孔11の直径を小さくする等により、空気層14を第2の領域に形成する影響を相殺することとしたので、発振領域である第1の領域の屈折率より僅かに相違する実効的な屈折率を確保しながら、空気層14により第1の領域からの電流の拡散を等方的に阻止し、VCSEL1の閾値電流を低減化することができる。
【0104】
また、上部電極8が例えば外側直径が略14μm、内側直径が略10μmのリング状の領域でのみキャップ層6に接触することとしたので、抵抗が大きくならずかつ空孔11が形成されている第2の領域が発振領域である第1の領域から離れすぎることもなく、十分空孔11の作用によりレーザ光として出射される横モードは大口径による高出力にもかかわらず単一化できることとなる。
【0105】
更に形成された空孔11及び空気層14は直ちにフォトレジスト等により塞ぐこととしたので、空孔11及び空気層14の内壁にゴミ等の不純物が付くことを防止でき、VCSEL1の劣化を防ぐことができる。
【0106】
また、規制領域として空気層14を用い空孔11内に空気を充填することとしたので、別の材質のものを新たに充填する場合より製造コストを削減できる。
【0107】
更にキャップ層6と上部DBRミラー3bから下部DBRミラー3aの上部まで、光の共振方向に沿って第1領域を取り囲むように貫通された空気が充填された複数の空孔11及び空気層14を形成することとしたので、空孔11をエッチング等により形成するときにいっしょに空気層14も形成でき、製造工程を少なくすることができ製造コストの低減を図ることができる。
【0108】
また、空孔11及び空気層14の開口部を覆う工程で、密閉部材にポリイミド或いはフォトレジストを用いて開口部を覆うものとしたので、簡単に開口部を覆うことができ製造コストの軽減等が図れる。
【0109】
次に、本発明の第2の実施形態に係るVCSELについて説明する。
【0110】
図16は本発明の第2の実施形態に係るVCSELの空孔の配列及び空気層を説明する図であって絶縁層及び上部電極を取り除いて上方から見た説明図である。
【0111】
尚、第2の実施形態に係るVCSEL101の構成は、第1の実施形態のVCSEL1の構成では空気層が円周状に形成されている空気層14であるのに対し、楕円状に形成された空気層114である点だけ異なり、それ以外は同様であるので、第1の実施形態の構成と同様である点の説明は省略し、第1の実施形態の構成と異なる空気層に関して以下に説明する。また以下の説明で、第1の実施形態で示した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付するものとし、その説明を省略する。
【0112】
すなわち、図1及び図2に示すように、VCSEL101は、結晶成長の種結晶である例えばGaAsから形成される基板2、その基板2に結晶成長され活性層等を挟んで光のフィードバックのための半導体多層膜DBR(Distributed Bragg Reflector)ミラー3の内の基板側の例えばAlGaAs層とAlAs層との組み合わせにより形成される下部DBRミラー3a、また下部DBRミラー3aに結晶成長され活性層を挟む一対の例えばAlGaAsから形成されるクラッド層4の内の基板側の下部クラッド層4a、そのクラッド層4に挟まれ光を発生する例えばAlGaAs層とGaAs層との組み合わせにより形成される活性層5、その活性層5に結晶成長される上部クラッド層4b、その上部クラッド層4bに結晶成長される例えばAlGaAs層とAlAs層との組み合わせにより形成される上部DBRミラー3b、更に上部DBRミラー3bに結晶成長され後述する上部電極と半導体とのコンタクト抵抗を下げる等のキャップ層6、その上部電極が効率良く電流をキャップ層6に注入できるようにキャップ層6の一部を覆う絶縁層7、そしてその絶縁層7及び一部のキャップ層6に蒸着等により形成された上部電極8、更に基板2のクラッド層4と反対側に蒸着等により形成された下部電極9及び上部DBRミラー3bからレーザ光を出射するためのキャップ層6、絶縁層7及び上部電極8に開けられた出射口10等を具備する。
【0113】
ここで、例えば図2及び図3に示すようにキャップ層6から基板2に向かってキャップ層6、上部DBRミラー3b、上部クラッド層4b、活性層5及び下部クラッド層4aにかけて空孔11及び空気層114が光の共振方向に沿って貫通して形成されており、下部クラッド層4a側である下部DBRミラー3aの上方部分にもその空孔11及び空気層114が光の共振方向に沿って続けて形成され、その空孔11及び空気層114の共振方向の全長は例えば4μmに形成されている。
【0114】
これにより、発生した光は反射により何度も空孔11からの作用を受け、更により長い距離で空孔11による高次モードの抑制効果を十分に得ることができると共に、注入された電流の拡散を空気層114により規制することができることとなる。
【0115】
また、キャップ層6と光が反射され共振し増幅され発振される上部DBRミラー3bから下部DBRミラー3aまでとの領域を第1領域とし、空孔11及び空気層114が形成された領域を第2の領域とすると、その第2領域は図2及び絶縁層及び上部電極を取り除いて上方から見た説明図である図16に示すように光の共振方向に沿ってその第1領域を取り囲むように貫通された空孔11及び空気層114が形成されている。
【0116】
但し、第2の領域に空孔11と共に空気層114を形成するのでその影響を相殺できるように、例えば第1の領域に最も近接して取り囲む空孔11の直径等を他の空孔と変えて補正することが必要となる。
【0117】
更に空気層114は第1の領域外への電流の拡散を規制する領域として働き、例えば図16に示すように上から見て第1の領域に最も近接して取り囲む空孔11を繋ぐように楕円状に幅の狭い溝を形成すると共に、光の共振方向に沿って第1の領域を取り囲み上下方向に貫通するように形成し、更にその中に空気を充填して空気層114が形成されている。この際、例えば楕円状に形成された空気層114の内側に空孔11が入らないように空気層114を形成する。
【0118】
これによって、例えば空孔11に空気が充填されていると、空気層114に繋げられた空孔11自体が規制領域としても働くので、空気層114を形成することによる第2の領域の実効的な屈折率の変化を極力抑えることができると共に、第1の領域に近接しているので無駄なく電流の拡散を規制でき、空気層114の内側に空孔11を形成しないので、空孔11の形成されていない第1の領域に効果的に電流を集中できる。
【0119】
尚、空気層114の形状は上から見た形状が円のように第1の領域の中心から等距離に有るのでなく、ある方向の中心から空気層114までの距離が他の方向に比べ長い距離に有るような異方性を有する形状であれば他の形状であっても良い。これによって、長い距離の方向にレーザ光の偏光を強調して制御できることとなる。
【0120】
また、例えば図4に示すようにキャップ層6、上部DBRミラー3b、上部クラッド層4b、活性層5及び下部クラッド層4aにかけて、空孔11及び空気層114が形成された第2の領域及びその第2の領域によって囲まれる第1の領域を含むように、直径が略150μmのメサ12が形成されている。
【0121】
更に絶縁層7は、ポリイミド或いはフォトレジストにより図1及び図2に示すように出射口10及び上部電極8がキャップ層6に接触する部分を残し、空孔11及び空気層114の上部開口部を塞ぐようにメサ12を覆いかつメサ12の周辺を埋め込んで上面をやや平坦化するように形成されている。これにより、効率良く電流を閉じ込めることが可能となる他、空孔11及び空気層114の内壁にゴミ等の不純物が着くことを防止できる。
【0122】
次に、このように構成されたVCSEL101の動作について簡単に説明する。
【0123】
まず、所定の電流が上部電極8に注入されるとその電流は絶縁層7により規制され、図16に示すように第1の領域上のリング状に形成されたキャップ層6と上部電極8との接触領域からのみ、キャップ層6等に進入することとなる。この結果、効率的に電流を発振領域に注入でき、VCSEL101の閾値電流を低減することができる。
【0124】
更に注入された電流は、第1の領域に最も近接して取り囲む空孔11を繋ぐように形成された空気層114によって規制され、その空気層114より外への電流の拡散が阻止されることとなる。これにより、リング状に形成された電極の接触領域から効率的に注入された電流はその拡散を規制でき、更に閾値電流を低減化できることとなる。
【0125】
また、図16に示すように空気層114を楕円形状に形成したときはその長軸方向(例えばX軸方向)に電流の分布が誘導され、その方向にレーザ光の偏光が強調されることとなる。
【0126】
従って電流の拡散が規制され、更に例えば楕円形の長軸方向に電流の分布が誘導され電流密度分布に異方性を有する電流によって活性層5で光が発生するが、光の共振方向に直交する面内方向(横方向、図1及び図2のXZ面方向)では、空孔11及び空気層114が形成されていない領域である第1の領域と、その外側で空孔11及び空気層114が形成されている領域の第2の領域とで、僅かに第2の領域の実効的な屈折率のほうが小さいので、第1の領域内にレーザ光が閉じ込められることとなる。
【0127】
すなわち、第2の領域は中に空気が充填された空孔11をまばらに配置することによってその第2の領域の実効的な屈折率が僅かに第1の領域より低くなり、面内方向(図1及び図2のXZ面方向)のいわばクラッド層として機能することになる。
【0128】
これによって、第1の領域で発生した光は導波路の幅が広いにもかかわらずその僅かな屈折率差により、単一横モードの光が第1の領域と第2の領域との境界付近で全反射され、全体として光の共振方向(図1及び図2のY方向)に光が導波され、活性層5等を上下に挟む半導体多層膜DBRミラー3により反射されて共振し、更に増幅されて例えば空気層114の長軸方向に直線偏光が強調されたレーザ光として発振し、出射口10より出射することとなる。
【0129】
また、空孔11の形成により実現する第2の領域の屈折率である実効的な屈折率と第1の領域の屈折率との差は非常に小さく、この構造によって弱い閉じ込め力が安定して得られるので、屈折率差の大きい酸化狭窄等の手段では不可能な共振方向から見た第1の領域の径が大きい場合でも、単一横モードのレーザ光の発振が可能となる。
【0130】
次に、このように構成されたVCSEL101の製造方法について説明する。
【0131】
尚、第2の実施形態に係るVCSEL101の製造方法では、第1の実施形態でのVCSEL1の製造方法の空孔と同時に形成される空気層の形状が円周状の空気層14から楕円状の空気層114に変更され、ST102の工程のみ異なるだけで他の工程は第1の実施形態の製造方法と同様であるのでST102の工程のみ説明し、他は省略する。また以下の説明で、第1の実施形態で示した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付するものとし、その説明を省略する。
【0132】
すなわち、ST101でキャップ層6まで結晶成長させた後、図8及び図16に示すように例えばフォトレジストでパターニングし、第2の領域中にキャップ層6から下部DBRミラー3aの上部にかけて、直径dが略0.9μmで空孔中心間距離Λが略9μmである円形の空孔11を、最隣接する空孔中心同士が正三角形となるように三角格子状に規則的に片側8列配した空孔列(図16では4列に表示されているが)と、第1の領域に最も近接して取り囲む空孔11を繋ぐように上から見て楕円状に空気層114となる幅の狭い溝とを、光の共振方向に沿って第1の領域を取り囲み上下方向に貫通するように同時に、Cl系ガスを用いる反応性イオンエッチング(RIE)の手法により、深さM略4μm程度に形成する(ST102)。
【0133】
これにより、空孔11と規制領域としての空気層114を同時に形成できるので製造工程を新たに設ける必要がなく、製造コストの低減を図ることができる。
【0134】
以降のVCSEL101の製造方法は上述の通り、空気層の形状が円周状の空気層14から楕円状の空気層114に変更される点を除けば第1の実施形態と同様なので省略するが、最終的にVCSELとして製品化するために、例えば素子ごとのチップにへき開する工程やステム(足つきのマウント)にダイ・ボンドする工程、更に表面の電極とステムをワイヤーボンドする工程及び外気と遮断するキャップ・シール等の工程が必要である。
【0135】
このように本実施形態によれば、半導体層上面から光の共振方向に沿って電流が注入される第1の領域の外側に第1の領域を取り囲むように、電流の拡散を規制する規制領域を具備することとしたので、第1の領域に注入された電流は第1の領域の外には漏れにくく確実にレーザ光の発振に作用することとなり、閾値電流を低減化できる。
【0136】
また、規制領域を例えば空気層により形成することとしたのでエッチングにより簡単に形成でき、製造コストの低減を図りながら確実に電流の拡散を規制できる。
【0137】
更に例えば、上部電極8を出射口10を囲むリング状領域でキャップ層6に接触するように形成したので、空気層114により確実に電流の拡散を規制でき閾値電流の低減化を図りながら、最もレーザ光の発振領域に近いところで電流を注入できるので、発振領域への電流の効果的注入が可能となる。
【0138】
また、第1の領域を光の共振方向に沿って取り囲み、その第1の領域の屈折率と実効的な屈折率との差が僅かなものになるような第2の領域に、電流の拡散を規制する規制領域として空気層114を形成したので、面発光レーザは規制領域の空気層114により確実に電流の拡散を規制でき閾値電流の低減化を図りながら、高次の横モードの光は第1の領域を導波されずに単一モードのレーザ光は第1の領域に閉じ込められ導波し、レーザ光として出射される横モードは大口径による高出力にもかかわらず、単一化させることができる。
【0139】
具体的には、キャップ層6と上部DBRミラー3bから下部DBRミラー3aの上部まで、光の共振方向に沿って第1領域を取り囲むように貫通された空気が充填された複数の空孔11及び空気層114を形成したので、エッチング等により空孔11の大きさや数量等を調節して容易に、第1の領域の屈折率より僅かに小さい所望の実効的な屈折率を得ることができ、レーザ光として出射される横モードは大口径による高出力にもかかわらず単一化され、かつ空気層114により第1の領域からの電流の拡散を規制し、VCSEL101の閾値電流を低減化することができる。
【0140】
また、空気層114を第1の領域に最も近接して取り囲む空孔11を繋ぐように形成したので、最も効果的に第1の領域からの電流の拡散を阻止できると共に、繋がれた空孔自体も電流の拡散を規制することとなり、空気層114を設けることによる実効的な屈折率への影響を極力少なくできることとなる。
【0141】
更に一部の空孔11、例えば空気層114に繋がれた第1の領域に最も近接して取り囲む空孔11の直径を小さくする等により、空気層114を第2の領域に形成する影響を相殺することとしたので、発振領域である第1の領域の屈折率より僅かに小さい実効的な屈折率を確保しながら、空気層114により第1の領域からの電流の拡散を阻止し、VCSEL101の閾値電流を低減化することができる。
【0142】
また、規制領域としての空気層114を例えば図16に示すように上から見て第1の領域の外側に最も近接して取り囲む空孔11を繋ぐように楕円形状に形成したので、その長軸方向(例えば図16のX軸方向)に電流密度分布を誘導することができ、その方向に線偏光が強調されたレーザ光を出射することができる。
【0143】
更に上部電極8が例えば外側直径が略14μm、内側直径が略10μmのリング状の領域でのみキャップ層6に接触することとしたので、抵抗が大きくならずかつ空孔11が形成されている第2の領域が発振領域である第1の領域から離れすぎることもなく、十分空孔11の作用によりレーザ光として出射される横モードは大口径による高出力にもかかわらず単一化できることとなる。
【0144】
また、形成された空孔11及び空気層114は直ちにフォトレジスト等により塞ぐこととしたので、空孔11及び空気層114の内壁にゴミ等の不純物が付くことを防止でき、VCSEL101の劣化を防ぐことができる。
【0145】
更に、規制領域として空気層114を用い空孔11内に空気を充填することとしたので、別の材質のものを新たに充填する場合より製造コストを削減できる。
【0146】
また、キャップ層6と上部DBRミラー3bから下部DBRミラー3aの上部まで、光の共振方向に沿って第1領域を取り囲むように貫通された空気が充填された複数の空孔11及び空気層114を形成することとしたので、空孔11をエッチング等により形成するときにいっしょに空気層114も形成でき、製造工程を少なくすることができ製造コストの低減を図ることができる。
【0147】
更に空孔11及び空気層114の開口部を覆う工程で、密閉部材にポリイミド或いはフォトレジストを用いて開口部を覆うものとしたので、簡単に開口部を覆うことができ製造コストの軽減等が図れる。
【0148】
次に、本発明の第3の実施形態に係るVCSELを備えた電子機器について、その例として光磁気記録再生装置について説明する。尚、この光磁気記録再生装置に備えられたVCSELはVCSEL1で説明するが、これに限られるものではなくVCSEL101であっても良い。また、第1の実施形態に係るVCSEL1の構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付すものとし、その説明を省略する。
【0149】
図17は本発明の第3の実施形態に係る電子機器の例である光磁気記録再生装置の概略構成図である。
【0150】
光磁気記録再生装置201は、図17に示すように例えばCD−R(CD−Recordable)やCD−RW(CD−ReWritable)等の光ディスクを回転させるスピンドルモータ202、光ディスクから情報を読込んだり書き込んだりするピックアップユニット203、外部の情報を取り入れたり逆に外部に情報を出力するインターフェース部204及びこれらを制御する制御部205等から構成されている。
【0151】
ここで、ピックアップユニット203は図17に示すように、閾値電流が低減化され横モードが単一である大出力のレーザ光を出射するVCSEL1、そのVCSEL1から出射されたレーザ光をトラッキング・サーボに必要な3スポットを生じさせるグレーティング206、往路のレーザ光を略100%透過させる偏光BS(PBS:polarized beam splitter)207、偏光BS207を透過したレーザ光を平行光にするコリメータ・レンズ(CL:coliimator lens)208、コリメータ・レンズ208により平行光にされたレーザ光を円偏光に変換するλ/4板209、λ/4板209により円偏光にされたレーザ光をCD−RW等の光ディスク210に焦点を結ぶ対物レンズ211、復路で偏光BS207によって反射されたレーザ光に焦点サーボに必要な非点収差を発生させるシリンドリカル・レンズ212及びピット信号等を受け取るパターン分割PD(PD:Photo Diode)213等により構成される。
【0152】
次に、このように構成されたVCSEL1を備えた電子機器の例である光磁気記録再生装置201の動作について、光学的動作を中心に簡単に説明する。
【0153】
まず、光磁気記録再生装置201の電源が投入されると制御部205の指示によりスピンドルモータ202が所定の回転数で回転し、同時にスレッドモータ(図示しない)を駆動させ、所定の光ディスク210の位置にピックアップユニット203を移動させる。
【0154】
また、制御部205の制御下所定の電流が上部電極8に注入されるとその電流は絶縁層7により規制され、図5に示すように第1の領域上のリング状に形成されたキャップ層6との接触領域からのみ、キャップ層6等に進入することとなる。この結果、効率的に電流を発振領域に注入でき、VCSEL1の閾値電流を低減することができる。
【0155】
更に注入された電流は、第1の領域に最も近接して取り囲む空孔11を繋ぐように形成された空気層14によって規制され、その空気層14より外への電流の拡散が阻止されることとなる。これにより、リング状に形成された電極の接触領域から効率的に注入された電流はその拡散が規制され、更に閾値電流を低減化できることとなる。
【0156】
また、効率的に注入され拡散を規制された電流によって活性層5で光が発生するが、光の共振方向に直交する面内方向(横方向、図1及び図2のXZ面方向)では、空孔11及び空気層14が形成されていない領域である第1の領域とその外側で空孔11及び空気層14が形成されている領域の第2の領域とで僅かに第2の領域の実効的な屈折率のほうが小さいので、いわばクラッド層として機能し、第1の領域で発生した光は導波路の幅が広いにもかかわらずその僅かな屈折率差により、単一横モードの光が第1の領域と第2の領域との境界付近で全反射され、全体として光の共振方向(図1及び図2のY方向)に光が導波され、活性層5等を上下に挟む半導体多層膜DBRミラー3により反射されて共振し、更に増幅されてレーザ光として発振し、出射口10より出射することとなる。
【0157】
更にVCSEL1から出射されたレーザ光はグレーティング206を通り、偏光BS207を透過しコリメータ・レンズ208により平行光にされ、λ/4板209で円偏光になり、対物レンズ211により光ディスク210例えばCD−RW等の所定位置に、高出力レーザ光の焦点が結ばれ必要な情報が書き込まれることとなる。
【0158】
また、再生の場合は光ディスク210により反射されたレーザ光が復路に入り逆コースを偏光BS207までたどり、偏光BS207で略100%シリンドリカル・レンズ212方向に反射され、シリンドリカル・レンズ212に入射し非点収差を発生させ、パターン分割PD213に入射する。
【0159】
更にレーザ光が入射したパターン分割PD213は、ピット信号、トラッキング信号及びフォーカス信号等を受け取り、それらの信号情報を制御部205に出力する。
【0160】
制御部205は、入力された信号情報をインターフェース部204に出力し、外部の表示装置等の電子機器に情報が出力され、或いは光磁気記録再生装置201に表示装置等の出力手段があるときはこれらにより信号情報が表示情報等に変換される。
【0161】
このように本実施形態によれば、半導体層上面から光の共振方向に沿って電流が注入される第1の領域の外側に第1の領域を取り囲むように、電流の拡散を規制する規制領域を具備するVCSEL1を備えるので、第1の領域に注入された電流は第1の領域の外には漏れにくく確実にレーザ光の発振に作用することとなり、閾値電流を低減化した電子機器とすることができる。
【0162】
また、第1の領域を光の共振方向に沿って取り囲み、その第1の領域の屈折率と実効的な屈折率との差が僅かなものになるような第2の領域に、電流の拡散を規制する規制領域として空気層14を形成したVCSEL1を備えるので、第1の領域からの電流の拡散を規制し閾値電流を低減化しながら、出射口10を10μm以上に拡大し高出力としても、高次の横モードの光は第1の領域を導波されずに単一モードのレーザ光は第1の領域に閉じ込められ導波し、レーザ光として出射される横モードは単一化され高回転・高転送速度での書き込み(光磁気記録、相変化とも)が可能となる。
【0163】
更に規制領域として空気層14を用い空孔11内に空気を充填したVCSEL1を備えるので、別の材質のものを新たに充填する場合より電子機器の製造コストを削減できる。
【0164】
また、空気層14を第1の領域に最も近接して取り囲む空孔11を繋ぐように、上部電極8とキャップ層6とのリング状の接触領域と同心円状に形成したVCSEL1を備えるので、最も効果的に第1の領域からの電流の拡散を等方的に規制できると共に、繋がれた空孔11自体も電流の拡散を規制することとなり、空気層14を設けることによる実効的な屈折率への影響を極力少なくでき、レーザ光として出射される横モードは単一化され高回転・高転送速度での書き込み(光磁気記録、相変化とも)が可能となる。
【0165】
更に一部の空孔11、例えば空気層14に繋がれた第1の領域に最も近接して取り囲む空孔11の直径を小さくする等により、空気層14を第2の領域に形成する影響を相殺することとしたVCSEL1を備えるので、発振領域である第1の領域の屈折率より僅かに相違する実効的な屈折率を確保しながら、空気層14により第1の領域からの電流の拡散を等方的に阻止し、閾値電流を低減化した電子機器とすることができる。
【0166】
また、キャップ層6と上部DBRミラー3bから下部DBRミラー3aの上部まで、光の共振方向に沿って第1領域を取り囲むように貫通された空気が充填された複数の空孔11及び空気層14を形成するVCSEL1を備えることとしたので、空孔11をエッチング等により形成するときにいっしょに空気層14も形成でき、製造工程を少なくすることができ電子機器の製造コストの低減を図ることができる。
【0167】
更に携帯用電子機器では、特に部品の軽量、小型化が要望されるがVCSEL1を備えれば、半導体レーザを閾値電流の低減化を図りながら高出力で横モードが単一化したレーザ光を出射できる小型軽量のチップ構造にでき、部品の軽量、小型化がより図られることとなる。
【0168】
また、VCSEL101を用いた場合は規制領域としての空気層114を例えば図16に示すように上から見て第1の領域の外側に最も近接して取り囲む空孔11を繋ぐように楕円形状に形成するので、その長軸方向(例えば図16のX軸方向)に電流密度分布を誘導することができ、その方向に線偏光が強調されたレーザ光を出射することができるので、VCSEL101によって偏光方向が異ならないようにでき、特殊なコーティングを施していないミラーや偏光ビームスプリッタといった偏波依存性の有る光学素子を組合せて使用しても、光学的に特性変化が生じることを防ぐことができる。
【0169】
更にVCSEL101を用いることによって、その多数のVCSEL101の偏光特性を揃えることができ、同一の光学系で用いてもVCSEL101ごとに異なる偏光特性により光量にばらつき等が生じるといったことを防げる。
【0170】
なお、本発明は上述したいずれの実施形態にも限定されず、本発明の技術思想の範囲内で適宜変更して実施できる。
【0171】
例えば、上述した実施形態ではVCSEL1を備える電子機器の例として光磁気記録再生装置201について説明したがこれに限られるものではなく、レーザ加工装置でも光の導波路となる第1の領域を取り囲む第2の領域に空孔11及び空気層14を形成したVCSEL1を備えるので、第1の領域からの電流の拡散を規制し閾値電流を低減化しながら、出射口を10μm以上に拡大し高出力としても出射されるレーザ光の横モードを単一モードとすることができ、集光スポット径を微細化することができるので精密な加工が可能となる。
【0172】
また、レーザ・ビーム・プリンタ等の印刷装置に光の導波路となる第1の領域を取り囲む第2の領域に空孔11及び空気層14を形成したVCSEL1を備えることによって、第1の領域からの電流の拡散を規制し閾値電流を低減化しながらレーザ光の光強度分布を単峰形にできるので、一様に帯電させた感光ドラムを局所的にレーザ照射して除電することによって、トナーが付着しない領域を形成し図版の作成を行う場合に、微細な画素を中抜け無く形成することができる。
【0173】
更に第1の領域からの電流の拡散を規制し閾値電流を低減化しながら、10mW以上の高い発光強度を有するVCSEL1を複数配列することにより、同時に感光ドラムの複数箇所を除電することができ、しかも発光強度が高いので照射時間を短くすることも可能となる。
【0174】
すなわち、電流の拡散を規制し閾値電流を低減化しながら大出力で単一横モードのレーザ光を出射できるVCSEL1により、高精細かつ高速で印刷が可能なレーザ・ビーム・プリンタを提供できることとなる。
【0175】
また、上述した実施形態では第2の領域に形成された空孔11に例えばとして空気が充填された場合について説明したがこれに限られるものではなく、第1の領域の媒質より屈折率の低い材質のものを充填しても良い。これにより、更に第2の領域の実効的な屈折率を細かく調整できることとなり、第1の領域の屈折率より僅かに小さい所望の実効的な屈折率を得ることがより容易にできることとなる。
【0176】
更に上述した実施形態では規制領域として空気層14を形成したが、空気の代わりに電流を規制できる材質のものを充填して、第1の領域を光の共振方向に沿って取り囲むように形成された層状の規制領域であっても良い。
【0177】
また、上述した実施形態では上部電極8とキャップ層6との接触領域(電極接触領域)を例えばとしてリング状に形成したがこれに限られるものではなく、レーザ光の発振領域への電流の効率的注入が可能で、閾値電流を低減化できる接触領域であればどんな形状でもよい。
【0178】
更に上述した実施形態では例えば第1の領域に最も近接して取り囲み、空気層14によって繋がれる空孔11の直径を、空気層14を設けることによる影響を相殺するように小さく補正したがこれに限られるものではなく、他の空孔11の直径を補正しても良い。
【0179】
また、上述した実施形態では例えばとして空孔11及び空気層14をキャップ層6から下部クラッド層4aまで貫通して形成したが、これに限られるものではなく、例えばキャップ層6から上部DBRミラー3bと上部クラッド層4bとの境界面付近までにとどめることもできる。これによって活性層5の空孔界面等で生じるキャリアの非発光再結合電流による発光効率の減少を回避することができる。
【0180】
更に、上述した実施形態では例えばとして空孔11及び空気層14の光の共振方向に沿ってキャップ層6から同じ深さで形成したが、これに限られるものではなく、空孔11より空気層14を深く形成しても又逆でも良い。これによって、電流の拡散の規制及び横モードの単一化、更に発光出力等を考慮し、より自由に制御できることとなる。
【0181】
また、上述した実施形態では例えばとして空気層14を空孔11を繋ぐように形成したがこれに限られるものではなく、空気層14と空孔11とを別々の位置に形成しても良い。これによって、より自由に空気層14を形成でき多種の用途に対応できることとなる。
【0182】
なお、空気層14を例えば円周状に形成するとしてその半径を大きくすれば電流の閉じ込めを小さくできるし、半径を小さくすれば電流閉じ込めを大きくできるので、その半径を変えることによって抵抗を重視するのか或いは、電流狭窄を重視するのかを選択することができる。
【0183】
更に上述した実施形態では、VCSEL1及びVCSEL101の例としてAlGaAs系を中心に説明したがこれに限られるものではなく、他の材料系や他の組成であっても良い。例えばInGaAsP系やGaN系であっても、半導体層上面から光の共振方向に沿って電流が注入される第1の領域の外側に第1の領域を取り囲むように、電流の拡散を規制する規制領域を具備することとしたので、第1の領域に注入された電流が第1の領域の外側には漏れにくく確実にレーザ光の発振に作用することとなり、閾値電流を低減化できる。
【0184】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では大口径化による高出力で横モードを安定な単一モードとしながら、発振領域である第1の領域からの電流の拡散を規制し閾値電流の低減化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るVCSELの概略斜視図である。
【図2】図1のAA´方向の断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るVCSELの空孔の配列及び空気層を説明する図であって例えば活性層を上方から見た説明図である。
【図4】VCSELのメサ構造の概略斜視図である。
【図5】図4のポリイミド或いはフォトレジストを取り除いて上から見た電極接触領域の説明図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るVCSELの製造方法のフローチャート図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係るVCSELの製造プロセスのうち結晶成長工程の説明図である。
【図8】図7の次の工程である空孔及び空気層の形成工程の説明図である。
【図9】図8の次の工程である空孔の閉じ込め工程の説明図である。
【図10】図9の次の工程であるメサの形成工程の説明図である。
【図11】図10の次の工程である絶縁層の形成工程の説明図である。
【図12】図11の次の工程である上部電極の形成工程の説明図である。
【図13】図12の上部電極を上から見たときの説明図である。
【図14】図12の次の工程である出射口の形成工程の説明図である。
【図15】図14の次の工程である下部電極の形成工程である。
【図16】本発明の第2の実施形態に係るVCSELの空孔の配列及び空気層を説明する図であって絶縁層及び上部電極を取り除いて上方から見た説明図である。
【図17】本発明の第3の実施形態に係る電子機器の例である光磁気記録再生装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1、101 VCSEL
2 基板
3 半導体多層膜DBRミラー
3a 下部DBRミラー
3b 上部DBRミラー
4 クラッド層
4a 下部クラッド層
4b 上部クラッド層
5 活性層
6 キャップ層
7 絶縁層
8 上部電極
9 下部電極
10 出射口
11 空孔
12 メサ
13a、13b ポリイミド或いはフォトレジスト
14、114 空気層
201 光磁気記録再生装置
202 スピンドルモータ
203 ピックアップユニット
204 インターフェース部
205 制御部

Claims (23)

  1. 第1の屈折率を有し光を共振する第1の領域を有する半導体層と、
    前記第1の領域に電流を注入する電極と、
    前記電極に接する半導体層上面から光の共振方向に沿って前記第1の領域を取り囲み、前記第1の領域外への電流の拡散を規制する規制領域と
    を具備することを特徴とする面発光レーザ。
  2. 請求項1に記載の面発光レーザにおいて、
    前記規制領域は、前記半導体層の活性層を貫通して形成されていることを特徴とする面発光レーザ。
  3. 請求項2に記載の面発光レーザにおいて、
    前記規制領域は、空気層により形成されていることを特徴とする面発光レーザ。
  4. 請求項3に記載の面発光レーザにおいて、
    前記電極は、前記第1の領域により発振されたレーザ光の出射口を囲むリング状領域で前記第1の領域と接触するように形成されていることを特徴とする面発光レーザ。
  5. 請求項4に記載の面発光レーザにおいて、
    前記半導体層は、前記空気層を含み光の共振方向に沿って前記第1の領域を取り囲み、前記第1の屈折率とは実効的な屈折率が異なり、かつ、その差が僅かな第2の屈折率を有する第2の領域を具備することを特徴とする面発光レーザ。
  6. 請求項5に記載の面発光レーザにおいて
    前記第2の領域は、前記第1の領域の部材に光の共振方向に前記活性層を貫通して形成された複数の空孔及び前記空気層が形成されたものであることを特徴とする面発光レーザ。
  7. 請求項6に記載の面発光レーザにおいて、
    前記空気層は、光の共振方向に直交する面内では前記リング状領域の外側で、前記第1の領域に最も近接して取り囲む空孔を繋ぐように形成されていることを特徴とする面発光レーザ。
  8. 請求項7に記載の面発光レーザにおいて、
    前記空気層及び空孔は、密閉されていることを特徴とする面発光レーザ。
  9. 請求項4に記載の面発光レーザにおいて、
    前記空気層は、光の共振方向に直交する面内では前記リング状領域の外側で、円周状に形成されていることを特徴とする面発光レーザ。
  10. 請求項9に記載の面発光レーザにおいて、
    前記半導体層は、前記空気層を含み光の共振方向に沿って前記第1の領域を取り囲み、前記第1の屈折率とは実効的な屈折率が異なり、かつ、その差が僅かな第2の屈折率を有する第2の領域を具備することを特徴とする面発光レーザ。
  11. 請求項10に記載の面発光レーザにおいて、
    前記第2の領域は、前記第1の領域の部材に光の共振方向に前記活性層を貫通して形成された複数の空孔及び前記空気層が形成されたものであることを特徴とする面発光レーザ。
  12. 請求項11に記載の面発光レーザにおいて、
    前記空気層は、光の共振方向に直交する面内では前記第1の領域に最も近接して取り囲む空孔を繋ぐように形成されていることを特徴とする面発光レーザ。
  13. 請求項12に記載の面発光レーザにおいて、
    前記空気層及び空孔は、密閉されていることを特徴とする面発光レーザ。
  14. 請求項4に記載の面発光レーザにおいて、
    前記空気層は、光の共振方向に直交する面内では前記リング状領域の外側で長軸と短軸とを有する楕円状に形成されていることを特徴とする面発光レーザ。
  15. 請求項14に記載の面発光レーザにおいて、
    前記半導体層は、前記空気層を含み光の共振方向に沿って前記第1の領域を取り囲み、前記第1の屈折率とは実効的な屈折率が異なり、かつ、その差が僅かな第2の屈折率を有する第2の領域を具備することを特徴とする面発光レーザ。
  16. 請求項15に記載の面発光レーザにおいて、
    前記第2の領域は、前記第1の領域の部材に光の共振方向に前記活性層を貫通して形成された複数の空孔及び前記空気層が形成されたものであることを特徴とする面発光レーザ。
  17. 請求項16に記載の面発光レーザにおいて、
    前記空気層は、光の共振方向に直交する面内では前記第1の領域に最も近接して取り囲む空孔を繋ぐように形成されていることを特徴とする面発光レーザ。
  18. 請求項17に記載の面発光レーザにおいて、
    前記空気層及び空孔は、密閉されていることを特徴とする面発光レーザ。
  19. 第1の屈折率を有し光を共振する第1の領域と、その共振方向に沿って前記第1の領域を取り囲み前記第1の屈折率とは実効的な屈折率が異なり、かつその差が僅かな第2の屈折率を有する第2の領域とを有する半導体層と、
    前記第1の領域に電流を注入する電極と、
    前記電極に接する半導体層上面から光の共振方向に沿って前記第1の領域を取り囲み、前記第1の領域外への電流の拡散を空気層により規制するように前記第2の領域に形成された規制領域と
    を具備する面発光レーザ
    を備えることを特徴とする電子機器。
  20. 第1の屈折率を有し光を共振する第1の領域を有する半導体層を形成する工程と、
    前記第1の領域に電流を注入する電極を形成する工程と、
    前記電極に接する半導体層上面から光の共振方向に沿って前記第1の領域を取り囲み、前記第1の領域外への電流の拡散を空気層により規制する規制領域を形成する工程と
    を具備することを特徴とする面発光レーザの製造方法。
  21. 請求項20に記載の面発光レーザの製造方法において、
    前記規制領域を形成する工程は、前記空気層と、光の共振方向に沿って前記第1の領域を取り囲み前記第1の屈折率とは実効的な屈折率が異なりその差が僅かな第2の屈折率を有するように光の共振方向に貫通させた空孔とを、有する第2の領域を前記半導体層に形成するものであることを特徴とする面発光レーザの製造方法。
  22. 請求項21に記載の面発光レーザの製造方法において、
    前記規制領域を形成する工程は、前記空気層及び空孔を形成後直ちにその開口部を密閉部材により覆うものであることを特徴とする面発光レーザの製造方法。
  23. 請求項22に記載の面発光レーザの製造方法において、
    前記規制領域を形成する工程は、前記開口部を覆う密閉部材にポリイミド或いはフォトレジストを用いることを特徴とする面発光レーザの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007234724A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Canon Inc 垂直共振器型面発光レーザ、該垂直共振器型面発光レーザにおける二次元フォトニック結晶の製造方法

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